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千葉競輪

CHIBA KEIRIN

32#

決勝戦レポート

佐藤博紀(岩手・96期)

最後の記念覇者は佐藤博紀

 500バンクとして最後となった千葉記念。まくり切った地元の山中秀将と、その後ろから迫る佐藤博紀とでゴール線は横並び。“最後の戦い”にふさわしい白熱の優勝争いにファンは息をのんだ。勝敗の行方は、僅かに交わした佐藤に軍配が上がった。
 「びっくりしました。あれよあれよで。一回、どこかいけるところからいって。ダメならしょうがないと思っていたんですけど。山中君の方が勢いがあったので、外だし届いているかわからなかったです。(気づいたのは)お客さんに言われて。特別競輪のようなメンバーだし、信じられないですね」
 連日、抜群のスピードを見せて初の記念決勝へ。さらに、ファイナルはまくった村上義弘に続くと、最後は渾身の追い込みでV。俊敏な動きで激戦を制すと共に、戦いの中で収穫も得た。
 「スタートで一斉に出たら、前に村上さんがいて。(村上が動いた時は)まだ青板のバックだよねと思って迷ったんですけど、村上さんなので付いていきました。半分任せたみたいになってしまいましたね。大先輩(村上)の背中を見て走って、勉強になりました。グランプリに乗る人は、走り方が違う。一人でも積極的に動かないと。あのくらいの気迫はなかったですし、見習うべきですね」
 記念Vを果たすも、おごることなく先を見据える。己を信じて、歩みは止めない。
 「このスタイルで調子がよくなったので、このまま変えずにいきたいと思っています。まだFIも優勝していないですし、そこが引っかかっているので。一からまた頑張ります」

 勝負に徹した山中秀将だったが、最後の千葉記念を笑顔で飾れず。地元勢から優勝者を出せなかった。
 「お客さんが求めていた結果とは違ったかもしれません。わがままを言わせてもらって勝負したくて。もうどうだったかは覚えてません。とにかく前に出れるようにと思ってました」

 中村浩士が3着に突っ込む。こちらも優勝こそ逃したが、精神的支柱として地元勢をきっちり束ねた。
 「山中は山中の走りをしたと思います。みんながみんな出し切って負けたので、力不足ですね。自分たちの力が足りなかった。また次に向かう糧にしたいです」

 神山雄一郎は、準決勝で見せた鋭脚を発揮できず4着。
 「(長島)大介が主導権を取ってくれてよかったけど。2車だったので、村上に入られてしまって対応できなかった。しょうがないですね」

 5着の村上義弘は、単騎ながら力勝負で見せ場をメイクした。
「できることをやった。いい位置をとって、自分の中で最高の展開にもっていったけど。あとは脚ですね。また出直してきます」

 山中に離れた海老根恵太は、ガックリを肩を落として反省する。
 「情けない。離れてしまって。付いていければ、みんなにチャンスがあったのに…」

 長島大介は果敢に風を切るも、最終バックで力尽きた。
 「ラインが2分戦で、山中さんが前を取った時点で逃げる覚悟はできていました。自分の能力はすべて出し切りました。練習して自分の力を上げていくしないですね」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲で志村太賀が出かけるが、内枠を利した中村浩士が好ダッシュで前を取りに行く。これで山中秀将-海老根恵太-中村-和田健太郎の地元勢が前団。以下は志村、長島大介-神山雄一郎、村上義弘、佐藤博紀で周回を重ねる。
 青板2角で村上が動き、3角で早々と前団まで上がる。佐藤、志村は村上の動きに乗り換えて赤板。結局、山中は車を引く。これで正攻法の位置となった村上を、長島が打鐘で押さえる。村上、佐藤、志村が3番手以下を占め、山中は6番手。2角で山中が渾身の力でまくりに出るが、同時に村上もスパート。3角で栃木勢をまくり切った村上を、2センターで山中がねじ伏せて先頭に立つが、海老根以下は踏み出しで切れてた。懸命に押し切りを図る山中を、すんなり切り替え追った佐藤がゴール寸前でズブリ。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 佐藤 博紀 岩手 96期 S1 13.9 追込み
2 7 山中 秀将 千葉 95期 S1 1/8W 13.9 捲残
3 2 中村 浩士 千葉 79期 S1 1B 13.4 追込み
4 3 神山 雄一郎 栃木 61期 S1 1/2W 14.1
5 1 村上 義弘 京都 73期 SS 3/4W 14.2 B
6 6 志村 太賀 山梨 90期 S1 1/4W 14
7 4 海老根 恵太 千葉 86期 S1 1/2B 13.9
8 9 長島 大介 栃木 96期 S1 6B 14.8
9 5 和田 健太郎 千葉 87期 S1 3B 14.1