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いわき平競輪

IWAKI TAIRA KEIRIN

13#

GⅢいわき金杯争奪戦

1.25Thu 26Fri 27Sat 28Sun

次回開催

F1

2/2 ・3 ・4

検車場レポート

  • 1/24 Wed.  (前検日)
  • 1/25 Thu.  (1日目)
  • 1/26 Fri.  (2日目)
  • 1/27 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
和田圭選手
 前々回の大宮記念では3連対、前回の立川FIでは未勝利も抜かりなく決勝に進んだ和田圭(写真)は、今シリーズがすでに今期3場所目。地元地区のオープニングで大川剛とタッグを組む。
 「冬ってこともあって、いつもと違う練習をしたりした。競走になればそれなりに走れているかなっていうのはあるけど、しっくりきてないところもある。フィーリングが良くないかなって。ただ、直前は(普段の練習に)戻して、しっかりと乗り込んできた。それなりにやれると思います」
 昨年12月の川崎FIの最終日に落車した大川剛は、1カ月以上ぶりとなる今シリーズが24年の初場所。師匠の永澤剛らとのトレーニングを積んできた。
 「(昨年はS級に特進してS級優勝2回などもあり)早期追い抜きした分を取り返せたかなと思います。ただ、9車立てで活躍できていないので、そこで活躍できるようにしたい。上では9車の戦いになるので。今年はヤンググランプリで戦えるように頑張ります。(川崎の落車は)脳震とうでしたが、いまは大丈夫です。練習も冬期移動先のサイクルスポーツセンターで師匠の永澤さんや木村弘さんとやってきました」

2R

 昨年12月の別府FIで落車に見舞われ、そのまま23年を終えた小川勇介は、今期初場所の高知FIを226着。続く前回の佐世保FIを337着と成績をまとめているが、状態はどうか。
 「去年の終わりに(別府で)落車して右手の親指を脱きゅうした。そのわりには走れている。寒いと痛むところもあるけど、日に日に良くはなっている。脚の方は大丈夫です」
 近況はFIが続いている鈴木庸之が、4場所ぶりのグレードレース。関東3車となった一次予選は、寺沼拓摩に託して番手を回る。
 「(前検日の前日の)昨日も弥彦で練習した。(例年は降雪の影響があるけど)今年はめずらしく乗れますね。良くはなっている。先月くらいから新車を使っていろいろやっているんですけど、パーツの方は決まった。あとはポジションですね。セッティングが出てくれれば。もうちょっと伸びが欲しいです」

3R

 昨年12月の向日町FIで落車の山賀雅仁は、そこから1カ月以上空いてここが復帰戦。まくりも兼ね備えた本来のパワーが戻っているのか、気になるところだ。
 「練習は普通に20日以上はやってきた。万全かって言われたら、もう一息なところもある。ただ、休む理由もないし、あとは走りながら治していくしかない。8割くらいは戻っているんじゃないかと」
 川越勇星は、昨年11月の豊橋FIの初日予選を先行策の3着。準決に進んだが、2日目以降を欠場した。そこから2カ月以上の戦線離脱を余儀なくされ、コンディション面が懸念される。
 「(豊橋で)腰をやってしまって、(レースが)終わったら自転車から降りられなくなった。ヘルニアになって長く休むことになった。休んで練習はできているんで、あとは走ってみないとわからないところがあります。僕の場合は走らないと脚も上がらない」

4R

 今期初めてのS級1班になった佐藤礼文。予選スタートの前回の京王閣FIは122着の準Vで吉澤純平後位ではなかったものの、同県の吉澤とワンツーを果たした。
 「(前回は)成績が良かったんですけど、感じがすごくいいっていうのはなかった。初日とかも(鈴木)輝大が強くて、余裕がなかった。そのあとは空いたんで、しっかり練習ができた。前回よりは上向いているかなと。(平は)直線が長いので、立川、武雄とイメージがかぶる。追い込み的にはやりやすいかなって思います」
 前回の佐世保FIから中3日で参戦の橋本強。初日特選では犬伏湧也の強烈な踏み出しに食らいついて2着は確保した。
 「(前々回の)松山は地元なんで、(佐世保は)その疲労があった。佐世保は最終日はガス欠な感じがあった。そのあとはできる限りのケアをして疲労を抜いてきたつもりです。(前検日の)指定練習では大丈夫かなと。佐世保の最終日みたいなことはないと思います」

5R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 近況は勝ち星から遠ざかり、思うようなパフォーマンスが出せていない窓場千加頼(写真)は、今シリーズを次の全日本選抜の足がかりにしたい。
 「あんまり冬場が得意じゃない。(前々回の)京王閣は苦戦したし、体調面も良くなかった。(前回の)岸和田が終わってからは、しっかりと立て直せたかなと。ここで結果を残して、次のGIにつながるようにしたい」
 昨年12月の立川グランプリシリーズで落車した塚本大樹は、そこから3週間以上空いて、ここは24年の走り初め。落車明けでも感触は良さそうだ。
 「怪我はそんなにたいしたことがなかった。体のバランスが崩れたくらいですかね。ケア中心で元通りになった。前よりも強くなっているくらいだと思います。練習した感じではいいかなと」

6R

 寒風吹きすさぶ前検日だったが、皿屋豊はこのコンディションにも笑みを浮かべてこう打ち明ける。
 「寒いコンディションになってきたんで、そろそろ本領発揮できるかなと。それに(ピスト6を)走ったあとの開催は、すごく調子がいいので。(重いバンクでの)泥仕合は大歓迎です。(平は)すごく相性がいいイメージがある」
 別府FIを241着、続く和歌山記念を1346着とここ2場所はまずまずの成績を残している*神田紘輔は、慎重なコメントでこう振り返る。
 「失敗する場面も多くあったので、そこを修正して煮詰め直したい。そのあとは練習をして脚力強化をと。調子はいいと思います。(このバンクは)直線が長いので、最後の巻き返しも利くイメージです」

7R

選手の写真です。
伊藤旭選手
 前回の小倉FIの2日目に落車を喫した伊藤旭(写真)は、高校生で経験して以来の平バンク。プロとしては初めての平で、その走りが注目される。
 「(平は)高校生の時にインターハイで走ったけど、あんまり記憶にないです。(落車の怪我は)骨折とかはなくて、擦過傷と打撲くらいでした。まだ、腰の擦過傷が気になりますね。(前回から中9日で)前半は休憩して、後半は有酸素運動を長くやってきた。あとは走ってみてですね」
 井上昌己は前回、地元の佐世保FIでV奪取。昨年2月以来の優勝は、犬伏湧也の逃げをゴール前で交わしてのものだった。
 「流れはいいと思うし、踏めてもいると思います。中3日だったので、中日だけ強めにやってきた。(一次予選は)伊藤旭君となんで、自在にやると思うのでしっかりと付いていきたい」

8R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 地元の平塚FIの4日間シリーズを4261着の内藤秀久(写真)は、そこから20日近く空いて前検日のムードは悪くない。
 「(前回は)手ごたえ的なものは、そんなになかった。そこからは空いたんでリフレッシュさせてもらった。練習はしっかりできたんで、仕上がり具合は悪くない。ただ、寒くなってきてタイムが出なくなってきているので、そこら辺が自分としてはどうなのか。(初日の)野口(裕史)君とは久しぶりに一緒なんで、楽しみに付かせてもらいます」
 前回の和歌山記念の一次予選も1着。近況は初日に好成績が集まっている湊聖二だけに、今シリーズの一次予選でも期待は膨らむ。
 「少しずついい感じになっている。練習は変わらずに小松島の若手とやって、いつもやられていますけど(笑)。自分がやりたい練習もできたんで、上積みができたらいいなって思います」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 前回の小松島FIを255着のあとは体調不良もあって、1カ月近く空いた小松崎大地(写真)の地元記念は櫻井祐太郎の番手からスタート。「走ってみてですけど、楽しみです」と、気負う様子はない。
 「体調を崩したんですけど、(練習は)10日間くらいはちゃんとできている。計画通りにはできた。(平は)直近でいうと良くないので、まずは無事に走りたい。(地元記念なので)気持ちは勝手に入ると思う」
 池田良は前回の小田原FIでのコンディションが一息だったようで、今シリーズに変わり身もありそうだ。
 「前回が良くなかった。体調がイマイチだった。そのあとはやりたい練習ができた。(平のバンクは)ずっと良くなかったけど、前回(22年11月)は優勝できた。今回はいいイメージでいける感じです」

10R

 前回の平塚FIを2121着。吉田拓矢にとって約11カ月ぶりの優勝は、その間にアクシデントがあった。それだけにここから勢いを加速させたい。
 「手ごたえはそんなにない。たまたま勝てただけですね。(そのあとは)練習で新しいこともやってきた。ちょっと疲れがあったんで、それが抜けてくれれば調子は良くなってくると思います」
 大川龍二は少しずつではあるが手ごたえを感じているようで、練習パートナーでありグランプリチャンピオンの松浦悠士に感謝しながら、こう言う。
 「ちょっとずつですけど、感覚的には良くなってきています。僕は恵まれた環境で練習ができている。近くに(松浦が)いるので、恥じないように。ただの踏み台にならないように、食らいついていきたい」

11R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 4度、平記念制覇を遂げている山崎芳仁(写真)が、一次予選のトリを高橋晋也、佐伯翔との地元ラインで務める。前回の小田原FIは121着で優勝した。
 「本当に前のおかげですね。気持ち良く行ってくれているので、それに助けられている。変わらずに練習して体調も大丈夫です。優勝もできているし、集中してレースをしているつもりです」
 高橋晋也は拠点を地元に移して、師匠の飯野祐太とともにトレーニングに励んでいる。
 「(今年は)自分のなかでは結構、手ごたえのあるスタートかなと。もう1回、一から先行をやり直そうと。去年のクリスマスの日に引っ越してきて、師匠と一緒にまた一からやり直しています」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 S級S班陥落となった新田祐大(写真)は、前回の伊東FIを212着。5月の当所での日本選手権に照準を絞り、まずは4車で結束する初日特選の番手を担う。
 「(前回は)積極的に動くところは動けていたんで良かった。(伊東の)そこに向けて調整していたわけではないけど、それなりに結果も出た。そのあともしっかりトレーニングができたんで、(今回も)問題なくいけるんじゃないかと。(今年の目標は)ここでGIがあるので、まずはここに向けて体調を整えてパワーアップしていきたい」
 2年ぶりに最優秀選手賞に輝いた古性優作にとっては、当所は21年にオールスターで初戴冠を遂げた思い出の地でもある。
 「(平は)自分の競輪人生を変えてくれた場所だと思うし、そこでまた脇本(雄太)さんと走れる(のは感慨深い)。(自分も)その時によりも進化していると思います。(前回の和歌山記念は)決勝は難しい判断だった。日に日に修正ができたかなと思います」
 昨年は広島記念を4連勝の完全Vで終えた山田庸平は、年明けの立川FIも3連勝。いま7連勝と波に乗っている。
 「(成績がいいのは)練習もしっかりとできて、それがレースに出てきたんだと思います。(セッティングが)固まっているわけではないけど、そのセッティングに体を合わせていきたい。(前回から中4日で)自分のやりたい練習はできてないけど、レースでカバーしたい」

1R

 清水剛志が勢い良くカマシして、打鐘過ぎに主導権を握る。大川剛が飛び付きかけるも3番手に引いて、今度は6番手から林敬宏が仕掛ける。清水が合わせてペースを上げる。林は空いた3番手に入るが、伊藤正樹は付け切れない。最終2コーナーから4番手の大川がまくると、合わせて林も踏み込む。大川は不発で、和田圭は3コーナー過ぎからインを切り込む。けん制した稲垣裕之を内からさばいた和田が、直線で抜け出した。
 「大川君は突っ張って1個(のラインを)出してからまくれると思ったんでしょうね。けど、風が強くてキツかったんだと。とっさの判断で内に行った。大川君の出も悪かったし、付いていったら厳しいかなと。(状態は)大丈夫です」
 最終1コーナーで空いた3番手に入って立て直した林敬宏は、大川に合わせてまくって近畿勢を乗り越えた。
 「脚を使っていなかったので、いつも通り(まくりの)出は良かった。9車立てが初めてなので、とりあえず良かったです。前回が全部末着(7着)で勝ち上がれると思っていなかった。(前回、初めてS級を走って)S級のイメージが全然違いました。ちょっとは修正ができたかなと。脚はいいです」

2R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 打鐘手前で青森コンビが出てペースが落ち着いたところを、5番手の寺沼拓摩が踏み込む。寺沼が叩き切って、関東3車が出る。最終ホーム手前から小西晴己も仕掛けるが、逃げる寺沼の掛かりもいい。バックでも小西は前の関東勢との車間を詰め切れず、番手の鈴木庸之(写真)が直線で抜け出した。
 「前と後ろのおかげで、俺はなにもしてないですね。この風じゃ、一発の方が決まるのかなと。(寺沼は)1回、見てからすぐに行った。行かないかと思って構えてなかった。それでちょっと空いちゃった。(最終)1コーナーですごく伸びていったし(寺沼は)強い。自分はバンクで練習ができたのが大きいし、だいぶ良くなっている」
 S取りでラインに貢献した柿澤大貴が、鈴木に流れ込んで2着。
 「(スタートの)そこだけ集中していたので、取れて良かったです。(寺沼が)思い切って行ってくれた。風も強くてキツかったと思うけど、よく行ってくれた。ラインで勝ち上がれて良かったです。怪我して(昨年12月に)復帰してからは、苦しい戦いが続いている。もう痛みはないけど、まだ筋肉のバランスとかが戻らない」

3R

 河合佑弥が赤板1コーナーで押さえて先頭に立つ。4番手に川越勇星が続いて、引いた木村佑来は6番手。山根将太が一本棒の8番手で打鐘を通過する。そのまま河合の先行でレースは流れる。強風にラインは途切れ途切れになり、最終2コーナーで川越がまくる。山根もスパート。逃げる河合をとらえた川越マークから、山賀雅仁が差し脚を伸ばしたが、その外を山根が突き抜けた。
 「(後方になって)後ろの人に迷惑を掛けてしまった。前が風を浴びているし、(車間が)詰まるところはあると思った。そこだけでしたね。直線が長くて助かりました。積極性が欠けていたと思うので、もうちょっとガツガツいけるように」
 好位確保からまくった川越とともに勝ち上がった山賀雅仁が、落車からの復帰戦で2着。
 「風は強くてキツいかなって思ったけど、展開が良かったです。復帰戦にしては上々ですけど、今日(初日)は人の後ろだったので状態はわからない。山根君のあの仕掛けでいかれてしまったのは仕方ないかなって思います」

4R

選手の写真です。
伊東翔貴選手
 6番手でタイミングを取った田川翔琉が、打鐘手前で仕掛ける。先頭に立った田川を上遠野拓馬が叩いて主導権を奪う。北日本コンビに田川が続いて最終周回。片岡迪之は7番手で前が遠い。別線の仕掛けはバックでもなく、逃げる上遠野の番手の伊東翔貴(写真)が、勝機をモノにして地元記念を白星発進。果敢に風を切った上遠野に感謝して、こう振り返る。
 「車番も悪いし(ラインは)2車だったんで、(上遠野は)行きますっていう感じだった。けど、番手まくりしてもキツいぞって思ってました。上遠野のおかげですね。あそこまで行ってくれたら1着を取らないとっていうのもあったんで、申し訳ないけど踏ませてもらった。地元ってこともあったんで。あと3回、奇跡を起こしたいですね」
 3番手キープの田川の後ろから、最終4コーナーでコースを探した瓜生崇智が中のコースを伸びた。
 「(田川が)頑張ってくれました、初連係だったので。風が強すぎて、レースにならないですね。しっかり3着まで絡みたかったんで、外より内を見ちゃった。(田川)翔琉もいっぱいそうだった。(前回も)着は悪いけど、脚は上がっている」

5R

 打鐘手前で鈴木陸来を押さえた青柳靖起がペースを握る。青柳が徐々に踏み上げて、追い上げた窓場千加頼と鈴木で中団が取り合いになって最終ホームを通過する。外併走から窓場が1コーナーでまくり上げるが、西村光太は連結を外す。バックで逃げる青柳をとらえた窓場が、後続をちぎって押し切った。
 「風が強かったので、一番最初には動かずに状況を見てでしたね。青柳君が踏んだ時に鈴木君が空き気味だったので、そこに入って、そこからは外併走で青柳君が向かい風にぶつかっているところで行こうと。位置を取って、先行を狙いつつ、向かい風ならまくりも狙いつつでしたね。9車立てはみんな脚を使うし、僕に向いている」
 窓場1人にまくられた青柳は、車間が空きながらも直線で懸命に踏ん張る。青柳ライン3番手の小川賢人が、外を追い込んで2着に入った。
 「前回から調子が良くて、中10日ちょっとで勝負をできるかなって入ってきた。いまは点数がないけど、若い子がいる時でもその時、その時では、(ラインの)前でも頑張っていきたいと思っています」

6R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 赤板2コーナーで皿屋豊(写真)が押さえて出る。後方まで下げた橋本智昭は、打鐘手前で踏み込んで先行策に出る。橋本に荻原尚人、離れながらも杉山悠也まで出切る。最終ホームで皿屋は、4番手まで下げて立て直す。杉山は遅れて、皿屋が前の2人を目標にまくりを打つ。直線半ばでとらえた皿屋が1着。
 「カマシで先行できたらいいなっていうのがあったんですけど、そんなに(周回中の)位置にこだわりはなかった。風がなかったら(橋本を突っ張って)あの距離を駆けても良かったんですけど。(北日本ラインが来て)ちょっと1車遅れて、バックを踏んでからになった。それで(まくりの)スピードの乗りも良くなかったけど、引いた方が堅いかなと」
 危なげなく皿屋を追走した神田紘輔が2着。皿屋に並ぶまでには至らなかった神田が、皿屋を称える。
 「あそこから仕掛けて(皿屋は)強いですね。自分も余裕があったけど、風で抜けなかった。(直線は外を踏んで)全然、無理でした。どこにいても風を受けて終始、重かった。ただ、アップの段階では調子がいいなっていうのがあったんで、不安なく走れました」

7R

 赤板過ぎに武田亮が、伊藤旭の上昇を阻み突っ張る。そこをちゅうちょすることなく高田修汰が踏み込んで、打鐘で飛び出して駆ける。武田は中団を確保して、伊藤は6番手に置かれる。一本棒のままレースは流れて、別線も動けない。高田との車間を空けた川村晃司が、ギリギリまで後続を引きつけて直線で抜け出した。
 「(高田は)風がキツいなかで掛っていたので、できるだけ残したかった。(杉本が)いい勢いで来ていたので、踏ませてもらった。(自分は)脚を使っていなかった。高田君、山本(巨樹)君のおかげですね。脚は良くなってきているし、セッティングがかみ合ってきている」
 武田マークの杉本正隆は、最終2センターで浮いた武田の内を追い込んだ。
 「武田が中団を取ってくれたからですね、それが一番。風が強かったので、(武田は)タイミングが取れなかったんだと思います。(状態は)悪くないけど、この風のなかではわからない」

8R

選手の写真です。
嶋田誠也選手
 赤板目がけて内から林昌幸、梁島邦友、野口裕史の3人が踏み込む。林の突っ張りに梁島は下げて、そこを野口が再度、仕掛ける。打鐘を通過して林、野口の踏み合いになるが、ねじ伏せた野口が最終ホーム手前で叩き切る。8番手で立て直した梁島は、2コーナー手前から前団に襲い掛かる。梁島、小林潤二に湊聖二が切り替える。4コーナーでまくり切った梁島マークから小林が追い込むが、湊後位にいた嶋田誠也(写真)が外を伸びて踏み勝った。
 「スタートも任されてたんで、いろいろ緊張しました。林君が自分の競走をしてくれたんで良かった。自分はギアが人より軽い分、(風が強くても)良かったかなと。ただ、キツかったです。(落車明け2場所目ですけど)落車はいっぱいしているんで、治し方とかセッティングの出し方も決まっている。今回はもうこのセッティングでいこうと思ってます」
 梁島のまくりにピタリと続いた小林潤二は、嶋田に屈したものの梁島を交わして2着。ベテランの動きは悪くない。
 「(梁島は)スピードが違うんで行っちゃうんじゃないかと。ただ、梁島君は行っても、自分は内藤(秀久)君にもらっちゃうんじゃないかと。(昨年の)S級の点数がかかっていた時から気持ちを入れてやっていた。(小林)泰正も年末のグランプリシリーズで優勝したりしたんで、自分もっていうのもありました」

9R

 中四国勢が切った上を、櫻井祐太郎が赤板2コーナー過ぎに出て主導権を握る。打鐘3コーナーで伊藤裕貴がインを進出し、中団まで押し上げる。4番手が併走になり、北日本勢のペースで最終ホームを迎える。伊藤が踏み勝って4番手も、山本もまくる。番手で間合いを取った小松崎大地が、山本をけん制して追い込んだ。
 「(櫻井が)しっかりとレースをつくってくれた。自分の判断でラインを引き込めなくて申し訳なかったです。(地元記念で)いい緊張感をもって走ることができました。明日(2日目)以降もしっかり、今日よりいい状態で走れると思う」
 山本のスピードが鈍り、池田良は最終2センターから中の狭いコースを突いた。
 「(山本が)頑張って仕掛けてくれたおかげです。(山本が不発になったあとは)とりあえずコースだけは間違えないようにと。脚は問題ないですね。前回よりも雰囲気は良さそうです」

10R

選手の写真です。
石原颯選手
 中団から先に動いた石原颯(写真)が、茨栃ライン3車を受けて中団を確保する。打鐘手前で押さえた橋本壮史の主導権。2センターから巻き返した蒔田英彦が合わされて、太刀川一成のアシストで3番手に入る。後方になった石原は最終2コーナーで仕掛ける。逃げる橋本との車間を空けた吉田拓矢が詰めるが、石原がゴール前でとらえて1着。
 「(橋本に)フタをされると後ろになっちゃうし。それなら(先に切って)出させてっていう感じでした。(結果的には7番手になって吉田)拓矢さんがめちゃくちゃ車間を切ってたんでキツいかなと。いまは落車もせずに練習がちゃんとできている。暖房でぬくぬくしているところで、ひたすらワットバイクですけど。練習が楽しいですね」
 番手絶好もうまく間合いが取れなかった吉田拓矢は、4分の1輪差で2着になった。
 「石原が来ているのもわかったけど、目測を誤ったところもありますね。ちょっと車間を空けすぎたし、あれだと(橋本)壮史もキツくなるし、自分も消耗して最後にいかれてしまった。感触はいいんで、余裕をもって周りをみられれば」

11R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 前受けの高橋晋也は、福本啓太、近藤隆司を送り出して5番手で打鐘を迎える。先頭に立った福本のペースを見極めて、高橋が4コーナーからスパート。佐伯翔は置いていかれて、高橋、山崎芳仁(写真)でカマし切る。3番手以降は大きく離れて出番はない。そのまま後続の車間は詰まらず直線を迎えて、山崎が高橋を差し切った。
 「(高橋)晋也はジャンから構えて詰まったところで行くっていう感じだった。ジャンではスピードをもらって、1周のカマシでと。風が強くて中部勢も脚を使っていると思っていました。(最終)1コーナーを過ぎて、音が聞こえなかったので(佐伯は)いないのかなって思った。晋也は踏み切っていたし、バックから伸びていたので(別線は)こられないと思った。前回もですけど、連日、ラインに助けられている。期待に応えられて良かった」
 ツボを知るホームバンクのアドバンテージを生かした高橋晋也が、山崎とのワンツーで人気の決着。
 「緊張しました。地元のバンクですし、どこが軽くなるとかわかっていた。全部、作戦通りです。ジャン4(コーナー)で行って、(最終)ホームで出切ってでした。先輩2人が後ろだったので気持ちを入れて走ることができた。(バックが)向かい風っていうのはわかっていたので、(スピードを)乗せるだけ乗せようと思っていた。キツいのは先頭だけではないし、しっかり踏めば、(別線は)誰もこられないと思った」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 赤板過ぎに九州勢を突っ張った新山響平は、矢継ぎ早の脇本雄太(写真)の反撃を察知していたようにさらにペースを上げる。結果的にはそれでスペースができて、脇本は打鐘で5番手に収まる。単騎の山口拳矢が追い上げると、最終ホームで1車下げた脇本がタイミングを取る。2コーナー過ぎから脇本がまくり、引きつけた新田祐大がブロック。しかしながら、スピードに乗った脇本はあっさりとまくり切って、詰め寄る古性優作を振り切った。
 「今年は多少なりとも変化を求めていきたい。今日(初日)のレースはたまたまうまくいった。またチャレンジをしていきたい。今日は外から行ったけど、内を行くことも考えて。課題としては、そこが一番ですね。(まくっていって)新田さんがどういう風に踏んでくるかなと。あんなに横に振ってくると思ってなかった。今回はマグレで(立ち回りが)うまくいったけど、今後もしっかりと考えていきたい」
 古性優作は半車身差の2着。投入した新車がマッチしてくれば、さらなる変わり身がありそうだ。
 「(脇本が)強かったですね。キツかったです。(最終)3コーナーくらいの段階で脚に乳酸がたまっていた。そこまできれいにもっていけてれば。風がなかったとしても、脇本さんのまくりキツくて自分の実力がなかった。今回から新車と新しい車輪を使ってる。それがなじんできたらいいかなと」
 新山が前受けからの突っ張りでレースを支配。4車ラインの番手を務めた新田祐大は、脇本を止められず近畿ワンツーを許した。
 「突っ張り切ったあとに、嘉永(泰斗)君がナメるように下がってきた。それでたぶん(嘉永は)中団に入るだろうと。そのあとは(脇本のまくりを)確認できたけど、自分でこのくらいの距離だったら、このポイントだろうなと。そしたら脇本君の出が良くなかった。それで脇本君が伸びるタイミングが遅くて、ポイントが違った。自分がもっていった時にタッチもできなかった」

6R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 高田修汰に合わせて踏んだ木村佑来が、赤板過ぎに出て主導権を握る。前受けの山口拳矢が4番手に入り、高田は8番手に戻り一本棒で打鐘を通過する。木村は4コーナーからさらに踏み上げて逃げる。すんなり4番手をキープした山口が、最終2コーナーからまくりを打つ。番手の小松崎大地が合わせるも、山口がスピードの違いでねじ伏せる。まくり切った山口を皿屋豊(写真)が差し切って中部ワンツー。
 「(まくった山口の)出だしが良くて、あとは(山田)庸平君にしゃくられないように、差しながらでした。出だしでちょっと遅れて、(山口が小松崎に)からまれた時に付いていけた。差せたのはその分ですね。さすが(山口は)ソツがない。(連勝は)たまたまですね、展開と前のおかげです。(脚の感じは)いいんだろうけど、特別いいっていうのはない」
 山口拳矢は、「忖度してほしいですね(笑)」とバースデー勝利を飾れずに、皿屋を見やってジョーク交じり振り返った。
 「(周回中の前受けは)一番嫌かなと思ったんですけど、結果良かったです。(4番手の位置が)すんなりすぎて迷いながらだった。小松崎さんを越えられそうな感じだったけど、しんどかったです。バンクコンディションが良くないので、感じは良くない。でも、しっかりと自力が出せたので良かったです」

7R

選手の写真です。
井上昌己選手
 前受けの嘉永泰斗が大川龍二の上昇を阻む。そこをダッシュを利かせた大川剛が、赤板2コーナーで勢い良く飛び出す。山崎芳仁は抜かりなく続くが、3番手の柿澤大貴が離れながら出て、青井賢治は付け切れない。大川剛がハイペースで駆けて、3番手以下が大きく離れる。最終ホーム手前から4番手の嘉永が仕掛ける。車間を詰めた嘉永が、バック過ぎからまくって北日本勢をとらえる。最後は続いた井上昌己(写真)が嘉永を交わした。
 「スタートを取りにいったので脚は使いました(笑)。突っ張ってからでしたね。(嘉永)泰斗はよく(最終)ホームで行きましたね。(自分は)キツかったです。風があるから感じ良く回せていない」
 1周以上を踏み込んだ嘉永泰斗が、ロングまくりで前団を仕留めた。
 「(初手は)前か、中団からでしたけど、前だったら突っ張って4番手か、5番手と。(大川剛が)強引に来てたので、その分、バラバラになっていましたね。(打鐘)4コーナーで前のみんなが空いていたので、自分でスピードに乗せた方がいいと思った。あそこで行かなかったら、行けてないかもしれない。踏み出しは悪くないんですけど、重くて気持ち良く回せていない。体は昨日よりもいいですね」

8R

選手の写真です。
新田祐大選手
 7番手から伊東翔貴が仕掛けて、打鐘手前で主導権を握る。北日本の3車が出切り、合わせて踏んだ近藤隆司が4番手、白戸淳太郎が連結を外して梁島邦友が5番手に入る。伊東が逃げて、伊藤旭は8番手で最終周回へ。伊藤が2コーナー手前から踏み出して、新田祐大(写真)も合わせて3コーナーで出る。一度は伊藤に出られた新田だったが、内から盛り返して先頭でゴールを駆け抜けた。
 「(伊東)翔貴が残り1周半を目がけていって、向かい風の失速もあった。一本棒で伊藤旭君のラインが一番後ろだったのがわかった。あとは彼が仕掛けるかどうかでした。難しかったです。思っている以上に風があるところとないところがあって、レースの状況と流れで全然変わってしまう。(最終)3コーナーがポイントかなと思ってたら、そこよりポイントが前で対応が遅れてしまった」
 後方からまくった伊藤に乗った瓜生崇智が、直線で外を追い込んで2着。
 「(伊藤が)強かったです。(最終)1コーナーのところでちぎれた。あそこ(新田のけん制)を乗り越えると思ってなかった。新田さんが盛り返すのは仕方ない。自分は(伊藤)旭を抜いているし、状態はいい」

9R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 スタートを出た渡部幸訓(写真)が、新山響平を迎え入れて北日本勢が前団に構える。誘導との車間を空けた新山が、赤板過ぎから踏み込んでペースを上げる。浮いた山本直が外を踏んで、山賀雅仁はインを進出。打鐘では4番手が山賀、橋本壮史、山本で重なる。新山がペース駆けに持ち込み、南関勢が中団を確保して最終周回へ。6番手の橋本がバックからまくるが、新山がリズム良くペースを刻み前が遠い。番手の渡部幸訓が、落ち着いて直線で差を詰めて1着。04年のデビューから20年目で、区切りの通算300勝を遂げた。
 「(新山)響平が自分とオギ(荻原尚人)を連れ込むように仕掛けてくれた。いいペースで駆けてくれて、仕事をする場面もなく連れていってくれた。踏んだら伸びたので抜けてホッとしました。昨日(初日)の感じだと脚力が勝負になっていないって不安があった。思い切ってフレームをチェンジしたら感覚が良かった。エース機がつぶれて、昨日は違うので走ったけど、今日は前回の小倉で使ったフレームです。アタリが良かったので、明日もこれでいこうと思います。(300勝で)気持ちがフラットになった。勝利数はそこまで気にしていないですし、一戦、一戦ですね」
 荻原が3着に流れ込んで、ラインでの上位独占をメイク。S級S班の新山響平が役者の違いを見せた。
 「山本さんが遅めに来たので、変化球がきたと思いましたけど、冷静に対処して自分の位置から仕掛けられた。自分らの横まで来るとカマシごろになるので、突っ張れたのは大きかった。昨日(初日)からの新車を今日も使って、改善点はわかっているけど、その分、末を欠きますね」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 赤板1センターで橋本智昭が出て、前受けの古性優作が3番手に飛び付く。北日本勢を追い切れず浮いた吉田拓矢(写真)は、6番手に降りて打鐘を迎える。3コーナーから青柳靖起が巻き返して、最終1コーナーで叩き切る。古性は九州勢にスイッチ。2コーナー手前から踏んでバックでまくり切る。坂上樹大を内からさばいて古性、窓場千加頼を追った吉田が、ゴール寸前で近畿の2人をまとめて交わした。
 「橋本さんが切ってからの勝負かなと。そしたら(橋本が)思った以上にフカして、自分が切れなくてああいう展開になった。そのあとも(仕掛けた)青柳(靖起)君のところを反応できれば良かったけど、見てしまった。それで古性さんをアテにするようになってしまった。余裕があったけど、大事にいきすぎました。勝ちを狙いすぎた感じです。ただ、GIだとあれじゃ万事休すなので、隙が多かった」
 微差の2着もさすがの立ち回りからまくった古性優作は、あと一歩も上々の感触をつかんでいるようだ。
 「(橋本が出てから)想定外なくらいにピッチが上がった。ライン3人で決められるかなっていうのがあったけど、自分の力がなかった。まくって(最終)3コーナーくらいでいい感覚で出そうで、出なかった。そこが出たら特別(GI)を走っても面白いくらい。あとちょっとでしたね。体がスムーズに動いてくれそうな雰囲気があったので待ったけど、それが出なかった。ただ、この時期でこれくらいなら悪くない」

11R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 小西晴己、山根将太の順番で出るが、川越勇星は内を進出して打鐘過ぎに3番手を奪取。高橋晋也は別線の動向を見極めて、2センターから仕掛けた小西を目標にするように踏み込む。高橋がスピード良く、最終2コーナー手前で逃げる山根をとらえる。須永優太は踏み出しで遅れて、高橋、佐藤慎太郎(写真)で後続をちぎる。佐藤が余裕をもって追い込んだ。
 「ホッとしました。前回(川崎記念)は二次予選で負けているので。今回は1着クリアできて良かった。(高橋は)だいぶ落ち着いていましたね。余裕がない選手だと踏み合いに参加してしまうんですけど、いいところで行ったのが良かった」
 同県の先輩2人との連係で重圧もあったことは想像に難くない高橋晋也だが、佐藤が称えるように落ち着いた一撃でまくった。
 「連日、後ろが重すぎた(笑)。(赤板の)2コーナーで行こうと思っていたけど、前が踏み合っていたので(別線の)3人に脚を使わせて落ち着いたところを目がけて整ってから行った。けど、あれだと3番手はキツいですよね。ラインで決められずに悔しい。状態はいいと思います」

12R

選手の写真です。
石原颯選手
 赤板を通過しても隊列は崩れず、7番手にいた脇本雄太は打鐘から仕掛ける。石原颯(写真)も誘導を降ろしてペースアップ。中団で小休止の脇本だったが、木村隆弘と接触して落車。そのまま石原の先行で最終ホームを通過する。離れた3番手の寺沼拓摩は、なかなか詰まらない。直線は石原と湊聖二のマッチレース。石原が二の足で押し切った。
 「誘導のペースも上がったんで、自分も楽に上げられた。(脇本が落車をしたのは)最終の2センターくらいで気づきました。最後はタレている感じもある。でも、昨日(初日)もいい感じで踏めたし、(2日目も状態的な)変化はないですね」
 「(本当なら)110点くらいあるんじゃないですか」と、半車輪差の2着に湊聖二は、石原に脱帽して汗をぬぐう。
 「スタート以外は、石原君にお任せでした。あとはもう彼が全部、判断をしてくれた。(落車のアクシデントがあって)誰かなっていうので、(ラインの)木村じゃないでくれって。最後は抜きにいったけど、抜けなかった。石原が強かった。でも、すんなりの1周先行を抜けなかったんで見つめ直します」

10R

選手の写真です。
新田祐大選手
選手の写真です。
伊藤旭選手
 地元トリオが前団に構える。高橋晋也が寺沼拓摩を突っ張り出させない。伊藤旭が4番手を確保して、6、7番手に単騎の2人、山口拳矢、窓場千加頼が続く。ペースを握った高橋は、関東勢が後方に下げたのを確認して、落ち着いて最終ホームから踏み上げる。新田祐大(写真)は、逃げる高橋との車間を空けて間合いを取る。7番手の窓場が2コーナー過ぎから仕掛けて、伊藤は2センター付近から追い込む。引きつけた新田が、直線で抜け出した。
 「連日、難しい風ですけど、そのなかで(高橋が)うまくレースをつくってくれた。仕掛けるところも良くて、加速も良かった。今日(3日目)こそ(ラインで決めて)いけるんじゃないかと。結果的には、(渡部)幸訓さんまで決められなくて悔しいですね。いままで記念もそうですけど、3日間ずっと人の後ろっていうのはなかったと思う。勉強にもなったし、連日、得るものがあった」
 車番の利もあって地元勢の後ろをキープした伊藤旭(写真)は、早めの追い込みで2着に伸びた。
 「自分が前を取りに行く気じゃないとほかのラインに取られるし、それで新田さんが前だったらやりやすいかなと。その展開になりましたね。あとは寺沼さんが切りにいったあとに吉田(拓矢)さん、窓場さんが内に降りてきたんで、4番手のそこだけは譲れないなって。新田さんが車間を切っていたんで、詰まった感じがあったけど、これは合わせられるなって。一歩で合わされました。連日、調子が上がってきたて、(2日目から)フレームを換えて良かった」
 単騎の窓場千加頼は、同じく単騎の山口を前に見る7番手。山口の仕掛けを待たずに果敢に踏み込んで、GIII(3日制を含む)3回目の決勝進出を果たした。
 「車番が悪かったんで後ろからでした。理想は前々に攻めていきたかった。(関東勢が突っ張られたあとは)山口君にスイッチして、山口君より先に仕掛けるのが大前提でした。3(着)まで届いて良かった。それで決勝に上がれたのはうれしい。けど、1着まではいけてないので改善の余地はある。こういう豪華なメンバーで決勝に乗れたのは自信になります」

11R

選手の写真です。
神田紘輔選手
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井上昌己選手
 石原颯が赤板1コーナーで先頭に立ち、4車のラインで出切る。合わせて踏んだ古性優作が5番手で、小松崎大地は一本棒の7番手で打鐘を迎える。先行態勢の石原は、最終ホーム目がけてさらに踏み上げる。古性が2コーナーまくりを打ち、番手の山田庸平が合わせて出る。古性と山田で激しい踏み合いになり、古性マークの神田紘輔(写真)も追い込む。4車が横一線でゴールしたが、古性が4着に沈んでは1着も神田は手放しでは喜べない。
 「外に浮いて、踏んで(井上)昌己さんを出してしまったのが反省点。余裕をもっていれば対処ができたと思う。気持ちの余裕がなかった。最近は調子がいいんですけど、実力と経験値の差がまだまだあります。そこを詰められればもっと上がると思う」
 古性に前に出られた山田庸平だったが、あきらめずに内のコースを踏んで最後は僅差で古性に先着した。
 「スタートを失敗して後ろになってしまったけど、石原君がレースをつくってくれた。石原君のおかげですし、4番手まで固めてもらって大きかった。今日(3日目)は余裕はあったが、自転車に重さを感じたのでなんとも言えない。前回よりは良くない。疲れなのか、重さを感じた」
 最終2センターでコースがなかった井上昌己(写真)だが、直線では大阪コンビの間にスペースを見つけて伸びた。
 「石原君がいいペースで駆けてくれた。余裕はなかったですよ。古性君に行かれるかなって感触があって、神田君が外を踏んで余裕がありそうで、そこの間を必死でした。疲れがたまっている感じがあるんで、明日(最終日)はアップから考えていきたい」

12R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
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佐藤慎太郎選手
 青板から動き始めた小西晴己に早めに並ばれた新山響平は、外に持ち出せず赤板のダッシュ勝負で突っ張る。主導権を渡さず新山がマイペースに持ち込むが、打鐘3コーナーから再度、小西が仕掛ける。小西は不発も、最終ホームで皿屋豊が自力を発動。逃げる新山は皿屋も合わせ切るが、その上をまくった嘉永泰斗(写真)までは対応できない。しかしながら、瓜生崇智が離れて、嘉永が1人でまくり切る。直線で北日本勢が追い込むが、嘉永が後ろをちぎった。
 「初手がミスですね。自分は発走機が弱点なので。後ろ(6番手)からだったので(別線の)動きを見てでした。(三重勢に)付いていくか迷いました。新山さんが(三重勢を)出した時のことを考えて、一応、付いていきました。昨日(2日目)がキツかったので、そのあとは道中はわりと余裕がありました。仕掛けて、踏んだ感触は良かった。行けるかなって思ったし、(脚の感じは)悪くないです」
 三重勢の連続攻撃を不発に追いやった新山響平は、ラインの援護もあり先行策で2着に粘り込んだ。
 「小西君もヤル気を出して早めに押さえに来た。それに反応できなくて、(自分が外に外せなくて)突っ張れるかどうかわからなかった。(結果的に)突っ張れたんで、あとは自分のペースでと。(小西が)もう1回踏んできたし、そのあとに皿屋さんも来て、緩めるところがなかった。それで嘉永君を合わせられなくて、(佐藤)慎太郎さんが迎え入れてくれた。(まくられたあとは)もうガス欠で追いかけただけだった」
 嘉永がまくり切ると、佐藤慎太郎(写真)が新山の番手で的確な判断からアシスト。新山は交わせずも3着で決勝には進んだ。
 「皿屋が来た時に当たってしっかり止めておけば、嘉永も来づらかったかなっていうのはあります。難しいところでした。(嘉永が)1人だったのが見えて、ちょっとバックを踏む形だった。(新山を迎え入れた)そこはいい判断だったと思うけど、(新山を)抜けてない。ただ、疲れはないし、今日(3日目)が一番いい状態だった」