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42#

決勝戦レポート

渡辺雄太(静岡・105期)

初めての番手で記念初制覇

 22歳と23歳の静岡コンビがつくり出したハーモニーが、混戦で物を言った。初の記念決勝にも舞い上がることなく、簗田一輝が絶妙のタイミングで主導権を握る。番手の渡邉雄太も2車のラインながら、慌てることなく間合いを取った。
 「(初めての番手だったけど)イメージトレーニングはしていた。後ろは誰も来てなかったんで、前だけ見ていた」
 最終ホーム手前から7番手の佐々木豪が反撃。3番手の川村晃司が空けた車間を詰めると、渡邉は迷わず踏んで番手まくり。3コーナー過ぎに簗田と川村が絡んで、直線の入り口では後続を引き離していた。
 「あれで(別線を)引きつけたら終わりだから、行かさせてもらった。(簗田)一輝のおかげです。(番手から出てからは)ちょっと影が見えたんでヤバいかなと思ったら、一輝がやっててくれたんですね。後輩が結構出てきたんでこういうこと(番手での優勝)もあるんだと」
 一昨年にヤンググランプリ(GII)を獲った渡邉は、初めての記念ファイナルから5度目の舞台でチャンスをつかんだ。
 「(記念は)もうちょっと獲れないかなっていう感じもあった。自分だけの力じゃないし、後輩とのレースで(優勝できて)うれしい。目標はひとレースごと全部勝てるように。それで成長していきたい」
 デビュー4年目の若武者は、これからも周りに流されることなく着実に歩を進めていく。
 
 人気に推された単騎の中川誠一郎は、例によってどっしりと構えて最後方。一撃にかけて、最終バック手前からまくるも2着が精いっぱい。
 「届いたかなって思ったら、さらに前に(渡邉が)いました。あんなに離れてたんですね。単騎でもう少し前にいたい気持ちもあったんですが、かぶってしまったら面白くないですから。佐々木君が仕掛けるだろうから、それを待って行きました」
 
 川村晃司は思惑通り静岡コンビ受けて、3番手の好ポジションを確保。しかしながら、簗田と接触してスピードが鈍り、ゴール勝負に持ち込むことができなかった。
 「静岡勢が絶対に行くと思っていたので、あの位置を取って勝負しました。付いていって(最終)2センターぐらいから外を踏めば、後ろの笠松(信幸)君にもチャンスがあると思っていたんですが…。6番(簗田)も掛かってたし、渡邉君も掛かっていて本当にいっぱいでした」
 
 5番手の鈴木謙太郎は、仕掛ける前に愛媛コンビにかぶって不完全燃焼。
 「終始、余裕があったんですけど。来たのが(中川)誠一郎さんだと思ってスイッチしようとしたら、4番(佐々木)だった。せっかく(吉田)拓矢に決勝に乗せてもらったのに生かし切れなかった」
 
 打鐘の3コーナーで主導権を握った簗田一輝の落ち着いた走りが、渡邉を優勝へと導いた。
 「静岡のどっちかが優勝できればと思っていた。2車だったんで、そこをどうにかしないとっていうのがあった。これからは記念の決勝の常連になれるように」
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レース経過

 スタートは単騎の中川誠一郎をのぞく8名がけん制。我慢しきれず渡部哲男が追いかけると、周回は中川-佐々木豪-渡部-簗田一輝-渡邉雄太-川村晃司-笠松信幸-鈴木謙太郎-諸橋愛の並び。
 青板2センターから鈴木が上昇すると、ホームから佐々木も合わせる動きを見せる。それでも2コーナーで鈴木が誘導員を下ろすと、そこを川村、さらにこの動きに続いた簗田が叩いて打鐘過ぎから主導権を握る。一度、中バンクに上がった簗田は4コーナーの下りを使って一気にペースアップ。ホーム7番手から佐々木が巻き返すが、バックからは渡邉が番手まくり。続いた川村が簗田にからまれると、後続を千切って記念初優勝を飾った。バック最後方から大外を回した中川が2着に強襲。3着の川村は簗田との接触が痛かった。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 2 渡辺 雄太 静岡 105期 S1 11.3 まくり
2 9 中川 誠一郎 熊本 85期 S1 3B 11 まくり
3 5 川村 晃司 京都 85期 S1 1/4W 11.4 マーク
4 1 笠松 信幸 愛知 84期 S1 1B1/2 11.4
5 4 佐々木  愛媛 109期 S2 1/4W 11.5
6 7 渡部 哲男 愛媛 84期 S1 3/4W 11.5
7 3 諸橋  新潟 79期 SS 1B 11.4
8 8 鈴木 謙太郎 茨城 90期 S2 1/2B 11.5
9 6 簗田 一輝 静岡 107期 S2 3B 12.3 H B