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ひろしま競輪

HIROSHIMA KEIRIN

62#

検車場レポート

  • 12/20 Wed.  (前検日)
  • 12/21 Thu.  (1日目)
  • 12/22 Fri.  (2日目)
  • 12/23 Sat.  (3日目)

1R

 オープニングレースは細切れの激戦ムードだ。機動型の中で一番点数を持っているのは新山将史だが、ここ2場所は精彩を欠いている。


 「落車で左手の甲を痛めたんですが、もう治ってます。練習はできているので、ダメなのは気持ちの問題ですね。いつも落車の直後は2、3場所悪くて、それから吹っ切れてよくなります。今回もそのパターンですね。脚は変わらないので、気持ちを強く持って走ります」


 戸田康平は積極的なレースで徐々に調子を戻している。


 「だいぶよくなっています。底は抜けた感じですね。レースで走っている感触がよくなってます。朝早いのは寒いし、ちょっとしんどいですね。無茶駆けはしないように、うまいこと考えて走ります」


 

2R

 白戸淳太郎は半年以上も勝ち星から遠ざかっているが、高い競走得点をキープしている。


 「半年ぐらいもう勝ってないんで、久しぶりに勝ちたいですね。調子は悪くないんですよ。いいほうですね。前の選手も頑張ってくれるので、最近の成績もいいです。巴(直也)君の番手でしっかり頑張ります」


 巴直也はここ2場所の成績がパッとしない。今年最終戦で悪い流れを断ち切るか。


 「練習の感じはいいんですけどね。2場所前の伊東のエボリューションから成績が悪いんで、ここでしっかり来期につながるレースをしたいと思ってます」


 

3R

 森川大輔は12月の地元岐阜FIで今年初優勝を飾った。決勝は野原雅也の番手回りのチャンスをきっちりモノにした。


 「よくなってきたと思っていたら、岐阜で優勝できました。いいきっかけになってくれれば。最近はずっと配分が詰まっているんですけど、それなりに練習はできました。泉谷(元樹)君と連係するのはたぶん初めて。信頼して付いていきます」


 泉谷元樹は徹底先行で奮闘している。今シリーズも積極策に迷いはない。


 「だいぶS級のレースに慣れてきました。調子に乗って前回の大垣で欲をかいたら予選で飛びました。ここまで間隔は空いたので、練習はやってきました。直前は豊橋のバンクが使えなかったので、名古屋でやってきました。状態は変わらないと思います。しっかり駆けるつもりで踏んで、それでも行かれたら最悪、中団になりますね」

4R

 小埜正義は11月小倉競輪祭の一次予選で久々の1着。3連単で100万円を超える大穴配当を演出した。まだ本調子ではないが、徐々に上向いている。


 「(11月)松山で落車して胸骨を骨折しました。びっくりするほど痛くはなかったです。だいぶよくはなってます。競輪祭で一発出せたけど、もう一発ぐらい出したいですね。来年に向けて、ここでいいレースをしたいと思ってます」


 吉本哲郎は地元のトップバッターとして登場。しっかり持ち味を出して、後に続く地元勢にバトンをつなげる。


 「(11月)名古屋で落車したけど、しっかりケアして、最近はタイムも出ている。もうケガの影響はない。練習はしっかりやってきたし、バッチリです。自力でしっかり頑張る」


 

5R

選手の写真です。
佐伯辰哉選手

 佐伯辰哉(写真)は直前の和歌山FIで凡走。しっかり気持ちを入れ替えて地元記念に挑む。


 「和歌山は爆風にやられました。体重がもっとほしいと思いました。S級に上がった時から地元記念に向けてやってきたし、練習も仕上がりもバッチリです。記念は3回目で記念のレースも分かってきました。師匠(西岡拓朗)とレースで一緒になるのは初めてです。5歳の頃からBMXで一緒にやってきたし、気心も知れているので緊張はしません。ゴール前でしっかり連れて行けるように頑張ります」


 西岡拓朗は練習中の落車により長期欠場を余儀なくされた。


 「後輩が落車して、それに乗り上げて左鎖骨を骨折しました。手術して何とか間に合わせました。練習は3週間ぐらいです。沖縄に1週間、合宿に行って乗り込みました。不安ないぐらいの感じにしたんですけど、冬場でスピードは出てないので、走ってみないと分からないです。(佐伯と)地元で一緒に初めて走れるのはうれしいですね。後ろから来るのはしっかり止めたいです」

6R

 相川永伍は通算199勝で足踏み状態が続いている。今シリーズで節目の勝利をしっかり達成したい。


 「(200勝が)遠いんですけど、今シリーズ中のどこかで決めたいですね。11月の終わりにギックリ腰をやったんですけど、よくはなってきています。前回の高松はよくなかったので、考えて練習してきました。先行基本に頑張ります」


 杉本正隆は11月の西武園で決勝2着と好走。好調時の切れが戻ってきた。


 「状態はよくなってきました。最近は脚の感じも悪くないですね。ここに向けてはいつもどおり普通に練習してきました。相川さんとは何度か連係しているし、しっかり決めたいです」

7R

選手の写真です。
竹内翼選手

 竹内翼(写真)はこの地元記念、そして年末のヤンググランプリと大事なレースが続く。準備は万端だ。


 「前回の別府記念は初日がよかったのに、2日目、3日目はダメでした。練習の感じは本当にいいです。最近はギアをかけてカーボンフレームでやってます。桑原大志さんが広島に来て、アドバイスをもらってます。SSの人と一緒にやることで自分の中で変わっている感じはしています。地元記念が終わってヤンググランプリもあるので、しっかりいいレースをしたいと思います」


 前反祐一郎は直近5場所で優出3回。いい流れで地元記念を迎えられた。


 「地元記念に向けて練習はしっかりやってきました。尻上がりに上がってますね。でも、流れがいいだけです。自分の中で何がいいかは分からないんですけどね。(竹内)翼が勝つレースをしてくれれば自分にもチャンスはあると思います」


 

8R

選手の写真です。
元砂勇雪選手

 元砂勇雪(写真)の実力が一枚抜けている。ハイパワーで別線を圧倒しよう。


 「前回の小倉はタイムも出なかったし、ちょっと微妙でしたね。終わってから先輩の結婚式に出たりして少し忙しかったんですが、直前の2日間はしっかり練習できました。乗り始めたときは感覚がちょっと悪かったけど、2日目はよくなりました。ここで2勝すればウィナーズカップは特選に乗れそうだし、ダービーの出場権利もかかっているので頑張りたいです」


 渡辺十夢はここ数場所、元気がない。原因ははっきりしている。


 「雪であんまり練習できてないんですよ。前回の和歌山が終わってからも地面に乗れたのは1日だけ。あとは室内ですね。強い元砂君と一緒なので、しっかり付いていけるように」

9R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 石塚輪太郎(写真)は10月豊橋FIから5場所連続の優出。本格化の兆しを見せている。


 「調子はずっとよかったんですよ。10月に自転車を替えてからずっと決勝に乗れている。それが一番大きいですね。今回はダービーの賞金もかかっているので、追加を受けました。決勝を目標に頑張ります」


 地元の吉永和生は追加参戦。初日から絶好の目標を得た。


 「追加は佐世保記念の開催中にもらいました。追加でひょこっと入れてもらって、石塚君の番手にいけるなんでラッキーです。レースはよく観ているし、強いのは知ってます。最近は自分も乗れていると思います。しっかり付いていくだけですね」


 

10R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 吉澤純平(写真)は11月防府記念を走り終えて約1カ月の期間を欠場した。復帰戦の12月岐阜FIは決勝3着とまずまずの走りを見せた。


 「腰痛が出て休みました。けっこう配分が詰まっていたし、地区プロもあったので疲れもたまってました。前回の岐阜は久々だったんで不安もあったんですが、しっかり仕掛けられたと思います。終わってからグランプリ前の武田(豊樹)さんと一緒に練習していい刺激ももらいました。今年は落車も多かったんですが、いい経験ができたし、成長できたと思います。今年最終戦なんで、いい結果を出して締めたいですね」


 河端朋之は11月小倉競輪祭の後に海外遠征。ナショナルチームで活躍している。


 「実戦は久しぶりですね。ワールドカップでカナダとチリに転戦してました。最高成績はチリでスプリント3位。自己ベストのタイムも出せました。帰国したのは先週の水曜日です。ナショナルチームの練習は自分に合っていると思います。あとは自転車が違うので、そこだけですね。うまくかみ合ってくれればいいと思います」


 池田良は11月久留米FI、競輪祭で連続落車したが、大きなダメージはなかった。


 「連続落車したけど、ケガは両方とも擦過傷ぐらいです。前回平で走って、問題もなかったので大丈夫です。練習もバッチリできました。地元記念で勝手に気合は入ると思うし、頑張りたいですね。河端さんにしっかり付いていきます」


 

11R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 原田研太朗(写真)は昨年大会の覇者だ。12月取手FIで完全優勝。前回の伊東記念でも決勝に進出するなど、状態面に不安はない。


 「取手で完全優勝できて、伊東記念も感じよく走れました。決勝は久しぶりに太田(竜馬)君と連係して強くなってました。僕がハコでもう少し何かできたかもしれない。すごい勉強になりました。連覇は意識せずに頑張ります」


 松浦悠士は11月競輪祭の最終日に落車したが、もう影響はない。


 「ケガは大丈夫です。特別なことはせずに、ここに向けて調子がよくなるようにやってきました。前回の岐阜はここがあるので大事に走りました。感触は悪くなかったです。前回は新車で、今回もそれでいきます。このフレームのほうが出脚はいい感じですね。まずは初日をしっかりクリアしたいです」


 竹内雄作は前回の12月前橋FIで連日逃げて圧巻の完全優勝。今年ラストのシリーズも積極策で駆け抜ける。


 「前回の決勝は(坂口晃輔に)抜かれたと思ったけど勝ててよかったです。いつも通り練習はやってきました。1月はお休み(あっせん停止)です。ここが年内最終戦なんで頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 稲垣裕之(写真)は11月競輪祭の最終日に落車の憂き目にあった。1本欠場して、しっかりトレーニングを積み重ねてきた。


 「体のケアはしっかりやってきました。前場所(伊東記念)は落車から間がなかったので欠場させてもらいました、その分、しっかりトレーニングできましたし、ケガの影響はもうないと思います。今はまた来年に向けて、トレーニングを始めています。今年最終戦なんでしっかり頑張ります」


 村上博幸は競輪祭が終わってから鎖骨のプレートを抜く手術を行った。


 「競輪祭が終わって前もって予約していたので、1本欠場しました。プレートを抜いて軽くなったと言えば軽くなった気がします。いろんなケガをして体と一体化しているので、あっても違和感はそんなにないんですけどね。1日入院して、次の日からすぐ自転車に乗ってました。すっきりはしましたね」


 中井俊亮が近畿ラインの先頭で果敢に攻める。


 「ここ2場所の成績はいまいちなんですけど、脚の感じは悪くないです。前回の平が終わってから、しっかり乗り込んできたので、かみ合ってくれるといいんですけどね。自分にできることをしっかりやります」


 松谷秀幸は競輪祭、12月の別府記念とあと1歩のところで決勝進出を逃している。


 「競輪祭、別府記念と(準決勝は)4着が続いているんですけど、レースでしっかり動けているので、よしとします。今回は追加で、この後も中2日で平塚のFIがある。ダービーの(特選)権利もかかっているので、賞金の上積みがしたいです」


 

1R

選手の写真です。
戸田康平選手

 中団の松岡孝高が切りに動くが、新山将史が前受けから突っ張り、さらに打鐘で北川大五郎も巻き返す。別線が脚を使って最後に動いた戸田康平(写真)が、北川を叩いて主導権を奪取する。梶應弘樹は付け切れず北川が追いかけるが、戸田はグングン加速。2番手以降を引き離した戸田がそのまま押し切った。


 「(新山と松岡が)やり合ってくれたので、ちょうどいいタイミングを逃さずに行けてよかったですね。踏み出しはよかったけど、最後はタレたのでゴール前は苦しかった。展開がよかったおかげ。体調は問題ないので、今年最終戦で、来年につながるような競走をしていきたい」


 北川は逃げる戸田との車間がなかなか詰まらない。松岡も不発で小野俊之は、落ち着いて最内のコースを伸びて2着。


 「直線は中のコースを突こうと思ったけど、内が空いたので問題ないかなと思いながら踏んだ。朝の練習でもセッティングがイマイチだったので、(二次予選は)さらに修正をして臨みます」


 

2R

選手の写真です。
白戸淳太郎選手

 赤板の2コーナーから踏み込んだ山崎翼が逃げる。合わせて動いた掛水泰範はソツなく3番手をキープ。中村一将は5番手に引いて、一本棒の8番手に置かれた巴直也が打鐘の4コーナーから反撃に出る。掛水が合わせてまくって、林成人を締め込みながら巴が追走する。巴に続いた白戸淳太郎(写真)は、外を踏んで横一線のゴール勝負を制した。


 「今期初勝利です。巴サンタのおかげですね(笑)。踏み出しはキツかったけど、ゴール前は余裕がありました。脚の感じもそんなに悪くないです」


 俊敏な立ち回りで流れに乗った掛水泰範が、3番手まくりで二次予選に進出。


 「中村さんが引いてくれたんで、いい位置を取れてよかった。まくって行ったけど自分の体の状態なのか、すごく重く感じました」


 

3R

 後ろ攻めの泉谷元樹が赤板前から上昇。合わせて動いて先に切った志村龍己は打鐘で泉谷を受けて中団を確保すると、最終2コーナーから力強くまくって激戦を制した。


 「泉谷君が先行すると思っていたし、中団は絶対でした。あれしかないでしょう。(根本哲吏が)来てから行ったので、タイミングは違ってました。タイミングどおりで行ければラインで決まってましたね。森川君のけん制でスピードが止まってしまったけど勝ててよかったです。最近は諸橋(愛)さんと練習して、いい刺激をもらってます。調子もいいですね。自転車もしっくりきているし、気持ちも上がってます」


 森川大輔は志村を止めきれなかったが、内から盛り返して際どい勝負に持ち込んだ。


 「1回振って止まったと思ったんですけどね。もう1回振ろうと思ったら来てました。油断してました。へたくそですね。でも、その後はいいとこまでいけたし、踏ん張れたと思います」


 7番手からまくった根本哲吏は3着まで。


 「前は取りたくなかったんですけどね。最悪の展開になって内容はよくないですね。まくり合戦になって1着は取れなかったけど、踏み負けてはいなかったと思います」


 

4R

選手の写真です。
吉本哲郎選手

 小埜正義が別線を警戒しながら、カマシ気味に出た富山コンビを受けて3番手に入る。地元の吉本哲郎(写真)が、後方に置かれて最終回を迎える。空けた車間を詰める勢いで小埜がまくるが一息。対照的に2コーナーからまくった吉本は、目の覚めるようなスピードであっという間に前団をのみ込んだ。


 「いったん切ってから中団を取りたかったけど、想定外の展開になった。(後方になってからは)地元だし、まくりで仕留めようと思って、落ち着いていました。地元のトップバッターで緊張したけど、結果が出てよかった。練習でもタイムが出ていたし、いい感じに仕上がっていますね」


 國村洋は吉本との1車身差を保ったまま2着流れ込み。


 「想定の組み立てと違ったけど、吉本君がうまくやってくれました。吉本君に離れたこともあるけど、そのたびにセッティングを見直して、(今回は)答え合わせのつもりでした。うまく(ラインで)ワンツースリーまで決まってよかった」


 

5R

 人気の地元師弟コンビが赤板で押さえて出る。単騎の山口貴弘が4番手に続く。先行態勢の佐伯辰哉は徐々にピッチを上げて駆ける。が、8番手から巻き返した堀兼壽がロングまくりで前団に迫り、最終3コーナーで逃げる佐伯をとらえる。奥谷広巳が連結を外し、今度は堀に山口、南関勢が襲いかかる。最終バックから大外をまくり上げた本多哲也を大塚玲が交わして1着。


 「前は気合が入り過ぎてしまっていたけど、自然体でレースに臨むようになってから、いい方向に出ています。周りも見えていたし、伸びも良かった。余裕もありましたよ」


 飯尾主税は4着ながらも、ラインの3人が勝ち上がった本多哲也は、恵まれをアピールする。


 「堀君が(最終)ホームで休まず仕掛けてくれた。それで自分も行きやすくなった。展開に恵まれました。ラインのおかげですよ」


 

6R

 打鐘で飛び出した藤井昭吾に対し、相川永伍がすかさず襲いかかる。相川が強引に藤井を叩き切って最終主導権。バックで中団の内に切り込んだ山田庸平は藤井とからんで両者ともに落車のアクシデント。目標がいなくなった桑原亮が自らまくり上げて前団を飲み込んだ。


 「(山田)庸平が外に持ち出して仕掛けてくれたおかげです。内に入って、前がいなくなった。あそこでバックは踏めないので、前に踏ませてもらいました。余裕はあったし、脚自体は軽かったです。でも、庸平が落車してるので喜べないです」


 最終ホームで鷲田を決めて内に降りた杉本正隆はそのまま藤井をすくって相川と再ドッキング。番手から追い込んで2着に入った。


 「グチャグチャになりましたね。5番(桑原)が見えて踏んでしまった。あれを待つと厳しいし、難しいですね。失敗です。相川さんを残せたかもしれない。申しわけないです」


 

7R

選手の写真です。
前反祐一郎選手

 竹内翼が打鐘で押さえて先行態勢に入る。保科千春がすかさず巻き返すが、この動きを確認した竹内はしっかりペースを上げて合わせきる。そのまま快調に駆けて完全に中四国勢のペース。最後は番手絶好の前反祐一郎(写真)が鋭く差し切った。


 「すべて(竹内)翼のおかげです。彼は相当気持ちが入っていたし、期待以上の走りで応えてくれましたね。外(福島栄一)が踏んでいたので、あそこまでいってもらったら1着を取らないとと思っていました」


 竹内翼は打鐘先行で別線を完封。ラインを上位独占に導いた。


 「どんなところでからでも先行をしようと。師匠(吉本哲郎)の競走を見てやる気が入っていました。保科さんに合わせて踏むことができたし、4コーナーからも踏み直せました。次はヤンググランプリがあるし、今節は下手なレースはできない。先行態勢に入れれば3着には入れると思うデキです」


 ライン3番手から直線で外を踏んだ福島栄一が竹内と2着を分け合った。


 「竹内君が早くから駆けてくれたおかげ。後ろがきているように感じて焦って早く踏んでしまった。竹内君が2着に残れてよかった」


 

8R

 元砂勇雪が打鐘で竹山陵太を押さえて主導権。竹山が4番手、関東勢は後方となって一本棒で最終ホームを通過する。元砂がバックも先頭で迎えるが、最終2センターから竹山が仕掛けると、スピードをもらった鹿内翔が直線中を鮮やかに突き抜けた。


 「ラッキーでした。もう竹山がすんなり中団を取ってくれて、まくり追い込みでスピードをもらえれば勝ち上がることはできるかなって思ってたら、まさか1着まで届くとは。サラ脚だったので、伸びもよかったですね」


 中団からまくり追い込んだ竹山陵太が2着で北日本ワンツーが決まった。


 「元砂君がすんなり駆けていたので、バックからだとまくれないなって思って落ち着いて仕掛けようと思っていました。外を伸びているし、脚は悪くないと思う」


 人気の元砂勇雪は直線で末を欠いて4着。辛くも二次予選に進出した。


 「1着を取りたかった…。後ろから相手がすごい伸びてきましたね。バンクコンディション的に踏み上がらない感じだったので、一気にスピードを上げる仕掛けの方がいいのかも」


 

9R

 前受けの石塚輪太郎が山本紳貴の上昇を許さずに赤板から突っ張り先行に出る。山本は7番手まで下げるが、中団に入った屋良朝春は打鐘の3コーナーで石塚が中バンクに上がったところで内をすくって番手で勝負する。そこを山本が反撃に出るが、これを合わせ切った石塚がスピードを上げて最終バックから一人旅。力の違いを見せた。


 「(スタートで)けん制が入ったので、前で受けて立とうと思いました。(山本)紳貴さんが思ったよりゆっくり来たので、あれを出したらなめられると思って突っ張りました。2センターで内を空けちゃったんで、そこだけ失敗ですね。後ろを見ながら上がってしまいました。重い感じはしたんですけど、最後まで踏み切れているんで調子はいいと思います。大垣に続いて(記念)決勝に乗りたいです」


 地元の吉永和生は離れながらも屋良に踏み勝って2着をキープした。


 「内も空いたし、誰かが来ると思って準備はしてました。なんとかしのげました。2着で車券にも貢献できたと思います。練習はずっとできていたんで、踏めていました」


 

10R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 吉澤純平が打鐘過ぎから主導権を握る。最終ホームは中団に九州勢、後方が中四国勢で一本棒に。7番手の河端朋之が1センターからダッシュよくまくって迫るが、2センターで神山雄一郎のけん制を受けて失速。河端にスピードをもらった池田良がコースを突くも、その後ろから小倉竜二(写真)が鋭く伸び切った。


 「(河端が)あそこまで行ってくれて勢いをもらえましたね。あとは池田君はコース取りがうまいし、それに乗っていこうと思った。そこまでハンドルは投げていませんよ。抜いていないかと思った」


 地元の池田良は巧みなコース取りで2着に入った。 


 「(河端が)仕掛けてくれたのが大きかったですね。落ち着いてコースを探すことができた。地元だし頑張れましたね。脚は悪くないし、ボチボチです」


 神山の援護を受けて逃げ粘った吉澤純平は2日目以降に向けて修正を誓う。


 「脚を使って踏まされての先行だったのでキツかった。(直線は)タレたけど、一生懸命踏んで粘れました。長い距離を踏めているので、修正点(組み立て)を直していきたいと思います」


 

11R

選手の写真です。
小松崎大地選手

 竹内雄作が打鐘で小松崎大地(写真)を叩く。小松崎が中団、原田研太朗は7番手に置かれて一本棒で最終ホームを通過。竹内が軽快に逃げるが、最終バック前から仕掛けた小松崎がジワジワと前団に迫り、踏み直す竹内を直線でとらえた。


 「厳しいかなって思ったけど、勇気を持って仕掛けた結果がよかったです。後ろが動ける選手だったので、気持ちをくんだレースになりました。でも、竹内が強いっていうレースでした。自分で動けていたので、それはよかったかな。明日(2日目)も持ち味を出したいです」


 長い距離を力強く踏み切った竹内雄作が2着に粘った。


 「ちゃんと切らないといけなかったけど、原田君が何をしてくるのか分からなかったです。スピードをもっと上げれば、ラインで決まったかも。風は強かったんですけど、そこまで重く感じなかったです」


 小松崎マークの伊勢崎彰大が3着に食い込んだ。


 「竹内のバックからの踏み直しがすごかった。バイク誘導みたいでした。それを大地がねじ伏せてくれました。俺が外を伸びるパターンかと思ったけど、3着まででしたね。少しセッティングをいじってみます」


 

12R

選手の写真です。
村上博幸選手

 最終レースは3連単の配当31万円台の大波乱。赤板前に先行態勢に入った中井俊亮の後位で杉森輝大が粘る。2コーナーで空いた内をすくって杉森が前に出る。これで4番手となった中井は一呼吸置いてから仕掛けて最終ホームで主導権。杉森が再度、番手に飛び付いて稲垣裕之と併走が続く。稲垣の後位で我慢していた村上博幸(写真)が直線で外を鋭く伸び切った。


 「みんなハコを狙ってる感じでしたね。稲垣さんもきつかったと思います。僕も併走、3車併走になってキツかったです。どうしのぐかを考えてました。ニュートラルに入らず、なかなか脚はたまらなかったです。最後は伸びたし、この展開で1着はうれしいですね。すごいしんどい展開で1着を取れて自信になります」


 前々に攻めた松谷秀幸との連係を外してしまった勝瀬卓也だが、後方で脚をためて2着に突っ込んだ。


 「松谷の後ろにいきたかったけど、閉まってしまって迂回しないといけなくなった。前回は体調がよくなかったんですが、今回は力が入るからいいですね。新車もいい感じです」


 中井俊亮は後続のもつれもあって3着に粘り込んだ。


 「へたでした。押さえに行って、杉森さんが引いてくれると思ったんですが…。ちょっと見栄えが悪いですね。脚の状態はいつもどおりです」


 終始、外併走となった人気の稲垣裕之は6着に敗れた。


 「厳しい展開になってしまったけど、着には入らないとダメですね。もっと修正する部分はあります。でも、集中して走れたし、落車に対する恐怖心はなかったです」


 

6R

選手の写真です。
北野武史選手

 ここからが二次予選。前受けから7番手まで下げた戸田康平が打鐘過ぎから踏み上げる。これに合わせて3番手から仕掛けた中村一将が主導権。戸田は出切れずに後退し、地元の吉本哲郎がホームで3番手に切り替える。番手絶好となった北野武史(写真)が直線で鋭く追い込んだ。


 「中村君が頑張ってくれました。いい位置に入って、まくりでいいと思っていたんですけど、行ってくれたんでよしって思いました。4番(吉本)が後ろと分かって、誰だか分からなくてパニックになりました。後ろから来られるのが怖くて、もう待てないと思って最後は踏みました。1着はうれしいけど、中村君を残せなくて申しわけなかったです」


 中近コンビの後位にスイッチした地元の吉本哲郎が北野に続く形で2着に入った。


 「前のおかげですね。何はともあれ仕掛けてくれたんで。そこからいい位置に入れました。ラインは大事ですね。余裕はあったんですけど、松川(高大)が迫ってくるところから冷静じゃなかったし、いつもの自分じゃなかった。去年も準決勝に乗れて、今年も地元でここまで何とか来ることができました」


 5番手からまくり追い込んだ松川高大は3着まで。


 「ホームで1回遅れているんで、あそこでしっかり位置を取らないとダメですね。そうすれば牧(剛央)さんと決まってました。駆ける感じで踏まないと飛び付けないですね。バックで詰まった時に行けたんですけど、吉本さんに合わされると思って…。吉本さんの動きだけ見てタイミングをズラして行きました」


 

7R

選手の写真です。
萩原孝之選手

 赤板前に中団から動いた松谷秀幸の後位で桑原亮が粘る。そこを掛水泰範が押さえて打鐘で先行態勢を取ると、今度は松谷秀幸がイン粘りを敢行。福島栄一をさばいた松谷が番手を取り切り、萩原孝之(写真)が続く。最後は萩原が3番手から山口貴弘を張りながら鋭く外を伸びた。


 「(道中では桑原に粘られて)厳しい展開でしたね。でもあそこをしのげてから、バックでは単独で回れたので、余裕が生まれた。後ろを見る余裕があったから山口君のまくりを張りながら交わせました。昨日(初日)はバンクが重かったが今日(2日目)はよかったですね」


 番手勝負を選択した松谷秀幸が2着で人気の南関コンビで連を独占した。


 「粘る気はなかったのですが、掛水君が全然踏んでいなかったので…。レースは見えているし、展開に応じて対処ができたと思う。でもこういうの(ヨコの動き)は準決とか決勝にとっておきたかった。(番手を取り切ってからは)後ろもいたし、いけるところから早めに踏みました」


 番手を奪われた福島栄一は南関コンビの後位に立て直して3着に食い込んだ。


 「ひどいレースをしてしまった。内で粘られたが、もっと抵抗したかったです。たまたまいい位置に入り直せただけで後ろも付いてくれていたのに申しわけなかったです」


 

8R

選手の写真です。
森川大輔選手

 打鐘前にハナに立った竹内翼が流した隙に、打鐘の2センターから森川大輔がカマす。最終1コーナーで森川が出切ると、しっかりと車間を空けた柴崎俊光が鋭く抜け出した。


 「森川の仕掛けたタイミングがバッチリですね。森川とは相性がいいです。竹内が3番手に入ったのでソワソワしたけど、引き続き余裕がある。自転車もだいぶ進むようになってきました」


 3番手で立て直した竹内は不発。その内に進路を取った吉永和生が2着に突っ込んだ。


 「(竹内)翼がもっと早い段階で3番手に入っていればよかったが…。調子はいいと思うし、追加で走らせてもらってありがたい。明日(準決勝)も自分の持ち場でしっかり仕事をしたい」


 3着には森川大輔(写真)が踏み止まった。


 「警戒されてなかったので、タイミングもドンピシャでした。バックが向かい風でそこだけ頑張ってと思って。あとは俊光さんにお任せしました。勝ち上がれてうれしいです」


 

9R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 元砂勇雪が打鐘の3コーナーで先行態勢を取る。前受けから7番手に下げた原田研太朗(写真)は4コーナーから一気に巻き返す。バックで元砂をねじ伏せた原田がそのまま後続を突き放して人気に応えた。


 「もう少し早く行ければ、ホームぐらいで出切れてました。僕の中では長い距離だったんですが、最後まで持つように踏みました。前のギアのパーツを換えて、着もいいですし、踏み出しの反応もよくて余裕もありました。こっちのほうがいいですね」


 原田マークの柏野智典は小野俊之のブロックで連係を外してしまう。逃げた元砂勇雪が2着に踏ん張った。


 「(志村龍己が)切ってくれて、行きやすくなりました。(原田が)見えたので休まずに踏んだんですけど、すごいスピードでした。だいぶ踏んだんですが、原田さんが強かったです。やっぱりバック向かい風のなかで打鐘とバック2回踏んでキツかったです。ラインを連れ込めなかったのは残念です」


 原田ラインの3番手を回った國村洋がしぶとく3着に突っ込んだ。


 「柏野に付いていって、最後は120パーセントで力を出しました。前の2人のおかげです。一戦一戦、力を出し切るだけですね。競輪は楽しいですね」


 

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 本多哲也が打鐘で先頭に立ち、中団は北日本勢、前受けから河端朋之が7番手まで下げる。そのまま本多がペースを上げて主導権を握るが、河端は最終ホーム過ぎから反撃。抜群のスピードで前団を一気にまくり切る。強烈な踏み出しにしっかりと続いた松浦悠士(写真)が粘る河端をゴール寸前でとらえた。


 「河端さんの踏み出しがすごかったです。相性がいいので信頼して後ろだけを見て付いていった。河端さんに付け切れたことで自分の状態がいいのを確認できたし、(直線では河端を)残しつつ、イメージ通りに差せた」


 河端朋之は同型を相手にスピードの違いを見せつけた。


 「自分の詰まったところから自信をもって仕掛けられている。自分のスピードは出せているし、抜いた松浦君が強かった。彼の仕上がりはいいのでは。サドルを(競技よりのセッティングに近づけるため)上げて、アップ中からよかったし、違和感なく走ることができたので明日(準決勝)もこのままいきます」


 河端ライン3番手の前反祐一郎が離れてしまう。先制した本多哲也の番手から追い込んだ大塚玲が3着で勝ち上がった。


 「記念の準決勝は3年ぶりくらいですね。調子がすごくいいので、気持ちも入っている。車間を空けられたし、援護したかったけど(河端の)スピードが違いすぎました」


 

11R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 後ろ攻めの石塚輪太郎が早めに動いて赤板前から先行態勢を取る。2コーナーで後方の巴直也が巻き返しを狙うが、石塚がさらにピッチを上げて突っ張り打鐘を迎える。根本哲吏が4番手、巴は再び7番手に下げて最終ホームを通過。根本のまくりに合わせて稲垣裕之がバックから出るが、俊敏に切り替えた佐藤慎太郎(写真)が直線外を伸びて1着となった。


 「よくしのぎました。相手は2段駆けだし、石塚がダメでも稲垣さんがいる。根本には先行争いしないでと思っていた。俺だからしのげましたね。状態はいいと思います」


 7番手まくりの巴は不発。そのスピードをもらった川崎健次が2着に。


 「8番手だったのでダメかと思った。巴が不発になった瞬間にコースを入っていって、(佐藤)慎太郎さんが見えたのでそこだと思って詰めていった。久しぶりに苦しいレースでした」


 番手まくりの稲垣裕之は最後の粘りを欠いて3着。人気に応えることができなかった。


 「(石塚)輪太郎は頑張ってくれました。初めての連係ですし、プレッシャーを感じるのは当然ですけど、もうちょっと落ち着いて走れる部分もあったと思います。4番(根本)はバックで止まったように見えたんですが、(佐藤)慎太郎さんの出がよかったので、あそこは慌てて踏んでしまいました。結果を残すべきだったし、反省です」


 

12R

選手の写真です。
池田良選手

 打鐘の3コーナーで吉澤純平を叩いた中井俊亮にすかさず竹内雄作が襲いかかる。ホームで出切った竹内が完全にレースを支配。番手絶好となった地元の池田良(写真)が粘る竹内をゴール前でとらえた。


 「竹内君の気持ちが伝わってきました。グイグイとかかっていく感じでした。いっぱいいっぱいでしたけど、何とか気持ちで乗り切れました。最後は抜けているんで、いいですね。勝負できる状態だと思います」


 2日連続、先行で2着の竹内雄作だが、強さは際立っている。


 「もうちょっと早く行きたかったんですけど、あれだけ(中井に)見られていては厳しいですね。強い後ろの2人に付いてきてもらえたのはよかったです。最後はもういっぱいでした」


 3番手の小倉竜二が3着に流れ込み、ライン3人で上位独占を果たした。


 「あの上を竹内君は行くんだから強いですね。流れるレースはいいけど、こういう緩急がついた時の間合いはいつまで経っても課題です」


 単騎の吉澤純平はまくり不発に終わった。


 「飛びつくのがけっこうキツかったです。前がちょうど踏み直している時に仕掛けて全然出なかったです。もうちょっと脚をためていければよかったんですけどね。力不足です」


 竹内に叩かれた中井俊亮は大敗を喫した。


 「竹内さんが強かったです。出させないつもりで踏んだけど、スピードの乗りが悪かったです。力不足ですね」


 

10R

選手の写真です。
河端朋之選手
選手の写真です。
川崎健次選手

 竹内雄作が打鐘で先行態勢を取り、松谷秀幸が3番手に追い上げる。前受けから6番手まで下げた河端朋之(写真)がホーム前から巻き返し、かかり切る前の竹内を一気に抜き去る。バック前では松浦悠士に小倉竜二まで続いて3車で出切り、このままラインで上位独占に思われたが、直線で松浦と小倉が接触、そこに松谷秀幸も乗り上げて3名が落車するアクシデント。河端がそのまま押し切り、大波乱の決着となった。


 「自分だけ勝ち上がって複雑な気分です。自分の行くべきところでは仕掛けられていますね。竹内君はペースになると強いのでペースに入れられる前にいった。調子は初日からよくも悪くも変わってないですね」


 直線で外を回した川崎健次(写真)が2着で久々の記念優参を果たした。


 「道中はやることがなかったけど、余裕は少しあった。まわりが見えていたし、直線では危ないと思ったから、ちょっと外を踏みました。伸びたというよりは前が落車で流れ込んだだけです。記念の決勝は3回目です」


 最終バック前に中四国勢の後位に切り替えた北野武史が落車を避けて3着に入った。


 「落車もあったし、もろてをあげて喜べないですね。河端君のスピードがすごくて気付いたらヨコまで来ていた。雄作にスマンと思いながら切り替えさせてもらいました」

11R

選手の写真です。
池田良選手
選手の写真です。
原田研太朗選手

 赤板で切った小松崎大地を元砂勇雪が打鐘前に叩く。7番手となった原田研太朗は打鐘の3コーナーから巻き返して、最終2コーナーで逃げる元砂をまくり切る。ピタリと続いた池田良(写真)がゴール前で交わして1着を手にした。


 「(原田)研太朗のおかげです。いつもよりも早めに行ってくれて、その気持ちがうれしかったです。2人で決まるなって感じがあったので、あとは抜くだけでした。ワンツーでよかったです。決勝は松浦(悠士)の分も頑張りたい。今回はデキすぎですが、ここで満足せずあと一走頑張ります」


 2着の原田研太朗(写真)が地元勢を連れて、早めのスパートを決めた。


 「昨日(二次予選)よりも早めに仕掛けて行きました。村上(博幸)さんのけん制を乗り越えられてよかったです。(初日終わってから)ギア盤を換えたら、重たいけど引っかかる感じが出てきました」


 3着には最終バック過ぎで俊敏に切り替えた村上博幸が食い込んだ。


 「元砂君がいいレースをしてくれたけど、原田君が強かった。最後は内か外か悩んだけど、外で正解でした。気分的にも落ち着いて走れています」


 元砂勇雪は二次予選に続き、原田に完敗した。


 「打鐘からピッチを上げていい展開になったと思ったんですけど、いい感じで巻き返されてしまいました。昨日(二次予選)と同じような失敗です。センスがないですね」

12R

選手の写真です。
吉澤純平選手
選手の写真です。
萩原孝之選手

 打鐘で切った森川大輔を中井俊亮が押さえたところを吉澤純平(写真)がすかさず反撃に出る。ホーム過ぎに出切った吉澤に萩原孝之がピタリと続き、3番手の勝瀬卓也は離れながらも前の2人を追いかける。吉澤のスピードは最後まで衰えず、萩原の追撃をそのまま振り切った。


 「行けるところからって感じで作戦は特に決めてなかったです。中井君に思い切り行かれたら厳しいと思っていたんですが、前が少し踏み合って、行きやすくなりました。今回はしっかり力を出し切って、あとは粘り込めるかどうか。結果はあとからついてくると思ってます。決勝はきついメンバーですけど、やりがいがあります。自分の持ち味をしっかり出したいと思ってます」


 好マークから萩原孝之(写真)が際どく詰め寄った。


 「絶好のカマシ頃になりましたね。出脚もすごかったし、道中もすごかったです。最後は差せたかと思ったんですけど、踏み直されました」


 叩かれた中井が厳しいと判断した稲垣裕之はバックから外を踏み込んで3着に食い込んだ。


 「予想外の動きもあって厳しい展開になったんですけど、中井君は前々に攻めてくれました。やっぱり吉澤君を後ろに置くようなレースをしないといけないし、そこの辺は反省です。今回は1着を取れてないので、自分としては不完全燃焼ですね。決勝は今年最後のレースになるので、しっかり悔いのない走りをしたいと思います」


 中井俊亮は力を出し切れないまま7着に敗れた。


 「先行態勢を取ろうと思った時に4番(森川)とからんでしまって、吉澤さんの仕掛けやすい展開になってしまった。中途半端に終わったので悔しいですね」


 


 


<最終日9R レインボーカップA級ファイナル>


 レインボーカップA級ファイナルが最終日の9レースに行われる。A級屈指の実力者9名が広島バンクを舞台に激突する。ここで3着以内に入れば、S級特別昇級が決まる。今期の競走得点が一番高いのは山本直だ。直近6場所で優勝3回、準V2回と圧巻のパフォーマンスを見せている。


 「しっかり練習はできています。ここに向けていい感じでやれたし、調子は抜群です。A級に落ちてから練習量を増やして、脚は上がっていると思います。自分でやるだけですね。しっかり考えて走ります」


 福田知也は12月の川崎、前橋と2場所で完全優勝を飾った。ここは山本の番手を主張して即席でラインを組む。


 「山本君が一番強いですからね。番手にいきます。最近は恵まれていますね。来期に向けていろいろ試しながらやっているけど、調子はいいと思います」


 来期A級予定の市橋司優人にとっては勝負駆けの一戦だ。しっかり準備はしてきた。


 「今期は前半がよかったのに、後半から悪くなってしまいました。練習はしっかりやっているし、セッティングをいじったりして、万全の態勢です。メンバーがメンバーなんで厳しいですけど、自力でしっかり頑張ります」


 同じく来期A級予定の宗崎世連は単騎戦を選択した。


 「山本君の後ろにいこうか最初は迷ったんですけどね。そっちのほうが確率は高いと思うけど、やっぱり自力で決められたほうが自信になる。それでダメならまた頑張ればいいだけですから。ジタバタしてもしょうがない。行けるところから仕掛けて狙います」


 松田大は10月武雄の落車で大ケガを負ったが、復帰戦の12月四日市ではまずまずの走りを披露した。


 「ケガは鎖骨、肋骨の骨折と肺挫傷でした。練習は12月に入ってからで、四日市はちょっとダメかと思っていたんですけど、その中では走れたほうだと思います。1走して上がってきています。いいとは言えないけど、勝負できる状態です。先行基本にいいレースをしたいですね」