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かわさき競輪

KAWASAKI KEIRIN

34#

検車場レポート

  • 4/6 Fri.  (前検日)
  • 4/7 Sat.  (1日目)
  • 4/8 Sun.  (2日目)
  • 4/9 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
不破将登選手

 久しく優出がない不破将登(写真)。しかしながら、積極性は取り戻しており、3月岐阜FIを911着など随所で好走を見せている。


 「ラスト200メートルで仕掛けると、かけになるので。それなら相手が掛かりきる前に勝負しようと思っています。良くなってくるとバック数も増えてくるし、最近はちょっとずつバック数も戻ってきていますね。今回は師匠(加藤慎平)も一緒の開催なので、1個でも上のレースで走れたら。脚も問題ないです」


 3月名古屋記念の2日目では、別線を完封して2着に粘った山崎翼。大きい着こそ目立つも、2期目のS級で自信を深めている。


 「少しずつですけど、レースにも慣れてきて戦えるようになってきましたね。前までは自信がなかったけど、連にも絡みだしてきたし、いまは自信を持って挑めています。前回は地元(3月別府FI)だったので、終わってから疲れが出て。ここまでは緩めでやってきました。初日は(連係する加倉正義が1番車なので)位置的にも動きやすいし、しっかり考えたい。まだ記念の一次予選を突破したことがないので頑張りたいです」


 

2R

 三谷政史は、滋賀から弟らがいる奈良に移籍。心機一転し、ここから巻き返す。


 「3月20日付けで奈良に移籍しました。びわこ競輪が使えなくなって、一年間(街道を中心に)やったけど。成績も落ちていったし、なにか変えなアカンなと思って。もともと、びわこではバンクを中心に練習していたし、そろそろバンクにも入らないといけないなと思っていたんです。ここまでは、ちゃんと練習をしてきました。状態も大丈夫です」


 高橋大作は2月京王閣FIでV。持ち前の勝負強さを発揮した。


 「(成績が上がったのは)これが競輪だから。前の頑張り次第で戻せる。それと、7車立てじゃなくて、9車立てだからってのはありますね。(近況は一息の成績が続いており)状態は悪くないんですけど。展開が悪い時にカバーできる脚力がないので厳しい。中2日は初めてですけど、体は大丈夫。(節目にリーチをかけているが)300勝したから楽になるわけではないし、次もあるので」


 

3R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 1月別府FIから優出こそない簗田一輝(写真)だが、今年2度の記念は初日をクリアしている。ここも持ち前の機動力を生かして勝ち上がりたいところ。


 「最近は微妙ですね。走り過ぎっていうのもあると思います。でも、前に比べて良い競走はできていますね。今後も思い切りいければ、良くなっていくと思います。まずは初日をしっかりと頑張りたい」


 小林申太は、3月小松島の国際自転車トラック競技支援競輪でS級初勝利をゲット。グレードレースの舞台で、再び白星を狙う。


 「(3月京王閣の落車は)指がえぐれてしまったんですけど、人差し指だったので。そんなに影響はなかったです。今はほぼ塞がりました。小松島でS級初勝利を挙げて、そのタイミングでシューズも換えたんですけど。感触は悪くなかったですね。補充で走った(前回の)京王閣でも長い距離を踏んで5着ですし。疲れも問題ないです」


 

4R

 岡崎智哉は、3月岐阜FIを318着で今年2度目の優出。しかしながら、現状に満足することなく上を目指す。


 「まだ安定していないですね。数字が悪い。自分のなかではアカンって感じではないけど。そろそろ浮上していきたい。(1着を取った岐阜の準決は)中団を取っての先まくりなので。条件が整えば1着を取れるけど、そうじゃない時に乗り越えられない。だから、ムラがあるんですよね。ここまでは個人的に和歌山の白浜にロード合宿にいってきました。それですぐに結果が出るような甘いものじゃないとは思っていますけどね」


 ホームの加藤健一は、地元記念に初参戦。「バックも少ないし、先行できるようにしたい」と、積極的な組み立てを誓った。


 「地元記念は初めてですね。準備はしてきました。前回(別府FI)も最終日が1着で、いい感じで終われましたし。直前はバンクに入らないで、いつも通り街道で練習をしてきました」


 津村洸次郎はここまで中12日空いて、きっちり仕上げてきた様子。


 「最近はあっ旋が詰まっていたんですけど、ここまではしっかり練習ができました。(近況は成績が安定しておらず)これが今の現状ですね。でも、積極性は変わっていないです。とりあえず、初日をクリアしたい」


 

5R

 なかなかリズムに乗れない小埜正義だが、2月玉野FIでは久しぶりの優出。準決は落車のアクシデントもあったが、軽快なまくりで白星を手にした。


 「ちょっとずつ良くはなってきましたね。ここまでも(中19日)空いたので、しっかり計画を立てて練習してきました。でも、ひまでやり過ぎましたね(笑)。あとは、どこかで覚醒してくれれば。久しぶりに南関の記念に正規(配分)で呼んでもらえて。神奈川の選手にはお世話になっているし、恩を返したい。そのためには、まず勝ち上がらないと」


 桜井雄太は今期が1年ぶりのS級カムバック。「自分は本当に弱いので」と、謙遜するが、コンスタントに白星を挙げている。


 「勝てているのはたまたまです。脚では負けるので、組み立てで勝負しないと。前回(玉野FIを988着)は新車で行っていろいろ試しました。成績は悪いんですけど、そこまで落ち込んでいません。ここまでは(中2日なので)疲れを取るつもりで過ごしました」


 

6R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 ウィナーズカップでは588着で途中帰郷となった堀内俊介(写真)。その前の玉野記念は連勝で準決に勝ち上がっただけに、悔しい結果となってしまった。


 「せっかく調子が上がってきていたんですけど、ウィナーズは疲れている状態で入ってしまって調整ミスでしたね。ここまでは支部合宿で千葉に行ってきました。今回は前回の反省を生かして、やり過ぎないように意識をしたんですけど。ちょっと疲れがあったので、前日にリフレッシュしてきました。地元記念なので、気合いを入れて頑張ります」


 大塚玲は3月高松FI、前回の福井FIを連続優出。福井の決勝は失格も、好感触を保ったまま地元記念を迎えた。


 「シューズを換えたら、それがバッチリ。(2着に入った)福井の準決も悪くなかったし、(後方に置かれる苦しい展開も)苦にならなかったです。ここまでも、ここに向けてしっかり練習をしてきました。油断せずに、ラインで決まるように」


 才迫開は、ウィナーズカップを9997着。成績こそ振るわなかったが、上位にもまれて闘争心に火がついた。


 「ウィナーズは、だいぶ思うところがありました。このままじゃダメだなって。気持ちを入れ替えるキッカケになりましたね。前回(福井FIを155着)も、ここ最近では良い感じだったと思います。ここまでも、いい練習ができました」


 

7R

 名古屋記念、小松島の国際自転車トラック競技支援競輪に続いてのGIIIシリーズとなる吉本卓仁は、上々のコンディションも実戦での課題をあげる。


 「グレードレースが続くのはいいこと。脚の感覚はいいんで、あとはどう戦うかですね。最近、逃げてない部分が出ちゃって、いかんせん(先行する)勇気がない。まくりのスピードは戻ってるんで、あとは1回でもハナを切って粘れれば勢いがつくと思う」


 メンバー最年少の新山将史は、中5日のローテに「ちょうどいい」と疲れもなさそうで笑みを浮かべる。


 「前橋(2場所前)が追加だった。その前に練習を結構、強めにやって、(前橋が)ダメだった。今回は中5日でも練習もして、調整して、休養もしっかり取れた。わりかし(状態が)いいと思います」


 

8R

 松本貴治は、玉野記念シリーズ最終日のルーキーチャンピオンレースで南潤をとらえ切れずの2着。前回の別府FIを232着でS級初優勝を逃したが、そのポテンシャルに疑いの余地はない。


 「(ラインの小川圭二と)しっかりワンツーを決めたいですね。(記念は2回目ですけど)4日間っていうのも、気にならない。最終日に脚がキツくなるっていうこともなかった。課題ですか? いまは脚力もそうですけど、ただ駆けるだけみたいのはしたくない。相手に合わせてしっかりやりたいです」


 松本後位は上田国広との競りになった小川圭二だが、近況はコンスタントに連対を果たし競走得点も103点台に上げている。


 「息子(丈太・111期)が競輪学校から帰って来て、一緒に練習ができるようになった。息子が学校にいる時は自分に腰痛が出たりしてたけど、帰って来てからは腰痛もでないし練習ができるようになった」


 

9R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 岩本俊介(写真)は1月大垣FIの落車で鎖骨を骨折。復帰場所のウィナーズカップでは、成績以上に力強い走りを見せた。復帰2場所目に、大きな不安はない。


 「(ウィナーズカップは)怪我明けだったんですけど、まじめにリハビリをやってて良かったなって思いました。影響はまったくゼロってわけじゃないけど、走る上で問題はない。一走、一走やるしかないし、準備はしっかりやってきたんで」


 3月玉野記念を優出、前回の大宮FIは114着と好調を維持している福田知也。ホームバンクの記念だが、気負いはない。


 「暖かくなってきて、練習の感じもだんだんとマッチしてきました。久しぶりに戦える状態で地元記念を迎えられますね。(勝ち上がりよりも)目の前のレースに集中していきたい」


 

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 地元のエース郡司浩平(写真)にとっては、連覇がかかる今シリーズ。周囲の期待は大きい。前回から新車を投入して、地元記念に万全の態勢で挑む。


 「去年はいろいろ経験できました。(期待に)結果で応えたいです。準備はしっかりやったつもりなんで。(新車は)走ってみて見えてくるところもあったし、時間があったんでセッティングもいじってきました。ここで勢いをつたいですね」


 玉野記念を準V、続くウィナーズカップも準決進出と好走を続ける取鳥雄吾。同型がそろった激戦区でどこまで持ち味を発揮できるか注目したい。


 「(ウィナーズカップは)動けてたし、玉野記念までしっかりやった貯金があった。でもその貯金も尽きかけてきてるんで。ダービーがあるんでいまはしっかり練習してる。(初日は)1回くらいチャンスは来るっていう感じはある。そのワンチャンスをどうにかできれば」


 石塚輪太郎は3月久留米FIを優勝。前回の3月高知FIは振るわなかったが、中5日の今回は問題なさそうだ。


 「(優勝は)自信にもなりましたし、これからにつながる。前回はちょっと調子が悪くて。中2日で詰まってた。今回は体の疲れも違う。(初日は)主導権の取り合いになりそうですね。勝負権のある位置にいないとダメでしょうね。タイミングだけ逃さないように、出し惜しみさえしなければ」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 ウィナーズカップで優勝を決め、昨年の骨盤骨折から復活の狼煙を上げた武田豊樹(写真)。しかし、現在の走りにはまだ満足はしていない。


 「(ウィナーズカップの決勝は)課題が残ったレースでした。苦しかった。脚もいっぱいでした。前がイン粘りして、負けた方がどうするか見てたら離れてしまいました。走るたびに課題を感じてます。課題が多すぎますね。でも、それに楽しみも感じてきた」


 前々回の奈良記念で3勝を挙げた松谷秀幸は、その後は体調を崩したが立て直し地元記念に照準を合わせてきた。


 「(山中秀将と連係は)あります。(昨年12月)別府記念の二次予選でワンツーでしたね。奈良のあとにインフルエンザになっちゃって、力が入らないでフワフワしたけど、もう大丈夫。(状態は)今の方がいいと思います。(地元記念は)正規で呼ばれたのは初めてなんで、気合入れて頑張ります」


 山中秀将は玉野記念を優出や、ウィナーズカップでも2勝をマークと持ち味のダッシュが冴えている。初日から地元の松谷を背負ってのレースだ。


 「松谷さんだけを引き出すというよりは、2人で決められるように。協力しないと、他の地区も強力なんでどうにもならないと思う。川崎は1回優勝してるので(印象は)悪くはないですね。ここだっていうところで一発で決められるように。そうすれば後ろの人とも、決められると思う」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 名古屋記念に続いて前回のウィナーズカップでも決勝にコマを進めた浅井康太(写真)は、グランプリから優勝がないものの、その輝きを徐々に取り戻してきている。


 「(痛めたところが)治ったのが大きい。いい感じで練習ができているし、いいトレーニングができている。ちょっとでも良くなるようにと思ってやっている。そこで止まったら終わりですからね」


 原田研太朗は2月の全日本選抜に次いで、前々回のウィナーズカップでビッグ連続優出。前回の高知FIでは923着。地元の掛水泰範らとの四国連係は決まらず反省の弁で振り返る。


 「(掛水とは)久々の連係だったけど失敗したんで、また連係できたらいいですね。初日は香川(雄介)さんとですか。このあと(静岡FI)も香川さんと一緒だし、今年は香川さんと連係が多い。自分は小松島の練習環境が冬場から良くなって、それでスピードも上がっていると思う」


 早坂秀悟は前回の大宮FIを311着で今年初V。その後は中10日以上のゆとりのローテで練習を重ねてきた。


 「時間があったんで、しっかり練習をしてきた。自分はとくに変わりないですね。このメンバーなら先手を握ろうと思えば握れるだろうし、あとは流れをしっかり見極めていきたい。(ナイター記念で)勝ち上がりが違うんで、(2日目の)優秀に乗れるように」


 

1R

選手の写真です。
吉村和之選手

 打鐘で山崎翼が主導権を握るが、不破将登がすかさず反応して踏み込む。突っ張り気味に山崎がペースを上げると、中団で小休止した不破は再び加速する。山崎を叩いた不破に吉村和之、佐藤亙まで出切る。番手の吉村の追い込みを二の足で振り切り、不破が強風の中を逃げ切った。


 「自分のなかでは、(山崎と)スピードが合った感じがして迷いました。でも、(打鐘の)4コーナーでは行ける感じがあった。ちゅうちょせずに仕掛けたら、(もっと楽に)3人で出られたかなと思います。(最終)バックで風に乗れたのかわからないけど、(脚が)回りました。それでホームの風を踏み直す余力が残っていた」


 打鐘の2センターで中団を確保した吉村和之(写真)は、不破が踏み出すと付け直して危なげなく追走。不破の踏み直しに4分の1輪、交わせず吉村は2着。


 「9番(伊藤勝太)のところを確保したけど、不破が踏んで行ったんで付いていきました。あとはホームの突風が気になって、(不破が)止まるかと思った。でも、しっかり踏み直してた。自分は(追加配分なので)強めに練習をやりかけてたんで、日に日に良くなってくると思います」

2R

選手の写真です。
大西祐選手

 柿沼信也がじわりと押さえると、稲吉悠大が関東ラインに続いて前受けの水谷好宏にすんなり5番手が転がり込む。一本棒の8番手に置かれた大西祐(写真)だったが、最終ホームで水谷が仕掛けて願ってもない展開。前団の隊列が短くなったところを大西が2コーナーまくりで仕留めた。


 「初周の並びも組み立ても、反省点がいっぱいでした。(このレースに関しては)僕だけサラ脚だっただけです。バックは追い風で伸びてはいきましたね。僕の場合は脚とかではなくてハートの問題なので、これを引きずらないようにしたい」


 柳谷崇が大西の加速に離れていって、柿沼の逃げを利した高橋大作が2着に入った。


 「ジャンくらいまで誘導がいたし、柿沼君がうまくペースで駆けてくれたおかげですね。大西君のまくりは大外を踏んでいたし、自分が気づいた時には止められなかったです」

3R

 赤板の1センターで先頭に立った簗田一輝を小林申太が押さえて先行態勢を取るが、3コーナーから片岡迪之が巻き返す。カマシ気味に出た片岡を人気の簗田がまくりでのみ込んだ。


 「(別線が)来るのが遅かったら、先行で自分のペースで駆けようと思ってました。そしたら(重注の)標識線で小林さんが来たので。あとはやり合ってるのが見えたんで冷静に。スピードの乗りも悪くなかったですね。自分の行けるところから行けたんで良かったです。(風は)重いかなとは思ったけど、そこまでではないですね」


 最終2コーナー過ぎに吉田裕全に絡まれながらも、土屋裕二が簗田の仕掛けに続いて静岡ワンツー。


 「(簗田が)強いっすね。いいスピードだった。(吉田が)持ってくるかなと思ったら、(ヒジを)引っ掛けにきた。離れてもいいから2着だけはと。自分の感じはいいと思います」


 簗田にはまくられたものの、最終ホームで小林を叩いた片岡迪之が3着に粘った。


 「タイミング的にどうかなと思ったけど、(小林が)流してくれた。(簗田との)脚力差があるのはわかってるんで、自分が3、4着までに残れるようにと思っていた」

4R

選手の写真です。
岡崎智哉選手

 中団の津村洸次郎にフタをした加藤健一が、打鐘で飛び出して風を切る。前受けの岡崎智哉(写真)は中団を確保すると、巻き返してきた津村に合わせる様に最終ホームでスパート。軽快なスピードを見せて、2コーナーで前団をのみ込んだ。


 「初手はどこでもと思っていました。ジャンで中団が取れたのはラッキーでしたね。でも、そのあとにジャンの4コーナーで待ってしまって。そこで行けないが自信のなさですね。あそこで行っていれば(ラインの)3人で決まったと思います。(津村を合わせたのは)たまたまです。行こうとしたタイミングが合っただけ。でも、踏んだ感じは最近の中で一番いいですね。バックも取れているし」


 前田拓也は岡崎の仕掛けに続いて2着を確保した。


 「岡崎君がなんとか(最終ホームで)出てくれた。あそこがポイントだったと思う。付いているぶんには余裕があったし、抜けるかなと思ったけど。風で押し戻される感じでしたね。まあ、最低限付いていけたし、ラインで2着なので。脚は軽いです」


 合わされた津村は諦めずに大外を踏むが、最終バックで松崎貴久と接触して落車。出口眞浩、立花成泰も巻き込まれてしまう。結局、加藤健一が3着に逃げ粘った。


 「カマされないようにと思って駆けていました。でも、落車がなかったらいかれていたと思います。もっと練習しないとダメですね」

5R

 桜井雄太が打鐘手前で出て先行策。前受けの齋藤宗徳はすかさず反撃に出るも、桜井が合わせて逃げる。齋藤は不発も小埜正義は自力に転じて最終2コーナーからまくりを打つ。合わせて出た荒井春樹は、松尾淳のブロックで落車。逃げる桜井をとらえた小埜が、直線で抜け出した。


 「(齋藤)宗徳が頑張ってくれた。でも、あんなに人気になるとは思わなくて緊張しました。(齋藤が不発で)自力に転じる判断は難しかったけど、後ろに石塚(孝幸)さんが付いていたので、なんとかしようと踏みました」


 落車のアクシデントを外に避けながら、小埜に続いた石塚孝幸が2着に入った。


 「(小埜と)人気になっていたのでプレッシャーでしたよ。落車は危なかったけど、もう小埜サマサマですね。最後は落車を避けるので、脚がいっぱいになってしまっていた。去年、桜花賞に出れなかったぶんもって、今年は気合が入っていたので(勝ち上がれて)よかったです」

6R

 才迫開を押さえた保科千春がペースを緩めると、打鐘で堀内俊介が踏み上げる。有坂直樹が保科に離れて、ひとりで懸命に抵抗する保科を堀内が最終ホームで叩いて逃げる。4番手の保科も置いていかれ、5番手以下はちぎれて圏外。南関3車の勝負は番手の大塚玲が、追い込んで白星を挙げた。


 「堀内君が6番(保科)の後ろに入りかけて、おいおい、そのまま行ってくれと思ったら行ってくれましたね。(ラインの)3人で出切っていたし、大丈夫だと思った。地元で緊張したけど、気合が入っているし調子もいいです」


 仕掛けどころを逃すことなく敢然と主導権を奪った堀内俊介が、ラインを上位独占に導く2着。


 「緩んだところで行くことができた。最終ホームで6番の後ろに入れたけど、もうスピードに乗っていた。あそこで入ると後ろの人もキツくなるので勢いを殺さずに行った。合宿の疲れがあってキツかった。でも、これで刺激が入ったし準決と言わず決勝までいきたい」

7R

選手の写真です。
吉本卓仁選手

 後方から上昇した藤井昭吾に合わせて、吉本卓仁が動いてうまく5番手を確保。巻き返した新山将史が藤井を叩くが、最終ホーム過ぎに吉本の反撃。九州3車で鮮やかに前団をとらえて、番手の新井秀明が差し切った。


 「(ラインで)ワンツースリーだから言うことないです。(吉本が)強かった。(最終2センターで内にいた藤井を)あんまり締めないようにと思ってた。結構、余裕もありました。(中村)健志も3着だったしよかった。(状態は)1着なんで問題ないです」


 「気持ち早めに行きました」とは、ロングまくりで別線を一蹴した吉本卓仁(写真)。


 「新山の動きがわからなかったんで、1回切って位置を確保してと。先に切らないと新山に内を狙われるから。打鐘からモガき合う気持ちもあったんですけどね。あとは風が風なんで、(まくりは)そんなに全開で踏んではいない。サラっとです」


 ライン3番手を固めた中村健志が食らいつき、3着に流れ込んだ。


 「(吉本の)スピードが良かったし、自分はもってこられても乗り越えられるなと思いました。でも、何回も離れるかなと、めっちゃ必死でした。(記念の)初日をクリアしたのは初めてなんでよかった」

8R

 人気を背負った松本貴治が、白星スタートを切った。レースは後ろ攻めの松本が赤板過ぎに出ると、その上を松田大が押さえる。坂本周作はすかさず巻き返して、打鐘の4コーナーで主導権。別線を突き放してゴールを目指す。最終ホームで仕掛けかけた松本だったが、元の6番手に戻って態勢を整える。2コーナーから踏み込むと、圧巻のスピードを見せて前団をまくり切った。


 「後ろの競りは、あまり気にしないようにしていました。(6番手に戻ったのは)落ち着いていった方がいいかなと。(まくりが)届くとは思っていたけど、(組み立てが)こんな感じじゃダメだなと思っていました。後ろからいくと決めていたんですけど。あまり押さえ先行もしないし、後ろからもいかないのでダメなのかな。コンディションは悪くないです」


 初手から松本後位の取り合いは、小川圭二、上田国広ともに踏み出しで離れてしまう。先行した坂本の番手から、谷津田将吾が追い込んで2着に入った。


 「坂本君は調子が良さそうだし、初日は全部任せていました。あの展開で1着を取れないのは情けないですね。掛かっていたし、来る感じはなかったけど。(松本の)スピードもすごかったし、来たのが直線だったので止められなかったです」

9R

 単騎の北村貴幸を4番手に連れて、黒川茂高が徐々にペースを上げて逃げる。しかしながら、岩本俊介の反撃が早い。打鐘の4コーナーから踏み込むとスピードの違いで黒川を楽にとらえて、あとは福田知也との一騎打ち。岩本が福田を半車身振り切った。


 「人気になっていたので、緊張がマックスでしたよ(笑)。とりあえず(福田と)ワンツーを決めることができてよかった。スピードを立ち上げるのがキツかった。思ったよりも反応が悪くて、頭と体が一致していない感じでした」


 岩本のダッシュを凌いでゴール勝負に持ち込んだ福田知也だったが、体を重ねるまでには至らなかった。


 「岩本の踏み出しは、(周りに)聞いていた以上でした…。踏み出しだけでなく加速とかいろいろな面ですごい。踏み出した瞬間に、あっこれでワンツーが決まったと思いましたよ(笑)。最後は抜きにはいったけど、全然詰めることができなかった」

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 鈴木竜士を押さえて先行態勢を取った取鳥雄吾に、石塚輪太郎が襲い掛かり打鐘を通過する。取鳥が主導権を死守するが、両者で脚力を消耗。今度は鈴木が最終2コーナーからまくると、その上を踏み上げた郡司浩平(写真)がまくりで1着。ホームバンクの3人での上位独占で、幸先いいスタートを切った。


 「後方になったけど、脚を使っていなかったのでいけた。自分だけのレースになってしまったけど、後ろの2人が付いてきてくれたんでうれしい。脚とかよりも、気持ちの面で硬くなっていた。2日目からはリラックスをしていけると思います」


 最終4コーナーで佐藤慎太郎に強烈なブロックを食らった小原太樹だが、直線で盛り返して2着に流れ込んだ。


 「もう全部、郡司君のおかげですよ。離れないようにだけ注意していました。(追加で)急な参戦になったけど、状態は悪くないし地元で気合が入っている」


 佐藤との3着争いを微差で制した白戸淳太郎が、ホッと胸をなで下ろす。


 「前の2人のおかげですね。地元の初日特選でワンツースリーまでできるっていうことは、そんなにないことですから。うれしいですよ」

11R

選手の写真です。
山中秀将選手

 押さえて出た久米康平がそのままペースを上げて、天田裕輝は叩けず外に浮く。武田豊樹が中団に降りると、山中秀将はサッと引いて態勢を整える。後方の川村晃司を警戒しながら、山中が最終ホームから仕掛ける。大塚健一郎のブロックを乗り越えて山中のまくりに続いた松谷秀幸が、直線半ばで山中を楽に交わして1着。


 「(山中が)かなりいい仕掛けをしてくれた。無理くりに行ってくれた、さすがですね。(出切って)後ろから誰か来たら、止める準備はしていた。(前の10レースでホームバンクの3人が上位独占で)マジかって思いましたよ(笑)。山中もプレッシャーがあったと思うけど、持ち味を出してくれた」


 8番手の川村晃司が仕掛けようとしたドンピシャのタイミングで、山中秀将(写真)が踏み込んでまくり一気。持ち前のスピードを存分に発揮して、ラインでのワンツーを飾った。


 「武田さんに降りられたけど、あそこでこだわるより1車引いてすぐに仕掛けた方がいいと思った。川村さんがずっと後ろの方にいたから、どうするのかと。ただ、かぶるよりはと思って行きました。(誰にも)絶対に抜かれないつもりで仕掛けたけど、松谷さんは余裕がありましたね。自分は練習用とレース用の自転車が違うから、1走すれば体が対応しようとするんで、良くなってくると思います」


 南関ラインを追って3着に入った川村晃司だが、最終ホームでのポイントを反省する。


 「(最終)ホームで行くチャンスがあったけど…。山中君に見られてしまって行けなかった。後ろに迷惑を掛けました。(2日目は)気持ちを切り替えていきます」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 浅井康太(写真)に任された高橋和也が、打鐘前で抜かりなく主導権。そのままハイピッチで駆けていく。浅井は中団から仕掛けてきた原田研太朗を確認すると、2コーナーから番手まくりを敢行。力強く押し切って、ファンの支持にしっかり応えた。


 「ホームで早坂(秀悟)君が来たのが見えたんで、原田君が来るだろうと。原田君が動いた時点で(番手まくりの)準備をしていました。高橋君も駆けたのが早めだったしね。1月、2月とお客さんに迷惑をかけたし、人気に応えようと思っていました」


 中部3番手を固めた北野武史が、浅井の仕掛けにきっちりと付け切って2着に入った。


 「僕としては、浅井の判断サマサマ。でも、しんどかったし、余裕はなかったです。(状態は)顔見せも周回中も重い感じがしたけど、ジャンが鳴ってからは、重い感じがなくなりました。いい感じでこれているのかな」


 原田が浅井に合わされると、香川雄介は中部勢の後ろにスイッチ。3着に流れ込んで優秀に勝ち上がった。


 「原田君はいつもの(まくりの)出じゃなかったですね。押さえるのに脚を使ったんだと思います。(原田が)バックで止めたので(切り替えた)。あれがまくっていったら付いて行って、北野さんをとらえるか、とらえないかの勝負になったと思う」


 中団を確保した原田研太朗だったが、中部の2段駆けを粉砕できず4着。


 「早坂さんが来て、かぶるくらいならと思って仕掛けました。自分のタイミングで行けなかったし、進みが甘かったですね。さすがに、あの2段駆けの上をいくのは厳しいです」

6R

選手の写真です。
天田裕輝選手

 赤板過ぎに押さえて出た桜井雄太が、先行態勢を取る。中近ラインに天田裕輝(写真)が続いて、早坂秀悟は7番手まで下げる。後続の隊列を確認しながらペースを落とした桜井が徐々に上げて行くが、早坂が襲い掛かる。合わせて踏んだ桜井を早坂が最終2コーナーでとらえると、脚を溜めていた天田が俊敏な対応。北日本コンビの上をさらにまくった天田の1着。


 「桜井君の駆け方もうまかった。そこを早坂君が意地で行った感じですね。(早坂が)膨らんだぶん、そこを追いかけた。展開が向きました。ラッキーだったし、(調子は)なんとも言えない。自分としてはいつもと変わらないと思います」


 佐藤康紀のけん制を乗り越え天田に続いた杉本正隆は、わずかに差を詰めての流れ込み。


 「俺はなんにもしてないっす。(天田のまくりの)出が良かったから、これは行っちゃうなって。付いているぶんには余裕があるんですけど、外に持ち出したら伸びなかったですね」


 さすがのダッシュを披露した早坂秀悟は、ロングまくりで前団をとらえるもその後失速の6着。


 「(緩んでいた打鐘の)あそこで行けば良かったけど、まだ長いかなっていうのがあった。(3月の)久留米(決勝)の時の石塚輪太郎にまくられた時と同じ展開になってしまった。(まくり切って)出てから、どうするのか。もうちょっと対応を考えないと」

7R

選手の写真です。
稲川翔選手

 加藤健一の上昇を見て、石塚輪太郎が赤板過ぎに突っ張る。しかしながら、加藤はもう一度踏み上げて、打鐘で主導権を握る。南関コンビを受けた石塚は、ペースの上がらない加藤を見て叩きに出る。石塚が最終ホームで主導権を奪い返して、そのまま別線を寄せつけない。最後は番手の稲川翔(写真)が交わして1着も、石塚が3着に沈んで反省しきり。


 「自分が冷静じゃなかったです。初連係だったし気持ちを入れて、お互い信頼して走ってるんですけど…。僕の判断ミスです。(石塚)輪太郎はいいレースをしてくれた。(石塚と勝ち上がって準決の)いいレースを一緒に走りたかった」


 近畿ライン3番手から外を踏んだ酒井耕介が2着。


 「踏み出しだけ少し離れて、2番(飯田辰哉)にもっていかれたら危なかった。(最後は)自分で伸びたというよりは、稲川の加速に乗った感じです」


 強気なレース運びでラインでの上位独占を演出した石塚輪太郎だったが、惜しくも3着で勝ち上がりを逃した。


 「(加藤が)押さえに来るのが遅くて、なめられてるなと思って突っ張った。それでも来たから出させて、中団から落ち着いてと。でも、流してたし、あそこで久米(康平)さんに叩かれたらキツいんで。最後は脚力不足です。強かったら残ってる。(初日からギアを換えて3.)85の方が自分の感じがいい」

8R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 取鳥雄吾(写真)が早めに動いて前に出る。その上を高橋和也が切ると、黒川茂高が打鐘の2センターで押さえて先行態勢へ。しかし、取鳥は中団で構えることなく、すぐさま反撃。黒川から最終1センターで主導権を奪い返した。そのまま力強く駆けると、最後は桑原大志との一騎打ちも制した。


 「早めに動いたら、みんな動くと思ったけど動かなかったですね。でも、誰かが行った上を行けばいいやと思っていたし、いい意味で余裕がありました。黒川さんが強かったし、しんどかったですね。今回も同期がいっぱいいるけど、僕だけにしかないものを見つけるなら、みんなが嫌がるくらい行かないと」


 桑原大志は踏み出しで口が空くが、追いついてワンツー。レース後は、同地区の取鳥に感謝する。


 「取鳥君はいつも頑張ってくれるし、ありがたいですね。そして、強かったです。今年一年は取鳥君に甘えさせてもらって。その後は4番手でも回らせてもらいますよ。今度はこっちが犠牲にならないと。中村(健志)君も、2着権利なのに3番手に付いてくれて。なんとかチャンスがあるようにと思って走っていました。稲川(翔)君とミーティングをしてセッティングをいじったら、初日よりはマシかなって感じですね」


 高橋和也は坂本周作を張りながら最終2コーナーから仕掛けるも、中村のブロックで万事休す。


 「他のラインをアテにしてしまいました。あとはホームですね。中村さんに降りられてしまって。三谷(政史)さんの後ろにしっかり付いていればよかったです。まくりも内外に挟まれてしまって、出なかったです」

9R

選手の写真です。
松本貴治選手

 赤板の2コーナーで先頭に立った松本貴治が一息入れる間もなく、不破将登が踏み込んで両者の主導権争い。最終ホームから踏み込んだ岩本俊介は、浮いた不破の外を回り大きくロスをしたが、スピードの違いであっさり前団をのみ込んだ。


 「スピードが乗り切っているところで不破君のあおりがあったから、とっさに避けた。あおりがなければラインで決まっていたかなと…。初日よりはピリッとする感じがあっていいですね」


 福田知也が岩本を追い切れず、逃げた松本貴治(写真)が3車身離れた2着。


 「(自分のラインに)北日本勢まで付いて来ているのはわかったので、押さえて先行しようと思っていた。不破さんを出すつもりがなく踏んだんですけど、出切ってからは流す悪いクセが出てしまった。それで(岩本に)行かれてしまった。粘れたのは岩本さんを追いかけるような形になったから、たまたまですね」

10R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 南関ラインが主導権を握って、森川大輔が4番手をキープ。北日本コンビは原田研太朗(写真)に期待してか、8、9番手を回って6番手が転がり込んだ原田がタイミングをうかがう。最終1センターからまくり上げると、同時に森川も踏み込むが原田がエンジンの違いでねじ伏せた。


 「初日は焦って踏んで思ったより車が進んで失敗したけど。(二次予選は)うまく車間も取れたし、後ろを確認しながら自分のタイミングで踏むことができた。最近は長い距離を踏んでいるんで、気持ちにも余裕がある。(森川が行った)あの上をまくれているから、脚はいいと思います」


 最終4コーナーで新井秀明が原田に置いていかれ、森川大輔が直線で2着に伸びた。


 「自分は楽にいい位置を取れたし、サラ脚でしたね。(最終)バックで内を見て休んだ瞬間にハラケン(原田)に行かれてしまった。それでも、前も掛かっていたなかで行っているし、やった方でしょう」


 原田ラインを追った安部貴之は、外を踏んでゴール寸前で新井を交わし3着に上がった。


 「位置取りで森川君と取り合うよりは、原田君のまくりにかけるのもありかなと。もっと踏み込めれば、後ろまで連れ込めたのですが…」

11R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 細切れ戦のなかで唯一の3車のラインができあがった鈴木竜士が、武田豊樹を連れて打鐘手前で主導権を握る。関東ライン3番手で粘っていた簗田一輝が引くと、今度は単騎の岡崎智哉がインを進出。内をすくわれて対応ができなかった武田を最終ホームから踏んだ松岡貴久が乗り越えて、逃げる鈴木をとらえる。松岡のまくりをきっちり追走した吉本卓仁が、余裕をもって交わした。


 「(松岡)貴久に任せていたし、アイツのトリッキーな動きに付いていけるか心配だった。踏み出し、踏み出しでちょっと口が空いたけど、昔よりは空いてなかった。(番手に)慣れたというより、脚が戻ってきているんで楽に感じる。それで余裕もあった。ただ、(番手で)いつもより緊張感はあった。自分も、(前の時は)あれぐらい走れるように」


 「ラッキーでした、展開がね」とは、岡崎の動きを見極めながら、落ち着いてまくった松岡貴久(写真)。


 「(最終ホームで岡崎が降りてから)内に行ったし、楽な展開でした。自分ですか? 出足は問題ないけど、末が甘いかなっていうのがある。楽に(吉本に)差されたし」


 まくった九州コンビを追いかけた簗田一輝は、最終2センターで武田と絡みながらも直線で伸びて3着。


 「もったいない。(最終ホームで)4番手を取り切ってたら、(小埜正義と)ワンツーだったと思う。せっかく付いてくれたのに、自分の組み立てが甘かった」


 最終2コーナー手前で岡崎にすくわれた武田豊樹は、厳しい流れを踏ん張って、どうにか準決につなげた。


 「なんにもできなかった。内、外で…。内から(岡崎が)すごいスピードで踏んできたし、(鈴木)竜士が転ばなくてよかった」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 優秀「ダイヤモンドレース」は、5車で結束した南関勢が、ラインの固い絆で上位を独占した。後ろ攻めの山中秀将が前受けの川村晃司に並びかけると、その上を浅井康太が出て誘導後位が入れ替わる。川村が引いて3番手となった山中だが、打鐘の2センターから踏み込んで浅井を最終ホームで叩く。番手の郡司浩平(写真)は冷静に別線の動きを確認すると、直線で抜け出して連勝を果たした。


 「ダッシュでドキドキしたけど、出切ってからは落ち着いて回れました。山中さんも、あの距離から駆けたので4コーナーまでもつなかと。でも、抜くのが少し早くなってしまいましたね。恵まれました。(連勝を決めて)いい流れで準決にいけます。勝負は準決なので」


 南関3番手を固めた小原太樹が、そつなく郡司に続いて2着。


 「3番手は楽ですね。余裕がありました。浅井さんが自分のところに来るかなとも思っていたし、来たら来たで頑張ろうと。カマしてから浅井さんが自分の後ろに見えたので、締めながら走っていました。みんなのおかげです」


 叩かれた浅井が4番手で粘ると、併走になった松谷秀幸には苦しい展開に。しかし、これを凌いで3着に入った。


 「キツかったですね。(浅井が粘って)外を差して回らないといけないし、ちょっとでも油断したらダメだから。それでも、外を差して回って、(最終)4コーナーで踏んでいけているので(状態は)大丈夫です」


 叩かれた浅井康太は苦肉の飛び付きも、5車結束の南関勢を打破できなかった。


 「前に出た時点で川村さんが来なかったので、駆けようと思っていた。そしたら山中君が来た感じですね。山中君が見えていなかったです。粘ることは考えていなかった」


 山中秀将は、直線で失速して5着。それでも、「川村さんが引いてくれて。3番手からのカマシになりましたね。ジャンから駆けようと思っていました」と、地元4車を連れた長いラインの先頭として仕事を全うした。

10R

選手の写真です。
桑原大志選手
選手の写真です。
松本貴治選手

 松本貴治が押さえた上を川村晃司が出て先行態勢を取る。松本は3番手に収まって打鐘を通過するが、後続の動きを見て2センターから踏み込む。稲川翔の強烈なブロックを乗り越えた松本が、川村との踏み合いを制して先頭に立つ。付けた桑原大志(写真)は、後続をけん制して直線できっちり追い込んだ。S級S班になった今期は、これが6場所目。初の優出に笑みを浮かべる。


 「松本君のおかげ、なにも言うことはない。(松本は)信念がしっかりしているし、弱気にだけはならないようにと。本当にありがたいですね。今年は(S級S班として)1回くらいは決勝に乗りたいと思っていた。うれしいです。(自転車を)いろいろいじるところもあって、アップから悪くなかった」


 中四国勢を追った郡司浩平は、稲川に2度のブロックをもらっていっぱい。地元トリオのシンガリを固めた白戸淳太郎は、稲川が外に張って空いたインを逃さず踏んで2着に伸びた。


 「恵まれました。松谷もあそこのコースを入りたそうにしていたんですよね。先に入っちゃって申し訳ない。(周りは)見えていた。僕の勝負は踏み出しなんで、そこを凌ぐことができれば。感触はいいと思います」


 「怖かった。あんなんをやられたのは初めてです」とは、稲川に強烈な洗礼を浴びた松本貴治(写真)。それでも怯むことなく踏んで、桑原とそろって決勝進出を決めた。


 「川村さんも粘っていたけど、脚的には余裕があった。このままペースで行けばイケるかなっていうのがあった。多少ですけど、日に日に疲れが出てきているかなっていうのはある。でも、毎日(乗車の)ポジションをいじって、それがいいんだと思います」


 地元記念連覇が絶たれた郡司浩平は、最終ホーム手前をポイントにあげて反省する。


 「(川村と松本が)やり合っているのを見ていれば問題なかった。でも、(最終)ホームで稲川さんの内に差して、引くのに脚を使った。焦ってましたね。このクラスで引いてからまた行くっていうのは、なかなかできることじゃないんで」


 

11R

選手の写真です。
山中秀将選手
選手の写真です。
小原太樹選手

 青板のバックから早めに上昇を始めた簗田一輝は、赤板で先頭に立つと慌てることなく別線の動きを確認しながらじっくりとフルアクセルへの態勢を整える。南関勢に合わせて動いた天田裕輝が中団、原田研太朗は7番手に置かれる。打鐘の3コーナーからグングンとペースアップした簗田が逃げる。原田が最終1センターからまくりを打って、合わせて天田も踏み込む。間合いを取った山中秀将(写真)は、車間を詰めながら番手発進。天田のまくりは小原太樹の横までで、山中が軽快にゴールを駆け抜けた。


 「簗田はジャンから徐々に踏んで行けば、ホームでカマシも来づらいと思っていた。そしたら落ち着いてそういう風に踏んでくれました。自分は(逃げる簗田との車間を)少しずつ詰めて、(別線に)タイミングを取らせないように(番手から)踏みました。冷静にできた。ギアを換えていくなかで、うまくいっていると思います。(2日目から)初めて使っている(3.93の)ギアも違和感がないんで悪くないと思います。浅井(康太)さんのデキがすごくいいですね、でも(決勝は)負けませんよ」


 山中に続いた小原太樹(写真)は、天田との併走を凌いで2着をキープした。


 「ラインのおかげですね。自分は付いてただけです。地元だし気持ちも入ります。連日、なにもしてないけど、離れることはないと思います」


 原田の踏み出しに遅れた大塚健一郎だったが、最終3コーナーから内よりを進出。直線でもコースが空いて3着での優出もその表情は険しい。


 「見ての通りです。(原田に)離れてしまっているので…」


 肝の据わったペース配分で逃げた簗田一輝は、汗をぬぐいこう振り返る。


 「天田さんは中団取りの動きだったし、落ち着いて駆けることができました。山中さんも後ろで落ち着けっていう感じだったんで、自分がやることはやれました」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
北野武史選手

 後ろ攻めの森川大輔が、合わせて動いた取鳥雄吾を制して前に出る。そのまま別線を警戒しながら先行態勢へ。しかし、中団となった取鳥が、打鐘の4コーナーから巻き返して強引に森川を叩いた。香川雄介が離れて単騎となるも、懸命にゴールを目指す。目標の余力を見極めた浅井康太(写真)は、取鳥を最終1センターで追いかける。空いた車間を徐々に縮めると、追いつきざまにまくって白星を手にした。


 「森川君は赤板から気持ちが入り過ぎていましたね。これは(番手から)出るか、(別線を)受けてさばいたりしないといけないかなと。でも、そのなかで(ラインの北野武史と)ワンツーが決められてよかった。初日も言っていたけど、人気になっていたし、それに応えられてよかったです。(安定感が戻ってきたのは)骨が治ったおかげ。それがすべてです」


 連日、浅井後位を回っている北野武史(写真)。準決も初日と同様に、浅井に続いてワンツーを決めた。


 「みんな強い。でも、浅井はそのなかで実験していると思う。(取鳥に)スイッチして、行ったと思ったらファーっと流して。こっちは1回しか踏めないからキツいね(笑)。いつ誰が内に来るかもわからないし、そこも不安でした。決勝に乗れてよかった」


 踏み出しで取鳥に離れた香川雄介は、中部勢にスイッチ。3着に流れ込んで優出を決めるも、「情けない」と反省に終始した。


 「ダメですね。(打鐘の4コーナーで)反応できなかった。赤板のところも反応できなくて離れているし。(離れたのは)脚のレベルが違うからです」


 取鳥雄吾は必死の抵抗を見せるも、最後は力尽きて8着に終わった。


 「落ち着いてレースをして、(番手まくりも可能な)浅井さんとも力勝負をしたいと思っていました。そのへんは迷わず行けたけど、あれで残れていないので。(10レースの)松本(貴治)さんは決勝に乗れているのに…。良くないですね」


 


 


≪最終日9R S級ブロックセブン≫


 中川誠一郎は、前回の福井FIを716着。優出こそしたものの、まだまだ結果がついてこない。しかしながら、7車立てなら持ち前のスピードを存分に生かせそうだ。


 「練習もしっかりできるようになってきて、あとは結果を出すだけですね。(前回の福井は)去年の(久留米で行われた)地元記念以来の決勝でした。ホッとしました。7車立ては僕にとってメリットしかないと思う。引いても5、6番手なんで、近く感じるんじゃないかな」


 今期の2度の記念優出と安定感のある志智俊夫だが、前回の京王閣FIの最終日に落車。状態面が気になるところ。


 「(落車の影響は)あると思うけど走るぶんには問題ない。(ここまでは)ケアと自転車を両方やって、忙しかったですね。フレームを戻しました。前回換えたので、前々回に使っていたものです」


 積極性は一番と思われる藤井栄二は、格上の選手を相手に持ち味を発揮できるか。


 「脚を使わずに駆けさせてもらえる展開になった時は残れている。脚を使わされた時に残れていないのが現状の脚です。しっかり残れるように。迷いなく自分のレースはできているんで、こういうレースをして力をつけて、しっかり上がっていこうと思う」