KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

千葉競輪

CHIBA KEIRIN

32#

検車場レポート

  • 10/13 Fri.  (前検日)
  • 10/14 Sat.  (1日目)
  • 10/15 Sun.  (2日目)
  • 10/16 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
志村太賀選手

 掛水泰範は、前回、富山FIの決勝で櫻井正孝らを相手に逃げ切り。S級初Vを手にした。今シリーズでも、いつもどおりの積極的な組み立てで存在をアピールする。


 「(1着かどうかは)全然わからなかったです。(S級初Vは)嬉しいには嬉しいですけど…。(番手を回った)三宅(伸)さんのおかげですよ。最近は、競走、合宿、富山(FI)、合宿、千葉(記念)で、さすがに疲れています。(合宿の)成果が出ればいいですね。でも、(3番手に)立花(成泰)さんまで付いてくれるので、頑張ります」


 志村太賀(写真)は、夏場から成績が上昇。しかし、初日は自力での番組となり、メンバーをにらみながら慎重なコメント。


 「どうなるかわからないですけど、前々にいきます。(岐阜記念で換えたフレームは)今も使っていますよ。常に違和感がありますね。なんとか3着までには入ります」

2R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手

 9月平FIを途中欠場した伊早坂駿一(写真)だが、続く地元の取手FIは238着と立て直しに成功。当所へも好調を維持したまま乗り込んできた。


 「(取手FIは)体のデキがよくて、決勝にも乗れました。そのあともしっかり練習ができたし、変わらず良い状態ですね。あとはぶつけるだけです。500バンクは仕掛けどころも多いですし、400バンクより好きです。力を出し切れれば大丈夫だと思います」


 伊早坂の番手は吉田勇人。前回の函館FIを161着など、近況はキメ脚が冴えている。


 「前回の函館は(前を任せた)久木原(洋)さまさまです。強かったですね。でも、最近はちょっとずつ良くなってきました。ウエートトレーニングをしたら、それが結果に出てきましたね」


 以前は当所を地元にしていた北野良栄。思い出のバンクに気持ちを込める。


 「前回(小田原FI、712着)は、初日に靴を試したらダメだったんですけど。元に戻したら良くなりましたね。(ここまでは)体調を崩したんですけど、やれることはやってきました。ここは育ててくれた場所ですからね。敵は強いけど、頑張りたいです」

3R

 補充ながら共同通信社杯を315着とまとめた久米康平。前回の青森記念でも2度の確定板入りを果たしたが、「物足りなかった」と振り返る。


 「共同は何も考えずにレースができたし、良すぎました。(青森記念は)それを求めすぎて違和感があって、入り切れてなかったですね。そこが終わってからは、ベロドロームと高知に合宿にいって。直前は小松島の誘導だけいって、ケアをしてきました。あとは、走ってみてですね」


 大きい着が目立つ北川大五郎だが、9月防府の最終日にまくって1着。ここ一番で力を発揮する侮れない存在だ。


 「練習はできているし、タイムも出ているんですけど。成績が伴わなくて。練習の感じをレースでも出せるように、いろいろ試したりしています。ちょっとずつよくなっていければ」


 佐藤和也は松戸記念を今一息も、続く四日市FIは391着。今回は、そこから中2日の強行軍となる。


 「松戸は全然ダメで。そのあと練習して、四日市にいったんですけど。まだまだですね。ちょっと疲れています」

4R

 久木原洋は、9月松戸で初めて記念の準決勝に進出など好走が目立つ。前回の函館FIは白星こそなかったが、242着と連日力強い先行策を見せた。


 「函館は先行してバックも取れたし、逃げの決まり手も付きました。でも、いつ大叩きするかびくびくしていますよ(笑)。千葉は成績がいいですね。補充でも来るつもりだったし、(追加あっせんでも)準備は万端です」


 並びが注目された中部勢は、小嶋敬二がラインの先頭に。前回の取手FIでは伊原克彦の番手からまくって準Vも、流れは悪くない。


 「伊原君には何も言ってなかったんですけど。いってくれて嬉しかったですね。近畿の先行屋はすごい。あんなに目一杯いくのかと。本当は優勝しないと失礼みたいな感じでしたね。ここまでは、練習をしっかりやってきました。状態は普通ですね」

5R

選手の写真です。
阿部拓真選手

 6月に特昇した阿部拓真(写真)は、8月小田原記念を2勝など順調な滑り出し。3度目の記念開催は、どこまで勝ち上がれるか。


 「(前回の防府625着は直前に)体調を崩して、練習にいけなくて。それでいったら、案の定、踏めなくてダメでした。でも、ここまではしっかり練習もできたし、絶好調ってわけではないですけど。それなりの状態ではあります。500バンクはいいイメージがないんですけど、成績は意外といいんですよ。目標は、まず一次予選クリアです」


 追加参戦の松坂洋平は、8月向日町FIで今年初V。9月豊橋FIでも鋭いまくりで制覇と気配良好だ。


 「状態は悪くないと思います。追加は昨日入りました。(前回の)久留米から(レース間隔が)空いていたから、練習で叩いていたので(疲れが心配)。(練習の感じは)悪くなかったですね。初日は自力で頑張ります」


 今年からビッグレースに参戦など、ステージを上げた山田庸平。初日も“らしい”走りで勝ち上がりを狙う。


 「いつもどおり調整をしてきました。疲れも大丈夫。僕は一気に練習すると、ガクっと落ちてしまうので。少しずつ上げていこうと。千葉は去年の記念で走って。それまでは500バンクが苦手だったんですけど、克服できましたね。初日も自分のレースをして」

6R

 田中晴基は9月小倉FIで久々のV。続く10月函館FIでも準Vと好走するなど気配が一変している。


 「小倉からセッティングを換えて、それがいいほうに出ています。3年前に鎖骨を骨折する前に110点ぐらい持ってたんですが、そのよかった頃に戻しました。函館が終わってからもしっかり練習して、感じは良かったです。500バンクでは最後の千葉記念になるので、千葉から優勝者を出したいです。細切れなので後手を踏まないようにします」


 川口直人は前回の久留米FIで5カ月ぶりの優出。調子、戦歴とも上昇カーブを描いている。


 「久留米はレース展開も良かったんですけど、久々に決勝に乗れて良かったです。状態も上がってます。追加をもらったので、感謝の気持ちを込めて、しっかり4日間を走りたいと思ってます」

7R

 筒井裕哉はタテ脚好調。前回の小田原FIの準決勝は8番手からまくったパーキンスを直線で逆転した。


 「(パーキンスは)タレてなかったけど、付きやすい感じで行ってくれました。(9月)向日町記念が終わってから腰の手術をしたんですが、1カ月くらい経って、だいぶマシになりました。今回から新車。自力で頑張ります」


 蒔田英彦は地元ライン3車の先頭で積極果敢に攻める。


 「千葉記念の正規配分は初めて。最初で最後になりますね。ここのあっせんが出てから、ずっと目標にしてやってきました。空回りしないようにしたいですね。調子自体はずっといいんですけど、ちょっと成績が伴ってないです。筒井さんも大西(祐)さんも強いけど、しっかり主導権は取ります」

8R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手

 桐山敬太郎(写真)は前回の函館FIで3カ月ぶりの優出を果たした。今期の競走得点は108点台。好調時の動きを取り戻している。


 「積極的には動けていると思いますけど、もう一歩ですね。でも、意識せずに動けているのでそこはいいと思います。(S級)2班なのでこの辺の点数を維持するのも大変なんですけど、維持できればGI出場も見えてくると思います。あと3カ月間は我慢ですね。(初日は)いつもどおりになるけど、何でもありでいきます」


 7月富山FIで外国勢を相手にS級初Vを飾った工藤文彦。その後の9月向日町記念は6152着と一次予選で敗れたが、今回こそはと気合を入れる。


 「調子は悪くないですね。ここに入る前もいつもどおり練習してきました。向日町記念は、勝ち上がりに失敗したので、(今回の)初日は勝ちたいですね。仕掛けられるところでしっかり仕掛けたいと思います。最後の千葉記念なのでいい思い出が残せるように頑張ります」


 このレースでバック本数トップの小林史也は積極策で奮闘している。


 「やっぱり(S級で)勝ち切るのは厳しいですね。500バンクはルーチャン(16年4月高知のルーキーチャンピオンレース)以来なのでイメージはないですけど、力を出し切って勝ち上がれるように走ります」

9R

 伊藤裕貴が一次予選のメインを務める。前回の広島FIでは連勝で決勝進出。このクラスでは力が違う。


 「僕がメインというのは、ちょっと嫌ですね。(9月岐阜記念で)落車してから正直、ちょっとよくない。ケガは擦過傷と打撲。サドルの向きが変わってしまって、修正するのに時間がかかりました。焦らずにやってますけど、もうほとんど影響はないと思います。いつもどおりのレースで、しっかりラインで決めたいですね」


 神田紘輔は前回の青森で記念初優出。着実にランクを上げている。


 「青森記念は展開に恵まれただけなんですけど、僕自身の調子もよかったし、結果を残せてよかったです。いい経験になりました。伊藤君との連係は初めて。同期で仲もよくて、来る前に連絡を取って、連係できればいいねって話してたんですよ。楽しみです。離れないようにします」

10R

選手の写真です。
新山響平選手

 ウエートトレーニングを取り入れるなど、試行錯誤を重ねて先を見据える新山響平(写真)は、前回の寬仁親王牌を6265着。なかなか結果には結びつかないが、信念が揺らぐことはない。


 「1カ月前くらいから、ウエートトレーニングを自転車とまぜながらやっている。みんなパワーがあるし、力負けしないようにと思っている。結局、そういうことをやっていかないと、これから変わらない。いまは我慢してやっています。前回も体調は良かったけど、レースがヘタクソでした。千葉はこれが初めてなんで、(千葉の500バンクは)最初で最後かもしれないですね。しっかりもつ距離を考えて、展開をつくりたい」


 前回の寬仁親王牌5658着がおよそ2カ月ぶりの実戦だった郡司浩平は、成績以上の手応えをつかんでいる様子だ。


 「前回は(成績が)良くなかったけど、結果うんぬんじゃなくて(感じは)良くなってきている。(賞金でのグランプリ出場は)周りが言うほど、自分は気にしてない。悔いのないレースをして、結果がついてきてくれれば。(賞金を)逆転したいからって、消極的なレースはしたくない」


 支部長として千葉をけん引してきた中村浩士は、500バンクでの最後の千葉記念に感慨深げに口を開く。


 「いろいろな思い出が詰まったところですから。そんな思いをエネルギーにして一丸となって頑張りたい。自分は中3日が続いているんで、(2場所前の)松戸記念から寬仁親王牌と同じ感じですね。それで(寬仁親王牌が)良かった。しっかり引き締めて頑張ります」

11R

選手の写真です。
海老根恵太選手

 海老根恵太(写真)は前回の寬仁親王牌8981着。「最終日は1着で良かった」と、3日目までは大きい着順を並べていただけに、地元記念に弾みをつける白星で悪い流れを断ち切りたい。


 「(前橋の)バンクの特性もあるけど、(感じは)良くはないです。良かったらもっとまとまっていたと思います。(500バンクでの千葉記念は)最後ですけど、まだそんな感じがしないというか、実感がないですね。とにかく気合で走ります」


 竹内雄作は、前回の寬仁親王牌の準決で平原康多らを不発に追いやる先行策。吉田敏洋、金子貴志とラインの2人を決勝に導く内容の濃い走りを披露した。


 「後ろの2人が決勝に乗ったくれた。それでも準決と最終日は最後が踏めなかった。単純に脚がないってことですね。ただ、なにもできずに終わっているわけじゃないんで、次につながるように。(中3日だけど)次の日(トレーニングで)動いていました」


 メンバーを見渡す岩津裕介は、井上昌己に前を託してニヤリと笑う。


 「(南関は)3人ですか。3人で決めようとしたら、(山中秀将は)最終バックでは(レースを)動かしているはず。そうなれば…。チャンスが向いたらしっかり踏んでいく。(前回からは疲れが)あんまりというか全然ない。たいしたレースをしてないし、これが決勝に乗ってたらまた違うと思うんですけど」

12R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手

 前回の富山F1でV奪取し勢いに乗って地元記念を迎える伊勢崎彰大(写真)は、師匠の滝澤正光杯、最後の500バンクに並々ならぬ思いで挑む。


 「(選手になってから)20年のなかで一番のデキです。あとは展開さえ向いてくれれば。早くからここを意識してやってきた。まだ記念を優勝したことないから、偉そうなことは言えないけど。自分のなかではここだけはグランプリ以上だと思っている。いい形で迎えられた。滝澤さんからも頑張れって言われている」


 前回、落車に見舞われて途中欠場を余儀なくされた石井秀治は、初日特選で近藤隆司、伊勢崎の3番手を固める。


 「練習はできるだけやってきた。ケツと背中の擦過傷と首のむち打ちですね。背中の擦過傷がまだちょっと気になるけど、思い出になるようにしっかり気力を振り絞ってやります。ここは高校の時からなにげなく走っていたバンク。なくなるのはさみしいけど、250バンクで新しくなって残るんでね」


 復帰から3場所を終えた村上義弘は、まだまだ本調子とは言えないが確実に上昇カーブは描いている。


 「急激にベクトルが変わるわけではないけど、ひとつ、ひとつキッカケをつかみながら。徐々に軌道修正したい。(中3日で)今回はいろいろ忙しかった。千葉はいい成績を残した覚えはないけど、最後はいいレースをしたい。(前橋は)すごい高速だった。スピードがあんまり上がらない方が自分にはチャンスがあると思っている」

1R

選手の写真です。
小林圭介選手

 打鐘で先に切って出た志村太賀が中四国ラインを受けて、4番手をキープする。志村は山中貴雄がけん制したあとの最終2コーナー過ぎからまくり発進。逃げる掛水泰範を志村が楽にとらえると、番手の小林圭介(写真)が交わして1着。


 「(志村が)早めに行ってくれたんで、ラッキーでした。自分もキツかったし、離れないかなって必死でした。(最終)2センターではワンツーは決まると思ったけど、(志村を)交わせるかどうかわからなかった。脚の状態ですか? これで悪いっていったら、(志村)太賀に申し訳ない」


 手堅く中団キープの志村太賀は、最終2コーナー過ぎからまくって危なげなく二次予選進出。


 「もうちょっと(仕掛けを)待とうかなと思ったけど、山中君が振って緩んだから。そこをまくれなくても、最悪降りればいいかなと。400メートルくらい行ってるんだから、抜かれますよ」

2R

 打鐘過ぎに飛び出した北野良栄をすかさず伊早坂駿一が叩いて先制。最終ホーム手前から一気にペースを上げる。3番手の茂木和臣が遅れて、その後ろから北野が踏み上げるが、前の2人との車間はなかなか詰まらない。番手絶好展開となった吉田勇人が直線で鋭く追い込んだ。


 「伊早坂君が強かったです。すかさず行ってくれました。バックからもまたかかっていきました。車間を切って、2着に残したかったんですけどね。佐藤(幸治)君が来てるのが分からなかった。あの距離を踏んだので、最後は伊早坂君もちょっとタレてました」


 7番手から好回転でまくり上げた佐藤幸治は2着まで。前まで遠すぎた。


 「けっこう前が踏んでいたので、冷静に行けるところから行った感じです。前と離れていて、ヤバイと思いました。でも、惜しかったですね。(脚の状態は)問題ないです」


 伊早坂駿一は持ち味の先行勝負で3着。ゴール前で粘りを欠いた。


 「走路の感覚がちょっとつかめなかったですね。重くて、最後はタレました。直線のラスト30メートルが踏めなかったです。でも、しっかり先行して脚に刺激が入ったので、良くなると思います」

3R

選手の写真です。
湊聖二選手

 後ろ攻めの北川大五郎が打鐘で主導権を握る。前受けの久米康平は3番手で雨谷一樹と併走に。しかし、最終ホームで視界が開けると、1センターからスパート。北川をバックでまくり切る。最後は続いた湊聖二(写真)が差し切った。


 「久米君は踏んだ時に出が少し違いましたね。でも、直線に入ったら伸びるかなと。(自分の走った感じは)付いていて楽でした。調子がいいかはわからないけど、楽だったからいいんでしょうね。今回から靴もフレームも全部換えました。フレームは新車ではなくて、前のものに戻しただけです。周回中からこれ、いいぞと思いましたね。久しぶりにバチっと合いましたよ」


 久米康平は、冷静な組み立てで徳島ワンツーを決めた。


 「(後方に引かなかったのは)ズルズル引くよりかはと思って。でも、雨谷さんがいくのをやめて戻ってきた時はアカンと思いましたね。もうちょっとタイミングよくいってもよかったんですけど、いきたいところからいかせてもらいました。みんなが言うほど、重たくはなかったです。青森記念がしっくりこなくて、いろいろ試したいことをやってきたんですけど。スカスカしていますね。とりあえずワンツーが決まってよかった」

4R

 小嶋敬二を藤田大輔が打鐘で叩いてハナに立つが、さらに2センターで久木原洋が藤田を叩き先制。小嶋は藤田ラインの内に詰まったまま、最終回へ。久木原はスローペースのまま後方を警戒し、藤田のまくりに合わせて踏み上げてそのまま末良く押し切った。


 「小嶋さんが内にいたので、落ち着いていけました。いつもだったら焦って踏んでしまうんですけどね。脚だけだと単純に小嶋さんや藤田君の方があるので、1回脚を使わせて前に出ないとって思ってました。(前回の)函館で久しぶりに逃げて残れたのもあって、自信になりました」


 目標は不発に終わった飯田辰哉だったが、直線で内のコースを突き鋭く伸びて2着に入った。


 「点数の部分では上げていくしかないので、気持ち的には開き直っていますね。最後の地元記念っていうのはあんまり意識はしてない。とりあえず、あと3日間しっかり」


 人気を背負った小嶋敬二は、打鐘の4コーナーで内を進出するも、結局7番手まで下げての立て直し。時すでに遅く6着。


 「力が入ってないですね。やろうと思ってない動きをしてしまうのは疲れているのか、感覚がおかしいです」

5R

 中団から先に動いて切った山田庸平を松坂洋平が打鐘の4コーナーで叩いて主導権。最終ホームで中団に追い上げた阿部拓真は最終2コーナーからまくり上げると、近藤俊明のけん制を乗り越えて真っ先にゴールを駆け抜けた。


 「早めに仕掛ければ、カマさせてくれるかなって思ったけど、松坂さんにけっこう踏まれてしまって。1回(中団で)休んで緩んだらまた仕掛けようと思っていました。冷静には走れたと思います。併走しながらでも、しっかり前に出られているので、脚の状態はいいかな。記念の準決はまだないので、明日(二次予選で)しっかり勝ち上がりたい」


 最終バックで紺野哲也をさばいた山田庸平が阿部のまくりを追って2着に入った。


 「1回レースを動かして、展開はある程度読めていたんですけど。最終ホームで番手にいくか、3番手か、中団か迷ってしまった。あそこの判断が中途半端でした。その後は紺野さんが踏み遅れていたのが見えたので、(阿部の)番手は取れると思ってそこに飛び付きました」


 松坂の先行を利した近藤俊明が3着に食い込んだ。


 「松坂君がいい感じで駆けてくれたので、なんとか止めたかったけど。阿部君がいいスピードできていたので、引っかからなかったです。もう少しうまく止めたかったです」

6R

選手の写真です。
田中晴基選手

 後ろ攻めの西田大志に、田中晴基の順で動いて森田康嗣が打鐘過ぎに切る。これを押さえて先頭に立った小笹隼人は後続の出方をうかがいながら徐々にペースアップ。3番手を確保した田中が最終バック過ぎからまくると、これを張りながら伊藤健詞が直線で鋭く抜け出した。


 「小笹君の仕掛けがちょっと早くなってしまいましたね。余裕はあって仕事もできたんですけど、小笹君も失速してきているし、内から(西田)も来ていて判断が難しかったです。ワンツーが目標だったんですけど、今後の教訓にします」


 厳しいブロックを受けながらも懸命に踏み続けた田中晴基(写真)が2着。地元の意地は見せた。


 「初めの並びはいいと思ったんですけど、今年初めての500バンクで組み立てが難しかったです。小笹さんが出て、そこにスイッチしたんですが、すぐ行かなくて詰まりました。3番手を取り切れたので、態勢を整えていたら、好永(晃)君が見えたので、無理やり踏んでいきました。(伊藤の)ブロックでスピードが死んじゃったんですが、なんとか2着までいけて良かったです」

7R

選手の写真です。
筒井裕哉選手

 後ろ攻めの蒔田英彦を警戒していた大西祐が、最終ホームで筒井裕哉(写真)を叩いて先行策に出る。蒔田はすかさず反撃に出ると、最終バックで前団をとらえた。すると、千葉勢を追った筒井が2センターから外を踏み上げる。ジワジワと前団に迫り、ゴール寸前でまくり切った。


 「レース的には、ホームで駆けないとアカンですね。(大西を)出しながら思いました。でも、(蒔田の)スピードを見ていけるなとは思いましたね。赤井(学)さんの後ろにパっと切り替えて。ちょっと待ってから踏んで。車が出ましたね。余裕もあったし、いいです」


 蒔田英彦が2着。地元記念で勝ち上がりを決めたが、表情は浮かない。


 「ホームの時点で決まったと思ったんですけどね。すんなりスーっといけたけど、出切ってからはいっぱい。自分だけになってしまって、何ともいえないですね…」


 岩本和也は筒井と口が空くも、懸命に追いかけて3着に入る。レース後は反省しきり。


 「先にきついと思ってしまって。様子を見ていたら離れてしまいました。しっかり付いていけば、ワンツースリーが決まったと思う。情けないですね。筒井君はグイグイ伸びていったし、強かったです」

8R

 周回中、8番手にいた桐山敬太郎がじわりと押さえて、中近ラインの3番手に飛び付いて最終回。5番手に中島将尊、工藤文彦が7番手の一本棒。後続の仕掛けはなく、桐山は3コーナー過ぎから踏み込んで抜け出した。


 「ちょっと大事に行き過ぎました。ワンテンポ踏むのが遅いぶん。白戸(淳太郎)さんが3着になっちゃいました。ただ、誰も来る雰囲気じゃなかったし、バックも(小林史也)掛かっていた。前を取らされると思ってたんですけど、みんな普通に出た。予選だと1回押さえてからの方が、位置も取れるんで堅い。前を取らされないでラッキーでした」


 7番手に置かれた工藤文彦は、最終3コーナーからのまくり追い込みで2着に届いたものの反省の弁。


 「カマせれば良かったんですけど、ちょっと自信がなかった。500バンクの1周っていうのに…。勢いをもらっただけなんで、(脚の感じは)わからないですね」


 桐山に続いた白戸淳太郎は、3着を苦笑いで振り返る。


 「桐山はしっかりやってくれたんですけど、僕がしっかりできなかった。(3番手に入って)桐山のことだから、2コーナーくらいから行っちゃうのかなって。それでタイミングが合わなかった。自分に余裕がなかった」

9R

 打鐘過ぎに切った高木翔を古屋琢晶がすかさず押さえて前に出る。さらに仕掛けた伊藤裕貴が最終ホーム前から主導権を握る。齋藤友幸の巻き返しにきっちり合わせてハイピッチで飛ばしていく。最終バックからまくった古屋を好ブロックで仕留めた神田紘輔が番手から一気に抜け出した。


 「ワンツーが決まれば良かったんですけど、伊藤もしんどそうでした。でもライン3人で決まったので、それは良かった。脚もたまっていたし、周りも見えていました。状態は問題ないです」


 中近ライン3番手の真田晃が神田に続いて2着に入った。


 「ああなったら、内を締めているだけだなと。道中の感触は悪くないし、車もそれなりに進みました」


 先行で長い距離を踏んだ伊藤裕貴は直線で末を欠いて3着に敗れた。


 「ちょっと長かったですね。キツかった。先行は重いと言われていたが、駆けて残れなかったら、勝ち上がっても戦えないなって思っていたので。なんとか勝ち上がれて良かったです。明日(二次予選)につながると思う」

10R

選手の写真です。
中村浩士選手

 打鐘過ぎに切った郡司浩平を新山響平が押さえて主導権を握る。これを受けて3番手を確保した郡司が最終2コーナーから力強くまくって南関ライン3車で上位独占の態勢。最後は番手の中村浩士(写真)が郡司をきっちりとらえて、好スタートを切った。


 「前が郡司君、後ろが和田(健太郎)君で気合が入りました。前々にいって、いい位置を取って、まくってくれた。郡司君の真骨頂でしょう。自分はもう本当に無風でしたし、ライン3人で決まって良かったです」


 好回転でまくった郡司浩平は2着。文句なしのレース運びでラインを上位独占に導いた。


 「ホッとしました。(地元の)2人に付いてもらっているし、行けなくても仕掛けるところでしっかり仕掛けようと思ってました。結果的にいい位置を取って、かぶる前に仕掛けることができました。まだ新山君も踏み上がっていたんですけど、僕も余裕があったので、なんとか行けました。こういうレースを積み重ねていきたいですね」


 ライン3番手の和田健太郎がきっちり3着に流れ込んだ。


 「郡司君があのタイミングで仕掛けてくれたし、浩士さんもラインで決まるように最後に内を空けてくれた。自分のことを信頼してくれている。そこがうれしかったです。久々のレースでにぶいところはあったけど、日に日に良くなると思います」


 6番手からまくり追い込んだ原田研太朗は4着まで。


 「郡司君がいいところから伸びていったので、きつかったです。最後は突き抜けるイメージで踏んだのに伸びなかった。感覚のズレがあるかもしれません」

11R

選手の写真です。
山中秀将選手

 山中秀将、佐藤博紀の順で前に出る。その上を竹内雄作が打鐘の2センターで叩き、最終ホームを一本棒で通過。山中は態勢を立て直すと、1センターから一気にまくり上げる。抵抗する竹内を3コーナーで捕らえてラインで出切った。これにきっちり続いた海老根恵太は、直線で追い込んで白星を手にした。


 「(10レースで南関勢が上位を独占して)気合いが入りました。とにかく離れないように。持ってこられたら付いていくことを考えてました。でも、出切ってからは余裕がなくて、抜きすぎちゃいましたね。ワンツースリーで最高です。調子は変わらないんですけど、地元の分だけいい感じ」


 地元勢の3番手を固めた五十嵐力が、別線をけん制しながら続き2着に入る。


 「前のおかげです。山中君は強いですね。インを切ってから、すかさずいってくれた。最後は井上昌己がきて。あんまり横に動けないところだったから、山中君はどうかなと思ったけどね。残ってくれてよかった。(自分の)感じもいいと思います」


 山中秀将(写真)が、井上との3着争いを制して勝ち上がり。冷静なレース運びでラインを上位独占に導いた。


 「あそこ(打鐘の2センター)から突っ張るわけにもいかないし、(北日本コンビを)出させてから考えようと。竹内と対戦すると、良いペースにさせられて、まくれないってことがあるので。ペースが上がり切る前に仕掛けました。タイミング的にもよかったと思います。とにかく、竹内をやっつけることしか考えていなかったです。それくらいの気持ちでいたからラインとして機能したと思います」


 逃げた竹内雄作は、力尽きてシンガリ負け。二次予選で巻き返しを図る。


 「重い感じはしなかったんですけど、変なペースになってしまいました。少し不甲斐なかったですね。(このあとに)大垣(記念)があるから、今はそこに向けて試しながらやっています」

12R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手

 中団から先に動いた長島大介を、近藤隆司が打鐘過ぎに押さえてレースを支配する。近藤は別線の動きを確認して、最終ホームからペースを上げて全開で逃げる。近藤のかかりが良く、7番手から巻き返した稲毛健太は中団で力尽きる。番手で願ってもない展開が訪れた伊勢崎彰大(写真)は、2センター過ぎから踏み込んで確実にチャンスをモノにした。幸先いいスタートを切った伊勢崎が、気持ちを引き締めるように口を開く。


 「(最終)バックでは出て行く準備はしていたけど、後ろでまくりが不発になっているのもわかっていた。勝ち切らなきゃいけないんで踏みました。脚力の状態は問題ないけど、(初日は)僕自身に硬さがあった。やることをやってきたんで自分を信じてやるだけです。(雨で)足もとが悪いなかで、あんだけ活気のある千葉競輪場を久しぶりに見ました。近藤と(石井)秀治の心意気で形になったし、仲間に支えられている。ここからですからね、気を抜かずにやります」


 外から伊勢崎との差を詰めた石井秀治は、半車輪差での流れ込みで千葉ワンツー。


 「近藤君のおかげですね、助かりました。(前回の落車で負った擦過傷は)背中の方もあと何日かすれば良くなると思うし、大丈夫ですよ。伊勢崎先輩が1着でよかった」


 4番手を確保した長島大介は、最終バック過ぎに神山雄一郎、稲毛と重なって仕掛けられない。苦肉の策で内よりのコースを踏んでの3着だけに、歯切れは悪い。


 「(初日は)自力として情けない…。伊勢崎さんの(番手から出る)雰囲気もあって、見ちゃいました。稲毛君のスピードが微妙だったっていうのもあります。(位置を)取るだけになっちゃった。せめて外を仕掛けないと。自信をもって仕掛けないといけないのに、自信がなかった」

6R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 ここからが二次予選。打鐘で切った佐藤幸治を伊早坂駿一が押さえて主導権を握る。ホームで追い上げて3番手を確保した桐山敬太郎が2コーナーから踏み上げるが、稲毛健太(写真)がその外を圧巻のスピードでまくり切った。


 「作戦は特に考えてなかったんですけど、昨日(初日)はすんなり引いたので、前を取ったら踏んで様子を見ようと思ってました。ホームでは行こうと思っていたんですが、もつれたんで、そこだけ見てしまいました。仕掛けてバックではもう出切れると分かりました。結果が出てない時は脚を使ってない時なんで、脚を使えば結果が出ると思ってます」


 三谷将太がきっちり2着に流れ込み、近畿ワンツー決着となった。


 「離れなくて良かった。やっぱり稲毛とは相性がいいね。抜けたら良かったけど、きつかった。もうちょっと差し込みたかったけどね。無理だった」


 3番手からまくった桐山敬太郎は近畿コンビにあっさり抜かれてしまったが、3着に踏みとどまった。


 「60点です。先行も考えていたけど、最低でも3番手と思ってました。臨機応変には動けました。レースは見えているし、悪くはないけど、稲毛が強かった。ラインで決めたかったです」

7R

選手の写真です。
工藤文彦選手

 阿部拓真が後ろ攻めから上昇し中団で併走。蓋をされた竹内雄作は車を引きかけたが、横の工藤文彦をどかし、阿部から主導権を奪い返した。そのままペースで駆けて、堂々の押し切り。


 「引くよりは、コースが見えたのでいかせてもらいました。後ろには迷惑をかけてしまいましたね。ペースで駆けられたけど、もうちょっとかなと悩んでいます」


 伊藤正樹が踏み出しで離れると、竹内雄の仕掛けを追った工藤文彦(写真)が番手にハマる。最後は直線勝負にかけたが、差は縮まらずマークの2着。


 「先行か、上をいかれたらハコ勝負と。特別競輪を走る人の強さを感じましたね。ああなったら、せめて差し込まないと。足りないところしかなかったです。運一本。記念の準決勝は初めてです。ちょっとずつ階段を上がっていきたい」


 竹内雄に叩かれた阿部は3番手を確保。その後ろの竹内智彦が、4コーナーから内のコースを踏んで3着に入った。


 「(阿部が)もうちょっと踏んでいたら番手でしたね。みんなが、(竹内雄の番手を)狙っている感じでした。1番(工藤文彦)も頑張っていたし、入られてしまって。その分、1車ずつ遅れましたね。(自分が)メンバーの中で一番楽をしていたかも。1番(工藤文彦)が空けてくれないとコースがなくて危なかったです。調子は大丈夫」

8R

選手の写真です。
桑原大志選手

 久米康平は新山響平にフタをしたあとに、打鐘の2センターで田中晴基を押さえてハナに立つ。久米ラインに続いた新山は、最終ホームでさらに久米を叩いて主導権。2コーナーから7番手の田中は反撃するが車は出ず、じわじわと踏み上げた新山が先頭で直線を迎える。番手の神山雄一郎が絶好の展開となったが、神山と小林圭介の間を突いた桑原大志(写真)が鋭く伸びて白星を飾った。


 「コースを悩んだんですけど、神山さんは圧倒的な威圧感と、すべてにおいて余裕があるから内にいくのは怖かったですね。でも、もう一つ外(のコース)でも勝負できるかなと思った。久米君の組み立てと、地区が違うのに後ろを固めてくれた笹倉(慎也)君のおかげですね。グランプリを目標にというよりは、一戦、一戦やっていって、結果がついてくればうれしいです」


 2着は新山ラインの3番手から伸びた小林圭介


 「最初(新山の踏み出し)に離れた時はやばいと思いましたけど、そのあとにすぐ仕掛けてくれたのでいい感じに付いていけましたね。3番手だったのでかぶりたくないっていうのもあったんですけど、新山君もかかっていましたし良かったです。(直線で)早めに踏んだんですけど、中を割られたのは申しわけないですね」


 絶好の展開で直線に入った神山雄一郎だったが、横一線のゴール勝負は3着。


 「少し前の自分なら、(新山を)抜けてなかったと思う。(調子は)上がってきているし、あとは着が伴ってくれれば」

9R

選手の写真です。
河野通孝選手

 打鐘の4コーナーで出た杉森輝大が先行策。すかさず近藤隆司が巻き返すが、河野通孝の再三にわたる強烈なブロックで外に浮く。河野の援護を受けて快調に逃げた杉森が後続を振り切り逃げ切った。


 「積極的に仕掛けようと思っていたので、その流れで自分が先行できて良かったです。近藤君が来るのはわかっていたので、同時に踏んであとはペースで駆けられればと思ってました。後ろの河野君が仕事してくれたので、なんとか1着を取れましたね。踏んでいる感じは悪くないので、状態はいいと思います」


 浮いた南関勢が外にいて仕掛けられなかった筒井裕哉は、ようやく最終2センターから踏み込む。杉森こそとらえ切れなかったが、シャープな伸びで2着に入った。


 「前(河野)が暴れていたし、行くタイミングがなかった。8回くらいバックを踏んでしまって、後ろに申しわけなかったです。最後に踏んだ時は内がダンゴになっていたし、自分はけっこう伸びたので突き抜けたかと思ったんですけど…。全然でしたね(笑)」


 大立ち回りを演じて別線の反撃を阻んだ河野通孝(写真)は、杉森との茨城ワンツーはならずも3着に納得する。


 「近藤君がすごい外から来たので、ブロックした後は遠くに行ってしまって当たれなかったですね。最後は杉森が力でいってくれて、自分の脚は残ってなかったです。いっぱいでした。(杉森は)同級生で何度も連係したことがあって、何度も1着を取らせてもらっているので、2人で(準決勝に)上がれてよかったです」

10R

選手の写真です。
佐藤博紀選手

 打鐘で切った原田研太朗を伊藤裕貴が押さえ、さらに久木原洋が仕掛けて主導権を握る。なかなかペースを上げない久木原に対し、8番手となった佐藤博紀(写真)が1センターから一気の反撃に出る。バックで前団を抜き去った佐藤博が佐藤和也の追撃をわずかに振り切った。


 「8番手になって緩んだところで、行けると思って行ってみたんですけど、行けましたね。前(の隊列)がフワーっとなったので、その間に行けるかなって。出切って、あとは我慢するだけでした。回せているんで感触は昨日(初日)よりもいいですね」


 好マークから詰め寄った佐藤和也が2着。北日本ワンツーが鮮やかに決まった。


 「(佐藤)博紀が強かったです。ハラケン(原田研太朗)が行けば、それに付いていって、3、4(着)はあるかなって思っていたんですが、それよりも先に博紀が行ってくれました。博紀がしっかり持ち味を出してくれました。2人で勝ち上がれて良かったです」


 久木原洋の先行をフルに生かした志村太賀が3着に入った。


 「(原田)研太朗だけは出させないようにと思ってました。久木原君に助けられましたね。思ったよりも強かったです。最後は間に合わないと思って早く踏んじゃった。申しわけなかったですね」

11R

選手の写真です。
村上義弘選手

 村上義弘(写真)が圧巻の走りで1着を手にした。レースは、後ろから上昇した高木翔が打鐘の3コーナーで誘導を降ろして先行策。3番手は正攻法に構えた水谷好宏と、北日本コンビに続いた山田庸平とで併走に。後方で脚をためていた山田義彦が2コーナーからまくると、志智俊夫はバックで山田目掛けて前に踏む。村上は2センターから志智を追走すると、直線で大外のコースを強襲した。


 「一番人気になっていたので、直線で志智さんを交わせば一番人気なんで。もう持ち出さないとってところで志智さんが切り替えていって。それに付いていく形です。全部責任感です。任せた選手(水谷)が一つ、一つ勉強ですし、経験を積みながらですね。(自分も)一つ、一つです」


 志智俊夫が2着。的確な状況判断で準決勝に勝ち上がった。


 「内にいる時点で自分の着はないなと思って。先に踏まないと、来てからでは遅いので。最後は誰が伸びてきているのかなと思ったら村上だった。さすがやな。勝ち上がれてよかった」


 まくり切った山田義彦は、直線で村上、志智に屈して3着。それでも、「3着に入れてよかった」と胸をなで下ろす。


 「脚をためる作戦でした。500(バンク)は長いですね。あの自転車で自力でまくったのは初めてです。あんな感じかと。末はきついけど、道中で回せられれば修正できますね。(体の状態も)悪くないと思います」

12R

選手の写真です。
石井秀治選手

 打鐘で先頭に立った伊勢崎彰大がペースを落とすと、郡司浩平と併走の山中秀将がゆっくりと押さえて出て先行態勢を取る。8番手になった郡司は、最終ホーム手前から反撃。山中が合わせてペースを上げる。郡司は山中ライン3番手の和田健太郎の横まで。番手で盤石の態勢を築いた石井秀治(写真)は、自力に転じた海老根恵太のまくりをけん制しながら抜け出した。別線ながらも6人の地元勢に、同じ南関地区の神奈川コンビ。仲間を気遣う石井は、言葉を選びながら振り返る。


 「山中君が頑張ってくれて、そのおかげで1着を取らせてもらいました。(南関勢が多かったので)慎重にレースを進めた。(山中は)頼もしい後輩です。ファンの方々の声援もすごくて、それもすごい力になっています」


 海老根のまくりに乗った中村浩士が、直線で外を伸びて2着に入った。


 「自分は楽をしてたし、恵まれました。ああやって(敵として)走ると、郡司君も強いし、伊勢崎君だって気持ちが入っていた。みんなすごいですね」


 石井とのセットが車単の1番人気に支持されていた和田健太郎は、3着を反省する。


 「自分と(石井)秀治さんで売れていたんで、2着までに入れれば良かった。海老根さんのところを(当たって)行きたいなって思っていたら、(コースが)空いたんですけど。もうその時は外を(中村)浩士さんが踏んでたんで、ダメでしたね…。脚の状態は問題ないし大丈夫です」


 神奈川コンビが外に浮いて、伊勢崎は五十嵐力とからむ。それを見た海老根恵太は、最終2コーナー過ぎからまくりを放ったものの直線半ばで失速して4着。


 「(伊勢崎が内に)詰まっちゃってたんで、悪いけど(まくりを)行かせてもらいました。(まくりの出も)ちょっと良くないですね。でも、(千葉の500バンクでは最後で)ただの記念じゃないので、(準決勝は)魂を込めて走ります」

10R

選手の写真です。
佐藤博紀選手
選手の写真です。
中村浩士選手

 打鐘の3コーナーで切った杉森輝大を工藤文彦が押さえて先行態勢を取る。5番手になった地元の山中秀将は最終ホームから反撃。懸命に抵抗する工藤をバックで抜き去るが、その上を佐藤博紀(写真)が鮮やかなスピードでまくって金星を挙げた。


 「後方になってしまって、竹内(智彦)さんには迷惑をかけました。山中君は初日もあれで行き切れているんで、付いていって、そのままの勢いでまくりに行きました。バックを踏まずに、そのままの流れでいけました。記念の決勝に初めて乗れたので、挑戦するつもりで頑張ります」


 地元コンビも意地は見せた。中村浩士(写真)はまくった山中をゴール前で交わして2着。


 「山中は仕掛けて準優を突破するっていう気持ちだったと思います。1車(佐藤を)止められなくて行かれてしまったんですけど、まだまだ山中も行ける感じだったので、しっかりアシストをしようと思ってました。自分はもう落ち着いていました。ここが勝負だったし、またひと山、2人で越えられました」


 最後まで諦めずに踏み続けた山中秀将が3着に踏ん張った。


 「しっかり仕掛けて、中村さんに抜かれないようにゴールするのがテーマでした。連日、長い距離を踏めていたので、自信はありました。かかっていると思ったけど、佐藤さんに行かれてしまった。(中村と)1、2着なら最高だったんですけどね。2、3着でも2人で決勝に乗れて良かったです」


 3番手を確保した杉森輝大だが、内に詰まって万事休す。最終2センターでようやく外に持ち出したが、時すでに遅く5着まで。


 「いい位置が取れたんですが、工藤君が緩めていて、迷ってしまった。そこで仕掛けても山中さんを引き出す形になるんじゃないかと思った。その隙を見逃してくれないですね。判断ミスなので修正できるところは修正します」

11R

選手の写真です。
神山雄一郎選手
選手の写真です。
和田健太郎選手

 後ろから上昇した郡司浩平は、中団の竹内雄作の横で併走。竹内が後方に車を下げると、打鐘の2センターで飛び出して主導権を握った。番手の伊勢崎彰大は、すかさず巻き返してきた竹内を阻んで不発に追い込む。まくってきた筒井裕哉もけん制して前に踏むが、脚はいっぱいに。すると、後方の神山雄一郎(写真)が空いた中のコースを一気。鮮やかに突き抜けて白星をさらった。


 「うまくいったというか、余裕があったというか。初日は俺が(長島を)邪魔した感じになってしまって。かぶって悪かったので待って待って。8番(筒井)がいいスピードだったので、やってしまったかなと思ったんですけど、止まって。脚は余っていたけど、6番(佐藤和也)の外はないので待って差し込んでいたら、混戦になって、いいところが空きましたね。ずっと突き詰めてやっていた成果が出た。乗り方とか、セッティングとか。最後の千葉記念だし、決勝に乗りたかったのでよかったです」


 南関3番手を固めた和田健太郎(写真)が、直線で内のコースを伸びて2着に入る。レース後は同県の先輩を気遣いながら、慎重に言葉を選ぶ。


 「前の2人の頑張りとしか言いようがないと思っています。3人で勝ち上がるのが一番いいですけど、できれば伊勢崎さんと2人で勝ち上がりたかった。(伊勢崎の)師匠の冠の付くレースですし、気持ちが伝わっていたので。郡司君も先行の形をとってくれたので、自分はしゃくられないようにとか、入られないようにしていました。乗れて嬉しいですけど、伊勢崎さんの気持ちを考えると、手放しでは喜べない。僕ももう少し何かしてあげられたんじゃないかなって思います。競輪って難しいですね。思いが強くても必ず叶うものでもないですし。次に郡司君や、伊勢崎さんと一緒の時は恩返しをしたい。(決勝は)2人もそうですけど、勝ち上がれなかった他の千葉勢や、出られなかった千葉のみんなの気持ちを背負って走りたい」


 長島大介が直線で追い込んで3着。決勝行きの権利を手にするも、組み立てを反省する。


 「郡司君があんなにいくとは思わなかったです。伊勢崎さんが(番手から)出るのかなと思ってしまって。やっぱり仕掛ける勇気がないですね。イップスです。筒井さんが来た時にいくタイミングがあったんですけど、見てしまいました。神山さんが1着を取ってくれてよかった。ただ、初日より感じはよくなりましたね」


 気迫の立ち回りを見せた伊勢崎彰大だったが、最後は車が伸びず5着で準決勝敗退。


 「郡司君の気持ちが伝わりました。自分の実力はこんなものだった。またやり直すしかない。やり直しのきかないレースでしたけど。気持ちの整理がつかないですね」

12R

選手の写真です。
村上義弘選手
選手の写真です。
海老根恵太選手

 地元コンビを連れた桐山敬太郎が赤板を過ぎて上昇を始めると、前受けの稲毛健太は突っ張る。7番手からの立て直しを余儀なくされた桐山は、再度アタックをかけるも村上義弘(写真)の横まで。村上が桐山を2発のブロックで仕留めたところに、今度は自力に転じた石井秀治が襲いかかる。わずかに石井に出られた村上が、こじ開けるように石井を弾いてそのまま踏み込む。早めの追い込みとなった村上が直線で抜け出した。


 「(稲毛は)引くと思った。桐山もそんなに遅く来たわけではなかったけど、(稲毛)健太がちょっと早めにペースを上げていった。自分は桐山に1回当たってから、車間を切ってタイミングを取ろうと思った。そしたら内が見えた。(石井)秀治を引きつけたかったけど。強引になりましたね。(千葉記念は)500バンク最後のレースで見てくださるみなさんがいるんで、少しでもいいレースができるように。自分は目の前の一戦、一戦を頑張るだけです」


 石井が村上に阻まれると、海老根恵太(写真)は村上を追いかけるように踏んで2着。仲間の頑張りに感謝しきりで振り返る。


 「2人(桐山、石井)のおかげ。(桐山は)無理やり踏んでくれた。シュウちゃん(石井)は行っちゃうかと思った。でも、村上さんがすごかった。そこからはシュウちゃんの内を行って申しわけなかったけど、あおりもあったし体が反応した。あとから体がついてきている感じがある。それでも千葉を走ると不思議といい。いつも練習しているバンクだからですかね」


 単騎の志村太賀は海老根の後ろに切り替えて、最終3コーナーから俊敏に内をついて優出を遂げた。


 「(近畿勢が)前を取った時点で突っ張りがあると思った。(桐山が)合わされて、山田(義彦)君より早く位置をと思って、急いでまた追い上げた。ああいう切り替えの脚が重要になる。(最終3コーナーから入って)外を踏みたかったけど、村上さんの外を踏むのは無理なんでああなりました」


 一度は村上よりも前に出た石井秀治だったが、結果、村上のブロックをもらって7着に散った。


 「稲毛君のところをかぶせて安心した。そしたら村上さんにいいのをもらって勉強になりました。村上さんのすごさを体感しました」


 


 


<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>


 最終日の9レースにはKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)が行われる。テオ・ボスは、7月福井記念で行われたエボリューションを優勝。上がり10秒1と驚愕のタイムで日本勢を圧倒した。日本での今年ラストレースを白星で飾れるか。


 「いつも自分達(外国勢)が競輪をやっている時は日本人が有利だけど、今回は逆で自分達が有利。とくに緊張したりとかはないけど、負けられないですね。(最後の千葉記念ということは)知っているし、木製で250バンクになるかもしれないことも知っています。500バンクだし、レースとしては展開に面白みはなくなるかも。勝つことも大事ですし、シーズンの締めくくりにふさわしいレースをして、ファンに喜んでもらいたい」


 天田裕輝は地元で行われた寬仁親王牌を2連対。さらに、昨年の関東地区プロのケイリンを2着と競技でも結果を出している。しかしながら、ビッグ後のレースだけに準備不足を口にした。


 「前回がGI(寬仁親王牌)で、ほとんどピストで練習していたし、カーボン(フレーム)には乗れていないです。500バンクのエボリューションで何とも言えないですけど、何とかします。最後の千葉記念だし、思い切り走れれば」


 「こっちの方が得意分野です」と景気の良い言葉が飛び出したのは追加で参戦が決まった巴直也。持ち前のダッシュを生かした組み立てで強敵撃破を目論む。


 「エボリューションは初めてです。でも、もともと競技出身ですし、カーボン(フレーム)の方が好き。ラインもないですしね。(追加あっせんの連絡は)1週間くらい前に入りました。自転車の調整もしてきましたよ。位置は気にせずに走ります」


 三宅達也は、前回の寬仁親王牌で落車。状態が気がかりだ。


 「(寬仁親王牌から)帰ってきて、痛いところが出てきました。ここまではずっとケアです。まだまだ完治とは言えないですね。取れたところから仕掛けるしかない。後方にならないように、どうにかします。(千葉は12年の記念を制しており)ミラクルが起きたらいいですね」