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34#

決勝戦レポート

荒井崇博(佐賀・82期)

荒井崇博が2年ぶりの美酒

 最近は優勝から遠ざかっていた荒井崇博。それでも、ここ一番の勝負強さは健在だった。チャンスを逃さずに14回目のGIII優勝。レース後は、荒井らしく豪快に勝利を喜んだ。
 「最近は優勝が少なくなっているけど、今回は勝てて良かった。(GIIIの優勝は)14回目だね。キリが良いから、あと1本獲りたい。(中川)誠一郎を抜けばいいんでしょ(笑)」
 打鐘の4コーナーからカマした佐藤幸治が最終バックで池田勇人を捕らえる。この仕掛けに続いた荒井は、冷静に別線の動きを見極めた。「誰も来なければ大坪(功一)さんもいるし、ギリギリにいこうと」。しかし、岡光良の動きを確認すると、一気に踏み込む。きっちりと勝機をモノにして約2年ぶりのGIII優勝を果たした。
 「(巻き返した佐藤は)もうワンテンポ待っても良かったね。そしたら、良い勝負ができたと思う。3番(岡)がチラチラ見えて。あそこまで行ってくれたし、絶対に獲らないといけないと思った。決勝だし、ごめんと思って。でも、(佐藤)幸治も3着に残ってくれて良かった」
 松戸に続き、またしても九州勢がGIIIを制覇。中川、荒井と九州のキーマン達が、輪界に再び九州の風を吹かせる。
 「九州が良くなってきている。今後も、九州のみんなで盛り上げて頑張りたい」

 目標が上を行かれた岡光良は、2センターで大坪をけん制。直線で伸びるも、荒井に及ばずの2着。それでも、正規あっ旋では初のGIとなる競輪祭の出場権利を手に入れた。
 「池田君のおかげです。良いところで行ってくれました。佐藤君を止めないとどうにもならないと思ったけど、止められない感じでした。ちゃんと権利を取って競輪祭に出れるんで良かったです」

 初めてのGIII決勝に臨んだ佐藤幸治。優勝こそならなかったが、九州ラインの先頭で持てる力をすべて出し切った。
 「前を取って引いて、緩んだところを行こうと思ってました。ちょっと焦って早めに踏んじゃいましたね。もうワンテンポ、待ってもよかったかもしれない。でも、しっかり出切らないとダメですから。最後は夢をみたけど、次につながるいい競走はできました」

 地元の佐々木龍は打鐘の4コーナーで池田と接触して車体故障。悔しい結果に終わった。
 「これがS級の厳しいところですね。自分が甘かったと思います。決勝は良い雰囲気だったし、良い経験になりました。もっと力をつけて、また走れるように」

 九州3番手を固めた大坪功一は、きっちりと前に続く。しかし、2センターで膨らむと、直線で伸びを欠いて5着に終わった。
 「ずっとニュートラルには入っていました。でも、3番手の外はキツかったですね。行けると思ったけど、脚がなかったです」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で素早く荒井崇博が出て、佐藤幸治-荒井-大坪功一の九州勢が前受け。以下は池田勇人-岡光良、伊藤正樹、鷲田佳史、佐々木龍-佐々木雄一となって周回を重ねる。
 青板バックを過ぎて佐々木龍が上昇。佐々木龍は一旦、埼玉勢の外まで上げてけん制の後、2コーナーから再度踏み上げて前団を押さえる。そこを池田が叩くが、4コーナーで内に降りた際に佐々木龍と接触。車体故障を起こした佐々木龍は後退していき、池田-岡、鷲田、佐々木雄、佐藤-荒井、伊藤での8名の競走となる。そのまま池田が駆けていくが、最終ホーム手前から佐藤がまくる。岡のブロックを凌いだ佐藤は3コーナーで池田を捕らえて先頭に。直線に入ると、粘る佐藤を差し切って荒井がV。大坪をドカして荒井後位に切り替えた岡が2着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 荒井 崇博 佐賀 82期 S1 11.5 追込み
2 3  光良 埼玉 94期 S1 3/4B 11.6 追込み
3 9 佐藤 幸治 長崎 92期 S1 3/4W 11.7 B
4 4 伊藤 正樹 愛知 71期 S1 1/2W 11.5
5 2 大坪 功一 福岡 81期 S1 1W 11.6
6 8 鷲田 佳史 福井 88期 S2 3/4W 11.5
7 1 佐々木 雄一 福島 83期 S1 3/4B 11.5
6 佐々木  神奈川 109期 S2 0
7 池田 勇人 埼玉 90期 S1 0 H