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こまつしま競輪

KOMATSUSHIMA KEIRIN

73#

検車場レポート

  • 3/22 Thu.  (前検日)
  • 3/23 Fri.  (1日目)
  • 3/24 Sat.  (2日目)

1R

 「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」は傑出者不在で激戦。2月岐阜、3月川崎とFI戦は連続優出している根本哲吏だが、カーボンフレームではどうか。


 「調子は戻ってきてますね。こういうレースでも勝てるように。カーボンフレームは普段使わないし、ちょっとモガきづらい。一応、ここに向けてセッティングとかはやってきたけど、これ以上は出ないと思うので、あとは体で合わせていきたい」


 福島武士は全プロのチームスプリントに出場するなど競技の実績もある。心配なのは前回、福井で落車、失格した影響だ。


 「体はそこまで。怪我は大丈夫だけど、失格が痛いですね。エボリューションはよくわからないけど、カーボンフレームに苦手意識はないし、気にはならない。ナショナルチームもいないんでチャンスはあるかな」


 吉川誠は腰痛で3月名古屋記念を途中欠場、続く前橋も欠場している。


 「違和感はあったけど、名古屋の前に誘導をしたときに(腰を)やったなって感じがあった。ケアして大丈夫かなと思って名古屋には行ったんですけどね。もう大丈夫だし、前橋はトレーニングができてない状態で走るのが失礼だと思ったから休んだだけ。状態はいいと思う」

2R

 「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」では神田紘輔が点数最上位の存在だ。


 「こっちでも変わらずいきたいですね。練習でも去年からけっこうカーボンフレームを使ってる。こっちのほうが脚に来るんで、いい練習になりますね。今回は新車なんで、セッティングがどうか分からないですけど。車番的にも前のほうが取れそうだし、そこから。そういう準備はいつもしてるし、できれば自力も出したい」


 山田庸平は2月松山で失格、前回の川崎を途中欠場と乗り切れない開催が続いている。


 「なかなか乗り切れてないですね。インフルエンザになって、治ってからウエイトしたら腰が悪くなって、前回は腰がよくなかった。でも最近は感じがいいし、調子は上がってきてる。4月はあっせんが止まるので、これが最後のレース。しっかり頑張りたい」


 松山桂輔は昨年の小田原大会のエボリューションでも決勝に勝ち上がっている。


 「緩んだら仕掛ける。エボリューションは小田原で走って、積極的に仕掛けたほうが有利だというのがわかった。それに(小田原の)33より400のほうが走りやすいはず。基本的に自力で組み立ててやっていきたい」


 

3R

 3Rからは国際自転車トラック競技支援競輪。栗山俊介は前回の3月高松で欠場明け初となる決勝進出を決めた。


 「去年10月の松山で左手首を骨折したけど、欠場が明けてから、徐々によくはなってます。コケる前に比べたら、もうちょっとだけど自分のレースはできてるんで。あとは粘りがついてくれば。前回、決勝に久々に乗れたんで、ここからいい流れに乗って行けたら」


 これからはマーク屋として戦うことを宣言した藤木裕は「状態も上向いてると思う」ときっぱり。初日は栗山の番手から節目の300勝を狙う。

4R

選手の写真です。
木村隆弘選手

 地元勢のトップバッターは木村隆弘(写真)だ。今回は追加参戦だが、準備は万端。結果を残して、あとに続く地元勢へバトンをつなぐ。


 「ここに入るかなと思ってたんで練習はしてました。調子はいつもどおりな感じ。いい目標をくれたんで、どうにか運を生かしたい。ウィナーズカップの最終日は徳島勢が頑張ってたので、その流れを引き継いで。先頭バッターなんで頑張りたい」


 任された佐藤幸治は2月小倉から3場所連続優出と好調だ。


 「流れに乗って来れました。あとは優勝したいけど、なかなかですね。最近はようやく着がまとまってきたし、安定してきた。勝ち上がりは(2着権利で)厳しいけど、しっかり走りたい」

5R

選手の写真です。
吉本卓仁選手

 吉本卓仁(写真)は3月名古屋記念でも3度の確定板と復調一途。配分間隔も空き、練習十分だ。


 「練習はめちゃくちゃしっかりしてきました。最近は兆しが見えてる感じで面白いと思うけど、疲れが心配ですね。2月岐阜で永井(清史)君に練習方法を聞いて、そこから1カ月ぐらいやったらパワーがついた。名古屋よりは仕上がってると思う」


 新井秀明は名古屋記念の二次予選で叶わなかったワンツーをここで狙う。


 「前回(福井224着)はよかった。今回は追加なんでね。直前は雨であまり練習できてないけど頑張ります」


 柴崎俊光は同県の谷口遼平との連係から勝ち上がりを目指す。


 「前回(久留米は最終日一般戦回り)はやってしまいました。状態は普通なんですけどね。今回は初日の勝ち上がりが厳しいんでシビアに行きたい。谷口君とは2月川崎の初日に初めて連係して今回が2回目だと思う。2人で頑張ります」


 

6R

選手の写真です。
北村信明選手

 北村信明(写真)は大事な地元戦を前に3連続落車。流れの悪さに苦笑いするばかりだ。


 「3月玉野は右腕が折れてるのかなと思ったけど、病院に行ったら折れてませんと言われた。気合いで中3日の岐阜にいったら、あの仕打ち(落車)。心が折れました(苦笑)。玉野からはケアばかりだけど、それまでの貯金で頑張りたい。戸田(康平)にしっかり付いて行きます」


 笠松信幸は前回の岐阜では鋭い伸びを見せて久々の優勝を飾った。


 「決勝は残り1周で9番手でしたからね。ちょっとセッティングを変えたぐらいだけど、久々に感じはよかったです。中3日で特に変わったことはないけど、変わらず悪くない。疲れもないです」


 川口公太朗はここ5場所で3度の優出と乗れている。


 「だいぶよくなってきたので、このままS1を目指したいですね。特に変わったことはないし、コツコツやってきたことが出てるだけ。でも先輩にアドバイスをもらって戦い方は定まってきた。今はやりたいレースができてます」


 

7R

選手の写真です。
室井健一選手

 松浦悠士も予選からのスタート。2着権利の狭き門をきっちりと突破するか。


 「(点数的にも予選)それぐらいと思って来てるので。状態もいいですね。落車の影響もないし、名古屋(記念)の前から練習も上々なんで。それが最近はレースにも結び付いている。勝ち上がりが厳しいけど、しっかり力を出すことを考えて。それで飛んだらしょうがないぐらいの気持ちで走ります」


 室井健一(写真)は2月小倉の落車はあったが、引き続き安定した成績を残している。


 「流れがいいね。こういうときに点数を上げとかないと。直前の感じも変わらずで状態は普通。やっぱり展開やね。それだけ。どうにか初日はクリアしたい」


 

8R

 永井清史は好調を維持している。3月久留米の欠場はあったが、状態も問題なさそうだ。


 「一本欠場したけど、体は問題ない。去年11月の伊東で外国人選手と対戦して力不足を痛感した。それから若い頃にナショナルチームに入ってたころの練習メニューに取り組むようにした。1週間のスケジュールを立てて今はやってます」


 北野武史は永井との連係に気合いを入れる。


 「前回(久留米は同じ配分だったが永井が欠場)の分もね。あの野郎! 調子は普通かなっていうところ。こんなもんだろうってところです。気負わずしっかりね。強いのを(目標に)もらったんで。これならダメでもしょうがない。強いんで連係を外さないように」

9R

 ここは前回の久留米でFI戦初優勝を飾った石塚輪太郎が人気を集めそう。


 「調子はいいと思います。変わったことはないけど、やってきたことがちょっとずつ出て来た感じです。小松島はけっこう走ってるけどイメージは普通。2着権利なんでしっかり考えて走ります」


 中野彰人は2月和歌山で石塚の番手から優勝している。


 「調子は普通。ほんま普通です。和歌山の決勝は先行してくれたから差せたけど、まくりなら無理でしょうね。いい目標がいるんでそれを生かせるように」

10R

選手の写真です。
根田空史選手

 根田空史(写真)は3月京王閣、高松と決勝には勝ち上がっているが浮かない表情。


 「高松は感じがよくなかった。体調自体は悪くなかったし、行けるところでは行けたけど、自転車がかみ合ってないなって感じでした。今回はハンドルの幅を戻して、それでいい感覚が戻れば。本当はギアとかも試したいけど、2着権利だしビビッて初日はハンドルだけ。準決勝に行ったら試したいですね」


 岡村潤は根田との連係を手放しで喜んだ。


 「最近は南関の自力がいないレースが多かったからね。そのなかで何とか走ってる状態だった。今回は初日から根田君がいるし、他にも南関勢はいる。根田君とは1月松阪記念の決勝で連係して以来です」


 東矢昇太は「動けているんで悪くはないと思います。2着権利ですね、頑張らないと」。S級復帰後もまずまずの成績を残せているだけに、根田を相手にどこまで抵抗できるか。


 

11R

選手の写真です。
阿竹智史選手

 地元のエース阿竹智史(写真)が予選のメーン。年頭の立川記念から落車が続いているが、ここは気持ちで乗り切るか。


 「前回(3月四日市)は落車した名古屋記念から3日間ケアだけで行ったんで、調子は悪かった。まあまあ(レースを見た感じも)ひどかったでしょ。ここまではちょっとウエイトを本格的にやったんで、そこを変えたくらい。前検日にちょっと乗ってみて脚の感覚がよければいいけどね」


 佐々木豪は前回、久留米の準決勝では9着だったが、S級に上がってからは力強い走りで存在感を見せている。


 「まだまだっすね。組み立てとか甘いところがいっぱいある。気持ちを強く持ってるときと持てないときの差が激しくて、それが結果にも出てる。まずはムラをなくしたい。ウィナーズカップで愛媛の先輩が決勝に乗ってるのを見ると、自分もあの舞台に立たないとと思うし、中四国の波に乗らなあかんと思う。(初日の)自分の役割はわかってる。阿竹さんとワンツーをしっかり決めたい」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 ウィナーズカップ直後とはいえ、特選は強豪ぞろい。3月久留米を欠場した山田英明(写真)だが、体調は問題ないようだ。


 「腰痛が出かけてたので、大事を取って一本休みました。今は影響もないし、練習した感じもいい仕上がり。ここからまた地元記念に向けて上げていきたい」


 2月の全日本選抜でも優出するなど、ビッグレースでも目覚ましい活躍を見せる古性優作は追加参戦だ。


 「静岡記念のときより前回の京王閣のほうが自分の感じ自体はよかった。でも優勝できなかったので考えさせられる開催でした。今回もセッティングとかいじりながら今後につながる走りができれば」


 ウィナーズカップ前年度覇者の郡司浩平だが、今年はウィナーズカップには出場できず。その悔しさをここにぶつける。


 「(3月岸和田で落車したが)体は問題ない。ウィナーズカップに出られなかったのは自分の実力。その分、ここに照準を合わせてしっかり練習できた。落車で一本休んでケアをしたけど、そのあとも空いてたんで。自分なりには万全だと思う。あとは優勝だけ目指して。桜花賞やダービーに弾みをつけられるように頑張りたい」


 山崎芳仁も忘れてはならないビッグネームだ。


 「(欠場した3月)松阪のときにギックリ腰が出た。治まったから高松には出たけど、(開催の)直前にまた同じ感じになってしまってた。それに比べたら今回はいいですね」


 

1R

選手の写真です。
竹内公亮選手

 周回中の隊列から動きがないまま打鐘で誘導員が退避すると、前受けの吉川誠がそのまま主導権を握る。4番手の根本哲吏は2コーナーからまくり。粘る吉川を直線で飲み込むと、この動きに続いた竹内公亮(写真)が抜け出した。


 「根本君が前受けなら後ろの後ろになりそうだったけど、やった根本君が前だと思った。絶対カマシかまくりがあるだろうから、そこからと。地区プロにも出たことない一番の素人だと思うけど、よかったです。脚にも余裕があったし、勝てて嬉しいです」


 まくった根本哲吏は2着に。


 「緩んだら行こうと思ったけど、吉川さんは結果、俺待ちかもと思った。それに緩まなかったんで。長い距離はいいけど、やっぱり立ち上がりに不安がある。2走目も頑張ります」


 逃げる吉川の番手になった福島武士だったが、大事に行きすぎて根本の仕掛けにかぶってしまった。


 「自力を出したかったですけどね。バックで緩んだけど、吉川さんは流しよんかなと思った。合わせて出て行っても、その動きが持って行ってると見られたら失格だし…。自力を出してればアタマもあったかも。もったいない」


 

2R

選手の写真です。
須永優太選手

 7番手から関貴之が動くと、この動きに乗った白岩大助が打鐘過ぎ4コーナーから前に出て主導権を握る。白岩の後ろから山田庸平が2コーナーまくりを打って、この2人で踏み合いになると、3コーナーでようやく視界が開けた須永優太(写真)がコースを縫って突き抜けた。


 「車番外やしヤバいと思ったけどね。2コーナーからかぶってたけど、(山田が月森亮輔に)合わせて出て行くのが見えて、そこからは上手く判断できた。(2月小田原の落車で)左の肩鎖関節を脱臼して、ちゃんとモガけたのは1週間ぐらい。よかったですね。これで2日目は気楽になりますね」


 何とか白岩を飲み込んだ山田庸平だが、ゴール寸前で須永に1着をさらわれた。


 「打鐘のところの反応が遅かったですね。セッティングが合っていないのかスカスカする感じで綺麗に回せていないですね。でもその中でも力勝負ができたので。しっかりと修正して頑張りたい」


 先行策に出た白岩大助は3着に粘った。


 「先行は10年ぶりぐらいですね。しかも意外に残れたんで。競技は好きだし、初日も前々にと思ってた。前がすんなり駆けたらまくるのは厳しいし、関君が先に切ってくれて楽になりました。(3着は)デキすぎですね」


 

3R

選手の写真です。
藤木裕選手

 小林申太が赤板ホームから動くと、前受けから下げた栗山俊介は小原太樹をドカして打鐘から主導権を握る。番手の藤木裕(写真)は小林に飛びつかれたが、これをしのぐと小原の巻き返しもきっちりけん制。直線鋭く抜け出し、節目の300勝を飾った。


 「栗山のおかげです。全部任せてた。小原君がまくって来るのも分かってたんで。でも、そこから自分を信じられず、食われてしまうと思って早めに抜きに行き過ぎた。そこが失敗ですね。もう少し残せた気がします」


 水谷良和を飛ばして早い段階で3番手単独になっていた木村貴宏が2着に突っ込んだ。


 「申太も4番手に引いて小原と併走なら(粘って)と思ったんじゃないですか。申太も気持ちが入ってたけど、藤木が強かった。僕は悪くないと思う。悪くないというかいつもどおりですね」


 惜しくも3着の渡辺正光は「脚は余裕あったけど、ずっと併走だったんで。2着まで行きたかったけどね」と悔しがった。


 

4R

 赤板の1センターでインを切った佐藤幸治が山口智弘ラインを出させて中団をキープ。仕掛け所を見極めて2コーナーから踏み出した佐藤が一気に前団を捕らえると、最後は地元の木村隆弘が差し切った。


 「佐藤君が中団を取ってくれて2コーナーから仕掛けてくれたおかげです。付いていくぶんには余裕があったし、今までの地元戦の中で一番の仕上がりですね。お客さんの声援も力になりました」


 まくった佐藤幸治は2着で準決勝へ。


 「なるべく後手は踏まないようにと考えて、うまく中団は取れましたね。中団を取ってから良い踏み応えだったし、変わらず良い状態はキープできていますね。ラインで決まって良かったし、この勝ち上がりは大きいです」


 一方、相川永伍は後手を踏みまくれずに凡走。


 「中団取りも視野に考えていたけど…。ジャン過ぎのところで行くことはできたけど、見てしまい行くことができずに反省ですね」


 

5R

 後ろ攻めから押さえて駆けた日当泰之が別線に睨みを利かせながら主導権。最終周回、後方8番手から巻き返しを狙った谷口遼平は、竹村勇祐に弾かれて不発に。その隙を逃さず3コーナーで内へ斬り込んだ柴崎俊光が竹村を掬ってそのまま抜け出すが、態勢を立て直した竹村が再び踏み込んで直線外を一気に突き抜けた。


 「谷口君が前を取ることを想定していなくて。本当は後ろ攻めから斬って中部を受けて中団を取る作戦でした。展開は違ったけど日当君が頑張ってくれた。(柴崎に)掬われて終わったと思ったけど、もう一度踏んで伸びたのでデキは良いと思う。番手回りにも慣れてきて余裕がでてきた」


 煽りを受けて外に浮いた吉本卓仁を見切り、コースを探して突っ込んだ新井秀明が2着に強襲。


 「危なかったですね。(2センターで)谷口君があのまま降りてきていたら…。バックを踏んでからでも伸びているし調子は良いと思います」


 不発に終わった吉本卓仁は悔しそうにレースを振り返る。


 「体の反応とか調子は凄く良かった。中団を取ったあともまくりに行く準備はできていましたし、あとは気持ちだけですね。最後は煽りがあって苦しかったけど、その上を行くくらいのつもりで仕掛けないとダメ」 


 

6R

選手の写真です。
北村信明選手

 柴田竜史、川口公太朗の順で動いたところを打鐘で戸田康平が叩いて主導権を握る。4番手は川口、阿部大樹で併走になったが、内をすくって川口が1車上げる。戸田マークの北村信明(写真)は後続をけん制しながら直線で抜け出した。


 「めっちゃ嬉しい。泣きそうです。戸田のおかげですね。あんだけ早く行ってくれて。それだけ。(柴田の)まくりもあんまり進んでないように見えたけど、不安だし内も空けてたんで来られる前に踏んでしまえと思った。人の後ろだったら違和感なくいけてるんで、(落車の影響は)問題ないと思う」


 北村後位を奪った川口公太朗が粘り強く外を踏んだ阿部との2着争いを制した。


 「どうせあそこでかぶるなら、6番(小川巧)をホーム前でドカして、5番(北村)までしゃくって行ければよかった。判断が遅れた分、あんなレースになってしまった。ダメなレースでしたね。内でずっと重かったので、道中も苦しかったです」


 阿部大樹は8分の1輪差の3着で勝ち上がりを逃した。


 「前回(3月前橋)の準決勝も3着同着で決勝に乗れなかったし、こういうのばっかり。体も動いてるし、悪くはないんですけどね…。でも本当に調子がよければ、外併走せずにあのまま叩いてる。最後も行くべきコースもタイミングも間違ってしまった」


 

7R

 5番手から上昇した藤井栄二が三浦翔大ラインを出させて4番手を確保。態勢を整えて最終2コーナーから仕掛けた藤井だったが、サラ脚で6番手にいた松浦悠士が、その上を軽々とまくり力の違いを示して快勝。


 「後ろの室井(健一)さんを連れていこうと思っていたのでしっかり仕掛けようとは思っていました。脚を使わないでの6番手だったし、藤井君が仕掛けなければ自分で仕掛けていこうと思っていました。普段ならまくりの上をまくれる力はないけど、上を越えられているし調子は良いと思います。ただ、ラインで(ワンツー)決めることができなかったのが残念ですね」


 室井健一は松浦に遅れ、藤井栄二に乗った畑段嵐士が2着。


 「主導権を取りにいくのが作戦でしたけど、8番(三浦)を出させてからも藤井君は落ち着いていましたよ。外から松浦君が来ているのは分かったけど、自分は内を締めていたのでそのぶん行かれてしまいましたね。それでも藤井君が頑張ってくれたので勝ち上がれました。感触的にはセッティングをいじる必要がありそうです」


 8番手に置かれた八谷誠賢は勝ち上がりに失敗して悔しい表情を浮かべる。


 「思ったより前がやり合ってくれなかったし、すんなり8番が駆けて自分にはキツい展開になりましたね。あの流れだとジャンの2センターで行くしかなかったけど、行けなかったです。修正して頑張ります」


 

8R

選手の写真です。
北野武史選手

 前受けした永井清史の後ろは、北野武史(写真)と伊藤拓人で初手から競り。打鐘で叩いた大矢崇弘に対し、6番手となった永井だが、大矢が流すところを、打鐘3角から巻き返して主導権を奪い返す。踏み出しであっさり競りの決着を付けた北野が続き、3番手には伊藤健詞を捌いた大矢。このまま永井を先頭に直線に入ると、北野がゴール寸前で逆転。


 「脚を使わないように使わないようにって。あとは永井君のダッシュに集中するだけでした。永井も自分に気を使ったのか、風を計算してなのか付けやすい感じで仕掛けてくれた。もう抜けないと思ったけど、あれもしかしてって感じで1着を取れました。外に小林君がきていたからヤバいと思ったけど2人で決まって良かった」


 ゴール寸前で末を欠いた永井清史だが、北野とのワンツーに笑顔で答える。


 「大矢君も突っ張る感じでは踏んでいなかったし、今日の風を考えたら一周踏み切ったらきついと思ったのでペースで。2着権利なので緊張しましたけど、勝ち上がれて良かった」


 4番手から直線鋭い伸びを見せた小林圭介は3着まで。準決勝への切符獲得はならなかった。


 「変わらず車は出ているんですけどね。逃げているのが永井君ですからね。厳しかった。あとちょっとでしたけど、調子は引き続き良いと思います」


 

9R

選手の写真です。
國村洋選手

 中団から石塚輪太郎に合わせて動いて誘導員を下ろした阿部力也は打鐘で押さえてきた石塚の番手に飛びつく。ホームで阿部をキメた中野彰人が番手を死守。大西祐のまくりをけん制して和歌山ワンツーかに、大西のスピードをもらった國村洋(写真)が外を鋭く突き抜けた。


 「よかったです。中野が仕事して自分のコースが空くのか、さらに外なのか。そういう展開を作ってくれたのは全部、大西だから。助かりました。自分も伸びましたね。2着上がりのところで1着もらえるのはラッキーです」


 逃げた石塚輪太郎が2着に粘った。


 「國村さんに食われてるんで、最後が甘いですね。もう少し上手く走れたけど、後ろに申し訳ない。僕が粘らせたような形にさせたんでね。最後は中野さんにも食われたと思ったけど、何とか残れてよかった」


 番手を守った時点で準決勝進出は決まったかに見えた中野彰人だっただけに、レース後は悔しがることしきり。


 「2着上がりは難しいですね。もうワンツーだと思ってたから。(大西が)止めたの見えてヨッシャーと思ったら。番手を守り切ってからもずっと余裕があった。油断したわけじゃないんだけど…」


 

10R

 中団の根田空史に十分フタをして打鐘過ぎに前に出た酒井拳蔵は4コーナーから一気にペースを上げる。根田は離れた7番手に置かれてまくり届かず。前受けからうまく3番手に入った東矢昇太が車間を詰めた勢いで2コーナーからまくると、離れながらも続いた原田礼がゴール前で逆転した。


 「ホームでキツくて普通に千切れたけど、それでも(東矢が)いい目標になったので。詰まったところをまくり追い込み気味に踏んでいけましたね」


 東矢昇太はバックから好回転でまくった。


 「あまりにもスンナリいい位置を取れたのでびっくりしました。仕掛けるタイミングもよかったですね。前回の2日目から変えたシューズがいいのか、自分が思ったよりも感触はいいです」


 酒井の頑張りに応えられなかった伊代野貴照は反省の表情。


 「酒井君もやることはやっていたし、ライン2車で難しいところはあったけど、あの展開なら(番手から)出ることも考えて踏まなければいけなかった。その辺が中途半端になってしまい…」


 

11R

 中団から先に動いた小川賢人を打鐘から小林史也が叩く。前受けから7番手に下げた佐々木豪は2センターから巻き返すと、2コーナーで小林を飲み込む。これで阿竹智史に絶好の展開かと思われたが、中村昌弘が3番手から鋭く突き抜けた。


 「前2人のおかげですね。恵まれました。前(阿竹)は遠慮気味に踏んでいましたけど2着権利なので。風が強いのに佐々木君が頑張ってくれたおかげです」


 阿竹の援護を受けた佐々木豪が2着に逃げ粘ったが、阿竹と勝ち上がれず。「もう今日は何も言えないですね…。明日また頑張ります」と言葉をしぼり出すのが精いっぱいだった。


 絶好展開を生かせずに勝ち上がりを逃した阿竹智史はガックリと肩を落とす。


 「終わりました。2コーナーから突っかかりっぱなしだった。(佐々木を)完全に残せないようなら踏んだけど、残りそうだったので…。脚を余して終わった」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 最終ホームで山崎芳仁、池田良に三谷将太の3名が落車。4コーナーで仕掛けていた山田英明(写真)は落車を避けてホームで出切ると、大塚健一郎の追撃を振り切った。


 「(2週間ぶりのレースだが)練習でもレースをイメージしてやってるので違和感はなかった。力が拮抗したメンバーなので失敗しないようにと思って走れました。山崎さんが行った時点で行こうと決めてたし、落車があったけど(大塚と)2車抜けられてラッキーでした。大塚さんから逃げ切れたのも自信になる。とりあえず1走目はマルですね。でも2日目以降もしっかり走らないとダメなんで」


 大塚健一郎は逆転ならず。レース後はローラーに乗りながら入念にセッティングを調整した。


 「サラ脚だったとはいえ、ヒデが強かった。(落車を避けた)あそこが一番キツかったですね。ついて行くのは全然問題ないけどね。抜けてないんで、ちょっといじります」


 落車を避けた郡司浩平だったが、はるか前を行く九州コンビには追いつかなかった。


 「とりあえず転ばなくてよかった。山崎さんが来るなって感じはあったけど、古性の動きが機敏だった。想定外のことをしてくるからね。余裕があったし、もう1回仕掛けられるような感じはあったけど、落車を避けていっぱいになっちゃった」


 ホームで接触したのが響いた古性優作は6着に敗れた。


 「内に反応してしまった。そこから先行しようと思って踏んだけど、(後ろの三谷が)コケてしまったから。2日目からはもうちょっと冷静に走りたい」


 

5R

選手の写真です。
佐々木雄一選手

 打鐘で前に出た白岩大助を竹内公亮が叩くと、そこを一気に吉川誠がカマして主導権を握る。離れながら追いかけようとする竹内を山田庸平が2コーナーで飲み込むと、この動きに続いた佐々木雄一(写真)がすかさず仕掛けて粘る吉川もとらえた。


 「初日は何もできなかったからね。(作戦は)何も考えていなかったけど、後方にはならないようにって思っていました。ここは動く人も多くてレースに流れもあったから。上がり11秒フラット? 20年前なら10秒5は出せてたね。元ナショナルだから(笑)」


 佐々木の動きに上手く乗った三浦稔希が2着に入線した。


 「本当はスタートで佐々木君よりも前にいたかったけど出られてしまったのであの位置に。あとは切り替え切り替えって作戦でした。でもやっぱりさすがですね、佐々木君は。自分は脚がないから誰かに頼らないと勝ち上がれないから」


 佐々木に行かれてからも粘り強く踏んだ山田庸平は3着で決勝進出を決めた。


 「展開的にも良くない流れになってしまったけど重かった。このフレームに慣れていないから体が合っていない感じがする。でも2走してレースの流れはつかめてきたので組み立てを修正して対応したい」


 

6R

選手の写真です。
福島武士選手

 車番順に並んだ周回から神田紘輔が打鐘で切ると、そこから福島武士、須永優太に根本哲吏と次々前に出る。1センターからハナに立って逃げる根本に外併走から神田が迫るが、バックから神田後位に切り替えた福島武士(写真)が直線で外を突き抜けた。


 「(エボリューションは)包まれたら持って行けん。昨日は迷ってる間にかぶったんで。(自分で切ってからは)自力がポンポンと来たんで、あの時点で誰かに入られんかぎり大丈夫と思った。バックで横にだけ出して、休みながらだったけど意外と伸びた。枠的にもどうかなと思ったけど決勝に乗れてホッとしました」


 逃げた根本哲吏は2着2本を並べてきっちりと決勝進出を果たした。


 「地脚だから出切ってからどうするかだった。企画レースでも主導権を取れたので今後にも決勝にもつながる。出切るのがキツかったし、2着に残れて収穫はあった」


 バック7番手で通過した関貴之は福島に続く形で3着に。


 「とりあえず3着に入れたんでね。本当は前から2番目がよかったけど、前になってバックでは一番後ろ(苦笑)。まあ確定板にのれたんでよかったです」


 内に詰まって5着の須永優太だが、初日1着のアドバンテージで決勝進出を決めた。


 「根本さんを合わせられるんじゃ?と思って踏みすぎてたかも。神田さんも1回動いたのに、もう外に来たらどこにいたんだと思いました。決勝に乗れただけラッキーですね」

10R

選手の写真です。
神山拓弥選手
選手の写真です。
郡司浩平選手

 前受けの郡司浩平は赤板前から上昇してきた東矢昇太を突っ張る素振りを見せると、うまく3番手を確保。打鐘過ぎ2センターから東矢が山おろしを使って駆けると、内をすくって番手に車を上げる。石塚輪太郎の巻き返しに合わせて1コーナーからまくって出ると、続いた神山拓弥(写真)がゴール前でとらえて決勝戦一番乗りを決めた。


 「郡司君が全てやってくれましたね。初手が前受けだったのでどうなるかと思ったけど、一回突っ張るところがすごいですね。自分は何もしないで抜いているだけなので」


 2着に敗れたとはいえ郡司浩平(写真)も前々に俊敏な動きを見せた。


 「初手の位置取りから嫌な感じはしたけど、要所、要所の判断としてはよかったと思う。ただ、まだ力を抜ける部分はあると思うし、出切ってからももう少し流せる部分はあるので新車の修正点はありますね。まだまだ伸びシロがあるということ。しっかり力を出し切れて勝ち上がれているのでいいと思う」


 石塚が合わされると、バックから松浦悠士は自力に転じる。4コーナーでからんだ三谷将太が落車してしまい審議の対象になったが、結果はセーフ。3着で決勝進出を果たした。


 「(石塚)輪太郎がもう少し早く行くと思ったし、来た時に一緒に上がっていこうと思っていたら来なくて…。それなら自分のタイミングで仕掛けたほうがよかった。少し輪太郎の動きをアテにしすぎました。自分だけのレースになってしまい後ろに申しわけない」


 打鐘の反応が遅れた石塚輪太郎は出切れずに終わってしまった。


 「8番手に下げてすぐ巻き返さないといけないのに、打鐘のところで見てしまい…。あそこの反応がすごく遅くなってしまった。反省ですね」

11R

選手の写真です。
山田英明選手
選手の写真です。
川口公太朗選手

 赤板前から上昇した山田英明(写真)は前受けの山崎芳仁に踏まれると3番手に入る。そこを打鐘で畑段嵐士が切ると、下げた8番手から永井清史が一気にカマす。2センターからの仕掛けを一度迷った山田だったが、1コーナーから再度仕掛けて後続をぶっ千切った。


 「(別線に)マークされているなかでもしっかり中団を取らないといけなかった。点数的にも自分が一番だったし、下手なことをしない限り大丈夫だとは思っていました。でも打鐘のところで永井君のラインについていかないとダメですよね。そのほうが後ろもついてきやすかったと思う。結果的にまくれましたけどみんなそれなりに脚を使っての展開になったので」


 畑段マークの藤木裕は直線で岐阜コンビの間を鋭く割って2着に突っ込んだ。


 「畑段君がレースを作ってくれたおかげ。脚も溜められたし伸びました。地元の向日町(FI)に向けて練習した成果が前回の岐阜くらいから出てきましたね」


 永井の逃げに乗った川口公太朗(写真)が3着でGIII初の決勝進出を決めた。


 「自分で自在に動いているしもっと余裕がないといけないと思うけど、緊張で力んでしまいました。山田さんがすごいスピードで来て止められないと思ったけど一車だったのでうまくツー、スリーに入れればと思ったんだけど。トラック支援競輪ですけど、GIIIはGIIIなので。初めて決勝に乗れたし永井さんの分まで頑張りたい」


 カマした永井清史は最後の末を欠いて4着に。


 「山崎さんが踏んでペースが上がってしまったし、カマシに行くにもキツかった。ここから上げないとってところで、もう上げられなかったです」

12R

選手の写真です。
佐々木豪選手
選手の写真です。
大塚健一郎選手

 竹村勇祐の動きに続いて打鐘で切った佐藤幸治は佐々木豪(写真)を突っ張って出させない。池田良のアシストで佐々木が3番手に入ると、そこをホームから古性優作が叩いて出る。すかさずその動きに乗り換えた佐々木は北野武史のけん制を耐えて、横一線の1着争いを制した。


 「佐藤さんに突っ張られて、ちょっと焦りました。池田さんが入れてくれて、落ち着いていけたのでよかった。本当は古性さんより先に踏むつもりだったけど、待ってスイッチできて落ち着いてたと思う。脚にも余裕はありました。3日制だけどGIII決勝は自信になります。すごく嬉しいです」


 佐藤後位から中近コンビに切り替えた大塚健一郎(写真)は冷静にコースを見極めて2着に突っ込んだ。


 「佐藤君が頑張ってくれて気合いが入った。9番(佐々木)を出させるようならアレだったけど、嬉しいですね。(古性が来た)あそこはまだ折り合ってなかった。最後は北野さんが振ってるんで、待って待ってしてから踏ませてもらった。今日は佐藤君のおかげですね」


 佐々木マークの池田良が3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。


 「佐々木君に付くのが初めてで、どういう動きをするのかわからなかった。(北野のけん制で)はれちゃうかと思ったけど、強いレースをしてくれました。自分の調子もいいですね」