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決勝戦レポート

山本伸一(奈良・101期)

山本伸一が2度目のG3制覇

 「最近は本当に結果が出なくて、悩んでいた部分があって。自分を見つめ直して、心と体と頭を入れ直して練習をやってきた結果が出て嬉しく思います」
 昨年9月富山以来、F1戦の優勝からも遠ざかっていた山本伸一が、通算2度目のG3制覇を納得の表情で振り返った。
 「高久保(雄介)君はいつも良いレースをしてくれて、S級初優勝も高久保君の番手だった。自分も気合が入るし、高久保君の気合に応えたかった」
 元・京都籍の山本にとって、高久保は全幅の信頼を寄せる存在。その高久保が、地元勢を出させず強気に駆けてレースを支配した。
 「(高久保が)土生(敦弘)を合わせ切って、(南)修二さんが後ろに降りたのも分かったし、バックで外に持ち出したのも分かったので、修二さんとゴール前勝負だと思った。高久保君の頑張りのおかげで勝てました」
 最終2センターで踏み込んで、南とのマッチレースを制した山本。「自分のウィークポイントを見つめ直してきた」と前検日から話していたように、現状を打破しようと自身と向き合ってきた成果がいきなり出た。
 「まだまだできていないけど、ウィークポイントを見つめ直すことは自分の弱気なところをなくす練習にもなる。好きな練習だけをやったり、苦しい練習から目を背けていた。嫌いな練習に取り組んでいる最中です。出来すぎです。今回は通過点というか、これからの方向性が出ればいいくらいに思っていた。それが優勝という最高の結果で、これに甘えずもっともっとやっていきたい」
 目指す場所の終着点はもちろんここではない。トップクラスで結果を残すべく、精進することに終わりはない。
 「本来なら修二さんも、僕もオールスターで戦いたかった。いきなり優勝は出来過ぎだけど、今やっている練習は間違いなく良い方向に出ている。競輪祭の権利をいただけたので、そこに向けてまたやっていきます」
 己と向き合い、己を高める。ハードトレーニングから逃げ出さないその先に、G1で輝ける日が待っている。
 
 地元G3完全制覇に挑んだ南修二だったが、あと一歩届かずの2着。いつも通り言い訳はせず、自身を厳しく評した。
 「土生が浮いた後は自分の力不足。いつもそうだけど、弱いというか。バックで自分で踏んで勝てないとどうにもならないと思って踏んで、たまたま(山本の)後ろに入っただけ。出切るつもりで踏んでますから」
 
 G3初制覇を狙った松岡辰泰だが、勝負所で内に詰まって万事休す。辛抱強く内を踏み続けたが、コースが空かず3着に終わった。
 「土生が降りてくることはないし、(最終)ホームで車間を空けておいて地元勢にスイッチしようと思ってたら、土生が浮いて南さんが降りて来ちゃって。ずっと外に南さんがいて、どうしようかと思ってたらゴールした。普段は内は見ないけど、そこしかないと思って踏んだ。G3の決勝に何回か乗って、舞台慣れはしてきたけど、まだ展開に対応する判断だったりっていうところが甘い」
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レース経過

 号砲が鳴ると南修二、山本伸一、伊藤健詞、岡本総が飛び出し山本が誘導員の後ろを占めた。高久保雄介-山本、土生敦弘-南、松岡辰泰-山口泰生、岡本-伊藤となり、単騎の簗田一輝は松岡のアウトで並走。3周目に松岡が車を下げて簗田が5番手に入り一本棒となった。
 青板周回の3コーナーから岡本-伊藤が踏み上げると、松岡-山口が続く。赤板過ぎの1コーナーで岡本-伊藤が前に出ると、更に松岡-山口が押さえて先頭に立つ。すると高久保-山本がスパートし、ジャンで松岡を叩き切った。3、4車身離されながら高久保-山本を追っていた土生は、最終ホーム手前の4コーナーで追いつくと、そのまま高久保に襲い掛かる。だが、懸命に踏み込む高久保を土生は叩けない。南は高久保-山本の後ろにスイッチ、3番手はイン松岡、アウト南で並走となった。山本は3コーナーでやや車を外に持ち出して後続をけん制すると、そのまま前に踏み込み、最終4コーナーを立ち直ったところで先頭に躍り出た。直線で外から南、内から松岡が山本に迫ったが、山本は振り切って優勝。2着に南、3着は松岡。
車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 山本 伸一 奈良 101期 S1 11.6 追込み
2 1  修二 大阪 88期 S1 3/4W 11.5 まくり
3 2 松岡 辰泰 熊本 117期 S1 1/2W 11.5
4 3 山口 泰生 岐阜 89期 S1 1/2B 11.5
5 9 高久保 雄介 京都 100期 S1 1/8W 11.8 H B
6 8 簗田 一輝 静岡 107期 S2 1/4W 11.5
7 7 岡本  愛知 105期 S1 1B 11.5
8 6 伊藤 健詞 石川 68期 S2 1/4W 11.4
9 4 土生 敦弘 大阪 117期 S2 D 13.3