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31#

決勝戦レポート

中川誠一郎(熊本・85期)

最後方からの大まくりでV

 真夏の松戸バンクで、中川誠一郎の豪脚が唸りを上げた。通算6度目のGIII制覇は、中川らしい豪快なまくりだった。
 単騎の中川は、初手は前受けの太田竜馬ラインに付ける。太田は青板周回で上昇してきた吉田拓矢を突っ張って出させない。これで一度は3番手内で包まれる苦しい形になった。
 「(3番手は)かぶるところなんで嫌だった。とりあえず内を締めながら吉田が入ってこない様に」
 もう一度踏み上げた吉田が主導権を奪うと、すかさず石塚輪太郎が反撃に出てペースは上がる。最後方に陥った中川は最終ホームからまくっていくが、浮いた石塚の様子をうかがいトップのギアは残したまま。石塚と、村田雅一の間を抜けたあとが中川の真骨頂。他の選手が止まって見える次元の違うスピードを披露した。
 「(ホームから)踏んだんですけど、石塚の外は絶対行きたくないと思って、ゆっくり抜けようと思った。抜け切ってからは全開で踏めました」
 吉田の番手の中村浩士がまったく反応できず、楽にゴールを駆け抜けた。その中川の視線は、すでに次の平オールスターに向いている。
 「今回はオーバーワークでした。初日、2日目は(疲れが)抜けきっていなかった。決勝はよかったですね。新田(祐大)や、ワッキー(脇本雄太) 、深谷(知広)とか、あの辺はすごい。そこに負けないくらいにしたい。前回(7月福井記念の決勝で)ワッキーに付いて、トップの脚力を感じた。(オールスターは)一次予選からなんで、勝ち上がりたい。しっかり戦いたいですね」
 
 積極策の吉田の番手から地元記念Vを狙った中村浩士だったが、中川のスピードに屈して2着。
 「吉田君は全力を尽くしてくれた。(ラインの)3人で出し切れましたね。(中川のまくりは)もうどうしようもなかった」
 
 最終2センターで外を踏んだ松岡健介に付けた村田雅一は、狭いコースを縫って3着に入った。
 「(道中は)なにがなんだかわからなかった。伊勢崎(彰大)さんのところは空かなかったし、イチかバチかあのコースへ行きました。1着を狙っていたんですけど、3着狙いだったら(確定板も)ダメだったと思う」
 
 一度は太田に突っ張られた吉田拓矢だったが、主導権を奪って石塚輪太郎も不発に追いやった。4着も太田、石塚とのライバル対決は制した内容は価値がある。
 「とりあえず出ないと意味がないんで。地元の中村さんのためにも。(石塚は)絶対に来ると思ったけど、あそこは負けられないですね。やることはやったんで」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲でゆっくりと出た桑原大志がスタートを取り、目標の太田竜馬を迎え入れる。隊列は太田-桑原、中川誠一郎、吉田拓矢-中村浩士-伊勢崎彰大、石塚輪太郎-松岡健介-村田雅一の順で落ち着き、周回を重ねる。
 残り3周の青板前から動いた石塚に合わせて吉田が中団から踏み上げるが、前受けの太田がこれを突っ張る。ひるんだ吉田だが、赤板から再び仕掛けて太田を叩き切る。打鐘から反撃に出た石塚は吉田に合わされて後退。最後方でためていた中川は4コーナーから仕掛ける。ジワジワと前団に迫った中川はバックからさらに加速。懸命に逃げる吉田を一気に抜き去って圧勝した。吉田の先行を利した地元の中村が2着。伏兵の村田が3着に突っ込んだ。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 中川 誠一郎 熊本 85期 S1 9.3 まくり
2 1 中村 浩士 千葉 79期 S1 3B 9.9 追込み
3 6 村田 雅一 兵庫 90期 S2 3/4B 9.6 追込み
4 7 吉田 拓矢 茨城 107期 S1 1/4W 10.1 H B
5 2 松岡 健介 兵庫 87期 S1 1/2W 9.7
6 9 桑原 大志 山口 80期 SS 1/2W 9.4
7 4 伊勢崎 彰大 千葉 81期 S1 1W 9.9
8 3 太田 竜馬 徳島 109期 S1 1B1/2 9.7
9 8 石塚 輪太郎 和歌山 105期 S1 D 0