なごや競輪

NAGOYA KEIRIN

42#


決勝戦レポート

吉田敏洋(愛知)

吉田敏洋が6年ぶりの勝利

 2月の全日本選抜で落車し、続く静岡記念を欠場。前検日の「もう少し時間が欲しかった」という言葉が吉田敏洋の本音だった。不安な体調面をカバーしたのは仲間の力であり、地元記念にかける吉田の精神力。「嬉しいっすね。前回よりも嬉しい」と話す目は少しうるんでいた。
 「今回は(地元記念を)獲るためにこうしなきゃ。4日間、それを貫けた。和也が決勝に上がってきて、決勝の並びも正直迷ったけど、獲るためにどうするかを考えて。浅井が頼もしかったね。あのユニフォームに相応しい男でした」
 打鐘で高橋和也が叩かれると、浅井康太がホームから巻き返す。しかし、そこには当然のように村上義弘の抵抗が待っていた。
 「1コーナー、2コーナーは絶対に村上さんが来るところ。浅井が無理やり行くのは分かってたし、そこが勝負だと思ってた。あおりで共倒れではね。あそこの一番キツいところを冷静に回れたのがよかった」
 2度目の地元記念を制した達成感はある。しかし、「今まではここでホッとしてたけど、今は最終目標じゃない」と勝利の余韻にひたるつもりはない。「次の目標に向けて」。まずは2日後からはじまる石垣島での支部合宿でタイトルを狙える脚を磨く。

 単騎の松浦悠士は吉田のまくりに続く絶好の流れになったが逆転はならず。
 「最後はトシ(吉田)さんのペースにはまった。地元のパワーですね。仕掛けようと思ったところで吉田さんがすかさず踏んだんでヨシと思った。その瞬間は抜けると思ったけど…。あそこまでいくと悔しいですね」

 3着の菊地圭尚だがレース後に口を突くのは自分自身へのいらだちばかり。
 「言うことはないですね。(松浦は)ずっと勝負どころでフワフワしてたから、しゃくっとけばよかった。連日の村上さんを見てると合わせるのかなと思ったし、2コーナーで前が浮いてるときも内、外どっちに行くか迷ってしまった。全部、人任せ。いい着を取ってもモヤモヤ感が残る。ダメっすね」

 吉田を勝利に導いたのは最終ホームから仕掛けた浅井康太の気迫だ。
 「無理やりだったけど、あれしかないでしょう。村上さんはサラ脚で(番手から)出てくるのは分かってました。村上さんじゃなければワンツーだったかも。いいもがき合いができて楽しかった。あれを乗り越えられるようにしたいですね。(吉田の優勝で)よかったです」

 村上義弘は4着。それでも山本伸一の気迫に応え、二の矢、三の矢と襲いかかる中部勢に真っ向から勝負を挑んだ。
 「精いっぱいやりました。浅井が来るのが思ったより早かったです。止めにいってブロックしながら次を考えてました。1回返されて、その後に内をもぐり込んで行ったんですが、その外を行かれました。地元勢が強かったです」

レース経過

 号砲で各車が出方をうかがうと、一呼吸置いてから村上義弘が誘導員を追い、山本伸一を迎え入れる。村上後位には成清貴之が続いて前団を形成。以下は、菊地圭尚-成田健児、単騎の松浦悠士、高橋和也-浅井康太-吉田敏洋の並びで落ち着く。
 高橋が青板の2コーナーから上昇。3コーナーで誘導員を下ろし、勢いよく飛び出す。この動きに松浦、菊地ラインも続く。山本は7番手に下げて前との車間を空けると、赤板で一気に踏み込む。抵抗する高橋から、打鐘で主導権を奪い返した。目標の余力を見極めた浅井は、成清後位にスイッチ。最終ホームから踏み込むが、村上から再三のブロックを受ける。すると、浅井マークの吉田が、2コーナーから自力に転じて大外をまくり上げる。番手から踏んだ村上と浅井の争いを横目に、3コーナーで先頭に躍り出た。そのまま力強くゴールを目指すと、追ってきた松浦の追撃も振り切って優勝。松浦はゴール前で迫ったが、あと一歩及ばず準V。6番手の菊地が、2センターから外を回して3着に入った。

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
1 3 吉田敏洋 38 愛知 85 S級1班 11.6 B
2 9 松浦悠士 27 広島 98 S級1班 1/2W 11.5
3 2 菊地圭尚 37 北海道 89 S級1班 3B 11.5
4 7 村上義弘 43 京都 73 S級1班 1/2B 11.8
5 6 成田健児 43 神奈川 75 S級1班 1W 11.5
6 1 浅井康太 33 三重 90 S級S班 3/4W 11.9
7 5 成清貴之 44 千葉 73 S級1班 1B 11.9
8 4 高橋和也 31 愛知 91 S級1班 D 13.3
9 8 山本伸一 35 京都 101 S級1班 6B 14.5

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