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検車場レポート

  • 5/14 Fri.  (前検日)
  • 5/15 Sat.  (1日目)
  • 5/16 Sun.  (2日目)
  • 5/17 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 前々回の川崎記念3243着、前回の岐阜FIを113着と近況乗れている窓場千加頼(写真)は、仕上がりにも自信をのぞかせる。
 「(中2週で)普通にいつも通りトレーニングをやってきました。休みもとれたし、トレーニングもできたんで万全だと思います。(初日は)自力自在に攻めていきたい」
 大きい着順もある近況の早坂秀悟だが、成績面以上の動きは見せている。
 「今期、こういう点数(97、98点)のなかで1期間を走るっていうのは、初めてだと思う。だけど、スタイルを崩さずにこのまま成績を上げていきたい。自分的には手応えもあるんですけど、それが形(成績)になってない」

2R

 前回の奈良GIIIでは、予選を連勝で準決に進出した久木原洋。初日は前回を含めて3連勝中で、当然ながらここも期待が高まる。
 「奈良は自分の脚力も気持ちもかみ合っていた。そのあとは腰に違和感があって、練習を何日か休みました。治療して(腰の)痛みはないです」
 志村太賀は前回のダービーを556着。不本意ながら3走で終えた。
 「(ダービーは)すぐに負けちゃいました。感じは良かったんですけど、なんかコロコロって負けちゃいました。その前(小倉、大宮)の落車もあったんで、ビビっちゃったのもあるのかもしれない。(前回のあとは)体のズレがあるかもっていうのがあったんで、ケア中心にやってきました」

3R

 ダービーが3走での帰郷になったため、中6日での今シリーズになった近藤隆司は、その期間を練習に充てた。
 「(ダービーは)残念だったけど、早く帰ってしまった。それで中6日なったんで、いっぱい練習をしてきました。休まずにやってきたんで、(感じは)いいかなと。(函館は)風があったりなかったり、風向きによって走り方を変えた方がいい。その辺は冷静にやりたい」
 橋本強は前回のダービーで2度の落車に見舞われ、状態が心配される。
 「(怪我は)左足の打撲と擦過傷です。流れが良くないですね。帰ってから翌日から練習を始めた。走ってみないとわからないけど、(状態は)問題ないと思います。(自分の状態は)チェックしてきたんで」

4R

 4243着とダービーはまずまずの成績だった柏野智典だが、こう振り返る。
 「自分では(もっと走れると)期待していたんですけどね。思うようには…。自転車とのバランスが悪かったかなと。そのあとは順調に過ごせました」
 直近は6場所連続でFIをこなした真船圭一郎は、久しぶりの9車立てもいつもと変わらない様子。
 「自分は7車でも9車立てでもやることは一緒。どっちでも、どうってことはない。いつも通り変わらずに練習もやってきたんで、あとは力を出せれば。ただ、(初日は)車番が良くないですね」

5R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 ダービーの一次予選では同県の後輩、眞杉匠とのワンツーだった神山拓弥(写真)は、眞杉のダービー優出にも刺激を受けて、こう口を開く。
 「(一次予選は)いうことがなかったけど、そのあとが続かなかった。ダメなところがたくさんあるし、GIで勝ち上がるには足りないところがたくさんある。そのあとは多少疲れもあったし、考えながら上手にやってこられたと思います」
 その神山の前を務めるのは、同県の坂井洋。函館は一昨年7月のミッドナイトでのチャレンジ以来となる。
 「(ダービーは)初めてGIで勝ち上がれたんで良かったけど、出し切れなかったレースもあった。すべてのレースで出し切れるように。ここは前回がミッドナイトだったから寒いイメージがある。(バンクが)軽い感じがなかったんで、軽いイメージをつけたい」

6R

選手の写真です。
中本匠栄選手
 中本匠栄(写真)は、初めてのダービーが特選スタートもそれを生かし切れなかった。
 「練習でも良かったし、調子も良かったんですけど、(ダービーは)前半は思うように体が動かなかった。(原因は)ああいう(大きい)舞台での経験不足だったかなと思います」
 今年はここまで3勝と勝ち星がなかなか伸びない伏見俊昭は、今シリーズでリズムを取り戻したい。
 「ダービーに向けて練習をして、手応えみたいなものは良かった。でも、2、3走目と自分のレースがヘタクソでした。そのあとも練習の感じは全然悪くない」

7R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 前回、初めてのダービーを経験した谷口遼平(写真)は、4958着の成績以上に多くのものを学んだ。
 「(ダービーは)すごくいい経験になったけど疲れました。いまの自分にとって、ああいうメンバーで走れたのはすごく良かった。さらに上が見えたんで、あとは頑張るだけですね。(初日は後ろの)椎木尾さんがしっかりしてるんで、あとは自分のやれることを全力で頑張ります」
 持ち味を出せずにダービーが終わった椎木尾拓哉は、相性のいい函館で気持ちをリセットする。
 「感触自体は悪くなかったけど、展開が向かなかった。そのあとは練習もしてきたし、ここは走りやすい。(1着も)取らせてもらっている」

8R

 稲毛健太はダービー4走のうち、3度のシンガリ負け。1勝をマークしたものの、課題の残るシリーズだった。
 「(ダービーは)感じは悪くなかったけど、なかなか自分が思うような展開にはもっていけなかった。(ダービー後は)負け戦ばっかり走ってたんで、帰った次の日から練習をしました」
 昨年は開催中止だっただけに、2年ぶりのダービーを村上義弘は3429着。
 「久しぶりの日本選手権(ダービー)だったんで、気持ちも緊張感もあった。そのあとなんで疲れもありますね。日本選手権に向けてできることをしっかりとやったので、最終日は展開上、なにもできなかったけど。それ以外はしっかりとできたと思います」

9R

選手の写真です。
菊地圭尚選手
 14年から3年連続で地元記念準Vの菊地圭尚(写真)は、悲願の函館記念制覇に小松崎とのタッグでスタートを切る。
 「(前回の弥彦FIは)あんまり感じが良くなかったけど、決勝の乗らせてもらってキッカケをつかめたかなと。前々回(奈良GIII)9車で走ったんで、その感覚があります。(初日は)心強い小松崎君なんで、付いていってゴール勝負がしたい」
 小松崎大地は、ダービーの特選でゴール後に落車に見舞われた。その後の二次予選以降を走りぬいたが868着。
 「(怪我の影響が)問題ないと思ったんで走りました。気持ちも切れてはなかったけど、ただ4走しただけになってしまった。そのあとはしっかりケアと練習をしてきました」

10R

 地元コンビとのラインができあがった鈴木庸之は、その思いをくみながら気持ちを入れる。
 「(9351着のダービーは)前半の3走は自分の力を出し切れなかった。最後の4走目だけ思い切り踏めたかなと。去年(8月)ここでGIIIを優勝できているんで、(相性は)いいのかなと。俺も地元で記念を走る時は気合が入るんで、(後ろの2人が)勝負権のあるように走りたい」
 大森慶一はダービーの一次予選で落車のアクシデント。中9日で地元記念を迎える。
 「(落車の怪我は)擦りむいたけど、自転車に乗るぶんには影響がないかなと思います。(落車で)自転車が壊れてしまったので、同じようなフレームに換えました。良かった時のフレームなんで問題ないですね」

11R

選手の写真です。
野口裕史選手
 北斗市出身の野口裕史(写真)にとっては、函館バンクは故郷の“準”地元バンク。前々回の西武園で初の記念を制しているだけ、ここでもV争いを演じる力は十分にある。
 「今日も実家から来たし、帰ってきたら地元の友だちとかもいるんでホーム感がありますね。(バンクの成績がいいのは)気候があってるかなっていうのを感じます。(前回のダービーは6日間開催で)長かったし、甘くないですね」
 6485着と前回のダービーが不本意な成績だった松谷秀幸は、その思いを直後の函館にぶつける。
 「脚の感じはすごい良かった。でも、なにかすべてがかみ合わなかった。悔しい思いをしたので、今回はなんとか頑張りたい。(気持ちを)切り替えて函館記念に向けてやってきました」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 郡司浩平、佐藤慎太郎とのGI史上まれに見る接戦を制してダービーを優勝した松浦悠士(写真)は、18年6月以来の函館バンク。
 「(ここに来た)3年前は、まだそんなに上位級と戦える感じがなかった。そのなかで(函館の)最終日に村上義弘さん、三谷竜生さんと走って1着が取れた。それで戦えるんだいうのを感じた記憶に残るバンクです。ダービー前はそわそわしているところもあったけど、終わってからは精神的に解放された。リラックスしてここに来ました」
 佐藤慎太郎はダービー決勝で、松浦、郡司にともに微差での3着。
 「(ダービーの決勝3着で)悔しい気持ちもあるけど、また頑張ろうって気持ちになった。年齢的にも目標がないとガタガタいってしまうこともあるんで、(獲得賞金でグランプリ出場圏内で)一戦、一戦っていう気持ちにもなる。そういう意味でも大きい3着だった」
 稲川翔はダービーの4走で3度、古性優作とのタッグを組んで3363着。
 「状態が良かっただけに、準決が悔しい結果になりました。(古性を)しっかりと追走できなくて、結果的に2人とも決勝に乗れなかった。もっと頑張らないと。ここに向けて(体の)メンテナンスもして、練習もしてきました」

1R

 早坂秀悟がカマして関東勢が主導権を奪うと、最終ホームで追い上げた窓場千加頼が3番手を確保する。窓場は2コーナー過ぎからまくりを打って、付ける藤田勝也とのゴール勝負を制した。
 「早坂さんが来たのが見えたので、合わせるか、スイッチしてと思った。そこは冷静にスイッチできた。(最終)ホームで脚にきていなかったし、仕上がりはいい。(調子がいいのは)このご時世だし、自宅にトレーニング環境を整えたことですね」
 追い込んだ藤田勝也は、4分3車輪まで窓場に詰め寄って2着。
 「(窓場)千加頼を信頼して任せていました。賢いレースをしてくれましたね。(最終)2コーナー、どうするのかなと思ったけど、行ってくれた。最後まで踏み切れていたので、自分は抜けないかなと。(窓場が)強かった」

2R

選手の写真です。
佐藤博紀選手
 橋本瑠偉が先行態勢も、6番手でタイミングを取った藤根俊貴が打鐘の4コーナーから巻き返す。藤根が主導権を奪って、7番手に置かれた久木原洋は最終2コーナーからまくる。久木原のスピードもいいが、逃げる藤根の番手で間合いを計った佐藤博紀(写真)が追い込んで1着。
 「(藤根)俊貴のおかげです。ホームくらいではカマしますって感じだったんで、信頼して付いていました。出切ってからも、自分のなかでは(藤根が)掛かっている感じはあった。ただ、あんまり番手を回ることがないので、もう少し残せたかなっていうのはあります」
 7番手からのまくりで前団に迫った久木原洋はタイヤ差の2着。
 「(橋本を)叩きに行こうと思ったから、あそこに入れた。気持ちが前にいっている証拠だと思います。そのあとも1着までいかなかったけど、まくれてるんで自分の脚もいいのかと」

3R

 山下渡が連結を外して、主導権の菊池岳仁の番手に城戸俊潔がはまる。が、城戸も叩きに出て、両者の踏み合いで最終ホームを通過する。菊池が突っ張り切るも、脚をためた近藤隆司がまくりで仕留めた。
 「道中は油断をしたけど、(最終)2コーナーからまくりにいけるように前々に踏めたので良かった。ホームが向かい風で城戸君がアタックしていったので、菊池君も踏んでいてゴールまではもたないなと。自分は詰まったところから行きました。追い風のところから踏んだだけだし、状態は普通ですね」
 3着以下をちぎって千葉ワンツー。田中晴基が流れ込んだ。
 「ジャンは近藤さんのミスですけど、結果、それが良かったですね。付いていくのはできるけど、アレを抜くのは難しいですよ」

4R

選手の写真です。
柏野智典選手
 真船圭一郎ラインを受けた才迫開が、4番手で最終ホームを迎える。後方からまくった谷口友真に合わせるように、まくり追い込んだ才迫だったが一息。柏野智典(写真)は中のコースをシャープに突き抜けた。
 「スタートから組み立ては、予定通りでしたね。(才迫)開は自分の間合いを取って、詰まったら行こうっていう感じでした。(才迫は)後ろのことを気にしてたからか、出が悪かった。自分は1着にいけたんですけど、重いなっていうのが正直、感想です。ただ、みんなが重たいとは言ってたんで、自分が重たいのか(バンクが重たいか)…」
 谷口は不発も、酒井拳蔵は切り替えた最終3コーナーから冷静な判断で3着に伸びた。
 「後方になってしまったんで、谷口さんがアカン時を考えてました。最後は(最終)3コーナー過ぎくらいからしか踏んでないので、調子はわからないけど3(着)までいけたんで良かった」

5R

 前受けから7番手まで下げた坂井洋は、赤板の2コーナーからスパート。懸命に抵抗する蒔田英彦を最終ホームで叩いて主導権を取る。これで絶好となった神山拓弥が、きっちりチャンスをモノにした。
 「坂井君が頑張ってくれたけど、ゴール前の向かい風で失速したので、自分がくわれるのはダメだと思い踏んだ。ダービー後だけど、1走してしっかり走れたので大丈夫」
 後方からまくり上げた月森亮輔に乗って西田雅志が2着に突っ込んだ。
 「(月森に)すべてお任せでしたね。(最終)2コーナーから行ってくれたし、自分も2センターから外を踏んだら思いのほか伸びた。(前回の)松山の前に松浦(悠士)にハンドルまわりのセッティングを見てもらって、いい感じになりました」

6R

選手の写真です。
田尾駿介選手
 押さえて出た橋本智昭に田尾駿介、野本翔太の高知勢が続く。打鐘過ぎに伏見俊昭が追い上げるが、田尾が踏み勝つ。8番手の中本匠栄は、最終ホームから仕掛ける。中本のロングまくりにわずかに遅れた松尾信太郎だったが、中本に追いつくとそのまま交わしてゴール。
 「(中本)匠栄に任せていたし、全部やってくれた。(中本の踏み出しに)口が空いた。やっぱり自分はあそこに難がある。ただ、付いていければ、ゴール勝負ができるだろうと。前回の最終日も1着が取れているんで、(最近の感じは)出だし以外には満足しています」
 橋本後位に競り込んだ田尾駿介(写真)は、伏見に踏み勝ち番手を奪取して3着に入った。
 「伏見さんも強いので遅れないようにと思ってました。落車をしたんでケアと直前にスピード練習をやってきました。いい時よりも7割くらいですかね。(競りも)まだまだヘタクソなので、これからうまくできたら」

7R

 打鐘前に切った坂本周作の後位で川越勇星が粘る。その隙を逃さず谷口遼平が踏み込んで先行策。4番手を確保した坂本は、最終2センターからの追い込み勝負で鮮やかに突き抜けた。
 「川越君が粘ったりと意外なこともあった。(最終の)3コーナーで余裕があったので、行こうと思ったけど、椎木尾(拓哉)さんが怖くていけなかった。でも、アタマまでこれて良かった。最近は1着を取れるようになったなって、ヤル気が出てきた。練習では踏めていたので、競輪で力が入らなかったのが、改善されてきた」
 番手絶好の椎木尾拓哉は、坂本の強襲に屈して2着。
 「風が強くて谷口君も最後はキツそうでしたね。外(坂本)とのスピードが違いました。自分の体調は問題ないけど、セッティングを煮詰めたい」

8R

選手の写真です。
村上義弘選手
 前受けの稲毛健太が押さえられると、一度はインを盛り返すが結局下げて7番手。打鐘の2センターから仕掛けて、最終バックで逃げる遠藤勝弥をとらえる。村上義弘(写真)は余裕をもって稲毛を差し切った。
 「(稲毛は)タテのスピードと航続距離はトップクラスなので、そこを生かしたレースをすれば。運行はうまくなかったですね。ヒヤッとしたところもあるけど、(稲毛が仕掛けて)行ってからは(最終)2コーナーくらいでは安心しました。自分は思ったより疲れが残ってたんで、自転車をいじったりしたけど一体感が出てない」
 村上とのワンツーの稲毛健太だが、組み立ての甘さを反省して二次予選から仕切り直し。
 「パッと引いたら良かったけど、自分ひとりで慌ててしまった感じでした。すぐに引いた方がラインで決まったのかなと。もうちょっと落ち着いてできたら良かった。脚は問題ない」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 嶋田誠也、金子哲大の順で動いて先頭に立つ。前受けからすんなり7番手まで下げた小松崎大地(写真)は、打鐘の4コーナーから反撃。最終1コーナーで金子をあっさり叩いた小松崎がマークの菊地圭尚の追撃を振り切って人気に応えた。
 「(警戒されるのは)頭にあるなかで走っていた。仕掛けどころで見ちゃって申し訳ない。仕掛けた感触は悪くないけど、仕掛けどころを逃してしまうと、勝ち上がりでは厳しいので隙を見せないようにしたい」
 地元の菊地圭尚がきっちり続いて2着。北日本ワンツー決着となった。
 「(小松崎は)落ち着いていたけど、自分は焦っていた。明日(2日目)以降、修正して頑張りたい。勝ち上がりで強い選手と対戦するので、その辺を考えてセッティングを出したい。1歩1歩積み重ねて決勝にいければ」

10R

選手の写真です。
大森慶一選手
 打鐘の3コーナーで外併走から伊藤裕貴が踏み上げるが、鈴木庸之の反撃が早い。遅れ気味の坂上忠克をさばいて、最終ホーム過ぎには先頭に並びかける。鈴木が出切って、大森慶一(写真)、中村敏之輔の地元勢が追走。外を伸びる五十嵐力を引きつけた大森が追い込んだ。
 「(鈴木が)いいレースをしてくれました。ただ、自分のうまさがなかった。(鈴木を)残すことができなかったのが課題です。自分は落車明けで走ってみないとわからないところもあったけど、悪くないんじゃないかと。(落車の)影響はそこまでないと思います」
 伊藤との踏み合いに金野俊秋が負けると、追い上げるように切り替えた五十嵐力が2着に伸びた。
 「風が結構強いから、自力選手は踏み合いになるとキツい。それでタレきて自分に出番があったのかなって。練習の感じは、自信をもっていけるって感じじゃないけど。踏んだ感じは悪くなかった」

11R

 中団から先に切った外田心斗を野口裕史が打鐘前に押さえて先行態勢に入る。4番手に収まった外田だが、前との車間は大きく開いてしまう。軽快に飛ばした野口がそのまま力強く押し切って完勝した。
 「ダービーの一次予選でラインで出切れなったので、今回は3人でいけるように外を回って踏んだ。ジャンで踏んで、ホームは向かい風なので、転がっていく感じで踏んで、バックでまた追い風になるので踏めば伸びる。キツい時は4コーナーを回ってゴールが遠く感じるけど、今日(初日)はそう感じなかったですね。いつも初日は不安があるが、(北海道出身っていうのもあって)今回はやってやると、珍しく気合いが入っていた。お客さんがいると、気持ちも違うし、地元だぞって声も聞こえてきました」
 番手絶好の松谷秀幸は、野口を交わせず2着。
 「風がめちゃくちゃ強いなかで野口は強い。この風でも問題なくゴール前でもすごい踏み返し。本当にニュートラルがないし、ずっと踏み上がっていく感じ。普通の先行選手じゃない。自分の感覚はいいけど、展開がダメな時にどうやって3着にいけるか、そこが課題ですね」

12R

選手の写真です。
守澤太志選手
 松本貴治も主導権取りに意欲を見せるが、それを制した高橋晋也が風を切って駆ける。古性優作が抜かりなく中団をキープして、最終2コーナーからまくりを打つ。大阪コンビが前団をとらえたが、坂口晃輔を張って直線で外を追い込んだ*守澤太志(写真)がハンドル投げで稲川翔をとらえた。
 「(高橋)晋也君も頑張ってくれて、(佐藤)慎太郎さんもいい仕事をしてくれた。そのおかげで自分が伸びたかなと。このメンバーで1着を取れたのは自信になるし、(踏んでる感じも)悪くない」
 古性がまくり切り、番手の稲川翔の通算300勝のメモリアルかに思われたが、タイヤ差で守澤に屈した。
 「(古性)優作にしっかり追走して、ゴール勝負しようと思って付いてました。優作と2人で決まったと思ったら、守澤君がすごい勢いで来た。自分のツメが甘かった」
 さすがの立ち回りからまくりで北日本勢を仕留めた古性優作は、ゴール勝負で3着に沈んでこう振り返る。
 「(高橋、松本の)どっちかが緩めたら(先行争いにならずに)自分が後方になるんで難しかった。ところどころミスがあったんで修正をしたい。(まくっていって)バックが取れたかと思ったけど、高橋君がすごく加速したんでキツかった。あれで3着なんで力不足ですね」

6R

選手の写真です。
菊地圭尚選手
 地元勢を連れた鈴木庸之は、7番手に置かれると打鐘の3コーナーから反撃を開始。谷口遼平を最終ホームで叩いて先行策に出る。一本棒の隊列でバックを通過して、番手の菊地圭尚(写真)には絶好の流れ。菊地がぬかりなくチャンスをモノにした。
 「鈴木君も気を遣ってくれて、気持ち良く仕掛けてくれた。感謝ですね。地元は3割増しですし、気持ちも入ってた。昨日(初日)から修正したところもあって、自転車も流れました」
 4番手の谷口はいっぱいで不発。菊地に迫る伸びを見せた坂口晃輔が2着に追い込んだ。
 「本線のノブさん(鈴木)を後方に置いてと思ってたけど、巻き返しが早かった。相手が上手でした。(谷口)遼平は先行態勢に入ってたところを行かれたんで、楽ではなかったと思う。自分は昨日は感じが悪くてひどかったけど、そこから立て直せた」

7R

選手の写真です。
野口裕史選手
 酒井拳蔵を押さえて出た野口裕史(写真)が、赤板2コーナーで先頭に立ってレースを支配する。南関3車が出切り、酒井が4番手。6番手の中本匠栄が最終1コーナーから仕掛けるが、逃げる野口の掛かりがいい。野口が二の足で九州勢を振り切って1着。
 「酒井君が粘るかだけ注意をしていた。ジャンからは後ろを気にせずに自分の世界に入って、そこからペースで踏んだ。最後にまくりが飛んでくるので、そこにブースターをとっておいた。感じは悪くない」
 中本のまくりは近藤隆司の横まで。中本の外を踏んだ園田匠が2着。
 「(中本)匠栄がよく頑張ってくれた。あの流れで酒井が行かなかったので、仕掛けてくれた。匠栄が野口に踏み直されてハウスしていた。そこを見てでしたけど、1着を取らないといけないところで取れなかった。その分、明日(3日目)はしっかりと」

8R

選手の写真です。
上原龍選手
 松本貴治を警戒しながら稲毛健太が先頭に立つが、その上を関東勢がカマして打鐘の4コーナーで主導権を握る。稲毛は4番手も前との車間が空いてなかなか詰まらない。逃げる金子哲大を利した番手の上原龍(写真)が、直線で抜け出した。
 「(金子は)同期でいつも頑張ってくれるし、もうそのおかげですね。自分は前回から新車なんですけど、パーツを組み合わせたりして、セッティングを変えている。徐々に体が動くようになっているし、(自転車の感じも)良くなっています」
 4番手の稲毛は最終2センター付近でようやく前団に追いつくもそこまで。稲川翔は稲毛の内を踏み込んで3着。
 「途中までは稲毛の横綱相撲かと思ってたけど、(関東勢を)出させたのが以外だったんでピンチかなと。それでも稲毛は(前団を)のみ込めるかと。(稲毛の)内は踏みたくなかった。でも、届かないかなっていうのがあったんで申し訳なかったけど」

9R

選手の写真です。
村上義弘選手
 赤板2コーナーで出たあとに坂井洋が緩めると、打鐘の2センターから6番手の古性優作が仕掛ける。坂井を叩いた古性の先行。村上義弘(写真)は出切るが、3番手に坂井が飛び付いて小林信晴と重なる。村上は空けた車間を詰めながら、余裕をもって古性を交わした。
 「後方になる展開もありえたのに、(古性)優作がいつも通りのいい判断だった。外を詰めよられたのは課題ですね。一戦、一戦、力を出し切って上を目指したい」
 坂井のペースを確かめて積極策に出た古性優作は、さすがの立ち回りと判断で村上とワンツー。
 「最低限の仕掛けでした。自転車のセッティングがいつの間にか変わっていて修正したけど、それに体が追いついていない。最後はキツくて、村上さんに助けられた。村上さんじゃなかったら、残っていなかった。体を修正したら、どうにかなると思うので調整したい」

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 打鐘手前で小松崎大地がすかさず巻き返すが、先行態勢の才迫開もペースを上げて踏み上げる。空いた中団に小松崎は入らず、そのまま主導権を奪って風を切る。別線は反撃できず北日本3車の勝負。押し切り図る小松崎を番手の*佐藤慎太郎(写真)が差し切った。
 「(小松崎)大地は力がある選手だから、(前から)受けて立つパターンもあるだろうと。ただ、大地が僕の思っている大地よりひとまわり強くなっている。ダッシュも前より鋭くなっているし、ゴール前も。それか俺が弱くなってるのか。自分は(前々回の)武雄くらいから徐々に上向いてきたかなって思ってます」
 危なげなく北日本ラインで上位を独占。まくりに構えず、迷うことなく駆けた小松崎大地は、内容の濃い2着。
 「(叩きに行く時に)結構、才迫君が踏んだんで選択肢が出てきたけど、ラインがしっかりしてるんで前に踏もうと。まずはラインで決めることを第一にと思ってた。まだ反省点もあるけど、踏んだ感触は悪くないです」

11R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 南関ラインが主導権を握って、4番手の窓場千加頼(写真)は高橋晋也を後方に置いて前団との車間を空ける。高橋はタイミングを逸して、ようやく最終ホームから仕掛ける。が、窓場も合わせてまくる。浮いた高橋は不発。逃げる蒔田英彦を窓場がとらえて、後続の強襲を退けた。
 「脚を使っても前々を心掛けている。でも、あくまでも流れに沿ってですね。最近は二次予選、準決でS班や110点以上ある選手と戦っても物怖じしなくなった。脚は変わっていないけど、気持ちが昔より折れなくなった。自分の心のもちようですね」
 高橋の余力を確かめて最終2センターからコースを探した*守澤太志が、抜群の伸びを見せるもわずかに届かず2着。
 「窓場君にうまくやられた。あおりがすごくて、(高橋)晋也君の出も良くなくて、判断が難しかった。ギリギリまで待った。申し訳ないけど、内を踏ませてもらった。バックを踏んだ分、伸び切れなかったですね」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 北日本ラインが赤板2コーナー手前で出て、松浦悠士(写真)が4番手をキープする。打鐘を通過すると7番手の菊池岳仁がダッシュを利かせて前団に襲い掛かり、藤根俊貴と菊池での踏み合い。両ラインが重なる。松浦は早めに外に持ち出して、最終1センター過ぎからまくって力の違いを見せた。
 「菊池君の突っ張りを警戒して、しっかり切ろうと思ってた。そのあとは(藤根と菊池が)モガき合ってたんで、早めに引いてすぐに行った感じです。感触的には初日の方が良かった。最後までモガき切れたけど、もう少しきれいにモガきたかった」
 松浦ラインで3着までを独占。柏野智典は松浦との差をわずかに詰めて2着。際どいゴール勝負にはならなかった。
 「ちょっとずつ良くなってはいる感覚があるんですけど、体の状態と自分が思ってるのに差がある。追走が甘いというか、良くなっているのに自信をもって追走できてないところがあります」

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
選手の写真です。
柏野智典選手
 打鐘で窓場千加頼が先頭に立つが、7番手の鈴木庸之が3コーナーから踏み上げる。鈴木が窓場を叩いて主導権。3番手はもつれて、単騎の坂口晃輔のまくりを最終バック過ぎに佐藤慎太郎(写真)が止める。後続をギリギリまで引きつけた佐藤が追い込んだ。
 「思ったより展開が早くて、ノブ(鈴木)がどうするのかと思ってたら、いいところで行ってくれた。それだけに一緒に(決勝に)乗れなくて悔しい。自分の技量不足で申し訳ない。村上(義弘)さんが入ってきているのもわかった。あとはもう1回ノブの後ろに戻ってからの方が良かったと思う。(脚の感じは)元通りに戻りつつある。あとは反省点を次に生かしていきたい」
 中本匠栄のまくりが村上に止められると、柏野智典(写真)は最終バックからコースを探して2着に伸びた。
 「(中本)匠栄がすごくいい判断で切り直してくれた。あとは坂口の動きが僕らにとっては邪魔になった。あれがなければ匠栄はまくれてたかなと。そのあとは考えるより先に体が勝手に反応した。(成績の)数字的には十分ですけど、今日(準決)もすごい良かったらアタマまでいってたかなと。やっぱり伸び切れない」
 目標の窓場がインに詰まった村上義弘は、最終バック手前で中本を張り急場をしのいで3着。
 「結果(窓場が)内に詰まっていたし、僕もかぶっていたんで難しかったです。橋本(強)も付いてくれてるし、早く外に持ち出したかった。ただ、(佐藤)慎太郎がブロックしたところで、行くところがなかった。慎太郎の内に差したのを抜いてからだったんで伸びは良くなかった」

11R

選手の写真です。
古性優作選手
選手の写真です。
守澤太志選手
 周回中8番手の近藤隆司が動かず、一本棒の隊列のままレースは流れて打鐘を通過する。4番手の小松崎大地は、4コーナー手前から仕掛ける。前受けの古性優作(写真)も合わせて踏み込む。稲川翔が守澤太志を大きく外に張って両者が絡み、稲川が落車。松尾信太郎が乗り上げる。主導権争いは小松崎が踏み勝ち、古性は番手に入る。アクシデントを避けた椎木尾拓哉、守澤の追走。追い込んだ古性が抜け出して1着。
 「展開的にはラッキーになったけど踏み遅れてた。小松崎さんを合わせられたら、ラインで決まったと思うので、あそこは合わせないと。(感触は)良くないかと。元のセッティングに戻したけど、人の自転車に乗っているみたい。体の調整をしたいですね」
 落車を避けて車間が空いた椎木尾拓哉は、最終バックで古性に追いついて流れ込んだ。
 「アクシデントがあっても冷静に対処できた。けど、最後は伸び切っていない。調子は上がってきてないですね」
 稲川に大きくもってこられた守澤太志(写真)は、なんとか立て直し直線で強襲。小松崎をわずかに交わして3着で優出を果たした。
 「稲川さんを乗り越えられたと思ったけど、無理くり当たってこられましたね。正解がなにかわからないですけど、連結を外して、前にも後ろにも申し訳ない。今日(3日目)はいっぱいでしたね。絶好調とはいえないし、まあまあです」

12R

選手の写真です。
野口裕史選手
選手の写真です。
松浦悠士選手
 松浦悠士にフタをした野口裕史(写真)は、外併走から再び踏み込んで赤板の2コーナー過ぎに主導権を握る。松浦の動きを冷静に見極めた野口は無理にペースを上げず、打鐘の4コーナーでエンジンに点火する。7番手の松浦は最終2コーナーから踏み出して前団に迫る。ゴール前は野口、松谷秀幸、松浦で横一線。後続を振り切った野口は、逃げ切りでの3連勝。前回の京王閣でダービーVの松浦を相手に押し切ったが、胸を貸してくれた“横綱”との力勝負をこう振り返る。
 「松浦君が(7番手で)間合いを取っている感じだったので、ワンポイント遅めに自分が全力でもつ距離から踏んだ。初日、2日目はペースで駆けたけど、3日目は久しぶりに全力で踏んだ。(松浦は)ダービー王だからこそ、僕のやりやすいようにやって、ねじ伏せてくるだろうと。横綱のレースをしてくると思ったんで、それに甘えさせてもらった。僕の土俵で勝負をしてくれた」
 松谷秀幸はタイヤ差の2着に額の汗をぬぐう。
 「正直、(野口を)抜いたと思った。抜けると思って抜きにいって、抜いた感じもあったんですけど…。すごく強くなってますね。自分の脚の状態も悪くないと思うんですけど、前が強すぎて悪く感じちゃいます」
 7番手まくりで薄氷を踏む思いで決勝に進んだ松浦悠士(写真)だったが、並の選手ならあっさり不発の展開。前の2人に迫る3着は松浦だからこそだろう。
 「ジャンくらいではハイピッチでいくのかと思ってたら、野口さんが落ち着いてた。それが誤算でした。4コーナーくらいまで駆けなかったんでヤバいなと思った。脚の感じは(今シリーズで3日目が)一番良かった。展開を自分で苦しくしてしまった。ジャンくらいで行ってれば、ラインで決まったかもしれない」