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かわさき競輪

KAWASAKI KEIRIN

34#

検車場レポート

  • 4/13 Wed.  (前検日)
  • 4/14 Thu.  (1日目)
  • 4/15 Fri.  (2日目)
  • 4/16 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
金子幸央選手
 前々回の地元、ウィナーズカップを8426着だった金子幸央(写真)は、前回の岐阜FIを471着。勝ち星を量産していた2月の勢いはないが、状態はどうか。
 「前回はウィナーズカップを走っていろいろと感じることがあって、自転車を新しくしたり、セッティングも変えたりした。ただ、それで成績も出なくて、(今回は)ウィナーズカップの時に戻しました。大丈夫だと思います。(川崎は)初めて記念の決勝に乗ったのも桜花賞なんでいい思い出があります」
 竹内智彦は、直近の4場所で3度決勝に進出。FIシリーズとはいえ、成績をまとめている。
 「だいぶ上がり調子だと思います。(前回の宇都宮は)調子が良かった。そのあとは(中3日で)いつも通り練習をやってきました。(初日は)伊東翔貴君に付けます。結構(一緒に)走っているけど、1、2着しかないくらいの感じです」

2R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 若い緒方将樹、自在性に長けた窓場千加頼らを相手に、スピードある渡邉一成(写真)が、一次予選でどんな走りを見せてくれるのか。
 「(初日は)積極的にはいきたいかなと。ド先行がいるわけではないのでね。年齢を考えて(練習を)やりすぎないように。(前回の岐阜FIを451着は)グレード開催(ウィナーズカップ)の裏で、準決で飛んでいるようじゃダメだった。(今回は)考えて練習してきました」
 3月の名古屋記念では優出も決勝で落車に見舞われた内藤宣彦。その後はウィナーズカップ6614着、続く前回の岐阜FIを332着と安定している。通算400勝にあと1勝と迫り、一次予選でのメモリアルにも期待できそうだ。
 「まだ千葉に冬期移動しているので、千葉の選手と練習をしてきました。(状態は)前回と変わらずくらいですかね」

3R

 山岸佳太は、1月の大宮記念以来のグレードレース。近況も3場所連続でFIを優出と上々の動きを見せている。
 「前回(宇都宮)は3日間やりたいことができた。(初日は)野口(裕史)さんが相手で、やることもある程度決まっているので先行争いになった。準決に関しては、位置を確保してのまくりだったり、組み立てに関しては良かった。そのあとは野口さんとやって消耗していたので、ケアを重点的にやってきました」
 山形一気は松山FI、岸和田FIとここ2場所で3勝を挙げている。
 「調子としては普通ですね。あとは流れがいいだけで、1着が取れているのかなと。そのあとも練習は普通にできたんで、悪くないかなと思います」

4R

 ホームバンクの川崎記念に昨年に続いて出場の青野将大は、昨年の3838着以上の期待ができそうだ。
 「桜花賞(川崎記念)を走るのは2年連続です。去年は初めての9車立てだったので、勝手がわからなかった。そこから1年間で経験を積めたと思います。中3日で時間はなかったんですけど練習はやれました。今回は初日だけじゃなくて、開催を通して地元の強い先輩と一緒のレースになると思う。それを踏まえて、積極的に後手を踏まないようにしたい」
 近況は勝ち星から遠ざかっている山下一輝だが、このメンバーでは競走得点で最上位の存在。一次予選は薦田将伍との中四国連係から活路を切り開く。
 「前回(平366着)は不甲斐なかった。最終日は単騎でやったんですけど、なにもできなくて情けなかった。そこら辺が点数にも出ている。(状態は)悪くないんですけど、いい時は流れが良かったんだと。そういうところに助けられている部分があったんだと思います」

5R

 2月の松山FI、奈良記念と連続失格の高久保雄介は、その後も向日町、久留米、岸和田とFIでのリズムも一息に映る。その後も順調とはいかず、トーンは上がらない。
 「(前回から日にちが空いたが)体調を崩してしまって、あんまり練習ができなかった。ちょっと走ってみないとわからないですね。頑張って練習はしてきたんで、それがどうかなと。あとはチャンスを逃さずに仕掛けられたらと思います」
 前回のウィナーズカップから20日以上空いた東口善朋は、気温の上昇も加味して上積みがありそうだ。
 「計画的に練習ができたかなと思います。1、2月が(配分が)詰まっていたので、しっかりと一から練習ができました。暖かくなってきたんで、数字的にも良くなって、自分の感覚的にも良くなってきた」

6R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 今シリーズが追加での配分になる小川真太郎(写真)は、前回の平塚記念2772着から中2日のタイトなスケジュール。
 「(前回の)最終日に追加が入りました。(徳島に帰らずに)そのままいてジムで軽く練習をしました。そこそこ疲れてはいると思うけど、できることをやってきた。もうちょっと長い距離を踏めたら、チャンスは増えるかなと。(前回の)最終日に1周くらい行ってみたら、ものすごくタレた。1周くらいは楽にいけるようにしたい」
 山中貴雄は、前回の地元、高知FIの223着よりも上昇ムード。
 「(前回も)悪くなかった。良かったと思います。ただ、それよりもいい感じになっていると。(川崎は)まだ自力の時は重たい感じがあったけど、後ろを回りだしてからは、そんなにも気にならなくなっている」

7R

選手の写真です。
松本秀之介選手
 初ビッグだった前々回のウィナーズカップが8872着。勝ち星を挙げることはできなかったものの収穫もあった松本秀之介(写真)は、前回の高知FIで初日予選、準決を連勝した。
 「いつも通りバンクに入って練習してきたけど、高知の前より感覚的に良かったと思います。前回で500バンクを走ったので、(初めての川崎でも)今回の方が走りやすいと思います」
 2月の全日本選抜で落車した小川勇介だが、その後はFIを3場所連続の優出。今シリーズはセッティングを変えて、さらなる上積みを探る。
 「(前回は)決勝に乗れているし、悪くなかったですね。その前が詰まっていたんで、(3週間以上空いた今回は)乗り込み重視って感じでやってきました。セッティングで試したいところもあったので、あとはそれがレースでどう出るか楽しみです」

8R

 野原雅也は2月の全日本選抜からおよそ1カ月半空いて、久々の実戦を迎える。
 「トレーニングくらいしかやることもなかったんで、練習の時間はすごいとれた。最近自転車の方がしっくりときてなかったんで、そういうのを見直したりもした。手ごたえって言えるほどのものはないですね」
 久留米、松戸、高知と直近の3場所のFIでも決勝進出がない椎木尾拓哉は、現状をこう打ち明ける。
 「高知の前も状態は良かったけど、レースになるとうまくかみ合ってない。消化不良の感じですかね。練習の状態は問題ないので、あとはそれをレースで出すだけかなと」

9R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 前回の平FIで久々の勝ち星を挙げた内藤秀久(写真)は、好リズムで地元記念に臨む。
 「前回は追加だったので、オーバーワークで入った。そのわりには日に日に良くなっていった。終わってからも、ここに向けてガッツリやった。前回ほどじゃないけど、若干、オーバーワークですかね。その理由は最終日に(ピークを)持っていきたいから。手ごたえはあります」
 宇都宮FIから中3日の野口裕史だが、久々に順調の様子だ。
 「(前回のあとは)やりたい練習もできました。それまでは体の調子が悪くて、痛みがあったりもした。だけど、今回は1回も痛みもなかったし、ケアもしてきた」

10R

 持ち前のスピードに磨きがかかってきた岩谷拓磨は、前期と比較して競走得点も順調に上がってきている。
 「(前回は)優勝したかと思ったけど、小倉(竜二)さんのハンドル投げがすごかった。バンクは乗らないで、街道一本ですけど、昨日までしっかりと練習ができました。良くも悪くもなく、いつも通りにこられたかなと」
 全プロ競技大会に向けた競技の練習で、小岩大介が調子を上げている。
 「全プロが近いので団体追い抜きの練習を並行してやっている。練習量はかなりだと思うし、競技の練習をするといつも良くなる」

11R

選手の写真です。
根田空史選手
 2月の全日本選抜では初日に、落車に見舞われて鎖骨を骨折。選手になってから初めての骨折だったようで、根田空史(写真)は復帰場所となった前回の京王閣FIが764着。
 「鎖骨の骨折は手術をしました。1カ月くらいで復帰したんですけど、(京王閣は)思ったよりも動けていた。着は納得できないところもあったけど、自分らしいレースができたかなと。日に日に状態は良くなっている。気温が上がって、それだけでも体が動くようになってきている」
 前回の京王閣FIでもすでに根田とタッグを組んだ松谷秀幸が、抜かりなくホームバンクでの初日に身体と心を整える。
 「ここに向けて練習をやってきました。前回よりはちょっとずつ良くなってきているかなと。今回からフレームのメーカーを変えてきました。(フレームの感触は)練習では悪くなかったです。あとは結果を出すだけ。(根田とは)前回も連係しているし、走り方はわかってます」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 平塚、川崎と続く地元記念シリーズにS級S班の責務を全うする郡司浩平(写真)が、中2日でも気持ちが入っている。
 「(平塚記念の)決勝はジャンのところで、すんなり叩けば良かった。けど、中団が空いてたので入ろうと、体が勝手に反応してしまった。自分の弱さが出てしまった。体の方は問題ないので、気持ちだけですね。(平塚から)レースが続いているつもりできました。一息ついて気持ちを上げるのは大変なので、そこまで落とさずにきました」
 松浦悠士は、前回の玉野記念を4222着の準V。現在は通算299勝。300勝の区切りは、今開催に持ち越した。
 「玉野で(300勝を)達成するつもりだったんで、今節中には達成したい。二次予選で岩津(裕介)さん、準決で柏野(智典)さんに差された。けど、いいレースをしてだったので、変な悔しさとかはない。(玉野は)2日目までは感触が良かった。ただ、3日目からはアップの時から良くなかった。(セッティングとかではなくて)体の面だと思います。ここに来る前は力を出せる状態だった」

1R

 小川祐司、金子幸央の順番で切って、タイミングを取った伊東翔貴が打鐘で8番手から仕掛ける。最終ホームで北日本コンビが主導権を奪取。金子が3番手を確保して、川口聖二が7番手に置かれ一本棒の隊列でレースが流れる。バックを通過して、2センターから踏み込んだ金子がゴール前で抜け出した。
 「初手の想定は並び通りだったんですけど、もうちょっと強気に攻めれば良かった。しっかり練習はしてきているし、(伊東を突っ張る)それぐらいの気迫でいきたかった。(最終)2コーナーで誰も来なかったので、もうああなったら落ち着いていこうと思いました。もうちょっと突き抜けられれば良かったけど。フレームを戻したので状態はいいです。あとは気持ちの面ですね」
 カマした伊東がスピードに乗せて風を切り、別線は動けない。番手で展開が巡ってきた竹内智彦は、金子との踏み合いに2着。
 「(伊東)翔貴に任せて、先行してくれるし信頼して仕事をするだけだと思っていました。バンクが重くて掛かり切らなかったんだと思う。金子君にいかれるのはしょうがないかと。自分は重いなかでも余裕はあった。いつも上がり調子なので、このまま上がってくれれば」

2R

 赤板2コーナーで押さえて出た緒方将樹が主導権。窓場千加頼が3番手で、前受けから下げた*渡邉一成は柿沼信也と併走も結局下げて7番手。打鐘の4コーナーから巻き返した渡邉は、最終ホームでいったん5番手で止まり、再度1センターから発進。逃げる緒方を力の違いでとらえて、そのまま押し切った。
 「緒方君がもっと掛かると思った。それで番手が仕事しやすいタイミングになると思ったから休んだけど、そこでバックを踏んでしまった。佐々木(省司)さんはキツかったと思う。結果、消極的なレースになったし反省です。体の状態が良いから、変なレースをしてもまくれている。間隔が空いて不安になっていたが、体の状態が良かったのは収穫」
 最終ホームでは一度、小休止した渡邉に突っかかりながらも、渡邉の踏み出し対応した内藤宣彦が2着に入った。
 「後ろまで下げちゃったけど、このメンバーなら(渡邉)一成なら巻き返せるだろうと。踏んでやめての繰り返しだったのでキツかったけど、人気に応えられて良かった。付け切ってからは余裕があった」

3R

選手の写真です。
山岸佳太選手
 中団確保の思惑だった佐々木眞也は、押さえて出て中四国ラインを受ける。打鐘でペースが落ちるが、7番手の山岸佳太(写真)はそこ待ってから2センターで仕掛ける。合わせる久米康平を最終2コーナーで山岸がとらえて、山形一気のけん制を乗り越えた天田裕輝が続く。まくりで前団に迫る佐々木、天田を山岸がロングまくりで退けた。
 「本来だったらあそこ(打鐘)で行きたいところだったけど、バンクコンディションを考えて次のチャンスをと。それで(あのタイミングは)見送っちゃいました。(仕掛けてからは)ホームが追い風だったんで、バックだけ我慢すれば天田さんとゴール勝負かなと思いました。(佐藤)真一さんにも付いてもらってたんで、理想はジャンのところでしたね。脚の感じはこの前よりもいいかなと」
 佐々木眞也は、関東勢の通過を待って最終2コーナーからまくりを打つ。追走いっぱいの天田をゴール前で交わして2着。
 「(周回中は)後ろ攻めを考えていて、あとは自分の行けるところからと。(4番手を確保して山岸よりも)先に行こうと思ったけど、スピード差があった。そのあとを乗り越えられて良かった。(地元記念で)緊張した。ラインでは決まらなかったけど、着に入れたんで良かった。脚の感じは悪くないです」

4R

選手の写真です。
福田知也選手
 青野将大が赤板の2コーナーで先頭に立つと、打鐘の3コーナーから阿部架惟都も仕掛ける。福田知也(写真)が阿部を外に振って、突っ張った青野がそのまま主導権をキープする。踏み合いもあって、逃げる青野は直線でいっぱい。薦田将伍のまくりをけん制した福田が追い込んで1着。
 「風が強くて、青野の地脚をもってしても残すことができなかった。土屋(裕二)さんも3番手の仕事をしてくれて、後ろを気にせず仕事ができた。(山下一輝に)差されたと思ったけど、ハンドル投げがうまくいった。(2月が中止だったので)川崎が久々で緊張したんですけど、1着が取れて気持ちが楽になった」
 薦田が最終2コーナーからまくって、スピード良く前団に襲い掛かる。マークした山下一輝は、直線で薦田の外を踏んで2着に伸びた。
 「薦田君がしっかり行くべきところで仕掛けてくれた。強かったですね。余裕はあったんですけど、まくり切ってしまうか微妙で、内か外か(コースを)迷った。その分、伸びきれなかったかな。伸びていないことはないけど、最近1着を取れていない。その辺が欲しいですね」

5R

選手の写真です。
白戸淳太郎選手
 打鐘手前で押さえた畝木努の上を大石剣士が出る。大石ライン3車が出切り、4番手に畝木が飛び付く。6番手の高久保雄介は追い上げるように踏み込むが、最終ホームでは外に浮いて万事休す。車間が空いた4番手の畝木はなかなか詰まらず、逃げる大石と番手の白戸淳太郎(写真)の直線勝負。地元の白戸がわずかに差し切った。
 「めちゃくちゃうれしい。大石君にスタートから、なにから任せていた。最後まで踏み切れているし、大石君が強かった。相川(永伍)君も3番手にいてくれたから安心していましたね。いつもここで練習しているから、1着を取れてうれしい」
 主導権を握った大石剣士が別線を完封。ラインでの上位独占で、2着に逃げ粘った。
 「ジャンのところは出させてもらえると思って踏んだ感じです。バックの風が強いから、そこまでにスピードを乗せようと。バックの風の影響で最後は少しタレちゃった。ただ、2着に残れたし悪くない。(ラインで)ワンツースリーが理想の形なので、良かったです。(前々回の)名古屋からフレームを戻して、セッティングは試しているところ。感触はいいですね」

6R

 小川真太郎が落ち着いて切って出たところを、鈴木陸来が押さえて打鐘主導権。ペースを握った鈴木が、最終ホームから徐々に上げる。小川は鈴木のスピードが上がり切る前の2コーナー手前からまくる。あっさりと仕留めた小川が別線をちぎって、山中貴雄とのゴール勝負を制した。
 「佐川(翔吾)さんが先に切ってくれたんで、一番いい位置になった。そこはうれしかった。(鈴木は最終)ホームで思い切っていくかと思ったんですけど、そうじゃなかったんで、付いていって(まくって)バックでとどめをと。脚はキツかった。(前回の)平塚よりも重いけど、脚の掛かりがあるんで最後まで踏めた。1着を取れたんで、いいクスリになりました」
 逃げた鈴木が四国コンビにのみ込まれると、佐々木龍は後続との間合いを取って踏んだ。
 「(弟の眞也のレースを)アップ中に見てたんですけど、結果(2着)見て一気にプレッシャーになりました。(別線が)みんな切ってくれたんで、(鈴木)陸来君に展開が向いたんだと思う。(最終)1センターくらいで(別線が来る)気配がしたんで、なんとかしてあげたかった。でも、力不足でした。スタートをしてから体も軽かったし、自分はいい状態で迎えられたかなと」

7R

 地元コンビを連れた小林稜武が飛び出して先行策。小森貴大が中団に下げて、松本秀之介は7番手で打鐘を通過する。最終1コーナーで小森が踏み上げる。堀内俊介は止めきれず、小森がまくり切る。松本がまくり追い込んで、その外を小川勇介が強襲する。小森ラインと九州勢の5人が並んでのゴール勝負。大外の小川が突き抜けて1着。
 「隊列が短くなったので、その分踏み切れたと思います。脚のアタリ的には良かったです。(松本とは)初連係だったけど、まくりが強いのは見ていた。だから、あの位置でもあきらめずにいました。(久々の競走でも)違和感なく走れました」
 4番手から早めに仕掛けた小森貴大が、まくりでの2着を振り返る。
 「自分で動いて競走をつくりたかった。理想の並びでした。自分は詰まったところでしっかり仕掛けて、出し切る競走をするだけでした。(堀内の)ブロックは想定内でした。後半の脚が残っていなかったので、その辺を修正したい」

8R

選手の写真です。
野原雅也選手
 打鐘過ぎに踏み込んだ近藤夏樹ラインを野原雅也(写真)が追いかける。近藤が出切ると間髪を入れずに、野原はその上を叩いて出る。野原のダッシュに椎木尾拓哉が離れ気味に続いて、原田隆は付け切れない。3番手に入った近藤もいっぱいで別線に出番はない。野原が力の違いで逃げ切った。
 「行けるところから行こうと思っていた。踏み出しは(千葉勢に)付いていって流れで叩いたけど、うまく反応できた。(最終)バックから重く感じた。ゴール前もバタバタした。レースを走ってみないとわからなかったので不安もあった。悪くはないのかなって感じです」
 3番手以下も大きくちぎれて、椎木尾拓哉は野原に2車身差の流れ込み。
 「タイミングが合わなかったのもあるけど、野原君が強かった。焦りというかそういうのがレースに出ている。ちぎれているので、なんとも言えないが、一戦、一戦頑張りたい」

9R

 別線のイン切り合戦もお構いなしに、野口裕史が赤板手前から踏み上げる。野口は後続を一本棒にして、無謀とも思えるペースで風を切る。別線も仕掛けるが、野口の掛かりが良く前が遠い。番手で願ってもない流れの内藤秀久が、チャンスをモノにした。
 「(野口の)気持ちがすごく伝わったし、アイツのスタイルがすごく伝わった。地元だからか緊張感がありました。ちょっとフワフワしてたんで、明日(2日目)以降はもっと気合を入れないといけない感じですね。明日からはもっと良くなるんじゃないかと。(1着で)正直、ホッとしているところもあるけど、目指すところは決勝ですから」
 ラインでの上位独占をメイクした野口裕史は、タフなバンクコンディションでさすがの走りを見せた。
 「(周回中は)最悪、前でもっていうのはありました。どこからでも2周目がけて踏もうと。ただ、内藤さんに川崎は外が伸びるし、直線が長いから考えて走れって言われたけど、3車だったし(最終)2センターまでもてばどうにかなるかなと。昨日(前検日)は(指定)練習で軽かったんですけど、今日は重くてそのギャップがあった。あとは切りに行く時ドリフトをして、そこが一番脚にきました」

10R

選手の写真です。
岩谷拓磨選手
 打鐘過ぎに押さえて出た岩谷拓磨(写真)は、仕掛けた寺沼拓摩のスピードを確かめて関東勢を受ける。3番手の中川貴徳は付け切れず、最終ホーム過ぎに岩谷は3番手に入る。2コーナー過ぎからのまくりで岩谷が勝ち切った。
 「(寺沼の巻き返しが)もう少し遅ければ突っ張ることも考えていた。あのタイミングなら落ち着いて、すかさずまくろうと思いました。立川(記念)の準決で小岩(大介)さんと一緒の時に、同じような展開でヘマをしてしまったので反省して組み立てられました」
 小岩大介が岩谷のまくりに続いて、半車輪まで追い詰めた。
 「(岩谷は)2車出させてから、すかさず行ってくれたし強いですね。休まずに行ってくれたので。キツかったですね」

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手
 南潤が先行態勢を取ると、根田空史は7番手で反撃のタイミングをうかがう。打鐘から踏み込んだ根田が、スピード良く南を叩いて駆ける。南関3車で出切り、根田の加速力に南は置いていかれる。別線は大きく離れて、番手の松谷秀幸(写真)が楽に追い込んだ。
 「出切ったところでラインで決まったなと思った。ワンツースリーで良かった。根田君は前回に比べると格段に強くなっている。自分も本調子ではないが戦える状態。感じも悪くないですね」
 落車の怪我からの復帰2場所目の根田空史の復調の度合いをどうか。
 「車番が悪かったから後ろからになると思っていた。バックの風が強烈だったから、南君に付いていって叩くと距離が長くなるから落ち着いていこうと。前回に比べると良くなってきている。動けている感じもある。バックがすごく重くて脚が削られた。万全じゃないから、末が甘くなるのは仕方がないですね」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 後ろ攻めから押さえて出た深谷知広に単騎の成田和也まで続いて、松浦悠士は5番手。7番手の吉田拓矢が赤板2コーナーから反撃に出るが、深谷もグングンと加速する。最終ホーム過ぎに郡司浩平(写真)が、吉田をけん制して阻む。今度は狭いコースをまくった松浦悠士が迫ってくると、郡司はギリギリまで引き付けてきっちりと勝ち切った。
 「(深谷は)早めに踏み込んでくれて、先手を取ってくれた。自分もできるかぎりのことをやってから、前に踏み込もうと。吉田が来たんで(そこを止めて)、あとは松浦がどこから来るかだった。(松浦を)うまくけん制すれば(ラインの)3人で決まったかなと。そこは松浦にうまくやられた。まずは初日をクリアしてホッとしてます」
 最終2コーナーで外の吉澤純平にぶつかった松浦悠士は、鈍ったスピードをもう一度立ち上げてまくりで2着に入った。
 「(深谷と)踏み合いになってたんで、吉田君も出るのは厳しいかなと。宿口(陽一)さんが離れてたんで、そこをさばくのかを迷いながらになってしまった。仕掛けるポイントも吉澤さんと接触して、スピードが落ちてしまった。失敗が2、3ありました。コンディション的にはいいけど、上半身との連動が良くない。吉澤さんとの接触でフォームが崩れてしまって、自分の気持ちがいいモガき方ではなかった」
 南関勢の3番手の*守澤太志は、ようやくらしい動きが見られるようになって3着。復調の気配が感じられた。
 「(深谷は)この風が強いなかで、あんなに早くから踏んでいってくれてすごかった。自分はなんか久しぶりに自転車が流れたかなっていうのが、ちょっとありました。(体が)少しずつ良くなってきているんだろうなって感じがありました。最近ではマシな方ですね」

6R

選手の写真です。
岩谷拓磨選手
 打鐘の3コーナーで吉澤純平を押さえた岩谷拓磨が主導権。すかさず伊東翔貴が反撃に出て、好スピードで前団に襲い掛かるが岩谷も合わせる。岩谷が主導権をキープして、3、4番手に北日本勢。5番手の吉澤が最終2コーナー過ぎからまくりを打つが、番手で余裕をもった小倉竜二がけん制。逃げる岩谷の余力を計りながら小倉が抜け出した。
 「(岩谷は)結構踏んでたけど、伊東もかなりのスピードだった。出られると思ったのに、(岩谷の)平面のダッシュがすごかった。自分も少し離れた感じです。積極的にレースをつくりたいってことだったし、安心してました。吉澤君にいかれてもしょうがないレースだったんで、(ワンツーは)最高ですね」
 伊東のカマシを阻み1周半以上を踏み切った岩谷拓磨(写真)は、師匠の吉岡稔真(福岡・65期引退)とも連係がある小倉とのワンツーに笑みを浮かべる。
 「(周回中は)前(のライン)から2番目が取れたし、先行するって決めてました。切ったら昨日(初日)みたいに緩めないで、(ペースを上げて)いくっていう感じだった。(伊東が)チラッと見えたけど、僕も踏んでいた。1周全開でいったんで、あとはゴールまで残れるようにと。小倉さんは師匠からも信頼できるマーク選手って言われているし、僕もすごいと思える選手なので信頼してました。その先輩にほめてもらえてうれしいです」

7R

選手の写真です。
東口善朋選手
 野口裕史の上昇に合わせて動いた野原雅也が、赤板過ぎに切って出て南関ラインを受ける。野口が楽に主導権を握り、渡邉一成もすんなり7番手まで引いて態勢を整える。打鐘の4コーナーから渡邉が仕掛けて、逃げる野口ラインの番手の白戸淳太郎が渡邉をブロック。前団の隊列が短くなったところを野原がまくる。野原があっさりとらえて、東口善朋(写真)が差し切った。
 「野口君がいいピッチで踏んでいたのに、カマしていく渡邉君はすごいなと思って見ていた。そこに(野原が最終)1センターでスイッチしていく感じだったけど、余裕をもって追走していました。抜けても抜けなくてもワンツーだと思ったし、交わせたので良かったです。ウィナーズカップから時間があって練習はできたけど、間隔が空きすぎてレースのイメージができてなかった。昨日(初日)よりもレース勘は良くなった」
 別線の動向を見極めて抜かりなく立ち回った野原雅也が、まくりで別線を仕留めた。
 「一番思っていた通りの展開でした。野口さんがいいピッチで駆けて、(渡邉)一成さんもいいスピードだったので、立ち遅れた感はあった。けど、リカバリーできて良かった。余裕はなくて、(最終)バックもいっぱい、いっぱいで、なんとかまくり切れて良かったです。すごくいいなって感じではないけど、それなりに走れている。」

8R

選手の写真です。
福田知也選手
 赤板で内から小川真太郎、山岸佳太、根田空史と3つのラインが踏み込む。根田は落ち着いて7番手に戻って、2コーナーから山降ろしで再度仕掛ける。根田が主導権を奪い、そのまま駆ける。4番手に小川が飛び付き、佐方良行をさばいた山岸が6番手で最終ホームを通過する。車間を詰める勢いでまくった小川だが一息、さらに大木雅也との接触で車体故障。番手で後続との間合いを計った福田知也(写真)が、好展開をモノにした。
 「根田君が落ち着いていましたね。(最終)ホームで確認したら、大木さんも付いてきていた。小川君の仕掛けが見えて、仕事をしようと思ったところでバリバリって音がして、そこでタイミングが狂った。自分はシューズを試行錯誤していて、今日(2日目)は良くなかった。戻す予定はないけど、また修正します」
 落車の怪我の影響でまだまだ本調子ではない根田空史だが、さすがの走りで内容も伴った2着で準決に進んだ。
 「展開が良かったですね。無駄脚を使わず、落ち着いて、関東勢がぐちゃっとなっていたから、彼らが整う前に行こうと。下りを使えたから踏み出しも楽でした。セッティングを修正してさらに良くなった。いまの状態だとチャレンジャー気分だし、持ち味を出せれば結果がついてきている。これで調子が戻ってくれれば」

9R

選手の写真です。
松谷秀幸選手
 別線の金子幸央、小森貴大の順番で切って、深谷知広に赤板2コーナーで仕掛けのタイミングが巡ってくる。小森も踏むが、打鐘の3コーナーで深谷が先頭に立ちレースを支配する。南関ラインが出切り、中団に小森、金子は7番手に置かれて一本棒で最終周回。バックを迎えても別線は動けず、深谷目標の松谷秀幸(写真)が追い込んで地元記念を連勝。
 「ジャンのところで小森君に踏まれたし、距離が長かったのもあって、(深谷は最終)バックでキツそうだった。小森君が来たらやれることをやってと思ったけど、(仕事がしづらい)4コーナーでしたね。(連勝は初日、2日目とも)前と後ろのおかげです。自分は完全に展開に恵まれたおかげです」
 4番手を手に入れた小森貴大は、最終4コーナーからの追い込みで強襲する。2着に届いたものの、今後を見据えてこう振り返る。
 「自分のイメージ通りにやれました。(深谷は)輪界を代表する先行屋ですからね。もっと早く仕掛けられるようにと思いました。自分の力を出せる位置から、全力を出すってことだけを考えてた。踏んでからの進みは良かったけど、今後はもっと早めの仕掛けをできるように」

10R

選手の写真です。
成田和也選手
 前受けから赤板過ぎに踏み込んだ吉田拓矢を中国勢が押さえると、吉田に3番手が転がり込む。打鐘の2センター過ぎに鈴木陸来、松本秀之介が仕掛けて、合わせるように吉田はロングまくりを打つ。吉田ライン3車が楽に出切り、別線に出番はない。番手の成田和也(写真)が吉田を交わした。
 「(出切ったあとは別線のまくりが)来ていなかったし、後ろに竹内(智彦)さんもいるので踏ませてもらった。初日から調子は悪くなかったので。体調だけ崩さないようにしたい」
 最終1コーナーで踏み上げた吉田拓矢は、格の違いを見せてラインでの上位独占を果たした。
 「鈴木君が行くのかなと思ってたので、そこから力勝負しようと思っていました。畝木(努)さんが駆けたところで行こうと思ったけど、外から松本君も来ていたので合わせて出ていきました。踏んだ感じは悪くないし、成田さんに抜かれるのはしょうがない。イマイチ踏み込みと、最後の踏み返しが甘かったので修正したい」

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 坂本周輝を警戒しながら、大石剣士が打鐘手前で先頭に立ち駆ける。4番手で車間を空けた松浦悠士(写真)は、盤石の態勢で最終ホームを通過する。松浦が2コーナーから踏み出して、佐々木龍のけん制を乗り越えて1着。10年7月の初勝利から11年あまりで通算300勝のメモリアルを飾った。
 「(周回中で)あの位置(中団)が取れれば、仕掛けが遅くなってもなんとかなると。大石君の掛かりも良かったし、自分の感触は良くなかった。(佐々木)龍にもらったらヤバいなって感じでした。大石君がゴールまで伸びていくような感じで踏み上がっているところを詰めていく感じでキツきつかった。ハンドルを持つ位置を奥にしたら良くなかったので戻したい。セッティングは軽くいじるかも」
 松浦の踏み出しにも難なく続いた小川勇介が2着。
 「(周回中に)中団取れたので、あとは松浦君に任せていました。最後の直線は松浦君も回している感じでした。自分も余裕はあったんですけどね。練習方法を改めたのが良くなってきた理由なのかなと。長い目で見たら、いまの練習方法が合っていると思う」

12R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 押さえて出た川口聖二がペースを握ると、郡司浩平は7番手でタイミングを取って打鐘からアタック。最終ホーム手前では楽に前団をのみ込んで、郡司が主導権。4番手以降はちぎれて、薦田将伍がまくりで神奈川勢との距離を詰める。しかしながら、番手の内藤秀久(写真)に仕事の出番はなく、あとは交わすだけ。ゴール手前で内藤が差し切った。
 「どうだろ、(地元記念で)郡司を抜いたっていうのは、人生で一番うれしいかもしれない。(郡司が)どこで行くかわからなくて、ジャンのところ(の仕掛けるタイミング)をスルーしたんで、どこで行くのかなって。それで口が空いちゃった。でも、余裕はありました。(最終)4コーナーで(郡司)浩平はいつもの感じだったけど、自分はこれってもしかしたらっていうのがあった。そしたら差せました」
 1周半のロングスパートになった郡司浩平は、別線の力もきっちりとインプット。仕掛けどころは逃さなかった。
 「流れのなかで行けるところでしっかりと叩いてと思っていた。うまく行けるところで行けました。(川口ラインに)付いていって叩いてもっていうのがあったんですけど、(川口)聖二でしたし、踏み合いになるかもしれないっていうのがあった。それでワンテンポ見てからの方がやりやすいかと。自転車の出も良かった。ただ、自分のなかでは距離も長かったし、後半はキツかった」

10R

選手の写真です。
守澤太志選手
選手の写真です。
吉田拓矢選手
 4番手で前との車間を空けた岩谷拓磨は、後方の深谷知広の上昇に合わせてフルダッシュ。赤板2コーナーで先頭に立った岩谷が突っ張り切るが、市橋司優人が遅れて番手には深谷が続く。が、結果的には岩谷と深谷の消耗戦になり、吉田拓矢に流れが向く。最終1センターから踏み上げた吉田が、番手から合わせて出た深谷をとらえる。きっちりと続いた守澤太志(写真)が、吉田を差し切りS級S班のワンツー。
 「(落車の怪我から)復帰してから2勝目だけど、勝ち上がりでの勝利は初めてなのでうれしいですね。今日(準決)は吉田君の後ろで余裕もあったし、戻ってきているなと感じている。ひとつずつやってきたのが、かみ合ってきました」
 後方にはなった吉田拓矢(写真)だったが、岩谷と深谷の踏み合いをまくって抜かりなく決勝に進んだ。
 「岩谷君がどう動くかでした。後ろで車間を空けていて、スピード差があり飛び付きをしのぐのでキツかった。自転車も出ているし、守澤さんに抜かれたのは仕方ない。竹内(智彦)さんまで連れ込みたかったけど、ワンツーなので及第点です」
 市橋は内藤秀久との接触で車体故障で後退。福岡ライン3番手の小川勇介は、最終2コーナーからまくり気味に前を追いかけて、最後は内藤との優出争いに踏み勝った。
 「市橋君が離れたのが誤算でしたね。そのあとはうまくリカバリーできた。岩谷君が前々へ踏んでくれたから、あの位置があるので感謝しかない。流れがきているのが大きい。負けパターンでチャンスないところから車券に絡めることを想定して走れてリカバリーできた」

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手
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恩田淳平選手
 赤板2コーナー手前で根田空史が主導権を握り、遅れ気味に山本紳貴が続く。3番手に飛び付いた瓜生崇智は、打鐘の2センターで空いたインを進出して逃げる根田の番手を奪う。最終ホームを野原雅也が5番手、松浦悠士(写真)は7番手で通過する。野原はギリギリまでためて、バック手前からまくり上げる。4コーナーで野原が先頭に立つが、その上をまくり気味に追い込んだ松浦が強襲する。スピードの違いは明らかで、松浦が楽に抜け出した。
 「野原君がずっと(自分を)見ている展開だったので行けなかった。(根田が)あんなに踏むとは思わず、後手を踏んじゃいましたね。本来なら(打鍾過ぎ)4コーナーから(最終)ホームで行かないといけないので納得はしていない。セッティングをいじって、昨日(2日目)よりもマッチしている。体は2日間ともよかったので、今日で自転車とバチっと合ったなって感じです」
 松浦マークの小倉竜二は、最終2センターから内よりを選択するがなかなかコースが空かない。単騎で中四国勢に続いた恩田淳平(写真)は、外を踏んで松浦に吸い込まれるように2着に入った。
 「理想は野原君ラインの3番手が欲しかったけど、小倉さんがスタートを出て入れなかった。隊列が1周した時にスイッチしようと思ったけど、1周しなかったので一番後ろで腹をくくりました。(最終)3コーナーで内を見たけど、コースがなかった。小倉さんの動きを見ながら、小倉さんが踏むのと逆の方向に踏もうと。人の後ろで脚を回すことに自分は特化していると思うし、4コーナーまで回して我慢できた」
 野原のまくりに続いた東口善朋は、小倉の中割りを許さず3着。
 「最終バックで(野原)雅也が仕掛けてくれて、伸びていって2センターで出る感じだった。いかれても松浦君だけだと思ったら、まさか恩田君も続いていた。小倉さんにも中を割られるかと思わず焦った。初日が久しぶりのレースで感覚が悪かったけど、2日目、3日目とレース勘は戻ってきた」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
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松谷秀幸選手
 打鐘手前で薦田将伍を押さえて出た吉澤純平が主導権。6番手の郡司浩平(写真)は一度詰まった3コーナーでは仕掛けずに、最終ホーム過ぎから踏み上げる。抜群の加速でスピードに乗せた郡司は、バックで逃げる吉澤をとらえる。3連覇のかかるホームの記念で、人気に応えて決勝に進んだ。
 「(周回中は)前からでもセオリー通り進むのかなと。あとはどこから仕掛けるか、そのタイミングだけだと。昨日(2日目)のタイミングくらいで行こうか悩んだけど、あおりとかを見てワンテンポ遅くなった。けど、早めには行けたし、踏み込んでから自転車が流れてくれた。昨日より(踏んだ距離が)短かった分、最後まで踏み切れた」
 「(郡司)浩平が強すぎますね」と、2着に流れ込んだ松谷秀幸(写真)は、脱帽の様子でこう続ける。
 「山下(一輝)君ががすごい振りをしていたけど、浩平は乗り越えるだろうし、そこで遅れちゃうから追走が難しい。自分か福田(知也)君が成田(和也)さんにからまれちゃうから、乗り越えないとって。そこだけの勝負と思っていた。(今シリーズは)最低限、決勝は乗らなきゃと。(決勝も)浩平に迷惑を掛けないように、ゴール勝負ができたらいいですね」
 最終3コーナー過ぎに成田が福田を張って、両者が大きくもつれる。地元勢に乗った単騎の小森貴大は、外を追い込んで3着。GIIIで初めての決勝進出を果たした。
 「展開を見て、あわよくば自力を出そうって準備はしていいた。でも、みなさんのピッチがすごかった。それでゴール勝負になったけど、しっかりと伸びて良かった。成田さんと福田さんがからんだところで、外に踏もうって判断ができたんで良かった」