別府競輪

BEPPU KEIRIN

86#


  • GⅠ
  • 読売新聞社杯全日本選抜競輪
  • 2.8Fri 9Sat 10Sun 11Mon

次回開催
F2
2/20 ・21 ・22

決勝戦レポート

中川誠一郎(熊本)

単騎で圧巻の逃走劇

 メキメキと頭角を現してきた山崎賢人、昨年グランプリ争いを繰り広げた山田英明をはじめ、地元地区のGIに戦力を整えてきた九州勢だったが、準決を前に中川誠一郎を残して九州勢は全員が敗退。中川だけがサバイバルシリーズを勝ち抜き、ただひとり決勝に進んだ。
 「ちょっと考えたんですけど、自分でやろうかなと思います」
 前日の決勝共同インタビューでは、例によって笑みを浮かべながら自力を宣言。迷いを断ち切って持ち前のパワーを爆発させた中川に、ラインは必要なかった。
 「関東勢がどうにかしてでも主導権を取りそうな感じがしたんで、そこから追走しました。もっと吉澤(純平)君が誰にも主導権を渡さないっていうのかと思った。そしたら思いのほか、ペースに入れた。ちょうど(和田)真久留と併走になったんで、そこで(仕掛ける)腹をくくりました」
 打鐘で出た吉澤ラインを追った中川は、イン切りから下げた和田と4番手を併走。位置取り勝負との選択に迫られたが、単騎でも強気に前団に襲い掛かった。
 「準決で1周行ってたので、それよりは落ち着いて(最終)4コーナーを回ってこられました。ただ、ゴール後も(佐藤)慎太郎さんに抜かれたのかわからなかった。オーロラビジョンで確認するまでは、どっちだったのかなって感じでしたね。1周回ってスロー(VTR)を見た時に(自分が)残ってたので、ちょっと遅れてガッツポーズしました」
 常識を覆す“ひとり旅”で逃走劇を完結。鮮烈なインパクトを残して、16年のダービー以来、2度目のGI制覇をまたも単騎で飾った。
 「そう(GIは2度獲って一人前と)言われたので、これで一人前になれたんだと思います。すさんでいたというか、やる気がなくなっていた時期もあったんですけど。1年ぐらい前からですかね、もう競輪人生も長くないと思うので、もう1回やってみようと。(昨年の)2月ぐらいから(本格的にトレーニングを)始めた。1年ぐらいかけてやっと獲ることができた」
 昨年の4月に一度は追い込み宣言をしたものの、生まれ持った才能が自力を捨てることを許さなかった。単騎での逃げ切りでタイトル奪取が何よりの証だ。
 「やっぱり、そこ(熊本競輪場)を走ってこそ復興と言い続けているので、そこを走るまではなんとか上で、維持して頑張りたい」
 21年の末に400バンクに生まれ変わっての再開が、見込まれている熊本のホームバンク。それまでは…。6月に不惑を迎える中川には、すでに自力の迷いはないだろう。
 
 茨城コンビの後ろから中を割った佐藤慎太郎だが、粘る中川まではとらえることができなかった。
 「バランスを崩したというより、吉澤がまだ空けてなかったから、空くまで待ってその間だった。だからタイミングがちょっと遅れましたね。当たって空けたら失格。空くまで待たなきゃいけないんで、しょうがない。悔しいけど、(GIで)優勝することはできるって、手応えは感じてます」
 
 単騎でカマした中川を抜ければ優勝だった吉澤純平だったが、もはやその力は残っていなかった。
 「中川さんの力が一枚も二枚も上だった。(最終)バックでケツを上げて、なんとか追っかけたけど全然でした。まったく余裕がなかった。(GIの)決勝でいいレースができてなかったので、自分の形を作っていきたかった。やることはやったけど、力負けですね」
 
 吉澤マークから直線で外を踏んだ武田豊樹は、香川雄介との接触もあって伸び切れなかった。
 「吉澤も(最終)ホームで流しているわけじゃなく、ちゃんと踏んでいる。ただ、中川君の脚力が、2段階も3段階も上をいっている。(吉澤と)2人でまともなレースができたし、慎太郎君もラインに参加してくれたけど、甘くなかった」
 
 松浦悠士にとって、中川の単騎ガマシはまったくの想定外。6番手からのまくりは、前が遠かった。
 「前だと単騎の選手が先に来て、そのあと吉澤さんが来る。自分でレースを動かさないとって思ってました。4番手併走を期待してたけど、カマシは想定外でしたね。今回はなにもできてない。今度はなにかできるようにしっかり準備したい」

レース経過

 号砲で武田豊樹が勢いよく出て、目標の吉澤純平を迎え入れる。初手の並びは吉澤-武田-佐藤慎太郎、中川誠一郎、松浦悠士-香川雄介-小倉竜二、和田真久留、吉田敏洋の順で落ち着く。
 青板周回の2センターから上昇した松浦は赤板で誘導員の後位に収まる。松浦とほぼ同時に最後方から踏み上げた単騎の吉田は1コーナーで誘導員を下ろして前に出る。単騎の和田が2コーナーから踏み上げると、これを追う形から吉澤が仕掛けて打鐘で先頭に立つ。吉澤ラインを追いかけた中川は和田との4番手外併走を嫌って、4コーナーからカマシを打つ。吉澤も合わせて踏み込むが、中川が1コーナーで出切って快調に飛ばす。車間の空いた2番手で吉澤が前を懸命に追いかける。6番手となった松浦は2コーナー過ぎからまくり上げるが、車は思うように進まない。最後まで力強く踏み切った中川が逃げ切りで2度目のGI制覇を果たした。関東コンビ追走から最終2センターで内を突いた佐藤が直線で中川と吉澤の中を割って2着に。中川を追いかけた吉澤は3着。
 

車番 選手名 年齢 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 S/B
1 1 中川誠一郎 39 熊本 85 S級1班 11.8 B
2 9 佐藤慎太郎 42 福島 78 S級1班 1/2W 11.4
3 5 吉沢純平 33 茨城 101 S級1班 1/2B 11.7
4 2 武田豊樹 45 茨城 88 S級S班 1/2B 11.6
5 6 和田真久留 27 神奈川 99 S級1班 1/2W 11.4
6 7 松浦悠士 28 広島 98 S級1班 3/4W 11.4
7 4 小倉竜二 42 徳島 77 S級1班 1/2B 11.2
8 3 香川雄介 44 香川 76 S級1班 4B 11.7
9 8 吉田敏洋 39 愛知 85 S級1班 5B 11.7

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