KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

決勝戦レポート

村上博幸(京都・86期)

キメ脚発揮で完全優勝

 ゴールしても優勝の実感はなかった。敢闘門で待っていた近畿の選手たちに自分を指さして確認したほどだ。引き揚げてきた村上博幸は開口一番「まさかでした」と目を丸くする。
 「展開が遅くなるようならハコも考えてたけど中団、中団(の作戦)が。(吉田拓矢が竹内雄作を)合わせてくれるようなら、やり合ったとこをモガけるかなと思ったら7番手になって最悪やと思った。ホームでは独り言のように『最低や』って言ってました(苦笑)」
 4年ぶりのS班として迎えた2019年は村上にとって挑戦の年だ。「1回目に(S班に)なった10年前とは心境が違う。チャンスがあるという感覚よりも逆に色々試して。壁にぶち当たるだろうし、ぶち破る準備をしてる」と初日のレース後に話していた。ピッチの早い今の競走形態に対応するために、この2、3年で磨きをかけたタテの脚が決勝戦で爆発した。
 「こんな記念の決勝で出るとは思わなかったけど、色んなトレーニングをした成果が出たと思う。今回は4日間練習でやったことをレースで確認作業してた。自信になると言うより、まさかです」
 次節は2月8日から別府競輪場で開催される全日本選抜。今年最初のGIでも村上のタテ脚が輝きを放つ。

 単騎の野田源一は最終バックで最後方。前が遠かったが、3コーナー過ぎからインを突いて、ゴール寸前で浅井を交わして2着。
 「(吉田が)突っ張り切って、合わせ切るのか微妙だった。あそこはスイッチできない。なるべくサラ脚で回りたかったし、もう自分の位置からだと外は届かない。何回か内が空いたけど、神田(紘輔)君もいたし、(村上が)仕掛けるまで待った。浅井君が気づいた感じだったけど、竹内君が(内に)逃げたんで自分のコースはあった」

 浅井康太にとっては内に切り込んでくる選手がいることがまさかの事態だった。
 「(番手から)出ることはそんなに考えてなかったし、吉田君のスピードがイマイチなかったので止まるなと思った。舛井(幹雄)さんもおるし内に来られることはないと思ってたんですけどね。(野田に入って来られて)内に気を取られたところを、そのうえ来られてしまいましたね」

 竹内に叩かれた吉田拓矢は立て直して2コーナーからまくりに行ったが、浅井の壁を乗り越えることはできなかった。
 「作戦的には良かったんですけど…。あれで合わせ切りたかった。そしたら行かれちゃったんで、まくりになった。竹内さんが強かった。ああなってまくりになっても、越えられるようにならないと。出直しです」

 吉田を強引に叩いて主導権を握った竹内雄作は粘れずシンガリ負け。
 「浅井さんがあれだけ仕事してくれて残れてないんで。本当はそこからだと思うのに出て終わってる。残れれば一番良かったけど、現時点はこの脚ということ。もっと練習します」

  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です
  • 優勝者の写真です

レース経過

 号砲が鳴ると、各車見合ってから浅井康太が誘導員を追いかける。竹内雄作を迎え入れて、浅井後位には舛井幹雄が続く。以下隊列は、村上博幸-神田紘輔、野田源一、吉田拓矢-武田豊樹-大塚玲の並び。
 青板過ぎから上昇した吉田は誘導員後位に収まると、後方に下げた竹内ら別線の動向をうかがう。警戒された竹内だったが、赤板の1センターから踏み込んで吉田を打鐘で叩いた。吉田が4番手で村上は7番手、単騎の野田が9番手で最終ホームを通過する。吉田は2コーナーから仕掛けるも、浅井のブロックをあって不発に。今度は最後方にいた野田が空いたインコースを一気に進んで竹内と浅井の中を割ったが、浅井に締めこまれてしまう。後方で脚を溜めていた村上は、2センターから大外に進路をとる。もつれた浅井らを横目に、直線で鋭く伸びてV。野田が浅井の抵抗を退けて2着。浅井は野田を阻んで失速し、3着まで。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 3 村上 博幸 京都 86期 SS 11.8 追込み
2 4 野田 源一 福岡 81期 S1 3/4W 11.7 追込み
3 1 浅井 康太 三重 90期 SS T 12.4 追込み
4 7 神田 絋輔 大阪 100期 S2 1W 11.8
5 5 武田 豊樹 茨城 88期 SS 2B 12.4
6 8 大塚  神奈川 89期 S2 3/4B 12.4
7 2 吉田 拓矢 茨城 107期 S1 T 12.6
8 6 舛井 幹雄 三重 71期 S2 1/2W 12.6
9 9 竹内 雄作 岐阜 99期 S1 1/2B 12.9 H B