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決勝戦レポート
南潤(和歌山・111期)
南潤がデビュー最速のG3制覇
北の大地で新たな伝説が生まれた。南潤がデビューからわずか298日でのGIII初優勝を達成。2年前の当地記念で新山響平(107期)がマークした387日を大きく更新した。
「とりあえず優勝できて、うれしいですね。勝ちを意識してまくりとかじゃなく、いつどおりのレースをしようと思ってました。結果が出たんでよかったです」
2度目のGIII決勝の舞台。大記録のかかった一番でも迷いはなかった。打鐘前から全開スパート。同型のライバル達を豪快にねじ伏せた。
「警戒されて構えてしまうと後手を踏んでしまうので、踏み合いになっても力でその上を行こうと思ってました。大矢(崇弘)さん、鈴木(庸之)さんと踏み合って、正直、脚は残ってなかったです。(優勝は)ゴールするまでは分からなかったですね」
この優勝で7月松戸のサマーナイトフェスティバル、11月の小倉競輪祭と2つのビッグレースへの出場権利を手に入れた。ファンの注目は高まるばかりだ。
「デビューして、まだ1年足らずですからね。もっとレベルの高いところで学べると思うと楽しみです。上の人のレースを見て、いいところを吸収していきたいと思います」
新時代の旗手として、これからの競輪界を引っ張っていく。超新星の今後の活躍から目が離せない。
南の後位に飛び付いた鈴木は山本伸一をさばいて番手を奪取。その後ろでためていた山下渡が直線で鈴木を交わして2着に入った。
「(鈴木)ノブが頑張ってくれましたね。作戦としては南が叩くようだったら飛び付こうと、大矢が先制するようなら3番手を確保して先まくりと。その内のひとつの作戦がはまってくれました。自分は伸びているし、感触は悪くないけど、ノブとラインを固めてくれた真崎(新太郎)さんのおかげです。この2着は大きいですね」
鈴木庸之が選んだ戦法は飛び付き策。3着に敗れたとはいえ、持てる力と技は出し尽くした。
「あの展開ならハコ勝負と決めてました。ダッシュ勝負で番手を取ったんですが、南君がちょっと流して山本さんがまた追い上げてきたので、それを張っていっぱいでした。南君が強かったけど、頭を使ってやれることはやったので、あとは脚ですね」
大矢崇弘は初のGIII決勝で何もできずに終わってしまった。
「あの展開は想定できていたけど、流れが早くて対応できなかったです。別線を警戒するのに脚を使ってしまって…。外を踏んだ時は脚が重かったです。実力不足ですね」
レース経過
号砲で南潤が出て、そのまま山本伸一-松岡孔明で続くラインが前受け。以下は小林則之、鈴木庸之-山下渡-真崎新太郎、大矢崇弘-柴田洋輔での周回となる。
青板バックで大矢が上昇を開始。大矢は赤板前4角で誘導を下ろしてハナに立つ。南は7番手まで下がり、鈴木が3番手に。大矢が後続の動きを窺う中、2角で南がスパートし、これに合わせて鈴木もダッシュ。打鐘で鈴木の主導権へと変わるが、2センターで南が力ずくで叩いて先頭に立つ。鈴木は飛び付き策に転じ、懸命に南に続いてきた山本を2角でドカして番手を奪取。バックからは松岡がまくりに転じるが、山本を乗り越えるのに脚を使って伸びず。南を、鈴木-山下-真崎のラインが追う態勢で直線に戻るが、南は後続の追撃を許すことなく押し切った。2着には、鈴木の外を踏んで伸びた山下が入る。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 南 潤 | 和歌山 | 111期 | S2 | 12.1 | 逃切り | H B | |
2 | 8 | 山下 渡 | 茨城 | 91期 | S1 | 1B | 12 | 追込み | |
3 | 3 | 鈴木 庸之 | 新潟 | 92期 | S1 | 1W | 12.1 | マーク | |
4 | 7 | 真崎 新太郎 | 栃木 | 85期 | S2 | 3/4B | 12 | ||
5 | 9 | 松岡 孔明 | 熊本 | 91期 | S1 | 1B1/2 | 12.2 | ||
6 | 4 | 柴田 洋輔 | 東京 | 92期 | S1 | 1W | 12 | ||
7 | 6 | 大矢 崇弘 | 東京 | 107期 | S2 | 3/4W | 12.1 | ||
8 | 5 | 山本 伸一 | 京都 | 101期 | S1 | 1/2W | 12.4 | ||
9 | 2 | 小林 則之 | 静岡 | 85期 | S2 | 2B | 12.3 |