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まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

検車場レポート

  • 10/6 Thu.  (前検日)
  • 10/7 Fri.  (1日目)
  • 10/8 Sat.  (2日目)
  • 10/9 Sun.  (3日目)

1R

選手の写真です。
木村弘選手
 前回の向日町記念では2連対の木村弘(写真)だが、最終日にはシンガリ惨敗。中8日でハードなトレーニングを積んできた。
 「(練習は)結構、キツいメニューをやってきたんで、そこはプラスにとらえたい。疲れもあったけど、ケアもしっかりといつもよりやってきた。(いくら練習をしても)レースで出せないと意味がない。前回の最終日に失敗をしているんで、その分も。(S級1班の)点数は取りたいけど、レースは小さくならないように」
 3週間以上空いたベテラン内藤宣彦は、久々の実戦に慎重なコメント。
 「体調を崩してしまったけど、練習はやるだけのことをやってきた。(調子が)戻ってきているかもしれないし、ダメかもしれない。やっぱり実戦と(練習は)違うので。(初日は木村)弘がいるんで悩むことはないですね」

2R

選手の写真です。
鈴木浩太選手
 前回の前橋FIでは2日目、最終日を連勝。そこから2週間以上空いたゆとりのローテの鈴木浩太(写真)が、上々の手ごたえをつかんでいる。
 「ずっと(配分が)詰まってたんで、久しぶりに練習ができたんで良かった。自分がやりたい練習を2クールくらいできた。休みもそれなりにとりました。まだ9車立てに慣れてない。走り方を知らないっていうわけじゃないけど、(別線に)うまくやられている感じですね」
 才迫開は、前回の広島FIを153着。地元シリーズでの疲れもあったようだ。
 「(広島は)地元での緊張があったりして、疲れがありましたね。そのあとはしっかりとリラックスしてリフレッシュした。記念は勝ち上がりの幅が広いし、ここで頑張って点数を上げたいですね」

3R

 オールスター後の小田原記念で2日目から途中欠場。その後はコンディションが戻らず、共同通信社杯、平塚FIとここ2場所は一息だった雨谷一樹がこう口を開く。
 「8月のオールスターが絶好調で調子が良かった。そしたら、そのあとに熱中症になって1週間くらい寝込んでしまった。我慢の時期ですかね。最近になって(調子が)上がってきた。このあと寬仁親王牌もあるので、攻めの気持ちで気持ちを入れて走りたい」
 「(優出は)7月以来ですね」と根本哲吏は、久々の決勝進出となった前回の弥彦FIでの走りを納得する。
 「(2場所前の小田原FIの777着は)相手が強すぎた。けど、弥彦は良かったですね。状態は変わってないのかなと。(初日は)相手も骨があるんで頑張るだけですね」

4R

 前回の小松島FIで久々に勝ち星を挙げた晝田宗一郎は、その後の練習で好感触を得ていた。、
 「ずっと(競走間隔が)詰まっていたので、久しぶりに練習ができた。それで脚が落ちていたんだとわかった。練習ができたし、ここ最近のなかでは良かった。勝ち上がれるように走りたい」
 5月の函館記念の最終日に早期追い抜きで失格の憂き目をみた藤井侑吾は、4カ月以上空いた今シリーズが復帰場所。
 「長かったですね。ずっとバンク練習はしていたし、練習しかすることはなかった。8月には体調不良にもなったんで、まずは走ってみてですね。ゼロからになってしまったけど、バック数を増やして点数を上げていきたい」

5R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 前回の地元、向日町記念の一次予選では中井俊亮の番手から突き抜けた窓場千加頼(写真)が、初日に再タッグ。選手になる前からその背中を見てきた村上義弘の引退には、衝撃を受けたようで、気を引き締めて初日に挑む。
 「(村上の引退は)ホンマに信じられない。ビックリのひと言です。たくさん怪我もされていたし、28年間、お疲れさまでした。お体を大事にしてもらえれば。(これからは)僕らが頑張っていかないと。(中井は)いつも頑張ってくれるので、そろそろワンツーを決めたいですね。自分もいつでも前を回れる状態には仕上げている」
 前回の函館FIを752着。近況が一息の岩谷拓磨は、初日にできあがった4車のラインを意気に感じて上位独占を誓う。
 「(初日は)4車のラインですし、ラインでスッキリと決まるように。(番手を回る小岩大介は後ろで仕事をしてくれて)めっちゃ熱いですよ。だからいいレースをしたい。師匠(吉岡稔真)と一緒にハードな練習をして、そこを(競輪祭)を視野に入れている。練習はしっかりとやっているので、あとは自分の力を上がっていければ」

6R

 9月26日にアメリカのロサンゼルスで行われた自転車競技のマスターズ世界選手権のスプリント種目で優勝した伊藤信は、帰国後の初めての実戦になる。
 「9月23日から30日の日程でロサンゼルスでした。(10月)1日に帰ってきて、移動の疲れはあります。(スプリントを優勝で)勝てたのも良かったけど、いい体験ができたのが良かったです。競輪はまた競技とは違う心理面などもありますから」
 近況はFIで勝ち星を積み重ねている野口裕史は、初日もいつも通りの組み立てに迷いはない。
 「名古屋(共同通信社杯)の時に浅井(康太)君に聞いたことをやってきた。ハンマー投げの時にやっていたことを、自転車でもそのままやればいいんだなって。自転車に乗り過ぎて、感覚がおかしい時に気づけるようにしたい。成績がいい時は、いい動きはできている。いつも通りにバックを取る競走をしたい」

7R

選手の写真です。
橋本優己選手
 GIでも勝ち星を挙げている橋本優己(写真)は、記念決勝進出を目標に掲げて、レベルアップにまい進する。
 「今年は(記念の)決勝に乗りたい。そこでSSの人たちと走りたい。レベルの高いレースでは学ぶことが多いですからね。自分はS級のトップ選手に比べるとトルクだとかトップスピードが足りない。練習ではA級の選手にも負けることもあるんで、底上げをしていきたい」
 昨年はわずか2勝の柴田洋輔だが、今年はすでに10勝をマーク。近況は差し脚もさえている。
 「(初日に連係する)中嶋(宣成)君は点数以上のものがある。(連係は)初めてだけど、信頼しています。今年はもう10勝もしている。展開に恵まれているけど、抜けるようになってきた」

8R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 皿屋豊(写真)は、直近のFIを連続優出。腰痛で調子を落としていた昨年と違い、ホームバンクの記念を好感触で迎えることができた。
 「練習はすごく良かったんで、それをしっかりと出せるように。(前回は)決勝にも乗れているんで悪くはない。去年(の松阪記念)は、ヘルニアになったんでしばらくはつらかった。最近は調子も上がってきて、腰痛も良くなってきた。あとは自分を信じて走るだけですね。(昨年より)全然いいですね」
 前回の向日町記念では自力で2勝を挙げた中村一将は、気負うことなくここもマイペース。
 「(前回と)あんまり変わらずですね。(前回の2勝は)展開もあるんで、展開が良くなるように祈ってます。いままで(前期に)A級にいたんで、競走得点が三ケタ(100点台)になったのはうれしいです」

9R

 町田太我は前回の地元、FIシリーズを221着。逃げ切りで6月以来の優勝で弾みをつけた。通算98勝で今シリーズでのメモリアルも視野に入ってくる。
 「今開催で100勝できるように頑張りたい。(地元の広島は連続優勝で)地元はやっぱり気合が入りますね。オールスターから名古屋(共同通信社杯)まで新車を使っていたんですけど、広島から以前使っていた自転車に戻して感じは良かった」
 今シリーズが追加配分の萩原孝之だが、追加での仕上げも問題なさそうだ。
 「追加は1週間前くらいにわかったんで大丈夫です。落車して良くなかったのが、だんだんと良くなってきた。練習での感じもそうですね」

10R

選手の写真です。
山田久徳選手
 9月はあっ旋がなかった山田久徳(写真)は、1カ月以上をトレーニングに充てて、ここから再スタートを切る。
 「しっかり練習をしてきました。8月の最後あたりは、脚が落ちていた。それでしっかりとつくり直せたと思います。あとはレース勘がちょっと心配ですけど、(初日は)自力ではないので」
 立川FIの461着といまひとつだった理由を三谷竜生が、こう打ち明けて今シリーズに気持ちを切り替える。
 「(立川は)いろいろ失敗しました。自分の踏んでいる感覚が良すぎて、周りとの感覚がズレていた。(引退した村上義弘とは)もうちょっと一緒にやりたかった。でも、本人が完全燃焼したのなら。自分はしっかりと結果を残して、近畿を盛り上げていけるように頑張りたい」

11R

 前回の函館FIでは同地区の青野将大を目標に、渡邉雄太が今年5回目の優勝をつかんだ。
 「前回は自分の感じも良かったけど、青野君が強かった。いまは長期的なメニューを組んで、競輪祭に向けてやっているところです」
 7、9月で2度の落車に見舞われた黒田淳は、落車からの復帰場所となった前回の小倉FIが253着。
 「(小倉は)しのいだと言えば、しのいだかなと。最終日は自力だったので、もうちょっといきたかったところもある。落車が続いているんで、贅沢は言わずにちょっとずつ上を目指せれば。前回よりは良くなってきているかなと思います」

12R

選手の写真です。
清水裕友選手
 清水裕友(写真)は、現在の獲得賞金ランク8位。5年連続5回目のグランプリ出場のボーダー上にいるだけに、この2カ月が正念場となる。
 「次の寬仁親王牌に向けて、部品も換えながらいろいろやっているんで、(今開催で)いいもの見つけられればと思います。(3月に)ウィナーズカップを獲ったおかげで、グランプリがかかるいい位置にいられるけど、今年1年はいいレースが少ないというか、働いていない。この2カ月でばん回したいですね。前橋(寬仁親王牌)はすごく好きだし、そこに自転車の不安をなくしていきたい」
 前回の共同通信社杯の決勝で落車に見舞われた佐藤慎太郎の状態はどうか。
 「ちょっとダメージがある感じですね。ただ、練習はいつも通りのタイムが出てはいる。あとは燃え尽きないように。まだまだ燃料満タンです(笑)」
 前回の立川FIから中5日の新山響平は、近況をこう分析する。
 「パッとしない。自転車のセッティングも微妙ですし、体の感じもいいんですけど重い感じもある。その分、粘りとかがない。いままで逃がしてもらえたけど、自分も新人じゃない。若手もたくさん出てきて、先行意欲が高い選手が多い。先行争いをしてつぶれることもできないし、技術を磨いていかないと」

1R

 佐々木眞也、大西貴晃の順番で切って、その上を3車の北日本勢が出て主導権を握る。合わせて動いた高橋和也が、4番手をキープして最終周回。高橋後位は大西と松崎貴久で併走になり、後方には苦しい流れ。ケレン味なく逃げた木村弘を利した内藤宣彦が、ゴール前で楽に追い込んだ。
 「体調不良で1本休んだあとだったので、どんなものかと思った。けど、残り1周の時点では余裕があった。(木村)弘が強かったです。気持ちは不安だったけど、脚に余裕はあって普通に踏めました」
 北日本3番手の金成和幸が、伸びて2着。
 「(ジャンの併走を)しのげたのがすべてですね。そこは負けられなかった。(木村)弘が頑張ってくれたけど、伸びる感じがした。余裕はあったし、悪くないですね」

2R

選手の写真です。
才迫開選手
 先行態勢を取った鈴木浩太のペースは上がらず、7番手の吉田茂生が打鐘3コーナーから巻き返す。最終1コーナーで吉田が叩き切るが、ホームで反応していた才迫開(写真)がまくりで襲い掛かる。才迫がスピードに乗せて、前団を仕留めた。
 「早めに脚をためられたし、(隊列が)短くなったところをいい感じで目標になった。思ったよりも、いつもより早く仕掛けられた。スピードをもらって行った時が、いいころの感じだった。ワンツーを狙える仕掛けだったし、自分の仕事はできたと思います」
 吉田を利した西村光太は、最終3コーナーで才迫のまくりをけん制。後ろの筒井敦史をさばいて追い込んだ。
 「3番(鈴木)は余裕があって飛び付いた感じだったんで、気になりましたね。才迫君は全然スピードが違ったんで、自分もタテに踏むしかなかった。(筒井のところは)ちょっと当たればと。(地元だからとはではなく)どこの開催に行っても初日は硬くなってしまう、その意味では初日クリアできたんで気持ち的には楽です。明日(二次予選)からはもっとメンバーがキツくなるんで、気持ちを入れていきます」

3R

選手の写真です。
川口雄太選手
 打鐘手前で川口雄太(写真)が先頭に立ち、そこを雨谷一樹が押さえて出る。川口も踏み込んで、関東3番手の原田泰志は連結を外す。3番手に川口が入って最終周回。後方から反撃に出た下井竜は、4番手まで。タイミングを取った川口が、直線勝負で突き抜けた。
 「記念の初日1着は初めてですね。勝ち上がることはできていたんですけど。(打鐘は)しっかり切ろうと思っていた。そこから下井さんが来たら3番手に入って、雨谷さんだったら、ハコ勝負も考えていました。河野(通孝)さんの後ろに入れたので良かったです。(同県で同じ年の)太田(竜馬)みたいにスパーンといけないし、泥臭くく、ブサイクに、こういったレースが持ち味なので」
 川口マークの田尾駿介は、最終バックで下井にかぶっていたが、直線でコースが開けて2着に流れ込んだ。
 「ジャンで(川口が)行ってくれたのが大きい。あそこを叩く勇気は自分にはない。(川口)雄太が勝負権のある位置を取ってくれて、ワンツーができたのはうれしい。前回の小倉は体調不良明けのレースでしんどかったけど、(今回は)7割くらいに戻っているのかな」

4R

選手の写真です。
神田龍選手
 中団から赤板1コーナーで先に切って出た晝田宗一郎は、思惑通り中部ラインを受けて4番手を確保する。藤井侑吾の先行策でレースは流れて、最終ホームを一本棒で通過する。4番手の晝田が、2コーナーからまくりを打つ。晝田マークの湊聖二を外に弾いた神田龍(写真)が、まくり切った晝田に切り替えて直線。神田がゴール寸前で晝田を差し切った。
 「藤井君のおかげですね。(まくった晝田を)止められるのが一番だったんですけど、出られてしまいました。(晝田を抜けたんで)脚はいいと思います。手ごたえもあります。(ホームバンクの記念だし)気合が入りますね。そんなにガチガチにもなってないんで大丈夫です」
 4番手キープの晝田宗一郎は、後方の松坂洋平の仕掛けを待つことなく先まくりで2着。
 「藤井さんとモガき合っても負けてしまうし、1番車なんでああなりました。松坂さんも脚を使ってなかった。(最終)ホームで来なかったんで、(松坂に)かぶったらどうしようもない。それで行ったらわりと出ました。1着が良かったけど、(最終)2センターでいっぱいでした」

5R

 4車のラインができあがった岩谷拓磨は、赤板2コーナー手前で飛び出して先行態勢に入る。一戸康宏の反撃は中団まで。最終1センターから中井俊亮がインを進出すると、松岡孝高と接触して落車。大崎飛雄馬、一戸、甲斐康昭が乗り上げて大量落車。アクシデントを避けた窓場千加頼がまくりで前団に迫り、直線で小岩大介がけん制。今度は松岡が落車。窓場が九州勢とらえた。
 「(追走の)技術面は難しいところもありますね。余裕はあったし、中井君の後ろに追い上げようとしたら落車したのが見えた。瞬時に中井だってわかったし、空いているところを踏んでいった。(中井の落車もあるので)素直に喜べない」
 2位入線の小岩は失格。逃げた岩谷拓磨が繰り上がりの2着。
 「2周先行でいく気持ちはあった。アクシデントもあったがバンクが重いですね。風は気にならなかったけど、バックから踏み直しがきかない。ローラーでアップしている段階は、体に重さはなかったです。2周行こうっていう気持ちはあった。けど、脚がついてこない感じでした」

6R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 赤板1コーナーで野口裕史が、押さえて出る。南関ライン3番手の荻野哲のところに山田義彦が粘りもつれて、打鐘2センターで伊藤信が仕掛ける。富弥昭は付け切れず、大阪の2人で出切る。3番手に飛び付いた野口は、空いた車間を詰めながら2センターで外に持ち出す。山賀雅仁(写真)は、野口の動きを確かめて、中のコースをシャープに伸びた。
 「(伊藤は)すごいカマシだった。(野口は)出切ってからいい感じで踏んでいたから、来るとは思わなかった。そこが甘いところ。今回は3日間くらい脇本(雄太)のところで練習して刺激的だった。いろいろ勉強させてもらって、(脇本)勇希も一緒だった。でも、自分の体がどうこうよりも、野口君が頑張ってくれた。今日(初日)は、それが一番ですね。最後は外に行こうか迷ったけど、ギリギリまで待ってからでした」
 叩かれた野口裕史だったが、冷静に車間を詰めて山賀とワンツー。追い込みで一次予選をクリアした。
 「(打鐘の)4コーナーからペースを上げていって、(伊藤)信君を合わせようと。その時は7.5から8割くらいの感じで踏んでいた。(伊藤に出られて)ヤバいと思って、山賀さんが1人くらい飛ばしてくれればと。3番手に入れたんで、車間を詰めすぎないように全開では踏まなかった。余裕はありました」

7R

 中嶋宣成に押さえられた橋本優己が包まれていると、赤板2コーナー過ぎに外併走から桐山敬太郎が仕掛ける。桐山が主導権を奪ってペースを握る。中嶋が4番手に入り、7番手の橋本は打鐘4コーナーで巻き返す。が、橋本は中嶋に合わされせて一息。中嶋もまくるが、逃げる桐山の番手の近藤俊明が追い込んで1着。3連単は46万円を超える配当が飛び出した。
 「桐山君は切りに行ってから(別線が)思いのほかこなくて、行っちゃいましたね。前回、連係した時はあああいう展開で中団に入ってうまくいかなかったので、強めに踏んでいてくれた。そこでくれば合ったところでって感じだったと思います。あんないい展開はなかなかないですね。余裕はなかったけど1着は取れている」
 関東勢3番手の岡光良は、最終3コーナー過ぎから内よりのコースを踏んで直線でしぶとく伸びた。
 「自分は3番手なので見えなかったところはあるが、ブロックが見えたのでコースを探して入っていった。絶妙なコースだった。昔はよく3番手を回っていたので苦手ではない。(コースは)見えていたし、悪くないですね」

8R

 古屋琢晶を押さえた皿屋豊は、赤板2コーナーで早めに先頭に立つ。4番手で単騎の城戸崎隆史と古屋が重なり、後方の中村一将が踏み込む。しかしながら、冷静に別線の仕掛けに備えていた皿屋が、抜かりなくペースを上げて逃げる。中村は力尽き、今度は中川勝貴がじわじわと詰め寄るが、皿屋は二の足で逃げ切ってホームバンクで好スタートを切った。
 「(レースの)流れに沿っていこうかなと。中村さんが来てたんで、あとはどれくらい来るか2、3回確認した。(最終)1コーナーで合わせ切ったんで、そこからはペースに入れました。掛かりが良かった。4コーナーから少し失速したけど、しっかりと踏めた。疲れとかの不安もあったけど、いい状態で迎えられた。決勝が目標なんで、ここで負けるわけにはいかないので」
 皿屋マークの岡本総は、交わせずもきっちり2着。
 「バンクが結構、重かったし、(皿屋は)強すぎますね。出てからずっとペースでした。自分の体の状態はそんなに良くないように感じます」

9R

選手の写真です。
簗田一輝選手
 大方の予想通り町田太我が主導権。4番手で會澤龍と簗田一輝(写真)で併走になり、打鐘を通過する。中団がもつれて、町田がペースに持ち込む。最終1コーナーで4番手を取り切った簗田は、2センターから早めの追い込み。余力を残していたかに思われた町田だったが、直線半ばで失速。簗田が1着。
 「今日(初日)のメンバーだと中団以内にいないと勝負にならない。位置を取ってからと思っていました。外併走だったけど、こういうレースをやってきたし、そこは大丈夫。4番手を取れてから脚をためて一発と。あんなに交わせると思わなかったですね。一時期よりは良くなっている。練習は基本的に変えていなくて、街道とバンク。バンクの時は深谷(知広)さんたちともやったりします」
 逃げた町田の番手の橋本強が2着。
 「(町田は)いい感じで駆けたと思ったけど、最後はタレていました。(簗田には)援護ができないところでいかれてしまった。(落車明けで怪我の)不安はあったけど、町田君の先行に付いていった感覚では、十分に戦えます」

10R

 赤板2コーナー手前で一度は先頭に立った三谷竜生は、2車の関東勢を受けて好ポジションをキープする。詰まりながらも間合いを取った三谷が、最終2コーナーからのまくりであっさり伊藤慶太郎をとらえる。三谷に付けた山田久徳が、鋭く伸びて差し切った。
 「練習の成果なのか道中は余裕がありました。(三谷は)踏み直しがしっかりしてるんで、最後しっかりと抜けたらと。この1カ月(の練習)を試すっていうわけじゃないけど、差し込めたんで感触は良かった。言うことないですね。メンバーもあるし、まだわからないところもあるけど、自力でもある程度いけそうですね」
 近畿ラインで上位を独占。三谷竜生はステージの違いを見せつけた。
 「(伊藤は)一番来る選手なので、あとは場所もあるかなと。ただ、(伊藤は出てから)思ったよりも流してたんで、どうかなっていうのがあった。ちょっと疲れてるかなっていうのもあるけど、あとはレースが流れて欲しかった。バックを踏んで車間を切っている感じだった。レースの組み立てのなかでいい感じでいけた」

11R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 突っ張り気味に踏んだ渡邉雄太だったが、月森亮輔に出られて結局、一本棒の7番手。脇本勇希の先行でレースは流れる。最終2コーナーで渡邉がまくりを打ち、4番手の月森も合わせて出る。あおりを受けて、渡邉にいつものキレがない。内藤秀久(写真)は、3コーナーからコースを探して突き抜けた。
 「(渡邉は)受けて立つ立場としては仕方ない。最悪の展開の時にどうするかですね。あれでも勝ち切るのは課題。2番(黒田淳)にもいい仕事をもらっていましたからね。俺は(あの展開で)突っ込むだけでしたから」
 結果的に力で別線をねじ伏せた渡邉雄太が2着で、人気の南関ワンツー。
 「赤板のところで車輪が滑って進んでいなくて、月森さんがすんなり出てヤバいと思った。脇本君も踏み上がっていったけど、あそこで行かないとって。状態は悪くないけど、踏み方の部分を修正したい」

12R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 太田竜馬が打鐘手前で出るが、太田ラインに続いた新山響平がその上を仕掛ける。太田も突っ張り両者の踏み合い。佐藤慎太郎は空いた4番手に降りる。最終ホームを通過して、清水裕友が太田を番手に迎え入れるが、清水は佐藤慎太郎にすくわれる。中団を確保していた吉田拓矢は、清水にからまれて万事休す。2コーナー過ぎに吉澤純平(写真)がまくりに転じて、新山、太田をのみ込んだ。
 「(清水が)結構、いい勢いで(吉田)拓矢のところ降りてたし、拓矢もやり合ってた。(最終)2コーナー過ぎだったんで、行かせてもらいました。厳しかったけど、コーナーで流れてくれたんで踏み勝てた。(今回は)新車で来た。練習での感じも良かったし、そこでは(セッティングを)いじる感じじゃなかった」
 関東3番手の諸橋愛は、自力に転じた吉澤の判断を称えてこう振り返る。
 「(吉澤)純平はいずれにしてもいい判断でした。流れが止まってたんで、(仕掛けて)行かなきゃダメなところだった。純平がナイスでしたね。自分はもうちょっとっていう感じもあったけど、最後は意外と詰め寄れた。まあまあですかね。このまま落車さえなければ、いい感じで寛仁親王牌を迎えられるかなっていうのがある」
 前受けを余儀なくされた浅井康太は、最終ホームで8番手。関東勢を追いかける形で3着に入った。
 「スタートは取りたくなかったけど、取らされたというか、取るのが流れかなと。そうなると後方になるのはわかる展開でした。8番手は覚悟したけど、踏むタイミングもなくて苦しい展開になった。(最終)1コーナー手前で踏み込んでまくりに行ってたらチャンスがあったかなと。行ってればていう感じでした。2コーナーも外したんですけど、吉澤君の動きを見てでした。直線は思った以上に出なかった。今日(初日)は新品のシューズで走ったんですけど、元に戻してみようかと思います」

6R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 前受けの皿屋豊(写真)は月森亮輔に押さえられると、簗田一輝ラインも見送って7番手。タイミングを取って打鐘の3コーナー過ぎに巻き返す。最終ホーム過ぎに皿屋が叩き切り、月森とからんだ坂口晃輔だったが連結は外さない。後方から反撃した簗田は前が遠い。直線の入口では3番手以下が離れて、地元両者の勝負。皿屋が押し切って連勝で準決に進んだ。
 「ここ2回くらい月森君にやられているし、点数以上に苦手な意識があった。簗田君も復調していますしね。(スタートで)けん制が入ったんで(前受けからで)、キツくなるかなっていうのはありました。風が味方してくれました。(初日、2日目と)まだ特選クラスと戦ってないんで、(準決は)真価が問われる。(ホームの松阪記念は)準決の壁に跳ね返されているので、その壁を突破できるような準備はしてきている」
 皿屋にはソツなく付け切った坂口晃輔だったが、直線では1車身を保ったまま2着。現状をこう振り返る。
 「(皿屋は)早めに仕掛けてくれたし、強かった。(月森に張られたが)あれはとくに問題ないところだった。最後、踏み込む力はないけど、道中はどうにかできる力がある。前の人に連れていってもらってですね」

7R

選手の写真です。
野口裕史選手
 前受けからペースを上げる新山響平を野口裕史(写真)が強引に押さえる。空いた番手に飛び付いた新山は、内藤秀久をけん制しながらポジションキープから踏み込む。最終ホームで新山が叩いて主導権を奪い逃げる。内藤秀と内藤宣彦がからんで、番手には野口。4番手まで追い上げた山田久徳だが、仕掛けられない。3番手を奪った内藤秀が後退。野口は番手から追い込んで、ゴール前で新山を交わした。
 「周回中の気配では、新山君は引いて出させてくれると思ったんですけどね。2周のところがうまくいかなくて、(ラインの2人に)迷惑を掛けた。後ろを確認したら、新山君が後ろにいた。ヤバいって思ったら、もう新山君が来ていてパニックになった。(番手から)詰まる感じはなかったけど、頑張って外を踏んでいった。先行もできていないし、状態はわからないです」
 野口から残り1周で主導権を奪った新山響平は、交わされたものの2着に踏ん張った。
 「先行か、粘りを考えていた。突っ張ったけど、野口さんはそれでも来ると思ったし、そこで引いてしまうと中団で山田さんと併走になる。内藤(秀)さんが遅れているのが見えたので、そこでと。(内藤秀とのからみは)考えていなかったけど、超一流のマーク選手のすごさを感じた。野口さんも脚を使っていたし、すかさず追い風に乗せていきました。脚はきてほしくないところに疲れが来ているので、乗り方とセッティングが良くないのかな。普段しないことをして気合は入っていたので収穫はあった」

8R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 赤板2コーナーで先頭に立った木村弘の上を、すかさず押さえた太田竜馬が打鐘過ぎに主導権を奪う。しかしながら、木村も下げず踏み込んで、木村が太田の番手に入る。前団の様子をうかがっていた雨谷一樹は、最終ホーム手前で発進する。雨谷がダッシュを利かせて迫るが、木村とからんで失速する。そこを見極めた吉澤純平(写真)は、バック手前で自らまくって連勝のゴール。
 「雨谷君もすかさず行ってくれたんですけど、木村君とスピードが合っている感じだった。(踏み込むのを)待つと厳しくなるかなと。あのパターンは結構あるんですよね。自分も踏んでおかないと飛んじゃうかなと。ちょっと早いかなと思ったけど(自分で踏んだ)。自力ではないですけど、練習も良かったし、自転車自体も含めて感覚的にはいいんじゃないかと」
 流れ込んだ河野通孝は、雨谷をねぎらい、吉澤には脱帽する。
 「(吉澤)純平は付くたびに強くなっている。前は付きやすかったんですけどね。あの年でどんどん強くなっている。(吉澤とのワンツーは)雨谷が前々に踏んでくれたから。自分はあれで太田(竜馬)君に張られたらキツかった。連結を外しちゃいけないと思って緊張しました」

9R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 川口雄太が切ったところを岩谷拓磨が押さえて主導権を握る。しかしながら、ペースを落として、最終ホーム手前でも踏み上げない。8番手の渡邉雄太(写真)が仕掛けて、1センター過ぎにあっさりとらえる。渡邉、佐藤慎太郎を車間が空いた岩谷が追いかける。直線でも渡邉のスピードは衰えず、そのまま押し切った。
 「(ジャン過ぎに)すぐ行くタイミングがあって行けました。いつも見てしまうところで行けたのでいいと思う。畑段(嵐士)さんが浮いていたし、それを目がけて。ホームは追っているような風でした。昨日(初日)の反省を生かすことができたし、最近の中でいい感じで良かった。準決も勝ち上がれるように」
 直線勝負の佐藤慎太郎は、いつもの伸びが見られず4分の3車身差までしか詰められなかった。
 「(渡邉を)差せる感じはまったくなかった。(前回の落車の影響で)思っている以上に良くないのかも。練習では感じなかったけど、レースでの一瞬の反応だったりですかね。疲れを取ることだったり、修正できることをして準決に臨みたい」

10R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 町田太我を後方に置いて、4番手の伊藤信は打鐘手前から先に仕掛ける。伊藤が先行策に出て、町田は近畿勢を追いかけてその上を叩きに出る。伊藤の掛かりが良く、町田は最終1センター付近で失速して不発。清水裕友が自力に転じてまくると、上田国広はその前に離れていて、松坂洋平が切り替える。まくり切った清水に南関勢が続いて直線。ゴールは3車が横一線も、外の山賀雅仁(写真)が僅差で突き抜けた。
 「スタートをミスったんでパニックっちゃいました。(前受けの)町田君は突っ張ってそのままっていうのを見ているから、ヤバい位置だなと。(松坂が)機転を利かせてああいう形で押さえてくれて、突っ張られなかったのはデカかった。申し訳ない。もっと体が重いなかで1、2走をしなきゃいけないかなと思ってたけど、(疲れは)あんまりないですね」
 目標の町田は出切れずに外に浮いて力尽きる。清水裕友はまくりで前団をのみ込んだが、山賀の強襲に屈した。
 「伊藤さんが行ってくれたのが、功を奏するかと思ったんですけど…。(町田)太我がピラってなったんで、自力で行ったんですけど踏みすぎてますね。回せてない。その分、タレますよね。回せてないので、踏み直せてない。ずっとなんですよね、体の使い方だと思います。1着に来なきゃいけないパターンなのに、抜かれてるのは回せてないからだと」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手
 中団から切りに出た三谷竜生を才迫開が突っ張る。4番手が中嶋宣成と三谷の併走になるが、中嶋がこじ開けるように踏んで打鐘の4コーナーで主導権を奪う。が、志村龍己は付け切れない。番手には才迫が飛び付く。後方の三谷は前団のペースを見極めて、最終1センターから踏み上げる。才迫も番手から踏むが合わせられず、三谷がまくり切る。続いた地元の浅井康太(写真)が、余裕をもって交わした。
 「(三谷)竜生が落ち着いて、中嶋宣成君を行かせてチャンスが出た。中嶋君は行くレースをしているし、その判断はさすがで素晴らしかった。竜生はずっと踏んでいて先行よりもキツかったと思う。全体的に脚を使っていてタイムはそんなでもなかったと思うが、前がタレれて来て(別線と)竜生との脚の差が出た。自分は楽をしていて、しっかり差し切れた。しっかりと決勝に乗りたい気持ちは強い。(2日目から)シューズを戻したのは、慣れている安心感を取った」
 ロングまくりの三谷竜生は、浮いた志村の外を回して力の違いを見せた。
 「才迫君は気合が入ったレースでしたね。あれ以上は下げられないと思ってあの位置にいて、詰まったら行こうと。志村さんがどっちにいくかを見ながらだったので遅れたが、乗り越えられると思った。調子自体は大丈夫です」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 桐山敬太郎が切ったところを晝田宗一郎が叩くが、吉田拓矢(写真)が素早い反応でそこに襲い掛かる。流れを殺さずスムーズに仕掛けた吉田が、先行策に出て最終ホーム過ぎには3車のラインが出切る。桐山が4番手にスイッチするも、吉田の掛かりでは仕掛けられない。空けた車間を諸橋愛が詰めて、ゴールで2人が重なったが、微差で吉田が逃げ切った。
 「隊列が短くなったんで、あそこで行けばラインで決まるかなと。ちょっと自転車との一体感がない。そこが気になりました。昨日(初日)はサドルをいじったんですけど、今日はサドルが気になった。だいたいいじるところはわかってます。ラインで決まったのが一番、なによりですね。(体は)反応できているんで、あとは自転車との一体感が出ればもっと良くなる」
 諸橋愛はわずかに及ばずの2着。
 「(吉田との距離は)僕の間合いではあった。今日(2日目)は桐山君がどう動くかがポイントだったけど、ヨシタク(吉田)が早めに行ってくれたんでラインで決まった。(体の感じは)問題ないので、もうちょっと調整します」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手
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諸橋愛選手
 赤板過ぎに切って出た渡邉雄太が、清水裕友を突っ張る。三谷竜生(写真)はいったん6番手まで追い上げて、木村弘は後方に置かれる。先行態勢の渡邉の番手の外で清水が粘り、木村が打鐘3コーナーで仕掛ける。木村のスピードが良く、木村、諸橋愛で出切る。3番手は渡邉、清水との踏み合いになった三谷が、まくりで乗り越える。けん制して追い込む諸橋との踏み合いを制した三谷が1着。
 「(渡邉)雄太と清水君があんなに踏み合うと思ってなかった。切って、切った上を木村君が来なければ、自分が押さえ先行かなと。そしたらしっかりと前が踏んだんで、あの位置からになりました。自分のなかでは(木村ラインを追うのに)少し遅れたけど乗り越えられた。上デキかなと。なんとか乗り越えられたんで、調子はいいと思います。練習もしっかりやってきたんで、初日は疲れてたけど、徐々に良くなってきている」
 木村が最終1センター過ぎに出切り、諸橋愛(写真)が別線との間合いを取る。ゴール寸前で三谷にはわずかに交わされたものの、2着で優出を遂げた。
 「(木村は赤板2コーナーで三谷が)入れないような車間だったら、三谷君が行くだろうから。(木村は)省エネで出られると思ったんですけど。そこだけですね。あとは言うことはない。(最終)3コーナーくらいまで頑張ってくれたけど、もうちょっとだった。自分は意外と冷静に走れているし、レース展開も見えています」
 三谷マークの坂口晃輔は、直線で外を踏んで3着。現状のデキのなかで、ベストを尽くして決勝につなげた。
 「付いていくのは簡単だけど、進む気は一切しないですね。ちぎれる感じもないので、悪くはないんですけど。これ以上は悪くならないかなと。木村君をちょっとでもう回させてと思ってたら、(三谷)竜生がすかさず反応してくれた。竜生の持ち味で最後伸びていくのがわかった。昨日(2日目)の西村(光太)さんもそうでしたし、自分も早めに外を追い込むつもりで踏んでいかないと(流れ込めない)っていうのがあった」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手
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皿屋豊選手
 周回中は3番手にいた皿屋豊が、新山響平の動きに合わせて踏むが主導権は新山が握る。そこを岩谷拓磨が巻き返して、新山と叩き合いになる。付け切れなかった大塚健一郎は中団に降りて皿屋と併走も、最終1コーナーで皿屋がキープ。失格のおそれもあり、下がってきた大塚を入れざるを得なかった浅井康太(写真)は冷静に態勢を整える。なんとか出切った岩谷を皿屋がまくりで仕留める。皿屋、大塚に続いた、浅井は直線で外を踏んで、シャープに突き抜けた。
 「1番人気の期待に応えて、格上相手に勝てたのも大きい。うれしいというか、地元で結果を残せて、決勝もしっかり走ろうという気持ちです。(打鐘で)先に切りに行った判断もすべて皿屋さん。大塚さんに入られたところは、あれを付いていったら失格になるので。そのあとは1着を狙って踏み切れて伸びた感覚もあった。ローラーに乗っている時からいい感じで、初日、2日目から修正できた。気持ちを込めて走れましたね」
 岩谷と新山の踏み合いをまくった皿屋豊(写真)が、2度目のGIII優出。ホームバンクでは初めての記念決勝に進んだ。
 「(過去2回の松阪記念準決で敗れたので)3度目の正直ですね。地元記念で松阪ホームから決勝に乗れるのは師匠の舛井(幹雄)さん以来。記念の決勝は2回目で前回はS班がいなかった広島記念です。S班がいるなかで自力で勝ち取れたのは価値がある。先行にこだわらず、どんな競走でもっていうので仕掛けがはまった。岩谷君が仕掛けて隊列が整う前に仕掛けられた。大塚さんと併走になったところは引いたらないなと。気持ちだけだった。浅井君とワンツーもうれしい」
 岩谷との連結を外した大塚健一郎は、結果的に皿屋のまくりに続いて3着。
 「(岩谷)拓磨に離れて反省。悪いことをした。(皿屋と)併走になったところは登り口で雨走路、浅井君のところは下りだったから寄せれるかと。無我夢中だった。二次予選のこともあるし、ラインの信頼をなくしてしまう。出直します」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手
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山田久徳選手
 山田久徳が千葉コンビを受けて、野口裕史の先行策。5番手にいた吉田拓矢は打鐘4コーナーから反撃に出る。合わせる野口を吉田がねじ伏せて、吉澤純平が続く。2人を追うように太田竜馬(写真)が、最終2コーナー手前からその上をまくり上げる。吉田が太田を合わせて、両者のサイドバイサイド。直線に入り、吉田、吉澤、太田が接触して、吉田、吉澤が落車に見舞われる。バランスを崩しながらもゴールを駆け抜けた太田が1着。
 「どんな感じでも野口さんが行くと思った。だから、先行争いをするんじゃなくて、(最終)ホーム線目がけて行く感じでとは思ってました。(吉田の仕掛けが)予想できなくて、なんとか行ったけど出切れなかった。吉田さんもいいスピードで、変なところで合ってしまった。日に日に疲れているけど、脚の感じは問題ない」
 関東3番手の岡光良は、吉田、吉澤に続けず最終1コーナーから切り込んでしぶとく踏み込む。目の前での落車を避けて2着に入った。
 「(前の2人に)口が空いてしまったんで、内に降りました。そのあとは差し込みながらでしたけど、山田君のスピードがあったんで詰まらずにいけました。(落車は)乗り上げちゃうかと思った。避けられて良かったけど、そこら辺は見えてなかったです。いつもより付いている感じは良かった。ただ、前が強すぎました」
 吉田、吉澤後位に切り替えた山田久徳(写真)は、最終3コーナー過ぎから内を進出。直線の入口では吉田の内を差し込んだが、その判断が落車に巻き込まれず決勝進出を呼び込んだ。
 「だいぶ高い確率で野口さんが先行するかなと。そこ(3番手)から早めに仕掛けたかったけど、全部かぶってワンテンポ間に合わなかった。切り替えてからも、どこかに隙はあるかなと。最後は内にいき過ぎて、それが結果的に落車を避けられた。ヨシタク(吉田)にハウスした時点で難しかった。(落車があったんで)喜べないけど、ラッキーではありました」