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MUKOMACHI KEIRIN

54#

検車場レポート

  • 9/21 Fri.  (前検日)
  • 9/22 Sat.  (1日目)
  • 9/23 Sun.  (2日目)
  • 9/24 Mon.  (3日目)

1R

 地元勢のトップバッターは大石崇晴。優出こそまだないが、8月富山記念で2回の確定板入りなど着実に力をつけている。初めて迎える地元記念へも気合い十分だ。


 「(地元記念は)すごく緊張もするけど、ワクワクもしています。疲れもないし、練習もやってきました。1レース、1番車は初めて。むしろ、点数的に1番車もあんまりないですね。後手を踏むレースは避けたい。持ち味を出して積極的にいきたいです。それで結果がついてきてくれたら」


 対するは川口公太朗。前回、地元の岐阜記念を走って、多くの収穫を得た。気持ちを入れ直して、当所に臨む。


 「(岐阜記念は)いい開催でしたね。(竹内)雄作さんが優勝してくれたら、もっと盛り上がったけど。僕らも力になって、手助けができるようにならないといけない。今回も自分らしく頑張ります」


 

2R

選手の写真です。
岡本総選手

 岡本総(写真)は、長期欠場から復帰したオールスターでも初日、2日目と連続落車。前回の共同通信社は3日目に白星こそ挙げたが、大きい着も目立った。


 「(6月)久留米記念の落車では鎖骨を折ったんですけど、オールスターの落車は大丈夫でした。共同はレース勘がダメでしたね。でも、久しぶりに完走できたので幸せでした。練習は普通にできているし、走れているので、ある程度は大丈夫。完璧じゃないですけど、走れる状態ではあります」


 近況はグレース戦線でも好走を見せている一戸康宏。上がる調子を追い風に、当所でも暴れるか。


 「ようやく、ちょっとずつ上がってきましたね。(状態は)前よりかはいいです。向日町は去年の記念を走っているんですけど、2日目に落車して帰りました。イメージが良くないので、今回はリベンジできるように」


 今期からS級に初昇格した野村典嗣は、ここが2度目の記念。今は一戦、一戦が経験になっている。


 「(9月岸和田FIでの)落車は大丈夫でした。S級は、まだ(走りに)波がありますね。(8月函館FIの準Vは)目標(マティエス・ブフリ)がいたので。自力でなんとかしたい。走り方はわかってきたんですけど、敵のことがわからないし。データがないので積み重ねていくしかないですね」


 

3R

 近況はバックを取るなど、タテ脚を見せている武井大介。スピード競輪に対応するため、脚力を磨いている。


 「弟子の野口(裕史)と練習して、タテ脚がついた感覚があります。前回(9月伊東FI)も、準決で(マシュー)グレーツァーに付いていけたし。決勝でも、3着に入って自信になりましたね。タテに踏めないと、根田(空史)とか千葉の上位に追いつけないので。今は目標が誰もいなければ自在にって感じで。しっかり練習もできたし、(8月西武園FIで落車したが)怪我も問題ない」


 その武井に前を任されたのは山本紳貴。8月松戸で記念の準決に進出するなど、成長を続けている。


 「今の成績自体に満足はしていないです。初日はクリアできているけど、準決が壁になっているので。そこをクリアしないと、(S級)1班も見えてこない。でも、バック数は増えているので、レースで力は出せている。あとは全体的に底上げが必要ですね」


 

4R

 8月西武園FIを512着など、コンスタントにV争いに参加していた金子哲大。しかし、ここ2場所は大きい着が目立つなど、一息の成績が続いている。


 「ちょこちょこ決勝には乗れていますね。でも、最近は良くない。理由はわからないですね。調子は悪くないのに、自転車が進んでくれなくて。ハマればいいんですけど、前回もはまらなかった。ここで、もう1回波に乗れるようにしたいです」


 楠木孝志郎は今期からS級にカムバック。7月名古屋FIを無傷で優出したが、その後は成績が振るわず。気持ちを入れ直して当所に臨む。


 「S級に上がったときは良かったけど、いまはなかだるみですね。もう1回、脚を作るくらいの気持ちで走ります。前回(岸和田FI)を家事都合で欠場したりして、ここまでにもうちょっと練習したかった感じですね」


 

5R

 998着の前回の共同通信社杯は、大きい数字を重ねた小嶋敬二だったが、初日はまくりで見せ場をつくった。


 「(共同通信社杯の初日は)もう少しだった? いやいや、脚ですよ、脚がなかった。(初日は吉村和之と)2車ですけど、頑張ります。予選を勝ち上がらないとどうしようもない」


 3車のラインができあがった渡部幸訓は、メンバーをにらんでイメージを膨らませる。


 「自力を基本にですね、このメンバーならしっかりと位置を取って。(ラインは)3人だし後輩を連れていけるようにやります。最近は自力もちょいちょい出るようになってきたし、行けるところで迷わず行けている。その方が結果もいい。練習もしっかりできている」


 

6R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 北海道胆振東部地震の影響で順調とは言い難い菊地圭尚(写真)だが、地元を思い全力投球を約束する。


 「よく練習に行く街道は被害が大きかったし、亡くなっている方もいる。自分が走ることで少しでも多くの人たちを勇気づけられたらと思っている。自分は走りで頑張るだけですから。(新山将史との連係は)最近ないですね、弟さん(新山響平)ばっかりです」


 山本健也は、前回の共同通信社杯で11年以来となる2度目のビッグを経験した。


 「(前回から中3日で)ちょっとせわしなかったけど、大丈夫です。1日はキツめにやった。あとは疲れを残してもしょうがないし、調整した。前回は番組も良くて、(南関ラインの)3番手とかもあった。(初日は)大先輩(高木隆弘)に任されたし、自力で頑張ります」


 

7R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 大敗と背中合わせでムラな面もある山岸佳太(写真)だが、ケレン味のない仕掛けに迷いはない。


 「(6月の)取手からフレームを換えてるんですけど、ちょっと難しいところもある。今回は間があったんで、しっかり練習をしてクリアにしてきた。いいレースができるように。(向日町は)新人訓練で来たことはあるけど、(実戦では)初めてです。軽いイメージがあるし、出し惜しみしないでいきます。まずは内容です」


 前回の久留米FIを492着から中3日の伊藤信は、過密ローテながらも上積みがありそうだ。


 「前回は疲れがすごかった。だから、(今回は)緩めてきたんで大丈夫。前回よりいいと思います。(徹底先行の山岸がいても)自分は変わったことするわけじゃないし、あとは流れですよ」


 

8R

 藤木裕は前回の共同通信社杯8811着が、昨年5月のダービー以来(補充の高松宮記念杯を除く)のビッグだった。


 「前回は1年何カ月ぶりかに、4日間走ったビッグだった。そこから気持ちを切らさないように、次の日から(練習で)乗りました。疲れが(残っているか)どうかわからないけど、地元なんでそんなことは言ってられない。(ラインで)上位を独占できるようにしたい」


 2度のシンガリ負けがあった前回の岐阜記念から、津村洸次郎の変わり身があるのかどうか。


 「岐阜は体が動かなかったし、岐阜よりはいいと思います。岐阜は疲れを取らずに行ってしまって、それが結果的に良くなかった。力が入らない感じだったけど、今回は大丈夫です」


 

9R

選手の写真です。
久米康平選手

 久米康平(写真)は前回の共同通信社杯の二次予選Bでは佐々木豪の番手回り。準決進出ならずも、番手での仕事ぶりが目を引いた。


 「(前回の二次予選は)変なところで踏んで、最後は置いていかれてしまった。ただ、みんなの印象に(自分の仕事が)残ってるんですね。(シリーズ)後半は着が大きかったけど、いろいろ経験させてもらった。感触は良かったし、手応えはあった。状態は悪くない。(中3日とか)間隔は短い方が、自分はいいですね」


 今期S級に返り咲いた金澤竜二は、前回の西武園FIでカムバック初の決勝進出を遂げた。


 「(S級に戻ってきて)最初は勝てないと思ったし、気持ちの問題もあった。練習メニューを変えたりしながら、徐々に感触が良くなって決勝にも乗れた。ここ2場所は成績もいいです。それで点数も上がってきた」


 

10R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 鎖骨骨折明けで状態面が心配された前回の共同通信社杯を8216着の岩本俊介(写真)は、怪我の影響による復調途上を否定する。


 「言い訳できないくらい怪我は大丈夫。状態は戻ってます。ただ、久しぶりの(実戦での)レースだったんで、結構疲れがあった。それで(中3日は)休みました。これならいい仕事ができるんじゃないかと。高知(共同通信社杯)は丸くて難しいバンクだったけど、ここは相性もいいし走りやすい」


 菅田壱道は共同通信社杯を反省まじりに振り返る。


 「初日は前の2人が頑張ってくれた。ただ、内を空けてしまったのが…。共同通信社杯が終わってからは、東京に泊まって、(ここに来る前は)前泊した。だから、(実質)中1日ですけど、しっかりやります」


 井上昌己は、配分のあった函館FI(9月9日から)が地震の影響により開催中止。3週間以上の空いて今シリーズを迎える。


 「練習はしっかりしましたよ、2泊3日での支部合宿があって、そこで仕上がりました(笑)。(同県の後輩の山崎賢人は共同通信社杯で)強かった。自分もチャンスが回ってきた時にしっかり獲れるように。ヒデ(山田英明)も惜しかったですしね」


 

11R

選手の写真です。
清水裕友選手

 清水裕友(写真)は前回の共同通信社杯を2122着のオール連対。ビッグ初制覇かに思われた決勝だったが、平原康多に4分の1輪交わされた。


 「(決勝のゴール後)あぁ、ってなってしまった。あんなのは久々ですね。もう外に行く脚がなかったんで、たまたまああなった。後ろもどうなってるのかわからなかった。でも、あれで外に行ってたら2着もなかったと思う。オールスターが終わってからの小田原記念は中4日で、なんならオールスターより小田原の方が調子がいいんじゃないっていう感じだった。だけど、今回は疲れている感じがった。しっかりケアして、やれることはやってきた」


 昨年12月の佐世保で記念初優勝を飾った山田久徳が、「今回はしっかり決勝に乗りたい」と、地元シリーズでどん欲に攻める。


 「久しぶりの向日町記念ですね。走るたびに(自分の)責任、役割が変わってきている。(近畿で)一致団結してやっていきたい。(前回から)中3日もわかってたし、そういう風に調整はしてきた。共同通信社杯は脚の感じが良かった。それはうれしい誤算でした」


 練習仲間の山田とのタッグで村上博幸が、地元記念のスタートを切る。


 「(山田)久徳とは練習も一緒ですから。ここは中3日でも前からわかっていたこと。だから(練習は)激しくやってない。激しくやったらえらいことになる(笑)。共同通信社杯は状態も良かったんで、そんなに崩れることはないでしょう」


 

12R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 直近の3場所でわずか1勝にとどまっている三谷竜生だが、前回の共同通信社杯も2着3回と二次予選敗退も動きは悪くない。


 「(前回は)しっかりと動けていた。そのまま継続して頑張りたい。勝ち上がりに失敗してしまったけど、調子は良かった」


 稲垣裕之(写真)は5月の京王閣記念から勝ち星が遠ざかっている。


 「疲れはありますけど、しっかりと疲労回復に専念をしてきました。納得できない走りが続いているんで、ここで結果を出したい。毎年、この時期はここと寬仁親王牌ですから。そこに向けてやっている。(村上義弘の欠場は)残念ですけど、そのぶんも僕らで盛り上げたい」


 共同通信社杯は2日目から3連勝を遂げて連勝中の近藤隆司が、近畿勢にとってはもっとも怖い存在だろう。


 「ちょっとデキすぎの感じがする。成績ほど練習の感じがいいわけではない。前回が終わってからは千葉と川崎に練習に入った。高知(共同通信社杯)よりも軽いって感じたし、良くなっている。ちゃんと練習もできたんで、(高知より)自信がある」


 

1R

選手の写真です。
上原龍選手

 大方の予想通り地元の大石崇晴が、主導権を握って出る。中団で川口公太朗と併走になった荻原尚人は、1車押し上げて渡辺航平から3番手を奪取。果敢に風を切る大石に荻原がまくりで襲い掛かるが、村田雅一が阻む。最終バックで9番手の上原龍(写真)は、目標の相川永伍が外を踏むと内よりを進出して中のコースを鮮やかに抜け出した。


 「自分は結構、後ろでも余裕があったし、相川さんも落ち着いていた。イチかバチか(あのコースを踏んで)いってラッキーでした。いつもだったらバックを踏んで終わるんですけど、きれいにいきましたね。(相川は同期で)アマチュアの時から知っているし、一緒に勝ち上がれてよかったです」


 荻原を止めた村田雅一は、インを狙った竹内智彦を締めて追い込むも2着。地元の大石をねぎらう。


 「(大石は)地元でプレッシャーもあったと思うけど、見せ場をつくってくれた。思ったより早く切ってしまって、もうちょっと落ち着いても良かったかなっていうのもありますね。後ろに荻原さんがいて、1回(のブロック)では止まらないと思った。そしたら内に(竹内智彦が)来ましたね。あれなら1着を取らなきゃいけない展開。あんまり体調が良くないのかも。自分は前のおかげです」


 

2R

 師匠の小沼良を背負った一戸康宏。切った岡本総を打鐘の3コーナーで押さえ、抜かりなく主導権を握る。冷静な運行を見せると、まくってきた岡本を最終3コーナーで自らブロック。そのまま力強く押し切った。


 「師匠を付けているので、行くしかないと。出てからはペースに入れたけど、3番手に強い人(岡本)がいて。踏み直そうと思ったら、すかさず(岡本が)来たので止めました。後ろがどうなっているかは、わからなかったですね。向日町はいいイメージがなかったんですけど、これで払しょくできました」


 5番手の野村典嗣が岡本を目がけてまくり上げると、小岩大介は最終2センターから内コースに進路を取る。直線で伸びて2着に入った。


 「野村君が外に行くか、内に行くか迷っていて。すかさず外を踏んでくれていたら、付いて行ったと思います。2番(一戸)は空いていなかったけど、5番(小沼)が空いていたので、ギリギリまで差せるなと思いました」


 小沼良が3着に入る。レース後は弟子の一戸を称賛した。


 「(一戸が)素晴らしい。全部自分でやってくれたし、いいレースをしてくれた。うれしいですね。2着を取られてしまって、すいません。内に誰か来るかなと思ったら、やっぱり。小岩君はうまいですね」


 

3R

 赤板の2コーナーで押さえて出た山本紳貴がペースを握ると、単騎の黒川茂高が仕掛ける。最終ホーム手前で黒川が叩いて、番手に入った山本が追いかけるが古屋琢晶も巻き返す。森川大輔もまくりを打って、空いた車間を山本が詰める。古屋は武井大介と絡んで3コーナー過ぎに落車。内に避けた真崎新太郎が、直線で抜け出して1月以来の勝ち星を挙げた。


 「(番手に)武井がいるから動きがデカくなると思ってたし、そこは冷静にいようと。展開で流れているけど、もっと厳しい展開になるとどうですかね。ただ、こんな状態でも1着が取れたのは良かった、修正するところをしっかりやって、また戻したいですね」


 阿久津修が2着に流れ込み、絶好の展開に思われた山本紳貴は3着が精いっぱい。


 「(黒川が)1車で来たのもわかった。だけど、思ったより内に来られて、かなりバックを踏まされた。それで(車間が)空いちゃって…。本当だったら、そのまま(黒川を)追っていって1着を取らないといけない展開ですけど」


 

4R

 打鐘の3コーナーで飛び出した大西貴晃が、そのまま全開で駆けて行く。前受けから7番手に下げた金子哲大だったが、打鐘の4コーナーから一気の反撃。菅原晃の抵抗を乗り越えて、白星を挙げた。


 「スタートを取らされてしまったので、前からのレースになってしまいましたね。でも、想定はしていました。ただ、もう少し早く行けばよかった。ジャンで行ける雰囲気があったので。今回から自転車の部品を一式換えたけど、けっこう重かった。道中は余裕があったので、もっとスピードが出ても良かった。1着を取れているので悪くはないけど、(部品を)戻すか微調整するかを考えます」


 菅原晃は番手から前に踏んだが、金子に上を行かれてしまう。そのまま追いかけて2着。


 「(弟子の大西が)いいレースをしてくれましたね。(最終ホーム過ぎに)誰が来たのかわからなかった。ただ、止まる感じはあったので、外に振ったら止まるかなと思ったけど。(金子が)さらにググっと加速していきましたね。外に振って、1回バックを踏んでから行ったので。そのぶん踏み遅れて、伸び負けました」


 中四国勢を追走した楠木孝志郎は、最終1センターから踏み上げる。好スピードで前団に迫ったが、菅原のけん制もあって3着まで。


 「初手で大分勢の後ろに行こうと思ったけど、入れてもらえなかったです(笑)。ただ、単騎でも自力のレースをしようと考えていたので、(最終)1センターか2コーナーぐらいでは行くと決めていました。できればまくり切りたかったですね。でも、車が出ないところで踏み込めているし、思ったより動けていました」


 

5R

 先に動いた渡部幸訓を今泉薫が打鐘で押さえる。関東勢を追った才迫開はいったん3番手で併走から、4コーナーで加速して主導権を強引に奪う。8番手で戦況を見ていた小嶋敬二は、最終2コーナーから満を持してまくり上げる。先に仕掛けた渡部の上を行って、前団をのみ込んだ。


 「こうなるって言う展開でしたね。ジャン過ぎは落ち着いて脚を使わずにいれました。才迫が行った瞬間に行けると思いましたね。1コーナー過ぎでも行けたけど、そこは冷静に。あとは、高知(共同通信社杯)の教訓を生かして、コーナーを外れないように走りました。1番人気だったし、2番人気が吉村(和之)君の差し目じゃなくて、別線だったので気疲れしました(笑)」


 吉村和之がしっかりと続いて2着。中部ワンツー決着となった。


 「小嶋さんが、どこでも行けるような感じで、かなり余裕がありましたね。前の掛かりがあんまりだったので、遅れて行っても行き切ると思いました。あとは、変なことをせずに、ピタリと付いていこうと」


 

6R

選手の写真です。
山本健也選手

 新山将史が赤板の2コーナーで出ると、北日本勢に山本健也(写真)がスイッチする。先行態勢を取った新山だが、なかなかペースは上がらない。そこを久木原洋が仕掛けて主導権を奪取、新山は番手に飛び付く。番手がもつれているところを山本が、最終2コーナーからまくる。菊地圭尚は対処できず、山本が逃げる久木原をとらえて1着。


 「めっちゃうれしい。(菊地)圭尚さんに目標がいる時点で、1着は相当厳しいなと思ってた。高木(隆弘)さんも付いていたし、イチかバチかでした。あの位置で(前の)人数を数えて、このままじゃまずいと思って(まくって行った)。(前回が)GIIだったんで目いっぱい練習したのが、ここで出たのかなって思います」


 横一線の2着争いを制した高木隆弘が、山本に流れ込んだ。


 「よかった、3着かと。圭尚にもってこられたらいけないと思って、先に踏んでしまった。(感じは)まぁまぁですね」


 新山が久木原の番手をさばくが、時すでに遅く南関コンビがまくる。菊地圭尚は、薄氷を踏む思いの4着で二次予選に進んだ。


 「アイツ(新山)はアイツで頑張ってたし、いろいろ考えながらでした。そこら辺の見極めですよね。車券的には自分から売れてたんで、アタマじゃないと…。自分も(山本の)まくりにもう少し反応できればよかった」


 

7R

 伊藤信が青板の2センターで上昇。この動きに別線も続く。前受けから引いた山岸佳太は中団で包まれて打鐘を迎えたが、内から抜けて主導権を奪取。そのまま軽快に駆けて、別線を完封した。


 「冷静に見えていました。内が空いたのがわかったので、最悪ハコにいくことも考えながら。行けるところまで行こうと思って、内に踏んでいきました。(出切ってからは高橋)大作さんと決めたいという思いで踏み込めていましたね。組み立てが悪くて反省点が多いけど、タレてはいなかったので(状態は)悪くないですね」


 高橋大作、中村圭志まで続き、ラインで確定板を独占。高橋は、山岸のトリッキーな動きにも対応して付け切った。


 「自分はどうなっても付いていこうとは思っていましたよ。でも、行くのだったら、(山岸は)全部引いて外から行かないといけないよね。(伊藤が)内に気づいていなかったからよかったけど。最後は抜きにいったけど、掛かっていたし、スピードがすごかったです」


 山岸に内をすくわれた伊藤信は、5番手からの立て直し。しかし、その後は見せ場をメイクできず5着で一次予選を敗退。


 「外だけを気にして内を空けていて。気がついたら(山岸に)行かれていました。(追い上げて山岸ラインを追った)吉永(好宏)さんの1車ぶんもキツかったです。前が掛かっていたのはあるけど、組み立てが失敗です」


 

8R

選手の写真です。
藤木裕選手

 本多哲也が切った上を、大谷靖茂が打鐘の2センターで押さえて風を切る。中部勢を追った藤木裕(写真)は車間が空いた3番手に降りて、絶好のポジションを確保。さらに、構えることなく、最終1センターでまくり上げて白星。充実のレース内容で、地元記念の一次予選をクリアした。


 「カマシも含めて長い距離を踏むことを考えていたから、前々に踏めたと思います。(中井)護さんも3着に入るように、早めに仕掛けました。とりあえず、自分の責任は果たせましたね。ちょっと自分が思っていない声援でビックリしたし、緊張しました。高知の共同通信社杯でなにが足りないかがわかって。練習でこうした方がいいっていうのがわかった。二次予選以降が勝負なので、浮かれないように」


 本多哲也は藤木を目掛けて、最終2コーナーで仕掛ける。しかし、藤木をまくれず2着。レース後は反省に終始した。


 「(藤木に3番手を入られてしまって)甘かったですね。普通だったら、終わっていると思います。自分のタイミングでまくりに行ったら、(伊代野貴照が連結を外して)番手にハマっただけ。最後は差しに行ったけど、1ミリも車が出なかったです。勝ち上がれたのは、運が良かっただけ」


 

9R

選手の写真です。
北村信明選手

 打鐘手前で三田村謙祐が勢いよく出ると前受けの岸澤賢太が3番手に飛び付く。中近勢を金澤竜二が追うが、岸澤が3番手をキープ。外に浮いた金澤が下げだしたところで、久米康平が反撃のタイミングを逃さずに踏み込む。會田正一は離れて、久米、北村信明(写真)の徳島コンビが逃げる三田村をとらえる。後続との間合いを計った北村が、ゴール前できっちり交わした。


 「(久米は)いつもああやって頑張って行ってくれるんでありがたい。抜きすぎたりしてワンスリーとかになってしまっちゃってたんで、ワンツーがなによりうれしいです。ペースも上がってたけど、隊列が短いところで行ってくれましたね」


 「相性のいいここで抜かれてしまったら、もうどこでも差される」とは、久米康平。北村に交わされての2着も、勝負どころを逃さない反応の良さで徳島ワンツーをメイクした。


 「(最終)バックですわってからが、ちょっとしっくりきてない。ただ、悪いっていうより、もっと良かったらなっていう感じですね。セッティングをどうこうするんじゃなくて、(2日目以降に)体が馴染んでくればいい」


 切り替えるように徳島コンビを追った岸澤賢太が、外を踏んで迫るも3着。


 「3番手がすんなり取れたけど、(最終)ホームではさすがに余裕はなかった。1センター、2コーナーで行ければ良かった。でも、(久米が)もう来ていた。2車だったんで、その後ろと。あれで水谷(良和)さんにスイッチされたら厳しかった」


 

10R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 打鐘の3コーナーで柴崎淳が押さえて出ると、中部コンビに続いた井上昌己が内に切り込みながら3番手をキープ。6番手で岩本俊介にかぶった菅田壱道(写真)は、最終バックでは8番手。万事休すかに思われたが、外の岡村潤を弾いて踏み場を確保して直線だけで突き抜けた。


 「徹底(先行)の人がいなかったので、どういう展開になるかわからなかったです。自分かアッちゃん(柴崎淳)が先行するのだろうと思いました。ただ、この風の感じだと先行しても残れないとわかっていたので、うまく組み立てたかったです。(井上)昌己さんが切り込んできて、本当はあの位置を取らないとダメです。組み立てが甘かったです」


 積極策の柴崎を利した金子貴志は、岩津裕介の中割りを許さず追い込んで2着。


 「(柴崎)淳が頑張ってくれたので2人で決めたかったけど…。あとちょっとだったけど、難しかったです。井上と菅田を警戒していたら岩津に入ってこられてしまった」


 3番手をキープした井上だが、まくりは一息。井上マークの岩津裕介が、柴崎と金子の間を踏んで3着に入った。


 「予想以上に前の掛かりが良かったけど、(井上が)いい展開にもっていってくれました。そんなに違和感なく走れているし、コースも見えていましたね。それなりに走れる感じはつかめました」


 

11R

選手の写真です。
村上博幸選手

 赤板で出た清水裕友を、すかさず杉森輝大が押さえる。山田久徳は赤板2コーナーから踏み込むと、車間の空いた3番手に切り込み、そのまま内から主導権を奪取した。清水も、すかさず茨城勢をすくって中団を確保。最終1センターから踏み込むと、抜群のスピードで前団をまくり切った。


 「わりと先行したかったんですけどね。杉森さんをあそこから突っ張っても距離が長いと思った。山田さんが行ってから叩きに行こうと思ったら、山田さんのエックス攻撃でゴチャついて。態勢が整わなかったです。(感触は)重かったですね。疲れもあると思う。今回から硬いフレームを使おうと思っていたんですけど、前検日に乗った感触が悪すぎて元に戻しました」


 山田がまくられて、村上博幸(写真)は清水に切り替えて2着に追い込む。


 「清水が抜けていましたね。踏み込んでまくって来ているし、強くて勢いがある。でも、(山田)久徳も積極的なレースをしてくれました。地元なので勝ち上がることが大前提。これで、準決が確定したし、また京都のみんなで頑張りたい」


 成清貴之は、最終ホーム手前で神田紘輔をさばいて京都コンビの後ろを奪う。清水に離れた池田良と絡みながらも3着。


 「自分が考えていたことと、まったく逆の展開でした。何回も危ない場面がありましたね。脚は、それほどでもない。3番手を取って、外を踏むくらいの脚が欲しい。でも、これを凌げたのはデカい」


 

12R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 近藤隆司(写真)が青板から上昇を始めて、レースは早めに動き出す。打鐘で三谷竜生が押さえて出ると、松川高大が番手で粘るがインを突いて主導権を奪い返す。三谷が外に浮いて緩んだところを、後方で脚を溜めていた近藤隆が一気の反撃。松川も合わせて踏むが、近藤隆、齊藤竜也で出切って最終バックを通過。南関勢にまくりで襲い掛かった三谷を近藤隆が二の足で合わせて、前回からの連勝を4に伸ばした。


 「自分では(押さえて出て)突っ張る気持ちもあったんですけど、結局、いつものカマシ、まくりになっちゃいましたね。(最終)2コーナーからは三谷君が飛んで来るだろうって、そのつもりで踏み直しました。とてつもなく絶好調ではないけど、成績がいいんで気分良く走れる。前回からラインで決まることが多いのもいい。ゴールして(齊藤)竜也さんの車番が見えた時はうれしかった」


 「展開がうんぬんより、まずは付いていくこと。余計なことは考えなかった」と、近藤隆の踏み出しに集中した齊藤竜也が、2着に流れ込んだ。


 「(近藤隆が)どんどん伸びていったし、付いていけて2日目の優秀に勝ち上がれたのはデカいですね。こういうチャンスを取りこぼさないようにしたい」


 南関勢、さらに三谷ラインにまで出られた園田匠だったが、松川から切り替えて内よりのコースを踏んで3着に伸びた。


 「松川が全部レースをつくってくれた。それに尽きますね。前々に踏んでくれたし、あそこまでいってくれたら自分はなんとしても(2日目の優秀に)乗らないと。脚には余裕があったんで、いいと思います」


 いったん番手で粘った松川に主導権を奪われた三谷竜生は、立て直してまくるも4着。


 「ちょっと(展開が)予想外だった。余裕もなかったですね」


 

6R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 赤板の2コーナーで切って出た菊地圭尚の上を山岸佳太が飛び出して先行策。菊地が番手に飛び付いてもつれると、後方の柴崎淳(写真)が最終ホームから踏み込む。逃げる山岸をスピードの違いであっさりとらえた柴崎が1着。


 「(菊地が山岸の番手で)粘るとは思ってなかったです。引いてきてもジャン過ぎから2センターぐらいから行こうって考えていた。実際、2センター過ぎくらいから踏んでいました。スピード的には戻っているけど、(本当にいいっていうところまでは)あと少しですね。ただ、この状態をキープできていれば、いい勝負ができると思います。先行でもいけるし、まくりでも。位置取りもできるしょう(笑)」


 「ホッとした。記念の準決はかなり久々ですね」とは、柴崎マークから2着に流れ込んだ近藤龍徳。中部ワンツーに自然と笑みがこぼれる。


 「あれがいままでだったらキツくて、置いてかれたりしていた。元々、自分の持ち味はまずは離れないっていうところだったんですけど。付いて行き方を変えた。それが前回はかみ合わなかった。でも、今回はですね」


 別線をアテにすることなく、いったん先頭に立った菊地圭尚が、山岸の番手を奪って3着に入った。


 「周りも(自分の動きを)そこまで考えてないだろうって思って、ひらめきで前に出た。そのあとで位置を取ろうと。4番手と思ってたけど、スピードが(山岸と)合っちゃった。初日の(山岸の)強さを見せられているし、シビアに(番手に)いかせてもらった。ただ、アッちゃん(柴崎淳)はスピードが違ってた」

7R

選手の写真です。
杉森輝大選手

 打鐘で勢いよく出た森田康嗣が、そのまま駆ける。北日本勢を受けた久米康平は、最終1センターから早めにまくって出る。あっさりと出切った久米に池田良、内村泰三が続くが、後方の杉森輝大(写真)がまくりで襲い掛かる。直線半ばで追い込む池田に並んだ杉森が踏み勝って1着。


 「久米君は先行を考えていると思ったけど、森田さんの動きが想定外でした。菅原(晃)さんの動きは読めていたので、最悪6、7番手以内を想定していた…。なんとか届いて良かったけど、組み立てはもう少しですね。まくりにいった時にニュートラルに入れながら踏めているので、状態的にはいいと思います」


 久米の番手から差し脚を伸ばした池田良だったが、杉森に半車輪交わされての2着。


 「8番(森田)の動きは想定外でしたね。ピッチ先行みたいな感じになっていたし、あとは誰もこないと思ったけど、いいスピードでこられてしまいました。(杉森が)来るのが遅かったぶん、仕事をしきれなかったです。(久米に)申し訳ない」


 直線で杉森の外を踏んで3着に入った小林大介が、汗をぬぐい振り返る。


 「(杉森が)8番手になったのは仕方ないけど、冷静に2コーナーから行ってくれましたよ。自分は3着以内はあると思って、内を突こうとしたら杉森君が外を伸びていく感じがしたので外に持ち出して踏んでいきました。最後はコースを迷ったぶん、踏み遅れてしまいましたね」

8R

選手の写真です。
藤木裕選手

 合わせて出た山本紳貴を一戸康宏が打鐘の3コーナーで叩いて主導権を握る。前受けした藤木裕(写真)は8番手に置かれたが、2センターから反撃を開始。一戸をとらえると、3番手以下を突き放して加速する。最後は番手の村田雅一、切り替え迫る岡村潤を振り切って連勝を果たした。


 「まさか押し切れるとは思っていなかったです。二次予選は構えがちだし、正直、ジャンで終わったと思いました。でも、後ろが村田っていうのが心強かったですね。二次予選のメンバーが決まった時点で、相手が誰であってもいけそうな気持ちになりました。初日、2日目と長い距離を踏んで勝てているし、準決はどんな展開でも勝ちに行こうと思える。気持ちの面でも楽になった」


 村田雅一が、藤木に続いて近畿ワンツー。


 「(藤木が)強烈でしたね。バックで後ろがちぎれているのがわかったので、(車間を)空けない方がいいかなと。藤木は気合が入っていたし、その気持ちがうれしかったです。地元でもあれだけのレースができるっていうのが、いまの藤木の調子だと思う」


 山本は最終1センターで仕掛けるも車が出ない。目標の余力を見極めた岡村潤はインを進出して、近畿勢を追いかけて3着。


 「僕の仕事は赤板で一戸を退かして、(一戸に上を)叩かせること。山本君が、あの位置(3番手)を取ってくれたら、(山本と)2人で3着以内に入れるかなと思って。藤木君が行ったのを、すかさず追ってくれたら付いて行ったけど。でも、(近畿の)2車が前に行っちゃったし、山本君の車の出も悪くて。申し訳ないけど(踏ませてもらった)。車間は詰められたけど、突き抜けられていないので。あれが、精いっぱいです」


 

9R

選手の写真です。
金子哲大選手

 打鐘過ぎに押さえて出た金子哲大(写真)は、人気の岩本俊介を一本棒の8番手に置いて最終ホーム手前からペースを上げて逃げる。1コーナーから岩本が踏み上げて、合わせて6番手の小嶋敬二、自力に転じた山中貴雄もまくりを打つ。別線が襲い掛かるも、自分のスタイルを貫いた金子が高橋大作の援護を受けて押し切った。


 「岩本さんが前受けだと思ったし、理想はその1個後ろが欲しかった。だけど、思ったより普通の感じで流れましたね。あとはペースで駆けて、2車ですけど(後ろのことは高橋)大作さんに任せようと。踏めてはいた。でも、まさか逃げ切れるとは思わなかった。ここ2場所の成績がひどかったし、良かったです。調子はそんなに悪くないけど、(連勝は)デキすぎです」


 山中貴雄は最終バックで自らまくって、僅差の2着争いを制した。


 「後ろ(のライン)に小嶋さんと岩本君がいるし、なかなかあの位置でブロックっていうのは厳しい。最後、(佐藤)慎太郎さんに踏み勝てたのは大きい。ただ、(最終)4コーナーから力が入ってグラグラした。4着かと思いました。もうちょっと余裕をもってゴールまで踏めたら良かった」


 山中に交わされたものの、高橋大作は金子マークから3着に踏ん張って準決にコマを進めた。金子の強靭な粘り腰に脱帽する。


 「(金子は)ちょっと長いかなって思ったけど、徐々にいい感じで上がっていった。それで(最終)2コーナーから吹いた。もう抜けない感じだったし、とりあえず(別線の)まくりだけはと思ってたら、そんな必要もなかった」

10R

選手の写真です。
山田久徳選手

 打鐘の2センターで後方から井上昌己が仕掛けるが、小岩大介が付いていけない。山田久徳(写真)が、切り替えるように井上を追いかける。援護を失った井上が最終3コーナーで出切ると、山田がその上をまくって地元ファンの期待に応えた。


 「初日がまったく良くなかった。勝ち上がるのは最低限で、1着を取れたんで良かったです。(井上)昌己さんが早めに行くか、遅めに行くかを見ながら余裕はあった。昌己さんが早めに行ったので追い掛けていこうと思って、その上をまくれましたね。判断はできていますね」


 山田マークの神田紘輔が最終4コーナーで外に持ち出し、近畿3番手の伊代野貴照が中のコースを踏んで2着に伸びた。


 「自分はコースを突けた。結果的に(ラインで)ワンツースリーを決めることができて良かったです。付いていくぶんには問題ないですね。3番手で神田君の動きを見ながら、しっかり対応はできましたね」


 近畿ライン3車での決着も、番手の神田紘輔は伸び一息で3着。


 「(内にいた)武井(大介)さんの動きが気になっていたので、自分は外々を踏みながら追走していました。井上さんがワンテンポ早く行った以外は、山田君は思ったように動いてくれた。最後、交わされているのは伊代野さんが伸びるコースを踏んだだけで、自分の状態は問題ないです」


 

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 稲垣裕之(写真)が、約4カ月以上ぶりの白星を地元記念で挙げた。レースは、三谷竜生にフタをした津村洸次郎が、打鐘で飛び出して先行策に出る。しかし、視界が開けた三谷はすぐさま反撃。抵抗する津村を最終1センターでねじ伏せて、別線はお手上げ。ラインで出切ると、最後は稲垣がチャンスをつかんだ。


 「(三谷)竜生が気合の入ったレースをしてくれて、やっと1着が取れました。自分のなかでは、すごく弾みになる1着です。地元の声援も力になりました。年末から立て続けに落車もあって…。でも、いつまでもそんなことを言っていられないし。いまの状態で、できることを精いっぱい頑張りたい」


 格の違いを見せた三谷竜生は、堂々たるレースでラインを上位独占に導いた。


 「(稲垣とは)初日に失敗しているので、しっかりっていう気持ちがありました。津村も踏むと思っていたし、(北村信明に)もってこられるのもわかっていました。それでも、無理やりに仕掛けて行かないとって思っていた。仕掛けられて良かったし、(稲垣と)うまく決められて本当に良かった」


 3着に入った吉村和之も、ホッと胸をなで下ろす。


 「付いているだけの俺が、一番キツかった。三谷君にはいつも世話になっているし、迷惑を掛けたくなかった。まずは、付いていくだけでも恩返しができるかなと。結果、そうなって良かったです」


 

12R

選手の写真です。
園田匠選手

 近藤隆司が押さえたところを清水裕友が叩いて主導権。しかしながら、すかさず金子貴志が、地元の村上博幸を連れて巻き返す。清水は突っ張り、2日目の優秀にふさわしい迫力のスピードバトルが展開される。菅田壱道も構えることなく、打鐘の3コーナーから反撃。主導権を死守した清水を菅田がとらえて、園田匠(写真)の追走。急造の連係ながらも菅田の俊敏な動きにしっかり対応した園田が、差し切り1着。


 「(菅田)壱道は付いたことがない選手だから、どうするんだろうっていうのがあった。あそこで行くんだからさすが。あのタイミングでまさか行くとは思わなくて、最初の出足で遅れた。ただ、付いてからは(後ろとの間合いを計る)余裕もあったし、タテ脚に関しては問題ない。この2日間、本当に前のおかげですね」


 金子の仕掛けを読んでいた菅田壱道が、センスよく反応して休むことなく豪快なまくりを披露した。


 「金子さんは絶対にカマすだろうと思ってた。近藤さんのところ(の車間)が空いてたんで一瞬見たけど、(入らないで)スピードを殺さずに前に行ってしまおうと。いいレースができたし、3日目以降につながりますね」


 最終2コーナーで菅田、園田を追いかけた近藤隆司は、前の2人を交わせずそのまま流れ込みの3着。


 「ジャンは突っ張るフリじゃなくて、踏んでれば良かったですね。難しかったけど、踏み込みが中途半端だった」


 結果的にシンガリに沈んだ清水裕友だったが、積極策で別線を苦しめて見せ場はつくった。


 「近藤さんを叩くのに結構踏んだし、すごいキツかった。落ち着く間もなく菅田さんが来ていっぱいだったですね。とりあえず(金子を)合わすだけ合わそうと。もうあとのことは…」


 

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
選手の写真です。
藤木裕選手

 レースは早めに動いて前受けだった藤木裕が、赤板の1コーナーでじわりと押さえて出る。単騎の高橋大作が3番手に切り替えて、4番手に清水裕友(写真)、6番手が柴崎淳で一本棒。後方に置かれた近藤隆司も仕掛けず、そのまま先行の腹を固めた藤木がペースを上げて逃げる。4番手で車間を空けた清水は、最終2コーナーからまくって、神田紘輔のけん制を乗り越えて1着。


 「みんな動くのが早かったけど、4番手の位置が取れたのが大きいですね。しっかり仕掛けられた。でも、展開に恵まれましたね。ずっとケアをしているけど、体の疲れはありますね。もう1回踏ん張って(決勝も)頑張りたいです」


 神田の援護を受けた藤木裕(写真)は、直線でも踏ん張って2着。久々に参戦した地元記念のシリーズは、内容の濃い積極策で決勝進出を果たした。


 「先行(するライン)を待って、(別線が)来たところを3番手を取ろうと思っていた。でも、誰も来なかったしピッチも上がってきたので、先行する形になりましたね。ジャンの2センター過ぎから練習の感じでいけたし、これでまくられてしまったら仕方ないと思いました。駆けてからは落ち着いて踏めていました。いままでの平安賞のなかで一番いい勝ち上がりができています」


 直線の入り口で神田に絡まれた岩津裕介は、清水を追走しての3着が精いっぱい。


 「(清水が)いい位置を取ってくれたので、(別線に)カマされても最悪6番手になるかなと思いました。予想以上に厳しいブロックをもらったので、そのぶん(清水とワンツーの)連係が決まりませんでした。落車の影響はないし、最近のなかではいい方です」

11R

選手の写真です。
山田久徳選手
選手の写真です。
金子哲大選手

 金子哲大が、合わせて踏んだ山田久徳(写真)を赤板の1コーナーで押さえて先行策に出る。金子ラインを受けた山田は後位に切り替えてきた園田匠の動きに惑わされることなく、最終1センターからアタック。ジワジワと前団に迫る。2センターでは成清貴之が稲垣裕之に絡むと、稲垣の内に差していた伊代野貴照と後輪が接触して落車。園田も巻き込まれる。アクシデントのなかで山田が金子を直線半ばでとらえて白星。


 「ジャン前くらいで金子が上がったので、(菅田壱道に)内をしゃくられないか心配でした。タイミング良くまくりに行ったけど、前(金子)が掛かっていのでバックくらいで合わされてしまいました。稲垣さんには迷惑をかけてしまいましたね。すんなり喜べないですけど、最低限決勝には乗りたかったし、やりたいことをして決勝に乗れました。初日よりも感触はいい。あとは疲れだけなので、しっかりケアをして。(決勝は)稲垣さんのぶんまで」


 最終2センターで前の成清と車間が開いた齊藤竜也。それでも、落車を避けてから追い込んで2着に入る。


 「理想通りの展開になりました。でも、スピードがすごくて対応が遅れてしまいました。落車があったし、恵まれただけです。(記念の優出は)ないです。何回(記念の準決で)4着だったか数えきれないですね」


 逃げた金子哲大(写真)が3着。齊藤と同じく、初めて記念の決勝へコマを進めた。


 「このクラスだし、やったつもりですけどね。山田さんが中団でもカマしてくるかもしれないし、(打鐘の)2センターくらいでスタンディングして。あとは、どうにかなれと。(決勝に乗ることは)2場所前の成績からは考えられないですね。成清さんが落車したから、あれですけど。決勝に乗れて良かったです」


 前受けから8番手に下げた菅田壱道は、最終ホームから反撃。山田に合わせるように踏まれると、稲垣後位に切り替える。落車を回避して直線を伸びたが、届かず4着まで。


 「仕掛けが中途半端でしたね。稲垣さんの後ろに切り替えようと思って(伊代野を)キメにいった。そしたら、稲垣さんが内に踏んで危ないと思ったら落車。最後は諦めずに踏んだけど。あと少しでしたね」


 

12R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
三谷竜生選手

 青板の3コーナーから上昇を始めた池田良は、3番手の三谷竜生の横で止まってフタをする。打鐘手前でようやく池田が再び踏み込むが、杉森輝大が突っ張ってから中部コンビを受ける。金子貴志が、最終ホームで主導権を奪って逃げる。三谷がすかさず反撃に出て、金子に襲い掛かる。懸命に合わせる金子を三谷が4コーナーでとらえ、続いた村上博幸(写真)がゴール前で交わした。


 「もう僕自身はこの年齢ですし、いろいろ経験してきたので冷静にできている。ほどよい緊張感でやれていますね。(10、11レースで)藤木(裕)と(山田)久徳が決勝に乗ってきたのはうれしい。2人とは10年以上一緒に(練習を)やってるんでね。2人の成長を感じました」


 「ああなるかなと思って、想定はしていました」とは、三谷竜生(写真)。打鐘では内に包まれるピンチも、仕掛けどころを逃さず格上の力を披露した。


 「もうちょっと早かったら引いても良かったんですけど、あれだと一番後ろ(のライン)になってしまう。そのあとは自分のタイミングでしっかり行けました。練習を(一緒に)やらせてもらっているし、金子さんが強いのは知っている。キツかったですけど、しっかり乗り越えられて良かった。体は反応していると思います」


 中部勢に飛び付いて3番手確保の杉森輝大が、直線で村田雅一を張りながら追い込んで3着。


 「池田君があんなにフタをするとは思ってなかった。(展開が)読みづらかったけど、なんとか3着に入れた。厳しい展開を乗り切ったんで、調子は悪くないのかと」


 最終ホームで杉森を叩き切った金子貴志だったが、三谷のまくりを合わせ切れずにシンガリに沈んだ。


 「結果的に前で踏み合いみたいになっちゃったんでしょうがない。竜生とは高地トレーニングを一緒にやってるんで、練習でモガいているような感じでした。練習でも竜生には行かれてしまうし…。あれを合わせられるように仕上げないとダメですね」