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なごや競輪

NAGOYA KEIRIN

42#

検車場レポート

  • 5/16 Wed.  (前検日)
  • 5/17 Thu.  (1日目)
  • 5/18 Fri.  (2日目)
  • 5/19 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 オープニングレースは山崎賢人(写真)に期待が集まる。5月松阪FIは逃げ切りでS級初優勝を飾った。勢いに乗っての2度目の記念挑戦。1レース1番車で好スタートを決める。


 「S級に上がってから、決勝にあまり乗れてなかったし、そこまでいいという感じはなかったんですが、松阪で優勝できて自信になりました。終わってからはいつもどおり練習してきました。状態はいいと思います。武雄記念は準決勝で飛んでしまったんで、今回は決勝に乗りたいです。走るのが楽しみです。1レース1番車はありがたいですね。期待に応えられるように頑張ります」


 追加参戦の柳詰正宏が山崎と初タッグを組む。今期の競走得点は104点台と好調だ。


 「山崎君は相当強そうなんで、しっかり付いていきます。自分の状態も徐々に上がってます。足りないパワー系の練習を増やしたりして、その成果が少しずつ出てきていると思います。追加は5、6日前にもらったんで大丈夫です」

2R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 簗田一輝(写真)は抜群のスピードで勝ち星を積み上げている。初日予選は3連勝中。ここもパワフルな走りで期待に応える。


 「(4月)和歌山の決勝で落車したけど、怪我はたいしたことなかったので、影響は全然ないです。前回(福井)の感触もそんなに悪くなかった。自分の力をしっかり出せば勝てると思います」


 加藤圭一は5月松阪FIの最終日に久々の勝ち星を挙げた。


 「松阪は久々に初日の特選に乗れました。決勝に勝ち上がれなかったけど、最終日に勝てたのはよかったです。追加は終わって次の日くらいに受けた。疲れは取ってきたんで大丈夫です。簗田君は強いので、しっかり付いていきます」

3R

 好調な選手がそろったが、近畿ラインが総合力でリードしている。元砂勇雪は先行主体に、各地で奮闘している。


 「気持ちが落ちていた時期もあったんですが、4月ぐらいからまた練習量を増やして、徐々に上がってます。(4月の)奈良と大垣は感じがよかったんですけど、前回の松阪は思ったよりもよくなかったんです。終わってから1日だけ休んで練習したので、それより悪くなることはないと思います。いつもどおりのレースでしっかり頑張ります」


 新田康仁は4月広島FIで2年半ぶりの優勝を飾った。本来の輝きを取り戻しつつある。


 「ここ1、2カ月は練習で手応えを感じてました。優勝もできて、それが結果に結びついてきている。記念になるとメンバーがキツいけど、準決勝、決勝で戦えるように。もう(来年3月には)45歳になるし、体は正直ですけど、老体にムチ打って頑張りますよ」

4R

 川口公太朗は今年から戦法を自在にチェンジ。年頭から好調が続いていたが、前回の4月函館GIIIは精彩を欠いた。


 「前々回の松阪が終わってから熱が出たりして、体調を崩しました。函館の後も免疫力が下がって、結膜炎になったり…。もう治っているんで大丈夫だと思いますけど。気持ちはしっかり切り替えてきたんで頑張ります」


 伊藤正樹もいまひとつ流れに乗れてないが、地元記念で気持ちは入っている。


 「成績ほど悪くはないと思います。ダービーが終わってからも普通に練習してきました。川口君の番手でしっかりと。地元地区なんで頑張ります」

5R

 前回、平塚ダービーの一次予選で落車に見舞われた阿部拓真は、その後5、8着でGIシリーズを終えた。


 「(落車の)影響がないと言ったらウソになる。練習は超軽くやってきた。自分は気持ちを入れて走れば、カバーできるところもあるんで。レースでの組み立ては(いつも)考えてますけど、考えすぎないように。あとは自分の感覚で走るようにしている。まずは(一次予選は)ラインの3人で決まるように」


 「久々の名古屋記念なんで、気合が入りますね」とは、08年以来のホームバンク記念となる佐藤亙。山口智弘とのタッグの一次予選に気持ちを込める。


 「ぐっさん(山口)は前々回の久留米で一緒だった。点数よりも(動きが)良かったし、積極的に駆けてくれる。僕はシューズを換えて良くなりました。2場所前くらいですかね。ずっと感じが悪いのはセッティングだと思っていていじってたけど、シューズだって気づいた」

6R

選手の写真です。
岡本総選手

 組み立て面を課題にあげる岡本総(写真)が、まずは一次予選突破にイメージを膨らませる。


 「脚の感じは悪くないんで、そこ(展開面)をどうするかですね。脚がないんで組み立てをしっかりしないと。下手なレースをしないように気をつけていきたい。そう(吉田敏洋と決勝に進出)なるように」


 林巨人は、岡本との連係に気を引き締める。


 「(岡本には)1回ここでちぎられているんで、しっかり追走していきたい。トリッキーな動きもあると思うし、しっかり付いていきたい。(ダービーのあとは)順調に調整して来られたし、練習の感じも悪くなかった。ダービーの時もそこまで自分の感じも悪くなかった」


 前回の松戸FIを193着の佐々木省司。初日には今年の初勝利を飾って好感触を得た。


 「前回は1着も取れたし悪くない。1着は久しぶりだった。ナイターだったんで、あとは(中4日で)疲れが抜けててくれれば」

7R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 ダービーでは897着と成績こそ残せなかった鈴木竜士(写真)だが、収穫のあったGIシリーズだった。


 「千葉の山中(秀将)さんに聞いて、自分の足りないものだったり、いろいろなことがわかった。位置は取れるんですけど、そのあとの瞬発的なものですね。それにダービーの前は、ウエートトレーニングとかやらずに体の使い方をメインにやってきた。でも、やっぱり自分はウエートトレーニングをやりつつ自転車のトレーニングっていうのが合っている。今回はそうやってきました」


 村上直久は、前回の大垣FIが落車による怪我からおよそ4カ月ぶりの復帰戦。2場所目での上積みはどうか。


 「(怪我は)右の鎖骨とろっ骨ですね。(前回は)思ったより良かったけど、2日目と最終日が反応が悪かった。脚の感じは悪くないんで、あとは反応の部分だけ。前回のあともしっかり練習ができたし、練習でのベストタイムも出た。あとはそれを競走につなげたい」

8R

 3場所前の高知FIで一昨年の7月以来の優勝を無傷の3連勝で飾った鈴木謙太郎は、続く西武園記念、佐世保FIの2場所で4勝をマークと軌道に乗ってきた。


 「(初日は)後方にならないように。とりあえず(仕掛けて)行ってみてですね。そういう風に勝ち上がれれば。栃茨の強い人たちが集まった合宿にも参加させてもらったし、いい練習ができた。ここはオーソドックスな(400)バンクだし走りやすい。あとは勝負どころを見極めてですね」


 竹内翼は前回の松阪FIの419着で、今年初めての決勝に進出。これをキッカケにして、上昇気流に乗りたい。


 「調子は(その前から)良かったんですけど、それがなかなか結果に出なくて。やっと前回にそれが。納得のできる走りができたし、キッカケになった。なかなかうまくいかなったのが、前回はうまくいった」

9R

 今期S級の舞台を初めて踏んだ佐々木豪は、11場所を終えてFI、GIIIすべてで予選をクリア。ここも人気を集めそうだ。


 「(前回から)中4日なんであんまりなかったんで練習だけで、調整はあんまりしていない。筋肉痛がありますね。体調の方は問題ないし良くなっている。あとは調整していないぶん、疲れがどうかですね」


 「高校の同級生なんですよ、腐れ縁ですね(笑)」と、渡辺正光との連係に笑みがこぼれる佐藤一伸。優出から遠ざかっている近況をこう振り返る。


 「準決で負けちゃうんですよ。番手を回ることも多くなっているし、ある程度は慣れてきた。でも、自力で動けるうちは自力でやってた方が面白い」

10R

選手の写真です。
中村浩士選手

 中村浩士(写真)は前回のダービーを5813着。田中晴基マークから突き抜けた3走目で高配当を演出と、上々の動きが目を引いた。


 「ダービーの1走目は郡司(浩平)君に空いてしまったのが悔いが残るし、二次予選もまだやれることがあった。3走目は1着が取れたし、4走目は岩本(俊介)の緩急つけた走りにもピタリと付けた。収穫のあるダービーでした。そこからは地区プロに向けた記録会があって、自分のタイムも伸びていた。(40歳で)まだ手応えがある」


 12年のいわき平の復興競輪の決勝で川村晃司と連係がある神山雄一郎が、記憶をたどりながら口を開いて、再び川村の番手を明言する。


 「昔の平でありましたね。俺は落車しちゃったけど、カマしに行ってくれた。川村君がいるんなら、ここも川村君にいきます。自分はダービーはまぁまぁよかった。一次予選で3着に入れていれば良かったけど、ほんのちょっと4着だった」


 太田竜馬はダービーを2798着と2走目以降は大敗が続いた。


 「動きが良くなかったし、反応も悪かった。自分で展開も見えてないところがあった。もうちょっと対応力が必要ですね」

11R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 4月武雄記念での落車の反動があったダービーは4466着。吉田拓矢(写真)らしい動きが見られず、気持ちを切り替えて今シリーズに臨む。


 「(ダービーは)思うように体が動かなかった。そこからいい練習といい治療ができた。体が動くようになったし、あとはそれをレースで出せれば。初心に返って、高松宮記念杯まで仕上げていきたい。まだまだ(競輪人生は)長い道のりだから、こんな時もある。ひとつひとつの不安要素をなくしていきたい」


 1カ月以上ぶりの実戦がダービーだった諸橋愛は、GIでレース勘を取り戻して自信をのぞかせる。


 「(ダービーのあと)2日間くらい休んで、あとはやれることをやった。おかげさまで、やりたくはなかったけどケン坊(大塚健一郎)とも競ったし、(レース勘を)戻そうと思って単騎戦が多かった。刺激的でした。名古屋の方が戦えると思います」


 「自力の時が中途半端だった」と、ダービーを振り返ったのは山田久徳。3645着のシリーズの反省を忘れない。


 「空回りしたっていうのでもないけど…。(自力も番手も)どっちにしても満点じゃないですね。そのあとに違反訓練もあったし、ゆっくりっていう感じではなかった。(初日は)まずは流れをつくれるようにしたい」

12R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 3月の当所記念を制した吉田敏洋(写真)は、前回のダービー二次予選で落車に見舞われた。その後は満身創痍で2走をこなして32着。


 「(仕上がりは)なんとかですね。終わってからは、ほぼそっち(ケア)がメインでした。こういう状況には慣れているんで。昔だったら(地元記念)連覇とか考えたけど、いまは4日後の先のことは。まずは目の前のレースを自力だろうが番手だろうが。1個、1個のレースでテーマをもってやって、それがつながっていけばと思っている」


 ダービーの二次予選では、根田空史を相手におよそ2周を駆けて2着に粘り込んだ柴崎淳は、中9日でコンディションはどうか。


 「(ダービーは)出し切りました。最終日はコケるかと思った。よくやった方だと思います。それでちょっと体調を崩したんで、不安はそこだけですね。それほど時間がなかったんで、調整していい状態にもっていけるように」


 その柴崎を最終日にブロックした小松崎大地は、成田和也とのワンツーも逃げた渡邉一成が5着で課題を残した。


 「僕と成田さんが逆の並びだったら、(福島の3人で)ワンツースリーだったと思う。SS(の渡邉)にあんだけ駆けてもらって、5着まで沈めてしまうようじゃ…。ただ、ものすごくいい経験をさせてもらったんで、それを無駄にしないように」

1R

 合わせて動いた窓場千加頼が押さえた上を山崎賢人が出て打鐘で主導権を握る。中団に近畿勢が入り、土屋壮登は8番手。後続を一本棒にしてマイペースで駆けた山崎が、二の足で別線をシャットアウトして逃げ切った。


 「(別線が)中団から出てくるのかどうするのかわからなかったけど、(周回中は)後ろからって決めてました。誰も(まくりに)来てなかったんで自分のペースで行けるなっていう感じだった。(優勝した前回から)とくに問題なくきている。(初日は1レースで)朝がちょっとギリギリでしたけど(笑)」


 番手絶好の柳詰正宏は、最終バックで山崎の余力を図りながら楽に追走。直線勝負で追い詰めるも、4分の1輪まで。


 「結構、(最終)バックで余裕があったから交わせると思った。そしたら(山崎の)踏み直しがすごかった。余裕があるんでしょうね。(山崎との連係が)初めてだったんですけど、やっぱり強い。自分の脚の感じも悪くないんですけど」


 

2R

 後ろ攻めから上昇しようとした簗田一輝は佐川翔吾に警戒されて7番手の位置に戻る。内から踏み上げた篠原忍が打鐘前に先頭に出て、徐々にペースを上げる。簗田がホームから反撃に出ると、佐川がこれに合わせて4番手からまくる。大外を踏み続けた簗田が最後は力でねじ伏せた。


 「切るつもりでいけば出させてくれると思ったけど甘かったです。ホームで踏んで行ける感じはあったので、そんなに焦ってなかったんですが、レース内容はダメですね。これからもっと警戒されてくると思うので、もう少しレースをうまく運びたいです」


 篠原忍の先行に乗った松崎貴久は最終バックから番手まくり。これにスイッチした村田雅一が鋭く追い込んで2着に入った。


 「佐川君もキツかったと思います。内のコースをつぶしておかないと誰か入ってくるので。しんどかったわりに最後は伸びたと思います」


 簗田との連係が乱れた加藤圭一だが、立て直して3着を確保した。


 「簗田らしいレースでしたね。飛んじゃったって思って。次からは信用して付いていきます」


 

3R

選手の写真です。
西田雅志選手

 押さえて出た元砂勇雪の上を新田康仁が切って出て、前受けの吉本哲郎には思惑通りの流れ。赤板の2コーナーから山降ろし気味に踏んで主導権を握り、快調に駆ける。反撃に出た7番手の元砂は、女屋文伸と接触して落車。4番手の新田も仕掛けられず、西田雄志(写真)が番手から追い込んで今年の初勝利を飾った。


 「(吉本)哲郎は高校の自転車部の時から一緒。俺が3年時の1年だったから、20数年の付き合い。連係は16年ぶり。別府のA級で優勝させてもらったし、これが2回目の連係だから勝率は100パーセント。(ラインで)ワンツースリーが決まってよかった」


 1周半を絶妙なペースで逃げた吉本哲郎が、兄デシとのワンツーを満足そうに振り返る。


 「あれが一番ベストでしたね。(元砂)勇雪が切って、そこを新田さんが切ってくれればと。その通りになって、たまたまですけどよかった。(最終)2コーナー過ぎにガシャンって落車になって、結構、自分の力が抜けてフワフワした。それでも結果が出たんで感じは悪くない」


 

4R

 合わせて動いて先に切って出た川口公太朗が中団をキープ。隅田洋介の先行で引地正人は一本棒の7番手に置かれる。しかしながら、川口も最終1センターから早めのスパート。隊列が短くなったところを引地がまくりで仕留めた。


 「本当は前を取りたくなかったけど、誰も出ていかないので自分が出て前受けから組み立てる形になりましたね。踏み込んだ瞬間は微妙だったけど、バックでの掛かりが良かったのでイケる感じはありました」


 引地マークからゴール勝負の松澤敬輔は、交わせず僅差の2着。


 「作戦はすべて引地さんに任せていました。引地さんはムラがあるけど、潜在能力がすごいですね。97点の脚ではないですよ。あの展開なら引地さんを抜けないとダメですよね。交わせていないのは、自分の実力が足りなかっただけです」


 

5R

 前受けの阿部拓真は赤板で上昇してきた上原龍を突っ張る。そこを山口智弘が一気に仕掛けて主導権を握る。4番手を確保した阿部が最終2コーナーから好回転でまくると、乗った鹿内翔が余裕の差し切り勝ち。


 「(阿部が)あそこの位置を取ったんで、絶対にまくり切れると思ってました。なにもすることがなくて、ただ付いていって、抜くだけでしたから。ちょっと早く抜きにいきすぎてしまった。阿部も最後はタレてきていたけど、ワンツーが決まってよかった。久々に本線だったので緊張しました」


 思い通りにレースを運んだ阿部拓真は2着の結果にも首を傾げる。


 「正直、踏み切れてなかったです。感じはイマイチですね。体を使えていない。前回の落車の影響があるかもしれない。これで1回刺激が入って、動いてくれれば。修正できるかわからないけど、しっかりケアします」


 

6R

選手の写真です。
林巨人選手

 打鐘ですんなり出た齋藤宗徳が、先行態勢を取る。7番手に置かれた岡本総は、スピードを緩めた齋藤が踏まないのを見て打鐘の4コーナーで巻き返す。合わせて踏んだ齋藤をねじ伏せた岡本を番手の林巨人(写真)が追い込んで1着。


 「(地元で)めちゃくちゃ緊張しました。距離が距離なんであれですけど、(岡本は)流さずにそのまま行った方が良かったんじゃないかと。もう(残り)1周ですから。(岡本が)ちょっと休むのかなっていうのがあって、(踏み出しは)ピリッとした。いい時なら考えずにいけている。でも、考えちゃっている。脚は悪くないんですけど」


 齋藤の上がらないペースを見極めて反撃に出た岡本総は、林とのワンツーも苦笑い。


 「一瞬、迷ったんですよね…。(齋藤が)駆けないと思って、ヤバいっていう感じだった(から仕掛けた)」


 坂上忠克が遅れ気味で上野真吾は、齋藤の番手から愛知コンビに切り替えて3着。


 「(齋藤は)すんなり先行態勢に入れるかと思った。そしたら(岡本が)来ちゃって、タイミングが合ったんで切り替えさせてもらった。止められないにしても振ったりしないと。余裕がなかったんでダメですね。そのあとは踏めている感じがあったんですけど、前が掛かってて伸びなかった」


 

7R

 フタをされて成松春樹に警戒された鈴木竜士だったが、すかさず反応。成松から主導権を奪って逃げる。鈴木との車間を空けた小林圭介が、好展開をモノにして1着。


 「(鈴木が)すかさず行ってくれましたね。ただ、ダッシュがすごくて。3番手がいないのはわかりました。ただ、自分もいっぱいでした。最後は前を残さなきゃいけない気持ちと、前に踏まなきゃいけない気持ちがあって余裕がなかったです」


 まくった村上直久は不発も、村上に乗った土屋裕二がコースを縫って伸びた。


 「体が良くなっているのもあるけど、フレームを戻したら伸びが良くなったね。前が止まったのがわかったんで少し待った。そのぶんもうひと伸びする感じはありました。村上が頑張ってくれたおかげです」


 

8R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 打鐘から主導権を取った竹内翼に対し、前受けから7番手まで下げた鈴木謙太郎(写真)がすかさず巻き返す。最終ホームで4番手に収まった鈴木は間髪入れずにまくっていく。瞬く間に前団を抜き去った鈴木が後続をちぎって圧勝した。


 「苦しかったです。後方にならないように仕掛けて、まずは前まで出ようと。行けなくても外併走しようと思ってたんですが、竹内君も踏んでいたので、あそこが空きましたね。そのまま詰まったんで、無理やり行きました。キツかったです」


 まくられた竹内翼は諦めずに最後までもがいて2着に踏ん張った。


 「やりやすいメンバーだったので、しっかり力勝負しようと思ってました。すぐ(鈴木が)来ると思って踏んでたんですけど、その後に一瞬、流して、また来たのがわかって踏んでました。鈴木さんが強かったすね。(2日目以降に)つながる走りはできました」


 鈴木との連結が外れた岡光良だが、必死のリカバリーで3着に食い込んだ。


 「(鈴木の)加速が何度もあってキツかったです。外国人のようなまろやかな仕掛けでした。鈴木君には何度も連れていってもらっているので、付いていきたかったんですけど、離れました。でも、周りはまだ見えていたんで、しぶとく走れたと思います。最後はいっぱいでした」


 

9R

選手の写真です。
佐藤一伸選手

 佐々木豪にフタをして併せ込んだ竹澤浩司が、再度踏んで打鐘過ぎに主導権。下げ始めたところで竹澤に踏まれた佐々木が巻き返すも、渡辺正光の外で絡む。車間を空けて4番手でタイミングが取った佐藤一伸(写真)が、最終1センターから詰める勢いでまくって1着。


 「渡辺君のおかげですね。(中団に入って)あとは2番(佐々木)を見ながら車間を切ってました。顔見せで重かったんで嫌だなと思っていたけど、(まくったら)意外と車が出ました」


 佐々木を張った渡辺は、佐藤に付け切れない。先行の腹を固めて積極策に出た竹澤を利した竹田和幸が、2着に追い込んだ。


 「(佐々木)豪が後手を踏んでくれたし、展開が向きました。そのあとも(佐藤が来て)2車かと思ったら1車だった。うまく竹澤君に追ってもらえればと思ったけど、豪も来てたんで踏ませてもらった。踏んだ感じは良くない。でも、なかなか(このメンバーで)2着なんてないし竹澤君のおかげです」


 最終2コーナーでも大きくもってこられた佐々木豪は、懸命に前をつかまえに行くが4着まで。S級に昇級の今期、初日で初めて確定板を外した。


 「すみません、ちょっと焦った。らしくなかったです。あれ以上回らなかった。いつもだったら行けるのに…。回りが悪かった。相当、疲れているんだと思います」


 

10R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 踏み合いを避けた太田竜馬が南関ラインを受けて、渡邉雄太が逃げる。しかしながら、中団がもつれて、後方で脚を溜めた中川誠一郎(写真)が最終ホームから一気。鮮やかなロングまくりで後続をちぎった。


 「ジャン過ぎから詰まっていたし、前も踏んでいなかったので仕掛けていきました。出切れれば(園田)匠に差されても仕方ないという思いで踏んでいきました。長い距離を踏んでも余裕はあったし、ここのバンクは軽くて(自分に)合いますね」


 踏み出しで中川に置いていかれた園田匠は、太田と絡みながらも2着を確保した。


 「中川さんが仕掛けを間違えたのかと思って、口が空いてしまっただけ。太田を締め込んで、そのあとにリカバリーはできている。前回よりはだいぶ良くなっていますね」


 最終2コーナーで園田に押し込まれた太田竜馬だったが、立て直してのまくり追い込みで3着。


 「ジャンのところで川村(晃司)さんの動きを見てしまったのが失敗でした。前がゴチャついたところを中川さんに行かれたので、追いかけようとしたら園田さんに締め込まれて。普通だったら完全に負けパターンだけど、そのあとに立て直して外を踏めているし、いつもよりかはいいですね」


 

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 赤板前に先頭に立った吉田拓矢を竹内雄作が叩いて打鐘前からハイペースで逃げる。4番手キープからまくった山田久徳は不発となったが、さらにその上を吉田が6番手から豪快にのみ込んだ。


 「たまたま勝てただけですね。前の動きを見てしまったのは反省です。あとは気持ちで行けるか、行けないか。余裕はあって、力まずにいけたのは収穫です。(2日目以降は)内容も重視して走ります」


 諸橋愛(写真)が2着に続いて、関東ワンツー決着となった。


 「ただ付いていっただけですけど、状態は問題ないです。前回よりも感覚はいいです。ただ、吉田はやっぱり積極性を失っている。それがたまたまいいほうに出たけど、坂本(亮馬)の動き次第で8、9番手の可能性もあった。紙一重ですよね。見ていて余裕はあった感じなんで、あとは思い切りのよさを修正してほしい」


 山田が不発の展開から椎木尾拓哉がしぶとく3着に入った。


 「(山田)久徳がいいレースをしてくれて、それに尽きます。無理やり行ってくれたけど、スピードが合ってしまいましたね。自分の感覚は悪かったので、修正して頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 押さえて出た石塚輪太郎を柴崎淳が打鐘で叩いて主導権を握る。吉田敏洋(写真)、志智俊夫まで出切ると、田中晴基がそこに襲い掛かる。が、齊藤竜也は連結を外して、田中の番手に柴崎が収まる。柴崎は石塚のまくりに合わせて番手からまくる。冷静に柴崎を追走した吉田が、直線で余裕をもって抜け出した。


 「(柴崎)淳の踏み出しに集中していました。調子は悪いとは思わないんで、一走、一走、上げていければ。レベルの低い話だけど、(落車明けなので)ひとつひとつの課題をクリアして最終日につなげられるように。(柴崎が番手に入ったところで)あそこは石塚なり、小松崎(大地)が絶対に来るんで、最悪自分で張るなりしながらまくれるようにとは思っていた。そしたら淳が頑張ってくれた」


 田中に出られた柴崎淳だったが、再び番手から踏む出す。苦しい流れのなかで2着に粘り込んだ。


 「(体の感じは)ダービーの時とは違いますね。ただ、感覚的なものはピカイチだと思う。あとは気合とレース展開」


 最終2コーナー手前からまくった石塚は、柴崎の番手発進に合わされて不発。2センターで内から小松崎に強烈に当たられた稲川翔だったが、立て直して3着に入った。


 「(石塚のまくりは)行ったと思ったけど…。まだ(石塚)輪太郎のスピードが死んでなかったんで、なるべくあのまま回ってと。自分が内に行ったら、輪太郎が苦しくなるんで。(小松崎に当たられて)転ばなくてよかった」


 主導権を明け渡した石塚輪太郎は、まくりで見せ場をつくったが前団を乗り越えられず6着。


 「レースが動くのが早かったですね。ただ、(柴崎に)出られてからも、落ち着いてはいた。脚の感じは悪くないし、あとは組み立てだけですね」


 

6R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 赤板過ぎに先頭に立った簗田一輝は突っ張る気配も見せず、その上をすんなり押さえて出た竹内雄作(写真)が先行策に出る。追い上げた窓場千加頼と簗田で中団併走となり、後ろの中村浩士、中野彰人が絡んで両者が落車。後続も巻き込まれて、大量落車のアクシデント。マイペースで駆けた竹内が、ゴールまでしっかり踏んで逃げ切った。


 「(落車があって番手の志智俊夫が大丈夫か)どうかなって確認した。あとは自分のペースでした。初日にモガいたのがうまくかみ合った。(初日、2日目と)2日間、逃げているんで、そうじゃない時ももうちょっとできるように。準決が勝負なんで」


 志智俊夫は、竹内を半車身詰めて2着。同県ワンツー決着も、僅差の勝負に持ち込むことはできなかった。


 「(竹内)雄作が強かった。出るところできっちり出たし、ダッシュも良かった。そのあとのペースも良かった。俺がもっとスッと(差し込んで)いってれば…、(林巨人に)申し訳ない。調子? どうなんですかね、見たまんまだと思います」


 外併走から前に踏んだ窓場は力尽きて後退。4番手で脚を溜めた簗田一輝は、林との3着争いに踏み勝つのが精いっぱい。


 「後ろが転んだのはわかりました。そこからは冷静に対応できた。(最終)4コーナーから突き抜ける脚はあったんですけど、みんなすごいですね。もうちょっと早めに踏んでおけば良かった」

7R

選手の写真です。
笠松信幸選手

 赤板の2コーナーで出た北日本トリオを受けて、鈴木竜士が4番手を確保する。7番手に置かれた岡本総が巻き返すと、鈴木は岡本を張りながら最終ホーム手前から仕掛けて引地正人を叩く。岡光良が連結を外して援護を失った鈴木だったが、直線も踏ん張って勝ち星をもぎ取った。


 「主導権は取れると思ったけど、引地さんも掛かっていて(自力の)3車でモガき合うような形になってキツかったです。それでも別線の2段駆けは想定していたし、うまく中団から組み立てることはできました。だんだん体が動くようにもなってきましたね」


 引地後位から切り替えた内藤宣彦は、鈴木を追走した岡本を最終3コーナーでさばいて2着に流れ込んだ。


 「このメンバーで自分たちは駆けないと出番がないから、先行の組み立てでしたね。出切ってさえくれれば、番手まくりなりなんでもするつもりでいましたね。金子(貴志)君もあまり調子は良くなさそうだし、チャンスはあったので勝ち上がれてよかったです」


 地元ライン3番手の笠松信幸(写真)は、外に浮いた番手の金子貴志からスイッチ。最終4コーナーからコースを探して3着に突っ込んだ。


 「判断は難しかったけど、(岡本が)少し合わせられていた。最後は怖かったけど、(コースが)空いていたので目をつぶるくらいの気持ちで突っ込みました」

8R

選手の写真です。
川村晃司選手

 打鐘前に切った佐藤一伸を石塚輪太郎がすかさず押さえて先行策を取る。6番手の位置を確保した鈴木謙太郎が最終2コーナーからまくると、石塚の番手で車間を空けていた川村晃司(写真)がこれを外に振りながら鋭く追い込んだ。


 「石塚君が頑張ってくれたおかげです。なんとかラインで決めたかったんですが、鈴木君もいい勢いで来てたんで、難しかったです。ラインのおかげで1着を取ることができました」


 鈴木謙太郎は連日、好回転のまくりを披露している。


 「作戦通りにいけました。一番、動きやすい位置を取ろうと思ってました。(佐藤)一伸よりも先に仕掛けようと。まくれなかったのは悔しいですね。余裕はあったんで、状態はいいです」


 鈴木を懸命に追った齊藤竜也が3着に食い込んだ。


 「(石塚の)先行がいい感じだったので、届くのか不安でしたけど、(鈴木)謙太郎がいいスピードで行ってくれました。踏み出しに集中してました。苦しかったですけど、謙太郎が強かったから自分も届きました」

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 前受けから引いた佐々木豪(写真)は、いったん中団で止まって阿部拓真と併走もさらに下げる。阿部はすかさず仕掛けて打鐘で主導権。が、佐々木も巻き返す。突っ張る阿部をねじ伏せた佐々木は、小気味いいリズムで駆けて後続を完封した。


 「初日みたいな展開になったんで、初日より早く引かないとって思っていた。(阿部も)スピードが出ていた。中途半端じゃいけないと思って、前に出るまでは全開だった。気持ちで行った。ローラーに乗った感じが、初日より全然(良くなって)違ってました」


 「合わされていたから、内に降りて入れなきゃと思ってたら」とは、佐々木との呼吸が合わず、一度連結を外した渡部哲男。佐藤康紀に絡まれながらも、佐々木に追いついて2着を確保した。


 「(佐々木は阿部に)明らかに合わされていたから。自分は佐藤さんに結構もってこられた。思った以上に(佐々木は)しぶとい。自分は凌げてよかった」


 苦肉の策で佐々木の番手に飛び付いた阿部拓真は、あきらめることなく踏み続けて二次予選をクリアした。


 「力負けですね、たまたま(3着に)入れたけど。素直には喜べない。自分もあそこまでいったら、出させるつもりはなかった。最初は(佐々木が)1車で来たから復活できた。ラッキーでした。粘るって決めていたら、もっと楽だったんでしょうけど」

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 主導権を握った竹内翼に渡邉雄太(写真)が襲い掛かる。竹内がフルアクセルで突っ張ると、渡邉は空いた3番手から切り込んで西田雄志の横までいくが西田にキメられる。神山雄一郎の援護で3番手に入った渡邉は、最終2コーナーからまくりを断行。広島コンビをとらえて2着以下をちぎった。


 「(竹内が)全開で踏んでいて、行ける感じではなかった。苦しまぎれで内を突いていきました。神山さんに入れてもらったので、すかさず仕掛けた。積極さに欠けるレースだし、どうしようもないですね…」


 最終1センター過ぎに神山に押し込まれた山田久徳が踏み負けると、村田雅一は自力にチェンジ。まくりで急場をしのいだ。


 「ホームからゴチャついてキツかったです。山田君は頑張ってくれたけど内で詰まっていたので、行けるところまで行こうと思い踏んでいきました」


 村田を懸命に追った松崎貴久は、直線で西田に踏み勝って3着。


 「村田が行ってくれたし、(山田)久徳も頑張ってくれました。ただ、想定外だったのは(渡邉)雄太の動きでした。あれで久徳も内に詰まってしまったので、あれがなければ久徳も来られたと思う。自分は自転車と脚がフィットしていい感じです」

11R

選手の写真です。
坂本亮馬選手

 山崎賢人の上昇に合わせて中団から動いた小松崎大地が赤板の1コーナーで先頭に立つ。中団外併走となった山崎は打鐘から一気に踏み込んで主導権を握る。山崎が軽快に飛ばして完全に九州勢のペース。車間を空けて山崎をガードした坂本亮馬(写真)が、直線で鋭く差し切った。


 「記念の二次予選以上で九州の後輩の番手を回ったことは何度かあるけど、4コーナーまで連れていってもらってワンツーが決まったのは初めてです。脚はあるからしっかりレースをしてくれれば十分に通用する。(山崎は)勝手に残った感じですね」


 絶妙なペースで駆けた山崎賢人が2着に粘り、九州ラインを上位独占に導いた。


 「押さえにいくタイミングが少し遅かったです。(小松崎に)突っ張られてもおかしくなかった。出させてくれたんで、あとはペースで。(坂本)亮馬さんは余裕があった感じですね。すんなり差されました。バンクは走りやすくて、先行しても残る。ラインで決まったんで気持ちがいいです」


 3番手の位置をしっかり守った松尾信太郎が3着に流れ込んだ。


 「自分の脚がないから粘られると思ってました。小松崎さんが内から来たと思ったら違う人(上野真吾)だったんで、ビックリしました。前が掛かっていたんで、内側の人は厳しかったと思います。前の2人が強いですからね。こんなに緊張する3番手はないですよ」

12R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 太田竜馬を警戒しながら、赤板の2コーナーから山降ろしで踏んだ吉田拓矢がそのまま逃げる。しかしながら、太田の巻き返しも早い。最終1センターで太田が吉田拓をとらえると、諸橋愛は中川誠一郎をブロック。太田に離れた中川は、再度2コーナーからまくり気味に追い上げて太田にドッキング。中川の動きを見た柴崎淳は、まくりのスピードが鈍って不発。3コーナーから自ら踏んだ吉田敏洋(写真)が、ゴール前できっちり中川を交わした。


 「(最終)バックまでは(柴崎)淳の後輪しか見てなくて、全然(前が)どうなってたかわからなかった。3コーナーからは危なくないように、どのコースが空くのか探した。周りが勝手に止まってくれたんで、僕が伸びただけ。自分では(調子は)いいとは思わない。脚力というより集中力で凌げました」


 諸橋にもってこられて一度は態勢を崩した中川誠一郎だったが、超高速追い上げで太田に追いつき直線で差し脚を伸ばした。


 「諸橋さんに寄られて、(太田との)口が空いてしまった。(太田が)出切っているんで追いかけた。あれを返しながら、きれいに付いていければ。浮いてからもう1回行ったんでキツかった」


 「(中川)誠一郎さんとはいつも連係しているから、脚が残っているのはわかっている」と、外に弾かれた中川を待ってから追走した園田匠が、3着に流れ込んだ。


 「誠一郎さんが浮いて戻ってくるのを入れてからになりました。自分はしっかり追走できたし、(準決も)どんな展開になっても信頼をしてます」


 吉田拓との踏み合いを制した太田竜馬は、さすがに最終4コーナーでいっぱい。直線で失速の6着もスピードは光った。


 「出切っただけです。そこからはタレました。展開的にはあんな風になるかと思っていた。着は悪いけど、脚はいつもよりいいと思います」

10R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手
選手の写真です。
中川誠一郎選手

 赤板の2コーナー手前で押さえて出た渡邉雄太の上を吉田拓矢が出て打鐘から駆ける。すかさず反撃のアクションを起こした山崎賢人だったが、踏みやめて最終ホーム手前から再発進。3番手を確保した渡邉と絡みながらも山崎が迫ると、鈴木謙太郎(写真)が番手発進で白星をもぎ取った。


 「ジャンからすごいペースになって、内を締めるのでキツかったです。8番(山崎)を振って(吉田)拓矢も踏み直していたので、残るかなと思ったら…。もう少しうまくやっていればね。山崎君が後ろになって一番良い展開になったけど、(吉田が落車してしまって)素直には喜べませんね」


 直線半ばで吉田、園田匠、村田雅一が、内で接触して大量落車。3番手から外を踏んだ渡邉雄太が、アクシデントに巻き込まれることなく2着。


 「道中けっこう脚と使っていたけど、とりあえずは3番手を確保できて良かったです。準決は逃げるつもりはなかった。ただ、内に稲川(翔)さんがいたのですくってこないか警戒していました。山崎さんに出られてしまい強かったけど、なんとか決勝に乗れてよかったです」


 山崎は不発。あおりを受けて最終4コーナーで外に弾かれた中川誠一郎(写真)は、なんとか3着で準決をクリアした。


 「自分で行っていれば(園田と)ワンツー決まっていたのかもしれない。ただ、前が頑張っていたし無理やり仕掛けてくれたので、判断が難しかったです」

11R

選手の写真です。
笠松信幸選手
選手の写真です。
諸橋愛選手

 佐々木豪が赤板で先頭に立つと、鈴木竜士はこのラインの3番手で粘る。前団が少しもつれたところを柴崎淳が打鐘前から踏み込んで主導権を取る。内を突いて上昇した鈴木が今度は柴崎ラインの3番手を取りに行くが、最終ホームで志智俊夫に大きく押し込まれて後退。快調に飛ばす柴崎の番手で絶好となった笠松信幸(写真)が鋭く追い込んだ。


 「(柴崎)淳が頑張ってくれました。うまかったし、掛かりも良かったです。余裕がなかったですね。(最終)4コーナーで(佐々木の)影が見えたんで、踏ませてもらいました」


 中団の4番手で態勢を立て直した佐々木豪が最終バックからジワジワとまくり上げて2着に入った。


 「めちゃくちゃな競輪でした。バックから仕掛けたんですが、伸びは悪かったです。でも、みんな脚は使っていたので、気持ちで負けないように。最後まで諦めずに、図太くいけました。あれが精いっぱいです。自分だけのレースになってしまったんで、反省点はたくさんある。決勝はいいレースができればと思ってます」


 目標の鈴木が厳しいと判断した諸橋愛(写真)は前々に踏んで、しぶとく3着に突っ込んだ。


 「作戦通りにいかなかった。難しかったですね。切り替えていいもんかと。(鈴木)竜士しか見てなくて、4番(佐々木が)見えてなかった。(鈴木が)負けちゃうと思って前に行きました。反応は鈍かったけど、感覚はだいぶ戻っている」


 先行した柴崎淳は直線で力尽きて4着に敗れた。


 「いいタイミングで行けたんですけどね。笠松さんが決勝に乗れたのは良かったけど、自分も乗りたかった。そこが本当に悔しい。久しぶりに悔しくて、寝られない感じです」

12R

選手の写真です。
川村晃司選手
選手の写真です。
簗田一輝選手

 上昇した川村晃司(写真)を前受けの太田竜馬が、赤板過ぎに突っ張って先行態勢に入る。4番手に川村が収まるが、阿部拓真が内から押し上げて川村は1車下げる。7番手で反撃の態勢を整えた竹内雄作は、打鐘の4コーナーから踏み込む。合わせる太田を竹内がとらえて、吉田敏洋が続く。が、四国勢を追走していた単騎の簗田一輝が最終2コーナーからまくる。簗田を目標にしてさらにまくり上げた川村が、最後は外を突き抜けた。


 「中団、中団を攻めていこうと思っていたんですけど。(最終)ホームで竹内君がすごい勢いでまくってきたんで、ちょっとピンチでした。自分はなんとか届いた感じです。ただ、椎木尾(拓哉)君に迷惑を掛けました。脚の状態はいいと思います」


 中団から臆することなくまくりを打った単騎の簗田一輝(写真)は、吉田のけん制を乗り越えて初めての記念ファイナルをつかんだ。


 「とりあえず前々を意識していました。そこから脚を溜めて一発と思ってた。自在じゃなくて自力だと思っているんで、しっかり自力を出して行けるところから踏んでいきました。記念の決勝は初めてだし、やっと(渡邉)雄太さんと一緒に走れますね」


 「反省が多いレースでした…」と、振り返ったのは渡部哲男。太田の加速に置いていかれたが、その後は冷静な判断でリカバリーして3着に追い込んだ。


 「(別線が)いつ来るかなって後ろを気にしていたら、キュンって(太田に)踏まれて空いてしまった。(太田が)前々に踏んでくれたおかげだし、それで本線(中部勢)も倒した。でも、(ラインが)2車だし自分としては難しかった。決勝こそしっかり付いていきます」


 打鐘で簗田後位まで押し上げた阿部拓真だったが、竹内、吉田に離れた松崎貴久に降りられて万事休す。簗田のまくりに付いていければ、優出が見えただけに悔やむ。


 「簗田君に付いていければ…。あんまり考えていなかったけど、道中の場所(位置)は良かったと思う。あれで外(松崎)にキメられないで我慢できるように。凌いで付いていかないと」


 


 


≪最終日6R S級ブロックセブン≫


 森川大輔は、3月のウィナーズカップからの直近5場所でマークした勝ち星はわずか1勝のみ。前回の函館FIも862着といまひとつだった。


 「(7車立ては)どっちかっていうと苦手じゃない。でも、最近の成績があんまり良くないから自信があるわけじゃない。悪い原因ですか? レースが重なって配分が詰まったりして、練習不足っていうのがある。ここでキッカケにできたら。ここに向けてとかっていうのはないけど、普通に練習をしてきた」


 4月の奈良FI最終日に落車に見舞われた小埜正義は、ここが復帰戦。ろっ骨を4本を折る大怪我で体重も落とした。


 「一時は(体重が)12キロくらい減りました。そこから6、7キロ戻しました。ちゃんと練習をやっていけば、これからもっと戻ってくると思います。練習でのタイムは悪くなかったけど、ケツを上げてやってないからどうですかね。うまく走れたらいいです」


 近況、コンスタントに勝ち星を挙げている八谷誠賢は、順調そのもの。いつもと変わらない笑顔で自転車を組み上げる。


 「最近はとくに変わりなく、走れていると思います。前回の松阪から1週間ありましたけど、いつもどおり練習して、充実した日々を過ごしてきました。名古屋はいい時と悪い時が半々くらい。今回はいい方に出てほしいですね。7車立ては気にしてないので、流れのなかでいつも通り走ります」


 中近連係で森川とタッグを組む中澤央治は、リラックスムードで森川との連係実績を思い起こす。


 「(森川には)付いたことがありますよ。弱い時も強い時もね。自分は2着に連れていってもらったこともある。ただ、(今回は)付いていけるかわかりません、頑張ります」