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検車場レポート

  • 6/21 Fri.  (前検日)
  • 6/22 Sat.  (1日目)
  • 6/23 Sun.  (2日目)
  • 6/24 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
黒沢征治選手
 3場所連続の完全Vで4月にS級特進を果たした黒沢征治(写真)は、S級3場所目となる前回の四日市FIで優勝。S級初Vで勢いに乗り、初めての記念を迎える。

 「(四日市の決勝は)ダメかと思ったけど、たまたまです。自分としては(S級初優勝は)早いなっていうのがありますね。ただ、もっと上がありますから。最終ホームで先頭に立つことが、自分の(競走スタイルの)ベースになってる。初めての記念ですけど、(不安より)楽しみの方が大きい」

 「久々ですね、1レースは」との嶋津拓弥が、メンバーを見て気持ちを引き締める。

 「相変わらず相手は手ごわいですけど、なんとかクリアしたい。僕の調子も上がっていると思うんで」

2R

 2月全日本選抜の落車による怪我から、復調に時間を要している山中秀将だが、緩やかながらも上昇カーブを描いている。

 「(復帰場所のダービーよりはいい感じが)全然あります。ダービーは着だけまとまってるけど、走っている感覚がすごく悪かった。地元だから番組と展開に恵まれました。体の方は今の方がいい。劇的に良くなればいいけど、そうもいかないし、少しずつだと思います」

 前回の宇都宮FIを867着と一息の成績だった柳詰正宏に変わり身がありそうだ。

 「ちょっと空いたんで、練習ができました。それがいい方向にいってくれれば。(自転車のセッティングを)いじりまくってる。いいところを探してるんですけど、やっぱりレースで走ってみないとわからないところもある。そこでアタリが出ればいいですね」

3R

 前回の高松宮記念杯は4896着も成績以上に見せ場のあった高橋和也が振り返る。

 「(前回は)良かった部分、悪かった部分、半々くらいですね。最終日は自分でちゃんと行かないといけなかった。そこからは練習は2日やった。感じ自体はそんなに悪くない」

 佐藤佑一は、前回の川崎FIを391着。最終日は追い込みながらも、今年の初白星を飾った。

 「(1着は)たまたまですけど、気持ちの部分では大きいですね。展開が向いたとはいえ、このまま(成績が)上がっていけばいいなって思います。来期はしっかりS級の点数を取って勝負したいし、そこにつながるように(今シリーズは)頑張りたい」

4R

 同県の藤井栄二とのセットでシリーズの初日を迎える村田雅一は、頼れる後輩にリラックスムード。

 「(前回の高松宮記念杯が終わってから)休まずに練習はやってきました。(藤井)栄二とも一緒にやりました。(高松宮記念杯は)調子は良かったんですけど、展開もありますし…。あとは初日ですね。あそこで勝ち上がってれば、面白いところまでいけたなかなっていうのもあります。初日がデカかった」

 牛山貴広は、S級1班の競走得点獲りに気持ちを入れる。

 「(前回の高松宮記念杯は)うまくいってないというか、かみ合ってはなかったです。ただ、1班の点数はできるなら取りたいし、まずは初日が勝負です」

5R

 4月の伊東GIIIで落車の怪我から復帰した岡崎智哉だが、5場所を消化して思うような成績を残せていない。

 「追加ですけど、記念だし喜んで受けました。復帰してから、どこかが痛いとかってわけじゃないけど。あんまり良くないです。どこかでキッカケをつかみたい。自分がやりたい動きはできてるんで、最後の決め脚のところだと思います」

 岡崎と同様に追加配分の成清貴之は、前回の大垣FIから中8日のローテーション。

 「ここ(追加)が来なければ、中20日くらいでしたね。だから追加があるかなって思ってたけど、函館だったんでうれしいです。ちょっと(体を)緩めていて、ボチボチ動かしていたところ。(状態は)大丈夫だと思います」

6R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手
 前回の高松宮記念杯では2度にわたり積極策を披露した桐山敬太郎(写真)が、ルール改正によるレースの変化を明解する。

 「(新ルールは)自分で立ち上げないでいい分、自分の脚質にはいいかなっていうのがある。ただ、全員キツいですよ。番手の人もタイミングがズレてるから仕事ができないっていう感じがありますね。だから、脚がいっぱいでもまくったら、まくれちゃったっていうのがあるんだと。落ち着くまで2、3カ月かかりますかね。自分はオールスターまでに、どんだけいろんなレースができるかだと思います」

 合志正臣は、前回の小松島FIを75着で最終日を待たずに欠場した。

 「小松島はその前の落車があって、日にちが短すぎた。そのあとここまで日にちがあったんで、自分の状態はいいと思う。なかなかうまくかみ合わないけど。一時期は(腸炎で体調を崩して)体重も減った。それで自転車も流れなくなった。ようやく体重も戻ってきた」

7R

選手の写真です。
坂本貴史選手
 坂本貴史(写真)は前回の高松宮記念杯を1688着。青龍賞に勝ち上がった2日目は、弟デシの新山響平とタッグを組んだ。

 「(高松宮記念杯は)初日に1着が取れたのが大きかった。2日目は福島の先輩たちと別で(新山)響平と戦った。自分にとっても響平にとってもいい経験になった。強い弟デシがいるんで、まだ一緒に走りたいし、たまには自分が前でもっていうのもある。そのためにも存在感を増していかないと」

 1年ぶりにS級に返り咲いた高木和仁は、勝ち味に遅いものの成績をまとめている。

 「(今期の)最初はイマイチだったけど、後半になって慣れてきましたね。レースに参加できるようになってきた。自分の脚の調子も上がってきた。今期は(S級の競走得点を)しっかり取りたい」

8R

 佐々木豪は高松宮記念杯の最終日の逃げ切りで、ようやく笑みがこぼれた。

 「(中4日でも)2日間、移動があったんで、練習はあとの2日間ですね。その2日間は筋トレだけをしてた。ここ最近はずっと筋トレをしてるんで、常に疲労がある状態。それでも(成績が)だいぶ安定してきた。勝ち上がれなかったけど、最終日の逃げ切りは自信になりました」

 20年にわたりGI戦線で戦い抜いてきている小林大介だが、前回の高松宮記念杯でも新たな刺激が入った。

 「気持ちの面ですね、新しい刺激を受けて気持ちが入ってます。状態としてもいいと思います」

9R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 3月のウィナーズカップの落車で左鎖骨、ろっ骨の骨折を負った菊地圭尚(写真)が、地元記念で復帰を果たす。


 「(地元記念に)間に合ったか、そうではないかは、走ってみないことには…。(鎖骨骨折が)初めてだったんで、いろんな人に聞いて手探りでやってきた。乗っているうちに少しずつ体が動くようになってきた。身の入った練習は1カ月くらいはできた。高松宮記念杯に向けてやってた部分があるので、少しは気持ちの余裕もある。あとは気合、気合しかないですね」


 前回の高松宮記念杯でも成績以上に新ルールに対応していた小松崎大地は、今シリーズも楽しみだ。


 「(中4日で)休養も取って、練習もした。疲れは大丈夫だと思うし、とくに変わりはない。もうちょっといい方に変わって欲しいっていうのはある」

10R

選手の写真です。
山田敦也選手

 新山響平は3車のラインの重みを感じながら、目の前の一戦に全力投球を誓う。


 「(高松宮記念杯は)弱いと思ったし、(中4日で)しっかり練習をしてきた。疲れもあるけど、練習はしっかりできたのは大きい。(高松宮記念杯の4日間を通して)内容は悪くなかった。でも、力不足もある。(ルール改正で)ペース配分とか、まだ対応しきれてない。(山田敦也が)地元なのに3番手を回ってもらってるんで、絶対に3人で勝ち上がれるように」


 新山ライン3番手も山田敦也(写真)が、どん欲に1着を狙っている。


 「(突き抜ける)そんなイメージで、地元を盛り上げらるように。(新山は)すごいダッシュだから気合で付いていきたい。(地元記念までに)いろんなことを試して、(状態が)下がることはない」

11R

選手の写真です。
藤根俊貴選手

 S級に特進後はFIシリーズの7場所すべてに優出している藤根俊貴(写真)が、初の記念で一次予選のメインを務める。


 「(前回S級2度目の優勝を完全Vで飾り)順調すぎますね。(S級の)壁にぶち当たるかなっていうのがあった。思った以上に走れているけど、それ以上を求めていかないと」


 追加配分の和田圭が、藤根とコンビを組む。


 「(初日は)新車にしてみます。こっちの方がスピードが出た時に楽かなっていうのがある。練習では抜群っていう感じじゃないけど、悪くはなかった。自分の状態は、ちょっとオーバーワーク気味ですね」

12R

選手の写真です。
清水裕友選手

 清水裕友(写真)は前回の高松宮記念杯でファイナルに進出。決勝は4番手キープも優勝した中川誠一郎を脅かすまでには至らなかった。


 「(高松宮記念杯の決勝は)飛び付こうと思ったけど、番手も3番手もスピード差があった。それで飛び付けなかった。いつもならそれでもニュートラルに入れられるけど、余裕がなかった。自分の状態も、思ったほど上がってなかった。あとはオールスターで、もっといい勝負ができれば。(中4日で)やっぱり疲れはありますね」


 ルール改正の対応に追われた古性優作の前回の高松宮記念杯は9421着。


 「まだいろいろ考えながらになってしまうんで、とにかく慣れるしかない。自分の脚と新しいルールのなかで対応をしてかないと。(中4日で)普通にやってきたし、任せてもらったんで頑張ります」


 渡邉雄太は全プロ記念の落車の影響で、前回の高松宮記念杯は本来の動きになかった。


 「おかしいなっていう感じだったんですけど、やっぱりでしたね。(高松宮記念杯では)朝起きた時に、まだ背中が痛かったりもした。(体を)治しながら走るしかない」

1R

選手の写真です。
池田勇人選手
 前団の様子をうかがっていた黒沢征治が、打鐘から仕掛けてラインの3車で出切る。最終バックで後続は一本棒。別線は仕掛けられず、番手の池田勇人(写真)が、きっちり交わして埼玉ワンツー。

 「これなら(別線は)来られないっていうはありました。あとはもうちょっと脚を使わないで(仕掛けて出て)いけるポイントがあったと思う。それでも心強いですね。(埼玉の後輩は)黒沢、森田(優弥)、植原(琢也)と出てきたんでやっとです。ただ、自分も粘られるのも覚悟していた。そこは乗り越えていかないと」

 積極策で池田とのワンツーにも、黒沢征治は二次予選を見据えて修正点をあげる。

 「ワンテンポ、ツーテンポくらい、(仕掛けが)遅くなってしまった。4番(原誠宏)の人が遅れて来て、それで見ちゃった。迷わず行くべきでした。そういうところですよね。(嶋津拓弥に)もっと踏まれたら、番手の人にやられてた。脚の感じは良かったけど、そういう組み立てですね」

2R

 打鐘で先頭に立った利根正明が、先行態勢を取る。7番手の山中秀将が打鐘の4コーナーから踏み込むと、海老根恵太は付け切れない。山中がひとりで前団をとらえて、柳詰正宏は切り替える。車間を詰めながら追い込んだ柳詰が、久々の1着で一次予選をクリアした。

 「(山中が)ひとりだったのは見えた。自分はうまく前と車間を詰められたと思う。ああいう展開になると、(山中は)タレてくれるイメージはあったけど、強い選手なので流しているかとも思った。利根君のおかげですよね。九州からああいう先行のできる選手がどんどん出てくれば、もっと盛り上がるんでしょうけどね」

 山中に離れた海老根恵太は、最終2コーナー手前からインを押し上げる。狭いコースを縫い、柳詰後位に取りついて流れ込んだ。

 「山中君があのタイミングで仕掛けるのはわかっていたのに離れてしまった。力不足です。(落車の怪我にしても)走る以上は大丈夫なわけですから」

3R

選手の写真です。
佐藤一伸選手
 赤板の1コーナーで押さえて出た高橋和也は、菅原裕太を突っ張りそのまま先行策。最終ホーム手前から単騎の佐藤佑一が仕掛けると、佐藤佑と別線の佐藤一伸(写真)が追いかける。佐藤佑は北野武史に阻まれ、その上をまくった佐藤一が前回途中欠場の悪い流れ断ち切って1着。

 「(勝てたのは)本当にたまたまです。最終的に9番手になっちゃって、仕掛けようとした時に(佐藤)佑一さんが仕掛けた。ちょうど自分とピタリと合った感じでした。それで佑一さんを追ってと思いました。あとは(佐藤佑が止まったんで)2コーナーから行きました。合わされたと思ったけど、3コーナーからもしっかり踏めた。自信になりました。(腰痛で前回を途中欠場したけど)治して練習した。それで結果もついてきたんで良かった」

 五十嵐力に当たられながらも、増原正人は4番手をキープして佐藤一のまくり追いかけるように踏んで伸びた。

 「函館バンクは応援してくれる人もいるし、すごく好きなバンク。第2の地元くらいの気持ちです。自分の位置をキープして、あとは内か外かでした。やり合っていたんで外だと。8番(佐藤一)が行ったんで、人任せになってしまった。ラッキーですね」

4R

選手の写真です。
藤井栄二選手
 後ろ攻めから上げた宿口陽一が中団の藤井栄二にフタをして、両者で激しく中団を取り合いながら打鐘を通過。正攻法の山本健也は最終ホーム手前まで誘導を使って駆けだす。外併走からのまくりとなった宿口だが、2コーナー発進で、山本をとらえた。

 「牛山(貴広)さんと山下(渡)さんとは久しぶりの連係だったので、3人で決めたかったけどたまたまです。あれが内に古性(優作)君だったら飛ばされていましたから。脚はいいと思う」

 最終2コーナーで牛山を退かした藤井栄二(写真)が、外を踏み込んで2着に食い込んだ。

 「ちょっと考え方が甘かった。意地になってしまいました。自分がしたいレースができなかった。僕が先行してって相手も考えていると思って、切ったところを叩きたかった。宿口さんがあそこでこだわるとは。ラインに迷惑を掛けたし、内容もなかった。明日(二次予選A)はしっかり考えて走りたい」

5R

 インを切った大矢崇弘が緩めると、岡崎智哉はその上を叩いて打鐘先行。後方へ置かれた小埜正義が最終2コーナーからまくり、その動きに合わせて、中団から大矢もまくるが、岡崎の番手で車間を空けてけん制した坂上樹大が4コーナーから踏み込んで突き抜けた。

 「スタートは取りに行った。雨だったので、前受けでいいかなと。勝てたけど、気持ち的な余裕がなくて、頑張ってくれた岡崎君を残せなかった。その部分ではホントに申し訳なかった」

 小埜正義は7番手まくりの苦しい展開となったが、最終2コーナーから我慢して外を踏み続けて2着に届いた。

 「大矢君が踏んでくれなかかったね…。引き切ったときには前が駆けていたのでキツかったです。1コーナー過ぎに踏んだつもりだけど、車が進んだのは2コーナーですね。飛ぶような掛かりじゃなかったので、なんとか2着に届いたけど、(車が)外に開いてしまった。練習仲間(成清貴之)が付いて、あのレース(内容)じゃダメですね」

6R

選手の写真です。
白戸淳太郎選手
 市橋司優人が打鐘で主導権を握って、人気の神奈川トリオは後方。4番手の堀内昇が最終2コーナー手前から踏み込むと、桐山敬太郎もまくる。短くなった前団の隊列をのみ込んだ桐山を白戸淳太郎(写真)が追い込んで、1月以来の白星を挙げた。

 「(1着は)1月とかですかね、ずっとなかった。めちゃめちゃうれしいし、しかも(ラインで)ワンツースリーですから。自分は(桐山の)踏み出しさえ付いていければっていうのはあった。まぁ、(自分の1着もラインでの上位独占も)僕じゃなくて、桐山のおかげなんで(笑)」

 「ちょっと大事にいきすぎた」と、振り返ったのは桐山敬太郎。7番手まくりで力の違いをアピールするも反省を忘れない。

 「自分の仕掛けとしては情けなかったけど、ラインで決まったんで。普段だったら、あの(九州勢の)カマシに付いていってるんですけど、様子を見ちゃいました」

7R

 後ろ攻めの小川丈太が、正攻法の坂本貴史を押さえて打鐘で先頭に立つ。本郷雄三は動かず、あっさり中団を確保した坂本は最終2コーナーからまくり発進。2センターで小川をとらえた坂本を、最後は齋藤登志信が差し切った。

 「口が空いてしまったので、2日目からは別人になります。僕は全然、なにもしていない。坂本君のおかげです」

 坂本貴史が2着に入り北日本ワンツー。

 「中団を楽に取れたし、前と車間を空けてホームから全開で踏んで詰まったら仕掛けていこうと。ちょっと重たかったけど、勝ち上がれて良かった。風はとくに気にならなかったです。明日(二次予選A)はペダリングや体の使い方など修正できるところはしていきたい」

8R

選手の写真です。
佐々木豪選手
 打鐘で叩いた中島将尊がペースを緩めると、間髪入れずに佐々木豪がカマシ気味に仕掛けて主導権。追走の大川龍二に三宅達也まで出切って、中団に中島、佐藤雅春は7番手に置かれる。佐々木が掛かり良く逃げ、最後は大川がしっかり差し切った。

 「石丸寛之さんとかと中四国を引っ張ってきた三宅さんが前を任せてくれたので、緊張感はありました。簡単なレースに見えたかもしれないけどね。勝てたのは佐々木君が強かったことがすべてだけど、僕も前を抜けるように自分なりに考えて取り組んでいるつもり」

 文句なしのレース内容で2着に粘った佐々木豪(写真)は心地よい疲労だろうが、やや表情を歪めて少しだけ足を止めた。

 「筋肉痛がキツい。筋トレを多く取り入れているので。踏み直した時もケツが痛かった(笑)。でも、(中4日でも)ケアだけしていたら、3、4日目がキツくなってしまう。(前回から換えた)フレームはめちゃくちゃ硬いんで、コンディションが良くないと負けてしまいますね」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 東矢昇太が主導権を握り、離れ気味の高田真幸のところに藤木裕が飛び付いて3番手がもつれる。小松崎大地(写真)は最終ホームから反撃。3コーナーで逃げる東矢をとらえて、ラインを上位独占に導いての1着。

 「(九州ラインに)付いていってすぐに(仕掛けよう)と思ったけど、高田さんが離れてて、タイミングを逃してしまった。そこで行けてれば良かった。無理やりいく形になりましたね。(後ろは)絶対に付いてきてくれてるって信じてた。(自分として)まだまだですけど、勝ち上がりながら、課題をクリアしていきたい」

 3月のウィナーズカップ以来、およそ3カ月ぶりの実戦になった菊地圭尚は、2着スタートの地元記念に汗をぬぐう。

 「格好悪いですけど、ひと安心ですね。道中も我を失うこともなかったし、思ったよりもやれたかなっていうのがある。ジャンでカマすタイミングがあったけど、(小松崎)大地がそこで落ち着いたからまくりかと思った。そしたら無理やり行ってくれた。自分はそこで口が空きました。なんとか、あとの3日間のうちに1着を取って、お客さんの前に行きたい」

10R

 前受けからサッと7番手まで下げた新山響平が、打鐘から巻き返して主導権を奪う。人気の北日本勢が出切って、番手で願ってもない展開になった守澤太志が、計ったように差し切った。

 「一番いい時に新山が仕掛けてくれた。自分は付いていて楽でした。(ラインで)ワンツースリーを決められたので良かった。新山は一番良かったころに比べたらまだまだだけど、誰も仕掛けてくる感じではなかった」

 危なげない先行策で別線を完封した新山響平は、内容のある2着。

 「久しぶりに予選スタートだったので緊張した。デビューした時のような感覚でした。仕掛けは詰まったところで行けたし、(ラインの)3人で出切れるなって思った。ただ、体は疲れがあるのか、あんまり良くないです」

11R

 藤根俊貴を警戒しながら北川大五郎がペースを上げるが、最終ホーム手前で藤根がねじ伏せて先行策に出る。番手をソツなく追走した和田圭が、後続との間合いを計り追い込んだ。

 「(レースは)見たまんまですよ。(藤根が)あれだけ先行してくれたから勝てただけ。新山(響平)よりも駆け方は優しいかも(笑)。自分は道中で余裕はあったかな」

 初の記念シリーズにも気後れすることなく、藤根俊貴は持ち前の力をアピールした。

 「小松崎(大地)さん、新山(響平)さんが自分より前にいいレースをしてたので、プレッシャーがハンパなかった。前回の予選で変なレースをしたんで、今日(初日)は後方で構えるようなレースはしないって決めていました」

12R

選手の写真です。
古性優作選手
 清水裕友が赤板の2コーナーで押さえて出ると、そのままペースを落とさずに駆ける。渡邉雄太は7番手に置かれ、隊列は一本棒で最終ホームを通過する。清水がスピードに乗って逃げるが、古性優作(写真)が4番手からまくっりを打って前団に襲い掛かる。清水を3コーナー過ぎにとらえて1着の古性が、息を整えて振り返る。

 「誘導が思ったより早くて、ミスしました。後ろ攻めだったからそう感じたのか、キツかったですね。それでも南(修二)さん、村上(義弘)さんに付いてもらってるんで、ホンマにいっぱいだったけど(仕掛けて)行かなきゃと。(まくりが)最低限、出て良かった。あとはレース(VTR)を見て、(自分の感覚と)重ね合わせます」

 清水に付けた園田匠は、外の南を張りながら追い込み2着。

 「(清水は)気を遣ってくれて、すごく頑張ってくれた。自分の脚は問題ないけど、清水君がどれくらい踏んで、自分がどのくらい車間を空けていいのかっていうのがあった。それが(今回で)ある程度、わかったんで、次はしっかりワンツーできるようにしたい」

 渡邉のまくりにかぶった村上義弘は、直線の入り口で渡邉を外に弾いて踏み込んだ。

 「(古性)優作と(南)修二の動きを見ながらでした。最後は自分でコースをつくるしかなかった。優作も伸びてたんでね。優作は自分で動かして、自分で全部やってくれた」

6R

選手の写真です。
村田雅一選手
 前受けの池野健太は迷わず後方まで下げて、赤板2コーナー過ぎからカマシ気味に巻き返す。近畿3車が出切ると、続いた単騎の稲村好将は内をすくって酒井耕介から3番手を奪取する。最終バックを一本棒で通過して、後続との間合いを計った村田雅一(写真)が、池野の逃げを利して楽に抜け出した。

 「(池野は)あんなに長い距離を先行するタイプじゃないのに、気持ちがうれしかったですね。ギリギリまで待ちたかったけど、三ツ石(康洋)さんが見えて、焦ってしまった。昨日(初日)南(修二)さんにアドバイスをもらって、それで修正できたかなっていう感じはあります」

 勝負どころで村田後位を取った稲村好将が、流れ込んで準決進出を果たした。

 「どうにかです。先手ライン(を追走)って考えてて、池野君がダッシュしたあとに緩めたんでバックを踏まずに(3番手に)入った。三ツ石君も僕のところを狙ってたみたいなところもあったんで、そこで取り合ってもっていうのがあった。調子の方は悪くないと思います」

7R

選手の写真です。
小林大介選手
 周回中6番手にポジションを取った中島将尊は、赤板2コーナーから仕掛けて先行策。関東勢に単騎の中村良二まで出切る。松山桂輔もすかさず反撃に出るが、番手の小林大介(写真)がしっかりと阻んで1着。逃げた中島との群馬ワンツーに笑みを浮かべる。

 「スピードが松山君と合ったので止められた。あとは(中島を)残せるかどうかだったけど、残ってくれて良かった。新ルールは先頭で走る方が大変ですね。でも、気持ちには余裕がなかった」

 逃げて結果を残した中島将尊が、準決進出に汗をぬぐう。

 「後ろ攻めなら押さえて行かずに、ああいう先行でって思っていた。全体的に重たくて納得のいく掛かりではなかった。でも、残って良かった」

8R

選手の写真です。
中村敏之輔選手
 赤板の1コーナーで先頭に立った谷口明正がペースを握り、嶋津拓弥は後方に構える。堀内昇が4番手から仕掛けるが、その上を嶋津がまくって1着。

 「勝てたけど、最終ホームで仕掛けないとダメですね。最近は積極的なレースができていない。最近はバックの数が減っているし、こういうレースばかりだと相手に流しても(叩いて)来ないでしょって感じになるんでね」

 8分の1輪まで追い詰めた中村敏之輔(写真)が、地元で二次予選Bをクリアした。

 「記念の準決なんて、いつ以来か忘れるくらい本当に久しぶり。(最終)ホーム線を目がけて仕掛ければ、もっと楽な展開になったと思うけどね」

9R

選手の写真です。
小埜正義選手
 打鐘の3コーナー過ぎに渡邉雄太が主導権を握ると、佐々木豪は3番手で粘り海老根恵太と併走になりもつれる。最終1コーナーから坂本貴史が踏み上げるが、逃げる渡邉の番手の小埜正義(写真)がけん制し勝機をモノにした。

 「恵まれ一本ですね。(佐々木は)俺のところかと思ったら引いたから。そしたら(佐々木)豪が俺の後ろに入ってたんで、まっすぐに踏まないとって思った。でも、(坂本)貴史もいいスピードで来てた。ギリギリまで引きつけてと思って、真横に振ったら(坂本が)止まった。(渡邉)雄太が強かった。自分は疲れているけど、最低限のことはできた」

 まくった坂本のスピードが鈍ると和田圭は、冷静にコースを探して伸びた。

 「(打鐘の)4コーナーで(坂本は)1回バックを踏んでる。あれをそのまま行ってれば、自分たちで決まったんじゃないですかね。そこから(坂本のまくりが止まって)自分は無風のところを行っただけ。脚じゃないですよ(笑)」

10R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手
 藤井栄二が抜かりなく主導権を握って、新山響平を後方に置いて駆ける。打鐘の4コーナーから新山が巻き返すも、菊地圭尚は離れる。南修二のけん制を乗り越えた新山が先頭に立つが、切り替えた南が追い込んで1着。

 「しっかり見えていたので、新山君を止められたら良かった。でも、スピードが違った。切り替えた以上は抜きたいと思ってました。体も脚も全然、大丈夫」

 最終2コーナーで内をすくった桐山敬太郎(写真)は、南を追いかけて2着。

 「(佐藤)龍二まで連れ込みたかった。新山にスイッチしたかったけど、飛び付けなかった。坂上(樹大)さんを飛ばさないと龍二が4、5着に入れないって思って。でも、(菊地)圭尚さんが離れているんだから飛び付ける訳ないですよね」

11R

選手の写真です。
藤根俊貴選手
 先行態勢を取った藤根俊貴が打鐘の2センターで緩めると、古性優作が驚がくのスピードでカマす。遅れながら村上義弘が続いて、藤根は3番手での立て直しを余儀なくされる。村上は藤根との間合いを計り追い込んだ。

 「古性君のダッシュはすごかった。近畿にはああいう感じでケツを上げて踏み出しの良い選手が沢山いるけど、あんなスピードは初めてじゃないかと思ったくらい。(車間が空いたことに関しては)僕に心の隙があったと思いたい」

 古性に主導権を明け渡した藤根俊貴(写真)は、2着も肩を落して反省する。

 「あんなペースでカマされたのは初めてです。グレーツァー(オーストラリア)みたいな感じだった。S級になって初めての体験です。自分の持ち味を出せずに、流れ込んだだけ…。いい経験にはなったと思うので、こういう課題を持ち帰って練習したい」

12R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 黒沢征治が2車でも果敢に風を切って逃げる。勢いよく赤板の2コーナーで飛び出し、諸橋愛が続く。車間が空いた3番手に清水裕友が飛び付く。清水後位の競りは決着がつき、隊列がほどけた7番手から小松崎大地(写真)は最終ホームで仕掛ける。合わせて3番手の清水も踏み込み諸橋も出るが、小松崎がスピードの違いでまくり切った。

 「結構、苦しかったですけど。タイミングを逃さずに(仕掛けて)行けばっていうのはありました。自分の力をしっかり発揮できれば、(このメンバーでも)勝負できるっていうのが確認できた」

 最終3コーナーで諸橋と重なった齋藤登志信だったが、小松崎のまくりに流れ込んで2着に入った。

 「清水君と諸橋君がいたし、あそこの3コーナーはよく耐えたなって思います。諸橋君に(ブロックを)もらったら、自分はないですから。うまくいけた」

 逃げた黒沢の番手の諸橋愛は、清水、小松崎をけん制しながら前に踏むが3着。

 「清水君だけなら良かったけど、その上を小松崎君も来た。横(に振る)より、もうタテに行くしかなかった」

10R

選手の写真です。
守澤太志選手
選手の写真です。
渡邉雄太選手
 打鐘手前で渡邉雄太が先行態勢を取るが、その上を小松崎大地が叩いで主導権。番手で車間を空けた守澤太志(写真)が、まくり追い込む渡邉との間合いを計り抜け出した。

 「(渡邉)雄太はまくり追い込みだなって思ってた。仕掛けてきてくれて(最終)3コーナーのところなら仕事をできて良かったんですが…。迫ってきた雄太を見て、自分の判断を見誤ってしまった。焦ってしまいました。勝ったうれしさよりも、反省や課題が残りますね」

 4番手で態勢を整えた渡邉雄太(写真)は、最終3コーナーから踏み上げて2着。

 「ジャンで結構踏まされたけど、桐山(敬太郎)さんが迎え入れてくれたので、自分はどこかで仕掛けないとって思いました。日ごとに良くはなっているし、自転車もやっぱり2日目から使っている方がいい」

 北日本勢を追走した稲村好将は、ソツなく中のコースを踏んだ。

 「ツイていますね、流れがいい。(記念の)決勝は久しぶりですよ。セッティングとかのアドバイスを川口(満宏)さんにもらって、いいかなって感じがあった」

11R

選手の写真です。
南修二選手
選手の写真です。
諸橋愛選手
 打鐘過ぎに主導権を握った中島将尊が、そのままペースを落とさずに駆ける。打鐘の4コーナーで7番手から新山響平が反撃に出る。合わせて動いた古性優作と絡んだ和田圭は連結を外す。単独で出た新山に車間が空きながらも、諸橋愛が切り替えて追いかける。そこに大阪コンビが迫ると、南修二(写真)が中を強襲して二次予選から連勝を飾った。

 「脚の状態はいいですね。最後はあそこ(のコース)しかないと思ったし、無心で突っ込めた。古性君はあのタイミングでも飛び付けるのだからさすが。そこから踏んでくれているからね」

 関東勢にとっては厳しいメンバー構成だったが、諸橋愛(写真)が新山を交わして2着に入った。

 「(中島と)2人で決勝を目指すなら、打鐘で流して新山のカマシを誘うしかなかった。離れながら追ってくれば、そこは俺がさばこうと。だけど、中島は駆けちゃったね。新山のスピードが良かったので、切り替えるときには脚を使うけど、追い付いて抜けているので問題はない。好調とまでは言えないけど、戦える状態かな」

 4車で横一線のゴール。最内の新山響平が3着に踏ん張って、一番外の古性は届かずの4着で決勝を逃した。

 「出足はいいんですけど、やっぱりタレますね。あの展開じゃ全開で踏まないとしょうがないですから。単調ではあるけど、作戦通りといえば作戦通り。緩んだところで(仕掛けて)行くっていうところだけ意識してた」

12R

選手の写真です。
齋藤登志信選手
選手の写真です。
小埜正義選手
 小埜正義が切った上を北日本コンビが出て主導権。後方に置かれた清水裕友だったが、内を進出して6番手まで押し上げる。先頭に立った藤根俊貴は、落ち着いてペースを上げて風を切る。最終2コーナー過ぎからまくった清水は中団まで。逃げる藤根の番手でチャンスが巡ってきた齋藤登志信(写真)が、追い込んで1着。

 「藤根は掛かってたし、俺が抜けるか、抜けないかだと思った。強いっすね。ただ、(藤根を)残せたかなっていうのもあるし、そこは反省ですね。申し訳ないの一言ですね。あれで自分があんまり仕事したら、(藤根と)2人とも食われてしまってというのもあった」

 3番手から外を追い込んだ小埜マークの内藤秀久は、藤根と齋藤の間を突いて伸びた。

 「(まくってきた)清水君のスピードが良すぎた。でも、小埜君もたいしたもんですね、(清水に合わせて)踏んでいってくれた。最後は清水君も外にいたし、あそこ(外のコース)はないと思った。それでコース見て踏んだ。余裕はありました」

 好位キープの小埜正義(写真)は、逃げる藤根の掛かりがよく最終2センターから外に持ち出すのがやっと。なんとか3着で優出を果たした。

 「(最終)2コーナーで行こうと思ったんですけど…。踏むタイミングがうまく合ってない。(藤根の)ピッチが落ちた時に、自分が行けてればいいんですけど」





≪最終日6R「レインボーカップチャレンジファイナル」≫



 前回、伊東で3場所連続の完全Vの特班をかけていた佐々木堅次だったが、112着の準V。気持ちをスイッチして、地元地区の一発勝負に挑む。

 「伊東が終ったあと、(レインボーカップ出場に繰り上がったのが)わかりました。師匠(高桑由昇)からは取りにいけって言われたし、タイミングを逃すなと。だから勝負どころはしっかりと(見極めたい)。9人で走るのも初めてですけど、(記念のシリーズで)トップの人たちの雰囲気を味わいたい。いい経験になると思うので」

 中嶋宣成は、昨年12月のレインボーカップで落車滑入の5着と悔しい結果に終わった。今度こそ特班を決めて、すっきりとA級1、2班のステージに上がりたい。

 「(昨年7月のデビューから)1年を考えたら、全然ダメですね。レインボーカップを入れて3回、特班に失敗した。上がるところを上がれなかった。その分、1、2班を(3場所連続の完全Vで)ストレートでいきたい。(前々回の)青森で全然、(自分の力を)出し切れなくて、すごく悔しい思いをした。だから、自分の力だけは出し切りたい。順番が来たら(主導権を握って)駆ける」

 113期が8人のメンバー構成。97期在校ナンバーワンの井上嵩は、ルーキーの中を苦笑いで取材に答える。

 「9車を経験しているのは僕だけですかね? みんな新人だし。ただ、ここまで(113期がいると)具合が悪いですよ(笑)。ちょっと練習をしすぎて腰が良くなかった。それでここ3場所は良くなかった。でも、調子自体は上がってると思う。あとは運もありますから」