打鐘で切った森川大輔を中井俊亮が押さえたところを吉澤純平(写真)がすかさず反撃に出る。ホーム過ぎに出切った吉澤に萩原孝之がピタリと続き、3番手の勝瀬卓也は離れながらも前の2人を追いかける。吉澤のスピードは最後まで衰えず、萩原の追撃をそのまま振り切った。
「行けるところからって感じで作戦は特に決めてなかったです。中井君に思い切り行かれたら厳しいと思っていたんですが、前が少し踏み合って、行きやすくなりました。今回はしっかり力を出し切って、あとは粘り込めるかどうか。結果はあとからついてくると思ってます。決勝はきついメンバーですけど、やりがいがあります。自分の持ち味をしっかり出したいと思ってます」
好マークから萩原孝之(写真)が際どく詰め寄った。
「絶好のカマシ頃になりましたね。出脚もすごかったし、道中もすごかったです。最後は差せたかと思ったんですけど、踏み直されました」
叩かれた中井が厳しいと判断した稲垣裕之はバックから外を踏み込んで3着に食い込んだ。
「予想外の動きもあって厳しい展開になったんですけど、中井君は前々に攻めてくれました。やっぱり吉澤君を後ろに置くようなレースをしないといけないし、そこの辺は反省です。今回は1着を取れてないので、自分としては不完全燃焼ですね。決勝は今年最後のレースになるので、しっかり悔いのない走りをしたいと思います」
中井俊亮は力を出し切れないまま7着に敗れた。
「先行態勢を取ろうと思った時に4番(森川)とからんでしまって、吉澤さんの仕掛けやすい展開になってしまった。中途半端に終わったので悔しいですね」
<最終日9R レインボーカップA級ファイナル>
レインボーカップA級ファイナルが最終日の9レースに行われる。A級屈指の実力者9名が広島バンクを舞台に激突する。ここで3着以内に入れば、S級特別昇級が決まる。今期の競走得点が一番高いのは山本直だ。直近6場所で優勝3回、準V2回と圧巻のパフォーマンスを見せている。
「しっかり練習はできています。ここに向けていい感じでやれたし、調子は抜群です。A級に落ちてから練習量を増やして、脚は上がっていると思います。自分でやるだけですね。しっかり考えて走ります」
福田知也は12月の川崎、前橋と2場所で完全優勝を飾った。ここは山本の番手を主張して即席でラインを組む。
「山本君が一番強いですからね。番手にいきます。最近は恵まれていますね。来期に向けていろいろ試しながらやっているけど、調子はいいと思います」
来期A級予定の市橋司優人にとっては勝負駆けの一戦だ。しっかり準備はしてきた。
「今期は前半がよかったのに、後半から悪くなってしまいました。練習はしっかりやっているし、セッティングをいじったりして、万全の態勢です。メンバーがメンバーなんで厳しいですけど、自力でしっかり頑張ります」
同じく来期A級予定の宗崎世連は単騎戦を選択した。
「山本君の後ろにいこうか最初は迷ったんですけどね。そっちのほうが確率は高いと思うけど、やっぱり自力で決められたほうが自信になる。それでダメならまた頑張ればいいだけですから。ジタバタしてもしょうがない。行けるところから仕掛けて狙います」
松田大は10月武雄の落車で大ケガを負ったが、復帰戦の12月四日市ではまずまずの走りを披露した。
「ケガは鎖骨、肋骨の骨折と肺挫傷でした。練習は12月に入ってからで、四日市はちょっとダメかと思っていたんですけど、その中では走れたほうだと思います。1走して上がってきています。いいとは言えないけど、勝負できる状態です。先行基本にいいレースをしたいですね」
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