KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

ふくい競輪

FUKUI KEIRIN

51#

検車場レポート

  • 7/21 Fri.  (前検日)
  • 7/22 Sat.  (1日目)
  • 7/23 Sun.  (2日目)
  • 7/24 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
西村光太選手

 開幕戦から傑出者が不在で混戦となるが、戦法多彩な西村光太(写真)がややリード。今年前半戦は好調も、後半初戦の7月武雄では586着といきなり大叩きしており、楽観視はできない。


 「前回は体調が悪かったというか、急に暑くなってフラフラしてしまって。毎年、暑いこの時期は苦手なんですよね。明日は1レースでまだ涼しいからよかった。脚の問題ではないので大丈夫だと思います。何でもやっていくスタイルを崩さないように、しっかり前々に攻めたいと思います」


 対戦するのは2段駆けの布陣を敷く北日本ライン。先導役の高木翔は、S級復帰戦の7月富山は559着と今ひとつ。レース感覚を見直し、再スタートを切る。


 「前回はひどかったですね。レースについていけてなかった。でも、何でなのか分かってるので、そこだけ修正して。打鐘で(前を)切るスピードだとか、ポイントポイントで。福井は暑いけど、気温が高い方が身体は動くので」


 

2R

選手の写真です。
鷲田幸司選手

 地元勢の先陣を切るのは鷲田幸司(写真)と堂村知哉。天性のダッシュを誇る永井清史を目標に、一次予選突破を目指す。


 「永井さんはダッシュが良いんでね。ついて行ければ抜き差し勝負ができると思うけど。離れたら堂村さんにも迷惑かけるから。踏み出し注意ですね。地元番組を作ってくれたししっかりと。前回(富山記念4失着)から日程が空いてたから練習できました。言い訳できない状態に仕上げてきたので」


 その永井清史は地元コンビを背にし、気が引き締まる。


 「前回の松戸(初日)は33バンクで後方になってしまって。でも、松戸は調子自体は良かったし、そのあとも練習はしっかりできたので。地元勢がついてくれるんで、ラインで決まる様に」


 

3R

 このレースは徹底先行が不在となるが、そのなかで古屋琢晶がタイミング良く駆けていきそうだ。


 「前回(7月宇都宮)で落車しているけど、雨が降っていたし、滑った感じだったので大丈夫です。怪我も大きくなかったし、フレームも大丈夫でした。終わってからはケアをしてから練習もできました。走ってみないと分からないけど、練習では問題なかったので。あとは体が反応すれば。福井は(5年ぶりで)久しぶり。たしか、前回も記念で(準決勝まで進み)イメージが良いです」


 対戦する森川大輔も怪我明けから当所2戦目。不安を残すが、当所は一昨年、記念初優出を決めたゲンの良いバンクだ。


 「(6月大垣GIIIで)落車して左手の擦過傷だったけど、骨(が見える)までいってしまったので、(治るまで)時間がかかりました。もう怪我は大丈夫だけど、その前から調子が良くなかったので、その延長って感じですね。自分でも原因を把握できてないんです。でも、少しずつだけど良くなってきてるので」


 

4R

 近畿勢の並びが注目されたが、地元で自力型の伊原克彦は武田和也を目標に初日突破を目指す。


 「地元記念に向けてガッツリやってきた訳ではないけど、意識して仕上げてきました。人の後ろはあまりないから不安もあるけど、今後はこういうことも増えていくと思うので、勉強と思って頑張ります」


 その武田和也は「もう、ヤルことは決まってますから」と覚悟はできている。


 「S級は5年ぶりです。だからもう(流れとかは)知らないですよ(笑)。とにかく頑張るだけです」


 3番手を固めるのは篠塚光一。鎖骨骨折の怪我から約3か月ぶりの実戦となる。


 「(4月西武園記念で落車して)右鎖骨を骨折しました。怪我はもう大丈夫です。そのあと、復帰しようとして(7月の)千葉に行こうとしたら、前検の当日、空港で急性腸炎になってしまって(苦笑)。それでさらに長引いてしまいました。お腹も治ったので大丈夫です」


 竹山陵太は点数でリードされているが、一矢報いたい。


 「追加だけど、6月に入ったので正規と変わらないですよ。練習はしっかりできているので。基本は自力だけど、展開やタイミングによっては最悪ヨコも考えていきます。作戦は明田(春喜)さんに考えてもらいます」


 

5R

 川口聖二は6月取手、続く7月富山を連続優出。良いリズムで当所を迎えた。急きょ追加参戦も、問題ない様子。


 「最近は、良い感じで走れていますね。特に何も変えていない。気持ちの問題です。追加の連絡は、昨日受けました。でも、普通に練習していたし、問題ないです。福井は久しぶりですね。感じも悪くないし、主導権を取れればワンツースリーが決まるかなと思います」


 5月のダービーで落車した荒井崇博は、苦しい日々が続く。前回の7月松戸では313着で優出も、感触はいまひとつのようだ。


 「去年の疲れとか、ツケが回ってきて(車が)出なくなって。そして、ダービーの落車で止めを刺された。前回の松戸はどうなんやろね。上がってきた感じはない。(400勝まであと1勝だが)意識して取れたら苦労しないよ。まあ、初日は楽に走ります」


 

6R

 今期2班の桐山敬太郎が予選回り。実績上位で復調しているだけに、ここは人気が集中しそうだ。


 「状態はだいぶ戻ってきてますね。調子も良いので、自分のレースができさえすれば(ラインで)決められると思います。福井は久しぶりなので、(指定練習で)バンクの感触を確かめてみます」


 先行型は小笹隼人のみ。したがって、点数では劣るものの、上手くマイペースに持ち込めば好勝負も期待できる。


 「最近はスピードが戻ってきたので。それをレースで生かせれば結果も出ると思います。冨尾(享平)さんもいるけど、僕は自力でやりたいのでラインの前でいきます」


 

7R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 松岡孔明は、前回の7月函館で今年2V目を奪取。決勝は、中団確保からまくって早坂秀悟らを撃破した。


 「前回は恵まれました。雨でそんなに練習ができない状態でいったんですけど、勝ててよかったです。ここまでは雨も降らなくて、普通に練習してきました。状態は変わらず。良くもなく、悪くもないです」


 簗田一輝(写真)は、S級初戦の7月松戸で見事優出。しかし、結果に満足することなく、初の記念開催に気合を入れる。


 「松戸は結果ほど良い内容ではなかったです。2日目と3日目はカマされてしまったので。3番手に入って流れ込みに終わった感じだったので。S級は周りの選手が脚があるんで、はまっても伸びないですね。でも、初日に先行して2着に残れたので、思ったよりはやれるかなって思いました。(S級では)先行で戦いたい。(初の記念開催で)緊張はするけど、挑戦者と思って。自分のレースができれば」


 

8R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 太田竜馬と山形一気の徳島コンビが断然。実戦で初連係となる山形は「千切れんように」と、踏み出しに細心の注意を払う。


 「太田君とは練習はよく一緒にやるし、直前の練習でも格の違いを感じました。全く抜ける気がしなかった。とにかく頑張ってついていくだけです」


 一方の太田竜馬(写真)は「山形さんは何をしても千切れないですよ。大バックを踏まない限り」と話す。


 「地元(の小松島)記念の決勝はペースでいけなかったけど、決勝に乗れたのでよかったです。練習は計画通りにできたし、デキは問題ないです。一時は成績が下がったけど、上がってきたのでこれを続けていけるように。僕は夏の方が成績が良いんです。体は動くしスピードが出るので。僕は(ペダルを)回すことしかできないので」


 

9R

選手の写真です。
野原雅也選手

 予選の主役を務めるのは、地元の野原雅也(写真)だ。前回の武雄では、シェーン・パーキンスら外国勢を破って今年3度目のVを無傷でゲット。「ここに向けて調整してきた」と準備も万端で地元記念を迎えた。


 「前回は準決勝で小倉(竜二)さんが仕事をしてくれたし、結果的に恵まれました。地元記念は2年ぶり、3回目ですね。去年は怪我で出られなかったです。そのときから、ここを見据えてやってきました。しっかり頑張ります」


 渡辺十夢は、相性の良い野原を目標に地元ワンツーを狙う。


 「(野原)雅也とは、結構連係ありますよ。ワンツーも決まっているし、相性は良いですよ。練習でも状態が上がってきているし、調子も問題ないです。(不安要素は)雅也の状態が上がり過ぎていることくらいですね(笑)」


 和田禎嗣は、強敵相手に一矢報いたい。


 「ここまでは普通にやってきました。状態はまちまちですね。展開もあると思いますけど、自分のいけるところで仕掛けたいです」


 

10R

選手の写真です。
深谷知広選手

 このレースは深谷知広(写真)が中心になる。7月のジャパントラックカップのケイリンで落車したものの、その後のサマーナイトでは底力を見せて決勝に進出。今回もファンから注目を集める。


 「サマーナイトでは(ジャパントラックカップの)競技で落車して体に痛みが出たので、今回は体のケアだけやってきました。走っているときは大丈夫だけど、前後はキツかったですね。落車はしたけど、最近はハードスケジュールのなかで充実してますね」


 連係するのは林巨人。メンバーを見るなり、全身に緊張が走る。


 「(深谷と一緒で)マジっすか! (高橋)和也とだと思ってたので。そうですか。深谷君とは久しぶりですね。(高松宮記念杯で落車して)前回(7月宇都宮865着)の成績なんでね…。宇都宮は大丈夫だと思って走ったけど、体が動いてなかった。でも、そこから時間があったから、ここに向けて練習しました。オールスターに向けても。オールスター前に良い刺激を入れる意味でも明日は頑張ります」


 対戦するのはダッシュに絶対の自信をもつ早坂秀悟と河端朋之のナショナル組。早坂は一昨年、当所で優出して好勝負を演出。今年こそ、地元の脇本雄太にリベンジだ。


 「今年も再現できたらいいですね。(前回7月の)函館から時間があったので、色々と練習をして調整もやってきました」


 河端朋之は前回の7月武雄から中3日での参戦も、状態を維持している。


 「前回から中3日だから変わらずですね。その前も競技の大会(ジャパントラックカップ)とか、(ナショナルの)合同練習とかやってました。それが競輪でも出てくれれば」


 

11R

選手の写真です。
山田英明選手

 サマーナイトでは275着と、一息に終わった武田豊樹。今シリーズで立て直しをはかる。


 「サマーナイトはレース間隔が空いていて、結果が出せませんでした。レース勘とかが難しかったですね。今回は頑張りたい。ここまでは、ゆっくり疲れを取ってきました。福井は2回くらいしか走ったことがない。(12年の当所記念は優勝しているが)400バンクですから。そんなに印象はないですね」


 5月の全プロ記念、6月の高松宮記念杯と相次ぐ落車に見舞われた三谷竜生。7月の富山記念を1本欠場したが、復帰戦のサマーナイトをきっちり優出。持ち前のキレある走りを披露した。


 「(高松宮記念杯の)落車のあと休んで。ケアをしたので、サマーナイトはしっかりと入れました。(連日、先行して優出したが)積極的に走ろうと思っていたし、調子も良かったです。ここまでは、いつも通り街道で練習をしてきました。(状態は)維持していると思います」


 ダービー、高松宮記念杯とGIで好走を見せた山田英明(写真)だが、その後は結果を出せず。気持ちを入れ直して今シリーズに臨む。


 「(GIの)決勝に乗って、この成績は恥ずかしいですね。気を引き締めていきます。ここまでは時間もなくて上積みがないけど、悪かった点を修正して。疲れもあるけど、その中でしっかりと走ります」


 園田匠は、山田の番手から鋭脚を発揮するか。


 「サマーナイトはあまり良くなかったですね。優出は最低限のことで。決勝は見せ場がなかったので、それくらいのデキってことですよ。レース間隔は詰まっているけど、自分は詰まっているほうが良い。それが良い方向に出れば」


 

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 最終レースは地元のエース・脇本雄太と村上義弘の近畿勢に期待がかかる。脇本は競技と本業をこなしてやや疲れの色を見せるが、地元で恥ずかしいレースはできない。今回は心と体にムチを入れ、4日間を戦い抜く。


 「明日はメンバーが濃いですね(苦笑)。前回(サマーナイト)から中3日だけど、普通に練習してきました。疲れはあるけど、いかに疲れをとるかでしたね。久々の競輪だったので、どうしても間隔が空くと、思った走りができないときもあるので。レースの感覚を詰めていけば良くなると思います。今回は地元記念だし気合を入れてきました」


 村上義弘は地元の脇本を立てながらも、いつも通り目の前のレースに全力投球だ。


 「疲労は感じています。今回はオールスターに向けて新車を試します。練習では乗ったけど、レースで試してみないと分からないので。いつも通り、1戦1戦頑張ります」


 郡司浩平(写真)はサマーナイトは544着と平凡な数字に終わったが、「番手回りとかもあったので。それはそれで今後のレースに生きていくと思う」とあくまで前向き。「最終日は4着でもう少しだったけど、しっかり仕掛けられたので。それから中3日で、(ウイナーズカップを優勝した)祝勝会と大宮でトークショーがあったので時間がなかったけど、そこは割り切っていきます。とにかく、しっかり仕掛けられるように」。


 高橋和也も虎視眈々と上位進出を狙う。


 「(7月の)佐世保が終わってからはバイクでスピード練習をやって仕上げてきました。このすごいメンバーで結果を出せば自信になるので頑張ります」


 

1R

 オープニングを制したのは佐々木雄一。レースは西村光太が押さえたところを、高木翔が打鐘前で叩いて主導権を握る。すると、中団を西村と吉田裕全で争いもつれたが、吉田が1角から強引に仕掛けるも車の出は一息。最終バックを通過し、高木を懸命に援護した佐藤朋也が追い込みをかけたが、3番手の佐々木が前2人の間を割って突き抜けた。


 「(佐藤)朋也も番手を回っている以上は番手の責任があったと思うから、できる限り前をかばったと思います。自分は内に差さりっ放しでキツかたっけど、悪いけど最後踏ませてもらいました」


 西村光太が直線で外を強襲し、抜け出す佐々木に迫って2着に入る。


 「斬ったところがジャン前で少し早かったので、高木君のラインを出させました。そこまではよかった。吉田(裕全)さんが来たとき、柴田(洋輔)君をさばいてすぐ仕掛けていればラインで決まっていたのに、吉田さんを見てしまって動けなかった。3車ラインなのに、後ろに迷惑をかけました」


 果敢に逃げた高木翔は最後に全力を振り絞り、ギリギリ4着で二次予選進出を決めた。


 「出切ってからはずっと踏みっぱなしでキツかったです。後ろがもつれて吉田さんが来ていたのも分かっていたので、そこは何とか合わせようと思っていました。何とか(佐藤に)残してもらいましたね」

2R

 後ろ攻めから柿澤大貴が上昇し、誘導後位が入れ替わる。その上を永井清史が打鐘で叩いて先行策に出た。地元の鷲田幸司は、番手で粘った柿澤を最終ホームでキメて自分の位置をがっちり確保。一方、最終ホームからピッチを上げた永井は軽快に風を切ると、後続の追撃も振り切ってアタマ。


 「被るよりは先行した方が4着までに残るかなと思って。4番(柿澤大貴)の粘りも少しあるかなと思ったけど。どちらかというと、黒田(淳)さんの方が粘ると思っていました。状態は悪くないですね」


 鷲田幸司が2着。白星こそならずも、勝ち上がりを決めてホッと胸をなで下ろす。


 「柿澤君がA級上がりで読めなかったですね。でも、柿澤君が(併走せずに)前に出たので、粘るのかなと。永井さんが気を使ってくれましたね。外競りが勝ちやすいように仕掛けてくれました」


 黒田淳は最終2コーナーから軽快なスピードでまくり上げたが、届かず3着。


 「勢い的には飲み込むかと思ったんですけどね。3コーナーまで伸びていたけど、2センターの走路がガタガタで。後輪がはねて止まりました」

3R

選手の写真です。
小坂敏之選手

 古屋琢晶が後ろ攻めから押さえると、打鐘で伊藤彰規が叩いて主導権を握った。古屋はすんなり中団を確保すると、1センターからスパートして前団をひとまくり。最後は小坂敏之(写真)が追い込んで勝利した。


 「本当は中団からの作戦だったけど、たまたま展開が向いたね。森川(大輔)君がフタして出ていくだろうから、そこをついて行って自分たちが行く予定だったけど。ついていくのに脚を使うだろうから、そこはキツいかなとドキドキしてたけど。結果、すんなり中団だったね。古屋君は1回脚を使ってるから、最後抜けた感じ。行くときのスピードがすごかったね」


 古屋琢晶は交わされ3着も、ラインでワン・ツー・スリー。


 「今日は初手は中団か、後ろでもよかったです。1回押さえて、8番(伊藤)が来たのが見えたから踏んでおいて。もし、森川君が来たら合わせて出るか、行ってしまったらスイッチしようと思ってたけど。すんなり中団でしたね。1コーナーで詰まったんで、かぶると嫌だから無理矢理行った感じになったぶん、最後ちょっとタレましたね。落車明けで不安があったけど、悪くはないと思います」

4R

 後ろ攻めの武田和也が、打鐘前で押さえて軽快に駆けていく。単騎の稲吉悠大は近畿ラインを追うと、前受けした竹山陵太が中団に入り、松坂洋平は7番手に置かれた。武田が懸命に逃げるなか、松坂が1角からスパートしグングンと前団に迫っていく。すると、伊原克彦が車間を詰める勢いで番手まくりを敢行。両者で力勝負となったが、余力のあった伊原が勝利した。


 「前を残したかったけど、(松坂が)来ていたし並ばれたら後ろも来ると思ったので、踏ませてもらいました。合わせ切れているし悪くはないと思います。(武田に)行ってもらってありがたい。地元で勝ててうれしいですね」


 上野真吾が松坂追走から直線で鋭く迫るも2着まで。


 「あんなに早く行ってもらっていて、(松坂の)内を突いているのに(伊原を)抜けていないのは情けないですね。自分の感覚的にはもう少し伸びてもいいんだけど。それでも自分の点数を考えると、連れていってもらって勝ち上がれているのでありがたいです」


 中団確保から、竹山陵太が外を鋭く伸びて3着に入る。


 「ホームで詰まっていたから行けたのですけど、自信がないから仕掛けられなくて、中団中団という考えになってしまった。今日は(松坂の)まくりに付いていっただけなので。調子自体は良いので、あとは気持ちの問題です」

5R

 中団から先に動いた菅田和宏が、叩きに来た中本匠栄を突っ張ってモガき合いに。すると、前受けから引いた川口聖二は絶好の中団を確保。1センターからまくり上げて、前団をひと飲みした。


 「来るのが遅かったので、ペースを上げて。来ないなら駆けようと思っていたんですけど、(菅田の)勢いがよかったので出させました。(打鐘の3コーナーで)藤田(竜治)さんにあてられて、こけたかと思いましたよ。でも、ライン全員が上がって良かった。バンクは軽かったけど、走った感触は重かったですね」


 山口富生はゴール前で迫るも、マークの2着。


 「体的には問題なかったんですけど。(前回、函館の落車で)自転車が潰れてしまって。使った感じは良かったですよ。次に同じ展開なら抜けるかもしれないです」


 荒井崇博は中本を追わずに最終ホームを8番手で通過。中部勢を追って2センターから追い込むも、3着まで。


 「(中本が出切れず)やばかったけど、川口はいくだろうと思っていた。最後は気持ち的に突き抜けた感じがしたんだけどね」

6R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手

 後ろ攻めの小笹隼人が上昇していくと、中団の大川龍二が先に動いて突っ張っていく。小笹も負けじと勝負に出ると、両者で壮絶なモガキ合いに。こうなったら展開は桐山敬太郎(写真)のモノ。桐山は2角手前からスパートすると、楽々と前団を飲み込んだ。並んだ順でラインでワン・ツー・スリー。


 「叩き合いになれば中団だけど、前が流したらホームから行かないとキツいかなとも思ってたけど。そうしたら(大川と小笹で)バックまでやり合ってくれたので。6番(冨尾享平)が遅れたけど、待たないで(小笹のラインに)スイッチしていればバックを取れたのかと。あそこは被って失敗するところでもあったんで。6番を見てしまいましたね。そこだけでしたね。今期は2班(で予選回り)だから、1着を増やしてウィナーズカップの権利をとりたいので。2班なのを逆に生かして、取れるところを取って。今日は暑さでキツかったけど、条件は皆一緒なんでね」


 白戸淳太郎は完璧マークを決めて2着を確保した。


 「走る前から桐山君には言うことなかったけど、終わってからも僕は言うことは何もないですよ(笑)。もう展開が向いたし、2コーナーから行く感じがしたので、安心してついてました。もし、外に誰かいても退かして行ってただろうし。僕はついていただけなので楽でした。ただ、最後桐山君は蛇行したので、後輪がブルッってなってしまったので。でも、荒木(伸哉)君まで3人で決まったんでよかった」

7R

 後ろ攻めの丹波孝佑が早めに押さえて赤板で先頭に立つと、徐々にペースを上げて逃げて行く。打鐘が入り、中団に梁田一輝、7番手に松岡孔明に位置し、そのまま1本棒で最終ホームを通過。梁田は何度も後ろを振り返ると、2角から一気にスパートした。梁田は軽々と前団をまくると、並んだ順でラインで上位を独占した。


 「ホントは先行したかったけど、別線に出切られてしまって。それでも中団が取れたので落ち着いて組み立てました。松岡さんがカマしてきたら自分も一緒に出ようと思っていたけど、来なかったので自分のタイミングでいきました。あとは4番(松山桂輔)のところを乗り越えていくのは力勝負だと思ったので思い切っていきました。ラインで決めることができてよかったです」


 武田憲祐がきっちり前を追って2着を確保した。


 「先行基本の作戦だったけど、簗田君がジャンのところで行きそうになったときに、丹波君が合わせて踏んでいたので行けなかったと思います。それでも簗田君は落ち着いていました。彼が強かったし、抜ける感じはしなかったです」


 人気を背負った松岡孔明だが、仕掛け切れずに4着に流れ込むのが精いっぱい。


 「(別線が)やり合うのも少し期待していたけど、思った以上にスンナリの展開になってしまって…。丹波君が打鐘過ぎから徐々に踏み上げていたし、簗田君もずっと警戒していたので、行けるところがなかったです。人気になっていたのに残念です。反省点が多かったです」

8R

選手の写真です。
山形一気選手

 齋藤宗徳が、先に前に出た小田倉勇二を打鐘で押さえて主導権を握る。敵に警戒されていた太田竜馬は7番手。それでも、仕掛けるタイミングを見極めて2センターから反撃を開始する。すると、あっという間に前団を飲み込むと、ラインを引き連れて押し切り。ファンの圧倒的な支持に応えた。


 「(打鐘過ぎに仕掛けなかったのは)上りで行かない方がいいと思って。踏んだときも全開でいきませんでした。(7、8割の力で)出切れないと調子が悪いので。(出切れたので)調子は良いですね。出切ってからは自分のペースで。3人で決まって最高です」


 2着の山形一気(写真)は、太田の強さを改めて実感した。


 「今日は千切れたとしてもリカバリーしようと。どんな形でも2着までに入ろうと思っていました。付いてはいけたけど、(太田は出切ってから)流していたし。4コーナーの手前から踏み直されました。あんな簡単にカマせるんですね。緊張しました」


 逃げた齋藤宗徳は、シンガリ負け。組み立てを悔やむ。


 「流しすぎましたね。でも、太田君のスピードも全然違いました。もっと踏んでいればよかったけど、相手の強さがわからなくて。すごい強い」

9R

選手の写真です。
野原雅也選手

 一次予選のメーンは、地元の野原雅也(写真)がスピードの違いを見せつけ、白星スタートを切った。和田禎嗣が中団の野原にフタをしたのち、打鐘で叩いて主導権を握った。すると、野原も4角から一気に巻き返して出る。野原は1センターで和田を抜き去ると、3番手以下を引き離して最後まで力強く押し切った。


 「いやあギリギリでした。4番(和田)が切ったところですぐに出させてくれないと思ったんで、見てしまいました。前が緩んだタイミングで、無理矢理行ったった感じだったから、最後キツかったですね。なるべく早めにカマそうと思ってたけど、遅くなってしまいました。脚は悪くないんだけど、最後まで踏み込んでたから苦しかった。初日はキツいですね」


 渡辺十夢が続いて地元ワンツーかと思われたが、菅原晃が後方から猛然と迫って2着に食い込む。


 「今日は前を取って中団と思ってたけど、車間を空け過ぎて失敗した。でも、そこから良い感じでいけたので。前々回からセッティングを戻して良くなりましたね。今回は勝負してみたい」


 渡辺十夢はゴール寸前で交わされ、地元ワンツーならず。


 「2着キープだなと思ったけど、まさか後ろから来るとは思わなかった。菅原君が強かったね。でも、(野原に)付け切れたので。めちゃくちゃなタイミングで行ってんでね。上がって振られて。山あり谷ありだったし、あれでは3番手はついていけないね。野原君のダッシュがすごかった。2センターから踏めば抜けたかもしれないけどね。4コーナー勝負と思ったけど、俺の脚では抜けないね」

10R

選手の写真です。
深谷知広選手

 赤板過ぎに河端朋之が押さえて誘導の後ろが入れ替わると、打鐘前に早坂秀悟が叩いて先頭に出た。すると、すかさず深谷知広(写真)が反撃に出た。深谷は後ろを千切って上昇していくと、バックで早坂が番手にはまる展開に。しかし、深谷はさらに加速していくと、力強く押し切った。


 「早坂さんが一瞬出させてくれる雰囲気だったので踏んでいったけど、合わされて強かったです。後ろが離れているのは分からなかったけど、それでも出切れて良かったです。体のケアをしてきて疲れはないけど、脚に刺激が入って良い方に向けばいいですね」


 2着は伏見俊昭。番手の山崎芳仁が河端をブロックにいくと、その内を突いて直線で鋭く伸びた。


 「早い段階でハイペースになり、焦ってしまい踏んでしまい山崎(芳仁)に悪いことをしました。判断が難しかったですね。ホントは待ってから勝負すればよかったけど、自分には余裕がなかったので…」


 早坂秀悟が3着に入り、明日の優秀「朝倉ゆめまる賞」の切符をつかんだ。


 「一瞬、深谷を合わせ切れるかなと思ったけど、その後に二の足、三の足を使われてやっぱり深谷は強いですね。結果的に山崎さんに仕事をしてもらって自分が残っただけです。修正点も見つかったので、明日にしっかり備えたいです」

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 隊列が何度も入れ替わったのち、杉森輝大が打鐘で三谷竜生を叩き、果敢に風を切る。杉森が必死に逃げるなか、4番手を確保した三谷は態勢を立て直して最終1センターからアタック。すると、武田豊樹(写真)は番手まくりで応戦する。三谷を合わせ切ると、そのまま先頭でゴール線を駆け抜けた。


 「三谷君も、山田(英明)君も、GIの決勝に乗る選手ですし。杉森君が油断せずに主導権を取ってくれました。三谷君が4番手から仕掛けてきて。いろいろ考えるところはあったんですけど。その中で自分も油断せずに走れたと思います。後期ははじまったばかりですし。このあとのタイトル戦線にも加わっていきたい」


 後閑信一が2着に続き、関東ワンツー決着となった。


 「三谷君が4番手にいたのはわかったし、自分は内を締めて。武田君の後ろは苦しいですね。後ろに付いていて勉強になりました。疲れは全然大丈夫。自分は練習より、レースを走った方が良い。課題も見えてきますしね」


 合わされた三谷は、直線で園田匠と接触して落車。3着に流れ込んだ稲川翔は、落車した三谷を気遣いながら口を開く。


 「作戦は、お互いにやることをやろうと話をしていました。(三谷は)ゴールまで止めないやつなので。攻めたレースをした結果、落車してしまった。今日の展開では、踏んだ感じはわからないです」


 前団の様子を中団で見ていた山田英明は、2センターから外を踏む。しかし、車は伸びず5着。


 「展開をいろいろ考えていました。最悪、モガき合いになってくれれば、自分の出番だったんですけどね。3コーナーで内にいけばよかった」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 最終レースは地元の近畿勢に期待が集まったが、激戦の末、南関勢に軍配が挙がった。レースは青板周回から早めに動き、後ろ攻めの北津留翼から何度か入れ替わったのち、郡司浩平が高橋和也の2車を受けて打鐘を迎える。高橋は徐々にペースを上げて逃げていくと、最終ホームも1本棒で通過する。高橋が懸命に逃げていくなか、郡司浩平(写真)は2角手前から仕掛けると、力強くまくって勝利した。


 「今日は脇本さんよりも前にいて、先に仕掛ける。そういう作戦だったので、しっかり仕掛けることができました。脇本さんも位置取りをしてたので。今日は朝からタイムが出てたから軽かったけど、高橋さんがかかってたので、行き切るまでがキツかった」


 渡邉晴智がきっちりマークして2着に入る。


 「さすが郡司君だね。強かった。高橋君が行ったところで、無理に車間を空けずにしっかりバンッて行くんだから。高橋君もかかってたのに。すごいと思う。俺ですか? 俺は運があるだけ(笑)」


 脇本雄太は南関勢を必死に追って3着に入るも、ラインで決められず反省の弁。


 「中団を取ってそれからと、自分の中では考えてたけど…。打鐘で流したら思い切って行こうと思ったけど、緩むところがなかったので。(まくりで)勝ちにいくとしても、車間の取り方(開け方)がまだまだ甘い。今日は反省しつつ、(明日は)次につながるレースをします」

6R

選手の写真です。
北津留翼選手

 二次予選最初のレースは北津留翼(写真)が逃げ切り勝ち。レースは青板周回から早めに動き、一巡したのち打鐘過ぎから北津留がカマして主導権を握る。すると、番手の園田匠が踏み出しで遅れ、志村龍己にさばかれてしまう。援軍を失った北津留だったが、必死に逃げると最後は落車のアクシデントもあり、そのまま押し切った。


 「んー、構えた方がよかったのかなあ。今日は雨が降ってるから、(まくりで)外々踏むと厳しいと思ったから、行った方がいいと思ったんですけどね。距離が長くてキツかったですね。後ろの状況は分からなかったけど、ペースでいくしかないと思ってペース駆けに専念しました。分かっていればもっとやりようがあったのかな。1着が取れたのはよかったけど、園田さんが勝ち上がれなかったので…。2人で反省会をします」


 番手にはまった古屋琢晶だったが、ゴール寸前で園田とからんで落車。その後ろの志村龍己が追い込んで2着に入る。


 「展開はすごく良かったけど、古屋さんが落車してしまったので何とも言えないですね。園田さんが離れてきたのが分かったんで、脚があるから上手く持っていかないとと思って。3番手(真後ろ)に入ったのが分かったから、内を狙われると思ったんで締めて。その場その場で対応はできていたし、良い形には持っていけました」


 西村光太が3着。園田匠を追う展開から、バックまくりでしぶとく確定板入り。


 「今日は北津留が行く前に自分が行こうと決めてたんですけどね。自分が先に何かやって、かき乱してやろうと思ってたけど、北津留は冷静でしたね。先に行かれてしまいました。これでは自分の戦法が分からなくなってしまう。外々をついて行ってるだけなんで。でも、僕は一発で仕留めるような脚はないんで、こういうのが持ち味なので。前々に踏んで行って。要所要所で仕掛けているんで悪くない」


 

7R

選手の写真です。
河端朋之選手

 後ろ攻めの桐山敬太郎が上昇して誘導の後ろが入れ替わると、続いた永井清史が打鐘で叩いて主導権を握った。桐山は中団を確保し、河端朋之は7番手に置かれた。永井は徐々にペースを上げていくなか、河端が2角手前から反撃を開始。さらに、桐山も合わせて出て各車で力勝負となった。バックを通過し、2センターでは内に永井、中に桐山、外に河端で並んで通過していくと、最後は河端朋之(写真)が力でねじ伏せた。


 「(ホームで)行きかけて少し詰まって。桐山さんが行くのを待つより自分のタイミングで仕掛けようと思ったら、桐山さんが4番手から出てくれたので、結果良い目標になりました。今日に関しては行くべきところで行けていると思いました」


 河端をマークした橋本強が食い下がって2着。


 「河端君はダッシュがすごいので、一瞬でも遅れはとってはいけないと思い、全部反応していたらキツかったです。ワンツー決まってよかったです」


 中団から先まくりを放った桐山敬太郎も、3着で勝ち上がりを決めた。


 「ラインで決めたかったですね。永井君はかかれば強いので、待っていたら行けなくなると思ったし、ラインで決めるためには2コーナーから踏むしかないと思った。ナショナルチームにはスピードでは太刀打ちできませんね」 


 

8R

選手の写真です。
柴崎俊光選手

 後ろ攻めの杉森輝大が、中団で併走したあとに打鐘で前に出る。すると、フタをされていた川口聖二だったが、すぐさま反撃を開始。杉森を強引に叩き、最終ホームで主導権を奪い返した。川口はそのまま力強く風を切ると、これに別線はお手上げ。最後は車間を空けていた柴崎俊光(写真)が、ゴール前で交わした。


 「恵まれ一本です。(川口)聖二が強かったですね。バックで誰もこなくて、2センターでは決まったなと思いました。ワン・ツー・スリーは気持ちがいいですね。でも、聖二はジワジワ駆けていくので、キツかったですよ。1着を取れたし、道中も余裕があるので状態に問題はない」


 3着にも堂村知哉が入り、ラインで上位を独占。立役者の川口聖二は饒舌にレースを振り返る。


 「杉森さんが中途半端なペースだったので、(出切るのが)きつかったです。そのあとは3人で出切れたか、わからなかったです。山崎(芳仁)さんがいつくるかわからないので、ずっと踏みっ放し。後ろを見る余裕もなかったです。記念の決勝に乗ったことがないので、行きたいですね」


 地元の堂村知哉は喜びを爆発させた。


 「めっちゃ嬉しいです。走るからには一生懸命頑張ろうと思って。川口君と柴崎君のおかげですね。(レース中は)無我夢中でした。記念の準決勝は2回目。勝ち上がれてよかった」


 

9R

選手の写真です。
鷲田幸司選手

 赤板から中団の山形一気が先に上昇して誘導員の後ろが入れ替わると、続いた高橋和也が押さえて主導権を握る。山形が中団4番手に収まり、人気を集めた山田英明が6番手、松坂洋平は8番手に置かれた。高橋は一本棒にして最終ホームを通過していくと、山田がバックからスパート。しかし、山形に弾かれて万事休す。実力者の山田が消えたところで前団で勝負あり。最後は林巨人が番手のチャンスをきっちりモノにした。しかし、高橋を残せず、出てくる言葉は反省ばかり。


 「アカンすね…。俺がヘタクソだった。普通ならライン3人で決まったレースだったのに。昨日の(離れた)ことがアタマにあったので…。残さないとと思ってたんですけどね。あれだけ頑張ってくれたのに、(高橋は)同県なのに…、勉強します」


 3番手の鷲田幸司(写真)が続いて2着。こちらは地元で準決勝を決めて終始笑顔。


 「前のレースで堂村(知哉)さんが(準決勝に)乗るからプレッシャーでしたよ(笑)。(高橋が)あんなに長い距離を行ってくれたので。いやあ、でも絶対に山田さんが来ると思ってたので、そのときに飯田君が入ってくるだろうと。そうしたら、奇麗に3人で(4角を)回ってきたから。余裕はあったけど、僕ごときが余裕っていっても周りからすればね。昨日も緊張したけど、今日も緊張した。アタマ真っ白ですよ。明日も頑張るけど、気楽にいきます(笑)」


 山形一気は、絶妙なブロックで山田を止めて3着に入る。


 「今日は脚を使ってでも山田さんよりも前にいるしか勝つ要素がないと思ってたので。すんなり中団を取れたのがよかったですね。あとは山田さん次第。スピードが違ったらハコに行きますって。ああなったから、引きつけて引きつけてと思って。止められる気はしなかったけど、ちょうど3コーナーだったから、たまたま止められました。それにしても、山田さんの後ろからのプレッシャーがすごかった。あれでアタマまで行ってたら100点だったし、1(着)2(着)の勝負をしてたら柳谷(崇)さんも勝ち上がれたんですけど。でも、展開を作れたのはよかったです」


 

10R

選手の写真です。
岩津裕介選手

 高木翔が中団の太田竜馬にフタをしたのち、さらに上昇して打鐘前に先頭に立つ。すると、すぐに太田が反撃に出て、あっさり高木を叩いて主導権を握った。太田は力強く駆けていくと別線は成す術なく、大勢は決する。最後は番手の岩津裕介(写真)がゴール前で差し切って白星を挙げた。


 「太田は余裕を持って落ち着いて走っていたので、自分もついていて楽でした。あんまり別線も詰めてこなかったし。7割ぐらいの力で太田は踏んでいて、自分にも余裕がありました」


 太田竜馬は敵をあっさりと完封。実力の違いを見せつけた。


 「作戦は押さえて出ていく感じでした。自分のリズムで出れたし、出てからもペースで踏めていました。ただ、ゴール前はキツかったですね。落ち着いて良い感じに走れているし、ワン・ツー・スリーが決まって良かったです」


 黒田淳まで続いて3着。ラインで上位を独占した。


 「人の後ろだと自分でやっているときと違って、最後の4コーナーを回るときまでの力の残り方が違いますね。人の後ろにつく機会があまりないので、難しかったです」


 

11R

選手の写真です。
村上義弘選手

 前受けの野原雅也は、押さえにきた簗田一輝を突っ張り切れず7番手まで車を下げる。それでも、態勢を立て直して再度仕掛けると、最終ホームで簗田を強引に叩いた。番手の村上義弘(写真)は車間を切って野原をアシスト。最後は余裕を持って追い込んだ。


 「(野原)雅也も駆けて苦しいとは思ったけど、粘ってくれた。今日は雅也の力がよかったですね。残り2日間も、一戦一戦頑張ります」


 近畿3番手を固めた椎木尾拓哉が、村上に続いて2着に入る。


 「ついていくことだけに集中していました。野原君は落ち着いて仕掛けてくれると思っていましたよ。3人で決まってよかったです。今日もしっかりついていけている。感じは悪くないです」


 逃げた野原雅也は3着に残り、地元記念の準決勝に進出。上位独占を決めて、安堵の表情を浮かべる。


 「遅かったし、(突っ張る気持ちは)もちろんありました。でも、僕の判断が中途半端でしたね。そのあとは、すかさずいこうと。松岡(孔明)さんが斬りにいくのはわかっていたので、そこでいかないとないなと思っていきました。距離も長くて苦しかったです。村上さんあっての着ですね。楽な展開になってくれと思ったけど、うまくはいかないですね」


 

12R

選手の写真です。
稲川翔選手

 2日目のメーン、優秀「朝倉ゆめまる賞」は稲川翔(写真)が大立ち回りで勝利した。レースは中団の武田豊樹が上昇して誘導の後ろが入れ替わると、脇本雄太が押さえて打鐘から主導権を握った。武田はその3番手をがっちりキープし、その外の深谷知広はズルズルと車を下げて最後尾となった。脇本がマイペースで逃げるなか、4角から郡司浩平が反撃を開始。郡司が迫ってくると稲川はガッチリと止め、さらに、内を狙った武田の行く手を見事阻んだ。そこから、前との車間を詰めいくと、最後は計ったようにゴール寸前で脇本を差し切った。


 「今日は脇本君がヤル気を感じたし、それで自分も頑張ろうと思いました。お互いが自分のやるべきことをやって行く、それだけでした。このクラスだったら、あれくらいブロックしても(相手は)コケないだろうからね。最後、差してないかと思ったけど、交わしてましたね」


 脇本雄太は交わされたものの、力を出し切る内容に納得の様子。


 「すんなりだったから。いつもあれなら苦労しないんですけどね。先行するなら早坂さんだろうし、注意して叩きに行こうと思ってたら、武田さんが斬ってくれたので。道中で余裕があったのがよかった。明日は河端(朋之)さんとですか。同じナショナル(チーム)でお互い手の内を知ってるからやり辛い。桐山さんもいるし。でも、せっかく(村上との)機会を与えてくれたので頑張ります」


 郡司浩平は、致し方なしといった様子。


 「あそこで行くしかないと思って無理矢理行ったけど無理でしたね。できれば、もうワンテンポ早くいけばよかったけど。稲川さんは余裕があったし、行ける感じではなかった」


 武田豊樹も隙を突いたと思われたが、稲川は見逃さず。


 「あそこを抜けていれば後閑(信一)さんとワンツーが決まったんですけどね。さすがは稲川君。内まで追い掛けてきた。外だけではないんだね」


 深谷知広は、今日は見せ場を作れずシンガリに終わる。


 「僕の技術のなさですね。今日は一番後ろから流れを見ようと思ってたけど。あのまま脇本さんが行ってから、どこかに入れると思ったけど甘くはなかった。そこは勉強します」


 

10R

選手の写真です。
北津留翼選手
選手の写真です。
岩津裕介選手

 早坂秀悟が前受け。中団の太田竜馬は前との車間を空け、さらに中バンクに上って7番手の深谷知広を警戒して出させない。すると、早坂秀悟は誘導を下ろし、腹をくくって先行態勢に入る。早坂がペースを上げていくなか、最終ホームでは誰も動かず。2角から太田がスパートするも、北津留に波を作られると簡単に止まってしまった。その後ろから深谷も迫ってきたが4着まで。最後は北津留翼(写真)が番手から有利に追い込んで1着を手にした。


 「後ろは後閑さんが付いてくれたし、前で早坂君が頑張ってくれたので自分は前後で支えられてました。後ろに後閑さんが付いていた分、自分のタイミングで振っていけました。ただ、少し踏むのが早かったかも。普段番手を回らないから緊張してしまいました。もうワンテンポ待てば早坂君を残せたかもしれないです」


 早坂ラインを追った後閑信一が流れ込んで2着。


 「前々に攻めようと思って走ったらあの位置でしたね。あんなに北津留君が仕事してくれているのに、内をしゃくるわけにはいかないので、落ち着いて直線勝負と思ってました」


 直線で深谷との伸び比べを制した岩津裕介(写真)が3着。


 「ジャンから早坂はもう出させる雰囲気はなかったですね。あまり早くに行っても深谷を引き出すだけだし、(太田が)行こうとしたときに早坂は駆けていました。太田の組み立ては悪くないと思うけど、難しかったと思います。自分自身は深谷がすごいスピードで来てたけど、まあまあ伸びていたし悪くはないと思う」


 果敢に先行した早坂秀悟は5着まで沈む。


 「自分の感覚だと残ったかなと思いましたけどね。太田が深谷を警戒している間に自分が駆けてしまおうと思ったので、その通りに組み立てられました」

11R

選手の写真です。
野原雅也選手
選手の写真です。
郡司浩平選手

 川口聖二の動きに合わせて上昇した野原雅也が、武田豊樹を制して前に出る。その上を川口が押さえ、赤板の2コーナーで主導権を握った。野原は続いてきた武田と併走になるも、2センターでさばいて3番手を確保。武田はズルズルと後退した。野原は2角から仕掛け、楽に前団をまくり切る。番手の稲川翔は、真後ろから仕掛けた郡司浩平を3角でブロックすると、ゴール寸前で野原を交わして勝利した。


 「6番(川口聖二)のやる気を感じたから出させました。あとは、武田さんと(野原)雅也の勝負でしたね。雅也は相手が嫌がることをやってくれました。頑張ってくれましたね。(最後は抜いたが)ギリギリでした」


 俊敏に立ち回った野原雅也(写真)だったが、レース後は内容を反省する。


 「(稲川)翔さんには勝つように走れと言われていました。細切れ戦だったし、いろいろ考えていたんですけど。結果、ああいう消極的なレースになってしまいました。ホームでは脚がいっぱい。苦しまぎれにいくだけいって、何とかなりました」


 強烈なブロックを浴びた郡司浩平(写真)だったが、これを懸命にこらえて3着に入った。


 「野原より先に仕掛けたかったんですけど、野原が行って、僕が行くって感じになってしまって。タイミングは最悪でしたね。(稲川のブロックは)野原がまくりにいっているところだったので、来ないと思っていました。止められて内に誰か来るかなと思ったけど、来なかったので。下りてしのげました。負けパターンだったけど、何とか勝ち上がれましたね」


 連日、軽快に風を切ってきた川口聖二は、準決勝も果敢に先行。しかし、力及ばず8着に沈んだ。


 「ペースに入れられました。中団争いをしていたから、いけるかなと思ったけど。まくられているし、雅也が強かった」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
選手の写真です。
橋本強選手

 準決勝最後のレースは、脇本雄太(写真)が堂々の逃げ切り勝ちを収めた。初手の並びから赤板まで動きはなく、後ろ攻めの脇本が1角から一気にカマして主導権を握る。堂村知哉が離れてしまい、前受けした桐山敬太郎が3番手に入ったところで打鐘を迎える。脇本がマイペースで逃げるなか、村上義弘が大きく車間を空けて前を援護していく。一方、河端朋之が最終バックからスパートしたが、村上の横までが精一杯。最終バックを通過し、村上は徐々に車間を詰めて行ったが、脇本が最後まで力強く押し切った。


 「前のレースで(野原)雅也が決勝に乗ったので、僕も何としても乗らないとと思って。今日は成績も内容も重視して。内容を良くしよう良くしようと連日思ってたけど、やっと気持ちの修正ができましたね。ラインとしての組み立て方をやっていく上での気持ちの整理というか。体のケアはできているけど、それよりも気持ちの問題。気持ちがあればおのずと成績も良くなると思うんで。明日も地元記念という大きな舞台で、自分ができることをやっていきます」


 2着は河端と連係した橋本強(写真)。河端に踏み出しで遅れると、渡邉晴智の後ろにスイッチ。4角で内のコースを踏み、直線強襲で決勝の切符をつかんだ。


 「河端君の実力がすご過ぎて千切れてしまいました。完全に置いていかれました。本当なら付いていって内をキメなきゃいけないけど、ああするしかなかった。そこからは晴智さんは桐山さんをかばっていたので、僕が先にコースに入って。(サドルに)座ってからは良いんだけど、ダッシュがダメですね。その辺を修正しないと」


 村上義弘は橋本にゴール寸前で交わされたが、辛うじて3着で決勝進出。


 「3番手に桐山君が入ったのが分かったので、内を締めないといけなかったから、とにかくしんどかった」


 桐山敬太郎は上手く3番手好位を取ったが、伸びを欠いて5着に終わる。


 「誰かが切ってきたら突っ張らないといけなかったけど、誰も来なかったので(すんなり3番手で)ラッキーと思ったけど。村上さんは車間を切ってたから、ついていて楽は楽だったんだけどね。でも、そこから出ると合わせられるのでいけなかった」


 


 


<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>


 


 最終日の第9レースには、「KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)」が行われる。


 中心はやはりテオ・ボスだ。前回の武雄では、上がりタイム10秒7でバンクレコードを更新。世界の脚力を見せつけた。今回は使い慣れたカーボンフレームでファンを魅了する。


 「武雄はグッドコンディションだった。トラックレコードを出せてうれしい。今回も調子は維持していると思う。ここまでは良いトレーニングができた。福井は初めてだけど、バンクを見た感じはいいね。(ケイリンエボリューションは)通常の競輪と違うけど、最終コーナーまで待つことはないよ。しっかりと勝ちたい」


 6月の奈良で落車した中井俊亮だが、幸い怪我は軽症。強豪ボスを撃破し、一息に終わったサマーナイトのうっ憤を晴らす。


 「前回のサマーナイトは怪我明けで大きい数字を叩いてしまったけど、手応えはありました。ここまでは、カーボンフレームを使って、しっかり練習をしてきました。ボスもいるし楽しみ。力勝負ができればと思っています」


 櫻井正孝はサマーナイトの初日に吉田拓矢らを倒して白星。レース巧者だけに侮れない。


 「ここまでにある程度カーボンに乗ってきました。エボリューションは初めてですね。横に当たらないように気をつけます。ケアしてきたし、練習の疲れはない」


 掛水泰範は競走得点こそ高くはないが、持ち前のダッシュ力は強烈だ。


 「カーボンフレームは前回の武雄から帰ってきてすぐに乗りました。地区プロにも出ていないので、カーボンフレームに乗るのは高校生以来ですよ。取れたところから頑張りたいと思います」