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まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

検車場レポート

  • 1/24 Wed.  (前検日)
  • 1/25 Thu.  (1日目)
  • 1/26 Fri.  (2日目)
  • 1/27 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
阿部拓真選手

 昨年11月防府FIでのS級初優勝のあとも阿部拓真(写真)は、ハイアベレージで3連対率を残している。それでも課題をあげて、先を見据える。


 「前回は(準決で)飛んじゃったけど、自分的にはそんなに悪くなかった。ただ、最終的には脚力の部分が…。先行するとやっぱりダメですね。記念の二次予選はだいたい先行してるんですけど、(初日の)特選選手が相手だとあれ(自分の弱いところ)が出ちゃうですよね。そこで勝ち上がれるようにならないとダメです」


 初のS級に上がって今シリーズが2場所目の大石崇晴は、これが初めての記念。前回の伊東FI289着を振り返り、積極策に迷いはない。


 「(初日は)自力で積極的にいきたいです。(前回は)道中から落ち着いてできないところがあった。無駄脚を使ってしまって、それがなかったらっていうのはある。もうちょっとうまくできたらいいですね」


 

2R

 矢口啓一郎は今期初場所となった平FIを356着。成績以上の手応えをつかんで久々の記念に臨む。


 「(前回が終わって)追加が2本くらい来たんですけど、ちょっとタイミングが合わなかったんで休みながら練習をしてました。今年の一本目(平)を走って、まだ自力で戦えるなっていう感じが出てきた。去年は(自力に対して)迷いながらだったけど、その迷いが少しはなくなった。いろいろかみ合ってくれば、もっと対応できると思います」


 徐々に成績が戻ってきた林巨人は、前向きに自分を見つめる。


 「(昨年6月の)高松宮記念杯の落車、落車からですよね、成績が悪いのは。みんな落車もしているし、それは言い訳になるんですけど。気持ちの面で弱くなって、突っ込めるところを突っ込めなくなったり。強気にいけてたところで、いけなかったりです。ただ、もう練習でも良くなってきているし、気持ち的にもやれるようになってきた。ダービーに向けてしっかりやれば、自ずと良くなってくると思う」


 

3R

 近況、コンスタントに勝ち星を重ねている伊早坂駿一だが、大敗と背中合わせだけに満足のいく走りはできていない。


 「大きい着が目立つんですよね…。体調とかは問題ないんですけど、やっぱりペースで駆けられないっていうのがあって、そこです。中2日なんで自転車には乗ってない。体のケアだけはしてきました」


 佐藤幸治は前回289着の松山FIがおよそ1カ月ぶりの実戦。そこから中4日で今シリーズを迎える。


 「(日にちが空いていた前回の前に)練習はしたんですけど、間隔が空いていたんで、実戦の感じがいまひとつだった。反応が鈍かったですね。そこから中4日は大丈夫です。(伊早坂、矢口大樹の)2人は結構積極的なんで、そこを見極めていきたい」


 

4R

選手の写真です。
舛井幹雄選手

 西村光太、舛井幹雄の松阪ホームの2人とラインを組む三田村謙祐が、メンバーをにらんで気合を入れる。


 「地元の方が付いてくれたんで、頑張りたいです。(番手の西村は)同期だしテンションが上がりますよ。腰を痛めたりしてから練習ができてなかった時期もあって、状態がもうひとつなのはある。(風が強いバンクは)嫌だけど、みんなよりはいいんじゃないですか」


 強い風が舞うバンクコンディションをふまえて、ベテラン舛井幹雄(写真)は冷静にこう分析する。


 「三田村君も西村君も僕も地脚タイプだから、こういう風も味方になるのかなと思います。最終日に自分が指導しているサイクルクラブの中学生たちが来るし、まずは初日をクリアしてひとつでも上のレースに乗りたい」


 

5R

 昨年11月の川崎FIから初日は6場所連続での白星を継続中の筒井裕哉だが、慎重なコメントをする。


 「前回(和歌山記念1973着)があんまり良くなかったんで気合を入れて練習はやってきた。ただ、腰の具合もあんまり良くないから、練習でも弱いんですよ(笑)。それでもやらないと不安になる。練習でも本数をやれないし、無理やりやって負のスパイラルです」


 「重い方が自分にはいいと思う」と、バンクコンディションのアドバンテージを生かしたい小川祐司が、こう続ける。


 「まだまだ課題があるんでしっかりですね。疲れはないと思うんですけど、(昨年にいろいろ変えた部分に)体が対応できていない」


 

6R

 ようやく差し脚のキレが戻ってきた柴崎俊光が、笑顔で地元の検車場に登場した。


 「(新年の)一発目が1着でいいスタートを切れました。近況も1着が多くなってきているし、脚の感じも戻ってきた。それまではなにが原因だったのかわからないけど、いまは余裕も出てきて自転車も進むようになってきた。突っ込めるようにもなった」


 今期初場所の松山FIで優出と上々のスタートを切った松尾淳は、前々回の小松島での落車欠場の悪い流れを断ち切った。


 「(前々回はS級の競走得点の)勝負駆けで落車をして散々でした。それでも落車明けにしては、前回はまずまずでした。ところどころで反応が悪いところもありましたけどね」


 

7R

選手の写真です。
竹内翼選手

 初日に新車を投入予定の竹内翼(写真)は、前回の大垣FI692着からの変わり身が期待できそうだ。


 「(一次予選は)新車を使う予定です。ここに持ってくる予定はなくて、慣らしてからと思ってた。そしたらあまりにも感じが良すぎて、スピードが出た。いままでの感覚と違ったんで使ってみようと思って。楽しみです」


 茨栃コンビの3番手を固める山信田学だが、混戦になれば上位争いにも加われそうだ。


 「(前回から)すごい空いてたんで、練習をしてきました。最近、成績がパッとしないから、自転車を戻してきました。今回から自転車を換えていい方向にいくと思う。自分の持ち味はタテ脚(差し脚)なんで、そこを出せれば」


 

8R

選手の写真です。
山本伸一選手

 「徐々にではあるけど、良くなってきている」とは、山本伸一(写真)。ステップバイステップで良化の道を歩んでいる。


 「(トレーニングで)やっていることは変わらない。しっかりやれることをやって、それが結果に出てきている」


 デビュー12年目にして初のS級をつかみ取った金澤幸司は、S級での一戦、一戦から学ぶことは多い。


 「S級の方が仕掛けどころが早いし、勉強することが多いですね。A級だとカマすタイミングも10回くらいあるし、カマせなくてもまくるタイミングがある。S級はそういうわけにはいかないですから。慣れるのに2カ月くらいはかかると思います。行き切れなくても、仕掛けることはできているんで、レースには参加できているかなと」


 

9R

 立川記念のあとはインフルエンザで岸和田FIの欠場を余儀なくされた堀内俊介の状態が、気になるところだ。


 「インフルエンザで練習ができなくて、結構体力が落ちたかなと。治ってからは1週間くらい練習はした。不安はあるけど、まずは自分の力を出し切って戻していきたい」


 昨年9月の落車から感触がいまひとつの阿部大樹は、悩める苦しい胸の内を吐露する。


 「練習をやってもまともにモガけていないし、調子の通りの成績ですね。(昨年9月の)松戸の落車から急にモガけなくなって、力も入らないんですよ。落車自体は大きい怪我ではなかったんですけど…」


 

10R

選手の写真です。
高橋和也選手

 追加配分の吉田敏洋は、次の全日本選抜(2月9日から)に向けて適度なローテ。初日特選は同県の高橋和也とのタッグで番手を回る。


 「(優勝した前々回の)小倉はコース取りはたまたまだけど、しっかり届いてくれた。状態も悪くなかったし、体調的にも問題はない。(全日本選抜まで)ここが終わってから1週間以上あるし、終わってから四日市にでも練習に行こうと思っている。アイツ(高橋)にもしっかり走ってもらわないと困りますよ」


 近況白星から遠ざかっている高橋和也(写真)だが、前回の和歌山記念ではまずまずの手応えをつかんだ。


 「和歌山記念はだいぶ良かった感触があった。でも、まだまだです。(決まりても)まくりに偏っている感じなんですけど、先行もしっかり考えてはいる。どうしても(別線に警戒されて)先行がしづらくなっているところもあるんで、仕掛けるところでしっかりと行きたい」


 昨年のグランプリシリーズで落車に見舞われた成田和也は、小倉FIを欠場してこれが今期初場所。


 「腰を打って1週間くらい休んでいた。そこからは普通に練習をしたんで、(状態は)大丈夫だと思いますよ。こういうアクシデントをうまく乗り越えて、あとはやっぱり一戦、一戦です」


 

11R

選手の写真です。
村上義弘選手

 18年の幕開けを和歌山記念で迎えた村上義弘(写真)は、2312着の準V。輪界の変化を肌で感じて、こう明解する。


 「競輪のレース自体が変わってきている。それによって活躍する選手も変わってきている。トレーニング方法が変わったことが先なのか、レースか変わったからトレーニング方法が変わったのかはわからないけど。流れが微妙に違いますね。それにしっかり対応できるように、答えを探していきたい。練習はいつも通り変わらないです」


 昨年の競輪祭のあとの違反訓練の影響が尾を引いていた根田空史だが、ようやく復調ムード。


 「やっと黄檗山(違反訓練)の影響がなくなってきて、(調子が)戻ってきた。食べまくって体重も戻ってきたし、練習もそれなりにできた。(さらに上積みしてのプラスアルファは)これからですね」


 近藤龍徳は追加配分の今シリーズで弾みをつけて、次回の全日本選抜のGIの舞台にかける。


 「いまは走りたいから、追加はよかった。ここがなかったら全日本選抜がぶっつけ本番だった。それに浅井(康太)さん、吉田(敏洋)さんと一緒で、競走でしか聞けないこともある。だから、良くなってくるんじゃないかと思います」


 

12R

選手の写真です。
山中秀将選手

 立川記念9127着のあとにインフルエンザに見舞われた浅井康太の地元記念初日は、弟デシの伊藤裕貴とコンビを組む。


 「ぶり返したりして、インフルエンザが長引いたけど。ここの2日間でだいぶ戻ってきた感じがある。しっかり休養を取れたし、バンクに入って練習もできた。まずは走ってみてからですね」


 重責を担う伊藤裕貴は、前回の伊東FIよりも状態アップ。強い気持ちで浅井の前で風を切る。


 「(前回は)体調がそんなに良くなかった。それよりは確実にいいです。ここは相性もいいし結果を出したい。直前は浅井さんとか同じ練習グループでやってきた。自分のいまできるレースを強い相手にやって、力を出していきたい」


 山中秀将(写真)は、昨年別府記念以来、1カ月半以上ぶりの実戦。レース勘の不安はあるものの、状態は悪くなさそうだ。


 「体になにか問題があったわけじゃないんで、大丈夫だと思います。練習はそこまで多くはできなかったけど、いつも通りのトレーニングはやってきた。(レース間隔が)空いているぶんだけですね。自分のなかでは久しぶりの不安もあるし、あとは1走走ってみてです。たかが1カ月半ですけどね」


 

1R

 押さえて出た大石崇晴が先行態勢を取る。落車した近藤寛央と接触した津村洸次郎の反撃はスピードが鈍り不発。逃げる大石を最終バック手前からのまくりでとらえた阿部拓真が、断然の人気に応えた。


 「展開が向きました。(落車があって)危なかったけど、冷静にできました。(浮いた津村洸が)内に行くのかどうか、そこをちょっと見ちゃった。遠回りになってヤバいかなと。まくりもモコモコしてキレがなかった。風があるしバンクが重いからみんなそうだと思うけど、正直、重く感じました」


 後方に置かれた阿部のまくりに続いて2着を確保した大森慶一が、胸をなで下ろす。


 「キツかったのひと言です。(後方になったのは)展開でしょうがないけど、自分は(阿部を)抜くとかそういう問題じゃなかった。なんとか(2着で)最低限ですね。もうちょっと余裕を持って付いていければいいんですけど」


 

2R

 仕掛けが中途半端だった神田龍は林巨人、島野浩司に切り替えられ、最終ホームで9番手に置かれてしまう。先行態勢に入った加藤健一がペースを上げないと見るや3番手から北村信明が叩いて前に出る。この仕掛けを追う形で2コーナーから林巨がまくるが、立て直してまくり上げた神田龍が一気に前団をのみ込んだ。


 「(林巨人に切り替えられて)ビックリしました。行かないでくれと思ったけど、自分が行けなかったのがいけないですね。みんなで乗りたかったけど…。切り替えられたので行かせてもらいました。仕方ないですね」


 打鐘過ぎに矢口啓一郎との連係を外してしまった兵藤一也は林巨のまくりに乗ると、最終2センターから神田のまくりに乗り換えて2着に。


 「展開的なものもあるけど、連結を外してしまって恥ずかしいですね。なんとか立て直せたけど、コースとか見えているのではなく、必死に踏んでいった結果です」


 林巨人のまくりに乗った島野浩司が3着に入った。


 「ナオ(林巨)君がよく行ってくれましたね。仕掛けた感じ良かったし、ナオ君が強かったので自分も必死でした。ただ、(4コーナーで)横を向いたら神田がいたのでビックリしました」


 

3R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手

 矢口大樹が切った上を伊早坂駿一が打鐘手前で出て、隊列は一本棒。矢口は4番手をキープして最終ホーム手前から7番手の佐藤幸治が踏み込むが、伊早坂もペースを上げる。佐藤は中団までで力尽きる。番手で車間を切った稲村成浩が、好展開をモノにした。


 「ラインで決まったし、100点満点ですかね。寒いなか、先行選手はキツかったと思いますよ。(伊早坂は)自分の得意パターンでいいと思っていました。よく駆けてくれた。(伊早坂との連係は)2、3回あるけど、全部バックを取ってくれている」


 押さえ先行で敢然と風を切った伊早坂駿一(写真)が、2着に粘り込み息を切らせる。


 「あそこから出て、ホーム手前くらいから駆けられれば自信はあるんで。前回(大宮)が500バンクだったから、短く感じましたね。スピードにも乗せられたし、1周もつようなペースで出し切れた」


 「あれも頭には入れてたんですけど」とは、伊早坂と矢口の先行争いにはならず、まくり不発の佐藤幸治


 「(打鐘の)バックで内に行けば良かった。緩んだからどっちに行こうかと…。カマすか、内に行って中団かでしたけど。内にでしたね」


 

4R

 中団から先に動いた佐藤龍二を三田村謙祐が一気に叩いて打鐘から主導権を握る。舛井幹雄が離れて3番手には佐藤龍が。佐藤朋也が最終1センターからまくり上げるが、佐藤龍の外でいっぱい。三田村マークの西村光太は車間を空けて後続をけん制すると、直線鋭く抜け出した。


 「三田村さんが駆けてくれたおかげですね。後ろに佐藤(龍二)君が入っていたのはわかったので、車間を空けてギリギリまで待ってから踏みました。地元記念は内容よりも結果を残さないといけない。落車や失格が続いて、このまま落ちていくのかなと危機感があった。前に進んでくれたし、今回は少しはマシなのかな」


 佐藤龍二後位から直線でコースを探した石毛克幸が、2着に突っ込んだ。


 「佐藤(龍)君が前々に踏んでくれたのが大きい。この風だし、後方になっては厳しい。彼とは相性がいいし、ほとんど連に絡んでいる印象ですね。僕は直線でコースを見極めながら踏むことができた」


 絶好の3番手を確保した佐藤龍二だったが、前を抜けずに3着まで。


 「3番手に入ってからも、キツかったですね。前が車間を空けているし、仕掛けるタイミングが合わなかった。ただ、頭は回転していたし考えることはできていた。最後にコースのミスがなければね」


 

5R

 中団の小川祐司にフタをした隅田洋介が打鐘から主導権を握ると、前受けの筒井裕哉はあっさりと中団を確保。7番手になった小川は動けず、筒井が最終1センターからまくると、続いた中野彰人が筒井をとらえた。


 「出切ってから誰も後ろにいなかったし、誰も来れないと思いましたね。安心して付いていけました。展開が向きましたね。4日間こういうレースが続いてくれればいいのに」


 好展開を逃さず仕掛けた筒井裕哉は、笑顔でレースを振り返る。


 「よく中団が取れましたね。小川が仕掛けたところで僕の横を通過するだろうし、どうあれ行けてましたよ。中団が取れた時点で行けると思ったので」


 小川マークから最終3コーナーで自力に転じた中村昌弘が、3着に食い込んだ。


 「なんか、小川が行けずにいたので行かせてもらいました。まくりというか追い上げて前に踏んでいったら出ていきましたね。いい調子で来れているし、勝ち上がれて良かったです」


 

6R

選手の写真です。
岡本総選手

 打鐘から仕掛けた山本紳貴ラインを高木翔が受けて、岡本総(写真)は5番手で前団の様子をうかがう。そのまま山本が後続を一本棒にして逃げる。高木は動けず、最終2コーナー過ぎからまくりを打った岡本が、ラインを上位独占に導いて1着。


 「タイミングがズレちゃいました。行ったら高木君と合っちゃうんじゃないかと。そしたら高木君が動かなかったんで。なんとか3人で出切れて良かった。柴崎(俊光)さんに迷惑を掛けました。(重いバンクは)めちゃ苦手です」


 「付いていっただけ」とは、1車身差のまま2着に流れ込んで苦笑いの柴崎俊光


 「(岡本の)勢いが良かった。スピードが違って抜きにいけなかった。(5番手で岡本が)あとはどこから出て行くかだけだった。2コーナーくらいで行くかなと思ってハンドルを絞ってはいたんですけど」


 一瞬、立ち遅れたかに見えた松尾淳だったが、懸命に食い下がって3着入線。


 「(最終)ホームで離れた。キツかった。あそこでめちゃくちゃ掛かった。付いていけてよかったですよ」


 

7R

 赤板過ぎに石口慶多が誘導員を降ろす。人気の竹内翼が車を下げると3番手から堀内昇が叩きに行くが、これに合わせて石口が踏み込み、堀内は3番手に入り直す。7番手の竹内は動けず、最終2コーナーから堀内がまくると続いた飯嶋則之が抜け出した。


 「堀内君が待たずに2コーナーから仕掛けてくれたおかげです。展開が向きました。後ろに迫られたけど、モノにできてよかった。競走得点が実力なので、僕の現状はこんな感じですよ」


 関東ライン3番手を回った山信田学が、ゴール前で飯嶋に鋭くが詰め寄った。


 「道中で口が空いたけど、詰めた勢いで踏んで(別線が)飛んできても嫌なので落ち着いて追走しました。脚は溜まっていましたね。初日に敗退が続いていたが、勝ち上がれて良かった。今回から昔のフレームに戻したのがいいのかも」


 堀内昇が3着に粘り、関東ラインで上位を独占した。


 「打鐘で切ろうと思ったけど、6番(石口)が突っ張ったので降りました。3番手に入れたし、組み立てが良かったですね。いい位置にいたけど、かぶる前に行こうと思った。(補充出走した)前回の大宮に続いて感触はいいですね」


 

8R

選手の写真です。
岩本和也選手

 7番手の山本伸一は、車間を詰める勢いで打鐘の4コーナーから反撃に出る。踏み出して遅れた岩本和也(写真)だったが、追いついてリカバリー。まくり切った山本を直線で交わした。


 「山本君がいいところで仕掛けてくれました。なんとか付いていこうという思いで、追走していきました。3番(野田源一)が来て少し焦ってしまい、余裕がなかったのもあってラインで決められなかったのは残念です。それでも1着が取れてよかったです」


 山本ラインを追いかけた野田源一が、外の伸びて2着。


 「立ち遅れてしまって、そのぶん後方に置かれてしまった。それでも山本君の仕掛けに乗れたのでなんとかですね。スローペースだったぶん、最後は脚とかみ合わずに届かなかったです。その辺を修正していきたいです」


 

9R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 堀内俊介を中団に押さえ込んでから、藤井昭吾が赤板の2コーナーで出て先行態勢。すかさず巻き返す堀内を突っ張って逃げる。再度、まくり上げる堀内を神田紘輔が番手で繰り返しけん制。二の足で後続を抑えて逃げ切った藤井が、神田に感謝しきりで振り返る。


 「カンちゃん(神田)のおかげです。(堀内が)見えたから僕は踏むだけだった。重かったしすぐに来ちゃったんで、自分の踏み方とちょっと違った。でも、あれで(堀内を)出させたら僕のレースじゃないですから。(自分の1着は)ラインの総合力ですね」


 突っ張られた堀内俊介(写真)は4番手で立て直すと、最終ホーム過ぎからロングまくり。神田のブロックをこらえて2着に入った。


 「結構、(神田に)もらっていっぱいでした。最後は抜いて1着を取りたかった…。ジャンで踏んだけど、(藤井は)出させる気がないなって。それでもう1回待って行った。(初日は)インフルエンザ明けでしっかり踏もうと思った。(2日目以降)良くなってくると思います」


 堀内マークの望月裕一郎は、神田が空けた内を突くも3着まで。


 「(堀内が)地脚があるのを知っている。でも、自分はキツかったですよ。あそこ切り込んでいったけど、(堀内に)付いて行かなきゃダメですかね? (神田に)降りて来られても大丈夫なように用意はしていた。状態はいいと思います」


 

10R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 赤板の2コーナーから山降ろし気味に踏んだ早坂秀悟が、中部ラインを抑えて主導権。高橋和也は3番手。最終2コーナーでまくった高橋は不発になると、6番手の木暮安由がまくりで前団ののみ込む。ゴール寸前で芦澤辰弘(写真)が、木暮を差し切った。


 「木暮さんが強かった。展開はすべてお任せしていたし、僕は前を取ることに集中した。(木暮が)2コーナー過ぎには仕掛けていたので、踏み出しでしっかりマークをしようと思った。初日の3着権利は大きいし、集中して臨めました。木暮さんの状態も良さそうですね」


 抜群のスピードであっさりカタをつけた木暮安由が、例によって笑顔で振り返る。


 「落車明けにしては悪くないです。でも、まだまだ調子は上げられると思う。自分に課題を与えながら頑張っていきたい。課題ですか? 緩んだところをすかさずに行くところですね。それができればGIでも戦えると思う」


 8番手に置かれた中川誠一郎は、関東コンビに続いて3着流れ込み。


 「高橋君が(早坂を)出させると思わなかったし、そこを展開を読み違えました。初日に関しては、前(関東勢が)が仕掛けてくれたからですね」


 

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 打鐘の3コーナーで根田空史が主導権を握って、南関の3車が出切る。後方から巻き返した小川真太郎をけん制しながら、古性優作が4番手からまくって出る。番手の松谷秀幸(写真)は、古性を張りながら早めに追い込んで白星をもぎ取った。


 「思ったより古性がすかさず来たので、自分は焦ってしまいましたね。難しい判断だったけど、脚の感じというよりかは展開が向きました。根田の気持ちが伝わってきましたし、根田が強かったです。新年一発目で1着を取れているし、いいと思います」


 絡んだ松坂英司を押し込めながら村上義弘が、狭いコースを追い込んで2着。


 「(古性)優作は外にへばりついていける技術があるので、そこを見ながらどうだろうと思った。自分は必死だった。最後は優作のジャマになってしまったかもしれない」


 小川は不発。岩津裕介が最終3コーナー過ぎにインを突くと、池田良は外を踏んで強襲。シャープな伸びで3着に届いた。


 「岩津さんが行かない方に、自分が行こうと思って外に踏んでいきました。伸びたというよりかは、みんなが詰まっている感じでしたね。でも、脚の感じは悪くないし、この3着はデカいですよ」


 

12R

選手の写真です。
松川高大選手

 前受けから8番手まで下げた伊藤裕貴が、打鐘から巻き返して主導権を奪って逃げる。山中秀将は3番手を確保するも、まくり気味に追い上げた稲川翔にかぶって万事休す。稲川を目がけて最終2コーナー過ぎからまくりを打った松川高大(写真)が、浅井康太のブロックを乗り越えて1着。


 「(浅井に)一気に並べればと思ってた。一発(ブロックを)食らったけど、下りでなんとか行けました。稲川さんには自分の前で降りられたらキツかった。(前との車間が)空いてしまったし、ああいうところを詰めておかないと。(バンクは)重い方が好きなんで、いいですね」


 最終4コーナーで松川のまくりをブロックした浅井康太だったが、直線の踏み合いに負けて2着。弟デシの頑張りを称えながら、振り返る。


 「(伊藤)裕貴はスタートで位置にこだわっていうより、取った位置からやればいいと思っていた。結果、前を取ってもジャンから先行ができていますから。(伊藤は)いいレースだった。僕は勝ち上がれたけど、失敗でしたね。(稲川)翔がまくりかと思ったら(後ろに)入ってた。それで松川が見えなかった。あとは松川が強かったし、よく来たなっていう感じです。自分は自転車に乗っている感覚は悪くないけど、もうちょっと欲しいなっていうのがある。スピードがついてないですね。そこを修正して(2日目以降)さらに良くなるようにしたい」


 「迷いましたね」と、松川マークから外を踏んで3着の小倉竜二が。こう続ける。


 「(松川が)強かったです。ただ、浅井君のところで(松川のまくりが)止まっているのか、休んでいるのかっていうのがあって。見ちゃってバックを入れて失速して、もう1回脚が入らなかった。それに寒いんで重たいです」


 

6R

選手の写真です。
早坂秀悟選手

 赤板過ぎに中団の小川祐司に併せ込んだ神田龍が2コーナーから再度踏み込むが、前受けの早坂秀悟(写真)が突っ張ってレースを支配する。神田を外に浮かせて落ち着いてペースで駆けた早坂は、別線を完封して強風のなかを押し切った。


 「どれが一番いいか(作戦)を常に選んでやっている。初日に長い距離を駆けたから、(二次予選は)前で楽に感じました。(齋藤)登志信さんに仕事をしてもらえるように、神田君を登志信さんの外に置いてっていう感じでした。そういうところも、全部見えていました」


 早坂の突っ張りで神田に入られそうになった齋藤登志信だったが、番手をキープして宮城ワンツー。


 「(早坂は突っ張って)踏むと思ってなかった。追い出しをかけて引くのかと。そのあとは(最終)ホームでもう1回踏んでいたし、(早坂は)きれいに駆けてました。ああいうこともできるし、(早坂を)褒めてやらないと(笑)」


 直線では宮城の2人に置かれた大森慶一だったが、襲い掛かる後続を凌いで3着。


 「いや~、キツい。何人に食われるかと…。(早坂は神田が来るのが)遅かったから突っ張ったんでしょうね。この風は自分みたいな軽量級には厳しいですよ」


 

7R

選手の写真です。
中野彰人選手

 打鐘で出た阿部拓真を山本伸一が叩いて先行。山本がペースを落とした最終ホームを逃すことなく山中秀将が、スパートする。松坂英司を置き去りにしてスピードの違いで前団を一気にのみ込んだ山中の1着。


 「(山本が)流しているのがわかったし、タイミング良くいけた。初日は(レース)間隔が空いて不安な部分があって、結果的に仕掛けられなかったことにつながったのかなと。その反省を生かして早めに仕掛けられているんで良かった」


 山本の逃げを利した中野彰人(写真)は、山中のまくりは阻めずも阿部を止めて2着に追い込んだ。


 「山本さんは風が強いなかでも行ってくれたので、(山中のまくりを)止めたかったけど、スピードが違いました。なんとか2人が勝ち上がれました。もっとアップをしておけばよかった。風が強すぎて鼻呼吸ができなかった」


 初日にゴール後落車に見舞われた山本伸一だったが、怪我を感じさせない気迫のこもった先行で準決にコマを進めた。


 「(仕掛ける)順番が来たら逃さないようにと思っていた。(初日の落車で)フレームがダメになったし、(2日目から使っている自転車は)エース機ではないんでヤバいですね。それでもこういう状態のなかで、結果が出せればこれからにつながってくると思います」


 

8R

選手の写真です。
筒井裕哉選手

 打鐘の3コーナーで飛び出した三田村謙祐に筒井裕哉(写真)が付けて、単騎の中村昌弘まで出切って最終ホームを一本棒で通過する。4番手の伊藤裕貴がバックからまくると、筒井は後続との間合いを計って落ち着いて直線で抜け出した。


 「(三田村が)強くて出るに出られんかった。後ろに中村さんがいたのはわかったけど、その後ろは見えてなかった。前が掛かっていたから、(別線も)来れなかったと思う。(三田村に)ゴール前まで連れていってもらいましたね」


 8番手の稲村成浩は、直線で外に持ち出すとシャープな伸びて2着に強襲した。


 「位置が悪くて苦しかったけど、堀内(昇)君が仕掛けてくれたので自分の踏むコースもできましたね。伸びたのはたまたまです」


 伊藤のまくりは不発。直線でじわじわと差し脚を伸ばした坂口晃輔は、微差の3着で二次予選をクリアした。


 「(伊藤)裕貴が力勝負をしてくれたと思うけど、(バンクの)コンディションが悪すぎましたね。裕貴が前に追い出しをかけながら仕掛ける素振りをみせながら行ってくれた…。自分はジャンからキツかったです。ただ、悪い時ほど外々と思って踏みました」


 

9R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 赤板の2コーナーから山降ろし気味の伊早坂駿一に合わせて踏んだ小川真太郎(写真)は、山信田学が離れた3番手の好位をキープ。そのまま伊早坂がペースを上げて逃げる。3番手で車間を空けた小川が詰める勢いでまくって、大塚健一郎の追撃を振り切った。


 「(伊早坂)駿一はすごい男らしい競走するから、どれだけ強いんだろうって楽しみにしていた。自分も行かせる気はなかったんですけど、行かれちゃいましたね。(地元の)小松島も風が強いんで、練習でやっている感じでやった。風が強いのは嫌いじゃない。ただ、ゴール前はフォームがぐちゃぐちゃになってたし、(準決は)崩れないようにしたい」


 大塚健一郎は高橋和也をけん制して直線勝負も、小川をとらえ切れずの2着。


 「ノリ(飯島則之)は一流だから、そこを気にしたのもあるけど。踏んじゃって突っかかってたりして技量がない。きれいに(小川に)合わされてしまった。いい時はなにも考えずに回せるんですけど…」


 小川ラインを追った高橋和也は、最終バックでその上をまくり上げるが大塚のけん制もあって3着まで。


 「中団は確保したかったんですけど、(小川、伊早坂の)2人に上の方をいい勢いで行かれてしまった。風がすごくて外にいるだけでもキツかった。大塚さんのけん制をもらわないようにと思ってました」


 

10R

選手の写真です。
岡村潤選手

 押さえて出た藤井昭吾ラインを受けて、堀内俊介が中団に入る。最終2コーナーからまくった堀内は神田紘輔のブロックで力尽きる。岡村潤(写真)は狭いコースをこじ開けるように踏んで1着に届いた。


 「堀内君がいい位置を取って仕掛けてくれたおかげですね。彼が止まる雰囲気だったので、あの辺の勝負では負けられないのでシビアにいかせてもらった」


 7番手に置かれた吉田敏洋は、まくりで前団に迫ると直線でコースを探して2着に入った。


 「打鐘前にいろいろと考えていたら、引くに引けなくなって中途半端になってしまった。外に行きたかったけど、9番(堀内)のまくりが止まったので、3コーナーにたまっていた雪で滑るのが嫌だった。バックを踏んだらスリップすると思ったので止まらずにいった。天候には勝てないですよ」


 初日に続いて藤井とタッグを組んだ神田紘輔は、岡村、吉田に踏み負けて3着。


 「初日に続いて藤井君のおかげ。掛かっていたし、強かった。僕は車間を空けながら追走して、ヨコに振るよりはタテで波を作って別線をけん制した」


 

11R

選手の写真です。
根田空史選手

 岡本総がスローペースに落として、前受けの根田空史(写真)が8番手に下げ切ったところが打鐘。3番手の古性優作が、4コーナーから叩きに出て主導権を奪う。8番手から踏み込んだかに見えた根田だったが、立て直して最終2コーナーから豪快にまくった。


 「もともとこういう重いコンディションは好きですから。初日はセッティングをいじったら全然伸びなくて、(2日目は)戻したら良かった。体調自体は引き続きいいんで。それに(稲川の動きとかも)冷静に見られました」


 根田マークの望月裕一郎が離れて、稲川翔の援護を受けた古性優作が2着に逃げ残った。


 「番手は稲川さんだし、残してくれると思って駆けていきました。セッティングの感じは悪くないけど、初日と比べてバンクがかなり重かったですね」


 古性との車間を空けて別線をけん制した稲川翔は、古性を交わせず3着流れ込み。


 「あの形になったら(別線が)いつ来てもいい準備はできていた。でも、(根田の)スピードがすごかったです」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 村上義弘が早めに動き出すと、浅井康太(写真)、松谷秀幸が続いて、単騎の3車が並ぶ形で前に出る。赤板の2コーナーから松川高大が踏み込んで打鐘手前で主導権を握るも、後ろが追い上げた池田良ではペースは上がらない。その上を木暮安由が叩いて先行策。最終ホームで村上が関東勢に襲い掛かる。村上は芦澤辰弘のけん制を乗り越えて、木暮とサイドバイサイド。村上に乗った浅井が直線で突き抜けた。


 「結果的に村上さんの後ろに付く形になりました。(村上は)自分で動いて中団を取って、そのまま行くんだからやっぱりうまいですね。自分は体調が万全ではないけど、しっかり修正していきたい」


 最終2センターで池田にもってこられた松谷秀幸は、浅井の外を踏んで8分の1輪まで詰め寄った。


 「自分が勝負どころで松川君を切って、そしたら村上さんが飛んで来るのでそこに対応しようと思っていた。そしたら村上さんがすごく早く動いた。最後は池田君に当たられてリズムを崩した。あれがなかったら面白かったですね」


 逃げた木暮マークの芦澤辰弘は、直線で村上を差し返して3着。


 「村上さんは止まらなかった。止めようがないっていうか、追っかけても止まる雰囲気じゃなかった」


 単騎ながらも打鐘の4コーナーから踏んで“らしさ”を見せた村上義弘は、見せ場をつくるも5着。


 「周りがどう動くのかわからなかったんで、早めに動いていきました。(浅井が後ろにいて)ああいう流れだったら、仕掛けた方がいいかなっていうのがあった。ただ、バンクがウェットコンディションだったんで、コーナーがうまく回れなかった」


 「ホームからは絶対に行こうと思っていた」と、積極策の木暮安由は、村上を意識しながらこう続ける。


 「何回も(村上とは)戦っているから、優秀は先行する確率が高いと。村上さんが先行する気持ちがすごくあると思ったんで、そこを見て仕掛けられればと。あともうちょっとでしたけど、自分のなかではステップアップしていると思います」


 

10R

選手の写真です。
根田空史選手
選手の写真です。
稲川翔選手

 一本棒の8番手になった中川誠一郎が赤板の2コーナーからインを進出すると、5番手にいた根田空史(写真)は打鐘から踏み上げる。山本伸一を叩いて主導権を奪った根田が風を切る。しかしながら、松谷秀幸は付け切れず、山本が逃げる根田を追いかける。苦しい展開かに思われた根田だったが、ゴール線まできっちり踏ん張ってそのまま後続をシャットアウトした。


 「中川さんが内に来たのがわかった。それで山本さんが流していたので、これなら行っちゃった方がいいと思った。自分のタイミングで行ってしまったんで後ろに悪かったです。それにしてもすごい風だったし、レベルが違った。余裕はなかったけど、後ろも追いかける形で脚を使ったから逃げ切れたのかなっていう感じはある」


 根田との差がなかなか詰まらない山本の余力を見極めて、稲川翔(写真)は最終2センターからやむを得ず踏んだ。


 「山本さんが先行しにいってくれたので、それをムダにしないためにも2人でチャンスのある展開にはもっていけた。それにしても根田君が強すぎる。最後は必死に踏んでいった」


 7番手に置かれた単騎の高橋和也は、最終3コーナーからまくり追い込んで3着に入った。


 「単騎だったので、後ろにだけはならないようにしようと思っていた。ホームで前がやりあっていて見ていたけど、ダメでも自分のタイミングでは仕掛けようと思った」


 

11R

選手の写真です。
早坂秀悟選手
選手の写真です。
小倉竜二選手

 誘導を降ろして小川真太郎が赤板過ぎに出ると、古性優作はソツなく3番手をキープ。しかしながら、古性はなかなかペースを上げない小川を見て、打鐘の4コーナーからカマして先行策に出る。小川が3番手に飛び付いて中野彰人ともつれる。8番手の早坂秀悟(写真)は、齋藤登志信を置き去りにする強烈なダッシュでまくり一気。前団のけん制を乗り越えて鮮やかに抜け出した。


 「(打鐘で)行こうかと思ったけど、風が強いしあそこだとまだ長いかなと。そしたら古性君が行ってくれた。自分も先行するつもりだったけど、2車だったんであんまり変な仕掛けをしてもっていうのがあった。古性君が行かなきゃ、自分で行こうとは思っていた。伊豆で佐々木龍也さん(57期・引退)に練習をみてもらっているんですよ、そのおかげですね」


 逃げる古性との車間を切った村上義弘だったが、早坂のまくりは止め切れない。最終4コーナーで自ら振った古性との接触を避けるように、外に持ち出して2着。


 「小川君が飛び付くと思ってなかった。それで内に来たのが木暮君かなと。それを気にしていたら、早坂君のスピードが良かった。(古性)優作が追いかける形をつくれればよかったけど…。最後は突っ込みそうになったんで、もう一度引いてから立て直した」


 中野と絡んだ小川の後ろで小倉竜二(写真)がさすがの対応。すくった木暮を内に封じ込めながら、冷静に直線で追い込んだ。


 「古性君も村上さんが付いているんで、早く来ましたね。小川君もヨコの勉強になったと思う。もうちょっと早く駆けていれば、3番手をすんなり取れたかなと。自分は(木暮に)割られないくらいの感覚でいた。うまく流れ込めた感じです」


 

12R

選手の写真です。
坂口晃輔選手
選手の写真です。
岡村潤選手

 赤板の1センターで山中秀将が吉田敏洋を押さえて、スローペースに落とし先行態勢を取る。単騎の池田良、松川高大が切り替える。5番手になった吉田は、後方の筒井裕哉の動きを見ながら打鐘の4コーナーからスパート。吉田に合わせて山中も一気に踏んで突っ張る。吉田は岡村潤の横まででいっぱい。岡村の後ろに入った浅井康太は、最終2センターで岡村をすくって直線で抜け出すも失格。浅井マークから直線で外に持ち出して伸びた坂口晃輔(写真)が、1着に繰り上がった。


 「(吉田)敏洋さんも早く仕掛けてくれたし、自分は浅井先輩に付いていくことをと思ってました。(直線で)自分が内に行って、最後みんなが外を伸びられるとまずいなと思って外を行った。結果的に自分は決勝に乗れたけど、浅井さんがアカンかったのは残念でした。(2日目に)ローラーに乗っていてつかんだものがあって、調子としてはめちゃくちゃ良くなっている。余裕があるし、体が動くようになっている」


 「山中君はあんな王道の押さえ先行をしてくれた」とは、岡村潤(写真)。3着に繰り上がった山中との優出にほっと一息ついて、山中の頑張りをたたえる。


 「山中君が強かった。外の吉田さんに意識がいってしまったけど、自分としては内を空けた感じがなかった。それでも(浅井に)入って来られてしまった。自分も重いわりには結果もいいし、練習の成果ですかね」


 吉田を合わせ切って主導権を死守した山中秀将だったが、さすがに直線半ばでいっぱい。失速して4位入線も、浅井の失格で繰り上がり決勝進出した。


 「(昨年の)競輪祭の決勝でもそうだったけど。ああいう風に泳がされて(逃がされて)、あれで簡単にまくられちゃうからまた泳がされる。だから、来た人だけは絶対に合わせてと思っていた。あとは岡村さんにサポートしてもらって残れればと。浅井さん(の失格)は残念だけど、そのぶん僕にチャンスが回ってきてくれた」


 


 


 ≪最終日9R「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」≫


 2勝をマークした大宮記念から中5日の松岡貴久は、カーボン製のフレームでいつもと違う7車立てにも平然としたもの。


 「ルールは地区プロとかと一緒ですよね、だったら問題ない。カーボン(フレーム)は練習でもいつも乗っている。楽だから(笑)。風邪も引いてないし、体調はべつになんにもない。戦法も決めてないから、あとは(レースの流れで)行けるところから」


 坂本周輝は、前回の立川記念3892着のあとにインフルエンザにかかり前橋FIを欠場。約20日間空いて、一発勝負に臨む。


 「前回が終わってインフルエンザになって、体重が2キロくらい落ちた。まぁ、大丈夫だと思いますけど。(カーボン製のフレームで)1週間くらい練習をやった。セッティングが出てない感じがする。(室内だと)感じも違うから、(冬期移動先の)ベロドロームには入ってません」


 絶好枠の1番車を得た内藤宣彦だが、終始、慎重なコメント。


 「去年10月の地区プロから、(カーボン製のフレームに)乗ってないんで不安はあります。1番車は大きいですけど、期待に応えられるか…。自力もないしエボリューションは厳しいですよね。天気も悪かったんで思うような練習もできてない」


 前回の落車の影響は少なそうな神山拓弥だが、いつもの競輪とは違う自転車での戦いに違和感がありそうだ。


 「怪我ですか? それは大丈夫。カーボン製のフレームでやってきましたけど、全然ダメです。なんだこりゃっていう感じです。セッティングも全然違うんで、あとは踏み出しに集中していくしかない」