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かわさき競輪

KAWASAKI KEIRIN

34#

検車場レポート

  • 8/4 Wed.  (前検日)
  • 8/5 Thu.  (1日目)
  • 8/6 Fri.  (2日目)
  • 8/7 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
奥井迪選手
 前々回の函館「ガールズケイリンフェスティバル2021」では767着と大きい着順が続いた奥井迪(写真)は、前回の立川FIIを212着。中9日で迎える今シリーズを迎える。
 「(函館の)感じが良くなかったんですけど、そのあとの立川では決勝でも自分なりに早く仕掛けていけた。力みなくモガくこともできたんで、決勝は納得できた。自分で思ってたより立川の走りが良かったんで、兆しが見えたかなと。(今回も)立川のいい流れを出していきたい」
 那須萌美は前回の静岡FIIが766着と一息だっただけに、中3日のタイトなスケージュールが心配される。
 「(前回は)体調を崩してしまった。自分の調整ミスです。夏バテ気味だったのか、3日間とも体がしんどかった。そのあとはケア中心だけど、しっかりと乗ってきた」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 鈴木美教(写真)は前回の函館「ガールズケイリンフェスティバル2021」で決勝進出はならなかったが、最終日にまくりで勝ち星を挙げた。
 「(前回の)最終日は1着が取れたんで、次につながるレースができたと思う。ここまでは久しぶりに時間があったんで、結構練習ができた。あとは落ち着いて走れればいいかなと。まずは一戦、一戦ですね」
 このメンバーでは鈴木に次ぐ機動力を備える中嶋里美は、1月の名古屋FIIから18場所連続で決勝にコマを進めている。
 「前回はモーニングであんまり良くなかったけど、今回は動けるレースをしたい。(中3日で)練習とケアをしっかりしてきました。(初日は)自力自在でチャンスがあれば攻めるレースをしたい」

3R

選手の写真です。
尾方真生選手
 前回の平塚FIIでの内容こそ悪くなかった尾方真生(写真)だが、単発レース以外での未勝利は今年初めてだった。それだけに今シリーズは1着スタートを切りたいところだろう。
 「(前回は)しっかりと自力を出したレースができた。でも、やっぱり先輩選手と比べたら、レースを見ながらっていうのができていない。そのあとは師匠(藤田剣次)にみてもらって、しっかり練習ができました。冬より夏の方が全然いいんで、(暑いのも)大丈夫です」
 7月からの本格デビューでは伊東FIIを313着、静岡FIIを442着と地元の2場所を終えた山口真未にとっては、初の4日間シリーズになる。
 「(2場所は)地元を走らせてもらいました。自力を主体にやってきたいので、33バンクの伊東では逃げ切れることもあったけど、静岡では児玉碧衣さんとやって力のなさを痛感しました。自力をしっかり出していくためには、磨かないといけないポイントもたくさんある。今回も自力を出して、先輩方にどこまで通用するかっていうのがテーマです」

4R

 前々回の岐阜FIで昨年6月以来となる優勝を3連勝で飾った伊原克彦は、前回の久留米FIを276着。
 「(前回は)感触的にも悪くなかったし、調子自体も悪くなかった。ただ、気持ち的というか、戦術的にまずかったかなと…。そのあとは練習をしてきたんで調子は変わらずだと思います」
 6月の京王閣FIから4場所勝ち星が遠ざかっている小野大介だが、近況をしっかりとまとめている。
 「(前回は)問題なく動けました。そのあとは(中19日で)最初に休んでから、直前までしっかりと練習をしてました。体調的にも問題なく走れると思います」

5R

選手の写真です。
松岡辰泰選手
 1月にS級に特進した松岡辰泰(写真)は、これが3度目のGIII出場。過去2度は準決まで進出しているだけに、今シリーズは決勝の期待も高まる。
 「(GIIIの武雄と福井は)予選はクリアできたんですけど、準決は(2場所とも)9着しか取ってない。(準決で)レベルが一気に上がるかなと。腰痛で違和感があったんで、(松戸FIは)大事を取って欠場した。もう腰とかも問題なくて調子はいいと思います」
 佐藤和也は前回の岐阜FIの443着をこう振り返る。
 「(岐阜は)初日が重くて全然ダメで、2日目は軽かった。だけど、最終日はまた重くてダメでした。(原因は)暑さですね、暑いのは苦手です。岐阜で調子が悪かったのもあって、そのあとは強めに練習をしました」

6R

 *櫻井正孝にとっては、これが今期初場所。データ派の櫻井にとっては、期の初めはどうしても慎重にならざるを得ない。
 「自分にとっては期の一発目なんで、様子を見ながら走りたい。(S級に)上がってきた子たちが、どんなレースをするのかあんまりデータがない。あとは自力自在で譲れないところは譲れないっていうのがあります」
 3場所前の松山GIII、前回の函館FIと中田健太は、直近の3場所で2度の落車に見舞われた。
 「松山の方が(落車の)ダメージが大きかった。前回は最初はマズいかなと思ったけど、2、3日ケアしたらだいぶ良くなった。練習をしながら体を動かしたら良くなってきたんで、普通に練習をしてきた感じです」

7R

 当所を11走して連対がない藤井栄二は、「直線が長いイメージがあります」と、口を開くが、コンディショニングに問題はなさそうだ。
 「感触はそんに変わらない。練習もいつも通りにやってきたんで、体調は問題ない。ただ、暑いのはあんまり好きじゃない」
 前回の地元シリーズの奈良FIを335着の三谷政史は、優出がかなわずも状態面に不安はない。
 「(前回は)感触は悪くなかったんですけど、準決が3着で(決勝に)上がれなかったんで悔しいところがある。そのあとはいつも通り練習をして、ここに備えた。勝負できる状態だと思います」

8R

 6月の名古屋FIを3連勝の完全VでS級初優勝を遂げた長尾拳太は、その後もコンスタントに勝ち星を重ねて、ゆとりのローテーション。
 「(中19日で)しっかりとまとまった練習ができたかなと。その前は(配分が)詰まっていて、あんまり練習ができてなかったのもあります」
 柴崎俊光は前回の和歌山FIを515着。2日目の1着が4月以来久しぶりの勝ち星だった。
 「(前回は)2日目に1着も取れているし、(状態は)いいと思います。そのあとは中間に体調を崩したけど、直前の練習での感触はそんなに悪くなかった」

9R

 福井記念、小田原、函館のFIと直近の3場所は一息の感もある金子哲大はキッカケがほしいところだろう。
 「(前回は)正直、そこまでいい感じはなかった。(前を)任せたレースもあったけど、自分の感覚的なものかと。疲れていたのかも。2日間くらい休んでから練習しました」
 松坂英司は前回の高松FIを44欠。途中欠場から中12日でのホームバンクシリーズに慎重なコメント。
 「(前々回の)福井が終わってから体調を悪くした。それでもイケると思ったんですけど、途中欠場をしてしまった。ここも2、3日前まで出るか迷ったけど、一時よりも良くなったので走ることにしました」

10R

選手の写真です。
福田知也選手
 近況成績が安定しているものの、雨谷一樹は前回の弥彦FIの153着を振り返る。
 「最近は脚の方も安定してずっといい感じです。(前回の)弥彦は車間を空けすぎたり、そういう技術面で失敗したりしたんで、そこをしっかりと修正したい。(川崎は昨年6月にも)優勝をしているし、相性もとてもいい」
 前回の函館FIが右足骨折からの復帰場所だった福田知也(写真)は、その後、ホームのここに照準を合わせてきた。
 「(前回は)普通くらいでしたかね、ただ、競走の脚じゃなかった。感触としては5割くらいかな。函館が終わってからは、ここに向けてビッチリやった。バンクでモガいた感じも悪くなかった」

11R

選手の写真です。
門田凌選手
 門田凌(写真)は6月の松山GIIIで3勝をマークすると、続く久留米記念を2122着の準V。次の奈良FIでは3連勝でS級初優勝。前回の久留米FIでは先行策で小倉竜二の優勝に貢献した。
 「(前回は)3日目に先行して脚力不足を感じたけど、後ろが優勝したのは良かった。(6月の松山の前に)フレームとシューズを換えてからいいですね。練習中に落車したんで、仕方なく(そのフレームに)乗るしかなかったんですけど意外と良かった」
 前回の小田原FIを322着の原誠宏が、着実に手応えを感じている。
 「セッティングをちょっとずついじったりして、毎開催、ちょっとずつ良くなってきている。ここの追加が入ってからは、しっかりと調整をしてきました」

12R

選手の写真です。
久米康平選手
 徳島3車が結束。ラインの先頭の久米康平(写真)は、前回の富山記念を3672着。その後、中8日で試行錯誤して上昇ムード。
 「(前回は)反応とか動きはいいかなと。ただ、ここぞという時のもうひと伸びがあってほしい。33バンクがあんまり好みじゃないのもあったし、前々に攻めたのがいい方向に向かなかった。そのあとは自転車とか乗り方を修正したら、いい感じだったので楽しみです」
 坂本貴史は、宇都宮FI、富山記念と連続の落車に見舞われた。
 「怪我もそれほどひどくなかった。終わってマッサージとかをやったら、そこまで悪くはなかった。(体は)大丈夫だと思ってます。(川崎は)相性もいいし、今回はしっかりとチャンスを狙っていきたい」
 前回のサマーナイトフェスティバルが左アキレス腱断裂からの復帰場所だった*吉澤純平は、上積みが見込めそうだ。
 「(前回は)初日より3日目くらいの方が怖さもなくなった。(地元に)帰ってからの練習でも、ひとつ刺激が入って良くなってきた」

1R

選手の写真です。
奥井迪選手
 5番手で車間を空けた奥井迪(写真)が、打鐘の4コーナーから詰める勢いで仕掛ける。奥井がスピードの違いで主導権を奪い、周回中から奥井後位にポジションを取った佐藤亜貴子が続く。合わせて動いた那須萌美が3番手に飛び付く。4番手から渡口まりあが車間を詰めるが仕掛けられず、前2人の勝負。佐藤の追撃を危なげなく振り切った奥井が1着。
 「取れた位置から、しっかり(最終)ホームでは出切ろうと思ってました。連なって押さえてくる感じではなかったので、引いて自分のタイミングで行こうと。暑さで重い感じはしますね。でも、逃げ切れたので。もっとタイムも良くないかなって感じの重さでしたね。自転車ごと藤田剣次さんのところに送ってセッティングを出してもらった。フレームも立川の時とは違う。今回はこのセッティングでいきます」
 1番車から奥井に照準を絞った佐藤亜貴子は、直線で追い込むも4分の3車輪及ばず。
 「内枠だったので、なるべく中団からと思っていたけど、けん制が入って中途半端になった。結果的にはいい位置でした。次々に押さえる感じなら自分も続いて奥井さんを後ろに置こうと思ったけど、1車だけだったのでしっかり付いて行こうと気持ちを切り替えた。奥井さんは後半の方が強いので踏み出しではあまり脚を使わないようにと思っていたけど、やっぱり奥井さんの踏み直しがすごかった」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 スタートを出た飯田風音が、打鐘を通過してそのまま先頭に立つがペースは上がらない。4番手の鈴木美教(写真)を警戒しながら、2番手の中嶋里美が最終ホーム手前から踏み込んで風を切る。中嶋に飯田、三宅玲奈。4番手で車間を空けた鈴木はまだ仕掛けない。最終バックを通過して3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んだ鈴木が楽に突き抜けた。
 「自分のタイミングで行けるところからと。みなさんが早い仕掛けで、自分は落ち着いていた。飯田さんが外にいて、そのスピードをもらって行けた。ホームの踏み出しが甘いので、そこは修正したい。4日制は松山でも経験をしているので、今回は大丈夫です」
 飯田を制してタイミング良く主導権を握った中嶋里美が、2着に逃げ残った。
 「飯田さんが駆けると思ったけど、ペースが上がらなかった。(自分も)先行するつもりでいたのでいった。冷静に踏み直せたので、思ったよりも良かった。暑いのは好きじゃないけど、レースだけなので大丈夫」

3R

選手の写真です。
尾方真生選手
 打鐘の3コーナー過ぎから5番手の尾方真生(写真)が動き出し、山降ろしで加速をして山口真未を叩いて先行策。尾方に藤田まりあが懸命に続いて、前受けだった山口は3番手に入る。尾方が他をクギ付けにして、二の足できっちりと逃げ切った。
 「山口真未さんが一番前を取ったんで、先に仕掛けようと思いました。自分のタイミングではいけました。ホームは追い風だったんですけど、バックの向かい風が強くて最後までもつかなと思って踏んでいました。でも、しっかり踏み直せました。バンクが重いのか自分の脚が回ってないのか、重く感じたんで調整をしたいです」
 思惑通り尾方後位を周回中に手に入れた藤田まりあは、尾方の踏み出しに集中して2着をキープした。
 「(尾方)真生ちゃんの後ろが取れれば最高だなと思ってました。そしたら初手で取れたんで必死に付いていこうと。後半は踏み直されたんで、全然抜ける感じがなかった。付いているぶんには大丈夫です」

4R

 福田晃が切った上を叩いて伊原克彦が打鐘から先行勝負に出る。5番手となった内山雅貴だったが、7番手に下がった嵯峨昇喜郎の巻き返しに合わせて早々と反撃を開始。ホーム手前で主導権を奪った内山がそのまま別線の反撃を許さず、番手を回った五十嵐力がゴール寸前で差し切った。
 「スタートは前か、前から2番目、後は流れで内山君に任せていた。内山君のダッシュが良いのは分かっていたけど、中団からカマしたのが予想外で口が空いた。追い付けて良かった。冷静に見えているし調子は悪くない」
 寸前で交わされて2着の内山雅貴も納得の表情で振り返る。
 「先行できるように初手を取ろうと思っていて、前の方がメンバー的にも先行できると思っていた。五十嵐さんにあとは任せてもらえたし、その場の展開に応じて先行しようと思った。中団を取れたけど、先行しようと思っていたし気にせずに先行した。森田優弥君や、黒沢征治さんと合宿した成果が出たかな」

5R

 菊池竣太朗、櫻井祐太郎の順で切ったところを松岡辰泰が一気に巻き返しにいく。しかし、櫻井に突っ張られて松岡は出られず、最終ホームで櫻井を叩いた藤井昭吾が先手を奪う。櫻井の番手にハマっていた松岡はこれで4番手となったが、櫻井が3番手に引き切った2コーナーで間髪入れずまくり反撃。2センターで藤井を捕らえて快勝した。
 「後ろ中団からは作戦通り。(前が)モツれて、仕掛けようと思って仕掛けた。同期対決で(櫻井は)やっぱり突っ張ってくるかあと。後ろが空いていたので、落ち着いて入った。藤井さんは仕掛けると思って4番手ならまくれると思った。櫻井が折り合ってなかったので、先に踏んで、小岩(大介)さんと勝負だと。移動の疲れとかも抜けて軽く感じた」
 小岩大介が詰め寄っての2着で九州ワンツー決着に。
 「(作戦は)きっちりと切って、藤井が行った時に、その3番手を取りたかったが(松岡が)すかさず行けばいいと。(松岡は)しっかり動いたと思う。(自分の状態は)前回が終わった後にギックリ腰になった。一昨日(3日)、動けるかなと思って(出場を決めた)。付いてはいけたし、抜けると思ったけど、力が入り切らなかったですね。でも、レースでは痛くなかった」

6R

選手の写真です。
武田亮選手
 赤板1センターで先頭に立った成松春樹を、打鐘の3コーナーで武田亮(写真)が押さえてペースを握る。武田、中田健太まで出切るが、成松が3番手で粘り太田真一をさばく。最後方からまくった単騎の齋藤友幸は中団まで。直線で後続も迫って来るが、武田が押し切ってGIII初勝利。
 「後ろから押さえて先行と思ってました。(別線に)すごい先行するタイプもいないので、自分の思い通りにいけるかなと。今日(初日)は結構、緊張しました。ちょっと出し切れはしなかった。思い切り踏んだりはできなかった」
 別線との間合いを計り追い込んだ中田健太が2着。
 「(落車明けで)最低限、戦えるところかなと。今日(初日)が武田君を抜ける最初で最後のチャンスかなと思って抜きにいったけど…。もうちょっと自分が仕上がっていれば。強めに練習をしてきたので、その疲れが2日目以降に抜けてくれれば」

7R

 市橋司優人、佐々木龍、酒井雄多と順に動いた上を打鐘3コーナーで叩いて藤井栄二が先行策に出る。近畿コンビを受けて3番手を確保の酒井は、後方からまくってきた佐々木、市橋に並び掛けられても冷静に脚を溜めたまま。直線勝負でアタマまで突き抜けた。
 「車番が悪かったので前か後ろ。前を取ってイチかバチかカマす作戦だった。藤井さんが切るのが遅かったので、先に切ってあの形になった。緊張でフワフワしていたし、イチかバチかの展開だったら駄目だった。1カ月はほぼ師匠(成田和也)と一緒に練習していた。今回のS級は押さえ先行ばかりではなく、どうしたら勝てるかを考えている。今期はS級に残れる様に。良い流れはできたと思う」
 逃げた藤井をかばいながら踏み出した三谷政史は、酒井には伸び負けて2着に。
 「作戦は展開通り。栄二が先行しにいくと言っていたし任せていた。良いピッチで上がって行ったので、余裕はなかったけど、栄二を抜けているので。栄二を沈めたくなかった。控え室がすごく暑くて、外との気温差なのか体が重く感じた」

8R

 赤板1コーナーで前団を切った才迫開を、2コーナーで長尾拳太が押さえる。前受けから引いて7番手となった蒔田英彦だったが、打鐘2センターから一気にカマして出た。流し気味だった長尾を最終ホームで叩いた蒔田の主導権で、番手絶好の齊藤竜也が地元ホームのGIIIで嬉しい1着スタート。
 「(蒔田は)新人でもないし、何も言うことはない。ここだってところで行ってくれたし、頼もしかった。ここに向けてちょっと前からきつめに(練習を)やってピークが早くくるぐらい仕上がった。疲れが…と思ったが大丈夫。ここを目標にしていたので」
 3着に入った石川裕二を含めてラインでの上位独占に導いた蒔田英彦は、「車番が悪くて、前か後ろからで、前を取れたのは作戦通り。一番やりやすい展開になった。感触は悪くない。最近よくなかったので一から練習を見直して工夫をしてきたのがつながった。ラインで決まったのが一番」。

9R

選手の写真です。
松坂英司選手
 赤板2コーナー手前で外の三好陽一を張り気味に仕掛けた藤根俊貴が、地元勢を連れて主導権を握る。4番手に橋本瑠偉、金子哲大が6番手で一本棒の隊列になる。最終バックを迎えても別線は動けず、番手の松坂英司(写真)が、ホームバンクできっちりと勝機をモノにした。
 「(藤根は)流すことなくまくらせないように、いいペース配分でした。自分は重いかなっていうのがあったけど、あの(藤根の)先行は走りながらうれしかった。成田(健児)もタテ脚があるんで、最後は来るのもわかってた。1着は展開ですけど、自分も絶好調ではないけどやれないことはない」
 橋本を早めに叩いた藤根俊貴は、打鐘手前からペースを緩めることなく別線をシャットアウトした。
 「自分たち(のライン)は3車ですし、モガき合いになっても絶対に行こうと。絶対に先行と思ってました。初日からこういう走りができたのは、2日目以降につながってくるかと。ジャンから(最終)ホームでは自分のフォームがつくれたけど、バックからは踏みに変わっちゃった。そこを修正したい」

10R

 前受けの雨谷一樹は突っ張り気味に踏んでから、佐伯亮輔を出させて中団をキープする。単騎の疋田敏が打鐘過ぎにインを進出して、福田知也に競り込む。最終ホーム過ぎに福田が踏み勝つも、雨谷の踏み出しに遅れる。逃げる佐伯をまくりで楽にとらえた雨谷が1着。
 「佐伯君が先行だと思っていたし、ペースを上げて脚を使わせてから出させたかった。位置も取れたんでレースとしては良かったと思う。踏み出した瞬間にいけると思ったし、余裕もありました」
 離されながらも前団を乗り越えた福田知也が、雨谷から4車身差で2着を確保した。
 「最近ヨコに不安があったけど(疋田が)踏み出しで遅れてくれて助かった。雨谷にスタンディングでいかれて対応できなかった。本調子ではないけど、気持ちで乗り越えたい」

11R

選手の写真です。
原誠宏選手
 赤板過ぎに先頭に立った三好恵一郎は、簗田一輝を突っ張る。簗田が3番手に収まると門田凌が2コーナーから踏んで押さえて出る。後方から竹山陵太が巻き返すが、門田がペースを上げて逃げる。4番手がもつれ、門田ラインに流れが向く。番手の原誠宏(写真)が、直線半ばから踏んで門田を交わした。
 「門田君がすべてやってくれた。打鐘からいってくれましたからね。(駆けているのが門田だったんで)余裕はなかった。1着はだいぶ久々ですね。ウォーミングアップの時は緊張していたけど、これでいけるかな」
 ラインの舘泰守まで流れ込んで上位を独占した門田凌は、内容の濃い走りで順当に二次予選に進んだ。
 「打鐘と(最終)ホームはそんなに踏んでいないけど、竹山さんが来た時に合わせた。立ちこぎが良くなかったので、座ってペースに入れた。初日は先行基本にいこうと思っていた。初日に踏んだ方が、2日目以降が楽になると思います」

12R

選手の写真です。
小林泰正選手
 徳島ラインが襲い掛かると、小林泰正(写真)は突っ張り気味に踏んでから、打鐘の4コーナーで4番手をキープする。村田雅一にすくわれた坂本貴史は8番手に陥って万事休す。久米康平がリズム良く駆けて、番手の高原仁志に好展開か思われた。が、4番手の小林が3コーナー過ぎからまくり気味に追い込む。コースを縫った村田雅一との踏み比べに勝って1着。
 「久米さんが来るのが遅ければ突っ張ろうと思ってた。ただ、あそこからだと(坂本)貴史さんのまくりごろになってしまうんで、単騎の人たちが来ないように踏んでました。(前回と比べて)部品とかを戻したんで、かなりいいですし、脚の感触も前回よりもいい」
 単騎でまさかの9番手に置かれた村田雅一だったが、最終ホームで7番手に押し上げて、最後はコースを選んでシャープに伸びた。
 「(展開が)ちょっと読みづらいかなというのがありました。いろいろ考えていたら9番手になってしまったんで、1車でも前にと。見ばえが悪いレースになりました。筒井(敦史)さんが行ったので内のコースは消して、前の踏み具合を見てました。余裕をもってコースを見られてました」
 徳島ライン3番手の堤洋が、久米と高原の間を踏んで3着。
 「(久米)康平のダッシュがいいんで、そこだけは集中していた。(高原仁志を)抜いているんで調子はいいと思います。(初日は)3番手だったから気持ち的に楽だったけど、(2日目の二次予選は久米の番手で)緊張します」

1R

選手の写真です。
奥井迪選手
 渡口まりあに併せ込まれた奥井迪(写真)は、打鐘で1車下げて4番手で反撃のタイミングをうかがう。3番手の渡口が4コーナーから仕掛けて、奥井が続く。出切った渡口の上をすかさずまくった奥井が、直線で藤田まりあ、山口真未の追撃を振り切った。
 「フタをされて毎回すんなり引いていたら、これから先キツくなる場面もあると思う。だから、今日(2日目)は突っ張って、そういうところも見せておかないとと思っていました。渡口さんが出てからは、付いて行ってすかさず前に出ようと決めていました。ちょっとアクシデントもあったので、焦って踏んじゃいました。(テーマにしている)力みなくとはいかなかったです」
 奥井のまくりにスイッチした山口を追いかけた藤田まりあは、直線で前団との差を詰めて山口を交わして2着に上がった。
 「初手は取れた位置から考えようと思ってました。流れに乗れたし、最後も伸びたので良かったと思う。渡口さんに付いていたけど、奥井さんが行きそうだったのですぐに切り替えた。ちょっと踏み出しは遅れたけど、修正できる範囲です。前回から空いて、しっかり練習できたのが大きい

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 打鐘で7番手の佐藤亜貴子が巻き返して主導権を奪いにいくも、前受けの飯田風音が突っ張り踏み合いで最終回。ソツなく3番手に追い上げた鈴木美教(写真)は、2コーナー過ぎからまくりを打つ。スピードの違いで楽に前団を仕留めた鈴木が、後続の追撃を退けた。
 「危うく内にいくところで、流れを殺しかけた。けど、まくった時の自転車の出は良かった。ムダ脚を使わなければ、もっと出たかなっていうのはあります。しっかり勝てているけど、あと2日残っているので、気持ちを切らさずにいきたい。」
 森内愛香との併走から鈴木を追った田中まいは、鈴木の加速力に1車身半、離されての2着。
 「ここのところ成績が悪くて、体も悪い状態。いいイメージができていなかったので、確定板に入るために鈴木さんの後ろをと思っていた。いいところが取れました」

3R

選手の写真です。
尾方真生選手
 圧倒的人気に支持された尾方真生(写真)は打鐘の2センターから追い上げると、その動きを察知した先頭の中嶋里美は最終ホームめがけてペースを上げる。すると、その後ろにいた佐藤友香が落車して、三宅玲奈も乗り上げる。2番手に収まった尾方は、最終2コーナーから仕掛けて、バックで中嶋をまくり切ってゴールを先頭で駆け抜けた。
 「初日の(中嶋)里美さんのレースを見ていて、先行は強いので先に(中嶋を)行かせて流れを見ていけたらいいなって思いました。前に里美さんがいたので、まくりでいいかなって思って落ち着いて仕掛けられました。初日より踏み出しも軽くて良いと思う」
 那須萌美は打鐘で尾方の後ろに切り替えると、そのままピタリと追走。4分の3車身差の2着に入った。
 「尾方さんがずば抜けて強いので、そこは意識していました。中嶋さんも前にいたので2人の動きを見ながらでした。ちょっと落車があったので委縮しちゃって展開がわからなくなったのもありますが、今の脚力では差し切るのは難しい。今日(2日目)みたいな展開では差し込めたら良かったかなと思います。脚は悪くないので、セ

7R

 藤井栄二が主導権を握り、南関勢が中団で打鐘を通過する。一本棒の7番手に置かれた坂本貴史は、4コーナーからスパート。坂本は空いた4番手で一息入れて、再度2コーナー手前からまくりを打つ。逃げる藤井を坂本がとらえて、村田雅一は佐藤和也を張って切り替える。村田がゴール前で楽に坂本を交わした。
 「坂本君の巻き返しが早くて、もっていきづらかった。一番いいタイミングで来られた。それなら(坂本ラインの)番手だと思ってさばきに行きました。(藤井)栄二がタレてきていたので、前に踏ませてもらった。状態はすごくいい」
 近畿ライン3番手の中川勝貴は、ゴチャついた最終バック過ぎで別線に割り込まれることなく流れ込んで2着。村田の俊敏な動きに感嘆する。
 「付いていて余裕はあったんですけど、村田さんが踏んだ時に少し口が空いた。でも、悪くはないかな。村田さんの動きは勉強になります。流れもいいし、脚も悪くない」

8R

選手の写真です。
内山雅貴選手
 松岡辰泰が打鐘の3コーナー過ぎに主導権を奪うと、叩かれた内山雅貴(写真)が番手に飛び付く。逃げる松岡後位が併走になり、6番手に小林泰正で最終ホームを迎える。小林がロングまくりで前団に迫り、番手を奪取した内山が小林に合わせて踏む。小林を合わせ切った内山が、番手まくりで113期の同期対決を制した。
 「先行しようと思ったけど、松岡君が3車だったので粘ろうというのも思った。引いたら勝てないと思った。森田(優弥)君と練習をしていて、ヨコの動きもやっている。やってみてヘタクソでしたね。基本は自力なので、落ち着かずに風は切ろうと。点数もないし、人気にもなってなかったので、勝てて自信になります」
 最終バックで内山に合わされた小林泰正だったが、同県の三好恵一郎の援護もあり、内山を追うように2着に入った。
 「2人(松岡、内山)を出させてやり合ったところを(まくりで)と思ったが、内山が飛び付きだったのは予想外でした。あそこでアンコになってしまって脚を使ってしまった。内山が出ていってへばりついて行こうと思ったが、内山が強かった。初日、2日目と動けてはいるが、逃げることができていない。勝ち上がれているけど、納得はいっていない」

9R

選手の写真です。
白戸淳太郎選手
 赤板の1コーナーで市橋司優人がインを切ると、武田亮がすかさず動いて打鐘前で先頭に立つ。後方から酒井雄多も巻き返し、武田もペースを上げる。最終ホームで酒井を合わせ切った武田が最終バックを先頭で通過。4コーナーを絶好の番手回りで迎えた白戸淳太郎(写真)は、まくり上げてきた市橋をけん制して直線でシャープに抜け出した。
 「番組と武田君のおかげです。今回は不安で仕方なかった。周回中は中団が一番だったけど、後ろからなら押さえていくだろうし、あとは(武田に)任せようと。本当に頼もしいですね。もうちょっとうまく走れば武田君も残れたと思うけど、自分に余裕がなかった。正直良いとは言えないが戦える状態かな。あとはカマシとかまくりの時の踏み出しですね」
 最終バックで最後方の柴崎俊光だったが、2センターから内へ入ると、最後は外へ持ち出してイエローライン付近を伸びて2着に食い込んだ。
 「武田君は何が何でも先行したかったでしょうね。長尾(拳太)君も我慢して一発狙いって感じだったので、あとは僕がどこを突っ込むか。市橋君と紫原(政文)さんの間でしたね。空いているところをめがけて突っ込んでいった感じでした。アタマ(1着)までいったと思ったけど、届かなかった。道中の余裕がなかったので修正したい」

10R

 赤板の2コーナーで先頭に立った門田凌は、先行意欲満々の藤根俊貴ラインを受けて中団をキープする。門田に絶好の展開かに思われたが、逃げる藤根の掛かりが良くなかなか仕掛けられない。一本棒のまま最終バックを通過して、4番手の門田は2センター手前でようやく外に持ち出す。ゴール前でなんとか前団をとらえた門田が1着。
 「伊原(克彦)さんの上を叩いたらすかさず藤根君が来たので、これはやる気だなと思って出させてから考えようと思った。うまいことペースにはめられてしまったし、1回イエローくらいまで上がられて仕掛けるタイミングを失った。いつものまくり追い込みよりは早く仕掛けたけど、まくり追い込みなので状態はわからない」
 7番手から外を強襲した伊原克彦は、シャープな伸びで2着に届いた。
 「車番が悪いので前か後ろからと思っていたけど、スタートで中団が取れそうだったのに後ろになってしまって失敗した。(最終バックで)後方になってしまったし反省が残る。外を踏めば伸びる感覚はあるので、自分の力とスピードを出せるように組み立てたい」

11R

選手の写真です。
櫻井正孝選手
 打鐘を目がけて勢い良く出た金子哲大が、そのまま駆けて先行策。嵯峨昇喜郎が3番手の好位を確保する。5番手の橋本瑠偉、7番手の久米康平は不発で、車間を詰める勢いで最終バックから嵯峨が踏み上げる。中を突っ込んだ堤洋にからまれた櫻井正孝(写真)だったが、直線で堤を制して嵯峨を差し切った。
 「初日が(久々のレースで)緊張していて不甲斐なくて反省だらけだった。今日(2日目)は後ろだし初日とは違う。嵯峨君を援護してワンツーを決めたかった。今回から新車だけど、ちょっとやわらかいですね」
 3番手からまくり気味に追い込んだ嵯峨昇喜郎が2着。落車明けで不安もあった今シリーズで準決にコマを進めた。
 「思っていたのと違う展開になった。金子さんがヤル気だったので、展開が向きましたね。前回の落車であばらの骨が痛いけど、レースでは気にならないし競走では大丈夫。(前回より)自信はなくなっているが、初日に長い距離を踏んで今日は気楽に行けた」

12R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 打鐘で櫻井祐太郎が後方から巻き返すと、中団の雨谷一樹は反応して成松春樹を押さえて3番手をキープする。櫻井がそのままペースを上げて最終ホームは一本棒。バックも櫻井が先頭で通過。雨谷は3コーナーから仕掛けると、最後はマークした吉澤純平(写真)がきっちり差し切った。
 「(雨谷が)脚を使っていい位置を取ってくれたので、あとはどこから仕掛けていくかだった。自分の中では(状態が)良くなっているけど、ダッシュが心配だった。1着でちょっとホッとしました」
 雨谷一樹は俊敏な立ち回りから、きっちり前団をのみ込んでライン上位独占に導いた。
 「初手の並びを見て組み立てを決めた。踏むところを踏んで位置を取ってからの勝負は、今の自分の競走スタイルなので。脚の感じも良くて、周りも見えていました。ワンテンポ遅くなったけど、ラインで決まって良かった。初日より2日目の方が良かったので3日目もやれると思う。しっかりここに向けて練習をやってきていたので頑張りたい」

5R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 最後方の渡口まりあが赤板の2コーナーから一気に踏み込んで主導権を握る。前受けの奥井迪がこの2番手にすんなり収まり、鈴木美教(写真)が3番手で最終ホームを通過。2コーナーから奥井がまくると、続いた鈴木美がシャープに追い込んだ。
 「(初手は)一番いい位置が取れた。2コーナーで(奥井が)行くなって思っていたので、落ち着いていた。踏んだ感じは悪くない。4日間1着を取りたいし、あとは優勝したい気持ちが大きい」
 絶好の流れからまくった奥井迪は2着できっちり勝ち上がった。
 「後ろに鈴木(美教)さんがいるとは思わなかった。隊列は把握していませんでした。後ろが分かっていれば、もう少し引き付けても良かった。渡口さんがいい競走をしていたので、力勝負をしたいなと。でもまくりで12秒3だし、重い感じがした。自分が良くないですね」
 初手から奥井、鈴木美の後位にいた鈴木彩夏を4番手からゴール寸前で交わして那須萌美が3着に。
 「(奥井と鈴木美教に)並ばれたら厳しいですよね。走る以上は1着を目指しているけど、あの並びになってしまうと。内が空いて番手に行こうとか、(周りを)見れたのは良かったのかな。日に日に良くはなっています」

6R

選手の写真です。
尾方真生選手
選手の写真です。
中嶋里美選手
 尾方真生(写真)が打鐘の4コーナーから仕掛けて、最終ホームで中嶋里美を叩く。3車身ほど空いた2番手に中嶋が入り、3番手には山口真未が収まる。軽快に逃げた尾方はバックを先頭で通過すると、4コーナーからも力強く踏み直して後続の追撃を振り切った。
 「(4日制だけど)体力的にはまだ大丈夫。ジャンの2センターで誰も動いていかなかったら、ジャンの4コーナーから仕掛けて行こうと思った。最後の4コーナーからも踏み直せるように走っていました。初日、2日目と比べて脚も軽くなってきている。最終日も軽くなれば良いな。しっかり自力を出すレースをしながら、完全優勝をできるように頑張りたい」
 正攻法で構えた中嶋里美(写真)は尾方の後位に飛びつくと、懸命に差を詰めて2着に食い込んだ。
 「尾方さんが仕掛けて来ると思ったので前にいて飛び付きを狙っていました。尾方さんの後ろに付いてくる人がいると思ったので、そこだけ気をつけていました。番手を取り切れて良かった。抜きに行こうと思ったけど、脚力が足りませんでした。3日間色々な走り方ができているので、最終日に繋げようと思います」
 山口真未は最終ホームから追い上げて3番手で態勢を整える。最後の直線で外を踏み込むも、前2人は交わせず3着となった。
 「準決勝は中団からカマして行こうと思っていたけど、尾方さんに先に仕掛けられてしまった。ちょっと(尾方に)離れていたけど、コーナーで踏んでいけてその後に(中嶋の後ろで)休んでしまったのが2着と3着の差の違いだった。4日制を走ったのは初めてだったので、まずは準決勝を目標にしていたし、それで決勝まで上がれるので良かったです」

10R

選手の写真です。
雨谷一樹選手
選手の写真です。
高原仁志選手
 後ろ攻めから切ろうとした森川大輔を前受けの雨谷一樹(写真)が赤板過ぎに突っ張る。そこを門田凌が打鐘前に押さえて先行策を取る。雨谷が3番手に収まり、6番手に坂本貴史、森川が8番手の態勢で最終ホームを通過。快調に飛ばす門田に対し、別線はなかなか仕掛けられない。3番手から早めの追い込み勝負に出た雨谷が鋭く抜け出した。
 「車番が良くなかったので、前か後ろ。前を取って、いい位置を取るには1個突っ張っろうと思った。脚使ってでもいい位置を取れていますね。長い距離は踏めないので、ラインを生かすためにはこういうレースをするしかない。もっと早く仕掛けたかったが門田君がかかっていた。GIIIの決勝は初めてです」
 高原仁志(写真)が番手絶好展開から追い込んで2着に入った。
 「門田君にすべて任せて、彼の持ち味を出して勝てるようにと思っていた。連日お客さんに迷惑をかけていたけど、今日(3日目)は修正できた。セッティングをいじったし、暑さも初日と2日目に比べて気にならなかった」
 先行で長い距離を踏んだ門田凌が3着に粘った。
 「ノープランでした。後ろから押さえて誰か飛んでくると思ったが、駆けたら弱いとバレてるんでしょうね。でも、初日、今日(3日目)と強いメンバーの中で駆けて3着に残れているなら言うことない。バンク特性なのか、逃げた方がずっとアタリがある感じがする。まくりは浮きそう」

11R

選手の写真です。
伊原克彦選手
選手の写真です。
櫻井正孝選手
 後ろ攻めから赤板過ぎに切った伊原克彦(写真)を嵯峨昇喜朗がすかさず押さえて先行態勢を取る。前受けから7番手まで下げた小林泰正は打鐘の3コーナーから反撃に出るが、櫻井正孝の強烈なブロックを受けて勢いが止まる。前団の混戦を見極めていた伊原が最終3コーナーから外に回して鮮やかに突き抜けた。
 「後ろからになったので、1回動いてからと思った。小林君が行くのが遅くて(中団から先に)出て行こうか悩みながら、自分の仕掛ける位置は確保していた。力を出し切れているので、感触はいいし、調子もいいと思う。GIIIの決勝は3回目くらいですね」
 逃げた嵯峨の番手で仕事をしてから追い込んだ櫻井正孝(写真)が2着に。
 「(3日目が)誕生日は忘れていた。初手は一番いい並びになった。(嵯峨の)気持ちがこもっていましたね。人気になっていた(小林)泰正を止めることができたし、車間も切れた。(嵯峨を)残したかったけど川崎は直線が長いですね。(今回が久々の実戦だが)レース勘は良くなってきた」
 厳しい流れとなった白戸淳太郎だが、地元の意地で3着に突っ込んだ。
 「小林君が無理やり前に行ってくれて何とか伸びてくれた。合わされた時点で1回脚をためてチャンスがあればと。伊原君が来たので合わせて外を踏んだ。練習不足の不安はぬぐえないですね。この年齢でGIIIの決勝に乗れるなんて信じられない」

12R

選手の写真です。
吉澤純平選手
選手の写真です。
簗田一輝選手
 金子哲大が打鐘で長尾拳太を叩いて先頭に立つ。打鐘の3コーナーから内をするすると潜り込んだ市橋司優人は吉澤純平(写真)を退かしにかかる。前団の隊列が短くなり、すかさず後方から内山雅貴が巻き返して最終1コーナーで主導権を奪う。完全に静岡勢にとって良い展開になったかと思われたが、バックで切り替えて自らタテに踏み上げた吉澤が静岡勢をまくり切って1着を手にした。
 「自分がすくわれたし、迷惑かけた。(金子は)上に上がって踏んでいなかったので、怪しい気はしたけど…。(静岡勢に)行かれれちゃったので、自分もあそこでバックを踏むことはできなかった。(簗田一輝が)前を残し気味だったので、自分が1着まで届きました。練習では今シリーズ自力で戦っても大丈夫な感じだったので、そこまで心配はしていなかった。こんなに連日番手を回ることがないので、後ろのことも勉強させて貰っている」
 内山をマークした簗田一輝(写真)が2着。
 「(2人とも)ちゃんと力を出し切れるようにと。(内山が)仕掛ける所も分からなくて、(踏み出しで)若干口が空きました。追いついてからは割と余裕がありました。後ろの状況も見えていた感じがある。初日6着、2日目4着だけど着以上に脚の感触は良いですね」
 内山雅貴は勝負所を逃さずに思い切って仕掛けたことが奏功。GIII初めての決勝進出を決めた。
 「4分戦だったので、初手の位置取りは全部のパターンを考えて走りました。前団で粘っていたので、隊列が縮まった所でいこうと。結構落ち着いていたし、気負わず走ろうって思っていた。ただ先行するだけではなくて、決勝に乗れるようにやることをやろうと。勝ち上がりの3日間で全部の戦法が違うので凄い収穫のあった開催。GIIIの決勝は初めてです。それよりもレースの内容が良かったことの方が良い」