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11#

検車場レポート

  • 4/25 Wed.  (前検日)
  • 4/26 Thu.  (1日目)
  • 4/27 Fri.  (2日目)
  • 4/28 Sat.  (3日目)

1R

 小林則之は鋭いまくりを主武器に各地で奮闘している。初日は1レース1番車でスタートダッシュを決める。


 「まさかの1レース1番車ですね。ギックリ腰で前回の松山を欠場したんです。松山に出発する日に練習を少しやっていたら、身動きが取れなくなってしまった。もう痛みは引きました。練習はあまりできてないので、思うように動けないかもしれないけど、何とか頑張ります」


 城幸弘は昨年12月前橋FIの落車で鎖骨を骨折。長期欠場を余儀なくされたが、3月に復帰してから徐々に上がっている。


 「鎖骨を折って、手術して、まだ針金が入っている状態です。復帰してからは走れているほうだと思います。でも、休む前とは別物ですからね。もっとパワーとスピードが付いてくれば競輪の成績につながると思ってます」


 

2R

選手の写真です。
片折亮太選手

 片折亮太(写真)は3月松山のウィナーズカップの3日目にビッグ初勝利をゲット。その後も好調を維持している。


 「ウィナーズカップは有名な選手と走れて、いい勉強になりました。後輩(金子哲大)が頑張ってくれたんで勝つことができました。最近はしっかり1着が取れている。函館は重いんですけど、積極的に頑張ります」


 小酒大勇はいまひとつ流れに乗れない状況が続いている。


 「最近は準決勝にもあまり乗れてないし、点数なりの脚しかないですね。初日は3着権利なので頑張らないと。こういう時に少しでも上で走れるように。片折君はレースを見てても先行で強いイメージがある。うまく対処して、初日をクリアしたい」


 

3R

 加賀山淳は2月静岡のケイリンエボリューションで逃げ切り、待望のS級初優勝を飾った。ここ2場所も連続優出とパワーアップしている。


 「エボリューションの直後の大垣はダメでしたね。別の自転車なので、感覚が全然違いました。練習の感じはよかったですし、(3月)玉野記念の頃からいい感じで走れて、結果も出ています。やれることをしっかりやるだけですね」


 上野真吾は近況、パッとしないが、ここに向けて調整してきた。


 「最近はちょっと体が動いてないですね。体のバランスが急に崩れました。前回の松阪が終わってから新しいトレーナーに見てもらって、よくなっていると思います。その成果が出てくれるといいですね」


 

4R

選手の写真です。
岡崎智哉選手

 近畿コンビが人気の中心だ。岡崎智哉(写真)は前回奈良FIで2勝。追加参戦でも問題はない。


 「前回の初日は久々に感じよく逃げ切れました。準決勝は失敗してしまったんですけど、状態はかなりいいと思います。追加はだいぶ前にもらったので、正規配分と変わらないです。2着権利かと思ったけど、3着権利なら気持ちはだいぶ楽ですね。どこからでも行けますよ」


 布居寛幸は2月平FIで準Vと好走。その後も好成績を収めている。


 「調子は変わらずという感じですね。終わってから練習も普通にして、上げもないし、下げもない。今回は近畿の自力が多いんで、前に困ることはないですね。岡崎君をしっかり援護したい」


 

5R

 真船圭一郎は落車のケガから立ち直り、成績を上げてきている。このクラスでは取りこぼせない。


 「今月はこれが3本目。ちょっと配分が詰まっていて、練習不足ですね。そこがちょっと不安です。来期は(S級)1班なんです。今期、1班の点数が取れるかどうかは今開催次第と思ってます。初日に飛ぶこともけっこうあるので、しっかり突破したいです」


 野木義規は地元のGIIIに高いモチベーションで臨む。


 「前回の武雄記念よりはいいと思います。いつもの練習パターンで、ケアを多めにやってきました。地元のGIIIなんで、かなり気合は入ってます。でも入りすぎると失敗するので気をつけたいですね」


 

6R

 竹内翼は大きな着も目立つが、はまった時の破壊力は相変わらず凄まじい。


 「最近は出し切れている部分と出し切れてない部分がありますね。前回の静岡は久しぶりのレースで初日は消極的になってしまった。2日目、3日目は勝てたけど、やりたいレースはできなかった。暖かい中で練習して、感じはよかった。あとは体がしっかり動いてくれるかどうかですね。しっかり勝ち上がりたいと思ってます」


 川口公太朗は直近5場所で優出3回。戦法の幅を広げて、成績も上昇している。


 「前回の松阪からけっこう空いたんですが、扁桃腺がはれたり、結膜炎になったりアクシデントはありました。今年ぐらいから先輩のアドバイスもあって、自在にやってます。もう少し脚をつけないといけないけど、今の戦法は自分に合ってます」


 

7R

選手の写真です。
梅川風子選手

 ここからガールズ戦だ。梅川風子(写真)は112期の卒記女王。直近6場所の18走はオール連対で優勝3回と乗れている。


 「前回(前橋ミッドナイト)は優勝できなかったし、まだ力は及ばないですね。中3日なんでちょっと休んできました。今は持ち味をしっかり出すことを心掛けてます。初めての4日制なんで、最終日に力尽きないように、うまくやっていきたいと思います。自分のペースにうまく持ち込みたいですね」


 坂口楓華は前回の前橋ミッドナイトの初日に児玉碧衣を破る金星を挙げたが、決勝は落車失格という悔しい結果に終わった。


 「初日は流れがよかっただけです。ケガは擦過傷で、体のケアに専念してきました。今回は様子を見ながらですね。自力で流れにしっかり対応したいです」


 中川諒子は近況、目立った活躍こそないが、徐々に上向いている。


 「今年はあんまりよくないですね。2場所前の久留米の1着が今年初勝利なんです。これがきっかけになってくれれば。前回の大垣から間は空いたので、練習はしっかりやってきました。函館は相性がいいので、それを強みに頑張りたいですね。初めての4日制なので、1日1日をしっかり走ります」


 

8R

選手の写真です。
尾崎睦選手

 尾崎睦(写真)は前回の静岡で無傷の3連勝。3カ月ぶりの優勝を飾った。


 「前回はタマタマ勝てたという感じですけど、素直にうれしかったです。自分の中ではもっとよくなるきっかけにしたいと思ってます。函館は初めてです。相手のことは気にせず、自分のやるべきことをしっかりやるだけですね。自力でしっかり力を出し切ります」


 加瀬加奈子はここ数場所、精彩を欠いているが、表情は明るい。


 「冬の間は弥彦が雪でずっと練習できてなかった。それまでの貯金でなんとかなっていたけど貯金がなくなりました。今はもう練習できているので、これからですね。下火ではありますが、精いっぱい頑張ります」


 成田可菜絵はここ2場所の成績が悪いが、地元同然の函館で流れを変える。


 「(3月)玉野は内抜きの失格、前回の前橋ミッドナイトも悪くて、2日ぐらい落ち込みました。実家が北斗市でここから30分ぐらい。前橋が終わってからこっちに来て練習してました。前橋は後ろで何もできなかったので、今回は前々にいたいですね」


 

9R

選手の写真です。
奥井迪選手

 奥井迪(写真)は北海道出身で函館は地元意識が強い。昨年は4月の開幕戦、10月の最終戦でともに完全優勝。今シリーズも主役の座は譲らない。


 「生まれ故郷は北海道なので、しっかり頑張ります。去年は函館は負けなしでした。この2場所は決勝で負けている。そういう時にしっかり学んで、考えていかないと厳しいですね。4日間あるので、初日からしっかりいいレースをしたいと思います」


 高橋朋恵は今年に入って勝ち星こそないが、去年の岐阜から10場所連続で優出中だ。


 「今年はまだ決勝を外してないですからね。こんなに優出が続いたのは初めてです。その流れを途切れさせたくないと思ってます。前々自在に頑張ります」


 小坂知子も今年は安定した戦いぶりが光っている。


 「1着はほしいんですけど、成績はしっかりまとめられている。前回の向日町は補充だったんで、中3日しかなかったから調整程度の練習です。状態は変わらないと思います。寒さに弱いんで、そこが心配ですね。臨機応変に走ります」


 

10R

選手の写真です。
山本伸一選手

 山本伸一(写真)は今年に入って調子を上げていたが、前回の平塚FIで落車失格の憂き目にあった。


 「擦過傷がけっこうあって、打撲も少しありました。でも、ケアと練習はしっかりできたし、体は大丈夫です。そこまでひどくなかったのは不幸中の幸いです。開催をしっかり盛り上げられるように頑張ります」


 岩本和也は勝ち星から遠ざかっているが、高い3連対率を誇る。鋭い決め脚は健在だ。


 「最近は決勝に乗れてないんですけど、感じは悪くないです。前回、今回と間隔が空いたので、追い込んだ練習ができました。2班なのに特選に乗れてラッキーです。山本君とは(1月)松阪記念の初日に連係している。しっかり決めたいですね」


 根本哲吏はコンスタントにV争いを演じている。初日は地元勢の前で積極的に攻める。


 「前回(武雄ブロックセブン)はちょっと腰が痛くて重かったですね。悪くても2着までには入りたかったです。終わって冬期移動先から戻ったりして、バタバタしたけど、腰のケアはしっかりできました。2分戦は嫌いじゃない。先行してペースに入れるのは得意なんで、その展開に持っていきたいです」


 

11R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 鈴木庸之(写真)は通算200勝にリーチをかけている。3月名古屋のブロックセブンを制覇。その後はパッとしないが、状態面に不安はない。


 「200勝のことは忘れていたけど、早いこと決めたいですね。前回は新車で行って、最終日の感じは悪くなかったです。ワットバイクの数値も上がってきました。点数を下げてしまったので、戻していきたいですね。初日に勝てば楽なんで、しっかり頑張ります」


 稲村成浩は2月立川FIで久々のV。その後も安定している。


 「特に変わったこともないし、練習も変わらずにやっています。状態的にも変わりはないですね。(鈴木)庸之君にお任せで」


 湊聖二は前回平塚FIの準決勝で落車。状態面が気がかりだ。


 「正直よくないですね。フレームも全損して、違うフレームです。いつもバンクで乗っているんで、違和感はないです。不安はありますけど気持ちで頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
南潤選手

 近畿期待のルーキー南潤(写真)が函館初登場だ。昨年12月にS級特進を果たすと、年明けの和歌山記念でいきなり優出。2月別府FIでは逃げ切りでS級初優勝を飾った。今シリーズは堂々の主役を務める。


 「(デビューから)思ったとおりの感じでここまで来れていると思います。今回は獲りたいってなると小さいレースになってしまうと思うので、いつも通りのレースをしようと思ってます。周りからどう言われようとチャレンジャーという気持ちです。前回の四日市の感触はだいぶよかった。今はなるべくラインで決まるようにしているし、前に出てから考えようと思っている。周りから警戒されて、苦手な展開になる時もありますけどね。初の特選なんで、何も考えずに行くだけです」


 中野彰人は約1カ月ぶりの実戦。初日は同県の南と初めてタッグを組む。


 「あいつ(南)は本当にバケモノですよ。すごいです。練習はいつも一緒にやっているけど、付けきれない。何か対策を考えないと。4月3日に練習でコケました。全身擦過傷と打撲もけっこうひどかった。休んでから練習したんですが…。緊張するけど、しっかり付いていけるように」


 河村雅章は前回の高知FIで今年初優出。復調のきっかけをつかんだ。


 「高知は踏み込んだ感じがよかったですね。相手は南君ですか。先行含め自力で頑張るしかない。中団を取りに行っても失敗しそうだし、前々に踏んで行って勝負。それしかないですね」


 

1R

 ナイターGIII開幕戦は、飯尾主税が勝利。赤板2コーナーで誘導員を降ろして先頭に立った小林則之が、カマした近畿2車と続く横関裕樹を受けて残り一周を前に4番手をキープ。後方に引いた城幸弘を見ながら空けた車間を詰める勢いで最終バックからまくると、飯尾がゴール寸前で捕らえて静岡ワンツー。


 「復帰戦だったし、今日は抜く抜かないよりもまずはついて行けるかだと思っていたんですけどね。(小林)ノリさんが頑張ってくれました。不安はあったけど腰は来る直前に治っていたので。いいスタートが切れて良かったです」 


 飯尾に差されはしたが、中団まくりで別線を圧倒した小林則之が2着。


 「今日は単騎の選手もいたから先行態勢に入れば4車か5車になると思って駆けてもいいかなって思っていたけど、風が強かったから勇気がでなくて。いつも通りのレースになってしまった。普段まくりなら差されることはないのに悔しいですね。でも復帰戦だったしやったほうかな。明日にはつながったので」


 一方、先手を追って3番手確保の横関裕樹であったが、結局仕掛けられずに大敗を喫した。


 「あの展開で勝てなかったら勝つ展開はないですよね。勇気がでなかった。単騎はやっぱり難しい」


 小林にまくられた藤井昭吾はバックの向かい風に苦しんだ様子。


 「ホームは向かい風で軽く感じたけどバックの向かい風で…。力も足りなかったですね」

2R

 赤板で押さえにきた窓場千加頼を掬って小酒大勇が一旦前に出るが、そこを叩いた片折亮太が打鐘から先制。片折は出切ってから緩急踏み分けてペース駆けに持ち込むと、別線の反撃は一息で、巧妙に逃げ切り勝ちを決めた。


 「先頭に立って風が強くてキツくて、流して流してペースに入れて何とか逃げ切れましたね。明日以降も逃げて勝ち上がれるように頑張りたいです」


 片折をマークした真崎新太郎が2着。


 「どこまでいっても(片折は)抜ける感じはしなかったです。ジャンのところで口空いてしまって、小酒君が粘ってこなかったからよかったものの、もっと自在性のある選手なら粘られていたと思うしヤバかったですね」


 直線に入ると、3番手以下は大きく離れて大混戦。バック最後方も、鈴木誠が百戦錬磨の大ベテランらしく冷静に最内を突いて3着を確保。


 「4コーナーで(内が)空かなかったからヤバかったね。ただ、6番(平石浩之)が外を外すのを見ていたので、内が空くと思い踏んでいきました」

3R

選手の写真です。
上野真吾選手

 後ろ攻めから早めに動いた栗田貴徳が赤板で誘導員の後位に収まる。それを打鐘前に切った矢口啓一郎を加賀山淳が叩いて絶妙のペース配分で駆ける。番手絶好となった上野真吾(写真)が直線で鋭く差し切った。


 「加賀山さんの先行が強かったです。風が強くて、バックはキツかったと思います。最近の状態はあんまりよくなかったんですけど、悪いなりに踏めていたし、感触はよかったです」


 強風の中で力強く逃げた加賀山淳は2着。南関ラインを上位独占に導いた。


 「得意パターンになりました。風が強くてキツかったけど、ホームは追っているんで、そこで踏んだふりして、バックまで耐えれば、また伸びる。相笠(翔太)がホームで来なくてよかったです」


 一方、4番手からまくった矢口啓一郎は思うように車が進まなかった。


 「加賀山君が強かったです。バックで行けると思って行ったんですが、モコモコしていました。体は悪くないと思うけど、気温の低さと風が悪いほうに出てしまった」

4R

 復調を実感する岡崎智哉が堂々の前受け。後攻めから上昇の井上公利が岡崎を下げさせて誘導員の後ろに収まると、山崎翼が打鐘で叩いて先頭に躍り出る。しかし、岡崎も反応良く車を外に持ち出し、井上を締め込みながら中団を奪取。タイミングを窺いながら2コーナーからまくり上げた岡崎を、追走の布居寛幸がゴール寸前で捕らえて勝利した。


 「岡崎君が強かったですよ。一時に比べると戻ってますよね。自分はついて行く分には余裕もあったし、レースも見えてました。最後も待って待ってって感じで差せました」


 布居にこそ差されたが、鋭いまくりを披露した岡崎智哉が2着。


 「併走でもいいかなって思って外に持ち出したら引いてくれたのでラッキーでした。正直しんどくて感触は良くなかったけど自分の思っている以上に車は進んでくれた感じですね」  


 山崎マークの西田大志が、中近ライン3番手の光岡義洋を捌いて3着を確保した。


 「無茶苦茶重かったですね。最後はもう執念で。とりあえず3着を確保できてよかった」


 一方、地元の支部長明田春喜は中近勢のまくりに切り替え追ったが、直線踏むコースをふさがれて6着で予選敗退。


 「(井上は)あそこで下げたらダメですよね…。もう少し早く車を外に持ち出していればよかったけど…。苦しい展開でした」

5R

 中団に位置する真船圭一郎にフタをしていた酒井拳蔵が打鐘からスパート。突っ張り気味に踏み上げる服部克久を叩いて主導権を握るが、別線の動向を見極めていた真船がホームから巻き返すと、楽々まくり切って後続を引き離す圧勝劇を演じた。


 「酒井君にフタをされていたけど、結果的に別線の2人がやり合ってくれたのでまくり頃になりましたね。ホームで緩むところもあったので仕掛けていきました。バックで後ろがいないことには気付いたけど落ち着いてペースで踏めましたね」


 5番手に抜け出した服部克久がバックでまくり上げて2着。


 「ジャン過ぎのところで中途半端になってしまいましたね。引くのか突っ張るのかで迷ってしまい、ムダ脚を使っていました。勝ち上がれたけど、そのぶん後ろ(ライン3番手を固めていた原田礼)に迷惑をかけてしまいました」


 服部をマークした松尾信太郎が続いて2次予選の切符をつかんだ。


 「酒井君が来た時に服部さんが突っ張りだして、それは作戦になかったので焦ってしまいました。それでも服部さんがバックで外に踏んでくれたので何とか自分も続けましたね。前のおかげですね」

6R

選手の写真です。
坂上樹大選手

 後ろ攻めの竹内翼は別線に警戒されて赤板で動けず、打鐘前に内にもぐって上昇する。これで中団外併走の態勢となった大矢崇弘が一気に仕掛けて主導権を奪取。4番手を確保した川口公太朗は不発となったが、そのスピードをもらった坂上樹大(写真)が外を鮮やかに突き抜けた。


 「(川口は)後手にならないように突っ張って、脚を使って、ああいうレースをしてくれた。キツかったと思う。気持ちがうれしいですね。あれだけ頑張ってくれたので、2人で決めたかった。最後はタマタマだと思うけど、伸びましたね。練習の感じも調子もよくて、朝にローラーを乗った時も軽かった。このまま頑張りたいですね」


 大矢崇弘は長い距離を懸命に踏み切り、2着に粘り込んだ。


 「ラッキーでした。川口さんがあのまま駆けちゃったらヤバかったと思います。うまく先行できました。行けるところまで行こうという感じでした。とりあえず初日2着は大きいですね」


 大矢の先行を利した佐藤真一は3着に流れ込んで、二次予選に進出した。


 「(大矢は)いい先行だった。強いね。勝ち上がれてよかった」

7R

選手の写真です。
梅川風子選手

 人気を背負った梅川風子(写真)がタイミングをうかがいながら最終ホーム前からカマシを敢行。梅川を追いかけた明珍裕子と前々へと踏んだ坂口楓華で後位はもつれる形となりそのまま梅川の圧勝劇。最終的に番手を取った坂口を1車身以上離してゴール線を駆け抜けた。


 「仕掛けにくい展開にはならなかったので。カントが緩く感じたのでまくりになると届かないと思って早めに仕掛けました。風は気にならなかったですね。後ろがもつれていたけど外から加藤(恵)さんが来るのが見えて少し焦ってしまいました。でもしっかりと押し切れているので。ただ勝つだけじゃなくて魅せるレースをしていきたいので(2日目も)頑張ります」 


 同期の梅川に屈して2着の坂口楓華は悔しそうにレースを振り返る。


 「みんな梅川さんの番手を狙っていると思ったので、脚を使ってでも先行態勢に入ろうと思っていました。狙った位置は取れたけどかぶってしまったし、梅川さんが強かった。付いていくだけでキツかったです」


 2センターで車を外に持ち出した中川諒子が3着に入線。


 「かぶるのが嫌で外に持ち出したかったけど加藤さんも脚があるからずっと外にいて…。でも踏んだ感じは悪くなかったし状態はいいと思う。(2日目は)もっといい着が取れるようにしっかりと仕掛けたい」

8R

選手の写真です。
飯田よしの選手

 梅田夕貴にすくわれた尾崎睦が打鐘の2センターからカマしてホームで先頭に立つ。出切ってから軽快にペースで踏むと他を封じて末良く押し切った。


 「しっかり前に出て駆けて1着を取れているので、内容と結果共に良かったと思います。出切ってからはペースで踏めていましたね。函館は風が強いと聞いていたけど、思ったより風は気にならなかったし、1周駆けてバンクコンディションもつかめました」


 初手から尾崎を追っていた飯田よしの(写真)は加瀬加奈子との併走をしのいで2着に続いた。


 「むっちゃん(尾崎)が全開で踏んでいたら離れていたけど、そこまで全開で踏んでいなかったので付いていけました。加瀬さんが飛び付いてきて、少し悪い気もしたけど、あそこは譲れないし何とかしのげましたね」


 函館は生まれ故郷の成田可菜絵は内枠を生かせずに確定板を逃して落胆する。


 「(尾崎の後ろに)飛び付いていけませんでしたね。ホームでもう少し突っ張り気味に踏んでいけばよかったです。(3コーナーで)仕掛けていって、あそこで行かないとダメだと思ったので。ただ、めっちゃ(車が)出ないところで仕掛けていってダメでした。初日に確定板を外してショックですね」

9R

選手の写真です。
小坂知子選手

 奥井迪が危なげない逃走劇で圧倒的な人気に応えた。早めに動いて外で様子を見ながら踏み上げ、打鐘の4コーナーから先行策に出る。しっかりペースで最後まで踏み切った。


 「初日1着でまずはひと安心ですね。風もけっこうあったんですけど、無理せずしっかり自分のペースで踏めました。余裕を持って冷静に行けたと思います。ナイターはミッドナイトに比べればまだ体が楽なので頑張れます。内容も着も求めて走ります」


 奥井の後位は併走になったが、内の高橋朋恵が戸田みよ子に踏み勝つ。その後ろで脚をためていた小坂知子(写真)が直線で高橋を交わして2着に入った。


 「いい展開になりました。(山口)富生さんに回すコツを教えてもらって、回せるようになった。それがいいですね。初日2着だし、今回も成績をまとめたいです」


 奥井の後位に収まった高橋朋恵は伸びを欠いた。


 「展開がよかったですね。でも併走している時に脚を使いすぎました。最後は普通に千切れた感じになりました。脚が足りなかったです」

10R

選手の写真です。
岩本和也選手

 山本伸一が落車明けの不安を払拭するまくりを披露した。後ろ攻めから上昇してきた根本哲吏に打鐘過ぎまでフタをされる展開となったが、最終ホーム前から一気のスパート。荒澤貴史のブロックをスルリと交わしてバックで根本の抵抗をねじ伏せると、岩本和也を追撃を振り切った。


 「初手の位置取りからしてフタをされるかなって思っていましたけど、落ち着いて走れました。もうワンテンポ早くてもよかったけどしっかりとラインで決められたので。今回は練習をキツめにやって来たから少し体が重いけど、日に日に軽くなると思うので」


 2着に続いた岩本和也(写真)は山本の強さをしきり語る。


 「本当に山本君が強かったですね。こっちも精いっぱい抜きにいったけど、差が全然詰まらなかった」


 山本にまくられてしまった根本哲吏は肩を落とす。


 「作戦はいろいろと考えていたけど並び的にもフタをしてから駆けるのがいいかなって。でも望月(永悟)さんにけっこう踏まれてしまって。自分の脚質的にはドカンと駆けるよりもジワジワ駆けたほうがもう少し相手を苦しめられたかな」

11R

選手の写真です。
湊聖二選手

 後ろ攻めの箱田優樹が早めに動いて中団の戸田康平にしばらくフタをする。前で誘導員との車間を空けていた鈴木庸之は赤板の2コーナーからスピードを上げる。打鐘の4コーナーから戸田と箱田が巻き返すが、鈴木が突っ張り切る。バックで稲村成浩が戸田を弾くと、湊聖二は稲村の内を突く。後位のもつれを尻目に鈴木が逃げ切り、通算200勝のメモリアル勝利を飾った。


 「同期に言われるまで(200勝は)忘れてました。(別線が)来るのが遅かったので突っ張りました。前回(吉澤)純平さんの後ろに付いて強かったので自分もやる時はやるっていうところをみせたかった。アップの時ローラーで乗ったら重かったけど、(選手紹介の)周回中は脚が軽かったので逃げてもいいかなと思いました。逃げ切れてよかったです」


 俊敏に内を突いて稲村を弾いた湊聖二(写真)が鈴木に鋭く詰め寄った。


 「あそこまで頑張ってくれた戸田君のおかげですね。前が頑張ってくれたおかげでコースが空いてくれたし、自分は空いたコースを踏んだだけ。もう少しうまく走れば1着に届いたかもしれないけど、何とかしのいだほうですね」


 湊を巧追した室井健一が3着に入り優秀戦の切符を手にした。


 「危なかった。失格かと思った。すべては湊の判断ですよ。自分は周りが見えているし、脚の感じは悪くないです」

12R

選手の写真です。
中野彰人選手

 前受けの南潤が河村雅章の上昇を許さず赤板から突っ張り先行に出る。下げた河村が4番手、松岡孔明が7番手で打鐘、ホームを通過する。南が別線に隙を与えないペースでいって完全に近畿勢のペース。最後は番手絶好の中野彰人(写真)が粘る南をとらえた。


 「あいつ(南)が1人で全部やってくれた。(南が)踏んだら上がっていく感じでした。千切れたらアカンと思って、そこだけ集中してました。2周行ってくれたからなんとか差せました。(落車明けで)違和感はあったけど、大丈夫です」


 最後に差されたとはいえ、南潤の強さは際立っていた。


 「前を取った時点で残り2周ぐらいからなら突っ張ろうと思ってました。脚の感じは悪くなかったんですけどね。もっともがけると思っていた。新しいシューズにして、自分の感覚とちょっと違ってました。(2日目は)元のシューズに戻します」


 4番手で態勢を立て直してからまくった河村は不発となり、最終4コーナーで落車。その後ろから伸びた柴田洋輔が3着に食い込んだ。


 「河村さんが落車してしまったんでアレですけど、3着に入れたのはうれしいです。練習はしっかりやってきたんで、余裕はあったし、楽でした」

5R

選手の写真です。
戸田みよ子選手

 打鐘の2センター、6番手から仕掛けた梅川風子に合わせて加瀬加奈子が踏み込んで応戦。両者で激しい踏み合いになるが、外併走を耐えて踏み続けた梅川が最後は力でねじ伏せた。


 「行き切れるかなと思ったけど出切れなかったので、冷静に回しながらバックからもう一度踏み込んでいきました。出切れると信じて踏んでいきましたね。あまりいいレースにはならなかったけど、勝てたしバンクコンディションは初日よりよくなっていますね。一戦一戦頑張るだけです」


 もがき合いの後ろで様子を見ていた戸田みよ子(写真)が梅川に続く形で2着に入った。


 「どっちでも対応できるようにしてました。状態はよくなってます。だいぶ脚は戻ってますね。負け癖があるので、それを脱せるようにしたいですね」


 加瀬加奈子は若い梅川に真っ向勝負を挑んだ。3着とはいえ、意地は見せた。


 「力勝負していこうと思っていました。踏み合い覚悟でも先行していこうと思って踏んでいきました。力は出し切れているし、やったほうでしょう」


 一方、小坂知子は前受けから流れに乗れなかった。


 「前受けからあそこ(ホーム)で粘ってもどうしようもないと思ったけど、引いても厳しくてどうしていいのか分からなかったです」


 

6R

選手の写真です。
高橋朋恵選手

 スローペースの流れから坂口楓華が打鐘の3コーナーで一気に仕掛けて後続を引き離す。後方から踏み上げた尾崎睦が2番手をキープ。前との車間を徐々に詰めた尾崎が最終バックからまくって完勝した。


 「坂口さんが行く気配はありました。追いつける感じはあったので、力まないように考えながら踏んでました。結果はしっかり出ているし、1着で勝ち上がれているのでいいと思います。4日間の開催なので、最終日に一番いい状態に持っていけるように、しっかりケアします」


 前受けの高橋朋恵(写真)は尾崎を追う形で2着に流れ込んだ。


 「諦めないで追いかけてよかったです。坂口ちゃんのダッシュがよかったので、空いてしまった。空いたところで睦さんが来て追いかけました。はまったような感じですね。タイミングがよかったと思います。調子は大丈夫です」


 逃げた坂口楓華は後続に飲み込まれて5着まで沈んだ。


 「モヤモヤして同じ着よりも自分で動いて出し切ろうと思いました。尾崎さんの後ろに付いてきた人たちにも飲み込まれて粘れなかったです。悔しいですね」


 

7R

選手の写真です。
成田可菜絵選手

 奥井迪が初日に続いて圧巻の逃走劇を披露。赤板過ぎに5番手からジワジワと上昇を始め、内にいた中川諒子の様子を見ながら最終ホーム前から先行策に出る。そのまま他を寄せ付けずに連勝を飾った。


 「中川さんが前を取った時点で飛び付き狙いだと思ったので。だったら少しでも脚を使わせようと。ホームからはしっかり踏んで、出切ってからはペースで駆けられました」


 奥井を懸命に追いかけた飯田よしのは最終2コーナーから徐々に離されていく。3番手に収まった中川が2センターから踏み込むが、その後ろから伸びた成田可菜絵(写真)が2着に入線してホッと一息。


 「うまく切り替えられて脚をためられました。最後も伸びると思いました。もう少し動いても良かったけど勝負駆けだったので無理に動けなかった。でも結果的にいい位置が取れたので」


 3着の中川諒子は準決進出を決めながらも悔しそうにレースを振り返る。 


 「鐘過ぎに奥井さんが上に登ったので自分も上がったんですけど、内も気になって脚を使わされました。初日、2日目と2着には入りたかったけどダメでした」


 

8R

選手の写真です。
松岡孔明選手

 ここからが二次予選。後ろ攻めから早めに動いて先行態勢を取った小酒大勇が打鐘前からペースを上げる。前受けから5番手に下げた片折亮太が強引に巻き返して主導権を握る。打鐘の3コーナーで東北勢の内をすくった松岡孔明(写真)は片折の後位に飛び付く。山下渡をさばいて番手を奪った松岡が早めの追い込み勝負で混戦を断ち切った。


 「(片折は)小酒と踏み合っていたので来ないかと思ったらまさか来るとは。タイミングが合ってしまったので(山下は)同期だけど粘らせてもらいました。車は出ているし、自分向きのバンクコンディションですね」


 松岡に番手を奪われた山下は3番手で態勢を立て直す。その後ろで脚をためていた真崎新太郎が伸びて2着に。


 「ホームでゴチャゴチャしたけど、山下と連結を外さずに追走はできた。勝ち上がりが3着までなら山下の内を踏んでいたけど、4着までだったので外を踏んでいった。初日よりはマシになっている」


 松岡と連結を外した小岩大介だが外を踏み上げて3着は確保した。


 「松岡さんが引かなくて2車入られてしまい。それでも余裕はあったので、外を踏んでいきました」


 

9R

選手の写真です。
荒澤貴史選手

 後ろ攻めから早めに動いた戸田康平が前受けの加賀山淳に赤板前で並びかける。両者で併走しているところを真船圭一郎が踏み上げ、赤板の2コーナーから先行態勢を取る。戸田が4番手に収まり、7番手に加賀山で最終ホームを通過。2コーナーからまくった戸田は車が進まない。番手絶好となった荒澤貴史(写真)が直線できっちり抜け出した。


 「真船君があれだけ頑張ってくれたのに、残せないようでは本当にダメですね。反省しかないです。8番(青井賢治)がまくりに来たと思って…。うまくやれば、もう少し遅く踏めた。うれしさ2で反省が8です。(真船に)感謝しかないですね」


 北日本コンビ追走から佐藤真一が中割りで鋭く詰め寄った。


 「真船のおかげ。強かった。あれで2着に入れたからよかった。(状態は)日に日によくなっている」


 7番手に置かれた加賀山は不発となったが、最終3コーナーでインを突いた望月永悟が3着に突っ込んだ。


 「加賀山はいつも頑張ってくれる。バック数をたくさん持っている選手がいて大変だったと思う。先行できるのは1人しかいない。あとは自分がどうするかが課題。初日よりも踏めていたと思う」


 

10R

選手の写真です。
大矢崇弘選手

 後ろ攻めから上昇した箱田優樹が誘導員の後ろに収まる。打鐘で先頭に立った箱田は後方から踏み上げてきた上野真吾に合わせて一気にペースを上げて主導権。岡崎智哉が最終ホームから巻き返したが、山田敦也が強烈なブロックで止める。最後まで懸命に踏み切った箱田が逃げ切り勝ちを収めた。


 「後ろ攻めになってしまったので早めに動いて場所次第でそのまま駆けるか出させるかだと思いました。岡崎さんのスピードがすごくて行かれてしまったと思ったけど、山田さんが止めてくれたので。初日が悔しかった分、頑張れました」


 2位入線の山田は押上げにより失格。北日本コンビを追っていた上野真吾が2着に繰り上がったが、表情は冴えない。


 「勝負しようと思ったのにそれすらできなくて。脚のなさがはっきりわかるレースになってしまった。近藤(俊明)さんに入れてもらっただけで自分の力ではないですから」


 後方からまくり追い込んだ大矢崇弘(写真)が繰り上がりの3着。


 「余裕はあったし、落車がなければいけるかなって気がした。でもレースなので仕方ない。初めてGIIIの準決に進めたので頑張りたい」


 

11R

選手の写真です。
佐々木雄一選手

 打鐘で服部克久を押さえた根本哲吏が主導権を取る。根本が軽快に駆けて、4番手に服部、小林則之が7番手で最終ホームを通過。2コーナーからまくり上げた服部を佐々木雄一(写真)が軽くけん制して止めると、粘る根本をゴール前できっちりとらえた。


 「根本君の気合が入っていた。かかっていたし、強かったです。浦川(尊明)さんが付いてくれたのも大きかった。落車明けで初日は不安があったけど、2日目は落車前のセッティングに戻して」


 根本哲吏は力強い先行策でレースを支配。ラインを上位独占に導いた。


 「初日は押さえて脚を使ってから出ているのでキツかったけど、(2日目は)いい感じに駆けることができたし、ペースで踏むことができましたね。後ろには差されているけど、ワンツースリー決まっているのでいいと思う」


 前が不発の展開から西川親幸が4着に入り、勝ち上がりを決めた。


 「(服部が)もう少し遅めにいくかと思ったら、思ったより早かったですね。仕掛けてくれたおかげで自分にもチャンスができましたね。落車後の一戦としてはマシなほうです」


 

12R

選手の写真です。
南潤選手

 優秀「スターライト賞」を制したのは南潤(写真)だ。打鐘の2コーナーで先頭に立って緩めたところを山本伸一に叩かれたが、4番手で態勢を立て直してホームから力強くまくり切った。


 「しんどかったです。出切っていつもならあのまま駆けるけど、ペースを落としてしまった。まくりになって、後ろ4人いるので、無理やり行った感じです。結果1着なんですが、内容はよくないですね。しっかり修正します」


 好マークから迫った中野彰人だが、交わせなかった。それでも2日連続で後輩とワンツー決着を決めた。


 「やっぱり強いですね。最後は抜きにいったんですけどダメでした。体はそんなによくないですね」


 和歌山コンビを追走した湊聖二がしぶとく3着に流れ込んだ。


 「前が強いですね。中野君の動きをちょっと見てしまったけど、なんとか付いていけました。脚の感じは悪くないです」


 南と別線で勝負した山本伸一は思い切って駆けた。


 「しっかり出切れたのはよかったけど、すんなりまくられてしまった。もうちょっとやりあって抵抗したかったですね」


 

8R

選手の写真です。
尾崎睦選手

 ガールズの準決勝は2個レース。最初のレースは5番手の梅川風子が打鐘の2センターから一気に仕掛けて主導権を取る。前受けからこの後位に収まった尾崎睦(写真)が粘る梅川を直線で力強く抜き去った。


 「引くか突っ張るか迷ったけど、勝ち上がりなので、そこは冷静にいこうと思い引きました。あれで(梅川が)来なかったら駆けていこうと思いました。連日、冷静に周りは見えているし、内容はともなく1着が取れているのはいいですね」


 梅川風子は3日連続の先行策。尾崎に交わされたが、21走連続の連対で決勝進出を決めた。


 「まくりに構えてもよかったけど、準決なので内容重視で叩いていこうと思いました。末は甘かったけど、行けるところでしっかり行けているし、いいと思います」


 初手から尾崎の後位にいた小坂知子が前を懸命に追って決勝への切符をつかんだ。


 「あれ以上ないっていうくらいいい位置回れましたね。流れがいいし、脚の感じはいいですね」

9R

選手の写真です。
奥井迪選手

 打鐘で後方から踏み上げてきた奥井迪(写真)を前受けの加瀬加奈子が突っ張って両者で激しく踏み合う。最終2コーナーで加瀬をねじ伏せた奥井がそのまま後続を振り切り、3連勝を飾った。


 「すんなり出るよりも内側の人にも脚を使わせようと。突っ張られたけど、2コーナー過ぎには出れるようにと思ってました。合わされてると思うと焦ってしまうので、自分が合わせているという気持ちで余裕はありました。長い距離では自分が勝てると思っているので。冷静に走れたと思います。最後1走なので、体調をどうレースに持っていけるか。結果というよりは自分のレースをしたいなって。やり合ってでも勝てないと上では戦えないので、しっかり力を出し切るレースをします」


 初手から加瀬の後位で様子を見ていた坂口楓華が好展開を生かして2着に食い込んだ。


 「考えた結果、こういうレースをしようと。自力では勝てない選手もいるので、こういうレースも必要かなって。どうなるか後ろで落ち着いて客観的に見れました。脚をためられて最後は伸びたけど、差せなかった。奥井さんを簡単に出させない加瀬さんもすごかったです」


 奥井に出られた加瀬加奈子だが、懸命に踏み続けて3着に踏ん張った。


 「要所、要所で合わせて踏もうと。若い選手にいろいろ言ったりしてるんで、こういうレースもしないと。(決勝も)しっかり力を出し切ります」

10R

選手の写真です。
山下渡選手
選手の写真です。
鈴木庸之選手

 後ろ攻めから動いた鈴木庸之が赤板で先頭に立つ。前受けから後方まで下げた箱田優樹を見ながら最終ホーム前からペースを上げる。最後方から内に切り込んだ上野真吾にすくわれた鈴木だが、バックでその後位に収まると、まくり上げてきた湊聖二をブロックして追い込む。最後は上野と鈴木の間を割った山下渡(写真)が激戦を制した。


 「上野君が切り込んできて番手勝負だと思ったけど、そのまますくっていったので自分は鈴木君のマークを外さないように集中していました。最後は外もかぶっていたし、無理に外を踏んで中を割られるのが嫌だったので内を踏みました。セッティングを調整したので一番感じがよかった」


 内をすくわれても冷静に対処した鈴木庸之(写真)が関東ラインを上位独占に導いた。


 「とりあえず早めに押さえてから考えようと。あの位置で箱田君が来なかったからそのまま駆けました。上野君にすくわれたけど1車だと分かって入って態勢を整えました。あとは湊さんのまくりを止めてから抜け出そうと。全てイメージ通りに走れましたね」


 関東ライン3番手を回った真崎新太郎がしぶとく3着に入り、検車場に引き揚げて来るなり喜びを前面に押し出す。


 「やった。やったね。マジでうれしい(笑)。内を空けてしまってヤバいと思ったけど、そのあとはカバーできた。山下さんが内を空けなかったし、室井(健一)さんに降りられる前にと思って少し早いけど外を踏みました」

11R

選手の写真です。
山本伸一選手
選手の写真です。
柴田洋輔選手

 赤板の1コーナーで押さえて出た根本哲吏が別線の動きを見ながらペースを緩める。3番手に収まっていた大矢崇弘は打鐘の3コーナーから一気に前を叩いて出る。そこをすかさず山本伸一(写真)が反撃。その後位は初手から競り合いで中野彰人、小岩大介の2人とも付いていけない。東京勢をバックで抜き去った山本が後続を引き離して圧勝した。


 「動くべきところで動けているし、自分のレースはできましたね。ただ、しっかりラインで決めることができなかったのは残念です。日に日に調子は上がっているし、手応えはここ最近の中では一番いいほうですね」


 大矢の先行に乗った柴田洋輔(写真)が直線で追い込んで2着に。


 「作戦的には(車番が)ヨーロッパなので自分達のやれることはやろうと。ただ、あそこで(大矢が)行ってくれるとは。バックで1車しか来てなかったので、何とか(大矢が)残ってくれという思いで前に踏んでいきました。東京で1人は勝ち上がらないといけないという気持ちだったが、2車勝ち上がれてうれしいです」


 まくられながらも諦めずに踏んだ大矢崇弘が3着でGIII初優出を決めた。


 「迷ったけど、根本さんが流していたので叩きに行きました。けっこう踏んでいたのに(山本に)あっさり行かれてしまうとは。(GIIIで)初めての準決で、決勝に乗れているし感触はいいと思います」


 大矢に叩かれた根本哲吏は巻き返せずに終わって勝ち上がり失敗。


 「大矢君の動きが気になってペースを緩めていたところを行かれてしまいました。その後は巻き返せる感じはあったけど、中野(彰人)が外にいてかぶってしまって…」

12R

選手の写真です。
松岡孔明選手
選手の写真です。
南潤選手

 南潤の後位を巡って岩本和也と浦川尊明で初手から激しい競り合いが繰り広げられた。後ろ攻めの南は赤板の1コーナーから一気に踏み上げて主導権を握る。岩本を内に押し込んだ浦川がこれを追いかけるが、前受けの松岡孔明(写真)も飛び付く。さらに坂上樹大が追い上げて南の後位は大渋滞となったが、最内の松岡が最終ホームで番手を奪取。ハイペースで駆ける南を松岡が鋭く差し切った。


 「後ろからだと2周半から行かないと突っ張られると思って、前からにしました。引いて中団からまくろうと思っていたんですが、(南の)後ろが離れ気味だったので、もう引けなかったですね。南はバックからまたかかっていったし、強かったです。自分の状態は問題ないです」


 長い距離を踏み切った南潤(写真)は2着。人気に応えられなかったが、オール連対で決勝進出を果たした。


 「打鐘から全力で行きました。ドンから競りで松岡さんも飛び付く感じで踏んでたから、たぶん離れてるだろうなって。あとは自分のペースでいったけど脚がなかったですね。(決勝は)いいレースができれば。(デビュー最速のGIII優勝記録の更新は)展開によりますね。そんなにうまくはいかないと思います。行くべきところでしっかり行きます」


 3番手以下は前の2人にバックから離されていく。後方8番手からまくり上げた小林則之が3着に入った。


 「1本棒で前の隊列が整うような感じだったので、無理くり行きました。あの展開で(自分か望月永悟の)どっちかは(決勝に)乗れると思いました。(腰痛で)3日しか練習できてなかったのに決勝に乗れるなんて。競輪は分かんないものですね」