後ろ攻めの森川大輔が、合わせて動いた取鳥雄吾を制して前に出る。そのまま別線を警戒しながら先行態勢へ。しかし、中団となった取鳥が、打鐘の4コーナーから巻き返して強引に森川を叩いた。香川雄介が離れて単騎となるも、懸命にゴールを目指す。目標の余力を見極めた浅井康太(写真)は、取鳥を最終1センターで追いかける。空いた車間を徐々に縮めると、追いつきざまにまくって白星を手にした。
「森川君は赤板から気持ちが入り過ぎていましたね。これは(番手から)出るか、(別線を)受けてさばいたりしないといけないかなと。でも、そのなかで(ラインの北野武史と)ワンツーが決められてよかった。初日も言っていたけど、人気になっていたし、それに応えられてよかったです。(安定感が戻ってきたのは)骨が治ったおかげ。それがすべてです」
連日、浅井後位を回っている北野武史(写真)。準決も初日と同様に、浅井に続いてワンツーを決めた。
「みんな強い。でも、浅井はそのなかで実験していると思う。(取鳥に)スイッチして、行ったと思ったらファーっと流して。こっちは1回しか踏めないからキツいね(笑)。いつ誰が内に来るかもわからないし、そこも不安でした。決勝に乗れてよかった」
踏み出しで取鳥に離れた香川雄介は、中部勢にスイッチ。3着に流れ込んで優出を決めるも、「情けない」と反省に終始した。
「ダメですね。(打鐘の4コーナーで)反応できなかった。赤板のところも反応できなくて離れているし。(離れたのは)脚のレベルが違うからです」
取鳥雄吾は必死の抵抗を見せるも、最後は力尽きて8着に終わった。
「落ち着いてレースをして、(番手まくりも可能な)浅井さんとも力勝負をしたいと思っていました。そのへんは迷わず行けたけど、あれで残れていないので。(10レースの)松本(貴治)さんは決勝に乗れているのに…。良くないですね」
≪最終日9R S級ブロックセブン≫
中川誠一郎は、前回の福井FIを716着。優出こそしたものの、まだまだ結果がついてこない。しかしながら、7車立てなら持ち前のスピードを存分に生かせそうだ。
「練習もしっかりできるようになってきて、あとは結果を出すだけですね。(前回の福井は)去年の(久留米で行われた)地元記念以来の決勝でした。ホッとしました。7車立ては僕にとってメリットしかないと思う。引いても5、6番手なんで、近く感じるんじゃないかな」
今期の2度の記念優出と安定感のある志智俊夫だが、前回の京王閣FIの最終日に落車。状態面が気になるところ。
「(落車の影響は)あると思うけど走るぶんには問題ない。(ここまでは)ケアと自転車を両方やって、忙しかったですね。フレームを戻しました。前回換えたので、前々回に使っていたものです」
積極性は一番と思われる藤井栄二は、格上の選手を相手に持ち味を発揮できるか。
「脚を使わずに駆けさせてもらえる展開になった時は残れている。脚を使わされた時に残れていないのが現状の脚です。しっかり残れるように。迷いなく自分のレースはできているんで、こういうレースをして力をつけて、しっかり上がっていこうと思う」
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