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KOCHI KEIRIN

74#

検車場レポート

  • 9/13 Thu.  (前検日)
  • 9/14 Fri.  (1日目)
  • 9/15 Sat.  (2日目)
  • 9/16 Sun.  (3日目)

1R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 前回の岐阜記念では5251着と最終日の1勝にとどまった吉澤純平(写真)は、中3日の強行ローテ。同県の後輩、横山尚則とのタッグでオープニングレースを迎える。


 「横山君に任せていきます。後輩がいるんで、ありがたいですね。(中3日で)そんなに上積みはないけど、疲れを取りながら練習をしてきました。だから、疲れはないと思います。(ビッグを)あんまり意識すると良くないんで、一戦、一戦を大事に走ります。その方がレースの結果がいいですね」


 「2、3回あるんですけど、決まってない。だから(連係を)決めたい」とは、横山尚則。白星を積み重ねている近況から調子は悪くなさそうで、初日全力投球に集中する。


 「自分のやることを精いっぱいやって、力を出し切りたい。(近況の成績は)実力っていうより、展開に恵まれている。そこを実力で勝てるようにしないと」


 桐山敬太郎は前回の小田原記念を3468着と不本意な成績。ここ3場所は白星がない。


 「(前回が)良くなかったんで、なんとも言えない。気持ちを切り替えてですね。(南関ラインで)固めてくれるし、(二次予選が6着3人と)5着権利だからホッとしました。3着権利で4車並ばれるとね」

2R

選手の写真です。
山田英明選手

 13年のFIシリーズ以来の当所参戦となる山田英明(写真)は、動ける片折亮太が単騎になる細切れ戦のメンバーをにらむ。


 「片折君が単騎でいるし、一発狙ってくると思う。自分は隙がないようにしないとダメですね。練習はそれなりにできた、あとは走ってみてです。久しぶりの実戦で、レース勘がどれだけかっていうのもある。(前回の)オールスターのドリームレースは一生忘れない。風景が全然違った。グランプリもこんな風景かなっていうのがあった。ファンのみなさんのおかげです。あとは今年の静岡(グランプリ)で、それを実現できるように」


 片折亮太は3月のウィナーズカップに次いで、通算3度目のGIIの舞台。


 「(中2日での前回の岐阜記念を終わって)さすがに中3日で、今回は疲れが出てます。マッサージにも行かないで寝てました。ただ、走るからには頑張って、(ビッグでも)自分の形は崩さないようにしたい。できるかぎりのことはして、行けるところでしっかりと」

3R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 太田竜馬(写真)には、永澤剛、稲村成浩の東日本の2人が付いて、急造ながらも3車のラインが形成される。新たな練習に取り組みながら、太田はトップスピードに磨きをかける。


 「(後ろの人は)いつもと違うけど、ラインがあるんでレースをしやすい。練習は方向性を変えて、まだ力をつけている段階です。もっと自分の長所を伸ばそうと。スピードとパワーですね。(それまで)スピードが弱っていたところもあって、自分では納得できなかった。(展開が)どうなってもスピードでいけるようにしたい」


 中川誠一郎は、前回のオールスターからおよそ1カ月ぶりとなるゆとりのローテにリラックスムード。


 「やっと夏休みですね(笑)。リフレッシュできたんでよかったです。このあと共同通信社杯があって、寬仁親王牌が、(久留米での)熊本記念ですから。そこに向けてです。仕上がりはまあまあだし、脚の感じも悪くない」

4R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 原田研太朗(写真)が同期、同学年の松浦悠士との中四国連係にジョーク交じりにこう口を開く。


 「点数も(松浦)悠士の方があるんですよ。前を回ってもいいのに、1回も前を回ってくれない。(松浦の前回の)あの動きは調子がいい証拠でしょう。自分は特別なことはやってないけど、練習期間があったんで、やることはやりました。バンクが使えないことも多いんで、ウエートトレーニングをしたりしながら、疲れを溜めないようにやりました。久しぶりの実戦なんで、しっかりと。悠士は仕事もしてくれるんで」


 鈴木庸之は前回の名古屋FIを112着。単騎の決勝は、郡司浩平より先に仕掛けたものの、交わされて準Vに終わった。


 「(名古屋は)単騎だったんで、自分が仕掛ければ(後ろに)自力の選手がいるのはわかってた。だから、(展開は)想定通りでした。9番手にはなりたくなかったし、自分で動いてと思っていた。そのあとちょっと稲アレルギーが出たけど、大丈夫ですよ」

5R

選手の写真です。
南潤選手

 南潤(写真)は前回の岐阜記念を2291着。3連対も和歌山3車で連係した準決は、シンガリに沈んだ。


 「同県の2人が一緒だった時は緊張しましたね。そこからは体調に合わせて練習もやってきた。疲れは大丈夫です。(オールスター前の新人訓練の落車の)怪我の影響かわからないけど、(そのあとは)良くなかった。そのあと前々回の久留米の最終日にみんなにアドバイスをもらってセッティングをいじったらマシになった」


 南と同じく岐阜記念からの参戦となる佐藤慎太郎は、8着の準決を振り返り、気持ちを入れ直す。


 「(岐阜記念の準決は)悔しくて眠れなかった。負ける悔しさを味わって、刺激が入った。8着なんていうのも珍しいし、なんとか決勝に乗る方法があったと思う。(その前からのハードスケジュールで前回が終って)さすがに体の疲れというより、気持ち的なたるみがあった。メンバーは厳しいけど、なんとか二次予選には」

6R

選手の写真です。
山中貴雄選手

 自動番組編成で動ける3車が集まった北日本勢は、新山響平を先頭に結束。菅田壱道は3番手を固める。


 「新山を引けたのはデカいですね、3人でワンツースリーができるように。俺は早坂(秀悟)先輩の後ろしか回ったことないんで、並びはすんなりと。(前回の函館FIから)しっかり気持ちを切り替えて、優勝するつもりでモチベーションを上げてきた。新山が強いから分断される可能性もあるし、しっかり与えられた場所でしっかりと」


 通算4度目のビッグ出場となる山中貴雄(写真)は、4度目の共同通信社杯となる地元シリーズで村上義弘の番手でスタートを切る。


 「やっぱり地元なんで緊張はしています。(地元)記念とは違う感じですから。こういう自動番組でしかないと思うし、村上さんに付かせてもらう。結果を残したいけど、まずは迷惑を掛けないように。(仕上がりは)思っている以上に、いい感じになっている」

7R

選手の写真です。
佐々木則幸選手

 9月川崎FIを欠場した山崎賢人はオールスター以来、約1カ月ぶりの実戦。オールスターではGI初出場、初優出と大活躍しただけに、ここも活躍が期待される。


 「(初のGI決勝は)全部が足りないという感じがあった。もう1回乗りたいという気持ちで練習してきました。オールスターでは先行できなかったし、自分のスタイルを探って。500バンク自体あまり走ってないけど、初日は佐々木(則幸)さんと2人で決まるように頑張りたい」


 地元の佐々木則幸(写真)は自動番組により、山崎の番手が転がり込んできた。


 「ビックリですね。まずは付いて行かないと。前回の名古屋はボロボロ。行く前のバイク(誘導)とかではまあまあ踏めてたんですけどね。疲れかもしれないし、この年齢になるとそのときによって体調が変わる。山崎君の番手とはすごいっすよね。オールスターで決勝に乗ってるぐらいだし、周りは警戒してくると思うけど、まずはしっかり付いて行くことを第一に考えます」


 稲垣裕之は3月小倉の落車からなかなか成績が上がってこないが、ここからは向日町記念、寬仁親王牌と気が抜けないシリーズが続く。そろそろ浮上のきっかけをつかみたいはずだ。


 「オールスターが終わってから計画を立ててしっかりやってきた。3週間ぐらいあったし、いろいろ試行錯誤しながら取り組んでるところです。すぐには出ないけど、前半に怪我をしてから思うように上がってきてないので考えるところはありますね。オールスターで脇本(雄太)君と連係して、もっと高いレベルでと思ってトレーニングしてきた。ここからは大事な大会が続くので頑張りたいですね」

8R

選手の写真です。
桑原大志選手

 桑原大志(写真)は前回の岐阜で記念初優勝。前検日は多くの報道陣に囲まれた。


 「決勝はいいとこ取りしたみたいで申し訳ない。ここまでは疲れだけは溜めないようにと思ってやってきました。優勝の実感はないんですよね。うれしいのはうれしいけど、ずっと本当かな? みたいな。ゴールしたときも、やったーじゃなくて、えーって感じだった。これからもやることをひとつひとつやってですね。(初日は中四国が別線だが)うれしい話だと思う。別で走れるのは層が厚くなってるってこと。みんなできちっとしたレースをしたいですね」


 渡部哲男は不安を抱えたまま四国地区のビッグレースを迎えた。


 「前回、川崎のあとの感じがすごい悪かった。自転車との一体感がなくて、すごい違和感があった。そういうものはなくしてシリーズに入りたかったけど、そういう面では不安かな。前検日にゆっくり乗って感じを確かめたい。松本とはオールスターの初日以来。うまく走ってくれればチャンスはあると思う」


 松本貴治は準決で敗れたが、前回の小田原記念では3連対。オールスターに続き、2度目のビッグでどんな走りを見せるか。


 「小田原からはしっかり練習できたし、休むこともできた。しんどいなとかもないですね。高知での合宿にも行かず、地元で練習してました。感じも悪くないですね。高知は2回目。ただ500自体あまり走ることがないので、いい感じで走れたことがないですね」

9R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 武田豊樹はオールスター準決の落車で、小田原、岐阜と記念を2本欠場。今シリーズが復帰戦となる。


 「(落車で)首が痛くて、1週間くらい休みながらやれることをやってきた。打撲もひどくて痛みがありますね。落車でフレームもダメになって、今回は新しいのです。まだレースで走ってないのでわからないけど、練習の感じはよかった。阿部(大樹)君が自分に付いてくれるっていうんで、僕も自分で。(自力と追い込みの切り替えは)難しいですけどね」


 簗田一輝(写真)は今回がビッグ初挑戦。優出した5月名古屋記念から好調を維持しているだけに、初の大舞台でも期待できそうだ。


 「どこまでできるか頑張りたいですね。ここまではいつもと変わらず、普段通りにやってきた。感じは悪くなかったし、いつもと変わらずですね。今回は楽しみのほうが多い。負けて当たり前だし、気が楽ですね。強いなってインパクトを与えられるように頑張ります」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 三谷竜生(写真)はサマーナイトフェスティバルから3場所連続で決勝進出を逃しているだけに、ここから立て直したい。


 「小田原(記念)はあまり良くなかったですね。レース自体はできてたけど、思ってたよりもダメだった。スピードの立ち上げもそうだし、トップスピードを維持できてなかったので、しっかり練習してきました。以前はあまりできてないのがあったけど、状態は大丈夫だと思います。(番手の)柴崎(淳)さんとは仲がいい。僕の調子が悪かったときに乗りかたとか教えてもらったりもした。ラインで決められるようにしたいですね」


 吉田拓矢はオールスターから中24日と練習期間はバッチリ。強い三谷を相手にどのような走りを見せるか。


 「練習はしっかり計画的にできた。感じもいいんでね。あまりオールスターはよくなかったけど、その原因はわかってる。ここまでの空いた時間で修正もできました」

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 平原康多(写真)はオールスターの落車明けだった富山記念で決勝2着。今回はさらなる上積みが期待できそうだ。


 「オールスターで自転車が壊れてしまったんで、元に戻して富山に行った。弥彦(記念)まで使ってたやつで悪くはなかったので、徐々に体とマッチしてくれればいいんじゃないですかね。(富山は)初日はどうかなと思ったけど、厳しいなかで走って、日に日に修正していけたし、今回も上積みはあると思います」


 竹内雄作は前回、地元記念決勝での悔しい敗戦をこう振り返る。


 「仕上がりに欠けてる部分があった。これが現状なのかな。まだオールスターのほうがよかったぐらい。終わってからは疲労をケアして、なるべく疲れを取ってきた。岐阜のイメージが悪かったんで、それを払しょくしたいですね」


 単騎での戦いとなった取鳥雄吾だが、昨年の記念でも優出している高知との相性の良さは見逃せない。


 「オールスターでは内臓がおかしかったけど、だいぶよくなってきた。練習もできるようになってきました。直前はヒロト(清水裕友)と防府で1日やって、次の日は一緒に小倉に行って園田(匠)さんたちと練習した。小倉の人はみんな強くて、刺激をもらいました。高知は悪いイメージないし、仕掛けるところで仕掛けられれば残ると思う」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 ライン3番手回りでも人気になるのは浅井康太(写真)だ。前回の富山記念では単騎まくりで今年2度目の優勝を飾るなどタテ脚好調だ。


 「富山はしっかりレースができたんで。前回、前々回(オールスター)と納得のいくレースをして結果も出てる。年末のグランプリに出たいって気持ちがあるし、出ないといけない。そういう刺激を自分に与えながらやってます。賞金的にもここが勝負と思うんで、頑張りたいですね」


 永井清史は中部3車の番手回りという重要なポジションを任された。


 「岡本(総)君の番手は初めてです。前回の地元記念は勝ち上がれなかったのが悔しいけど、オールスターが終わってから空いてたんで、その間にだいぶ練習はできた」


 7月川崎FI決勝の落車で鎖骨を骨折した小川真太郎だがオールスターに強行で出場。その後は2場所欠場し、じっくりと体調を戻してきた。


 「もう元気になりました。休んでる間によく寝たんで(笑)。岐阜記念は走りたかったけど、鎖骨を折ってからバランスの部分でチグハグなところがあったんで。バランスはまだまだだけど、大丈夫だと思う。それにレースを走ったほうが戻ると思うんで。練習はそこまで悪くなかった。オールスターのころよりはいいですね」


 

1R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 4車の南関ラインを打鐘の4コーナーで押さえて出た横山尚則が、先行態勢を取る。最終ホームでペースが緩むと、8番手の小嶋敬二が1コーナーから踏み上げる。逃げる横山の番手で車間を空けた吉澤純平(写真)は、小嶋に合わせて詰めながらけん制。中を割った桐山敬太郎に踏み勝って白星を飾った。


 「小嶋さんはいいスピードだったし、自分が空けた時に来ちゃった。それでもなんとか止まりましね。桐山さんは見えてなかったし、振って締めたら横山に差し込み気味になったんで難しかった。番手なんでそこまで感じがどうかはわからないけど、1着はいいクスリになりますね」


 最終2センターで香川雄介の内を突いた桐山敬太郎は、吉澤を外に弾きコースをこじ開けて追い込んだ。


 「(横山に)ペースで駆けられてしまった。いい具合に流されて、(仕掛ける)タイミングがなかった。もう少しうまくできたのかなっていうのがある」


 8番手まくりで前団をのみ込むかに見えた小嶋敬二だったが、逃げる横山ラインを乗り越えられずシンガリ負けを喫した。


 「後ろも付いてくれてるし、(最終)ホームで仕掛けなかったら意味がない。もうちょっとだった…。コーナーが膨らんでしまって難しかった」


 

2R

選手の写真です。
山田英明選手

 打鐘の2センターで山本伸一が押さえたところを、佐々木豪がカマシ気味に仕掛けて最終ホームで主導権を奪う。山本が3番手に飛び付いて、山田英明(写真)は5番手をキープ。池田良がまくり追い込む山本を阻むが、その外を踏んだ山田が突き抜けた。


 「500バンクなんで中団を取りながら、細切れっていうのもあってあんまり早くからバタバタしてもしょうがないんで。あそこはしっかり切っておかないと。中途半端になって後手を踏んだら、西川(親幸)さんに迷惑を掛けてしまう。片折君が外にいたんで間合いが取れなかった。そのまま行くかと思って見ちゃいました。(最終)4コーナーはフワッとなって嫌だったけど、とにかく踏むしかなかった」


 最終2センターで池田が山本を外に張ると、椎木尾拓哉は池田、佐々木の内を追い込んで2着に伸びた。


 「(佐々木の)ピッチも良かったし、(山本)伸一さんは飛び付くのに脚を使いましたね。自分はたまたま、あのコースが空いたんで。(体の感じは)大丈夫です」


 7番手から最終バック過ぎに踏み出した和田真久留だったが、思うように車が出ず結果的に直線強襲の3着。


 「自分たちの車番的に、(周回中は)前か後ろになっちゃいますよね。(展開が)もうちょっといい回り方をするかと思ったけど、山田さんがしっかり動いてうまかった。(最終)3コーナーで踏み込んだけど出なかった。ラインで勝ち上がりたかった…」


 

3R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 松川高大が打鐘過ぎ4コーナーで先頭に立つが、中川誠一郎をどかして山田久徳が1コーナーで前に出る。そこを7番手から太田竜馬(写真)が一気に仕掛けると、堂々の押し切り。ラインで上位を独占した。


 「自分は成長過程だと思っているし、100点のレースは滅多にないから、日々修正を繰り返している。1着でも満点のレースなんてほとんどないから。前回から自転車、セッティングをガラリと変えた。パワーがないと踏みこなせないので、最近はそのための練習をしてきて、前回から取り入れた」


 マークした永澤剛は、太田の強さを褒めちぎった。


 「太田君は強いねー。踏み出しからすごいし、ケツを下ろしてもグングンと掛かっていく。ああいう子が強くなるんでしょうね」


 

4R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 打鐘過ぎに鈴木庸之が前に出ると、そこを原田研太朗が叩いて最終1コーナーで先頭に立つ。藤木裕、野田源一に次々と内をすくわれ8番手になった飯野祐太(写真)だったが、直線で中バンクを鋭く突き抜けた。


 「8番手になるとは思ってなかったですね。上って野田さんの外を行ったら届かないと思って内に行きました。でも、たまたまの(大槻との)1、3着なんで。自分が外を行っての1、3着が決まってればいいんだけど。脚自体はたまってたし、悪くはないと思う」


 2着の松浦悠士だが、前で頑張った原田が7着に沈んだことで表情は浮かない。


 「(原田が)叩きに行ったスピードは良かったんで、ワンツー決まったなと思ったけど、3コーナーぐらいからタレて来てたんで…。2コーナーぐらいから空けてサポートできればよかったのかな。(原田)研太朗が早めに行ってくれたし、気持ちは伝わったけど、それに自分が応えられてないんで。研太朗を残せなかったので、そこがちょっと…。研太朗に上げてもらったんで、そのぶんも頑張りたい」


 飯野マークから直線外を回した大槻寛徳が3着に突っ込んだ。


 「自分もいいコースを行けたと思う。展開は最悪だったけど、500バンクだし、5着権利だし、ああなったら落ち着いて走っていいよとは言ってた。落ち着いて走ってくれたのでよかった。脚の感じは悪くないし、上々ですね」


 

5R

選手の写真です。
古性優作選手

 櫻井正孝の上昇を制して3番手から動いた南潤が誘導後位に入ると、打鐘から踏み込んで来た櫻井に合わせて踏み込む。そこからは緩急をつけたペース配分で別線の巻き返しを封じると、番手の古性優作(写真)が鋭く抜け出した。


 「南君がすごくいいレースをしてくれた。中野さんに任されていたし、ラインで決めようとすれば、自分次第で決められたと思う。もっとやりようはあったかな。それができなかったのが少し残念です」


 櫻井マークから直線で中を割った佐藤慎太郎が、2着に食い込んだ。


 「櫻井が頑張ってくれた。(櫻井は)4コーナーまで脚をタメていたし、よかったんじゃないですかね。俺はずっとサラ脚だったし、コースも見えている。あそこのコースしかなかったですよ。車の伸びも問題ないですね。レース間隔が詰まっているので、気持ちが疲れてくるから、意識して気持ちを入れてます。展開さえ向けば勝ち負けの勝負はできそう」


 逃げた南潤が3着に粘り込んだ。


 「主導権を握りたいなって思っていた。500バンクなら(叩きに)来られてからでも合わせる自信はあったので。脚を使っているぶん、ホーム過ぎから駆けた時は掛かっている感じがなかったけど、悪い感じもなかった」


 

6R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 渡邉雄太の上昇に合わせて赤板で動いた新山響平が、主導権を譲らずそのまま駆ける。4番手は村上義弘がキープして、7番手からの出直しを余儀なくされた渡邉は最終ホーム手前から巻き返すが中団まで。4番手の村上がまくりを打つと、乗った山中貴雄はそのまま菅田壱道(写真)をすくって2センターで外に張る。逃げる新山の番手で絶好の早坂秀悟を、菅田は山中に弾かれながらも外から追い込んで交わした。


 「(新山は)2周過ぎたら突っ張るみたいな感じだったし、すごい強い気持ちだった。自分もそれに応えて3番手の仕事をしてと思ってた。早坂先輩が車間を切って、自分は締めていたら村上さんが仕掛けた。早坂先輩が振って、一瞬外して入られたのはミスですね。あれがなければ新山も5着までありましたね。8番(山中)が見えたんで、(当たられても)力が抜けないように腹に力を入れた。調子自体はいいですけど、反省するところは多いです」


 「新山の気迫はハンパじゃなかった。(菅田)壱道が1着で俺も2着、感謝しかない」と、早坂秀悟は好展開をメイクした新山を称える。


 「新山を5着までに残してあげられなかったのは心残り。申し訳ない。俺が車間を切って、もっとうまくやれてればっていうのはありますね」


 山中貴雄は4番手から仕掛けた村上のインを進出して、菅田を外に張って3着に追い込んだ。


 「(村上が)出た時に止まった感じがして、内に差し込んでしまった。アッと思ったら、菅田君のところが空いたのが見えた。緊張で脚が重かったけど、感じは悪くないです」


 

7R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 打鐘で前団を押さえた高橋和也を稲垣裕之が叩いてペースを落とすと、4コーナーから山崎賢人(写真)が一気にスパートする。最終ホームで先頭に立つと別線の自力型は誰も仕掛けることができない。最後の直線もしっかりと踏み直した山崎がシリーズ初の逃げ切り勝ちを収めた。


 「直前にしっかりと練習はできたので。初手の位置取りは前受けだけは避けようと。出切ってからは自分のペースで駆けられた。(別線が)まくってくる雰囲気もなかったし、最後の直線も踏み直せた」。


 山崎マークの佐々木則幸は、勝ち上がりを決めて安どの表情。


 「山崎君がカマシになったから緊張したけど、付いていけたからね。稲垣は飛び付いて脚を使っているし、3コーナーまでは誰もこないだろうと。(山崎は)最終バックでニュートラルに入れて踏んでいたよ。4コーナーで後ろからの仕掛けがないことを確認したので、差しにいったけど踏み直されました(笑)。でも、ワンツーで2着なら上デキでしょう」

8R

選手の写真です。
渡部哲男選手

 小原太樹、小松崎大地が動いたうえを最終ホームで清水裕友が切ると、そこを松本貴治が叩いて主導権を握る。これで番手絶好になった渡部哲男(写真)が清水の巻き返しに合わせて抜け出した。


 「松本はホームガマシがしたいって言ってたし、作戦通りですね。中四国で上位独占できてよかった。(別線が)真後ろじゃちょっとかばいにくい。最後は慌てましたね。来る前の感じが悪くて不安だったけど、ローラーに乗った感じはそんなに悪くなかった。たぶん疲れてたんでしょうね」


 絶好の3番手を確保した清水裕友だったが、まくり追い込みは渡部に合わされてしまった。


 「行けなかったですね。余裕はあったけど、キツかったです。行けるって気にならなかった。イマイチですね。体が良くないんで、しっかりケアして2日目頑張ります」


 清水追走の桑原大志が3着に食い込んだ。


 「(松本)貴治のペースもよかったし、(渡部)哲男のアシストもあって清水はにらまれた感じになってましたね。最後は内かなとも思ったけど。でも3着でよかったです」


 

9R

選手の写真です。
園田匠選手

 赤板の1コーナーでじわりと押さえた簗田一輝ラインに単騎の園田匠(写真)、関東コンビ、小倉竜二が切り替えて、石塚輪太郎は7番手。打鐘の3コーナーから石塚が巻き返すが、中井俊亮は離れて簗田が番手から石塚を追いかける。逃げる石塚の余力を計り最終4コーナーで先頭に立った簗田を、園田がシャープな伸びでとらえた。


 「自動番組は相性いいですね。高知は直線も長いので、道中も脚は溜まった。(最終)2センターくらいで仕掛けても良かったけど、かぶらいないようにだけ気をつけて内も締めていた。調子は変わらずいいと思うが、タイムが出ていないので手応えはまだわからない。ただ、1着取れたのが、なによりです」


 まだ22歳ながらも自在性に長けた簗田一輝は、石塚1車を冷静に出させての追い込みで勝ち上がった。


 「石塚さんの前受けは考えていなくて、早めに押さえにいきました。あと1周だったので、突っ張ろうと思ったけど出切られてしまった。中井さんが離れてくれたので、助かりました。番手に入ってからは落ち着いて走れた。脚は悪くないと思います」


 

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 赤板を過ぎても動きは見られず隊列に変化はない。周回中、8番手に位置した吉田拓矢は、2コーナーから上昇を始める。合わせて動いた久米康平が三谷竜生を押さえて、その上を叩いた吉田が最終ホーム手前で主導権を握って逃げる。吉田、高橋大作と出切って、3番手は単騎の高橋陽介と飛び付いた久米で併走。三谷は外に浮いた単騎の岡村潤を弾いて、2コーナーから仕掛けて前団をまくり切る。岡村をさばいて三谷に続いた柴崎淳(写真)が、直線でのマッチレースを制した。


 「(三谷が弾いた岡村は)次は自分のところだろうなと。このバンクはやっぱり独特だし、しっかりと考えて走らないと厳しいですね。正直、(状態は)わからない。なんとも言えません。ウォーミングアップとかの感じはずっといいんで、あとはそこ(自力の時の感じ)が一番大事ですね」


 要所、要所でさすがの立ち回りを見せた三谷竜生は、2着も危なげなく二次予選Aにコマを進めた。


 「(岡村のところは)単騎の選手なんで、あそこでもう1個引いてもしょうがないと思って、ああなりました。余裕もあったし、調子はいいと思います。しっかりと練習もできたし、2週間くらいなら空いてても(レース勘は)大丈夫ですね。いい感じだった」


 高橋陽との3番手争いに踏み勝った久米康平は、三谷、柴崎を追うように踏んで3着。


 「せめて3番手を取ってからと思ってました。権利のあるところにいないといけないんで。3番手でかぶらないのが一番良かった。そしたらバック線を目がけてまくって行けた。高橋(陽)さんとずっとかぶってしまった。それで溜めて勝負になりました」


 

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 打鐘の3コーナーで佐藤幸治が押さえて出るが、単騎でも臆することなく取鳥雄吾が叩いて先行策。番手に佐藤が飛び付く。平原康多を7番手に置いた郡司浩平(写真)は、5番手から最終2コーナーでまくりを打つ。逃げる取鳥をとらえると別線をシャットアウトして、郡司が押し切った。


 「平原さんより前の位置を取って、まくれたんで組み立ては良かったと思う。前にいた(単騎の)竹内さんの動きも気にしていた。自分のタイミングで仕掛けられたのもあるけど、踏み出しも良かったですね」


 神奈川コンビを追いかけて、外を踏んだ平原は堀内俊介のけん制でスピードが鈍る。平原マークから和田圭が、中のコースを踏んで2着に入った。


 「落車の影響で体調万全ってわけじゃないけど、平原さんに付いていくことだけに集中していた。最後は前(堀内)が振って空いたコースをうまく踏めた」


 人気の平原康多は、勝ちパターンのように見えたがスピードを欠いた。


 「オールスターで感触の良かった自転車が壊れてしまった。いまのモノは練習の感じがいいけど…。それで周回中は余裕もあるのに、力が伝わり切れていない気がする。修正点もあるので改善していきたい」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 岡本総が打鐘から主導権を握ると、最終1センターからまくって来た岩本俊介に合わせて永井清史が番手まくり。続いた浅井康太(写真)が好展開を生かして抜け出した。


 「しっかり永井さんを3着に残せたのでよかった。でも二次予選は自力なんで、総力戦で。サドルが壊れたんで、新品のサドルとともに頑張ります」


 後方に置かれた小川真太郎は2センターから外に持ち出すと、まくり気味に外を追い込んで2着に。


 「2センター、ここはあそこから伸びるんですよ。バックで出したい気持ちもあったけど、2センターまでは我慢しました。(野原)雅也の位置だったら1着もあったかな。ちょっと遠かったです」


 番手まくりの永井清史は3着で二次予選にコマを進めた。


 「(岡本)総君が頑張ってくれたので。(別線の仕掛けは)ホームかあの辺かなと思ってたし、合わせられてよかった。2着に残りたかったけど、前と後ろのおかげですね。こういう機会もこれから増えてくると思うし、少しずつ慣れていかないと。状態は悪くないです」

1R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 石塚輪太郎の動きに片折亮太が反応して、2人で重なるように前に出て片折が3番手に引いて石塚の主導権。隊列は落ち着いたかに思われたが、打鐘の2センターから片折が叩きに出て両者の踏み合い。石塚が主導権を死守も、中団の近藤隆司(写真)がまくってラインで上位独占を果たした。


 「(ラインが)3車だったんで、ちゃんと動いて3番手か5番手をと思った。片折君が仕掛けて、石塚君が出させてたら、まくれてなかったと思います。最後、踏み直せたし、ラインで決まってよかった」


 近藤マークの山賀雅仁は、直線で差を詰めるも交わせず。


 「後ろから来てじゃなくて、前で2人(石塚と片折)がやり合ってくれた。近藤に展開が向きましたね。それにしても強かった。自分は(中3日で)気持ちとかの疲れはあるけど体の方は大丈夫ですよ」


 

2R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 池田勇人、小松崎大地の順番で出たところを中部勢が押さえて主導権。しかしながら、先行態勢の伊藤裕貴は、ペースを緩める。8番手に置かれた中川誠一郎(写真)は、最終ホーム手前から反撃。合わせて駆ける伊藤をバック手前でとらえて、ロングまくりで押し切った。


 「前を取った時点である程度、ああいう展開になるのはわかってました。あとは緩んだところでと。(一次予選敗退で)勝ち上がりの緊張感がないけど、しっかりと体は動いています。また3日目からもお客さんの期待に応えられるようにしたい」


 最終2コーナーで熊本勢に切り替えた小松崎大地は、直線で前の2人に迫るも2着が精いっぱい。


 「もうちょっと(伊藤が)流すようだったら、(中川より)先に仕掛けようと思ってた。まだ伊藤君も踏んでなかったんで。(中川に)合わせて出られれば良かったんですけど…。ただ、踏んでいる感じは悪くないです」


 

3R

選手の写真です。
高橋和也選手

 佐藤幸治、高橋和也の順で前に出ると、そこを一気に新山響平が叩いて最終ホームから主導権を握るが、番手の神山拓弥が離れ、番手には高橋がはまる。1センターから岩本俊介がまくって、踏み直す新山とサイドバイサイドの争いとなると、高橋和也(写真)が直線外を伸びて前の2人をとらえた。


 「前々に踏んで行こうと思ってたけど、番手にはまれたんで。新山の掛かりはすごかったですね。たまたま差せた感じです。GIIで1着取れたのは気持ちの面でも大きい」


 岩本俊介は新山との力勝負を制して2着に。


 「新山がすごい勢いで行ったんで、そこを遅れないようにと思ってた。でも先頭が強かったんで、踏んでたつもりだけど、4車身ぐらい離れてしまった。そのせいで遠かったですね。最後はいっぱいいっぱいだけど、今の新山を倒せたのは大きいですね。(鎖骨骨折から復帰戦だが状態は)いいですね。自転車も新車だけど、体もいいけど道具もいい」


 

4R

選手の写真です。
櫻井正孝選手

 後ろで中井俊亮、竹内雄作がけん制をはじめると、打鐘前2コーナーから中団の真船圭一郎が切って中井を受ける。そこをすかさず竹内が叩いてホームから主導権を握るが、5番手から真船がひとまくり。続いた櫻井正孝(写真)が直線抜け出した。


 「強いっすね、真船が。あんな強いのは頼もしいけど、後ろもキツい。(指で輪を作って)バックでは視界がこんなに小さくなってましたよ。4コーナー抜けたら全開でと思ったら抜きすぎた。僕の感じも悪くないんでしょうね。番手を譲ってくれた(高橋)陽介さんにも感謝です。恵まれました」


 中井マークから高橋陽介を飛ばして北日本ラインに切り替えた山本伸一が2着に突っ込んだ。


 「なんとかっすね。シュン(中井)に任せた以上はと思ったけど、ああなったら自分でどうにかと思ってた。シュンも合わせて踏んでたけど、真船のスピードが違ったんで、僕はすかさず高橋さんのところに。その辺の対応力がまだまだですね」


 逃げる竹内の番手を回った志智俊夫が3着に入った。


 「みんな強いです。バンクが重い感じで、(竹内)雄作はスピードに乗せ切れなかったのかも。初日とは(バンクコンディションが)違う感じでした。(まくられたのは)力不足です、自分が」


 

5R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 打鐘の4コーナーで岡本総が渡邉雄太を叩くと、取鳥雄吾が最終ホーム目がけて一気に巻き返す。1センターで岡本を叩いた取鳥がバックを先頭で通過。番手の原田研太朗(写真)が、後方からまくり上げてくる渡邉をけん制しながらタテへと踏み込んで1着を手にした。


 「必死でした。取鳥君が頑張ってくれたおかげですよ。番手戦は自力で戦う時よりも緊張しますね。いつ仕掛けるのかわからないので。まだ自転車のセッティングで上積みは見込めそうだが、初日よりは良かったです。これからは(状態も)上がっていくと思う」


 最終バックを取った取鳥雄吾だったが、最後は失速して8着に沈んだ。


 「今回は(状態が)ちょっとヤバいですね。自転車が全然進まない。なにがダメなのか全然わからなくて…。とりあえず体をケアします」


 

6R

選手の写真です。
横山尚則選手

 4車の関東勢が前団に構える。澤田義和が打鐘過ぎに押さえると、横山尚則(写真)はちゅうちょすることなく6番手まで下げる。4コーナーで大槻寛徳が先頭になってスローペース。反撃のタイミングをうかがっていた横山は、最終ホーム手前からダッシュを利かせて襲い掛かる。大槻が番手に飛び付いて後続はもつれるが、2コーナーで出切った横山は最後の直線でもスピードが鈍ることもなく勝ち切った。


 「4車で並んだ関東なんで、なんとしても(積極的に)先頭を走らないとっていう思いでした。結果的には大槻さんが強くて、自分がどのタイミングで仕掛けたらいいのかってなってしまった。(前受けから引いて)最後一発ドカンって行った方が、(ラインとしても)一番結果がいいかと。(打鐘の)4コーナーで流れを殺さずに行けてればよかった。そこは反省しなきゃいけない。ただ、GIIで勝ち上がれたのは大きいし、こういうレースがいいキッカケになるようにしたい」


 「思ってた展開とちょっと違ったけど」とは、大槻寛徳。思惑が外れたものの、横山の番手を奪い2着に流れ込んだ。


 「理想は山中(貴雄)君を先行させて、自分が先まくりでした。(番手)飛び付きは頭にはなかった。前に出たのも、澤田さんに押し出された感じだった(笑)。踏めてるし、調子は良さそうですね」


 外に浮いた長島が後退すると関東3番手の稲村成浩は、大槻のインを突いて懸命にこじ開けて追い込んだ。


 「横山君はダッシュがいいから、付いていくのに必死だったし、そこに集中していた。大槻君の飛び付きや追い上げもあると思ってた。前が頑張ってくれたおかげです」


 

7R

選手の写真です。
川村晃司選手

 堀内俊介の上昇に合わせ、中団から山田久徳も踏み上げ3番手をキープする。最終2コーナーから山田がまくりを放つと、番手の川村晃司(写真)は車間を空けて、その外を迫ってきた山崎芳仁をけん制する。これで山崎のスピードが鈍ると、最後は山田をきっちりとらえて京都ワンツーを完結させた。


 「山田君が頑張ってくれた。いいタイミングでスピードもすごかった。番手回りは少しずつ慣れてきたけど、まだまだ甘い面もある」


 きっちりと好位を確保してまくった山田久徳は2着の結果にも満足げ。


 「初手の並びを確認した後からは、思い通りの展開に持ち込めた。僕にしては早めの仕掛けで出切って、後ろからの仕掛けがくる感じはなかったので、余裕を持って踏み上げられた。川村さんとの連係は失敗が多かったので、今回決まってよかったです」


 最終バック手前からまくった山崎芳仁だったが、川村のブロックで失速してしまった。


 「仕掛けるタイミングはあそこだったので。もうひと伸びする位置でけん制があり棒立ちのような状態になってしまった…」


 

8R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 前受けの吉田拓矢は赤板ホームから誘導員との車間を切ると打鐘前2コーナーから一気に踏み込んできた南潤を合わせ切ってしまう。番手の武田豊樹が離れ、村上義弘が南を吉田後位に迎え入れるが、そこを1センターから池田良がまくって来る。これに合わせて村上がバックまくり、村上後位で立て直した武田豊樹(写真)がゴール前で逆転した。


 「スピード差があったし、(南に)出られるのかなと思った。付き切ってればいいレースだったけど、申し訳ないですね。考えながら踏んだぶん、遅れてしまいました。マークを外したのは反省が残るし、3日目以降は修正したい。(オールスターの落車から復帰戦だが)少しずつ感じはつかんできたんで」


 バックから自力に転じた村上義弘が2着で準決進出を決めた。


 「2人ともこれからの時代を作っていく選手。激しい先行争いだったと思う。(南)潤が気迫のこもった、すごいレースをしてくれたのでなんとかいい結果をと思ったけど、そこは力不足ですね。(3日目以降も)ひとつひとつ一生懸命頑張りたいと思う」


 池田のまくりに乗った香川雄介が、渡邉晴智との3着争いを制した。


 「僕と池田のどっちかが中団。池田が前の方が(組み立ての)幅が広がるんじゃないかと思った。(池田が)打鐘で離れて脚を使ってたし、前に強い人が2人いたから(まくり切るのは)無理やと思った。最後は(渡邉)晴智さんも内を空けないだろうし、自分のタイミングで外から行きました」


 

9R

選手の写真です。
平原康多選手

 後ろ攻めの永井清史が佐々木豪にフタをすると、3番手の平原康多(写真)は打鐘で切って永井の仕掛けを受ける。永井が佐々木に叩かれ、6番手になってしまったが、最終2コーナーから仕掛けると豪快に前団を飲み込んだ。


 「永井さんが佐々木君にすんなり叩かれていたので、まずいなって…。稲垣(裕之)さんも気になったのでかぶる前に仕掛けました。(自分の)タイミングではなかったけど、力で行けるかなと。初日の修正はできましたね。(乗っている感じも)初日よりは全然いい。高橋(大作)さんと決まるかなって思ったけど、自分だけが勝ち上がったので、ラインで決められなかったことが悔しいですね」


 久米康平が最終3コーナーで高橋大作をブロック。ラインの援護もあって、逃げた佐々木豪が2着に粘った。


 「なんとか勝ち上がれました。前々に攻めた結果ですね。出切るのに脚を使ったし、キツかったけど、出切ってからはしっかり踏めました。ここ最近のなかではいい感じで踏めたし、初日よりも感触は良かった。準決も強い気持ちを持って走ります」


 稲垣のマークの村上博幸が、直線でコースを突いて3着に入った。


 「最後はコースを見て入っていけました。2テンポくらい遅れて入ったけど、届いたので良かった。(3コーナーのあおりは)想定内の動きだったし、余裕もあったので。レースは微妙に難しかったが、届いて安心しました」


 

10R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 打鐘で出た吉澤純平を早坂秀悟がすかさず押さえて先行態勢を取る。前受けから7番手に引いた山崎賢人(写真)は、早坂のペースを見極めて最終ホーム手前からフルアクセル。ダッシュを利かせてスピードを上げる早坂を山崎が2コーナーでねじ伏せる。小川真太郎は連結を外して、早坂が山崎を追いかける。山崎は援護を失いながらも先頭に立ってグングンと加速。別線の追撃を振り切った。


 「車番的に(周回中は)前か後ろになると思ってた。(前だったら)全部引いてから勝負しようと。(仕掛けるのが)一瞬、遅かったですね。早坂さんが駆けていたし、その上を行ったんでキツかった。(調子は)全然悪い感じはしない。手応えもあります」


 単騎の簗田一輝は、最終バックで9番手の最後方。7番手の吉澤がまくりを打つと、関東勢に乗って大外を回し目の覚めるような伸びで2着に強襲した。


 「単騎だったんで自分のことだけを考えて、自分で行けるところからと思ってました。メンバーを見て吉澤さんが一番強いと思ったんで、そこから(組み立てよう)と。小川さんにしても欠場明けだから、(山崎に)ちぎれる可能性もあるんじゃないかって。(最終)2コーナーで自分で行ける感じがあったけど、吉澤さん、木暮(安由)さんがいてビビっちゃいました。(ビッグ参戦が)初めてなんですけど、走ってて楽しいです」


 飯野祐太、永澤剛を連れて先行の腹を固めた早坂秀悟は、山崎に屈するもラインの助けもあって3着に粘り込んだ。


 「初日、新山(響平)があれだけ頑張ってくれて(自分が番手を回った)。だから、(ラインの一番前で)自分がまくり追い込みっていうわけにはいかない。飯野さんがいいブロックをしてくれた。あれで山崎のケツを目がけてまくって行く力があればいいけど、結果的には詰まらなかった。悔しいけど力の差を感じた。次、また走った時は負けないように。若い先行選手が出てきている。でも、自分もまだ負けるつもりはない」


 

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 打鐘の3コーナーで先頭に立った和田真久留は、郡司浩平(写真)、桐山敬太郎を連れてそのままペースを上げて逃げる。6番手で古性優作と松浦悠士が絡み、山田英明は4番手をキープ。郡司は後続との間合いと逃げる和田の余力を確かめて、最終バック手前から番手まくりで白星をつかんだ。


 「(和田)真久留が、こういう結果に導いてくれた。あの位置から一気にペースを上げて逃げてくれたおかげ。その気持ちに応えたいっていう表現が適切かわからないけど、桐山さんと決めるためにも番手から出た。小田原記念からのいい流れも崩したくなかった」


 後輩2人の頑張りを2着の桐山敬太郎が振り返る。


 「いままでは、いろいろあったけど(笑)。真久留が頑張ってくれた。正直に言って、こんな楽に勝ち上がったことは初めてだけど、いままでやってきたことも含めてのこと。そういう意味では調子がいいって言っていいのかも。連日、自力を出していない点はちょっと気になるけど」


 郡司、桐山に続いた山田英明は、外の松浦を弾いて直線で踏み込むも神奈川コンビを交わせず3着。


 「僕が前を取ってしまうと、不利なメンバーだったから我慢しました。この並びだったら、こういう展開だろうっていうのになった。ただ、和田君があんなに行くとは思わなかった。誤算でした。必死で飛び付いてめちゃくちゃ脚を使った。あれで自分で動ける脚はなかった。ノリさん(佐々木則幸)を連れて3着までと思ったけど…。でも、ノリさんと(準決に)乗れてよかった」


 

12R

選手の写真です。
清水裕友選手

 赤板1センターから動いた菅田壱道は中団の太田竜馬にフタをして最終ホーム手前から先頭に立つ。そこをすかさず太田も踏み込んで、2コーナーで菅田を叩き切ると佐藤慎太郎のけん制をたえて3番手の桑原大志も続く。8番手からまくった浅井康太も届かず、太田マークの清水裕友(写真)が好展開を生かした。


 「太田さまさまですね。(菅田に)フタをされたけど、そのぶん距離が(短くなった)。太田のパターンだったと思う。いいスピード差で行ってくれたし、それに尽きますね。うれしいです。太田の力で、僕は付いて行っただけ。(準決勝は)思い切って走りたいですね」


 太田竜馬は自慢のスピードでラインを上位に導いた。


 「ラインで決まってよかったですね。久しぶりにいい感じ。後ろを見る余裕はなかったけど、ずっと流れてる感じはあったし、悪くないと思う」


 佐藤のけん制で口が空いてしまった桑原大志だったが、なんとか追いつくと3着に流れ込んだ。


 「(けん制で口が空いた時に)2人頑張れと思って、応援に回った。でも、もう1回、菅田のところまで追い上げられたらと思って踏んだら行けたんで、あとは内だけ締めてと思ってた。清水も気を遣ってコースを空けてくれたし、若い子に助けられました。ただ、太田のダッシュはヤバいですね」


 8番手からの巻き返しは届かなかった浅井康太だが、辛くも5着で準決に勝ち上がった。


 「もうちょっとですね。展開が遅かったので負けたけど、しっかり勝ち上がることはできたんで。またチャンスがあるんで、しっかり修正したい」


 

1R

選手の写真です。
藤木裕選手

 打鐘の4コーナーで主導権を握った中井俊亮は、後続を一本棒にして取鳥雄吾を警戒しながらペースを上げて逃げる。番手の藤木裕(写真)は、間合いを計って最終バック手前からまくりを打つ。積極策の中井の気持ちに応えるべく一心に踏んだ藤木が白星をつかんだ。


 「久々のビッグで、足りないところがありすぎて難しかった。中井君のおかげですけど、正直このクラスで思うように戦えていないですね。ここに参加するまでの調整だったり、開催中の過ごし方だったりが、FIとかの感じで来たらダメだなって。レースだけじゃない疲れがある感じがします」


 4番手にいた杉森輝大が、直線で外を追い込んで2着。


 「状態が良くないですね。重たい…。思うように動けていないです。普通なら突き抜けているんだろうけど、モコモコしちゃっているし、車が出ていかない」


 

2R

選手の写真です。
岡本総選手

 打鐘で出た真船圭一郎を石塚輪太郎が押さえて、最終ホーム手前で主導権を握る。追い上げた鈴木庸之と真船が4番手で絡み、石塚がそのままペースを上げて逃げる。4番手を取り切った真船が踏むと、石塚の番手の岡本総(写真)は外に張りながら追い込んで1着。


 「(石塚)輪太郎のおかげですね。(落車続きの)自分の状態もあるんで、(石塚に)離れるかなっていう不安もあった。本調子ではないけど、車は出ている感じがしますね。この1着をいいキッカケにしたい」


 中近ライン3番手の仕事をソツなくこなした笠松信幸が、岡本に流れ込んで愛知ワンツー。


 「(岡本は)あんまり番手(の経験)がないと思うんで、自分は内だけはしっかり締めて入ってこられないようにした。(直線も石塚と岡本の)間を踏む方がいいかなと。感じは悪くないし、余裕はあるんで問題ない」


 

3R

選手の写真です。
池田勇人選手

 後ろ攻めから動いた片折亮太は竹内雄作にフタをして最終ホームから先頭に立つと、7番手に置かれた竹内はまくり不発に。これで番手絶好になった池田勇人(写真)は3、4番手を占めた神奈川コンビに合わせて踏み込んで白星をゲットした。


 「片折君とは相性がいい。今年の大宮記念でも勝たせてもらっている。やはり竹内君ラインを後方へ置かないと厳しい。僕たちだけはなく、ほかのラインもだから思惑が一致したかな」


 前受けから埼玉コンビの後ろに入った小原太樹が、池田を追走する形で2着に。


 「五十嵐(力)さんと誰も出なければスタートを取らされても仕方ないって話はしていた。いい位置が取れましたね。池田さんが車間を空けて合わせる準備をされたので仕掛けるのは難しかった。五十嵐さんと2、3着なら悪くない結果でしょう」


 

4R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 新山響平にフタをした山本伸一が打鐘で前に出るが、そこを2センターから新山が叩いて出る。口が空いた内藤宣彦を山本がさばいたが、新山との車間が空いてしまう。5番手から仕掛けた近藤隆司(写真)はバラバラになった前団をひとりずつとらえながらグングン加速。最後は和田健太郎の猛追も振り切った。


 「たまたますんなり(打鐘で)3番手に入れたし、前も空いていたので詰めて詰めてで行けた。流れが良すぎますね。最後は抜かれたと思ったけど、ビジョン見たら勝っててビックリしました。(3番手の山本)健也さんまで決まったのもうれしいですね。風を切ったらダメな感覚が連日するし、6、7年ぶりに来た高知は重い。でも1着はうれしいですね」


 わずかに交わせなかった和田健太郎だが、千葉でワンツースリーの結果に納得の表情。


 「かなり早い段階でハイペースになって近藤に向いた。落ち着いてたし、(前団の)間が空いてたのも良かったと思う。ワンツースリーで良かった」


 援護を失って山本伸に番手に入られた新山響平は、5着に沈んだ。


 「出てから流せば良かったけど、このままちぎってやろうと思って踏み過ぎた。脚も使ってたんで、最後はタレてく一方でした。でも、ダッシュは良かったので」


 

5R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 佐藤幸治が打鐘で切ると、その上を渡邉雄太がすかさず叩いて主導権を握る。6番手、外併走から仕掛けた吉田拓矢が合わせて最終1センターから踏み込む佐藤や粘る渡邉を3コーナーで飲み込んだが、佐藤マークから3コーナーで自力に転じた中川誠一郎(写真)が大外を突き抜けた。


 「作戦通りの組み立てでした。バックからも余裕はありました。脚の感じは良くもなく、悪くもなく普通ですね。初日はダメだったけど、仕方ない。これも競輪なので。佐藤君が頑張ってくれました」


 吉田にまくられた渡邉雄太だったが、粘り強く踏んで吉田を差し返した。


 「キツかったですね。でも、流れは2日目からいい気がしている。最後は吉田が外に振ってきたのでキツかったけど。(1着の)中川さんは外国人選手みたい(に力がある人)なので、特に気にしていない。吉田には勝てたので良かったです」


 

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 最終ホーム手前で主導権を奪った北日本コンビを受けて、原田研太朗が3番手をキープする。7番手に置かれた岩本俊介(写真)だったが、タイミングを取って1センターから発進。合わせて出る原田を南関3車で乗り越えて、鮮やかにまくった岩本が押し切った。


 「(ラインで)スリーまで決まったのがデカい。(原田と)真っ向勝負と思ってたし、あの位置(7番手)の方が僕の脚質的にも加速しやすい。(前回7月の落車の)怪我の影響は、治ったんでない。残念ながら言い訳にはできないです(笑)。それに新車なんですけど、それもすごくいい」


 「前の日の2日目に離れてるんで、いつもりより踏み出しに気を遣いました」とは、2着の岡村潤。岩本を交わしたかに見えたが、8分の1輪及ばず。


 「岩本のおかげ、付いてるだけだった。ちょっと(踏み出しで)先踏みしちゃって、萩原(孝之)さんは付きづらかったと思う。自分は乗ってる感じは相変わらずいい。ただ、街道中心に練習をやってきたんで、スピード練習を入れればもっといいかなと思う」


 

7R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 後ろ攻めの南潤をけん制しながら小川真太郎が打鐘で前に出るが、そこを南が強引に叩いて主導権を握る。これで8番手になった山崎芳仁だったが、2コーナーから仕掛けるとひと踏みごとにスピードアップ。稲垣裕之のけん制も乗り越えると、続いた佐藤慎太郎(写真)が鋭くとらえた。


 「このメンバーで勝ててうれしいね。お客さんから、慎太郎、良かったねって声援をもらったけど、俺がここでタイトルを獲ったことは誰も覚えてないね(笑)。正直に言って、このメンバーで俺が勝てるイメージはわいてなかったけど、山崎はしっかり構えてまくったから強かった。アイツのまくりは簡単に差せないから、調子も大丈夫でしょう」


 差されたとはいえ山崎芳仁は、豪快なまくりで健在ぶりを示した。


 「仕掛けかけたときに前で松浦(悠士)君が接触したので1回見てしまったけど、もう一度タイミングを取って2コーナーからいきました」


 まくられた南潤は「僕の組み立てが下手なのか…。流してペースに入れたほうが良かったのか、フカすべきだったのかわからなくて…」と、困惑気味にレースを振り返った。


 

8R

選手の写真です。
坂口晃輔選手

 赤板ホームから上昇した柴崎淳は打鐘過ぎの2センターで誘導員を下ろすが、後続の動きはない。松本貴治の仕掛けが遅いと見るや、最終ホームから腹をくくってペースを上げる。松本の巻き返しは坂口晃輔(写真)の外まで。コースをこじ開けて3番手から菅田壱道もゴール前迫ったが、これを張りながら踏み込んだ坂口が好展開を生かした。


 「(自分たちのラインが)動かしても、切られて後ろになるなと思った。すんなり駆ける形になるとは思わなかった。練習みたいな感じで駆けてたし、すぐスピードも立ち上がったし、(柴崎)淳さんが強かった。久々に決まり手がつきました」


 ゴール前で坂口にけん制された菅田壱道は、8分の1輪届かず。


 「どっかでこじ開けようと思ったけど、松本君は外で粘ってたし、(渡部)哲男さんも内に差してたから下手に持っていけなかった。やっといなくなったんで、きれいに踏めたし、展開が向いたところで1着取りたかったけどね。坂口がいいブロックしましたね」


 逃げた柴崎淳は3着に粘った。


 「あと2つ(のライン)が切りに来なかったし、(最終ホーム)あそこじゃ遅い。僕も先行がないわけじゃないんで。来たのも見えたし、うまく松本君を合わせて、(菅田が内に詰まる)この態勢は最高と思った。100回に1回だけど、たまには(先行も)出るんでね」


 

9R

選手の写真です。
椎木尾拓哉選手

 赤板の1センターから上昇した吉澤純平が打鐘で前に出ると、そこを久米康平が一気にホームで叩いて出る。前受けから下げた三谷竜生はこの動きに俊敏に反応すると、その外を仕掛けてバックで久米を飲み込んでしまう。これで三谷、椎木尾拓哉(写真)のマッチレース。粘る三谷をわずかに椎木尾がとらえた。


 「以前よりは良くなっているが、まだまだですね。2日目はスピードに対応できていなかったが、3日目はまずまず。最後は(池田に)割られてしまったので、内を空けないようにしないといけないですね。三谷君は強かったし、付いていて余裕はなかったですよ」


 久米をねじ伏せた三谷竜生の走りも力強かった。


 「(スタートで)前を取らされるのは嫌だったけど、仕方ないですね。でも、すぐに巻き返すつもりでした。調子は問題ないので、最終日もしっかり頑張ります」


 俊敏に切り替えた池田良がゴール前で中を割ったが3着まで。


 「久米君が頑張ってくれたおかげ。三谷君がすかさず仕掛けてきたので、切り替えていきました。脚的には問題ないですよ」


 

10R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 前受けの山崎賢人(写真)は、赤板で誘導を残したまま下げる。7番手で反撃のタイミングをうかがって打鐘の2センターでは大外に上がるが、前の桐山敬太郎にコースを塞がれて踏み込めない。先に横山尚則が山降ろしで主導権。山崎もすかさず仕掛ける。前団のあおりを乗り越えた山崎が、最終2コーナーで出切り、離れながら山田英明が懸命に追いかける。直線半ばで追いついた山田がそのまま交わしにかかるが、山崎が半車輪凌いで3連勝。無傷で前回のオールスターに続いて、ビッグ優出を決めた。


 「(前を取って)全部、引いてから仕掛けようって思っていました。緩んだら行こうとしたんですけど、コースがなかったんで待ちました。スピードはいい感じですね。これで負けたら(オールスターの優出が)たまたまって言われるちゃうんで、しっかり自力を出して勝ち上がりたかった。九州の先輩とGIIの舞台に上がったんで、また決勝で決まればいいですね」


 「前のおかげ、そのひと言です。僕の追走技術が、まだまだ。甘かった…」とは、山田英明。山崎に離れたものの、持ち前の自力を駆使して2着で山崎とともにファイナルのキップをつかんだ。


 「力がある選手と走る時には、もっとしっかりしなきゃ。それでラインの結束力を上げられるように。前があんだけ頑張ってくれてるのに、自分がちぎれるわけにはいかないっていう気持ちだった。(普段は)自力でやってるんで、(山崎に追いつく)力が残っていた」


 九州コンビを追走した和田圭は、最終3コーナーで古性優作、武田豊樹との併走を凌いで3着に流れ込んだ。


 「僕もダッシュがキツかった。あれで山田さんが(山崎に)ビタっと付けてたら、自分はぶっぱなれてました。自分でチョロチョロやらないで、九州の後ろに付いててよかった。ダメでもここって決めて、結果が出たんで。自転車を今回から新しくして、どうかなって思った。山崎(芳仁)さんと話して、スピード出るから(フレームが)硬くてもいいんじゃないっていうことだったんで大丈夫ですね」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 打鐘過ぎに先頭に立った平原康多(写真)を京都コンビが押さえる。単騎の佐々木豪が続くが、平原は佐々木をさばいて3番手をキープ。最終ホーム手前から山田久徳が踏み込んで、先行の腹を固める。番手で車間を切った村上義弘が後続を引きつけると、5番手の清水裕友が2センターから追い込んで、平原も踏み込む。直線の伸び比べは、平原に軍配が上がった。


 「最終ホームで佐々木君をどかすのに結構、脚を使った。普段ならもう少し早く仕掛けて木暮(安由)とワンツーを狙うパターンだけど、このバンクはコーナーで踏むと膨らんでしまうんで難しい。オールスターで落車して、ここが2場所目だった。初日にいろいろと修正したりとあったので、不安だらけでした」


 木暮と絡みながらも外を伸びた清水裕友は、2着に入ってビッグ初優出を果たした。


 「(最終)1コーナーくらいで佐々木が外にいたけど、入れちゃうと(自分の権利が)ないと思った。あとはそこから落ち着いて仕掛けられました。まさか自分が(ビッグの決勝に)乗れるとは思ってなかった」


 3番手の平原、5番手の清水にのみ込まれた村上義弘が、山田を称えて振り返る。


 「自在に動ける(山田)久徳なんで、強いのは知っている。信頼して付いていました。最終ホームで先行の腹をくくったのがわかった。あとは後ろでできることしっかりと。(直線は)脚負けです」


 

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 赤板ホームから動いて誘導後位に入った簗田一輝は打鐘で切りに来た浅井康太を突っ張って出させない。浅井は早坂秀悟との争いを制して3番手を南関勢後位を確保するが、そこを最終1センター、7番手から太田竜馬(写真)がひとまくり。後続をちぎって、ビッグ初優出を決めた。


 「出ようと思ったけど、早坂さんが内に行ったんで落ち着こうと思った。周りも見えてましたね。ゴチャつくなと思って、落ち着いていけました。あそこで出切っとかないと勝負権がないなと思ったし、出切ってから重かったけどスピードは良かった。あと1日、悔いのないように。もちろん(優勝を)狙わないと」


 太田にまくられた郡司浩平は、離れて来た香川雄介をブロック。2着で決勝進出を果たした。


 「それ(簗田の頑張り)に尽きる。(内から早坂が来たが)そこは必死に守らないといけないところなので。太田君のスピードが違ったし、あれは番手から出て行かないと合わせられない。後ろが空いてるのが見えたし、(香川の)スピードを殺して。簗田を残しにいこうと思ったけど、距離がまだ長いし、後ろに浅井さんもいるので2人で2着、3着は厳しいなと思った。1回待ったけど、あとは自分の判断で2着を取れるように(踏んだ)。最近の成績はラインのおかげもあるし、流れがいい。自分に追い風が来てると思ってる。(前で頑張ってくれた和田)真久留や簗田、後ろに付いてくれた先輩。決勝はその思いも背負って見せ場を作りたい」


 早坂の抵抗を凌いできっちりと3番手を確保した浅井康太が、3着に入って決勝最後の切符を手に入れた。


 「しっかり凌げたかなってところですね。その時の判断もしっかりできたんで。決勝は単騎で。平常心でしっかり自分のレースをしたいと思います」