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きしわだ競輪

KISHIWADA KEIRIN

56#

検車場レポート

  • 6/16 Wed.  (前検日)
  • 6/17 Thu.  (1日目)
  • 6/18 Fri.  (2日目)
  • 6/19 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 初めてGIの舞台を踏む山口拳矢(写真)は、前回の別府記念を1128着。決勝は8着も、松浦悠士を合わせ切ったスピードが光った。
 「(前回が終わってからは)ちょっと疲れがあるかなっていう感じだったので、しっかり疲れを抜いてきました。(前回で)9車立ての手応えもつかめました。朝はちょっと…。(1レース1番車は)避けたかったけど、与えられた以上は頑張ります」
 前々回の小倉FIを完全Vの北津留翼は、前回の別府記念を6124着。決勝では山口とも対戦して、まくり届かずだった。
 「(山口は)強いんで、初日の1レースからキツいですね。前回から新車なんですけど、まだ完ぺきに慣れてはいない。セッティングを変えるっていうよりは、体をそっち(新車)に合わせていこうと思ってます」

2R

選手の写真です。
森田優弥選手
 初のGI制覇が06年の高松宮記念杯だった山崎芳仁は、それから8度のGI優勝。タイトルを積み重ねた。
 「ここに向けていつも通り練習をしてきました。計画通りにやってこられたし、悪くもなく良くもない感じです。(岸和田は)軽いイメージがあるけど、(リニューアルされて)さらに軽くなったみたいで高速バンクのイメージですね」
 森田優弥(写真)は直近2場所のFIを3勝、2着1回、3着2回とハイレベルな戦績を残している。
 「普段通りに練習をやってこられました。調子の方はいいと思います。(リニューアル前の岸和田は)風は強いけど、走りやすいバンクでした」

3R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 5月のダービーでは3勝をマーク。その後も前橋記念、全プロ記念と太田竜馬(写真)は、安定した成績で2場所を消化した。
 「腰が痛かったんで(川崎FIを)欠場したけど、いまはほぼイケる感じですね。(近況の成績に関しては調子が)戻ったというより、良くなった感じです。(初日は)タイミングをみて、行けるところで行けるように」
 南修二は、4月の川崎記念以来、2カ月以上ぶりの実戦で地元GIを迎える。
 「(配分が空いたのは)あっ旋自粛ですね。普段と変わらない練習をしてきました。(リニューアルされた岸和田バンクに)毎日入ってるし、(前よりも)軽くなってます」

4R

選手の写真です。
眞杉匠選手
 補欠からの繰り上がりとなった眞杉匠(写真)は、5月のダービーに続いてのGI決勝進出の期待もかかる。
 「(繰り上がりがわかったのは)5日前くらいですかね。練習はいつも通り、やってきました。(ダービーは)流れとか運が良くて(決勝に)乗れた。まずは目の前の一戦、一戦をしっかりと」
 大石剣士は、ここ2場所のFIを6戦5勝と乗れている。
 「前回(豊橋FI)も調子が良かったので、調子を落とさないように(練習を)やってきました。練習の感じからは、(調子をキープ)できていると思います。(ビッグレースにも)慣れてきたんで、毎回得るものが多い。ビッグを走るたびに成長できていると思います」

5R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 前回の小倉FI最終日に落車に見舞われた取鳥雄吾(写真)は、鎖骨骨折からおよそ1カ月ぶりに復帰を果たす。
 「左の鎖骨が折れてた。コケて2日後に手術をした。全プロは間に合わない感じだったので、高松宮記念杯でパフォーマンスを出せるように。8割くらいはスピードが戻ってきている。いまできることを精いっぱい出せるように」
 山崎賢人は1411着だった5月のダービー以来、連続でGIでの実戦となる。
 「(ナショナルチームの遠征で香港から帰国して)2週間弱もあってそれから練習をしてきました。そのあといつもの(ナショナルチームの)練習があって、疲れはあるけどいつも通りですね。感じとしては普通くらいだと」

6R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 松井宏佑はナショナルチームの活動で香港に遠征。競輪は2カ月以上ぶりとなる。
 「(2週間の自主隔離のあとに)ナショナルチームに合流して、追い込んできた。疲れは結構、あります。(リニューアルされた岸和田は)スピード競輪になるなら、自分は大丈夫です」
 前回の全プロ記念が13着の鈴木庸之(写真)は、そこから中2週間以上とゆとりのローテで上積みもありそうだ。
 「それまで日程が詰まりすぎてたんで、(今回は)しっかり練習とケアができたと思います。脚が落ちていたこともあって、全プロでは調整なしで走ったんで、(13着の成績は)自信になりました。全プロの時にセッティングを変えてそれが良かったんで、そのままでここに来ました」

7R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
 117期の寺崎浩平を相手に、自力勝負の選択をする吉田敏洋(写真)は、気持ちが入っている。
 「まだまだコイツやるじゃないかっていうのを見せられるように。(前回から)10日くらいあったと思うんですけど、僕にはちょうどいい感じです。休養とトレーニングのバランスよくやってきた。(119、120期の)本デビュー前の若い選手たちとやって、若い力を吸収してきました」
 寺崎浩平はセッティングを変えて臨む今シリーズに、新たな変化を求める。
 「セッティングを前回からいじって、前検日に(バンクで乗って)確かめたかったんですけど。(雨で乗れないので)ローラーとかで確かめたい。(ビッグレースに)慣れてきて、この人はこんな走りだろうっていうのがわかってきた」

8R

選手の写真です。
黒沢征治選手
 白星ラッシュの近況は直近のFIシリーズを9戦8勝、2着1回の準パーフェクトと黒沢征治(写真)が乗れている。
 「ここに向けて長い距離をレースで踏めている。(GIになると最終)4コーナーからがすごいんで、もうひと踏みができるような練習をしてきました。(ダービーで同じ関東の)眞杉が決勝に乗ったんで、自分も乗りたい。けど、まずは一戦、一戦ですね」
 高橋晋也は、前回の地元、平FIの715着から中15日。
 「自分のなかでは結構、仕上がっている。(ビッグレースには)だいぶ慣れてきたけど、まだ気持ちで負ける部分があるんで、そこで負けないように。(初日も)後手を踏まないように、しっかりと積極的に」

9R

選手の写真です。
野原雅也選手
 前回の全プロ記念は落車明けのシリーズだった野原雅也(写真)は、中16日空いて身を入れたトレーニングができたようだ。
 「(前回は)わりと普通に走れました。(今回は)結構、時間があったので、スケジュールを組んで充実した練習ができました。1つでも上のレースに勝ち上がれるように。(初日は)仕掛けるタイミングを逃さずに積極的にいきたい」
 村上義弘は近畿ラインの3番手から活路を見出す。
 「5月まであっ旋が詰まってたんで、そのあとを空けていい練習ができたかなと。(疲れが)多少残ってしまった気もするけど、いい練習ができた。本場でもそうですし、テレビ観戦してくれている人たちにも、いいレースが届けられるように」

10R

選手の写真です。
根田空史選手
 根田空史(写真)は、全プロ記念を挟んで小倉、川崎とFIを優勝。軌道に乗ってきた感がある。
 「千葉と家でやったりして、いつも通り(練習を)やってきました。前回の川崎よりは、良くなっていると思います。(岸和田は)走りやすくて、成績もいいので相性はいい」
 全プロ記念で落車に見舞われた渡邉一成は、続く前回の大宮FIを116着。
 「(前回は)初日に修正点が結構あった。どうかなって感じでモヤモヤしたけど、2日目は修正できましたね。(前回が終わってから)オリンピックの関係で(CSCが)使えなくて、思うような練習はできなかった。静岡に行ってやったんですけど、いろいろやりたいことができなかったところはある」

11R

選手の写真です。
稲川翔選手
 前回の函館記念では準決で落車失格を喫した稲川翔(写真)は、できるかぎりのトレーニングをして地元の大一番を迎える。現在は通算299勝とメモリアル勝利の期待も高まる。
 「(落車の怪我は)右半身の打撲、擦過傷です。思ったよりも影響なかったので、2日くらい休んでから自転車に乗りだしました。やろうとしたことはすべてやってきた。地元ということでいやでも気合は入ると思うので、レースまではリラックスした状態を保てるようにしたい。地元で300勝できたらいいと思います」
 松浦悠士、清水裕友のSSコンビの注目の並びは、松浦が先頭を務める。
 「(前回が終わってから練習の)感触はあまり良くなかったです。調整、練習自体はいつも通りという感じです。(自転車は)ちょっとハンドル持つ位置を変えようかなと思っていて、(3月)広島の玉野記念からいろいろやっていたんですけど、前の方がいいかなと思って。それでちょっとフォーム的に変わるかもという感じです」

12R

選手の写真です。
守澤太志選手
 守澤太志(写真)は、前回の別府記念で16年の久留米以来、2度目のGIII制覇を遂げた。初日は新山響平の番手を回り、佐藤慎太郎がシンガリを固める。
 「(別府GIIIの優勝は)5年ぶりだったので、すごいうれしいですね。(そのあとは)普通に練習してきた感じですね。(手応えは)大丈夫です。ばっちりです。(初日は)新山君の番手にいかしてもらいたいと思います」
 4人そろった南関勢は2つに分かれての戦い。千葉勢と別線で深谷知広に前を委ねる郡司浩平はこう言う。
 「(前回の別府記念のあとは)いつも通りと言いますか、普通に練習して調整してきた。(感触は)いい意味で変わらず来ていると思います。(自転車とかで)いまのところは修正するところもないので、普通に練習して底上げしてって感じですね。(南関が分かれたのは)それぞれみんなが力を出す並びかなって判断して、こうなりました」

1R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 打鐘の3コーナーで先頭に立ち風を切る北津留翼に、山口拳矢が襲い掛かり最終ホームを迎える。山田庸平の再三にわたるけん制で、山口のスピードが鈍る。松本貴治は2コーナーでインを進出し、四国ライン3番手の原田研太朗(写真)は、自力に転じて最後方からまくり追い込む。山口マークから坂口晃輔が追い込み、北津留も逃げ切りを図るが、外を強襲した原田が届いて1着。
 「(松本)貴治がかぶっていたのでどうするかなって、落ち着いて見ていました。(井上)昌己さんのところは自分が付いていったらアウトかなと。う回しないとダメだと思って見てました。最後は前も詰まってしまったので、踏ませてもらいました」
 山口は直線でいっぱい。坂口晃輔が山口の余力を見極めて2着に追い込んだ。
 「(山口は)タイミング的にはいいところで外にもち出してくれたんですけど、ちょうど向かい風のところを下から踏んだのでキツかったと思います。でも、ああやって張りついて進んでいけるのは、(山口)拳矢の脚質だと思います。山田君のブロックがしつこかったですけど、行ってしまうんやろうなって思っていたので、内は見ず外だけ見てました。余裕はあったし外を踏んだんですけど、(原田が)最後一人だけスピードが違った」

2R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 カマした坂井洋がグングンと加速して、栃茨コンビで後続を千切る。離れた3番手がもつれて渡邉雄太が踏み勝つが、最終2コーナー手前から後方にいた山崎芳仁(写真)がまくって出る。逃げる坂井を直線半ばで、山崎がとらえて1着。
 「(周回中の位置取りは)後方は避けたいなっていうのがありました。坂井君が仕掛けると思ったんで、落ち着いていきました。(中団争いの)勝敗がついてからまくって行こうと思ってたんで、そこで緩んだし、しっかりと仕掛けられた。(調子は)悪くない。(1着が2日目の青龍賞っていうのは)知らなかった(笑)。最高ですね」
 北日本3車での上位独占は、番手の永澤剛が2着をキープした。
 「ゴール前で大森(慶一)さんに食われそうになったんで弱い。ジャンからペースも上がってキツかった。脚がないんであとは練習をするだけです」

3R

選手の写真です。
南修二選手
 前受けの太田竜馬を押さえて赤板過ぎから上田尭弥が先頭に立つと、中団が引いた太田と山本伸一で激しい取り合いとなる。これを見た上田はペースで駆けていくが、掛かりが一息。中団外併走の状態のまま最終2コーナーでまくった山本が前団を一飲み。最後は南修二(写真)が差し切った。
 「(地元のGIで1着スタートとなったが)良かったです。(お客さんの声援もあったと思いますが)嬉しかったです。(山本は)いつもいいレースをしてくれるので任せていました。僕は追走だけしっかりと思って。長い距離併走だったので僕が抜けたと思う。(久々のレースとなるが)怪我をしていたわけじゃないので大丈夫。(白虎賞に向けて)体調だけしっかりと整えたい」
 力を示した山本伸一だったが、準決勝がフリーパスとなる1着と2着の差は大きい。
 「初手が大事だと思っていたので集中していました。太田君は引くかなって思ったけど引かなかったので外併走でいいかなって。中団を取り合う感じで脚を使ったわりに思ったより出は良かったと思う。苦しい展開になりましたけど最後差されたので。そこだけ改善しないと上では戦えない」

4R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 スタートけん制があり、前受けを強いられた眞杉匠は5番手で飯野祐太と併走。最終ホームで5番手を取り切って、眞杉が1センター過ぎからまくる。飯野に張られて踏み出しで遅れた宿口陽一(写真)だったが、萩原孝之のけん制も乗り越えて、最後はまくりで抜け出した眞杉を交わした。
 「(飯野とからんだところは)余裕があったけど、(眞杉の)踏み出しに口が空いて、3コーナーで萩原さんにもってこられてキツかった。あとは(眞杉を)抜けるか抜けないかだった。(初日は)体がフワフワしている感じがあったけど、1走して刺激が入った」
 周回中から思惑通りにはいかず、主導権を握れなかった眞杉匠はまくりで2着。
 「前からっていうのが作戦になかったけど、(スタートで)けん制が入ってしまった。遅ければ突っ張るつもりだった。でも、(飯野が)いい感じで来た。もうまくるしかないなと。初日は負けたくないっていう思いもあったし、(1着で2日目の青龍賞進出の)夢みました」

5R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 赤板で前団を切った山崎賢人(写真)を押さえて取鳥雄吾が打鐘前2コーナーから主導権を握る。中団は山崎と稲毛健太でモツれ、そのまま取鳥が先行態勢に入る。何とか最終2コーナーで外の稲毛をドカした山崎は強烈なまくりで中国ラインを襲いかかった。3コーナー過ぎに取鳥を捕らえた山崎は後続を千切ってゴール。
 「後ろからになるだろうなって思って組み立てを考えていました。ちょっと中途半端だったので稲毛さんも自分の所にきたのかなって。ちょっと難しかったです。仕掛けた感じは脚も使っていなかったですし、問題ないかなって思っていたんですけど。調子は悪くないけど出はそんなに良くなかったですね」
 山崎後位だった松川高大、園田匠は山崎のまくりを追える態勢ではなく、取鳥の逃げを利した柏野智典が2着。
 「中団から切った上を叩いて相手の出方を見るって感じで考えていました。叩かれれば合った所を捌いてと思っていましたけど。山崎君が引くかなっていうのも頭にあったんですけど、併走になってくれてビジョンでも確認して。個人的にはちょっと重かったですね。ラインに助けられた感じです」

6R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 一本棒の7番手でタイミングを取っていた松井宏佑が、打鐘手前から反撃に出る。先行態勢の小松崎大地(写真)もペースを上げて、中団にいた鈴木庸之は松谷秀幸をさばいて松井にスイッチする。最終1コーナーで松井が強引に先頭に立つと、鈴木を成田和也がブロック。松井の番手に小松崎が入り鈴木も迫るが、小松崎に接触した鈴木が落車。それでも番手から追い込んだ小松崎が1着。
 「(松井を)出させないつもりで踏んで出られてるんで、そこは悔しいですね。(後ろが)成田さんと和田圭なんで、自分がしっかりと走れば、ラインが機能するかなと思ってた。(番手に入ってからは)これだけのメンバーなんで誰かしら追い上げてくるっていうのもあった。その動きが落車を呼び込んでしまったかなと。勝ち上がりでラインで決める最高の形だったんで良かった」
 外から追い込んだ成田和也は、4分の3車輪差まで詰め寄っての2着。
 「松井が先行するのはわかってたし、松谷が付いて来るのかと思ったら、後ろが鈴木だった。松井はけん制しきれない感じだったんで、鈴木をどかした。いいサポートができた。最後、抜ければ良かったけど、ラインでワンツースリーで良かった」

7R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 初手で5番手に位置した寺崎浩平に併せ込んでけん制してから踏み込んだ河端朋之が赤板2コーナーで先頭に立つが、追って3番手に入った寺崎は打鐘2センターですぐさま巻き返す。最終ホーム過ぎに河端をねじ伏せて寺崎が先手を奪取。その動きにしっかり反応して続いた三谷竜生(写真)が最後は差し切って好スタートを切った。
 「自分が思っていたタイミングというか寺崎君のタイミングで行ってくれた。(先行でもまくりでも)どっちでも良かったんですけどね。あそこで行ってくれた方が悪い方向には向かないかなって思うので良かったです。(後ろの状況は)しっかり確認できなかったですね。しっかり出切ったあともペースで踏んでくれて誰かくるかな?来ないかなって感じでした。神田(紘輔)さんのコースを空けようと思って踏んだんですけど。調子は悪くないですけど、若干重たかったですね。朝の指定練習は軽かったんですけど。明日(白虎賞)もしっかり走って準決も頑張りたい」
 吉田敏洋らの追撃を振り切って2着にも寺崎浩平が粘り込んだ。
 「(前回の)広島で前受けして中団にこだわってから外を踏んだんですけど。その後(村上)義弘さんとも話をして。河端さんが切った後に少し緩めた感じだったので、中団を取り合うよりは出切った方が良いと思って。あとはどれだけ粘れるかって感じでした。正直、重たい感じがしましたね」

8R

選手の写真です。
黒沢征治選手
 高橋晋也が中団の黒沢征治(写真)にフタをして赤板を迎える。2コーナーから再び踏み込んだ高橋が先行策に出て、黒沢は7番手に置かれる。前との車間が空いた黒沢は、詰める勢いでまくる。最終バック手前から合わせる和田真久留をスピードの違いで乗り越えた黒沢が、北日本勢も飲み込んだ。
 「最悪の流れで後ろにすごく迷惑を掛けてしまった。(2日目の青龍賞は)意識しなかったけど、(1着は)すごくうれしい。フタをされて(高橋が)駆けた時にあの上を行ければいいけど、内藤(秀久)さんのあおりとかで、怯んだのは反省点です。余裕はあったんで、あとは詰まったところで(仕掛けて)行こうと。踏み出しのところで踏んじゃって、イメージ通りじゃなかったけど、バックで流れました。明日(2日目)はもっと気持ちを出して、自分らしさを出したい」
 最終3コーナー過ぎのあおりをなんとかこらえた木暮安由が2着をキープした。
 「黒沢君は落ち着いてレースを見ていたし、行くところでしっかりと行ってくれたんでワンツーでした。(佐藤)友和さんも余裕があって、あおりもあったけど。(自転車を)うまく寝かせていけて良かった。(感触は)上積みはなく現状維持ですね」

9R

選手の写真です。
野原雅也選手
 合わせて動いた野原雅也(写真)は、中部ラインを受けて4番手を確保する。皿屋豊が風を切って、7場手の小川真太郎は打鐘の2センターから仕掛ける。が、皿屋はペースを上げて、小川は稲垣裕之の所に降りるのが精いっぱい。最終1センター過ぎからまくり一気の野原が、鮮やかに抜け出した。
 「中団を取れたらベストだと思っていたので、考えられる一番理想の形でした。あの並びになったら小川さんよりも先に仕掛けないといけないと思っていました。そんなに出は良くなかったですね。出切っていっぱいでした。でも1着で通過できているのでいいと思います」
 からまれた稲垣は付け切れず、逃げた皿屋豊が2着に粘り込んだ。
 「いつも野原君にはやられているので、今日(初日)は勝ちたかったですけど、まんまとやられてしまいました。合わせ切れればベストでしたけど、(野原は)中団からさら脚だった。でも、明日以降にはつながったと思います」

10R

選手の写真です。
竹内智彦選手
 渡邉一成、長島大介を中団で併走させて、根田空史が主導権を握る。鈴木裕は逃げる根田との車間を空けて、最終バック手前からまくった長島をけん制。渡邉もインを突いて、前団の隊列が凝縮される。9番手も2センターからコースを探した竹内智彦(写真)が、シャープに突き抜けた。
 「(最終バックで9番手から)ちょっと内は混戦で外をって思った。でも、一番外は自分の脚力的に伸びないっていうのがあったんで、その内側をいった。(神山)拓弥が降りてくる前に押してでもコースを作っておかないとっていうのがあった。踏んだら伸びたんで、あとはどこまで伸びるかっていう感じだった。感触はいいと思います」
 長島は不発。竹内に張られながらも外を伸びた神山拓弥が2着。
 「根田君が思いのほかすごくヤル気で、長島君も苦しかったと思う。根田君のペース配分がすごく良かった。(竹内が突っ込んできたのは)わかってたんで対応して寝かせたけど、竹内さんがうまかった」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手
 赤板過ぎに出た松浦悠士が、ペースを握る。中四国ラインに浅井康太、山田英明が続いて、古性優作は6番手で反撃のタイミングをうかがう。松浦がそのまま逃げるが、最終ホーム手前から古性が踏み込む。中四国ライン3番手の小倉竜二が古性をブロックするが止まらない。バックから番手まくりを打った清水裕友(写真)が勝ち切った。
 「小倉さんが(最終)1センターで古性さんをもっていったのが見えた。それで止まったかなと思って待ったけど、古性さんの加速がすごくて中途半端になりかけた。ラインが全部つぶれるところだった。無風で回ってきて、ただ出ただけなんで余裕はありました」
 清水に合わせられた古性優作は、さすがのリカバリー。小倉のコースを塞いで2着に入った。
 「練習通りの感じじゃんかったんで、あんまり良くなかったです。修正はできると思うので、明日(2日目)までにしっかりと修正します。今節に合った状態で(体を)合わせていきたい。あれならジャンの3コーナーで行かないとダメだった」
 稲川翔が3着に入り、古性とともに2日目の白虎賞に進んだ。
 「松浦を相手に(古性)優作がしっかりと力勝負をしてくれた。隙を見せると一瞬でやられるし、自分も後ろに2人も付いてもらっているので、なにがなんでもという気持ちでした。いまできる100パーセントの状態で臨もう思っているだけ、そこの不安はない」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 打鐘過ぎに新山響平を叩いて、岩本俊介が先行態勢を取る。3番手に入った新山だが岩本がペースを落とすと、最終ホームから反撃に出て主導権を奪い返す。踏み出しで遅れながらも守澤太志が追いかけて、深谷知広が後方からまくりを打つ。諸橋愛は切り替えて、バック9番手の吉田拓矢(写真)が大外を突き抜けた。
 「新山さんが行ったところを切ろうと思ってたら、立ち遅れて失敗しました。一番後ろはマズいと思って深谷さんのところまで行って入ったけど、そのあと和田(健太郎)さんに後ろまで行ってしまった。それでも道中は脚を使ってなかったんで、(最終2センターから)踏んだ感触的にもイケるかなっていうのがありました」
 横一線の2着争いは逃げた新山響平が踏ん張った。
 「後ろの人たちに付きづらいレースをしてしまったかなっていうのは反省です。だけど、余裕があったからあそこで動けたんだと思います。最後は直線に入ってからも後ろが来てなかったんで、息を吹き返すことができた」
 最終2コーナーからのまくりが思うように進まなかった深谷知広は、こう振り返る。
 「あそこ(8番手に)引いても、スローだったんでチャンスがあったけど、自分のキレがなくて、出も悪かった。ただ、粘って3着に入れているんで、(内容は)ゼロではない。まずは疲れを取ること。そうすれば(ナショナルチームのトレーニングと比較して)運動量も減ってきて、(キレとかが)戻ってくると思う。あとは1走したんで自分の感覚を整えて、戦える状態にもっていければ」

5R

選手の写真です。
柏野智典選手
 山口拳矢を内に閉じ込めて、松本貴治が赤板の2コーナーから仕掛ける。中四国ラインが出切り、4番手に山本伸一、山口は一本棒の6番手に置かれる。最終ホーム手前から、松本がペースを上げて風を切る。2コーナー手前でまくりを打った山本だが、桑原大志のけん制にもあって不発。外を追い込んだ山口も3着までで、番手の柏野智典(写真)が松本を交わして1着。
 「(松本は)セオリー通り、切った上を切って、(別線が)来なかったら駆ける。来たら出させるっていう、シンプルな作戦でした。山口君はあんまり仕掛ける気配もなくて、(山本)伸一が(中四国ラインの)後ろに入ってるのがわかった。(松本)貴治が勇気をもって仕掛けてくれて、桑原さんが3番手で仕事をしてくれた。9車の競輪でしたね」
 山口を後方に置いて敢然と主導権を握った松本貴治が、2着に粘り込んだ。
 「(初手は)理想は中団だったんですけど、たぶん取れないだろうと。そしたらすんなり取れた。(先行態勢から打鐘の)4コーナーからホーム目がけて1回スピードを上げて、そこから1センターからバックでもう一度踏み上げた。ゴール前はへばっていたけど、なんとか残れたんで良かった」

6R

選手の写真です。
守澤太志選手
 大石剣士が赤板2コーナーから山降ろしで踏み込むと、インを進出した萩原孝之は落車。大石、芦澤辰弘で出切り、合わせて動いた和田真久留が3番手。東龍之介は連結を外して、守澤太志(写真)は4番手で態勢を整える。守澤が最終2コーナー手前から仕掛ける。けん制した芦澤が落車して、逃げる大石をとらえた守澤が1着。
 「あの並びになったら1回切って、前に出て展開次第ではなんでもって感じでした。(打鐘過ぎに和田を)入れるかいろいろと考えたんですけど、東君がいなかったので入れてと。余裕はあったので和田君を越えて、芦澤君のブロックに気をつけていました。自分でやって勝ち切れたのは大きい」
 落車を避けた大槻寛徳は、守澤に流れ込んで2着。
 「守澤は(前団を)越えられても、俺はからまれると思っていた。(落車もあって守澤に)空いてしまったけど、リカバリーはできた。全体的に重たかったけど、昨日(初日)よりは良かったと思います」

7R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 赤板の2コーナー過ぎに出た取鳥雄吾が、寺崎浩平に反撃の隙を与えずペースを上げて逃げる。4番手の山田英明が車間を空けて間合いを取っていたが、阿竹智史(写真)は最終2コーナーから番手まくり。橋本強を連れて四国ワンツーで勝ち切った。
 「(取鳥)雄吾と(橋本)強のおかげです。(取鳥は)ジャンの3コーナーくらいから、かなりのハイペースで上げていってくれた。自分は(最終2)コーナーの出口で後ろを確認できなくて、難しい判断だった。ただ(番手から)出たからにはっていうのもあった。出てからの加速は良かった」
 打鐘の2センターで単騎の不破将登をさばいた山田英明は、結果的にその1車が大きなポイントとなって3着で勝ち上がった。
 「流れ込みなんで、内容的には納得できる感じじゃない。ただ、自力でやっている以上はしっかりと位置だけは取ろうと。寺崎君もスピードがある選手なんで、それに対応しようと思って車間を空けた。そしたら阿竹君が行ったんでビックリした。あんまりいい状態ではないけど、そのなかでもしっかりと戦えるようにしたい」

8R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 赤板を通過しても隊列はそのままで、8番手の岩本俊介を警戒しながら郡司浩平は4番手をキープする。打鐘の3コーナーから岩本が仕掛けるが、坂井洋がスピードを上げて逃げる。岩本は不発で最終2コーナーで郡司が踏み込むが、けん制した芦澤大輔との接触で車体故障。坂井を利した神山拓弥(写真)が、松谷秀幸との踏み合いを制した。
 「坂井がうまく(レースの流れに)対応して主導権を取ってくれた。外を見た時に大外でブルブルしていたのが郡司だってわかりました。後ろを1回確認した時には(松谷が)いなかったけど。次に確認した時にはもう横にいたので、ちょっと焦りが出てしまってうまく対応できなかった」
 郡司にアクシデントが発生すると、松谷秀幸は自力に転じてまくりで2着に入った。
 「郡司がすごい踏み出しとキレだった。(郡司が車体故障をして)もう外はないって感じで、内にいきました。そのままいければ良かったんですけど、ワンテンポ待ってからだったので出が悪かったですね。落車明けで日数もないなかで最低限ですね。もう少し上積みが欲しい」

9R

選手の写真です。
東口善朋選手
 皿屋豊の上昇に合わせて出た松浦悠士が、中団をキープする。稲毛健太は6番手、九州コンビは後方に置かれる。逃げる皿屋に、松浦が最終2コーナーからのまくりで襲い掛かる。坂口晃輔のブロックでスピードが鈍った松浦だったがまくり切る。稲毛は不発で、3コーナーからコースを選んでシャープに伸びた東口善朋(写真)が、松浦を楽にとらえた。
 「レースのなかではもし松浦君が前にいるなら絶対に仕掛けるだろうし、(稲毛が)乗っかっていって僕はコース取りと思ってた。(稲毛)健太に乗せてもらったスピードから、僕もコースを見極めていけた。気持ちもしっかり入ってるし、脚力自体も問題ない」
 抜かりない立ち回りから好位を確保した松浦悠士は、東口の強襲には屈したがまくりで前団を仕留めた。
 「最近は自分の横の技術に甘えてたんで、しっかりと脚を使ってと思ってました。皿屋さんと同時に切って、脚を使ってでも中団と。切らずに外併走でもいいやってのもあるんですけど、それじゃ通用しない部分もある。(自転車に乗る)ポジションとか体の使い方は、今日(2日目)の方が良かった。ただ、昨日から脚の感じがうーんってところもあるんで、なんとからないかなと。(清水)裕友とか岩津(裕介)さんに相談してみます」

10R

選手の写真です。
中村浩士選手
 赤板過ぎに強引に主導権を奪いにかかる眞杉匠と、それを突っ張る松井宏佑で踏み合い。松井がバランスを崩して落車に見舞われる。和田健太郎、諸橋愛、佐藤友和が乗り上げて大量落車。眞杉の先行に中村浩士、河村雅章、佐々木雄一、和田圭で打鐘を通過する。和田がインを3番手まで進出して河村をさばく。眞杉は最終ホームを過ぎてもペースを上げず、マイペースに持ち込み押し切ったが失格。流れ込んだ中村浩士(写真)が、1着に繰り上がった。
 「(落車を)避けるのが精いっぱいで、気がついたらあそこ(眞杉の番手)にいったって感じですね。脚はもういっぱいだったんですけど、いつ眞杉君が駆けるかなって。そこだけ気をつけていました。誰かに来られても仕方ないと思っていました。けど、内だけは締めて、まっすぐ走ろうと」
 落車後に3番手まで追い上げた和田圭が、2着で二次予選をクリアした。
 「落車があって動く選手が眞杉君しかいなくなった。それで本当は番手までいきたかったんですけど、中村さんが空けなかった。自分は外を踏めないし、追い上げるかしゃくるしかなかった。ジャンのところが、勝負の分かれ目だったと思う」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 古性優作が出た上を野原雅也が押さえて主導権を握る。単騎の山崎賢人が最後方で、清水裕友は6番手でタイミングを取り、打鐘の3コーナー過ぎに反撃に出る。最終2コーナー手前で三谷竜生(写真)が清水を阻むが、今度は古性がまくる。三谷は古性を合わせて番手まくりで勝ち切った。
 「野原君がヤル気でしたね。清水君が来たんでけん制して、止まるかどうかでした。それで清水君を止めて後ろを確認したら、もうすかさず古性君が来ていた。(2日間)1着、1着できているんで、調子はいいと思います」
 古性マークから外を踏んだ稲川翔は、わずかに届かず2着。
 「もう全部(古性に)任せていた。しっかりと受けて、力勝負をしてくれた。ただ、初日も2日目も番手から出られる形になったんで、(古性)優作としては苦しいレースだった。あれが追い込み選手なら、乗り越えていたと思います」
 連日、別線の番手まくりにあっている古性優作が3着に踏ん張った。
 「清水君と(三谷)竜生さんの真ん中を行くので、ちょっとスピードを殺してしまった。脚がなかった。出力が足りない感じでした」

12R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 黒沢征治も引かず、赤板過ぎから新山響平と黒沢での壮絶な踏み合い。北日本、関東ともにラインが崩れることなく重なる。新山響平が踏み勝ち、黒沢が徐々に後退して最終ホームを通過する。けん制で浮いた黒沢のあおりで吉田拓矢は外を回らされ、宿口陽一が自力でまくり上げる。3コーナーで小松崎大地が番手から出て、山崎芳仁(写真)が続く。佐藤慎太郎が宿口を止める。福島3車のゴール勝負は、小松崎を交わした山崎が1着。
 「(新山が)強いんで、自分はキツかったです。あとは差しにいって差せればと。初日も悪くなかったし、今日(2日目)は前と後ろのおかげですけど、差せているので悪くないと思います」
 番手まくりの小松崎大地が重責を果たす2着。
 「新山君が強いのもわかっているし、別線がヤル気なのもわかっていた。だから、あとはすべて僕の判断かなと。それで前に踏み込んだので、そうしたからには(山崎を)振り切らないと。(調子は)悪くないと思います」
 4番手でもさすがの仕事ぶりが光った佐藤慎太郎は、僅差の勝負に持ち込んで3着。
 「(新山と黒沢で)全開の踏み合いだったし、(新山は)掛かってました。深谷(知広)が来るのも難しいくらいの掛かりだった。(宿口がまくって来て)ちょっといいスピードだったように見えたんで、体が合わさればいいなと。いいコースを踏んでいるんで2着までいければ良かったけど、(自分の感じは)昨日よりマシかなと」

6R

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浅井康太選手
 取鳥雄吾が先頭に立ち赤板2コーナーから皿屋豊も仕掛けるが、取鳥がペースを上げて逃げる。8番手にいた稲毛健太は最終ホームから反撃に出て、抜群のスピードで前団に迫る。皿屋が不発で稲毛、神田紘輔を浅井康太(写真)が追いかける。稲毛が4コーナーで取鳥をとらえるが、シャープに伸びた浅井が外を突き抜けた。
 「稲毛君が行ったタイミングで自分も仕掛けたかったんですけど、先に仕掛けられたので稲毛君ラインの3番手に切り替える形になった。中部が3車だったら(自分の後ろにも付いてるので)、(最終)ホームで仕掛けてます。ただ、そうじゃなかったのでワンテンポ見た。体は動いているし、調子も悪くない。硬くした新車も、体と自転車がマッチしている感じがある。何回も踏めるし、ゴールに向けて伸びていく感じです」
 ロングまくりの稲毛健太は、浅井の強襲にあったもののタイヤ差の2着。
 「まくりにいく段階で(浮いていた)皿屋さんがどうするかなって、動きを見ていて自分は外を行った。みんな積極的な選手ばかりだし、雨がキツかったんで見てしまったところもあるけど、(感じは)悪くないです」

8R

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大森慶一選手
 最終ホーム過ぎに吉田敏洋が、山本伸一を叩いて駆ける。山本は3番手で立て直し、7番手から中本匠栄がまくりを打つ。中本のまくりは不発で坂口晃輔に絶好の流れになった。が、最終バックでは9番手、単騎の大森慶一(写真)が、空いた中のコースを鋭く追い込んで1着。
 「(単騎だけど)あんまりチョロチョロしてもと思ってました。岩本(俊介)君なり、中本君ならどこか仕掛けるだろうし、そこのラインに付いていって、あとはどこまで突っ込めるかでした。(中本が)まくり切れないかなって時に、前を見たら空くかなと。そしたらおもしろいように(コースが)空きました。自分の持ち味が出せたし、この1着は自信にもなります」」
 山本を外にけん制した坂口晃輔が、吉田の番手から追い込んで2着。
 「(吉田は)出切ったタイミングでスピードも一番出ていたんで、そこで車間を切ってしまうとっていうのがあったんで、引きつけてと思ってた。内も気にして外に張りながらだったけど、(大森は)勢いが違いました」

9R

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稲川翔選手
 合わせて動いた野原雅也の上を四国ラインが出るが、原田研太朗と野原が接触して打鐘手前で両者が落車。松本貴治の先行に阿竹智史、稲川翔(写真)、東口善朋の隊列。松浦悠士が5番手になる。最終ホームを通過して、松浦が仕掛ける。3番手の稲川も松浦を外に張りながら、まくり上げる。阿竹も前に踏むが、まくり合戦を制した稲川がデビュー通算300勝を地元で飾った。
 「(野原が落車してしまったが)本当に短い時間で、自分に冷静になれって言い聞かせた。野原が3番手の状況を作ってくれた。阿竹さんが出るのはわかっていたんですけど、ダメでもしっかり自分で動こうと思っていました。松浦君が来るのはわかっていたので、自分の道を確保するための動きでした。普通、あのブロックで止まるんですけどね。なんてヤツやって(苦笑)。正直、もう松浦君はいないと思っていたのに、これが賞金ランキングトップなのかって感じです」
 松浦悠士は稲川に猛ブロックを受けながらも、ロングまくりで2着はキープした。
 「(最終)1センターで稲川さんに振られてキツかったですね。あのまま阿竹さんに出られたら終わってた。でも、稲川さんが前に踏んでくれた。それでチャンスがあると思った。(打鐘の)2センターで叩ければ一番良かったんですけど、誰がこけたのか様子を見てしまった。自信を持って叩いて1周行けていれば良かったんですけど、不安が残っていた」

10R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 合わせて踏み上げた新山響平だったが、黒沢征治のスピードを確かめて埼玉コンビを受ける。黒沢の先行で最終回へ。車間を詰めながら新山が3番手からまくると、番手の宿口陽一(写真)は前に踏み込む。切り替えた守澤太志を僅差でしのいだ宿口が、初のGI決勝進出を果たした。
 「昨日(2日目)と違って新山君の突っ張りはないかなと思ってました。山崎(芳仁)さんが突っ張られてからは、黒沢君が冷静に走ってくれたんで良かったです。僕も余裕があったので、来ないでくれと思ったけど。(新山は)力上位ですし、来たから仕方なく踏みました。今日はすごく直線が長く感じました。平原(康多)さんにはいつもお世話になってるし、周りの方々の支えもあって、やっと(GIの決勝に)乗れた。乗れるつもりで練習はしてるけど、まさか乗れるとは思ってなかったんでうれしい。平原さんは直前で怪我をして欠場になってしまった。その分までとはいかないけど、ここまでこられて良かったです。脚の感じはいい」
 合わされた新山が外に浮くと、守澤太志が宿口に切り替えるように踏んで2着。
 「できれば前受けはしたくなかったけど、(S班の)自分の立場上、受けて立つっていう使命もあるので、(新山)響平君には申し訳なかったです。(福島勢は)いつも一緒に走っている先輩方ですけど、(別線なので)しっかりと勝負するっていうのが礼儀だと思っています。あの並びだったんで、新山君が(山崎を)突っ張るのも1つだった。(宿口が番手から)ちゅうちょなく出ていって、(和田圭が)しっかり締めてくれたのに、さらに僕が締めて申し訳なかった。宿口さんが強かったんで差せなかった」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手
 先頭に立った清水裕友(写真)がペースを落として、打鐘では中団が渋滞になる。古性優作は5番手で間合いを取り、8番手の山崎賢人は2センターからカマす。山崎の踏み出しに遅れ気味の山田庸平が、中団から出た古性にさばかれる。山崎が1人で出切って、清水は番手に飛び付く。古性を張った小倉竜二が落車して、内から橋本強が山崎、清水を追いかける。3番手以下は離れて、前2人の勝負は、早めに追い込んだ清水が1着。
 「1回動いてと思ってましたけど、(山崎が)1人で飛んできてくれたので展開が良かった。準決ですしあそこで叩いてくる人もいないだろうと。自分自身、落ち着いて走れた。でも、手放しでは喜べないですね。アクシデントもあって小倉さんがこけたのも確認していた。複雑でした。山崎君が掛かっていたので後ろからは、来られないだろうっていう感じでした」
 ラインを失った山崎賢人だったが、さすがのスピードで別線をのみ込み2着に粘り込んだ。
 「ちょっと緩むところがあるだろうなって思っていたので、全部引いて行けるところでと思っていた。自分の感じは良いと思います。ペースでうまく踏めた。やっとまた(GIの決勝に)乗れたって感じですね」

12R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 吉田拓矢を叩いた小松崎大地が主導権を握り、佐藤慎太郎(写真)、永澤剛の3車で出切る。が、すかさず深谷知広が襲い掛かる。佐藤もけん制するが、深谷のスピードがいい。深谷が先頭に立つと、佐藤は松谷秀幸を最終1コーナーで阻む。態勢を立て直した小松崎が深谷を追いかけて、徐々に差を詰めていく。吉田もまくりで迫り、直線へ。小松崎マークから外を踏んだ佐藤が1着。ラインの力を強調するして振り返る。
 「(小松崎)大地が先行態勢に入って、出すか出さないかは大地に任せていました。大地も頑張ってくれてたし、ラインがそれぞれの仕事ができれば、強いラインになる。永澤も含めていいレースができたかなと思います。外を踏めるコースがあったんで、そこを踏んで伸びているし状態もいい。前検日の段階で調整がうまくいってれば、こんな感じだと思います」
 結果的には深谷に出られた小松崎大地だったが、しぶとく深谷を追い詰めて3度目のGI優出を遂げた。
 「自力型のなかでは、自分が一番脚力が劣っているのはわかっている。だから、とにかく前々に攻めようと思ってました。ただ、ラインの力が一番強いのは自分たちだと思ってたので、とにかく僕は自分の仕事を全うしようと。決勝に乗れているので、やってきたことが少しは形になっているのかと」