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NARA KEIRIN

53#

検車場レポート

  • 2/21 Wed.  (前検日)
  • 2/22 Thu.  (1日目)
  • 2/23 Fri.  (2日目)
  • 2/24 Sat.  (3日目)

1R

 レインボーカップA級ファイナルで特昇を果たした山本直。S級でも1月立川記念で2912着など、まずまずの滑り出し。


 「S級はやっぱり好きですね。ただ、前々回(佐世保)、前回(小倉)と自分的にはいまいちでした。今回はその時より良くなっていると思います。奈良は、この間の(12月)ミッドナイトで来たばかりです。今回は目立てるように」


 岸澤賢太は、前回の川崎で久しぶりの優出。準決勝は根田空史にこそ屈したが、逃げて2着に粘る力強い走りを見せた。


 「(川崎の決勝は黒田淳にラインを分断されて)ああなると思っていました。しょうがないですね。S級で優勝をしたことがないので、また頑張りますよ。でも、動けているし、一時期よりはだいぶ良いですね。ここまでも間が空いて練習もできました。みんな強いので、うまく走りたい」


 

2R

選手の写真です。
野口正則選手

 野口正則(写真)が地元のトップバッターを務める。S級に帰り咲いた今期は、1月和歌山を8512着。随所で好走を披露している。


 「奈良記念は初めてです。緊張はありますけど、先輩たちもいるので大丈夫。S級に慣れてきたと思うので、落ち着いてレースをすることが大事だと思います。良い練習ができたので、それが出たらいいですね。しっかり、(後に控える地元勢に)良い流れを作れるように頑張ります」


 野口の番手は筒井裕哉が回る。前回の松山は優出するも、中2日の参戦で不安を吐露する。


 「(前回からフレームの)メーカーを換えて、めっちゃ軽いですね。動いても余裕があります。でも、ナイターからの中2日だからキツイですね。自力じゃないぶん、まだよかった。野口君とは初めての連係です」

3R

 今年に入ってリズムをつかめていない竹内翼。それでも、ここまで中23日空いて、きっちり仕上げてきた。


 「前回の平は調子も悪かったし、腰も痛かったので欠場しました。しっかり休んで、準備をしたかったので。(腰は)練習でも大丈夫だったし、もう問題ないです。あとは気持ちですね。奈良は初めて。しっかり力を出し切りたいです」


 今期からS級の小酒大勇は、2場所目の1月小倉でさっそく優出。さらに、高松記念の初日に高久保雄介を撃破するなど、奮闘を見せている。


 「少しずつ良くなっています。前回も3日間バックを取れていますし、動けていますね。自信もだいぶ芽生えてきました。自信が付けば、レース中も余裕が持てます。前は焦って、いっぱいになってしまうこともあったので。強い相手にも焦らずですね。最近はトレーニングもできています。奈良ですし、前々にいきたい」

4R

 坂本周輝は、1月松阪記念で行われたケイリンエボリューションを見事にV。当所でも、自慢のダッシュで短走路を攻略するか。


 「エボは展開一本ですよ。前回(2月平)は、最終日に9着になってしまったけど、走れたほうじゃないですかね。奈良は4年ぶりですね。レースを見えていると、前々に攻めた方が残りやすいイメージがあります」


 蒔田英彦は昨年17勝をマーク。大きい着こそ目立つも、点数以上の脚はある。


 「去年は、今までで一番最高の年だったと思います。でも、そこと比べずに去年は去年、今年は今年って思って。僕自身も(今年の飛躍を)期待しているし、もう一個上にいきたいですね。今年は出だしを失敗しているので、また再スタートしたい。まずは初日ですね」

5R

選手の写真です。
松岡篤哉選手

 なかなか調子が上がってこない松岡篤哉(写真)。それでも、試行錯誤を重ねながら復活を模索している。


 「今は(結果が出ない)こういう状態ですよ。練習の部分で、いろいろ試行錯誤していて。それが合う時と、合わない時がある。今は我慢ですね。奈良はS級に上がってすぐ来て以来なので、久しぶりです」


 中村一将は1月名古屋で123着。一時期より競走得点は落としているが、底力は健在だ。


 「ずっと状態は良いんですけど、なかなか結果が出なくて。先輩達も頑張っているので、年のせいとは言いたくないんですけど。でも、実際はそうですね。流れに身を任せて頑張りますよ」


 

6R

 前期から徐々に成績を上げていた岡本総は、1月岸和田で念願のS級初V。前回の平も無傷で優出と、勢いに乗っている。


 「練習も変えていないですし、力自体も変わっていないです。でも、レースでいつも以上の力が出せていますね。(近況の好成績は)自分が一番びっくりしています。S級に上がって、気持ちの入れ方というか。常に万全の態勢っていうのは心がけていますけど。流れが良いので、今回もその流れを引き継いでいきたい。今後も何でもやっていきます」


 柴崎俊光は前回の川崎を途中欠場したが、状態に問題はない様子。


 「(途中欠場は)身内が亡くなったので。結果がどうであれ、途中で帰る予定でした。状態に問題はないです。岡本君とは今年の松阪記念の初日に連係して、ワンツーでした」


 大石崇晴は、今期から初のS級に昇格。2度目の記念参戦も、初日から全力投球を誓った。


 「S級は徐々に慣れてきました。今の課題はスピードの維持。やりたいことはできているので、絶対的なレベルアップが必要ですね。(目標は)とりあえず、持っている力を出して、いけるところまでいけたらいいなと思っています。積極的に駆けて、力勝負がしたいです」


 

7R

 病気で出遅れた金子哲大は、前回の岐阜を429着。徐々に状態を上げてきている。


 「(12月千葉のあとに)病気になってしまいました。血液の中に菌が入って、熱が40度から引かなくて入院していました。もう体調は大丈夫です。良くはなってきているけど、まだ上がってきている途中ですね。でも、調子自体は悪くないし、前回よりは戻っています」


 点数を落としている津村洸次郎だが、今後も自身のスタイルを貫く構えだ。


 「前回(宇都宮848着)は、500バンクだし、流れに乗れなかったですね。得点を落としてしまったので戻さないと。今後も変わらずに、先行主体でやっていこうと思っています。もちろん、展開がまくりなら、まくりも考えてですけどね」


 

8R

選手の写真です。
元砂勇雪選手

 元砂勇雪(写真)は1月岸和田の決勝で落車。さらに、前回の小倉も途中欠場と、状態が心配される。


 「体は大丈夫だったんですけど、フレームが潰れてしまいました。練習用で使っていた別のフレームを使ったけど感じがよくなくて。でも、新しいフレームが届いて、そっちは感じが良いですね。レースで使うのは初めてです。奈良記念も初めてですね」


 鷲田佳史は、番手から地元の元砂を盛り立てる。


 「元砂君とは相性が良いですね。このメンバーで積極的なのは元砂君だけだし、奈良だからみんな前々に攻めてくると思う。まずはしっかり追走して、援護したいです」


 対する片岡迪之からは、「久しぶりに仕上がりました。ここに向けてやってきたから、自信があります。奈良に嫌なイメージもないですし、やれそうですね」と、景気の良い言葉が聞こえてきた。

9R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手

 予選のメーンは桐山敬太郎(写真)が中心となる。昨年の秋から状態を上げると、12月西武園を制覇など完全復活。今年も1月広島で北津留翼らを破り、さっそくVを飾った。


 「去年の一年は波を作れなかったんですけど、ようやく追い込めますね。(全日本選抜も)いろいろと収穫がありました。やっぱりGIは楽しい。(予選スタートは)勝ち上がりがシビアになってくるので嫌ですね。あと半年の我慢です。短走路は好きなので、奈良も問題ないと思いますよ。あとは結果を出すだけ」


 石毛克幸は、桐山という絶好の目標を得て笑みがこぼれる。


 「練習の感じは悪くないけど、良くなると落車してしまって…。でも、初日は本当にいい位置ですね。離れないように気を付けます」


 点数で劣る桑原亮だが、強敵を相手に一矢報いたいところ。


 「初日は自分が(大坪功一の)前でやります。内々にいくしかないですね。前回の伊東があまりよくなかったで、ここまで街道にいって練習をやってきました」

10R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。稲垣裕之(写真)は全日本選抜で優出ならず。しかしながら、確かな手ごたえを感じて当所を迎えた。


 「競輪祭の落車の影響があったんですけど、徐々に良くなってきました。ここまでも強めの練習をしてきたんですけど、感触もすごく良かったです。(2月静岡記念の決勝は優勝した古性優作と準Vの村上義弘が)すごかったですね。いい刺激を貰いました。自分も優勝が欲しい所ですけど、自分の走りをしっかりした上で獲りたい」


 三谷将太は地元記念制覇に向けて、抜かりなく準備をしてきた。


 「四日市(全日本選抜)の前も、終わってからも石垣島に合宿にいってきました。兄弟3人と親父と1泊2日で。2日間乗り込んできたし、4日前からもバンクに入ったりして、やれることはやってきました。これで負けたら何かをやり直すしかない。それくらい万全です。あとは神様が微笑んでくれるだけ」


 根田空史は昨年の当所で記念を初制覇。近況も1月松阪記念を9113着など、良い状態を保っている。


 「前回(川崎318着)の決勝は判断ミスなだけで、状態自体は良いですね。練習をナショナルチーム式に変えてからいいですね。量より質に変えて、自分なりにアレンジしてやっています。ここまでも2週間くらい空いたので、しっかり追い込んで練習ができました」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 全日本選抜は準決勝で敗れた武田豊樹(写真)。それでも、最終日にまくった木暮安由を差し切るなど、徐々に本来の姿を取り戻してきている。


 「(大怪我から復帰して)もう半年ですし、勝負できると思います。だいぶ落ち着いてきたし、体も良くなってきているので。それを感じながらトレーニングもしています。(年を重ねても練習内容は)変わらないですね。走る環境が変わってきたのは感じますけど、そこは対応しないと。それをクリアしないと、勝利はないと思っています」


 吉澤純平は前回の全日本選抜でGIを初優出。自信を深め、さらなる高みを目指す。


 「全日本の準決勝は後ろがもつれたのもあって、流れが向いただけです。でも、GIの決勝に乗るのが今年の目標の一つでもあったので。やってきたことが結果として出たのでよかったです。今度は、その先を目指して。前までは力を出すだけだったけど、結果も内容も伴うのが一番いいですね」


 早坂秀悟は12月伊東で記念を初制覇。さらに、1月松阪記念も優出するなど、G戦線でも活躍が目立つ。


 「着が悪い時は、自分のレースが出来ていないとき。立ち遅れているので、それが課題ですね。流れにそって走るだけではなくて、考えて走らないと。特に二段駆けの時は対応していかないといけない。でも、それ以外は大きい着を取らなくなりました」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 タイトルホルダーとして地元に凱旋した三谷竜生(写真)。並々ならぬ決意で地元記念に臨む。


 「S班だからと言うより、地元記念をしっかり勝つという気持ちで来ました。四日市の後もしっかり練習は出来ているし、調子も良い」


 中川誠一郎は、前回の全日本選抜で2勝をマーク。地元・熊本競輪場の再開時期も決まり、気持ちも上がる。


 「(熊本競輪の再開時期は)支部から聞きました。やっと始まってくれて嬉しいですね。(再開予定の)2020年まで記念を走れるように頑張ります。全日本も今年の中ではよかったですね。底は抜けたので、あとは上がっていくと思います。少しずつ、順調に良くなっていると思う。そういう言葉も言えるくらい、前向きにもなってきました」


 永井清史は、肉体改造に成功して、今年すでに3V。勢いに乗って当所でも暴れるか。


 「筋力を落とさずに体重を5キロ絞ったり、普段と違うトレーニングも始めました。FIですけど、結果が出てきましたね。中4日で今のトレーニングはキツイけど、何とか出し切りたいです。33バンクなので、とにかく前々にいきたい」

1R

選手の写真です。
山本直選手

 オープニングレースは山本直(写真)が制した。赤板で前に出た山本は徐々にピッチを上げて先行態勢へ。軽快に風を切ると、星島太の追撃も振り切った。


 「組み立てに問題はなかったです。落ち着いても走れましたね。1(レース)の1(番車)だったので、期待に応えられてよかったです。でも、緊張が入って、えらかった。状態は良い感じです。このまま緊張を切らさないように」


 星島太はまくってきた西本直大をブロックするなど、山本をきっちりと援護した。


 「西本が良い勢いで来たので被ってしまって(抜けなかった)。もうちょっと、すんなりならゴール前勝負ができたけど。でも、山本君が要所で踏んでいて、うまく駆けてくれましたね」

2R

 野口正則が赤板で前に出るが、合わせて踏んだ三ツ石康洋が番手に飛び付いて前団がもつれる。前受けから後方に下げた矢野昌彦は戦況を見極めると、最終ホームから反撃を開始。力強いまくりで前団を飲み込んだ。


 「本当は先行するべきだったんですけど、スタートで誰も出なくて。前受けしかないかなと。構えてからは脚に余裕があったし、いつでもいける感じでした。でも、上位相手だとまくりじゃ通用しないと思う。脚的には大丈夫だけど、セッティングがまだしっくりきていないですね」


 風を切った野口正則だったが、5着で予選敗退。地元記念での勝ち上がりを逃し、がっくりと肩を落とす。


 「もうちょっと早く切るべきでしたね。先行態勢に入っていれば、筒井(裕哉)さんも、黒木(誠一)さんも仕事をしてくれるので。躊躇しているところがダメですね。失敗でした」

3R

 後ろ攻めの竹内翼が青板のバックから動くと、中団の岡崎景介は竹内をしきりにけん制。すると、前受けの小酒大勇が赤板で誘導を下ろし先行態勢へ。そのまま中団を確保した岡崎は、最終1コーナーからまくって別線を粉砕した。


 「若い選手はチャレンジの時から戦っているし、竹内君の走りは知っている。脚の差がなければ、経験値は僕の方があるので勝てますよ。今は1日5時間くらいしっかり練習しているので、今回はその成果が出て良かった。この記念の為に練習してきたので」


 岡崎に迫った林巨人だったが、タイヤ差及ばずの2着。


 「岡崎さんが巧いレースをしてくれました。竹内君を後方に置ければと思っていたので。抜ける感じがあったので、ああいう時に1着を取っておかないとダメですね。でも、脚の感じも良かったし、気分も良いです」


 

4R

 後ろ攻めの石口慶多が、合わせて踏んだ坂本周輝を赤板前で押さえる。坂本は別線を警戒しながら前との間合いを取ると、2コーナーから踏み込んで主導権を奪取。守澤太志は番手で粘った石口を凌ぐと、直線で追い込んだ。


 「勝ち上がりの1着は久しぶり過ぎて覚えていないですね。(坂本)周輝が良い仕掛けをしてくれました。前回からフレームを換えて、自分の状態と良い感じにマッチしている。調子も上がってきているので、これからですね」


 坂本周輝は力強い先行策で、ラインを上位独占に導いた。


 「奈良は癖がないですからね。前々に踏もうと思っていました。石口さんが思ったほど踏んでいなくて、スピードを上げて仕掛けたかったので車間を空けました。内容良いレースができてよかった。満足です」


 川津悠揮は、3番手の仕事をきっちりと遂行して3着に入った。


 「前2人のおかげですよ。内を空けたら武藤(篤弘)さんとかが、掬ってくると思ったので、そこだけを意識して走りました。直線は交せなかったけど、伸びも悪くないと思う。これで4日間、走れるのでホッとしました」

5R

選手の写真です。
松岡篤哉選手

 中村一将が赤板で前に出る。しかし、押さえられた今泉薫がすぐさま巻き返すと、中村も突っ張って前団はモガき合いに発展。これで絶好の展開となった松岡篤哉(写真)は、最終1コーナーから仕掛けて前団をまくり切った。


 「前々に踏んで突っ張りたかったけど、思ったより早かったので。自分が行きたいところで今泉君がいったので、そこは落ち着いて。でも、組み立ては失敗ですね。状態はだいぶ良くなってきたけど、まだ余裕はないですね。今シリーズでいいきっかけをつかみたい」


 松岡マークの松尾淳が、きっちり続いて2着に入る。


 「後ろに加倉(正義)さんが付いているから、緊張しましたよ。モガき合いになったけど、8番(今泉薫)が邪魔になって。松岡が内から行くのか、外から行くのかで付いていくのが難しかったですね。しかし、前をちっとも抜けんな」


 加倉正義は、直線で前との車間が空くも3着に入線。ラインで上位独占となった。


 「恵まれました。松尾君が松岡君をしっかり操縦すると思っていたので、付いていくだけでいいと。最後は3番手で離れているように見えるけど、宗景(祐樹)君の動きとかを見て計算しながら。余裕がなかったらピタリと付いていくんですけど、意外と余裕がありましたね」

6R

選手の写真です。
柴崎俊光選手

 赤板でカマした岡本総が、打鐘で大石崇晴を叩く。しかし、日当泰之がすかさず巻き返し、最終1コーナーで最終主導権。岡本が渡辺に絡むと、柴崎俊光(写真)は3コーナーから前に踏んで突き抜けた。


 「意外なレース展開で、(岡本と)2人で決められなかった。車の進みは良かったし、余裕はありました。日当君のスピードが良くて、ホームで対応できなかったのが悔しい。1着を取れたので、二次予選に繋げていきたいです」


 北勢に付けた會田正一は、打鐘の2センターで前と連結を外してしまう。それでも、京都勢の3番手を奪うと、直線で伸びて2着に食い込んだ。


 「結果は良かったけど、離れてしまったので…。でも、前回(2月小田原724着)よりは走れたと思う。和歌山記念の時は落車の影響があったが、今回は大丈夫だと思います」

7R

 津村洸次郎が、合わせて踏んだ金子哲大を赤板で押さえる。一旦3番手に収まった金子だったが、2コーナーから踏み上げて主導権を奪い返した。そのまま絶妙なペースで駆けると、別線を完封して押し切り。


 「S級になってから短走路が苦手だったけど、逃げきれて良かった。3番手を取れそうな展開だったので、取ってから仕掛けのタイミングを考えようと思っていました。結果的に自分のタイミングで仕掛けることができましたね。今年初勝利を挙げられてよかったです。脚も悪くないです」


 2着の石川裕二は、悔しそうにレースを振り返った。


 「前回の松山から中2日で少し疲れが残っているのかな。金子君が強かったのもあるけど、しっかりと差したかったですね。危うく大薗(宏)さんにくわれる所でした。まあ、ラインで決まったので、よしとします」


 大薗宏も、きっちりと3着に続いた。


 「やるべき事をしっかりとできましたね。直線では突き抜けるイメージと脚があったのにコースが空かなくて。でも、余裕もあって踏めているので悪くない」


 

8R

選手の写真です。
鷲田佳史選手

 加藤健一が赤板で出るも、押さえられた中本匠栄が内から盛り返す。すると、望月裕一郎が松本大地を巻き込んで落車するアクシデントが発生。これを回避した元砂勇雪は一気に踏み込み、打鐘の2センターで主導権を奪取する。番手の鷲田佳史(写真)は車間を切って別線の反撃に備えると、ゴール寸前で差し切った。


 「(片岡(迪之)君がもう一度仕掛けて来るのもわかっていたし、ギリギリまで見て。でも、これは調子がよくないとできない。ここのあっ旋が出てから、ここに向けて仕上げてきました。今年に入って一番くらいのデキです。伊原(弘幸)さんが4着なのは反省ですけど、あそこで踏んだら(元砂)勇雪が残らなくなるので」


 元砂勇雪は、鷲田の援護を受けて2着粘った。


 「バックまでは余裕があったんですけど、3コーナーで急にキツくなりました。いつもなら逃げ切れる展開なんですけどね。自転車にあたりはあったけど、緊張もあったし、調子も落としているので」

9R

 人気を背負った桐山敬太郎は青板のバックで前受けの宮崎康司に突っ張られるも、冷静に車を下げて中団をを確保。打鐘の4コーナーから一気に仕掛けると、逃げる宮崎を軽々とまくり切った。


 「オッズを見て緊張していました(笑)。本当は打鐘で主導権を取ろうと思っていたんですけど。冷静に対応できました。(中団に入った後も)最終バックは取ろうと思って仕掛けました。思ったよりも車が進むし、調子は良いと思います」


 石毛克幸がピタリと続き、南関ワンツー決着。


 「桐山君は落ち着いていましたね。自分はずっと内を締めていました。オッズも見ていたので、絡まれたらヤバいなって思っていましたよ。付いていけて良かったです。あの展開で奈良のバンクだと抜けないですよ」


 

10R

選手の写真です。
三谷将太選手

 先に切った稲垣裕之は、押さえに来た根田空史を突っ張って出させない。一旦は車を下げた根田だったが、赤板の1センターから再度踏み上げて、強引に主導権を奪い返した。態勢を整えた稲垣は、1センターからまくって抵抗する根田を力でねじ伏せる。最後は三谷将太(写真)が直線で抜け出した。


 「南関勢の後ろから組み立てたいというのはあったけど、作戦という作戦はなかった。稲垣さんが突っ張ってくれて(主導権を)取り切れたと思ったが、根田君が無理矢理きて。自分としてもキツかったけど、稲垣さんを抜けているので好調だと思う」


 稲垣裕之が2着。巧みなレース運びで、同型ライバルを撃破した。


 「根田君をすんなり出させてはしんどいので、苦しめようと思っていました。本当は突っ張り切りたかったが、出られてからは冷静に対処できましたね。自力でのトレーニングの成果を出せましたね」


 南関勢と連係を外した竹内智彦は、打鐘の2センターで近畿の3番手にスイッチ。そのまま前を追って、3着に入った。


 「最後は伸びてくれました。(実感はないが)やっと戻ってきたのかな。キツい展開だったけど、結果が良かったので。ラッキーですね」


 

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 赤板で中井太祐を叩いた櫻井正孝が、ハイペースで風を切る。しかし、前受けから8番手に下げた吉澤純平が、打鐘から反撃に出てジワジワと前団に迫る。これに対して早坂秀悟は番手まくりで応戦。両者でサイドバイサイドの展開に。松谷秀幸(写真)は茨城コンビの仕掛けを追うと、2センターからまくり追い込んだ。


 「1回自分で動いてから、櫻井君と吉澤君のどっちが先行するか見て。そこから3番手に追い上げようと思ったけど、そんなスピードじゃなかったですね。その後は(茨城コンビに)スイッチできたし、脚の感じは全日本選抜よりいいかもしれないです。でも、もうちょい早く仕掛けられたよかったですね。吉澤君が合わされるかと思って見てしまいました。あそこで仕掛けられたら、もうワンランク上がる」


 武田豊樹が、吉澤の番手から追い込んで2着に入る。


 「併走していたから、(吉澤)純平が残るか、残らないか。早めに踏んでもしょうがないのでね。自分が踏み遅れたところもありました。吉澤も8番(中井太祐)がどういうレースをするのかとか難しかったと思う。2番(松谷秀幸)の位置取りも巧みですし、相手にとって不足はないレースでしたけど、できれば人気に応えたかったですね。優秀で反省を生かしたい」


 早坂に踏み勝った吉澤純平は、3着で優秀に駒を進めた。


 「打鐘で緩んでいたので、詰まって車が出てしまいました。でも、そのまま8番手なら負けパターンなので。(早坂に踏み勝てたのは)たまたまですね。何とか優秀にいけたけど、反省材料はある。優秀は初日と違った形で走れればいいかなと思います」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 青板の3コーナーから中井俊亮がカマすも、先に出た永井清史も踏み上げて赤板からモガき合い。中井が打鐘の2センターで力尽きると、三谷竜生(写真)は内に降りて5番手を確保。先に仕掛けた佐藤友和ら東勢の動向を見極めて、2センターから鋭いまくりを決めた。


 「良い着を取れて良かった。脚に余裕はなかったけど、とりあえず外を踏んでと思って。最後しか自力を出していないですけど、脚は悪くないと思う。1着に届いて良かったです。優秀は兄(将太)と連係するが、兄弟連係に関しては特に何も思わないですね。地元の意地もあるし、稲垣(裕之)さんが3番手の意味も含めて自分らしいレースをしていきたい」


 佐藤友和は2センターで永井をまくり切るも、三谷に屈して2着。


 「初日の位置は、優秀戦へ勝ち上がる為の最低限のポジション。永井君のスピードも良かったので、苦しかったけど、自分もしっかり反応して仕掛けられたので動けていると思います」


 佐藤マークの河野通孝が3着を確保した。


 「恵まれましたね。佐藤君も強いし、北野(武史)さんが、自分の所に絡みに来ても対処する余裕がありました。初日は付いていただけなので、勝ち上がれて良かったです」


 8着に沈んだ永井清史だったが、積極的に攻めて手応えをつかんだ様子。


 「早めに動いてくるラインがなかったので、あの展開なら誰も出させてはダメだと。踏み合いになって自分のペースじゃなかったので最後はまくられてしまったけど、脚は悪くないと思う。3か月程前からナショナルチーム式のトレーニングに変えたら、動きが戻ってきた感じです」

6R

選手の写真です。
永井清史選手

 中団の永井清史(写真)は、後ろから動いた金子哲大との併走を嫌って車を下げる。だが、態勢を立て直すと、一気に踏み込み赤板で主導権を握った。金子は合わせて踏んで4番手を確保し、渡部哲男の仕掛けに合わせて2コーナーからまくり上げるも、3番手で一杯に。結局、永井が後続のもつれを尻目に押し切った。


 「2分戦だったので、仕掛けを遅くしてしまうと厳しいかなと。ラインで勝ち上がる為にも早めにいかないとって思いました。初日の分もペースを巧く修正して走れました。最近はF1では勝っているけど、記念は4日間あるので。人気に応えられたのは良かったけど、中部の2人を失ったのは残念。決勝に乗れるように準決も頑張ります」


 湊聖二は最終バックを後方で通過する大ピンチ。それでも、2センターから前に踏んで2着に食い込んだ。


 「(渡部)哲男が頑張ってくれたおかげ。今は悪い展開でどこまでいけるかっていうのがテーマなので、3着まで届いて良かった。危険を冒してでも突っ込むってのが良い方向に出たかな。コースも空いたしね。それにしても永井君が強すぎる」 


 金子哲大は、前団をまくり切れずシンガリ負け。


 「ボコボコにやられましたね。自分の脚がなかったです。永井さんに気持ちで負けました。体も脚も良くなってきていると思うので、切り替えます」

7R

選手の写真です。
早坂秀悟選手

 松岡篤哉が青板のバックで誘導を下ろす。前受けから5番手まで下げた早坂秀悟(写真)だったが、2センターから巻き返して主導権を奪取。そのまま絶妙なペースで駆けると、別線はお手上げ。最後は守澤太志の追撃も振り切って逃走劇を完遂した。


 「逃がしてもらえる展開になったし、早めに仕掛ける意識付けができたと思う。脚の状態は仕上がっていないですけど、バンクが重くて風もある中での逃げ切りなので悪くないのかな。3番手を固めてくれた石毛(克幸)さんまで3人で決まったのが一番」


 守澤太志は、中団からまくってきた松岡を4コーナーでけん制。早坂に続いて2着に入る。


 「バンクの上の方を走っているのかと思うぐらいにキツかった。引き付けてから踏み込まないといけないと思って、ギリギリまで踏むのを我慢したけど、(奈良の)直線が短かすぎて差し切れなかった。早坂君が完璧なレースをしてくれました」


 3着にも石毛克幸が続き、ラインで上位を独占した。


 「たまには恵まれないとね。離れずに付いていけているので、状態はまずまず。内は(空けないように)気にしていた。最後は被りそうになったけど、守澤君がコースを空けてくれましたね。まくりになったらキツいなと思ったけど。早坂君が良いタイミングで仕掛けてくれたので、安心して付いていけました」

8R

選手の写真です。
澤田義和選手

 後ろ攻めの坂本周輝が、合わせて踏んだ中井俊亮を青板のバックで押さえる。中井は切り替えた大崎飛雄馬にすくわれるも、慌てずに打鐘で反撃を開始。抜群のスピードで坂本から主導権を奪い返した。踏み出しで大きく口が空いた澤田義和(写真)だったが、懸命に追い上げて最終バックでドッキングに成功。最後はゴール寸前で差し切った。


 「(中井が大崎に)内からすくわれて、中団を確保するのかなと思ったら行ってしまって。油断しましたね。とりあえず、付いていかないといけないと思って。中井のスピードも良かったけど、自分もスピードに乗れました。離れてしまうと今後に影響するけど、追いついて差し切れたし、次につながると思う」


 中井俊亮は、迷いなく仕掛けて別線を粉砕。地元記念の準決勝に進出した。


 「坂本さんが流していたので仕掛けました。出てからは、自分のリズムで踏めましたね。ホームで澤田さんと距離があるのは見えていたし、バックで追いついたのも見えていました。去年の地元記念は二次予選で失敗したし、勝ち上がれてひとつノルマをクリアですね。次は決勝を目指して」


 近畿3番手の神田紘輔は、仕掛けてきた黒田淳を2センターでけん制するなどアシスト。きっちり3着に続いた。


 「後ろから黒田さんが来ていたので、いかれないように張りながら。3番手の成績が良いので、自信を持って仕事ができています。本当はもう一つ前(番手)がいいですけどね」


 

9R

選手の写真です。
櫻井正孝選手

 赤板で桐山敬太郎が出た上を、すかさず日当泰之が押さえて出る。そのまま徐々にペースを上げて先行態勢へ。中団を確保した桐山は、仕掛けてきた中川誠一郎に合わせて最終1センターからスパート。これに対して櫻井正孝(写真)は番手まくりで応戦すると、桐山を自ら阻んで押し切った。


 「日当が良いカカリでした。日当は高校の頃からスーパースターでしたから。しっかり踏むべき所で踏んでくれたおかげです。思ったよりも後ろからの仕掛けが早かったので、中途半端になるよりは勝ちにいきました。とにかく日当が強かったです」


 桐山マークの林雄一が、2センターから前に踏んで2着に入る。


 「あそこで入っていかないと、(後ろから)入ってこられてしまうので。最初は外を踏む事を重視してたけど、中川君が飛んだのが分かったので。状態は上がってきているし、楽しみです」


 勢いの止まった桐山敬太郎だが、懸命に踏み続けて3着に入る。


 「中川さんの巻き返しが思ったよりも早くて、タイミングが少しズレました。1センターまで脚をタメられていたら車の出も違ったと思います。林さんに内に入ってこられたのよく3着に入れましたよ(笑)」

10R

選手の写真です。
香川雄介選手

 前受けの岸澤賢太が、後方から上昇した小川勇介を赤板で突っ張る。これを見た元砂勇雪は、1センターから踏み上げて主導権を握った。単騎の香川雄介(写真)は、この動きに続くと、最終バックからまくり上げる。番手から踏んだ中井太祐とのゴール前勝負を制して1着。


 「良い位置を取れたのが大きいですね。後は小川君の動きを見ながら仕掛けました。3着までには入れるかなと思ったけど、飲み込んじゃいましたね(笑)。単騎は自由に走れるからいい。落車後ですけど、体も悪くないし、自転車も大丈夫です」


 中井太祐は大きく車間を空けて元砂をアシストする。4コーナーで香川を張るも、勢いを殺せずに2着。


 「(元砂が)残ってくれて良かった。香川さんが仕掛けてきたのも見えていたけど、止め切れなかったです。脚の感じは悪くない」


 元砂勇雪は「3着に残れてホッとしました」と、準決勝進出を決めて、安堵の表情を浮かべる。


 「中井さんが車間を空けてくれているのもわかっていたので、下手に流さずに行ける所まで行こうと思っていました。新しいフレームも、そこまで悪くないですね。前回の小倉より全然いい。踏んだら反応してくれる。今回は準決勝を目標にしていたので、クリアできてよかったです」

11R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手

 山本直が切った上を、根田空史が赤板の1コーナーで押さえて、抜かりなく主導権を握る。深澤伸介が連結を外し、山本が3番手を奪取。そのまま根田が軽快に風を切って、最終ホーム、バックと一本棒で通過する。番手の伊勢崎彰大(写真)は冷静に別線の動きを確認すると、直線で抜け出した。


 「根田には初手で前以外を取って、しっかり行ったら負けないからと言っていました。やっぱり根田の番手はスーパーシートだね。落ち着いていたし、2コーナーからの立ち上げは根田の良い時の脚でした。準決が楽しみ。自分は終始楽に回って、追い込めました」


 根田空史が粘って2着。持ち前のパワーを存分に発揮してファンを沸かせた。


 「セオリー通りでしたね。感じよくは行けたけど、ゴール前はフレームの硬さに負けた感じがありました。今回からギア板を換えて。(セッティングは)ちょっとは感触が良くなっているけど、(今のフレームの)根本が重いので。とりあえず、(勝ち上がれて)ひと安心です」


 筒井敦史が、山本の番手から追い込んで3着に入る。


 「ちょっと想像していた展開と違いましたね。根田の前受けと思ったけど、近畿勢が取ったのが誤算でした。本当は(山本)直が挑戦する形で組み立てていて。あとは俺がどう援護するかだったんですけどね。最後は(根田と伊勢崎の)間が空いたら1着でした。コースが狭かったです」

12R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 後方から一気に踏み込んだ三谷竜生が、佐藤友和を赤板の1センターで叩く。吉澤純平は打鐘めがけて巻き返すも、三谷将太の強烈なブロックを受けて後退。武田豊樹が最終ホームから自力に転じる。三谷将が今度は1センターで武田をブロックするが、止まらないと判断してバックで張りながら前に踏む。すると、武田の動きを追った松谷秀幸(写真)が、大外のコースをまくり上げる。4コーナーで三谷将を捕え、ゴール線を1着で駆け抜けた。


 「先に前を切ろうかと思ったけど、(佐藤に)突っ張られてしまって少し失敗しました。単騎で先に切ると泳がされてしまう可能性があったので、後ろの動きに合わせてと思っていたんですけど。(激しいレースだったので)何度か落車しそうになったけど、しっかり仕掛けられているし、調子は良い」


 稲垣裕之は、番手からまくった三谷将を追えず。それでも、最終2センターから外を踏んで2着に入った。


 「凄かったですね。三谷兄弟の気迫を見せて貰いました。三谷将君が前に踏んでくれたので、付いていかないといけないところなんですけど。3番手は凄く難しいポジションだと思いましたね。2人が頑張ってくれたおかげです。状態は良いと思います」


 竹内智彦は、最終2センターで内を突く。直線で伸びて3着に食い込んだ。


 「作戦は前々にいって、中団以内にいるって話でした。思ったよりも踏めていますね。初日のレースでも良い手応えがあったし、やっと状態が上がってきました。準決は早坂(秀悟)の番手で。離れた事は一度もないです」


 三谷竜生は気迫の先行策を見せたが、最後まで余力を残せなかった。


 「出切るのに脚を使ってキツかったですね。それでも、最後までもつようにしないと。後ろの状況は見えていたけど、まずは自分のやることをやってと思ってました。状態は大丈夫だと思う」

10R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
選手の写真です。
永井清史選手

 吉澤純平が赤板で勢いよく飛び出す。押さえられた永井清史だったが、巻き返してきた稲垣裕之(写真)に合わせて踏み込み、打鐘で吉澤を叩いた。稲垣はすぐさま筒井敦史を締め込んで永井の番手を奪取。1センターからまくると、後続のもつれを尻目に快勝した。


 「厳しいメンバーだったので、前々に動こうと思っていました。その結果、いい位置が取れましたね。(1センターから仕掛けたのは)ライン3車ですし、このメンバーで後手は踏めないので。ここまでの3走とも、いろんな展開に対応できているし、状態は良いですね。一走一走、集中もできています」


 稲垣を懸命に追いかけた永井清史(写真)が2着に残った。


 「今は先行に対しての迷いがなくて、少し長い距離でも行ける自信が出てきている。(稲垣さんに)まくられた後も余裕はありました。あの展開で2着をキープできているので、トレーニングの成果が出てきたと思う。決勝に乗れたのは嬉しいけど、上位と力の差があるので、これから縮めていきたい」


 三谷将太は、インで粘った吉澤と3番手で併走となる。しかし、2センターで競り勝つと、まくってきた桐山敬太郎を阻んで3着に入った。


 「ライン3車で稲垣さんが仕掛けてくれて。まだ1着は取れていないけど、今開催は神がかっている。吉澤さんに当たって欲しいタイミングできてくれて競り勝てたし、その辺の対応が今回は神がかっている」


 吉澤純平は、三谷に競り負けて7着敗戦。


 「永井さんを出して、3番手と思っていたけど。永井さんの後ろに稲垣さんがいるとは思わなかったです。それで下げられなくて、三谷君と勝負になりました。いい勉強になりましたね」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手
選手の写真です。
河野通孝選手

 元砂勇雪が先に出た櫻井正孝を打鐘で叩いて主導権。叩かれた櫻井が番手に飛び付いて中井を捌くと、地元勢に付けた香川雄介は内に斬り込んで元砂の番手を奪取。すると、前団のもつれを見ていた武田豊樹(写真)が打鐘の4コーナーから反撃。逃げる元砂をバックで捕えると、河野通孝の追撃を振り切った。


 「最近は先頭で走ることもなかなかないから、力勝負をしたいなって思って集中していました。4コーナーですかさず踏んでいけたし、ラインができる以上は(負けるなら)攻めて負けたいなと。河野君は普段努力している選手ですから、ワンツーが決まって良かったです」


 武田マークの河野通孝(写真)が、きっちり続いて茨城ワンツー。


 「自分の中では、最終バックで武田さんが出切ってから後ろをみる余裕がありました。最後は抜けなかったですね。でも差し込みにいけているので、上出来です」


 茨城勢に上をいかれた香川雄介は、3コーナーから前に踏み込んで3着に入った。


 「中井君が追い上げてきたら入れるつもりで位置を取ったけど、バリバリっていう音が聞こえたので、もう仕方ないかなと。武田さんがまくってきてからは自分で出る脚もないし、キツかった。初日、2日目とビッグパフォーマンスをしたらしんどかったです」


 

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手
選手の写真です。
早坂秀悟選手

 中井俊亮が根田空史の動きに合わせて踏んで前に出る。前受けから後方に下げた早坂秀悟だったが、南関勢の内をすくって中団を確保。打鐘の4コーナーから踏み込んで、逃げる中井をねじ伏せる。目標がまくられた三谷竜生(写真)は、竹内智彦を捌いて早坂の仕掛けを追走。追いつきざまに交わして勝利した。


 「(中井)俊亮が頑張ってくれました。最終ホームで上をいかれたけど、対応できたと思います。あれだけ俊亮がいってくれたので、1着を取らないといけないなと思っていました。決勝はしっかり走って、ラインでワンツースリーが決まるように」


 早坂秀悟(写真)は三谷に屈するも、積極的な仕掛けで決勝行きの切符を手にした。


 「(中団で併走した根田は)前に踏んでいくと思っていたので、そこはあまりこだわらずに。でも、勝負所で中団にいられたらとは思っていました。初日も前で櫻井(正孝)が頑張ってくれたし、位置を確保できるようにはなりたいですね。状態は良いと思う」


 三谷に張られた竹内智彦だが、懸命に前を追って3着に入る。


 「早坂と連係が乱れたことはないので、安心して付いていました。(三谷が横を通り過ぎる)スレスレで張りに来ると思っていたので耐えられましたね。ちゃんと3着に残っているし、デキはいいです」


 地元の中井俊亮は、早坂に力負け。「最低限の走りはできました。三谷さんが決勝に上がってくれて、とりあえずはよかった」と悔しさを滲ませながらレースを振り返った。


 


 


 最終日の9レースには、S級ブロックセブン年はリズムに乗れない新山響平。前回の全日本選抜でも連日積極的な競走こそ見せたが、7418着と成績は今一息。ここを制して今後に弾みを付けたい。


 「(四日市は)先行できたのはよかったですけど。あとからVTRを見て思ったのは、力強さがないなと。強烈な踏み直しとかができる様に練習をしないとダメですね。(全日本選抜の後に沖縄に行って)山崎(芳仁)さんにダメなところを聞いて。それを改善しながら練習をやっています。それがレースで出せれば」


 武田憲祐は、新山という好目標を得てチャンスが広がる。


 「今はやりたいことを練習で出来ています。その中で、展開が悪い時にどうにかできる脚を付けようと思って準備をしていますね。新山君とは(昨年2月の)別府で連係しています」


 得点最上位の橋本強は1月大宮記念を優出など、G戦線でもV争いに参加。全日本選抜こそ振るわなかったが、点数最上位の意地で単発レースを制するか。


 「今は、ウィナーズカップに向けて。それだけを考えてやっています。ここまでも、がんがん練習をしていました。新車を試したかったんですけど、今回は33なのでずっと使っている自転車を使います。ここを勝って、弾みを付けたいですね」


 怪我で長欠していた栗山俊介は、1月当所で約3カ月ぶりに実戦復帰。ここまで3場所走って優出こそないが、手応えをつかんできている。


 「(落車は)地味に大怪我でした。でも、今はだいぶ良くなっていると思います。ここまでも奈良記念に出るメンバーと練習をしてきました。怪我明けだからどうかなと思ったんですけど、良い感じでモガけましたね」