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73#

決勝戦レポート

原田研太朗(徳島・98期)

原田研太朗が地元記念初優勝

 S班でさえ「なす術がない」と口をそろえたハイスピードバトル。島川将貴が打鐘過ぎ2センターからピッチを上げると、河端朋之の巻き返しに合わせて太田竜馬が2コーナーから番手まくりに出る。続いた原田研太朗が太田をとらえて地元記念初優勝。2017年3月の松山以来、4度目となる記念優勝を飾った。
 「島川君がやる気でしたね。えげつないかかりで前でドリフトしていた。(太田が番手から出たあとは)早めに行こうと思ったけど、太田が相当踏み直してた。でも僕が早めに踏まんと小倉さんのコースがなくなるので。前だけを見て余裕はなかったけど、ハコじゃない分の余裕はありました」
 2012年7月のS級デビューから呼ばれ続けていた地元記念だったが、昨年はあっせんがなかった。それだけにこの優勝は格別だ。
 「小松島記念がS級のデビュー戦で、それ以来ずっと呼んでもらっていたけど、去年はあっせんがなくて悔しかった。一人で練習をしていてごっつ寂しくて、それが頑張れるきっかけになった。今年はチャンスがあれば狙いたいと思ってました。去年は目の前で太田君が完全優勝をしてうれしかったし、今年もと思っていた」
 残念だったのは無観客開催だったこと。これだけのスピードレースを地元ファンの目の前で見せたかったはずだ。
 「無観客は無言でさみしい。僕は気持ちで走るタイプなので。小松島はこれで今年最後の開催。リニューアルしたあとにはお客さんを入れて欲しいですね」
 再開後は原田がファンの大声援を受けて地元バンクを疾走する。

 太田竜馬の大会連覇はならず。それでも初の番手回り、しかも4車の軸という大事な役割を務め上げた。
 「点数ないのに番手を回らせてもらったし、並び的に原田さんの優勝かなと思ってた。頑張ったっすけど、後ろに差されるのはしゃーないですね。ペースで行ったら終わりなんで、全開で(番手まくりに)行きました。島川さんのおかげですね。(初の番手は)後ろもおるんでヘマできんから緊張しました」

 4コーナーで置いていかれそうになった小倉竜二だったが、なんとか3着に踏みとどまった。
 「スピード競輪やね。まくりの太田のその上を研太朗がまくって行く感じだった。(原田の)2センターからのまくり追い込みでもう一段階スピードが上がって、そこに対応できなかった。(4着になりそうで)最後はちょっと危なかったですね」

 徳島勢上位独占の結果は島川将貴の頑張りがあってこそだ。
 「やることはできました。初めての決勝だし、点数とか関係なく僕が実績が一番ないんで。河端さんがいつ来るか怖かったけど、後ろの3人がワンツースリーなら最高ですね」

 1周21秒6、上がり10秒5で後方に置かれては、さすがの清水裕友でも出番はなかった。
 「厳しいですね。相手がその気だと、どうしようもなかった。練習みたいな感じで、ええスピードを体験できました。もっと鍛えろということでしょう」

 7着に敗れた河端朋之は「もがき合うか、まくりか、どっちかしかなかった。力負けですね。太田の横までも行けなかった。行ければ後ろにチャンスがあったけど」と悔しそうにレースを振り返った。

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で出た清水裕友がスタートを取り、河端朋之-清水-松浦悠士の中国ラインが前受け。島川将貴-太田竜馬-原田研太朗-小倉竜二の地元勢が後ろ攻めで周回を重ねる。
 青板の4コーナーから動いた島川が赤板過ぎで先頭に立ち、河端は5番手に車を下げる。島川は打鐘から一気に踏み上げて、隊列に変化のないまま最終回へ。河端は1センター過ぎから反撃に出るが、太田がバックから合わせてまくり出し、河端は不発。清水はバックで小倉の後ろに切り替えて2センターから踏み込むも、絶好の展開で4コーナーを回った原田が、ゴール手前できっちり太田を交わして優勝を飾った。2着に太田が入り、3着に小倉。地元勢で確定板を独占した。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 3 原田 研太朗 徳島 98期 S1 10.5 追込み
2 6 太田 竜馬 徳島 109期 S1 1W 10.7 捲残 B
3 5 小倉 竜二 徳島 77期 S1 1B1/2 10.6 マーク
4 7 松浦 悠士 広島 98期 SS 1/2W 10.3
5 2 清水 裕友 山口 105期 SS 1/4W 10.5
6 1 島川 将貴 徳島 109期 S1 7B 11.5 H
7 4 河端 朋之 岡山 95期 S1 4B 11.6