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こまつしま競輪

KOMATSUSHIMA KEIRIN

73#

検車場レポート

  • 7/3 Wed.  (前検日)
  • 7/4 Thu.  (1日目)
  • 7/5 Fri.  (2日目)
  • 7/6 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
植原琢也選手
 全国の競輪ファンを沸かせている113期の中でもトップクラスのダッシュ力を誇る植原琢也(写真)が記念初登場。1レース、1番車でシリーズ初戦を迎える。
 「S級に上がってからはラインを意識して走るようになりました。まだ2場所しか走っていないけど、先行でもまくりでも勝てているので。最近はバンクでも練習しますけど、基本は街道で練習しています。メニューも自分で考えて、練習も基本は一人で。ダッシュを生かして積極的に走りたい」
 新鋭の植原をリードするのは同県の武藤龍生。5月静岡でS級初Vを達成すると、続く立川で連続優勝。四日市GIIIで決勝3着に入り、GI初出場となる競輪祭の出場権も得た。
 「調子も良かったけどいい感じで流れに乗れましたね。前回は決勝に乗れなかったけど、ブフリのダッシュになんとか付いて行けたので。植原君もダッシュがいいみたいなので外国人だと思って付けます(笑)」

2R

 2場所連続落車のアクシデントに見舞われた志佐明だが、状態に不安はなし。新しい期が始まり、悪い流れを断ち切ろうと新車を投入する。
 「体のケアはできていますし、状態面に不安はないですね。でも新しいルールになってまともに走れていないので、その辺に対応できるかだと思っています。風が強いのは自分にとってはプラスに働くと思うので、新車の感触を試すためにもしっかりと仕掛けたい」
 成績にムラこそあるが、競走得点以上の存在感を示しているのは吉田茂生。ラインの厚みを生かして別線一蹴を目指す。
 「取手記念で松浦(悠士)さんにアドバイスをもらってセッティングの方向性が定まりましたね。まだムラはありますけど、以前のような迷いが消えたので自分としては戦えていると思います。前回の最終日は単騎でカマして番手にはまられた中井(俊亮)君を合わせ切れたので動けていると思います」

3R

 前回松阪で強烈な決め脚を発揮して優勝を飾った竹内智彦は何度も連係ある同県の阿部拓真を目標に一次予選突破を目指す。
 「阿部君はどっぷりまくりに構えず、前々に踏むタイプなので好きなタイプですね。前回の松阪は新車を投入したけど、正直、セッティングが出なくて…。3日間、しっくりいかないなかでの優勝だったので、今回は元に戻します。悪い悪いって思いながらも勝てたのは調子がいいからだと思いますよ」
 前回松戸の準決で落車し途中欠場となった月森亮輔だが競走間隔が21日空き態勢を整えてきた。
 「落車の影響はもうないですね。練習もしっかりできたし不安はない。石丸(寛之)さんとは3月別府の準決と決勝で連係があります。準決はワンツーを決められたし、今回も頑張りたい。車番もいいし、タイミングを逃さずに仕掛けられれば」

4R

選手の写真です。
久米康平選手
 地元勢のトップバッターは久米康平(写真)だ。前回、広島では大きな着が続いたが、地元戦に向けてきっちり仕上げてきた。
 「前回は新車だった。(今回の)記念で使いたいなと思ってたし、着の割には感じも良かったので。広島が終わってからハンドルの長さを換えたり微調整してきた。体も仕上がってると思う。直前は雨でバンクで乗れなかったけど、その分休養も取れました」
 3月大宮の落車で鎖骨を骨折した川村晃司だが、5月函館で復帰後初勝利を飾ると、その後も順調な回復をみせている。
 「だいぶ良くなってきました。練習の感じも良くなってきてる。練習はけっこう前から感じが良かったので、レースの脚が戻ってきたのかな。ルールが変わってからは先行しにいってないんで分からないところもあるけど、まだ対応できたり、できなかったりですね」

5R

 高松宮記念杯で準決勝に進出。函館記念でも優出するなど内藤秀久の差し脚が切れている。
 「(好調だと)みんな言ってくれるんですよね。でも、いいと言っても1着がないんですよ。勝率は4%とかなんで。1着が取れてないし、その辺どん欲に行ってもいいのかなと思う。勝ててはいないけど、上位には食い込めてるんで調子はいいですね。変わったことは特にないけど、今は自転車との一体感が出てるし、乗っててストレスがない」
 前を任せる松坂洋平も好調を維持している。
 「いいとは思うけど、競走が詰まってるんですよ。今回も(久留米記念から)中2日でここ。多少疲れはありますね。ルール改正は押さえるのがキツいけど、なんとなく流れには乗れてるかな」

6R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手
 鈴木謙太郎(写真)は5月高松の落車で横突起を骨折。今回が復帰戦だが、欠場中にルールが変わってしまった。
 「練習は落車した4日後ぐらいからやるのはやってたけど、良くはなかったですね。なかなか痛みも引かなかった。今回も迷ったけど、5日前に急に痛みが抜けた感じがあった。それにオールスター前に走っておきたいのもあったので。ルール改正で不安はあるけど、見てる感じではキツくなさそう。誘導が早いだけで、以前と変わらないかなと思ってる。まずは走ってみてですね」
 岡崎智哉は前回の函館記念で積極的なレースをみせていた。
 「函館は4日間、全部バックを取るレースでした。今のバックが5本なんで、5本のうち4本が前回です。前回は動こうとしたとこで体が動いてくれた。でも今回は数字(着)を意識して走りたい」

7R

 ここは前回の函館記念でも3連対している和田圭が人気を集めそう。
 「フレームも落ち着いてきましたね。前回、新車を試して悪くなかったんで、今回もそれで行こうと思ってます。状態は悪くない。まあまあですね。頑張ります」
 ルール改正後は3勝している蒔田英彦だが、早くなった誘導のペースに戸惑いはあるようだ。
 「この制度は全く合ってないですね(苦笑)。脚がたまらない感じ。感じ的には悪くないと思ってるけど、まだペースに慣れてない。でも小松島は(過去3年で連対率5割と)何気にいいみたいですね。それをプラスにしたい」

8R

 伊藤裕貴は近況好調。6月のルール変更後も四日市GIIIで3連対、続く岸和田で優出と乗れている。
 「松山の全プロから新車にしました。セッティングを調整するなかで、前回の岸和田で大幅に変えた。今のフレームではこれが限界かなって感じ。ルールも変わって、レースがちょっと単調だったり、力と力で決まったり変わってきてるんで。そこに合わせていじった感じですね。小松島は初めて。これで全場制覇です」
 小原唯志も6月小田原で決勝に勝ち上がるなど悪くはなさそう。
 「どこも相手がキツいけど、一生懸命頑張るだけですね。状態はいい。しっかりレースをやれてるし、ルール改正も気にならないです。ダッシュ戦が減って、流れっぱなしのレースが増えた。そのほうがいい。小松島は今回が初めて。海がこんなに近くてビックリした」

9R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 小川真太郎(写真)は高松宮記念杯から中16日とゆとりのスケジュール。きっちり仕上げて地元記念を迎えた。
 「いいと思います。雨は降ったけど、雨の合間に乗れました。(調子は)めっちゃいい。いつもよりいいと思う。これだけ時間があったら練習メインで何でもできるんで、やれることは全部して仕上げてきた。吉武(信太朗)君の番手は初めてだけど、同期なんで頑張ってもらえるようにお願いします。決勝に乗れるように頑張りたいですね」
 木村隆弘は5月川崎の落車から今回が復帰戦となる。
 「怪我は肩の打撲と擦過傷。練習は普通にやってきたし、きっちり練習して来ました。復帰戦なんでアレだけど、練習の感じは悪くなかったんで。あとは新車がどうかなって感じ。乗った感じはいいとは言えないけど、レースで試してみたいと思ったので。まずは付いていくことに集中します」

10R

選手の写真です。
南潤選手
 南潤(写真)は腰痛で6月平塚を欠場。9着3回と大きな着の目立った高松宮記念杯以来のレースとなる。
 「腰痛は今は大丈夫です。宮杯は誘導が早いのは大丈夫だったんだけど、僕の組み立てが悪かった。(レースの)はじまりが早くて、出てからオーバーペースになってしまってた。もっとペースを考えて走らないと。落ち着いて走ったらいけるかな」
 渡辺十夢は宇都宮記念の3日目に南を逃げを交わしている。
 「南は相当、先行争いをして脚力を消耗してくれないと差せない感じですね。(2月にS級に特進して)ここまでは順調というか順調すぎる。変わったことは全然ないんだけど」

11R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 阿竹智史(写真)は残念ながら予選スタートとなってしまったが、4月伊東GIIIの初日特選でも連係している竹内翼の番手でシリーズの好スタートを狙う。
 「次点(競走得点は10番目)でしたね。状態はもうちょっと上がってほしかったけど、そこそこかな。前回の取手あたりから、ちょっと腰痛が出たけどいつもどおりやってきた。あんまり緊張感もないです」
 阿竹、佐竹和也の地元コンビに任された竹内翼は気持ちを入れ直す。
 「地元に任せられたんで頑張るしかないですね。前回(久留米記念)から中2日なんで疲れはないとは言えないけど、しっかり調整して来たんで、あとは気合いで。小松島はバックの風でかかるイメージなんで逃げるかまくりでも早めの仕掛けでいきます」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)はこれが3度目の地元記念参戦。2年連続で決勝には勝ち上がっているだけに、今年こそ地元記念で優勝したい。
 「(調子は)いいと言えばいいけど、物足りん感じもする。でも前回(平塚)よりはいいと思う。ここまでは雨も多かったけど、雨の日はウエイトとかローラーでやってきた。(地元記念を)あまり意識しすぎたら自滅するんで、いつもどおり戦いたい。いつもどおり、いいところで行けたら。今回から新車を使います」
 小倉竜二は太田の踏み出しに集中して、地元ワンツーを狙う。
 「練習でいいタイムを連発してた太田へ。千切れんようにですね。春先はウエイトしすぎたりして腰の痛みとか、体の重さがあったけど、最近はその不安がない」
 浅井康太は追加参戦。今回が1カ月のあっせん停止から復帰戦となる。
 「別府(サマーナイトフェスティバル)で復帰だったけど、小松島を走れるのをうれしく思う。今年はここまで成績を残してないのにファン投票4位とはありがたいですね。落車に失格とか失敗があったけど、選んでくれた人がいるので走れるところは走って恩返しがしたい。練習ばっかりやっても意味がないし、競走で強くなるのが自分のスタイルなんで。今回はレースに出るというより、トレーニングしに来ました」

1R

選手の写真です。
植原琢也選手
 嶋津拓弥が赤板1コーナーで先行態勢に入ると、前受けの植原琢也(写真)は7番手まで車を下げる。中団の本郷雄三にけん制されながらも、植原は打鐘過ぎ4コーナーから一気の仕掛け。ライン3車できれいに出切ると、末良く押し切った。
 「しっかり先行しようとしたけど、ちょっと甘かったですね。あそこ(打鐘過ぎ4コーナー)は6、7割で行って、中団が空いてたら入ってもと思ったけど、出切れそうだったのでそのまま行きました。緊張はなかった。初日はちゃんとレースができなかったので、2日目はレースになるようにしたい」
 番手の武藤龍生は植原の強さに舌を巻いた。
 「強いっす。キツかったです。苦しい…。踏み直しもすごかった。しっかり踏み直してたんで。7番手まで引いたのには焦ったけど、ラインで決まったのでとりあえず良かった。いい後輩が出てきましたね」

2R

選手の写真です。
成清貴之選手
 志佐明が打鐘から主導権を握ると、吉田茂生の巻き返しを1センターで成清貴之(写真)が好ブロック。ゴール前で鋭く抜け出した。
 「(吉田を)止めたとこまでは100点だけど、(志佐を)残す余裕ですね。踏み過ぎというか。志佐君がいいレースをしてくれた。(志佐は落車続きだが)あれをしてれば、すぐに戻りますよ。このルールになってからブロックもしやすいですね」
 土屋裕二は成清にピタリと続いて2着に入った。
 「余裕はありましたね。最後は成清さんを抜いちゃうかと思った。志佐君がいいレースをしてくれたおかげですね。自分はしっかりと成清さんに付いていけました」

3R

選手の写真です。
阿部拓真選手
 8番手に置かれてしまった月森亮輔は打鐘過ぎ2センターから早めの巻き返し。この仕掛けにうまく切り替えた阿部拓真(写真)は2コーナーから外に持ち出すと、最終2センターで3車併走になった外を乗り越え、月森をとらえた。
 「(月森が仕掛けた)あそこが勝負どころかなと思った。スイッチするのにちょっと脚を使ったし、行こうと思った瞬間にあおりをもらってバック踏んでしまった。そこで行けてればワンツースリーでしたね。(調子は)いい感じではあると思う」
 先まくりの月森亮輔が2着に粘った。
 「先に切るかどうか迷ったし、ちょっと見ちゃったっす。後ろに迷惑かけましたね。今回新車なんですけど、みんなには流れてないって言われたし重いですね。(状態は)最近のなかではいいと思う」

4R

 地元のトップバッターとして久米康平が登場。先に押さえた川村晃司を打鐘で叩いたが、出て流したところを菅谷隆司にカマシに来られて苦しい展開に。後方で態勢を立て直した川村が1コーナーから車を外に持ち出して前団を飲み込んだ。
 「あそこ(打鐘前)から駆けても自分は持たないので一旦、久米君を出させてからと思いました。あとは菅谷君を出させるか、突っ張るかを見ながらだったので久米君次第でしたね。踏み合ってくれたおかげで展開も向いたけど、車の出も良かった」
 3コーナーで4車がからむ大量落車が発生。久米康平は落車を避けて3着に入線したものの表情は暗い。
 「気負っていないつもりだったけど、硬くなってしまっていたのか中途半端に。出させるならあそこまで踏まずにサッと引けば良かったし、突っ張るならしっかり踏まないと…。2日目は初日の分を取り返せるようにしっかり頑張りたい」

5R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 松坂洋平が打鐘を目がけて一気にスパート。門田凌を叩いて主導権を握る。松坂が軽快に駆けると、内藤秀久(写真)が車間を空けて援護から最後は余裕を持って抜け出した。
 「(松坂)洋平とは同期で仲がいい。その洋平が頑張ってくれて、後ろは武井(大介)さんに任せて自分としては3人で決めたかった。でも洋平は残せたけど、武井さんを連れ込めなかった。藤木(裕)君の動きは見えていたので、内は空けないぞと。周りも見えて余裕もありますね」
 門田凌は後方からまくり上げて3着に届いた。
 「最低でも中団は取りたいと思っていたけど、藤木さんの動きが予想外で後方になってしまったので脚が整う前に仕掛けた。いつもならまくりにいっても外に浮いてしまう展開だけど、状態が良くなっているので、耐えられたと思う。感じはいい。バンクは思った以上に重いし、流れないですね」

6R

選手の写真です。
岡崎智哉選手
 増原正人の追い上げに対して冷静に下げた岡崎智哉(写真)は2コーナーから先まくりを打った増原の外を鮮やかに突き抜けた。
 「下げて巻き返せるなら下げたほうが堅いと思った。セッティングを変えたのが、今回から靴を換えたのが大きいのかな。ただ(スピードが)合ったときにいつものフォームに戻ってしまう。ああいうときにきれいなフォームでいけたら。そこは修正したい。でも久々の1着なんで今後につなげたいですね。調子はちょっとずつ戻ってきてます」
 打鐘で仕掛けをちゅうちょしたところを木村弘に踏まれた鈴木謙太郎は大きく車間が空いた7番手に。2センターで何とか前に追いついたが、3着までが精いっぱいだった。
 「増原さんがどうするのか見てて、(木村が)緩めるかなと思って行ったら踏まれた。(大きく車間が空いて)ビックリしました。正直、追いつかなかったですね。復帰戦で緊張したけど誘導は早く感じないし、こっちのほうがやりやすいかな。でも今日(初日)はレースになってないんで」

7R

 前回の久留米記念から中2日とタイトなスケジュールのなかでもベテラン伏見俊昭が勝利を手にした。
 角令央奈、片岡迪之の順で切った上を蒔田英彦が叩いて打鐘で先頭に立つが、坂本周輝がすかさず巻き返して主導権。後方から踏み込む角に合わせて蒔田が好スピードでまくり出るも、番手の和田圭が張り気味にタテへ踏み込むと伏見がゴール寸前で交わした。
 「前回が初日で負けてフラストレーションが溜まっていたので。絶対に勝ち上がりたかった。周輝も頑張ってくれて、圭も前に踏んでくれたからいい展開になりましたね。やっと(500勝まで)マジック5まできましたね。気を抜かずに頑張りたい」
 あと一歩で勝利を逃した和田圭は肩を落とす。
 「やっぱり強いな、伏見さん…。俺も下手だったけど。車間を空けた時に来られて止められなかった。戻るに戻れなくてそのまま踏ませてもらった。(坂本の)かかりは良かったし、頑張ってくれたのに申し訳ない。蒔田さんじゃなくて新田(康仁)さんを飛ばせれば3人で勝ち上がれましたね、きっと」

8R

 赤板から合わせて動いた小原唯志を、伊藤裕貴が叩く。伊藤は中団のもつれを尻目に最終ホーム手前から一気にペースアップ。別線は仕掛けられず、力強い踏み直しで堂々と逃げ切った。
 「(小原さんが)自分に合わせて切ってくれてラッキーでしたね。こんな展開あるのって感じでした。1回踏み上げないとかからないと思ったので、後ろ攻めは正解でしたね。誘導もそこまで上がった感じがしなかったですね。実質、1周しか踏んでいない。でも悪くないと思う」
 1カ月ぶりの実戦となった大西祐は小原との中団争いを制すると、大外をまくり追い込んで3着に入った。
 「新ルールで初めて走って、誘導の上がりかたもやっぱり違った。伊藤君と小原さんが一緒に上がってくるだろうなと思ったので、強引に中団を取りにいった。ずっと練習だけしていたので、2日目はスカっとしたレースをしたいですね」

9R

選手の写真です。
木村隆弘選手
 吉田昌司を吉武信太朗が叩いて打鐘過ぎ2センターから先頭に立つが、そこを中村一将がすかさず仕掛けて木村直隆と2人で四国トリオを飲み込んでしまう。一度は吉武を迎え入れようとした小川真太郎だったが、3コーナーから自力に転じると木村隆弘とワンツーを決めた。
 「吉武が追いかけたら5着に残れるかなと思った。あんだけ行ってくれたのに申し訳ないです。中村さんが見えなかったし、余裕を持ちすぎた。吉武が追いかけられるようならゴール前で抜ける自信はあったけど、後ろに木村さんもいたので。全然調子はいいですね」
 2着に続いた木村隆弘(写真)はホッと胸をなでおろす。
 「危なかったですね。でも人気に応えられて良かった。真太郎が(吉武を)入れたので、バックでは仕掛けないと、かぶると思った。そしたら反応してくれたので。新車はいいけど、前が強すぎますね。(復帰戦が地元記念で)めっちゃ緊張しました」

10R

 断然の人気を背負っていた南潤が別線を圧倒した。赤板過ぎの1センターで市橋司優人が坂木田雄介を叩き、打鐘で宿口陽一がさらに叩いたが、南が自慢のスピードで一気にカマす。別線に巻き返しの機会を与えずに、そのまま押し切った。
 「流れのなかでしっかりと仕掛けられたけど、ジャンのところでちょっと車間が空いてしまった。あそこでしっかり追いかけながら行けていればもっと楽だった。GIの感覚で走ってたからかもしれないけど、正直、今日の感じなら上ではまくられる。自分の中では9着のかかりでしたね。セッティングをいじってたのでちょっと前に突っ込む感じになってしまった。しっかり修正して2日目はもっと良くなるように」
 2着の渡辺十夢は悔しそうにレースを振り返る。
 「余裕はありましたね。でも自分が何度も後ろを振り返れるなんておかしいと思いながら最後、踏みましたけど、しっかりと踏み直されましたね。結構、迫れていたと思うけどやっぱり強かった。参りました」

11R

 打鐘で竹内翼が強引に佐藤朋也を叩いて主導権を握る。竹内はグングンとペースを上げ、最終バックからは阿竹智史が車間を空けて竹内を援護。最後は余裕を持って抜け出して予選メインを白星で飾った。
 「前が全てやってくれた。竹内君はグングンと伸びていく感じでした。自分の感じとしては良くはない。VTRを見て確かめて修正したい。人の後ろは考えることが多いですね」
 竹内翼は別線を完封する先行策でラインを上位独占に導いた。
 「ワンツースリーなので、良しとしたい。かなり踏まれていたけど、出切ったところでペースに入れられた。距離が長くてキツかったけど、前回(久留米記念)よりもいいし、良くなってきている」

12R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 赤板ホームからの山田英明との踏み合いを制した三谷竜生が前に出ると、そこを打鐘から太田竜馬が叩いて主導権を握る。3番手に入った三谷は3コーナーから持ち出すが車は出ず。逃げた太田が力強く押し切った。
 「ちょっと早いかなと思ったけど、(前が)切り合いをしてたし体が勝手に動いた。新車もええんかな。重たいけど流れてるし、ずっとゴールまで踏めた感じ。(状態も)こんなにいいとは思わなかったです」
 番手の小倉竜二(写真)は太田の強さに脱帽する。
 「強いですね。何もすることがない。(三谷を)一発振ろうかなと思ったけど、まだ伸びていってたんで、その必要もなかった。いつもなら抜ける感じだったけど、あれは抜けん。ワンランクアップしてますね。僕の仕上がりはいつもどおりの感じだけど、前の仕上がりが良すぎる」
 2センター、5番手から外を回した簗田一輝が3着に食い込んだ。
 「2コーナーで三谷さんを見てしまった。そこで見ずに詰まったところで行けば面白かったですね。でも最近のなかではいいほうかな。波もなくなってきてるんで、良くなってくるかなと思います」

6R

選手の写真です。
吉田茂生選手
 佐藤朋也と踏み合いになったところを打鐘で金ヶ江勇気にカマされた吉田茂生(写真)だったが、佐藤の後ろで立て直すと2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。
 「踏み合ってるときにあんまり本気で踏んじゃうと金ヶ江君がドーンと来るから余力を残してって感じでした。朝倉(佳弘)さんも位置を取ってくれてたから1回引こうかなと。(まくりは)仕掛けずに終わるよりもと思って無理やり行った感じ。菅原(晃)さんにずっと見られてたのでどれだけ持って来られるかと思ってたけど、何とか乗り越えられました。連日、想像と違う展開であたふたしてるところがあるけど、余裕はあるんで悪くはない」
 吉田のまくりに続いた朝倉佳弘が2着で準決勝進出を決めた。
 「まさか朋也さんがあんなに突っ張るとは思わなかった。でも開坂(秀明)さんが遅れてたので、入れてもいいし、吉田が出るようなら追いかければいいと思ってた。バックで菅原さんにもらったときに吉田君の後輪が跳ねてて、バックを踏んでしまった。本当は抜かないといけないのに申し訳ないです」

7R

選手の写真です。
竹内智彦選手
 嶋津拓弥、中村一将が切った上を門田凌が叩いて打鐘から主導権を握る。素早く巻き返しを狙った嶋津であったが吉岡篤志の執ようなブロックの前に不発。嶋津マークの竹内智彦(写真)は原誠宏を締め込みながら3コーナーで吉岡の内をすくうと、直線で突き抜けた。
 「出は良くなかったけど嶋津君は頑張ってくれてたから。売り切れるまでは待とうと思っていたら(岡部に)入って来られてキツかった。もう外じゃ間に合わないと思ったから、内しかないって狙っていました。でもセッティングがしっくりきていないからこのままじゃ準決は厳しい。もう少しフィットするように調整します」
 地元の吉岡を背に力の限りを尽くした門田凌は検車場に引き揚げて来るなり倒れ込んだ。
 「キツかったですね。風も強いし重かった。出切るのにも脚を使わされました。でも吉岡さんがブロックしてくれているのが見えたから2人で決めたかったですね。(先月の)25日に鎖骨のプレートを抜いたので今回は復帰戦のつもりですけど、違和感なく走れていると思う。(記念の)準決はこれで2回目ですね」

8R

選手の写真です。
新田康仁選手
 後ろ攻めの志佐明が中団の菅谷隆司にフタをして打鐘で先頭に立つとそのままペースを上げる。最終ホームから巻き返して来た菅谷を新田康仁(写真)がけん制するが、菅谷も簡単には止まらない。すると新田は3コーナーからの番手まくりで白星をゲットした。
 「菅谷君を出させて佐藤君をどかして志佐君が番手にはまる作戦だった。でも志佐君のペースが思いのほか良くて、それならと止める準備をしていたけど、コーナーの出口で合うと止められないと思った。かなり併走してる感じだったし、これで止めにいくと誰かしらが転倒すると思ったので、志佐君ごめんって感じで前へ踏んだ。脚は悪くないですね」
 武井大介をキメた佐藤真一が菅谷後位から新田のまくりに切り替え2着に続いた。
 「とりあえず勝ち上がれて良かった。俊敏に動けていますね。(最終)ホームは併走していた上を菅谷君が仕掛けたのでかなりキツかった。新田さんにスイッチしてからは後ろに抜かれないようにピッタリと追っていきました」

9R

選手の写真です。
山田英明選手
 岡崎智哉の上昇に合わせて赤板ホームから踏んだ山田英明(写真)は岡崎を受けて狙いどおりの中団を確保。3コーナーからまくると、小倉竜二の追撃を振り切った。
 「小倉さんが後ろだし、やるしかないと思ってた。武雄記念でも3番手を固めてもらったり、ずっとお世話になってたんで、その気持ち一本でした。それを刺激に頑張ろうと思った。初日がヘッポコレースだったんで、自転車を修正して、セッティングを元に戻した。出がもうひとつ欲しかったけどね」
 ゴール前で激しく詰め寄った小倉竜二だがタイヤ差届かなかった。
 「村上(義弘)さんはバックまくりを合わせるのが上手いから、ゆっくり落ち着いて行けと(山田に)言ってた。距離が短かければ合わされても踏んで行けるんで。ヒデ(山田)が気を利かせてハンドルを引いたから抜かせてくれるのかと思った(笑)。状態は普通ですね。良かったらピンピンで来てる」
 岡崎の逃げを利した村上義弘が3着に。
 「ずっと早いピッチでキツかった。合わせて踏んだけど、山田君に余裕がありましたね。僕も必死でした」

10R

選手の写真です。
植原琢也選手
 同門の先輩でもある浅井康太を背に伊藤裕貴が竹内翼を叩いて打鐘から主導権。番手の浅井が車間を空けて別線ににらみを利かせたが、6番手の位置でじっと脚を溜めた植原琢也(写真)が最終2コーナーの出口から踏み込むと、鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「脚を使わずにあの位置が取れたので。全然かかっていなかったので行けると思いました。でも1センターでいったら浅井さんに番手まくりされると思ってあのタイミングでいきました。(浅井に)持ってこられて、こわーって(笑)。でもイエローラインのところを走れば、宿口(陽一)さんと決まると思って」
 2着の宿口陽一は植原のポテンシャルの高さを知るからこそ厳しいコメントを口にする。
 「植原のポテンシャルがあればジャンから行けてますからね。浅井さんが前に踏むか、竹内君の位置がもっと強い選手だったら行けなかったと思う。強かったけど、満足はして欲しくないですね」
 埼玉コンビにまくられた浅井康太だったが3着で準決勝へと勝ち上がった。
 「(伊藤が)徐々にタレて来る感じで突っかかって…。番手から出ていける感じじゃなかったですね」

11R

選手の写真です。
簗田一輝選手
 前受けから車を下げた南潤が打鐘で反撃に出ると2センターで先頭に立つ。グングンをスピードを上げて最終ホームを通過するが、最終バックから簗田一輝(写真)がまくり上げる。簗田は車間を空けてけん制する三谷竜生を乗り越える、ゴール寸前で南をとらえた。
 「セッティングを細かいところだけど少し変えたりとかして少しずつ良くなっている。阿部(拓真)さんが展開を乱してくれたのも自分的にはラッキーだった。1着まで届いているので、脚的にも悪くない状態だと思う」
 ゴール前で小川真太郎、三谷の2名が落車するアクシデント。逃げた南潤が2着に逃げ粘った。
 「初日よりも良かったですね。セッティングとかを変えて楽に脚を回せたし、カマシもちょっと楽でした。ゴール前のタレ具合は初日と変わらなかったけど、ひとつ高いスピードで楽に回せている。準決もうまく駆けられれば、楽しみですね」
 阿部拓真が押し上げで失格になり、3着には内藤秀久が繰り上がった。
 「阿部君の動きとかは頭には入っていたし、何かありそうな気がしたから、最後も外のコースを選んだ。そのおかげで落車しなかった。レース自体は見えているし、状態は変わらずいい」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 太田竜馬にフタをした川村晃司が打鐘から前に出ようとするが、前受けの山崎芳仁が川村を突っ張って出させない。そこを2センターから鈴木謙太郎がカマすと、この動きに続いた太田竜馬(写真)は絶好の3番手回り。2コーナーからまくると、ラインで上位独占を決めた。
 「鈴木さんが行くとは思わなかったですね。(鈴木が)仕掛けなければ、あとは体の反応次第と思ってた。最近はまくりが下手になってるんで、ちゃんとまくりが出たのは自信になる。新車もいいし、体もだいぶいい。これだけいいことはあんまりないんで」
 阿竹智史は太田の仕掛けになんとか食い下がった。
 「千切れとったでしょ。キツかった。マジでしんどかったです。でも、あれを抜かな(記念を)獲れん。最後は後ろが敵でしたね(笑)」
 3番手で続いた木村隆弘は笑顔でレースを振り返る。
 「仕上がってますね。これで調子悪いって言うたら怒られるでしょ。ワンツースリーで良かったし、車券に貢献できましたね。太田が強いからだけど、それに付いていけたのは自信になる。ここまで来たら決勝に乗りたいです」

10R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
選手の写真です。
和田圭選手
 門田凌が地元の阿竹智史を背に積極策に出ると、新田康仁が齋藤正国をさばいて3番手の位置を奪う。2コーナーから巻き返してきた浅井康太に合わせて阿竹が番手から出ると、2人でモガき合いに。そこを最後の最後まで脚をためた山崎芳仁(写真)が鋭いまくりで飲み込んだ。
 「今日は浅井も新田さんもいるからもう位置にはこだわらないようにしようと思っていました。発進も分かっていたことなのでしょうがないですよね。あとはホームから行くかバックから行くかでしたね。齋藤君が外に浮いたからホームは無理でしたね。初日は自転車とセッティングを換えて失敗したけど、2日目から戻して良くなった。腰の状態も徐々に良くなっていますね。体と相談しながら決勝も頑張ります」
 山崎に続いた和田圭(写真)が2着で決勝進出を決めた。
 「カマすって作戦だったからハンドルをしぼったのに、いつもの感じかって(苦笑)。でもさすがですね。ザキ(山崎)さんは強い。あれが勝ちパターンですよね。あと5周行ってくれても抜けない(笑)。決勝に乗れて最高にうれしいです」
 浅井が3位入線したが、ゴール前で内を締め込んで阿竹を車体故障させてしまったため失格に。浅井を追走した渡辺十夢が繰り上がりで決勝への切符を手にした。
 「本当に浅井の頑張りに尽きますね。浅井には付いて行けたけど、自分は最後、内藤(秀久)君との勝負でしたから。何とか耐えられて。このクラスになると前を抜くどうこうよりも位置をしっかり守ることも簡単じゃない」

11R

選手の写真です。
山田英明選手
選手の写真です。
久米康平選手
 後ろ攻めの久米康平が切った上を植原琢也が打鐘で叩いて主導権。最終ホームから8番手の南潤が巻き返すと番手の村上義弘が離れてしまう。山田英明(写真)はすかさず南へ切り替えると、2センターから外に持ち出し、南とサイドバイサイドの争いを制した。
 「最後は意地ですね。2着はあるなと思ったけど、他地区は潰しとかんと。(車間を空けたのは)南君のカマシに対応しないといけないと思った。そこは間合いですね。村上さんが離れたので慌てて追いかけました。状態は正直に言ってもう少し欲しい」
 南潤は最終ホーム8番手からまくり返すもゴール前で山田のまくりに屈した。
 「先行したかったですね。先行して新人(植原)とやり合いたかった。山田さんが車間を切っているのが見えたのでそこを目がけて仕掛けた。もうちょっと脚を付けたいが、踏めてはいますね」
 南に合わせて仕掛けた久米康平(写真)は南、山田に行かれてしまう。しかし、外を粘り強く踏んで初の記念優出を地元で決めた。
 「初日、2日目と何もしていないので、少し取り返せたかな。脚を使わないまま中団を取れたのが良かった。後ろを見ずに仕掛けたらたまたま合った感じですね。それにどんな形でもあそこで仕掛けるつもりだった。記念の決勝は初めて。地元で優出できてうれしい」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手
選手の写真です。
小倉竜二選手
 前から2番目の位置を取った太田竜馬(写真)は簗田一輝の上昇に対して車を下げると、打鐘過ぎ4コーナーから一気のカマシ先行。1周21秒7の好ラップを叩き出すと無傷の3連勝で決勝進出を決めた。
 「作戦どおり。(展開が)どんなやってもホームで行きますと言ってた。まあまあ出たっすね。ゴールまで誰も来んだろうと思いました。地元で3連勝できたし状態は問題ない。ここ最近ではいい仕上がりだし、ビックリするぐらい体が動く。まずは最低目標をクリアしたし、あとひとつ。地元3人そろったので頑張りたい」
 ピタリと続いた小倉竜二(写真)だったが逆転はならなかった。
 「アイツ(本気を)出したな(苦笑)。ホームのスピードはいつもどおり強かった感じだけど、1コーナーからもう一発上げてキツかった。後輪がドリフトした。あと1キロ上げられたら切れとった。今まで付いたなかで一番強い。余裕もあるし、バックで流してた。違いますね」
 離れながらも徳島コンビを追いかけた月森亮輔を目がけて1センターからまくった簗田一輝が直線で月森をとらえて決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「思ってたタイミングより(太田が)少し早くカマして来た。半テンポ、ワンテンポだけど、その分反応が遅れてしまった。早く反応できれば、もう少し差を詰められましたね。月森さんは脚があるし、最後は力勝負だったけど、成清(貴之)さんまで連れ込めなければいけなかった。色んな人からアドバイスを聞いたりして、感じ的には日に日に良くなってる」


<最終日・6R S級ブロックセブン>

 最終日6RにはS級ブロックセブンが開催される。単騎の選手が3人いて、メンバー的には中西大の先行一車だ。
 「最近は悪いですね。でも色々試行錯誤した結果なんで。これが悪いんだな、合ってないんだなっていうのもわかったから、今後にはつながると思う。(ルール改正して)低速からネバネバ行く僕は苦手かもしれないですね。トップスピードがないと話にならない」
 番手の柴崎俊光にもチャンスはある。
 「中西君の番手は2回目。1回目は彼がS級に上がりたての広島だったと思う。2年前は98点まで落ちたし、そのあとは戻っても102、3点で停滞してた。(今は109点)変わったことは何もしてないけど、調子はけっこう戻ってきてるのかなと思う。チャンスのある位置だと思うんで頑張りたいです」
 2年前の函館記念でエボリューションを、昨年の武雄記念ではブロックセブンを制すなど、伊勢崎彰大は一発勝負に強い。
 「中西君の3番手を取れればまくれると思う。それだけ脚力的には問題ないです。車番が悪いなと思ったけど、中村(敏之輔)君が付いてくれるんでね。彼に(1着を)プレゼントするぐらいでやればイケるんじゃないかな。一発勝負は2連勝中。徳島は嫁の実家なんで頑張りたい」