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まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

検車場レポート

  • 1/23 Wed.  (前検日)
  • 1/24 Thu.  (1日目)
  • 1/25 Fri.  (2日目)
  • 1/26 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
渡邉豪大選手

 昨年11月の川崎FIから記念も含めて、初日は5場所連続で確定板にあがっている渡邉豪大(写真)が、オープニングに気持ちを引き締める。


 「(記念の1レースは昨年の)静岡以来ですね。そん時は1着でした。怪我から(11月に)復帰して、段々良くなって戻っている感じがありますよ。(今期はS級)1班を目指したいけど、まずは怪我なく一年間しっかり走りたい。無理に先行ばっかりっていうよりも、脚と相談して勝てる競走。それでもジャンから行く時は、しっかり行きます」


 初日8連勝中だった野田源一は、前回の高知FIの初日特選を2着。連勝が途切れた。


 「準決が4、5着だったりするんで、あともう一歩っていう感じですね。(仕掛けが)ワンタイミング、ズレている。スピード的には戻ってきているし、そこまで悪くない。あとはもうちょっとかみ合ってくれれば」

2R

 山賀雅仁は、次のGI、全日本選抜を見据えて勝ち上がりをにらむ。


 「追加ですけど、準備はできました。全日本選抜のことを考えるといいタイミングで追加が来てくれたと思います。GIの前に勝ち上がって強い人たちと(走りたい)っていう思いがあるんで、勝ち上がらないと。(新概定は)気にしないで、思い切りよく仕掛けたい」


 地元の神田龍に前を委ねる伊藤正樹は、リラックスムードで口を開く。


 「(神田は)地元だし好きなように。あんまり無理をしないで頑張ってくれればいいですよ。ただね、内に詰まったりするようだったら…。自分も自力の練習とかはやっているんで、その時は」

3R

選手の写真です。
伊藤裕貴選手

 伊藤裕貴(写真)は、前回の別府FIで2勝をマーク。地元シリーズの責任感をもって初日を迎える。


 「(四日市の)ホームバンクとは違うけど、地元には変わりない。だから、しっかりと期待に応えられるように。(前回の)別府まで追い込んで練習をやってキツかった。それでも1着が取れたんで。そこから中5日で初めてしっかり調整をした。それがどういう風になるかですね」


 近藤夏樹と連係経験がある丸山啓一は、信頼を寄せて一次予選突破を目論む。


 「A級の時に近藤(夏)とは乗っているし、その時は先行してくれた。(近藤夏は)キッカケをつかめばS級でも全然問題ないでしょ。展開に大きく左右されるにしても、僕も脚力的にはS級で通用すると思ってる。なんとか(二次予選)Aに乗りたい」

4R

選手の写真です。
竹内翼選手

 竹内翼(写真)は年末からの好調を維持。自分自身に期待しながら、今年初の記念開催を迎えた。


 「10月ぐらいから5キロぐらい体重を落とした。体が軽くなったからか反応がよくなって、ダッシュも良くなった気がします。冷静に周りも見えるようになったし。今年は位置も取っていきたいなという思いもあって、そういうこともできるようにと思ってる。前回から空いたので、長い距離を中心に練習して脚は上がってる。それが出せればいいですね。今回は楽しみにしてるんで頑張ります」


 対照的に阿部拓真は12月取手の落車から調子を落としている。


 「イマイチです。(原因は)落車ですね。上がってこない感じがある。それでも徐々にはよくなってきてると思うんですけど…。今は気持ちで何とか頑張りますとしか言いようがありません」

5R

選手の写真です。
皿屋豊選手

 今期からS級に上がった皿屋豊(写真)は初めての記念が地元戦。平、奈良と大きな着が続き、S級では苦戦しているが、地元のここは奮起に期待だ。


 「まだ流れとかがつかめてないし、力を出し切れてない。力不足もあるけど、もう少しやれるんじゃって思いはありますね。今回はその辺を工夫して見せ場を作れるように。前回からだいぶ空いて、しっかり練習は出来てるし、前よりはちょっとずつよくなってるので。師匠(舛井幹雄)とは前々回、奈良の最終日で連係して2回目。今回はしっかりワンツー決められるように頑張りたい」


 地元師弟コンビの前に長島大介が大きく立ちはだかる。


 「前回(別府962着)は相手(太田竜馬)が強かった。調子自体は悪くなかったんですけどね。体は問題ないし、終わってからも軽めにやってきました。年末、年始に2本欠場して空いた1カ月でまとまった練習はできてるし、ここからちょっとずつ上がっていけば。松阪はけっこう連対しているイメージです」

6R

選手の写真です。
伏見俊昭選手

 震災後は松阪で練習している伏見俊昭(写真)にとっては気持ちの入る4日間になりそう。


 「調子は悪くないですね。前回(1月大垣)も悪くなかったけど、展開があまり向かなかった。ここまでも普段どおりに、1日休んでから練習して来ました。初日は(坂本)貴史がいるんでしっかり付いていきたい」


 中井太祐は競輪祭の大敗が響いて競走得点を大きく下げているが、本来の力を考えれば侮れない存在になる。


 「競輪祭のあとに腰痛と溶連菌感染症とかになってしまって、そこから崩した感じですね。まだあんまりいいって感じではないけど、課題を持ってやっているところです」

7R

 「冬場は苦手」と話す齊藤竜也だが、12月平塚、1月岐阜で決勝に勝ち上がるなど、その影響を感じさせない安定感を見せている。


 「ダメなときは大叩きしてますけどね。冬場は僕にとって我慢の時期だけど、例年この時期に何点か落とすのを、去年、おととしぐらいから大きく落とすことがなくなってきた。(このあとは別府、全日本選抜)そこに向けてやってきたので。ここまで3週間近く空いたので練習は十分なぐらい。あとは展開と疲れさえなければ。一番はそこですね」


 川村晃司は前回、奈良で2勝。大きな着も目立つが、着実に勝ち星は増えてきている。


 「今回はだいぶ間が空いて感じもよくなった。練習でもよかったし、上がってきましたね。これがレースにも出てくれれば。去年の後半に成績を落としたのを早く戻したいし、GIで戦えるようになりたい。また(GIに)出られるように頑張りたいです」

8R

 山本伸一は前回、伊東で優勝。吉田拓矢の番手にはまるなど流れも向いたが、展開をきっちりとモノにした。


 「結果が出てるんで状態は悪くないと思う。普通に練習もできたし、大丈夫だと思います。松阪のイメージも悪くないし、走りやすいかな。(予選でも)やることは変わらない。自分のレースをすることですね」


 大坪功一は立川記念のブロックセブンを制し、続く高知でも決勝に勝ち上がっている。


 「調子はいいっすよ。立川のブロックセブンのときにセッティングを変えた。詰まり気味だったので全体的に大きく乗るようにハンドルを遠くしたら(車が)出るようになった。今回も頑張りたいね」

9R

 佐々木豪は前回の大垣決勝でゴール後落車。年末から動きがよかっただけに、状態が気がかりだ。


 「大丈夫ではないけど、自転車には乗れるんで。フレームもねじれやへこみがあったんで修理に出して、昔のやつを引っ張り出してきました。懐かしいフレームで、サイズとかも今のとは違います。最近はようやくセッティングも出てきて、大垣の前の練習でも仕上がってると思ったんですけどね。またここから波に乗れるように頑張りたい」


 筒井敦史は追加参戦。前回、別府では準決勝、決勝と太田竜馬のまくりに3番手でしっかり続いており、状態はよさそうだ。


 「追加を受けたのは2、3日前。状態もいいし、追加は欲しかったから入ってよかったです。ダービー(の出場権)もあるので、賞金面でも大きいですね」

10R

 竹内雄作は12月静岡のグランプリシリーズから3連続優出。徐々にではあるが本来の力強さを取り戻しつつある。


 「地元地区だから追加を受けました。前回(1月大垣816着)は初日、最終日がダメでしたね。最近は行くべきところから行けてないので。そこが課題になってます」


 番手は師匠の山口富生。競輪祭の落車から復帰後は2場所連続で優出を逃しているだけに状態が気になるところ。


 「全然大丈夫です。絶好調とはいえないけど、普通の状態にはあると思う。雄作とは最近うまく連係が決まってないんで、初日はうまくレースしたいと思います」

11R

選手の写真です。
井上昌己選手

 井上昌己(写真)は予選からのスタート。久木原洋、佐々木吉徳を相手に自力で力の違いを見せられるか。


 「自力がなくなってくるから(こういうメンバーで)戦いづらいですね。それに一緒に戦ったことがないから、どうするのかわからないから。(自分に)1周ぐらい行ける力が残ってればね…。(動いてるといっても)どっぷり自力じゃないから、中途半端で難しい」


 和歌山で記念初優勝を飾るなど乗れている池田憲昭が井上の番手を回る。


 「優勝はたまたま。1回ぐらいはいいでしょ。状態はよくも悪くもない。四国の自力が頑張ってくれるだけで、正直、そんな変わってないです。セッティングとかギアを変えてたけど、(1月)岸和田で小倉(竜二)さんに『全部戻せ』と言われて元に戻した。つねにアドバイスをもらってるけど、的確ですね」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 優勝こそ逃したが、年頭の立川記念で2112着とまずまずのスタートを切った浅井康太(写真)。地元のここもシリーズリーダーとして活躍が期待される。


 「グランプリでけっこう気をつかったところもあったし、立川は練習不足で入ったところもあった。立川の後はしっかり休みました。立川では(竹内)雄作と連係もできたし、今後にもつながったと思います。このあとはGIもあるので、そこにもつなげていきたい」


 山田英明もFIとはいえ岸和田を制すなど年始から好スタートを切った。


 「今回は相手も強いですからね。吉田(拓矢)は調子が上がってるし、渡邉(雄太)も強い。(柴崎)淳も地元ですからね。俺も頑張らな。岸和田のあとは20日空いたけど、正月でバタバタして思ったより練習はできなかった。気温の違いもあって、感じもよかったり悪かったりで何とも言えないですね。次は全日本選抜だし、そこでしっかり走れるように。今回も挑戦者なんで立ち向かっていきますよ」


 和歌山記念を9656着と今一息の成績で19年の初場所を終えた武田豊樹の状態が気になるところだが…。


 「(和歌山記念は)大敗してるんですけど、感触はよかったです。準決は関東がひとりしかいなかったんで厳しかった。ただ、もうちょっとですね。(新概定になっても)気にならないですよ、そこに合わせてやっていくというのも自分たちの仕事ですから」

1R

選手の写真です。
野田源一選手

 オープニングレースを制したのは野田源一(写真)。打鐘から渡邉豪大が主導権を握り、最終ホーム7番手に置かれてしまったが、2コーナーから仕掛けて牧剛央と九州ワンツーを決めた。


 「思った展開とは違ったんですけどね。切ってから赤塚(悠人)君が来るのかなと思ったけど、先に来られてアンコになっちゃって。組み立て面で反省点もあるけど、松山(桂輔)君が内に行ってゴチャついたから自分にチャンスが来ましたね。(まくりは)自分の距離だったので持つかなと思いました」


 牧剛央は4コーナーで渡邉にからまれながらも野田にきっちりと続いた。


 「あんなに1番(渡邉)が駆けると思わなくて、まくれるかなと思ったけど。今日はまくりの風かもしれませんね。(前回の)別府もキツかったけど、それ以上にキツい風だった。抜けたら良かったけど強いですね。抜けてないから絶好調とは言えないけど、悪くないと思います」

2R

選手の写真です。
掛水泰範選手

 赤板の2コーナーから山降ろしで踏み込んだ神田龍が、主導権を握る。合わせて動いた掛水泰範(写真)は、山賀雅仁をすくって4番手をキープするうまい立ち回り。中部ラインを射程圏に入れた掛水が、最終2コーナーからまくって後続をちぎった。


 「(山賀の内が)空いた。あれが空いてなかったら、外に浮いて終わってました。ラッキーでした。重かったですけど、僕のなかでは(最終)ホームで行かないといけなかった。それでも2コーナーでは出られたんで良かった」


 久米良が踏み出しで離れて、逃げた神田を利した伊藤正樹が2着に入った。


 「(地元の神田が)先行してくれたんで、(ラインの)みんなで勝ち上がりたかった。誘導も上がるし、(神田は)押さえに行くのもキツかったんじゃないですかね。掛水君だけはスピードが違ったし、しょうがないですね」

3R

選手の写真です。
伊藤裕貴選手

 打鐘過ぎ3コーナーで中島将尊が前に出ると、前受けから下げた伊藤裕貴(写真)がそこをすかさずカマして主導権を握る。3番手の濱口高彰は離れ、バックで濱口をとらえた中島も追いつかない。強風も苦にせず1周駆けた伊藤が見事に押し切った。


 「エラかった…。風キツいですね。(二次予選)Aはキツいんで、B狙いだったけど(笑)。冗談ですけどね。前受けのつもりなかったけど、前受けになったので落ち着いて。前(中島)も強いし、タイミングを見つけてって感じだった。前回(1月平塚の初日)、タツ(近藤)君と決められなかったので、今回は決められて良かった」


 近藤龍徳にとってはこの強風が最大の敵。それでも伊藤の仕掛けに続けたことでレース後はホッとした表情を浮かべる。


 「風で怖い。ダメ。冬場の松阪にいいイメージがないから付いて行けてホッとしてる。2着は奇跡ですね。後ろを1回も見てないし、見る余裕もなかった」

4R

 北川大五郎の上昇に対して中団の竹内翼はサッと7番手まで車を下げる。北川は竹内をけん制しながら打鐘過ぎ4コーナーから叩きに行くが、前受けの阿部拓真も腹を決めてペースを上げる。北川を合わせた阿部も懸命に粘るが、最終ホームからまくった竹内翼が4コーナーで前団をとらえた。


 「体を絞れてから反応が良くなっている。(最終)ホームのところでもしっかりと反応できたし、踏み出しの感じも悪くなかった。ただ伸びが少し足りない感じがするので、修正したい。ただ調子自体はいいですね」


 逃げた阿部拓真は林雄一のアシストもあって2着に粘った。


 「逃げの決まり手が付くなんて1年振りぐらいじゃないですかね。泳がされたので駆けるしかないかなと。でも踏んだところでもう一杯でした。林さんのおかげで残れたし、やっぱり感触自体は良くないですね。ただ二次予選Aに上がれたのは点数的にもデカい」

5R

 打鐘手前で押さえて出た皿屋豊のペースが上がらないのを見て、長島大介は7番手からすぐさま反撃に出る。最終ホーム手前で長島が叩いて、関東3車が出切る。別線のまくりは不発で、番手絶好の小林大介がきっちり長島を交わした。


 「前回は直前に風邪を引いて練習もできなかった。前回よりも体調が良くなったんで、気持ちの方も違いますよね。長島が行くタイミングだけはと思ってたら、バッチリなレースだった。後ろから見てても、安心感があった」


 後方で構えることなく、素早い反応で先行策に出た長島大介が、内容のある2着で二次予選Aに進んだ。


 「皿屋さんが駆けてたら行かなかったけど、駆けてなかったんで仕掛けました。楽に出られましたね。(初日に先行して)長い距離を踏んで、いい刺激になった。(初日)久々に予選だったんで、抜かれはしたけど(内容は)良かった」

6R

選手の写真です。
南修二選手

 後ろ攻めの吉川嘉斗が押さえに行く。前受けの坂本貴史は突っ張るそぶりから吉川を出させたが、山下一輝がやや遅れたと見るやドカしながら前に出る。この動きに続いて中団に入った中井太祐は2コーナーまくり。続いた南修二(写真)がゴール前でとらえた。


 「中井君に任せてたんで、僕は付いていっただけ。(オールスターでの鎖骨骨折から復帰4場所目で)最初よりは全然マシ。走るたびに戻ってますね。下がることはないと思うし、(復帰直後の)あれ以下はない」


 まくった中井太祐が2着で近畿ワンツースリーが決まった。


 「(打鐘の動きは)予想外でしたね。でもゴチャゴチャしてくれて良かった。内の6番(吉川)も気にならなかったし、ラインで決まって良かった。練習してるんで踏めてる感じはあった。悪くないと思います」

7R

 堀内俊介の上昇に対して誘導員を残して下げた川村晃司は飯塚隼人が切ったうえを打鐘から叩いて主導権を握るが、最終バックから番手の北川紋部が徐々に遅れ始める。2コーナー、7番手からまくり上げた堀内俊介は2センターで北川をとらえると川村との車間を一気に詰めてゴール前で飲み込んだ。


 「自分から動いたのに結局7番手になってしまった。風もあって脚がたまらなかったけど、仕掛けなきゃと思っていった。追い風で伸びるところでいけて軽く感じた」


 堀内にぴったり続いた齊藤竜也がゴール前で迫るも差し切れず。


 「押さえて後方になったので少しヒヤッとしたし、6番(飯塚)と2番(川村)がもっとやり合うのかなとも思っていた。(堀内)俊介はすげえ強かった。4コーナーでは1着を確信したけど、俊介はまだまだ伸びていく感じで差せなかった。自分の問題ではないと思う」

8R

選手の写真です。
大坪功一選手

 大矢崇弘が押さえたところを、山本伸一が打鐘の3コーナーで出て駆ける。単騎の鈴木良太まで出切って、隊列は一本棒になる。7番手に置かれた森山智徳が最終2コーナーからまくると、神田紘輔がブロック。森山マークの大坪功一(写真)は、直線で外のコースを踏んで楽に突き抜けた。


 「想定してなかった展開だった。でも、踏み出した感じで突き抜けるかなっていうのはあった。(前々回の)立川からセッティングをいじって、(体の)動かし方に無駄がないというか、ロスなくパワーを伝えられている。いいペダリングができている。これが続かないと意味がないから、忘れないように」


 「(最終)バックでは(ラインの)3人で決まったと思ったんですけど」とは、神田紘輔。森山をブロックして番手の役目を果たしたが反省しきり。


 「もうちょっとバシッと(森山を)…。1回で止まった感じがしたんですけど難しい。(山本が)せっかくあんだけ長い距離をいってくれたし、申し訳ないですね」

9R

 藤井昭吾が打鐘過ぎに前出たが、そこを坂本周作が叩いてホームから主導権を握る。前受けから下げた佐々木豪は坂本の仕掛けに離れた高橋秀吉に降りられ仕掛けのタイミングが狂ったが、力任せに1センターから仕掛けると前団を飲み込んだ。


 「迷ったけど、(高橋を)出させてから行った。バック踏んでから行ったんでタイミングが取りづらかった。フレームも不安があったけど何とか。落車の影響があるかと思ったけど踏めてたんで大丈夫そうですね」


 ゴール前で佐々木に詰め寄った筒井敦史だったが逆転はならず。


 「抜いたかと思ったら抜いてなかった。(鹿内翔のけん制で佐々木は)2センター止まったですね。俺もコケるかと思いました。タイミングが取れず無理くり行った感じで豪ちゃんの出も悪かった。でも力で行くだろうと信じてました。決まって良かったけど、もうちょい。せめて同着が良かった。引き続き走ってて気持ちいい。余裕があるからね」

10R

 前受けになった竹内雄作は押さえに来た門田凌を出させず赤板ホームから誘導員を下ろして突っ張り先行。中団に入った門田、7番手の吉川誠は手も足も出ず。逃げた竹内が末良く押し切った。


 「(門田が)勢い良く来れば出させたけど、ゆっくりきたのでそりゃ出させませんよね。突っ張ってからはずっとペースで踏めたけど、スピードを上げられていなかったので、もし別線に来られたら仕方がないと思っていた。久し振りに師匠(山口富生)と決められて良かった。それが一番のご褒美です」


 山口富生は竹内に懸命に続いて師弟ワンツーを決めた。


 「全て(竹内)雄作がやってくれて付いていくだけでした。でも強い風に重いバンク、それに雄作でキツかった。勝手に呼吸がマラソンの呼吸の仕方になるぐらいヤバかった」

11R

選手の写真です。
池田憲昭選手

 打鐘の2センターで先頭に立った佐々木吉徳が、主導権を握る。北日本勢に続いた山口貴弘まで出切ったと同時に、井上昌己が最終ホームから仕掛ける。徐々に加速した井上がスピードの違いで前団をとらえると、番手の池田憲昭(写真)が余裕をもって追い込んだ。


 「ビックリしました。まさか(井上が最終)ホームから行ってくれるとは。4番(佐々木吉)も掛かってたし、あとは(佐々木)雄一さんにもってこられるかと思ったけど乗り越えられた。(井上は)さすがですね、若手も見習ってほしい。自分の状態は変わらないですよ」


 井上ライン3番手の大屋健司は、別線のブロックを警戒しながら外、外を回って2着に伸びた。


 「結構、キツかった。でも、(最終)バック線くらいから余裕があった。(井上)サマサマです」


 最終ホームからロングまくりの井上昌己は、ラインで上位独占も3着に沈んで苦笑い。


 「相当、脚が弱ってますね。ペースみたいになって、イマイチ踏み上がらない。あれじゃ上のクラスじゃ絶対に無理ですからね。自分で立ち上げると、どうしても…」

12R

選手の写真です。
村上博幸選手

 吉田拓矢の動きに乗った単騎の渡邉雄太が打鐘過ぎに切ると、そこを柴崎淳が一気に叩いて主導権を握る。番手で車間を切った浅井康太は吉田の巻き返しに合わせて2センターから踏み込むと、続いた村上博幸(写真)がゴール前で鋭くとらえた。


 「浅井がブロックするのか出て行くのかは風と(まくって来た選手との)スピード差で判断するだろうし、僕は勝負どころだけ内を締めて、あとは任せてました。あの展開で1着取れたんでいいですね。あとは微調整というか、感じたことを微調整したい」


 2着の浅井康太は入念なクールダウンを終えてから静かに口を開く。


 「(まくって来た)吉田君とのタイミングが合わず、出て行く形になったけど車間を切るのに脚を使ってバックでキツかった。1着じゃないけど、後ろもSSなんで。反省点を生かしながらクールダウンしました。2着で期待に応えられなかったので、2日目はしっかり頑張りたい」


 吉田マークから中割り鋭く伸びた武田豊樹だったが4着まで。


 「3(着)は欲しかったね。でも良くなってる。バックで吉田が行き切るのかを見ながらだったし、そこでバックを踏んでしまった。余裕はあってついて行けてたんで、その辺ですね」

6R

選手の写真です。
大塚玲選手

 打鐘で渡邉豪大が前に出ると、そこを一気に神田龍が叩いてホームから主導権。中団で口が空いた渡邉、車間を切って3番手から突き抜けを狙った佐々木雄一は伸び切れず。三重ワンツーが決まるかに、渡邉マークの大塚玲(写真)が鋭く突き抜けた。


 「コースも見えたし、あとは度胸で突っ込みました。感じはめっちゃ良かった。初日は重かったけど、軽く感じて道中イケるなっていうのはあった。(初日に)マッサージして、だんだん軽くなってきた」


 舛井幹雄がゴール寸前、わずかに神田をとらえて準決勝進出を決めた。


 「脚がある人の2車なら車間を空けてとか、それも無理なんで。できることはやったかな。今持てるものは全部出した感じ。とりあえず神田のおかげ。それしかない。(準決勝に勝ち上がって)ホッとはしました」


 

7R

選手の写真です。
皿屋豊選手

 森山智徳、山賀雅仁の順に切ったうえを皿屋豊(写真)が一気にカマして最終ホームから主導権を握る。山賀、森山は巻き返せず、皿屋が押し切り。地元でS級初勝利を飾ると、準決勝へ勝ち上がった。


 「前のレースで師匠(舛井幹雄)が勝ち上がったのでそれも力になったと思う。昇級してから苦労していたのにS級初勝利がこんなところで取れるとは思ってなかった。警戒されていないし、スッと出ていけた。練習の感じで落ち着いて駆けることができた」


 皿屋を援護した山口泰生が2着で勝ち上がりを決めた。


 「いい感じで出てくれたし、ペース配分も良かった。この感じならまくりは来れないだろうと。来てもまくり追い込みになると思った。酒井(耕介)さんが2センターあたりで援護してくれていたのもかなり大きかった。最後は抜きに行って踏み直されましたね。でも地元の皿屋君の1着に貢献できて良かったです」


 

8R

選手の写真です。
山本伸一選手

 後方に置かれた山本伸一は外に持ち出すのが遅れたが、打鐘の4コーナーから巻き返して逃げる門田凌に襲い掛かる。吉永和生のけん制を乗り越えて山本、伏見俊昭で門田をとらえる。両者のゴール勝負は、番手の伏見が山本を交わして1着。


 「行ってくれましたね、(山本は)頼もしい。自分もしっかり集中していた。(まくった山本の)スピードが違ってたんで、(吉永に)当たられてもだ性で凌げると。自分の感触も悪くないんで、チャンスがあれば。あとはしっかりと集中をしていく」


 打鐘で内に差し込んで反撃のタイミングが遅れた山本伸一(写真)は、準決進出も反省を忘れない。


 「ジャンのところですね、ああいうちょっとしたミスがね。ただ、門田君も降りそうな気配があって、そしたら流れ始めた。脚も悪くないし、自分のレースをするだけって心掛けていた」


 

9R

選手の写真です。
村上博幸選手

 スタートけん制で大きく離れた誘導員を渡邉雄太が追いかける。赤板ホームで佐々木豪が前に出て、そこを打鐘から川村晃司が叩きに行くが佐々木が出させない。口が空いた3番手に入った村上博幸(写真)に迎え入れられた川村は2コーナーまくり。佐々木を飲み込むと、村上が直線抜け出した。


 「スタートけん制があって、あの辺で目に見えない心拍数が上がる。みんなしんどかっただろうけど、自分としてはうまくレースに挑めたかな。晃司さんは前々に攻めてくれたので何とか自分も。ラインのなかで緊張感を持ちながら走れたと思う。(南)修二もうまく(初手で)中団を取ってくれて。本当にラインで仕事ができたと思う。ああいうレースになっても晃司さんは強いですね」


 村上のアシストを力に変えて川村晃司が佐々木をまくり切った。


 「中途半端で突っ張られたところを博幸君が位置取ってくれた。あのおかげですね。完全に終わってましたけど。踏み出した感じは良かった。今回は練習から感じ自体は良かったんでセッティングをもうちょっと探っていきたい」


 

10R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 伊藤裕貴を出させず長島大介が主導権を握ると、前々に踏んだ掛水泰範がホームで長島の番手に入る。掛水が2コーナーまくりで長島をとらえると、再度、長島とドッキングした武田豊樹は後続をけん制しながら長島を残しにかかる。掛水との連係を外してしまった池田憲昭だったが、武田の後ろから2センターで外に持ち出すと連勝で準決勝に進出した。


 「しっかりと付いていかないとダメですね。(掛水が)引くのかどうなのかと思ったところで前に踏んで離れてしまった。作戦ではごちゃついたところで仕掛けてくれればいいよとは話していたので、思惑が違いましたね。無風だった分、伸びました」


 武田豊樹(写真)は長島をかばった分、直線で池田に伸び負けした。


 「ゴチャついて連結を外してしまった。余裕はあったけど、踏めなかったですね。長島君を残せると思ったけど難しいですね」


 バック8番手からまくった野田源一が大外を伸びたが、前は遠かった。


 「フリーな状態でまくりに行きたかったので自分から動いた。まくり切りたかったけど力が足りないですね。スピードに乗り切れずに伊藤君を乗り越えるのがやっとでした。もっとまくりの精度を上げていかないと」


 

11R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 吉田拓矢にフタをした中井太祐が、赤板の2コーナーから再び踏み上げて先行態勢を取る。しかしながら、吉田もすかさず叩きに出て最終ホームで主導権を奪う。山田英明の反撃に、吉田がペース上げて反応。山田は番手の小林大介の横まで。単騎の阿部拓真のまくりも合わせた吉田拓矢(写真)が、後続をシャットアウトして逃げ切った。


 「初日に先行してないぶん、カマシだったけど、あそこで行くって決めてました。(最終)ホームですぐに山田さんが来てたのもわかったし、すぐに反応もできた。最後まで踏み切れて、押し切れてるんで悪くないです。強弱をつけて踏んだんで、後ろも来づらかったんだと思います」


 結果的に追い上げる形になった山田との併走をしのいで番手を守った小林大介が、2着に汗をぬぐう。


 「(ラインが)2車だから後ろも誰かわからなかったし、大きく振れなかった。それでもキメられないようにと。吉田が強かった。でも、あれを抜くのが課題ですね」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 赤板ホームから竹内雄作にフタをした堀内俊介が打鐘から打鐘から前に出るが、そこにすかさず竹内雄作が襲いかかる。合わせて踏み込む堀内を竹内が力ずくで叩き切ると、番手の浅井康太(写真)が好展開を生かして抜け出した。


 「雄作のダッシュも良かったし、それにしっかり付いて。調子が良くなかったら離れてる。(バックで)竹内(翼)が見えたので振っておけば。(竹内翼は)スピードのある子だし、まくり追い込みが来るかもしれないんでね。雄作がジャンからけっこう踏んだのでタレるかなと予想しながら車間を切って、振って。振りながら踏めばタツ(近藤龍徳)も連れ込めると思った」


 堀内俊介との力勝負を制した竹内雄作は2着に逃げ粘った。


 「合わされたと思ったけど、何とかしのげて良かった。疲れました。初日はペースだったので初日よりキツい。しっかりケアします」


 ライン3番手を回った近藤龍徳がきっちり続いて中部でワンツースリーが決まった。


 「良かったあ。風がないから初日より全然いい。余裕もありました。浅井さんが上手いし、雄作さんも強い。(前2人が)強い、強いなんでね。これで元気を取り戻したと書いといてください。この3着はホントに大きいです」


 

10R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
野田源一選手

 中団の渡邉雄太が後ろ攻めの皿屋豊を赤板前からけん制。皿屋の仕掛けに合わせて打鐘から踏み込んだが、前受けから1センターで誘導員を切っていた山本伸一がこれを出させない。最終1センターで渡邉を合わせ切ると、番手の村上博幸(写真)が野田源一の巻き返しに合わせて抜け出し、決勝進出一番乗りを決めた。


 「流れのなかでいい位置を取ってと思っていたら後ろでレースが始まっていましたね。バンクが重くて周回中から流れるところがなかった。1着を取れてうれしいが、近畿で勝ち上がれていないので。あかんことかもしれないが、S班だけど、結果よりも自分でやってきたことをしたい。GPから乗っている感じが良くて練習とレースがマッチしている」


 しっかりと中団を確保した野田源一(写真)は2センターまくりで2着に食い込んだ。。


 「山本君が先行態勢に入ったと思ったらいい感じで踏み合ってくれて。ゴチャついてよく分からなかったが、フリーの状態を作りたくて。でも最後は慌てて仕掛けた感じですね」


 渡邉が後退し、近畿3番手をキメにいった東龍之介にはぐれてしまった大塚玲だったが、目の前で仕掛けた野田を追いかける形から3着に入線した。


 「踏んだりやめたりでキツかったけど、ギアを変えてマッチして調子が良い。余裕があるのでもう1回踏めますね。展開ですよ。ゴチャついているところで外を踏んだ。前の2人が頑張ってくれたおかげ。記念の決勝は地元の川崎記念以来4、5年ぶり。ここまで戻って来れたのがうれしい」


 

11R

選手の写真です。
神田紘輔選手
選手の写真です。
吉田拓矢選手

 打鐘手前で押さえて出た柴崎淳は、すかさず反撃に出た吉田拓矢のスピードを見極めるように踏んで番手に飛び付く。最終ホームで出切った吉田が先行。後位の併走は、2コーナーで武田豊樹が番手を守る。茨城両者でのゴール勝負かに思われたが、8番手から仕掛けた川村晃司に乗った神田紘輔(写真)が中のコースを強襲して1着に届いた。


 「自分もサラ脚まではいかないけど、(川村に)うまくスピードをもらって伸びました。あれでもう外は回れないと思ってたし、(コースは)見えてました。自分の調子はいいですね」


 番手をきっちりキープした武田豊樹は、直線で別線を張りながら2着に追い込んだ。


 「雪も降って悪天候だったけど、気にならなかった。(柴崎は)飛び付き一本みたいな感じだったし、ダッシュで自分は余裕がなかった。ただ、(番手を守り切ったあとの最終)バックでは(別線を)止められるなと。吉田君と決勝に乗れるようにって思ってたんで」


 「武田さんに気を遣ってもらいました」とは、積極策から僅差の3着に踏ん張った吉田拓矢(写真)。これで昨年12月の四日市記念から5場所連続で決勝に進んだ。


 「(出切ってから)キツくてバタバタしてしまった。力んでいいフォームでモガけてなかった。感触的には重いけど叩けてはいるし、踏むべきところで踏めている」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
舛井幹雄選手

 決勝戦最後の切符を争った12Rでは中部トリオでワンツースリー。打鐘で切った井上昌己を最終ホームで竹内雄作が叩くと、番手の浅井康太(写真)が絶好展開をモノにした。


 「雄作が先行して、ホームでは舛井(幹雄)さんと(井上)昌己さんがからむのかなと思ったので、(井上の)横を通過したときにどうかなとチェックした。昌己さんが4番手にいるのは3コーナーでわかったし、そのときに踏んでくる動作があったので雄作を残しながら舛井さんのコースを空けた。でも前が強いんで、そのおかげですね。残すことと、3人で決めるのは番手の仕事。それをしっかりできたのは良かった。雄作が落ち着いて出し切ってくれてるし、ラインがしっかりかみ合ってるのかな。(勝負は)とりあえず決勝なんで」


 ラインで上位独占の立役者となった竹内雄作だが、レース後は決勝戦へ向けて気持ちを入れ直す。


 「自分のなかではいっぱいいっぱいでした。後がどうなってるかわからなかったけど、後ろを信じて。出切ることだけを考えてました。相手が良かった。出やすい形になったけど、打鐘で踏み遅れてたし、1個1個修正するべき点はある。あれが吉田(拓矢)だったら突っ張り切られてると思うので。アップの時点で体が重かったし、そこをケアして。ラインから優勝者が出るように頑張りたい」


 舛井幹雄(写真)が地元の意地で食い下がって、うれしい記念初優出を決めた。


 「これでアカンかったら辞めるぐらいの気持ちで。残り1周で声が出た。自分への声。ここで離れたら終わりやと思ったので。ひとまず役割を果たしたし良かった。まさか記念の決勝に乗るとは…。言葉がないぐらいうれしい」


 


<最終日・6R S級ブロックセブン>


 


 最終日6Rにはブロックセブンが行われる。7車による争いで圧倒的な存在感を放つのは中近コンビ。志智俊夫が稲毛健太の番手から点数最上位のキメ脚を発揮する。


 「風は問題ない。稲毛が強いので、しっかり付いていってワンツーを決められるように。このあとは(全日本選抜に記念2本、地元のウィナーズカップと)S班なみのあっせんなんで頑張りたい。まず今回はこの1走だけなので全力を尽くしたい。体調は大丈夫です。点数的に言っても自分、稲毛の順だし、人気になると思うので気を引き締めて」


 稲毛健太は年頭の岐阜で優勝するなど、今年も好調をキープしている。


 「普通に練習はしてたんですけど、正直、和歌山は風が強すぎて感触的によくわからなかった。でもモガき倒して来たので悪くはないと思う。しっかり志智さんとワンツーを決めて、次の高松記念につなげていきたい」


 佐々木則幸は1月奈良の初日にもワンツーを決めている佐藤幸治に前を託して本線撃破を狙う。


 「前回(奈良)も付きイチ、いっぱいで抜けてないからね(苦笑)。最近は予選とか成績はまとめられてるけど、一歩間違えば飛ぶ。そんな感じです。脚自体は悪くないと思うけど、いいとは言いたくない。去年の6月から決勝に乗ってないからね」