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ふくい競輪

FUKUI KEIRIN

51#

検車場レポート

  • 6/9 Wed.  (前検日)
  • 6/10 Thu.  (1日目)
  • 6/11 Fri.  (2日目)
  • 6/12 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
脇本勇希選手
 前回の前橋記念では3319着。グレードレースで初めて決勝に進出した脇本勇希(写真)が、地元GIIIのオープニングを務める。
 「(予備から上がったのは)前検日の2日前くらいですかね。もう呼ばれるんじゃないかと思って、調整はしてました。(前回の前橋は)たまたまっていうところもあるんで、自信になっているとかはない。ただリズムはいいと思います。1レースの1番車ってことで期待をされていると思いますけど、(4月の)川崎で(1レース1番車で)とんでるので嫌な思い出がある。でも、地元なんで頑張ります」
 渡邉晴智は前回の地元、静岡FIの初日に遅まきながら今年の初勝利を挙げた。
 「(静岡の1着が)キッカケで気持ちが楽になりました。(初日は)南関の3人で頑張りますよ」

2R

選手の写真です。
小原佑太選手
 小原佑太(写真)は、競技のトラックネイションズカップ香港大会で海外遠征。前回の高松FIから、およそ2カ月ぶりの実戦となる。
 「香港でネイションズカップがあって、そのあと(帰国してからの)隔離とかもあった。それでも自主練習もできたし、そのあとも1週間、練習ができた。ただ、ウエートトレーニングが1カ月くらいできてなくて、それ(今回はウエートトレーニングをやって)の疲れが残っているところもあります」
 近況、コンスタントに白星を重ねている吉本卓仁は、橋本瑠偉に前を委ねて自然体。
 「(橋本が)ちょっとでも外して踏んでくれれば。自分はスピードが8割方戻っている。でも、昔みたいに長い距離をモガける脚がないですね。そういう感覚を忘れている。スランプが長かったんで、脚が戻っている感じがあっても自信がない」

3R

 前回の前橋記念5677着と一息だった木村幸希だが、前々回の松阪FIは初日予選、準決を連勝した。
 「内容はないけど、点数だけ(上がってる)って感じですね。うまいというかセコく。無理はしないできっちり勝ち上がりの着順を取れるようにとは思っている。力がついて、無理やりでも(仕掛けて)行けるようになればいいんですけど、他力本願ですね」
 同タイプの伊早坂駿一を意識しながら、藤井昭吾が口を開く。
 「(初日は)伊早坂君もいるけど、先行してどれだけ残れるかっていうレースをしたい。(福井は)地元だと思って、ここを意識して練習をしてきました。(前回の)岸和田からはそんなに時間もなかったので、調整をしてきました」

4R

選手の写真です。
伊原克彦選手
 優勝こそないものの、FIシリーズでは高い確率で優出を遂げている伊原克彦(写真)は、前回の岸和田FIの決勝でもタッグを組んだ川村晃司を引き連れて一次予選に臨む。
 「(前回の決勝は)展開的にも厳しかったですね。あのレースでこうしてはダメだっていうのがわかったんで、そこは収穫でした。(地元の)ここに向けてやってきたぶん、(前回が終わってからは)調整しながら合わせてきた」
 河合佑弥は復調の手応えを感じながら先を見据える。
 「以前はレースに参加できてないところもあって、もどかしいのが続いてた。いまは自分の力を出せているので、あとはその力を上げていくだけです。(競走得点も)じわじわ上がっているので、このまま上げていきたい」

5R

 末木浩二は3場所前の弥彦FIを3連勝。S級初Vを飾ると、3度確定板にあがった函館記念を挟んで前回の松戸FIを2勝している。
 「状態はすごくいいです。ここ(福井)は初めてですけど、あんまり競輪場の好き嫌いはないですね。流れがいいので、自力でしっかりと勝ち上がれるように」
 直近の2場所はFIシリーズで成績をまとめている佐伯亮輔だが、9車立てのGIIIに笑みを浮かべる。
 「やっぱり7車立てだと、(別線に)すんなり4番手で脚をためられてまくられたりしてしまう。自分は9車立ての方が。(3場所前の1545着だった)西武園記念を上回れるレースをしたい」

6R

選手の写真です。
本郷雄三選手
 前回の京王閣FIでは途中欠場の岡崎智哉(写真)だが、フレームを戻した今回はいつも通りのパフォーマンスが期待できる。
 「練習の感覚がだいぶ(レースで)出るようになった。前回に関してはコンセプトをガラリと変えた新車がうまくいかなかった。(今回は)元に戻した慣れたフレームにしました」
 磯川勝裕は、中3日の強行ローテでも変らずを強調する。
 「(体調は)浮き沈みがない方なので大丈夫です。磯田(旭)さんとは前回の2日目に連係(ワンツー)してるんで、2車のラインでも先行基本です。レースが続いてるんで、自分のテンション的にもいいと思います」

7R

 決勝に進んだ4月奈良以来のグレードレースになる吉田茂生は、GIII連続優出に好スタートを切りたい。
 「(初日は)コマ切れなんで、いい位置を取って、いいところで仕掛けたい。(4月の川崎で)落車をしてから心配はしていたけど、だいぶいい感じでここまできた。先行もできてのこの感じなんで、初日も早めでもいいところで仕掛けられれば」
 大川龍二は近況まくりの決まり手が突出しているように、自力を増やしている。
 「(最近は)うまくいってますね。7車立てだったりとか、時代の流れだったりで、去年、一昨年の戦い方だとじきにヤバくなるなと。タテ脚がないとダメだなって。(競走得点が)97点くらいまで落ちた時に、ここっていうところで(タテ脚が)出なかった。それで(タテ脚を出せるような)練習を中心にやっている」

8R

 GIIIではまだまだ結果が残せていない青野将大は、師匠の小原太樹やS級S班の郡司浩平との練習で多くを吸収してシリーズに生かしたい。
 「いつも通り、師匠だったり郡司浩平さんと練習をしてきて悪くないです。郡司さんは練習でもやはり抜けている。そこに混ざることはできるけど、まだ全然ですね。自分は地脚なんでダッシュが課題ですけど、郡司さんと練習していたらダッシュもどんどんついてくる。S班の方が身近にいるのはありがたいことです」
 薦田将伍は3月の宇都宮FIで落車に見舞われると、その後に練習でも落車。長期欠場を強いられた。
 「練習している時に落車があって、それで肩甲骨と坐骨の骨折しました。でも、1カ月以上、練習ができてるんでいいと思います」

9R

選手の写真です。
松岡辰泰選手
 松岡辰泰(写真)は、前々回の名古屋FIを3連勝でS級初優勝。が、続く久留米FIは516着。
 「名古屋の優勝とその前の武雄記念で準決までいったんで、それで運を使っちゃいました(笑)。今回はいいかなと思うので頑張りたい。福井は初めてなんで(指定練習で)乗ってみてからですね」
 堀内俊介は前回の広島、全プロ記念23着から中9日。
 「練習はできました。いつも通りかちょっと強めくらいにやってきました。落車をして感じが良くなかった時もあるけど、それから少しずつ良くなっている。ただ、内容的にはマイチなところもあります」

10R

選手の写真です。
小森貴大選手
 ケレン味のない走りが持ち味の小森貴大(写真)は、地元シリーズでもそこを意識しながらコメントする。
 「積極的には走れているし、(初日も)しっかりと積極的に主導権を取りにいきたい。去年(福井記念が)追加で入ったけど、初日に落車したんでリベンジというかしっかり1走、1走を頑張ります」
 中3日でも近藤夏樹は、例によって淡々としたもの。
 「(中3日で)松戸に入って、あとはウエートトレーニングを1回やったくらいですね。期間が短かったんで、あとは調整です。小森君が積極的なイメージがあるんで、後方にならないようにしたい」

11R

 中20日と前回から間隔が空いた渡辺十夢は、体を極限まで絞って地元のGIIIを迎える。
 「(16年に)近畿の地区プロで1000メートルを優勝した時は、1000メートル仕様にして絞ってたけど、今回は練習でかなり追い込んで自然に体重が落ちた。体重はその時と同じくらいです。練習は納得しているけど、どれくらいの調子なのかは、(レース間隔も)空きすぎてわからないところもある。今回は僕にも(優勝の)チャンスがあるようなメンバーなんでめっちゃ緊張しています」
 ここ3場所のFIシリーズでまずまずの成績を残している小玉拓真は、自転車とのマッチングにも手応えをつかんでいる様子だ。
 「今年に入って新車を使ってたんですけど、ずっとセッティングが出てなかった。それが岸和田くらいから出だして、岸和田が一番良かった。だから、今回はいじらずにきました。体調はずっといい方なんで、あとはタイミングですね」

12R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 京王閣ダービーのあとは松阪FI、岸和田FIでともに初日特選、準決を連勝。優勝にはつながっていない柴崎淳(写真)の状態はどうか。
 「どうですかね、前の選手の頑張りが大きい。それで成績が出せている。自分が前でやる時は、もうちょっとほしいかなっていうのがあります。(初日に連係する山田諒とは)1回ワンツーを決めているし、(相性は)悪くないと思います」
 2月末の平記念でGIII初優勝を遂げた鷲田佳史が、地元でただ一人特選からスタートを切る。
 「ここのあっ旋が出てから、ここに向けてやってきた。5月は散々な内容でお客さんと選手に迷惑を掛けてしまいました。地元はFIでも記念でも気持ちが入るし、今回は中3日なんで5月に練習をしたことが少しでもでるように調整をしてきました」

1R

 前受けの脇本勇希は、6番手まで下げて隊列は一本棒。先行態勢を取っていた成松春樹が、打鐘の4コーナーからペースを上げて駆ける。脇本が最終1センターからまくりを打つと、3番手の藤田大輔も合わせて出る。伊代野貴照はインに潜り込み、脇本を伊藤正樹が追いかける。藤田は不発で、その上を踏んだ脇本が逃げる成松をとらえて1着。地元シリーズのオープニングを制した。
 「本当はジャンから行きたかったけど、1レース1番車でめっちゃ緊張して力が入らなかった。それでまくりに構えてしまった。巻き返せずに、後ろに申し訳ないことをした。(もう一度最終の)3コーナーで踏み込めたので行けるとは思ったけど全然ダメです。脚の感じは悪くない。でも、回し切れてない」
 最終2コーナーで伊代野がインを進出して、ライン3番手の伊藤正樹が脇本の番手に追い上げて流れ込んだ。
 「伊代野君が内に行って苦しくなったけど、追いついて、合流できたので良かった。(脇本は)バックで止まったと思ったけど、また進んでくれましたね」

2R

 小原佑太も抵抗するが、福岡コンビを連れた橋本瑠偉が強引に押さえて出る。打鐘で関東勢が中団に追い上げて、小原は6番手でレースが流れる。最終2コーナー手前から小原、合わせて一戸康宏が仕掛けるが、逃げる橋本との車間を空けていた吉本卓仁が、番手まくりで中園和剛を引き込んで勝ち切った。
 「あの展開も考えてたけど、あそこまで(橋本が)頑張ってくれるとは。気持ちがうれしかった。(橋本が)赤板から踏んだんで自分もキツかった。前検日からおかしかったし、(初日も)ちょっと重いですね。ただ、前検日よりは良かったんで(日に日に)良くなってくるんじゃないかと」
 赤板1コーナーの踏み出しでは遅れかけた中園和剛だったが、難なく追いつきソツなく流れ込んだ。
 「橋本の気持ちが強かったし、(吉本)卓仁もあそこまでいったら勝たなきゃっていう責任感もあった。僕は付いていくのが仕事ですから。(福井に)来る前の状態は、今年一番くらいに良かった」

3R

選手の写真です。
木村幸希選手
 藤井昭吾を警戒しながら赤板2コーナーで踏み込んだ伊早坂駿一が、主導権を握る。木村幸希(写真)が4番手を確保して一本棒。伊早坂が飛ばして、別線はなかなか動けない。最終3コーナーから踏んだ藤井は前が遠い。木村がまくり追い込みで突き抜けた。
 「伊早坂君がピューンと行って、(最終)2コーナーで行ければ良かったが、強くて行けなかった。藤井さんが来たら行こうと思ったけど、来なかったので自分の行けるところででしたね。もうちょっと長い距離をいければ良かった」
 木村マークの堤洋は、直線で中のコースを踏んで2着。
 「木村君は中団、中団を取ってくれたからね。前が掛かっていて(木村が)行かなかったけど、スピードに乗せてもらったらと思っていた。そしたら止まった感じがしたので、内に行った。バンクは軽い感じがしたので調子はいいと思う」

4R

選手の写真です。
川村晃司選手
 嶋田誠也を押さえた河合佑弥が、打鐘手前で先頭に立つ。河合がそのままペースを握り、6番手の伊原克彦は最終2コーナー手前から仕掛ける。金田健一郎は付け切れないが、伊原がスピードの違いで前団をのみ込んで川村晃司(写真)が続く。両者のゴール勝負は、川村が半車輪交わして1着。
 「幸先いいスタートが切れました。展開がどうなるかわからなかったけど、僕はカツ(伊原)に離れないように。どこからでも行ける雰囲気がありましたね。脚の調子も問題ないし、自力の方でも調子も上がっている」
 6番手から抜群の加速力を披露した伊原克彦が、まくりでの川村とのワンツーを振り返る。
 「川村さんとワンツーが決まったんで良かった。前も結構、踏み上げていたんで、積極的に行こうと思ってたけど結局、6番手に置かれた。できれば先行したかった、カマしたくて。それが(タイミング的に)ちょっとズレたかなと。調子自体は普通です。あとは結果を気にすることなく、仕掛けどころで自分の力を出し惜しみしなければ」

5R

 佐伯亮輔が末木浩二を赤板の2コーナーで押さえて、絶妙なペースで駆ける。7番手に置かれた伊藤稔真は、車間が空いて動けない。最終2コーナー過ぎから踏んだ4番手の末木が、まくりで中四国ラインをとらえる。小林大介は池田良にからまれて、末木が後続をちぎって快勝。
 「あのタイミングなら(佐伯を)出すけど、もう少し遅ければ突っ張るところでしたね。一番いい展開になりました。仕掛けたのは(最終)2コーナーくらいから。最近は調子がいいと思っていたけど、ここに来る前の練習でも良かったのでそれがわかって良かった」
 小林を外に張った池田がバランスを崩して、中のコースを踏んだ上田学が2着に伸びた。
 「ずっと突っかけていたので、(池田)良がもっていったあとに前に踏んでくれたらよかったけど、2回目の4コーナーのところは待てなかった。今月からウエートトレーニングを始めて3.93のギアを踏んでも踏み遅れていない。いままでは86でやっていたけど93も踏めた」

6R

選手の写真です。
酒井拳蔵選手
 関東勢が主導権を握り、中団が北日本ラインと九州コンビで併走。後方で反撃のタイミングをうかがっていた岡崎智哉は、最終2コーナーから踏み込む。本郷雄三もまくり、磯田旭は逃げる磯川勝裕の内から抜け出すが、岡崎が豪快に前団をとらえて大阪2人のゴール勝負。番手を回った酒井拳蔵(写真)が、岡崎を差し切った。
 「岡崎さんのおかげですね。抜いた感じはなかったです。付いていくのに脚を使ったけど、踏んだのは最後だけだったので、(感触は)あんまりわからない。ただ、調子は悪くないのかと」
 後輩には交わされた岡崎智哉だが、前回、途中欠場の不安を払しょくした。
 「フレームを換えた前回が感じ良くなかったんで、今回は戻しました。2着なんでそんな大きなことは言えませんが、余裕はありました。感覚的にはいつでも踏めるところで回していました。後輩の前を回っている以上、絶対に失敗できなかった。ここ最近のなかで一番いい感触です」

7R

選手の写真です。
望月永悟選手
 打鐘で染谷幸喜が飛び出して、望月永悟(写真)、山田和巧まで出切る。南関ラインを受けた吉田茂生は中団に入る。後方に置かれた庄子信弘がインを進出して、6番手で大川龍二と庄子が併走になる。好位にいた吉田はなかなか仕掛けず、最終2センターでようやく外に持ち出す。逃げる染谷の掛かりも良く、番手の望月がゴール前でわずかに抜け出した。
 「楽なレースではなかったですね。僕はなにもしていないけど、後ろを確認する余裕はあった。(吉田の追い込みは)仕事のできる位置ではなかった。みんなそうだと思うけど、この暑さでまいっている。バンクはもっと熱いですよ。競輪は9車がいいですね」
 4番手確保の吉田茂生は、直線で伸びるも2着まで。
 「スタートでいい位置が取れて、切っていい位置も取れたけど重かった。内を締めながらでバンクが重いのもあるけど、前回の岸和田は状態が良かっただけに、それと同じ感じで踏んだらあれって思った」

8R

 7番手の薦田将伍は動けず、青野将大が先行の腹を固めて徐々にペースを上げて風を切る。切り替えた室井竜二が最終ホームで山田裕哉をさばいてもつれるが、長尾拳太は4番手をすんなり。2コーナー手前からのまくりで、長尾が前団を仕留めた。
 「わりとすんなり(中団が)取れた。ただ(レースのなかで)動きが1回しかなかったし、(青野は)戦ったことがない相手だったんで、どのくらい掛かっていくのかなと。自分としてはしっかり戦えたんで、引き続き状態は悪くないです」
 長尾後位を奪取の室井だがまくりには付け切れず、逃げた青野将大が2着に粘り込んだ。
 「自分が切ったあとに(別線の)来る場所によっては、行かせてもと思ってました。来なかったんで先行になるかと。初日が得意じゃないというか、毎回フワフワする感じがある。明日(2日目)以降は、良くなるとは思うんですけど。今日も先行といえるのか…、飛び付きみたいで(内容が)良くなかったですね」

9R

 堀内俊介が先行態勢を取ると、池野健太が番手に飛び付いて隊列が短くなる。展開が向いた松岡辰泰は、最終ホーム手前からスパート。合わせる堀内をロングまくりでねじ伏せた松岡を、合志正臣が余裕をもって交わした。
 「(松岡は)レースの組み立てとしてはまだまだですね。3番手を取るか、モガき合わせるかっていう形にもっていくのが理想のレースだと思う。脚があるから勝てるけど、これから上位を相手で点数で5点以上、上の選手に戦えるようにですね」
 人気の熊本ワンツー決着で松岡辰泰は2着。
 「(池野が)粘っていたんで緩んだところから行った。(堀内に)合わせられたけど、出切ってからはペースで踏めた。(合志とは)初めてワンツーができたのでホッとした」

10R

選手の写真です。
西岡正一選手
 赤板2コーナーから迷うことなく踏み込んだ小森貴大が、走りなれたホームバンクでレースを支配する。4番手に飛び付いた高橋陽介、7番手の近藤夏樹はともにクギ付けで最終バックを通過。番手の西岡正一(写真)が、チャンスをモノにした。
 「思い描いた通りの展開。サイコーの展開でした。(小森は)要所、要所でうまいこと踏んでいたんで、まくられないかなと。ただ、まくり追い込みが来たらと思って車間は空けていた。思った以上に(小森が)踏み直していたんで、差せるかは微妙でした。(前回が落車で)体もケアをして、練習の感じもコケる前よりも良かった。(2日目からも)楽しみです」
 ラインの3車で上位を独占。持ち前の先行力を地元でアピールした小森貴大が、内容のあるレースで二次予選に進んだ。
 「(出てからは)自分のペースで行こうと。そこからは流すつもりはなかった。駆けていてある程度は、イケるかなっていう感覚はありました。今回から脇本勇希のフレームで、練習でやったらすごく良かった。練習で出てたんで、いつも通りに走れば競走でも出るんじゃないかと。あとはもうちょっとセッティングの部分で煮詰めるところはあります」

11R

選手の写真です。
小玉拓真選手
 福永大智が押さえて出て中近ラインのペースかに思われたが、インから盛り返した佐藤一伸が番手の渡辺十夢の横まで押し上げる。もつれた絶好のタイミングを逃さずに小玉拓真(写真)がカマす。西田雅志のブロックにも助けられた小玉は、後続の追撃を振り切って1着。
 「前々回からセッティングを思い切って変えて、それが出ていますね。練習でもタイムが出ているし、それが競走でも出せるようになった。バックが向かい風でスピードが落ちるところで行きたかったし、隊列が短くなったから、いいところで行けた。長い距離を踏んで1着が取れたので踏めている」
 一発で佐藤をキメて番手キープの渡辺十夢は、福永をけん制した西田の内から伸びた。
 「地元で粘られるなんて恥ずかしい、そこに来られる時点で…。小玉は調子が良さそうですね。(福永は)中団に飛び付いてからだった、あの仕掛けで仕方ない。しっかり練習はやってきたけど、思ったほど伸びてはない」

12R

選手の写真です。
野田源一選手
 野田源一(写真)、単騎の小原太樹の順番で切ったところを中部勢が出るが、その上を高久保雄介が叩いて先行策。菊地圭尚が3番手に追い上げて、山田との併走で最終ホームを通過する。8番手の野田は、1センターからまくって合わせる小原を乗り越え、近畿勢をとらえた。
 「自分でしっかりと切ってと。そしたら山田(諒)が来るでしょうし。高久保とモガき合いになるかと思ったら、(高久保が)簡単に(主導権を取った)。菊地が追い上げてくれたんで、小原に合わされても、もう行くしかないなっていう感じでした。一時よりも状態はいいと思うんで、自転車も伸びていった」
 鷲田佳史との2着争いを制した島田竜二は、汗をぬぐいホッと一息つく。
 「踏み出しは大丈夫だったけど、加速がキツくて腰が外れるかと思った(笑)。(鷲田に)ヒジを掛けにいこうとしたらスカってキツかった」
 逃げた高久保はいっぱい。野田のまくりに合わせるように踏んだ鷲田佳史だったが3着。
 「高久保君は(5月の)向日町の初日に山田君にやられているのと、自分が地元っていうので相当オーバーピッチだった。野田さんは近況好調だし、僕もできるかぎりと思ったけど、高久保君に申し訳なかった。自分は4月の状態には戻ってると思います」

6R

選手の写真です。
堤洋選手
 3番手の藤井昭吾にフタをした山田諒が、ギリギリまで仕掛けを我慢してから踏んで打鐘手前で主導権を握る。中部ラインに中田雄喜が続いて、藤井は3コーナー過ぎからすかさず巻き返す。最終ホームを通過して、藤井は宮越孝治のブロックで不発。自力に転じた川村晃司の上を小玉拓真がまくるも2センターでいっぱい。小玉マークの堤洋(写真)が、中のコースを鋭く伸びた。
 「小玉君は(最終)ホームくらいから仕掛けるっていう感じだった。内に川村君もいたし、どうかなと思ったらのみ込んでいったんで強かった。小玉君が止まったんで、自分はコースを探してですね。調子もいい」
 逃げた山田を利した宮越孝治が2着。
 「ホームの風が向かいで(山田は)ちょっとモタついている感じもあったけど、バックからは伸びていった。体調はいいし、練習の成果が出ている。堤さんは思い切り踏み込める位置だったんで、あれは仕方がないですね」

7R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 打鐘手前で先頭に立った染谷幸喜がペースを上げて、巻き返した小森貴大はいったん空いた4番手に入って最終ホームを通過する。1センター過ぎから小森がまくるが、渡部幸訓(写真)が張りながらバックで踏み込む。逃げた染谷を利した渡部が、早めの追い込みで抜け出して小野大介と福島ワンツー。
 「(染谷が)頑張ってくれたのに、技量不足でした。一発もっていって、その時にスピード差があったので、もう1回いくべきでした。自分と小野はワンツーだったけど、染谷君を残せなかった。脚も気持ちも好調だけに、そういうところが今後の課題」
 ゴール前で渡部に並んだ小野大介は、8分の1輪差の2着。
 「前の渡部さんの判断で出ていったんだと思う。自分は落ち着いて、外、内を見ていた。抜ければ良かったですけどね。自分の調子よりも先行してくれた染谷君のおかげです」

8R

選手の写真です。
吉本卓仁選手
 7番手まで引きかけた脇本勇希が、中部勢の内から盛り返して仕掛けるが、堀内俊介も抵抗する。強引に主導権を奪った脇本後位に堀内が飛び付き、酒井拳蔵と併走。西岡正一は付け切れない。前団がもつれて5番手で車間を空けていた吉本卓仁(写真)が、一気のまくりで快勝。連勝で準決に進んだ。
 「まくれて良かったです。(堀内は)あんなにやり合うイメージはなかった。自分は最初の位置取りに失敗して、(周回中で)後方になった時点で変に中団にこだわってまくり不発になるより後方から(仕掛けよう)っていうのがあった。前検日が最悪の状態で入ったんで、前検日、初日に比べたら全然いい。間に合ったっていう言い方がいいのか。そこが悪かったぶん、良く感じますね」
 危なげなく続いた合志正臣だが、準決以降を見据えてこう振り返る。
 「5、6番手があれば(吉本)卓仁が仕掛けるから、自分にも権利はあるかなと。卓仁を信頼してるし、ワンツーだったんで良かった。ただ、あの伸びだといまの自分のセッティングじゃ嫌だなっていうのがあった。脚は問題ないけど、セッティングですね。(3日目以降に)ゲンちゃん(野田源一)と一緒になったらこれはキツいなっていうのがある。(このあと)そこをさわろうかと」

9R

選手の写真です。
野田源一選手
 一戸康宏も合わせて踏み上げるが、打鐘の2センターから反撃に出た岡崎智哉がねじ伏せる。岡崎ラインに反応して踏んだ野田源一(写真)が、望月永悟に張られて、7番手で立て直す。消耗してピンチかに思われた野田だったが、最終3コーナーからもう一度まくって抜け出した。
 「一発もらって万事休すだったけど、伊原が車間を空けていたから詰まっていったのでまた行けた。脚は悪くない。でも、組み立てが良くない。最終バックでは中団以内にいるように組み立てないと。9割終わったところからだった。でも、思った以上に出た」
 一戸が叩かれると近畿勢にスイッチした小林大介は、布居寛幸、さらに外をけん制した伊原克彦の内を突いて2着に追い込んだ。
 「最後は踏み上がらずに、スピード差で(野田に)行かれましたね。ギリギリの戦い。まだ物足りないし、まだまだ底上げをしていかないと」

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 じわりと先頭に立った青野将大がペースを握り、吉田茂生は6番手に構えて反撃のタイミングをうかがう。最終ホーム過ぎに単騎の菊地圭尚が最後方からインを進出すると、吉田が2コーナー手前からまくりを打つ。逃げる青野を吉田が4コーナーでとらえて、続いた柴崎淳(写真)が余裕をもって交わした。
 「苦しい感じもなかったし、昨日(初日)に比べたら全然、力を出し切れた。(前々回の)松阪から(配分の間隔が)詰まってたんでレース勘というか、レース脚みたいのはアタリが続いたままで前回、前々回と変わらない。ただ、本当のいいころからするとまだ6割くらいですかね」
 青野が徐々にペースを上げて逃げるが、吉田茂生がまくりで仕留めて中部ラインでの上位独占をメイクした。
 「2分戦みたいな形だったし、(柴崎)淳さんも落ち着いてやればっていう感じでした。(最終)ホームで行こうかと思ったけど、まくれるかなと思ったんで構えさせてもらった。(菊地)圭尚さんが(内から)来るだろうっていうのもあったんで、そこも問題なかったです」

11R

選手の写真です。
西田雅志選手
 赤板2コーナーから山降ろし気味に踏んだ佐伯亮輔が、先行策に出る。4番手を確保した福永大智は最終2コーナーからまくるが、室井竜二のブロックでスピードが鈍る。番手の西田雅志(写真)が、逃げる佐伯を利して追い込んだ。
 「(佐伯が)風が強いなかで仕掛けてくれたおかげです。昨日(初日)は割られているし、今日は割られてはいかんと思っていた。ホームが向かい風だからゴール前も風が強くて必死に踏んでいっぱい、いっぱい。今回は状態と展開がいい」
 福永は不発。冷静に脚をためてコースを選んだ鷲田佳史は、2着で地元シリーズを勝ち上がった。
 「(福永が)止まってから見て、3コーナーで行こうと思った。(三谷)政史さんが入っていったので、どうなるかも見ていたので冷静でしたね。最後の最後に直線で踏んで自転車は進んだし、昨日よりは感じがいい」

12R

選手の写真です。
末木浩二選手
 押さえて出た高久保雄介がペースを落として、末木浩二(写真)が難なく打鐘の3コーナーで主導権を握る。波をつくりながら加速していった末木の掛かりがいい。4番手の高久保は、最終バックを通過しても空いた車間がなかなか詰まらない。番手から追い込む稲村成浩を微差で退けた末木が1着。
 「高久保さんが僕のところでフタをするのかと思ったけど、すぐにいったんで出させてくれるかと。今日(2日目)は風が強くて先行が決まってなかったんで、(逆に)積極的に行ってみようかと。(そうすれば)脚を使わないで先行ができるかなっていうのもあった。(最終)バックでもう1回踏み上がるようにして、4コーナーを回って残れるかと」
 関東ラインでの上位独占。稲村成浩は末木を称えて笑みを浮かべる。
 「彼(末木)は去年からレベルがだいぶ上がっていて、会うたび、会うたびに強くなっている。今日もすごく力を出し切るレースをしてくれた。同期の金子(真也)も固めてくれたし、オジサン2人が付いていたから、彼もプレッシャーがあったんじゃないですかね(笑)」

10R

選手の写真です。
柴崎淳選手
選手の写真です。
小林大介選手
 中団の佐伯亮輔にフタをしてから再度踏んだ山田諒が、打鐘の3コーナーで主導権を握る。中部ライン3車で出切り、山田が一息つくと佐伯も反撃に出る。最終1センター過ぎに佐伯を振った柴崎淳(写真)は、後続との間合いを計り番手から出る。後位の伊藤正樹はキメられて続けないが、柴崎がそのまま押し切って1着。
 「(山田は)休むところがなかったと思うし、8番(佐伯)も来ていた。それで止まりそうにないと。番手から出るのも、見た目以上に脚力を使う。勢いが死んでる状態から踏み上げていくのはキツいけど、そこまで(感じは)悪くない」
 柴崎のけん制で佐伯のスピードが鈍ると、池田良が柴崎にスイッチして2着に流れ込んだ。
 「佐伯はいつも期待以上のレースをしてくれる。(柴崎にスイッチは)ちょっと早いかと思ったけど、そこしかなかった。自分も着以上に(いい)雰囲気がある」
 最終バック手前から切り替えた小林大介(写真)が、堤洋との3着争いを制した。
 「(山田に)中途半端なところで出られて、末木(浩二)も難しかったと思う。日に日に良くなってる感じもある。こういうところで(ギリギリでも決勝に乗れるのは)大きい。点数がこれ以上、上にいくか、このままかの分かれ目だから」

11R

選手の写真です。
鷲田佳史選手
選手の写真です。
吉田茂生選手
 松岡辰泰が、4番手の吉田茂生に併せ込んでフタをした状態で赤板を通過する。2コーナーを過ぎてようやく松岡は踏み込むが、前受けの渡部幸訓が飛び付いて隊列が短くなる。すかさず吉田が仕掛ける。稲村成浩は離れて、最終2コーナーで松岡をとらえた吉田に鷲田佳史(写真)が続く。鷲田は別線の中割りを警戒しながら抜かりなく抜け出して、地元シリーズで決勝進出を果たした。
 「(吉田は)出足のスピードがいい選手なので、極限に集中していった。シゲ(吉田)は脚を使っていたけど、自分で残った感じですね。自分は振られた時に外を回る対処や、あんまり早く踏むと後ろを連れ込むこともある。そのあたりは冷静だった。(状態は)なんとか間に合いましたね」
 ロングまくりで別線をのみ込んだ吉田茂生(写真)が2着。
 「行くべきところで、すかさず行けた。自分が出切らないと、鷲田さん(の権利)もなくなってしまうので。2コーナーの下りで伸びたから、バックからサドルがささっているように踏んでだ力でどこまでもつかでした。低速からの出足は苦手だけど、スピードは出たし余裕はある」
 目標不在の渡部幸訓は、九州ライン分断策から追い込んだ。
 「同期の(吉本)卓仁のところは一番いきたくないところだったけど、松岡君が流していた。それで卓仁と併走になった。あれが逆で鷲田だったとしても、もう(横に)いくしかない。反省点はあるけど、前々に攻められた」

12R

選手の写真です。
野田源一選手
選手の写真です。
合志正臣選手
 赤板1センターで切って出た伊原克彦は、長尾拳太の仕掛けに合わせてペースアップする。それでも長尾が叩くと、伊原は番手に飛び付く。宮越孝治が連結を外して、最終ホームでは5番手の野田源一(写真)に流れが向く。野田が2コーナーまくりであっさり前団を仕留めて、前回の岸和田FIからの連勝を5に伸ばした。
 「伊原君がヤル気だったですね。あれで(長尾を)出させるようなら、自分は一発早めに仕掛けようと思っていた。そしたらやり合っていたんで、合志さんと決まるようにタイミングをみてだった。展開上もいい形だったんでまくり返すことができました。昨日(2日目)が一番重くて、一番の山場になるかなと思っていた。今日は軽かったんで、決勝でもっと軽くなればいいんですけど」
 ソツなく続いた合志正臣(写真)は、野田に1車身差のままの2着。
 「(自分たちが)前受けさせられる可能性もあるかなと思った。そしたら後ろでレースが始まると思ったけど、伊原君が切って踏んだんで展開が良くなりました。今日で野田君の初速とか後半の掛かりがどんな感じか確認できたし、明日(決勝)は精いっぱい抜きにいきます」
 周回中から終始、九州コンビの後ろにいた単騎の磯田旭が3着に入った。
 「(作戦は)とくになかったですね。(九州ラインを追走したのは)たまたまです。疲れはあるんですけど、(決勝も)頑張ります」