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あおもり競輪

AOMORI KEIRIN

12#

検車場レポート

  • 9/22 Wed.  (前検日)
  • 9/23 Thu.  (1日目)
  • 9/24 Fri.  (2日目)
  • 9/25 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
櫻井祐太郎選手
 オープニングレースの1番車を任されたのは櫻井祐太郎(写真)。今期からS級に上がった北日本期待のホープは2度目のGIII参戦でまずは一次予選突破に集中する。
 「前回(9月岸和田)はS級で初めて準決に上がれたので自分の中ではすごく良かった。でもまだまだ慣れていないところがあるし、もっともっと走っていかないと。9車立ては(8月)川崎で走っているので2回目。その時に少し感覚をつかんだけど、まだ2回目なので。チャレンジャーとして9車に慣れて走っていかないと。先行主体に、同県の(阿部)拓真さんと決まるように頑張りたい」
 阿部拓真は8月西武園で小原佑を利して優勝している。ここも同県の若手を目標に得て、しっかり期待に応えたいところ。
 「西武園を優勝してから良くない部分が多くて、前回(9月静岡)もしょうもない失格をしてしまったけど、練習では戻ってきている感じがある。元々9車の方が走りやすいし、混戦になる方が持ち味を出せる。櫻井君とは初連係です。でも、練習は一緒にしているし、脚質も分かっている。前回の失格分を取り返すためにも2人で決めたい」

2R

 柴崎俊光は開催中止が続いてレース間隔が1カ月以上空いてしまった。1着からも遠ざかっているだけに、ここは藤井侑吾を目標にチャンスを生かしたい。
 「開催中止で1カ月以上空きましたね。高知の中止は早めに分かっていたので、強めに練習をしたら腰をやってしまった。不安があったなかでの久留米だったけど、中止になって結果的に良い療養になりました。今は腰はもう大丈夫です。藤井君とは初連係です。レースは見ていますよ」
 藤井侑吾も同じ事情で久々のレースとなるが、S級でも先行力を猛アピール中。GIII初参戦で決勝に乗った7月富山記念のような快進撃はなるか楽しみ。
 「北日本の競輪場を走ること自体が初めてです。7車立てよりも9車立ての方がラインも長くなるし、流れがあるので自分にとっては走りやすい。富山記念で決勝に乗れたので今回も決勝に乗れるように。S級は追い込み選手も脚があるのでゴール前で差されることも多いですけど、あと2勝で100勝なので今シリーズで決めたいですね」

3R

選手の写真です。
松本秀之介選手
 カミソリまくりをトレードマークに売り出し中の松本秀之介(写真)。前走は落車していてまずは状態が気掛かりだろう。
 「左鎖骨が折れて川崎の病院で手術して1週間で退院しました。ワイヤーはまだ入っています。モガけるようになってきたし、少しは戻ってきたかなと思う。次の熊本記念(in久留米)に向けても今回は準決勝まで勝ち進みたい。初日は8車だけど、7車から1車増えているので違和感はあると思う。(共同通信社杯でビッグ優勝を達成した山口)拳矢さんは養成所時代に同じ訓練班で、そのときから強かったし卒業が近くなるにつれてさらに強くなっていった。拳矢さんだけじゃなく、同期はみんな強いので自分も追い付けるように頑張りたい」
 地元勢の先陣切って登場となったのが小原丈一郎だ。最近は落車が多いが、そのなかでも先行勝負に徹しており、ここも自分のペースに持ち込めれば押し切りは十分。
 「落車が多くて精神的にちょっと参ってますね。S級に特進して一発目が去年の(6月)青森GIIIでした。今回から新車なんですけど、練習ではまだ1回しか乗っていない。(実戦での)データが欲しいですね。体に落車の影響はもうないと思うので、しっかりと初日を突破できる様に」

4R

 8月小松島で優勝、同月松戸記念では決勝に進出と山口泰生は再び上昇気流に乗ってきた。ここは南潤を好ガードから差し脚を伸ばす。
 「前回の函館まで配分が詰まっていて、まとまった練習ができていなかった。今回は空いたのでしっかり練習してきました。直前が一番感触は良かったですね。徐々に調子を上げていくことができたと思う」
 南潤は今一つ波に乗り切れていない印象もあるが、GIII開催では一次予選を1、2着で突破するケースが多い。ここも持ち前の機動力で敵を黙らせるか。
 「松戸(8月の記念開催)の落車でフレームが壊れてしまって、前回から昔使っていたフレームに換えました。怪我の影響はないのであとは自転車の感覚をつかめれば。脚の状態もちょっとずつですけど良くなってきているので、今回は決勝に乗りたいですね。青森は走りやすいイメージです」

5R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 長いスランプから脱した感のある地元の嵯峨昇喜郎(写真)は大事なシリーズに気合が入る。好機にスパートして期待に応えたい。
 「(最近では珍しく大叩きした)前回(9月富山)はハードケースが届かなかったり、アップ中にシューズが壊れたり、トラブル続きで事前の準備ができていなかったのが敗因。心の余裕がなかったし、シューズが壊れてアップもおろそかになってしまった。今回はしっかり練習もできたし、シューズも練習用のものを持ってきた。万全だと思うし、目標はもちろん決勝進出です」
 鹿内翔は前回の9月弥彦を721着。予選敗退に終わったものの、最後は白星で締めくくって地元記念に臨む。
 「前回は2連対できましたけど、ダッシュの部分が甘かったのでかなりキツめに練習してきました。嵯峨君とはワンツーもあります。彼もダッシュタイプだし、脚質は一緒。落ち着いて付いて行けると思います」

6R

 前走の9月静岡を準Vとまとめた東龍之介は積極果敢な小畑勝広を目標に勝利を目指す。もちろん小畑とは初連係で腕の見せ所だ。
 「最近はフレームを換えてみたり、色々試していました。前回は展開が向いたのもあるけど、フレームだったり、乗り方だったりと、方向性が見えてきて状態も上がっています。小畑君は初連係だけど、すごい積極的な走りをしている。青森は何度も決勝に乗っているし相性の良いバンクです」
 7月高知記念で落車した青森伸也はここが復帰戦。佐藤博紀マークから鋭脚発揮といきたい。
 「前回の落車で首から落ちて、右の肩と首が痛くて欠場した。意外に早く回復したので練習は3週間くらいできたし、問題ないと思う。久しぶりのレースですし、集中していきたい。佐藤君とは1、2回くらい連係しています」

7R

 武田豊樹は同姓の武田亮を目標に指名。武田亮はA級時代から先行勝負にこだわって力を付け、昇級後も毎場所勝ち星を挙げている頼もしいホープだ。
 「前回(9月弥彦)は調子自体は悪くなかったです。ここまでもいつもと変わらず練習して、状態も変わりないですね。青森は悔しい思い出の方が多いイメージ。武田亮君とはもちろん初連係だし、会うのも初めて。たまにレースは見ているけど、良い走りをしているね」
 伊藤信は6月松山、7月高知とGIII開催では続けて一次予選で1着を取っている。ここも一発ムードが漂う。
 「前回(9月富山)は配分が詰まっていたし、状態は良くはなかった。セッティングは試行錯誤しているところです。ここまでは空いていたので、キツめに練習をやってきた。疲れてきたかなって感じはありますけど、良くなっている気はしている。細切れ戦も嫌いじゃないですよ」

8R

 岩谷拓磨は流れに応じて先行、まくりを使い分けて善戦している。8月松山では161着と2勝をマーク。それ以来で20日以上空いての実戦となる。
 「タイムも出ているし積極的にも動けている。準決を通過できていないので、そこを目指して頑張って練習しています。中止になった分も練習はしっかりできました。9車立ては好きですね。青森はチャレンジで走って以来2回目ですけど、あまり印象は憶えていない。笠松(将太)さんも巴(直也)さんも積極的ですけど、負けない様に主導権を取りにいきたい」
 目立つヒットこそないものの、大坪功一も9月向日町記念で2勝など差し脚が切れている。意外にも初連係となる岩谷の番手から鋭脚を発揮しよう。
 「追加を受けたのは前回の別府の初日です。別府は九州地区の開催だったのに、こんな成績ではって感じでした。連日3番手回りで難しい面はあったけど(感触も)あまり良くはなかった。岩谷君とは初めてです。(小倉)バンクでは会うけど、僕があまり人と一緒に練習しないので付いたことはないです。だからイメージもないですね」

9R

選手の写真です。
河端朋之選手
 河端朋之(写真)は9月防府では北津留翼、門田凌らを相手に逃げ切り優勝とさすがに機動力上位の存在。さすがに一次予選では取りこぼせない。
 「前回(9月別府536着)の初日は(ラインを上位独占に導いて)しっかり自分のレースができたけど、決勝は逆に山崎賢人君にやり返されてしまったので納得はしていないです。(9車立てはオールスター以来だが)7車立てでも9車立てと同じように、仕掛ける所を逃さない様に仕掛けようと意識しているので、あまり気にしていない。前回の順延で体のケアはあまりできていないけど、走りながら修正していきたい」
 池田良も絶好のお膳立てが整って表情が引き締まる。7月の落車から復帰戦となるが、しっかり続けるか。
 「7月高松の落車で左中指の腱が伸びてしまって曲がらなくなってしまった。でももう影響は全くない。久々のレースでダッシュの良い河端君の番手なので多少の不安はありますけど、練習の感じでは休む前よりも良くなっているので楽しみ。久々の仕事なので稼いで帰りたいですね」

10R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 上田尭弥(写真)が機動力上位の存在。前走のオールスターも大きい着が続いたようにGI戦ではまだ結果を出せずにいるが、約40日空いて臨む記念開催には自信を持って臨めるだろう。
 「開催中止で走っていない分しっかり練習できました。今回から自転車を換えるけど、元々乗っていたもの。体重を落としていた時に使っていたフレームなんですけど、その時は重くて使えなかった。筋トレして力を付けた今はすごく感じが良いです。万全の状態に仕上げてきたからレースが楽しみですね」
 去年から順調さを欠く隅田洋介。半年の長欠から8月に復帰を果たしたが、昨年6月の当所GIIIを制した頃の勢いには程遠い。巻き返しはなるか。
 「落車の怪我がひどくて、やっと練習ができるようになってきたくらいです。前回の富山も本調子ではなかったですから。青森は去年のGIIIで優勝したし、イメージは良い。どこまで状態を戻せるか、やれることをやります」

11R

選手の写真です。
坂本貴史選手
 予選のメインには地元が3人そろった。先導役を務める坂本貴史(写真)は7月に落車が続いた割には悪くない近況だ。話す言葉にも自然と力が入る。
 「セッティングとかは変えていないんですけど、9月函館はすごい良かった。その後の静岡で成績が下がったけど、原因が分かって修正してきた。体の使い方が悪い方に出てしまったんだと思う。(予選のメインは)気合が入ります。今回は(新山)響平たちはいないですけど、地元みんなで頑張って盛り上げたい」
 佐藤和也もここに向けてしっかり仕上げてきた。当所は8月にも走って準決勝を勝っており、いい流れで地元の大一番を迎えた。
 「絶好調です。前回の岸和田の前からここに向けて調整してきたので今回は結果を出したい。もちろん決勝に乗りたいですし、できることなら優勝したい。(坂本)貴史とは相性も良いし何度もワンツーが決まっています」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手
 直前に共同通信社杯を走ったS班は不在だが、深谷知広(写真)が追加で参戦してきたのは朗報。8月小田原記念での落車は不安材料だが、オールスターでも猛威を振るった機動力で魅せるか。
 「落車で肋骨が折れて、動くことは出来たんですけど本調子ではなかったので静岡は休みました。本格的にトレーニングが出来たのは1週間くらいですけど、常に動いてはいました。落車で自転車の部品が駄目になったので、違和感なく走れるかどうか。不安な面も多いけど、青森は走っている回数も多いですし、優勝もしている」
 山田英明は8月小松島、9月別府とFI戦ながら連続優勝してここに乗り込んできた。自力自在の持ち味を発揮して深谷らに対抗していく。
 「前回、前々回は腰が痛かったのが和らいでいっているなかでの優勝だったんですけど、小松島は展開に恵まれたし、別府は後輩に連れていってもらったようなもの。正直成績と調子が噛み合っていない感じはあります。別府は台風で順延になったし、ナイターだったので時差ボケみたいな感じがある。走りながら修正していきたい」

1R

 人気を集めた北日本勢は初手で前受けを選択。先頭の櫻井祐太郎は、赤板で押さえに来た吉田智哉を突っ張って主導権を譲らない。そのまま逃げた櫻井に、番手で援護した阿部拓真が迫ってゴール。両者の1着争いは、長い写真判定の末に同着となった。
 「とりあえず良かったですね。突っ張りは作戦の1つというか、絶対に突っ張るって感じじゃなかった。風があって周回中からキツかったですね。掛かり切るかわからない感じで踏んでいって、最後は目いっぱいハンドルを投げました」
 阿部拓真は最終2コーナーから仕掛けた西本直大のまくりをブロック。同県の後輩との同着での決着に笑顔を見せた。
 「(櫻井は)たぶん突っ張るだろうなって雰囲気だった。自分的には車間を空けようと思ったタイミングで来られたので、技量不足というかもう少しうまくできれば良かったんですけどね。とにかく櫻井君が強かったですね。気持ちも脚力も100点満点でしたね。ホームが向かっていて一番重いんですけど、バック側が流れるとかはなくて重い感じです」

2R

 前受けの才迫開は赤板ですんなりと車を下げて道中は7番手。逃げる藤井侑吾に対して中団から菊池竣太朗がまくりで襲いかかるが、じっくりと脚を溜めていた才迫が最終3コーナー過ぎから踏み込んで、大外を一気に突き抜けた。
 「遅くても(最終)バックまでには仕掛けようと思っていたんですけど。出が悪くて西岡(拓朗)さんに申し訳ないですね。ゴチャついたぶん、外を伸びた感じです。良かったのは1着を取れたことだけです。思い切って仕掛けられれば良かったけど、最近はこういうレースが多い。ラインを生かしたい気持ちがあるんですけど。心が痛いですね」
 菊池竣太朗は赤板で先に切って中団を確保。まくりで2着に入った。
 「藤井さんが積極的なのは知っていたし、才迫さんもまくりのスピードがあるから後方になると出番がない。だからどんな展開になっても必ず中団は取ろうと。藤井さんが踏んでくれたから一本棒になれと。そうなると才迫さんの動きを気にせずに脚を溜められて仕掛けられる。今回から(渡邉)雄太さんのフレームを使っていて、今までダッシュタイプのものを使っていたし、寸法も乗っている感じも全然違うからレースだとどうかなと思ったけど、2着で結果が付いてきてくれた。練習はやっているから自信さえ戻ってきてくれれば」

3R

選手の写真です。
山中貴雄選手
 後ろ攻めの松本秀之介が押さえると、中団は小原丈一郎と蒔田英彦で併走になる。松本は中団のもつれを見つつ、打鐘過ぎからペースアップ。最終4コーナーを絶好の展開で迎えた山中貴雄(写真)が直線で抜け出した。
 「松本君が強かったです。スピードが一気に上がる感じではなかったけど、最後まで踏んでいましたしね。蒔田君が外で切らなかった時点で(展開が)良くなると思った。庄子(信弘)さんがかなり上を来ていたし、松本君が3着に沈んだかなと思ったけど結果ワンツーでしたね」
 鎖骨骨折からの復帰戦で積極策を見せた松本秀之介が、ラインでのワンツーをメイクした。
 「復帰戦だったし、初の記念だったので流れを勉強するために後ろから1回動いてレースをしたかった。最後はタレたけど山中さんのおかげで残れました。復帰戦で力をしっかり使えたので良かったです」

4R

 押さえた嶋田誠也を、河合佑弥が叩いて先制。南潤は6番手に置かれて最終周回を迎える。最終2コーナーから仕掛けた南は、持ち味のダッシュとスピードで一気に前団をまくり切り、番手の山口泰生も振り切って1着を手にした。
 「(初手は)取れたところからって感じだった。相手の取るところとか次第で考えていた。やっぱり成績が出せていなくて後方になって焦りはありましたけど、乗り越えられて良かったです。河合さんが駆けている時も楽に回せていた。ジャン過ぎにいけたかなっていうのもあるのでそういうところですね。嶋田さんの横までスッと行ければ良かったんですけど、ちょっと時間が掛かってしまいました。出足はちょっとって感じでしたけど、踏んでいる感じはいい」
 南のまくりにピタリと付け切った山口泰生は、ゴール前で迫るも差し切るには至らず。
 「今回からカーボンのシューズに換えて、道中で脚が削られる感じがしましたね。一発踏むならいいんでしょうけど、バックを踏まされると脚にダメージがきますね。それで抜けなかった感じです。調子はいいと思うので、明日(2日目)はそのまま使うかはちょっと考えます」

5R

選手の写真です。
鹿内翔選手
 前受けから下げた嵯峨昇喜郎は、小玉拓真が押さえたところをすかさず叩いて先頭に立つ。嵯峨は後ろを見ながらも徐々にペースを上げて最終周回。別線のまくりは不発に終わり、番手の鹿内翔(写真)がきっちり差し切って地元ワンツーが決まった。
 「(ラインで)ワンツースリーまで決まって最高ですね。嵯峨君が前回微妙で、どうかなと思ったけど、掛かりは良かったと思う。出切る勢いで仕掛けてくれて、流さずにちゃんと駆けてくれて良かった。小玉君はバックの追い風に乗ってくると思ったけど、来なかったですね。緊張して脚の感じは確かめられなかったけど、抜けているから悪くない」
 ケレン味のない先行策を披露した嵯峨昇喜郎が2着に逃げ粘った。
 「(ラインで決まって)良かったです。前を取って、中団まで引いて、そこからは中団(外)の選手がどう動くかで作戦を考えていた。小玉さんも先行する気がない感じで緩めていたから出やすかった。出てからはペースで、ホーム過ぎで踏み始めて徐々に上げていった感じです。感じは良くなかったです。いつまくられるかドキドキしていた。緊張もありましたね。今日(初日)は内容にこだわって走りました」

6R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手
 初手で6番手を取った小畑勝広は、押さえた藤井將を叩いて打鐘で先行態勢に入る。最終2コーナーから6番手の佐藤博紀が仕掛けるが、小畑の掛かりが良く外に浮いて不発。直線は小畑ライン3人の争いになり、外を踏んだ伊勢崎彰大(写真)が3番手から鋭く突き抜けた。
 「直線の長い青森に助けられました。ずっと成績が良くなくて、点数も下げてしまったし、調子は悪くなくても番組的に厳しかったりしていた。今日(初日)は一番積極的な小畑君と、一番仕事をする東(龍之介)君の3番手でチャンスだと思っていたし、モノにできて良かったね」
 橋本瑠偉にフタをしてから踏み上げて先制した小畑勝広が、別線の反撃を許さず2着に逃げ粘った。
 「(初手で6番手が)一番行きたい場所だった。あの並びなら橋本さんにフタをしても最悪3番手が取れるし、タイミングをズラして行った。ホームで立ち上げた時にちょっと重かったけど、バックでは流れた。後ろの2人も車間を切ったりしてくれたので残れました。今回から新車です。まだ2、3回しか乗っていないので良いとは言い切れないけど、残れているので悪くない」

7R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 初手で3番手を取った武田亮は、佐藤佑一、大西貴晃の順で切ったところを勢いよく叩いて先行する。踏み出しで若干、遅れた武田豊樹(写真)だが、打鐘では追い付いて後続を確認。3番手の大西に合わせて、直線で鋭く追い込み抜け出した。
 「(武田亮は)9車立てをほとんど走っていないみたいだったのでコミュニケーションを取ってと。強かったですね。とにかく前に攻めますって感じでした。初速がかなり良かった。今回ちょっとフレームサイズを変えたやつで初めて走ったんですけど、よくわからなかったですね。ここは直線が長いので危なく牧(剛央)君にいかれそうでした。練習では手応えを感じているのでレースで出していければ」
 佐藤を押さえて前に出た大西は、古川尚耶に飛び付きさばいて3番手を確保する。大西が4コーナーから外を踏むと、その内を踏んだ牧剛央が2着に突っ込んだ。
 「前回から空いて練習も休養も取れたので。青森は相性が良いし楽しみに来たので良かった。4コーナーを回って勝負できると思ったので、自信をもってレースに臨めましたね」

8R

選手の写真です。
大坪功一選手
 前受けの岩谷拓磨は車を下げていったん7番手の位置で態勢を整える。打鐘前に先頭に立った笠松将太がペースを上げずにいると、岩谷は最終ホーム手前から豪快に巻き返す。笠松を力ずくで叩き切ると、3コーナーでは番手の大坪功一(写真)と共に出切ってゴール前は両者の争い。大坪が8分の1輪差で交わして1着スタートを決めた。
 「(岩谷が)強気な組み立てだったから安心していた。ちょっとびっくりしましたね。踏み出しが意外というか強い。シューズをオールスター前に換えて、それから口が空いてしまう。感触はいいですね」
 豪快な仕掛けで別線を一蹴した岩谷拓磨が2着。
 「無理に先行することはせずにバックは取るレースをしようと思っていた。後ろ攻めから先行が理想だったけど、けん制が入って、前受けになったのであの形に。どんな展開でもホームから1コーナーでは仕掛けようと思ってた。大坪さんとは初めて(の連係)で(ホームバンクが)同じ小倉なので緊張した。久々のレースで重たかったけど、いつも2日目から良くなるからケアして調整したい」

9R

 前受けから引いて5番手に収まりかけた河端朋之だが、赤板の2コーナーで櫻井学にすくわれる。外併走を嫌った河端は打鐘目がけて踏んで前に出ると、そのままペースを上げて先行態勢。番手の池田良が好展開を生かして抜け出したが、河端が6着に沈んだだけにレース後は反省に終始した。
 「河端さんと一緒に決めたかったんですけど、気持ちに余裕がなかった。自分のミスと言うか、余裕のなさで迷惑を掛けてしまった。1着はうれしいけど、あれだけ頑張ってくれたのに…」
 中国3番手を固めた吉永好宏が2着に続いた。
 「先行1車というか、来るなら松岡(篤哉)君くらいしかいなかったし、本当は前中団からがいいと思っていた。引いて、バタヤン(河端)の行けるところからって感じだったけど、2番(櫻井)の動きでフッとなったんだと思うし、モガく距離が長かった。3人で決まるなと思ったんですけどね。7着欠場から、中止、中止と流れが悪かったし、練習はしていたのでその成果を出したくて今回は楽しみだった。勝ち上がれてホッとした」

10R

 初手で中団の上田尭弥は、佐川翔吾にフタをされる展開。上田は佐川が打鐘で叩いた流れに乗って仕掛けようとするが、岡田征陽にブロックをもらって一瞬態勢を崩してまう。それでも上田は力ずくでカマしていくと、最終2コーナーで出切ってそのまま押し切った。
 「キツかったですね。あのまま切って切って、出ていければラインで決まったと思うんですけど。岡田さんと接触してコケそうになりましたね。あれで脚にダメージがきました。でも、行ってしまわないと、と思って踏んだんですけどちょっと止まってしまった。(スピードの)乗りが悪かったですね。1カ月ぶりのレースでしたけど、練習の感じは良かった」
 佐川が上田に上を行かれると、松村友和は佐川の番手から樫山恭柄をさばいて熊本勢後位に切り替える。松村は最終4コーナーから外を踏み、合志正臣を交わして2着に入った。
 「予想以上に(上田の巻き返しが)早くて対応できなかったですね。合志さんも外を回して余裕がありそうに見えた。ラインで決めたかったですけど情けないです。中団で併走になれば良かったんですけど上田君が強かったですね。脚の感じはいいので頑張ります」

11R

選手の写真です。
木村幸希選手
 初手で中団を確保した木村幸希(写真)は、押さえた南関勢を追って再度中団に収まる。後方に下げた坂本貴史の巻き返しは打鐘を過ぎてもなく、そのまま渡邉直弥が逃げる。木村は最終2コーナーから坂本の仕掛けに合わせるように先まくりに出て、前団を鋭くのみ込んだ。
 「中団、中団の作戦でした。渡邉君が先行するだろうから、中団は確実に取ろうと。坂本さんが中団で止まるかなと思ったら下げてくれて、渡邉君も駆けてくれた。練習はいつも調子がいい。腰の状態も良くなっているから展開さえつくれれば勝負できるかなって感じです」
 木村マークの室井竜二は坂本貴史との接触で車体故障を起こし、木村に離れてしまう。後方から仕掛けていた坂本が、木村を追って2着を確保した。
 「前を取って別線がくるのが遅くない限り、引いていけるところから力勝負って感じでした。内に包まれないことだけは考えていた。渡邉君が来たのが遅くて、押さえ方が嫌なところだった。中団で勝負しても良かったけど、引く作戦だったから下げた。室井さんが上がっていたから、そこを目がけてカマせれば良かったですね」

12R

選手の写真です。
東口善朋選手
 後ろ攻めの深谷知広が、6番手から先に切った山田英明を叩いて先制。吉澤純平が巻き返すが、深谷に合わされて出切るには至らない。吉澤と岡村潤が併走になりもつれると、吉田敏洋がまくりで襲い掛かる。吉田マークの東口善朋(写真)は、吉田と深谷の間を追い込んで激戦を制した。
 「(吉田は)流石やなって感じでいいところで行ってくれた。(最終)4コーナーでどうなるかなって思って見ていた。レースは見えていました。走る前はイマイチかなって感じだった。吉田君のおかげだけど、このメンバーで1着を取れているので脚自体は問題ない」
 山田英明は南関勢を追って打鐘では3番手を確保するが、深谷が吉澤に合わせてペースを上げると前と車間が空いてしまい割り込まれてしまう。山田はそれでも態勢を立て直し、外を我慢強く踏んで2着に強襲した。
 「しっかり位置を取って、緩めば仕掛けようと思っていた。まずはしっかり組み立てをしようと思っていました。疲れがありますね。口が空いて入られてしまっているし、深谷君が駆けてるのに遅れてしまったら勝負にならない」

6R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 松岡篤哉が先制し、地元の坂本貴史は打鐘で7番手。松岡がペースを上げると、坂本はいったん空いた中団へと追い上げる。菊池竣太朗と中団外併走になった坂本は、最終2コーナーからまくり上げて前団をのみ込むと、追走した佐々木雄一(写真)が鋭く差し切った。
 「(最終ホームで菊池)竣太郎が遅れ気味だったので、(坂本は)中団に入る感じになってましたね。自分は比較的余裕をもって走れていました。状態も変わらずいい感じです」
 まくった坂本貴史が2着で地元記念の準決にコマを進めた。
 「アップから昨日(初日)よりもいい感じだったし、発走機に立った時にイケるなっていう根拠のない自信があった。(最終ホームで)中団でちょっと休んで、踏み出した時に行けるって思った。(山口)泰生さん(のブロック)が厳しいのでからまれないように上をいきました。昨日(初日)はセッティングとか、アップでの体のつくり方とか、練習の感覚と違う部分があったけど、今日(2日目)はアップからいい感じで体をつくれた。セッティングや体の迷いはなくなった。準決が地元記念の壁なのでそこを乗り越えたい」

7R

選手の写真です。
岡村潤選手
 初手で4番手を取った小畑勝広は、相笠翔太、大西貴晃の順で切ったところを打鐘手前で叩いて先制する。後方から南潤が巻き返すが、最終ホームで外に浮いて不発。最後は小畑の番手から岡村潤(写真)が抜け出した。
 「(小畑が)2車であそこまで頑張ってくれた。南君を合わせ切ったあとに東口(善朋)さんがまくりに来ると思ったので構えたんですけど、来なかったのでギリギリまで待った。先に踏まれるとのみ込まれるので、引きつけて踏みました。昨日(初日)がちょっと情けなかった。小畑君が頑張ってくれたおかげで持ち直せました」
 東口善朋は目標の南が叩き切れずとも、俊敏に3番手外の位置に切り替える。最終4コーナーから外を踏み、2着を確保した。
 「(南)潤の好きな形にと思って(初手は)前からでした。ワンポイントで仕掛けられるところで仕掛けられればと思っていました。(南は)力勝負をしてくれましたけど、小畑君に見られていた。気持ちは入っていたと思うんですけど。自分はちょっと見過ぎてしまって修正点がありますね。最低限のことはできました。コンディションは問題ないと思います」

8R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
 後ろ攻めの藤井侑吾は、中団の松本秀之介にフタをしてから赤板の2コーナーで踏み上げて先行態勢に入る。番手の吉田敏洋(写真)は間合いを取って別線の反撃に備える。最終4コーナーを無風で回った吉田が、余裕を持って抜け出した。
 「(藤井)侑吾は僕のなかではまだまだやれる。このクラスで一緒に走れて自分らしいレースで出し切ってくれた。富山記念で決勝3着になった時よりも自分の力で走り切っている感じがする。明日(3日目)以降は彼も他の自力選手からマークは厳しくなると思うけど、それをどう乗り越えて強くなるのか楽しみ。中野(彰人)君を3着までに連れ込めなかったけど、侑吾とワンツーで良かった。初日に厳しいレースをしたから体は軽く感じた」
 藤井侑吾は練習仲間の先輩を背に果敢に風を切り、自身も2着に逃げ粘る好走を披露した。
 「理想の展開で作戦通り。(吉田が後ろで)プレッシャーだったけど、なんとか決まって良かった。愛知の大先輩で初連係だったので緊張した。切ったら流さずに行こうと思ってたし、松本君を後ろに置きたかった。2日間先行できていて、初日よりも調子は上がっている。いい感じです」

9R

選手の写真です。
東龍之介選手
 後ろ攻めから押さえた岩谷拓磨を、武田亮が打鐘で勢いよく叩いて先頭に躍り出る。いったんペースを緩めた武田は、小玉拓真の巻き返しに合わせて再度ペースアップ。武田の番手で好展開を迎えた東龍之介(写真)が、直線で差し切って1着。
 「いい先行をしてもらえてよかったです。想定通りの展開で駆けてもらって、掛かりのいい先行でした。バック本数が物語っているけど、強かった。(最終2センターで)池田(良)さんが見えて、昨日の今日だったし、(2日目は)あの展開でまた取りこぼせないと思った。自転車とかはそのままだけど、昨日(初日)の反省を生かせた。いい勉強になりました。感覚は昨日よりもいい。疲労している状態で入ったので、明日(3日目)はもう少しよくなると思う」
 小玉が武田を叩けず最終1コーナーで外に浮いて後退すると、番手の池田良は伊藤大彦のアシストもあって4番手の位置に降りる。池田は後方からまくる岩谷の仕掛けに合わせて最終3コーナーから車を外に持ち出して2着に入った。
 「小玉君が期待以上の走りをしてくれた。(打鐘過ぎ3コーナーで)いつもなら見てしまうイメージなんですけど、早目にアクションを起こしてくれた。伊藤さんに入れてもらえたし、気持ち早くいかないとと思って仕掛けた。アタマまではキツかったけど、粘れた方ですよ。久々の仕事ですし、明日(3日目)が勝負ですね」

10R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 前受けの吉澤純平(写真)は、赤板で押さえにきた才迫開を突っ張って出させない。先頭をキープした吉澤は、打鐘でカマした櫻井祐太郎ラインを今度は受けて中団を確保。吉澤は最終2コーナーから豪快にまくり上げて1着をゲットした。
 「(スタートは)前を取らされるかなって。後方になったら厳しいと思ったので、ああいう感じになりました。(赤板で突っ張った)あそこが勝負でしたね。いまのデキで後ろになったらイチかバチかになってしまう。いまの競輪は厳しい。昨日(初日)は後ろになってしまってイチかバチかになってしまった。(調子は)そこまで悪くなかったんですけどね。佐藤(和也)さんも車間を空けていたのでギリギリでした。遠かったです」
 突っ張られた才迫は7番手に下げて態勢を整える。才迫が最終3コーナーから外を踏み上げると、そのだ性をもらった山中貴雄が直線で2着に強襲した。
 「1回押さえてレースを回してと思っていたんですけど、切らせてもらえなかった。今日(2日目)のレースも見ていて、まくり追い込みが決まっている感じでしたけど、キツかったですね。自分的に結構待ったんですけど、早めにいっても2着かなって感じでしたね。(調子は)悪くはないと思います」

11R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 中団から木村幸希が先に切って先頭へ。上田尭弥(写真)は7番手から打鐘の2センターで外をカマして、最終ホームではマークした山田英明と共に出切る。グングンと加速した上田は、そのまま失速することなく最後は山田すらも振り切った。
 「打鐘過ぎのところで踏めばラインで決まるなと。木村さんも駆けることはない感じで、自分待ちだと思った。ペースで踏んで、最後はタレてしまったので修正しないと。初めて山田さんを背負って逃げ切れてワンツーなのでうれしい。周回中も楽で、1周半ならいける感じがある。脚もフレームもいい感じ」
 山田英明は上田との車間を切って別線をけん制。だが、上田の想定外の踏み直しに思うように車間は詰まらず、差し切るには至らなかった。
 「上田の踏み直しがすごくて。思い切っていってくれてタレると思った。自分のなかで上田と間合いを取っていたけど、すごい踏み直しだったし今回の上田は調子いいんじゃないかな。後ろに木村君が入っていて、キレもいいから注意しながら見過ぎてしまった。自分の踏み出しもあまり良くなくて修正が必要。体の重さは取れたけど、踏み込みのキレが悪い。ゆっくり休んで、どれだけ回復できるか」

12R

選手の写真です。
伊藤信選手
 前受けから下げた深谷知広は、打鐘から一気の巻き返しに出る。だが、深谷マークの永澤剛が離れてしまう。関東勢を追っていた伊藤信(写真)は、内に降りた永澤に絡まれていったんは7番手まで車を下げて態勢を整える。別線に目標にされながらも深谷がそのまま逃げ切るかに思われた。が、最終2コーナー過ぎから仕掛けた伊藤のまくりがゴール寸前で届いた。
 「組み立ては走りの通り。深谷君は構えないだろうし、河合(佑弥)君とモガき合ってくれればと思っていた。(永澤が)自分のところに降りてくるとは思わなかった。でも、そこまで締め込まれる感じではなかったので勢いは殺さずにいけました。感触はいいですね」
 ラインの援護を失った深谷知広は、懸命に踏み直すも伊藤のまくりに屈して2着。
 「(スタートで)前を取らされると思っていたし、どう組み立てるかでした。先行するのか、まくりに構えるのか。(主導権争いの)相手が河合君になるだろうとも思っていた。(後ろが離れたのを)ホームで出切る前に確認して、若干待ちながら回していたけど、結果的に後ろを気にしている場合じゃないくらいの調子だった。現状の練習量だと粘るのは厳しい。練習量が減っているので体力的なことが厳しい」

10R

選手の写真です。
坂本貴史選手
選手の写真です。
石毛克幸選手
 後ろ攻めの嵯峨昇喜郎は、中団の上田尭弥にフタをしてから赤板2コーナーで出て勢いよく先制。そのままハイペースで駆けた嵯峨に対して、中団の吉田敏洋が最終2コーナーからまくりで迫る。坂本貴史(写真)はバックから番手まくりに出て吉田を合わせ切ると、1着で初めての地元記念決勝進出を決めた。
 「(過去の地元記念の準決で新山)響平の後ろで乗れなかった時は、自分はもっていないんじゃないかって思った。いろんな人の助言で気持ちを崩さずにやってきて、いい後輩に恵まれました。理想は上田君が前で自分たちが中団。吉田さんが切った上を嵯峨君が脚を使わずに叩ければ良かった。自分が守澤(太志)さんや(佐藤)慎太郎さんみたいにヨコができれば良かったけど、自分には技術がない。嵯峨君の頑張りをムダにできないと思って、出させてもらいました」
 地元勢をマークした石毛克幸(写真)が、内を締めつつもしっかりと2着をキープした。
 「久々の記念決勝で何年ぶりか覚えていないですね(笑)。前2人のおかげです。嵯峨君には初日にも世話になっていたし地元だから頑張ってくれるだろうと思った。今回は流れがいいですね。ギアを3.93に変えて、ペースが上がっても脚に来ない感じでいいですね」
 警戒された上田尭弥は7番手に置かれて仕掛けられない。最終4コーナーから外を踏んで自身は3着に届いたが、ラインを機能させられなかっただけに反省に終始した。
 「ちょっと最悪なレースでしたね。引くか引かないか迷ってしまって…。(打鐘の)4コーナーで緩んでいけるタイミングはあったんですけど、吉田さんと目が合ってしまって気持ち的にビビッてしまった。悔しいですね。調子が良くなってきていただけに内容もしっかりしたかったんですけど、本当に悔しいです」

11R

選手の写真です。
吉澤純平選手
選手の写真です。
佐々木雄一選手
 前受けの武田亮は、誘導との車間を大きく切って別線ににらみを利かせる。武田は藤井侑吾の上昇を突っ張って、そのまま先行態勢に入る。武田との車間を切って別線の反撃に備えた吉澤純平(写真)は、木村幸希の仕掛けに合わせて番手まくりを打って1着。
 「藤井君のラインは2車だから出させてからでも良いとは思っていたけど、(武田は)全部突っ張る気だった。ライン4車なのもあったし、赤板から駆けてくれたからかばいきれなかった。武田君のおかげ。仕掛けてくるなら藤井君と思っていたら、木村君がいいスピードで来たので立ち遅れそうだった。体としては仕掛けられているし、良くなってきている」
 関東勢マークの佐々木雄一(写真)は、内から来た東口善朋をこらえて2着に入った。
 「(武田は)前から出させない感じでしたね。白戸(淳太郎)さんまで固めてくれて心強かった。今日(3日目)は吉澤君が強かったので抜けないのは仕方がないと思う。東口君が来たのは見えていなかった。池田(良)君が降り気味だったので、外に外しながら踏んでいた。状態は変わらずずっといい」
 東口善朋は目標の藤井が突っ張られて最終バック9番手の苦しい展開。それでも2センターから空いた内に進路を取ると、鋭い伸びで3着を確保した。
 「絶体絶命でした。気持ちであきらめず踏んだ甲斐があった。内に入って全部空いてくれて良かった。吉澤君がひとつ待ってくれたおかげでしたね。前に踏まれていたらなかったです。前回から日数が空いて、どうかなと思っていたけど、日に日に感じが良くなっている。厳しい展開のなかでの3着なので自信になるし、明日(決勝)が楽しみ」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手
選手の写真です。
東龍之介選手
 小畑勝広が後ろ攻めから押さえる。初手で中団の深谷知広(写真)は後方に下げてから中団まで押し上げる。そこから打鐘前に一気にカマす。だが、番手の岡村潤が踏み出しで離れてしまう。1人になった深谷だが、小畑を力ずくでねじ伏せてグングンと加速していく。後続をちぎ切った深谷は、2着に4車身差をつける圧勝劇で落車からの復帰後初勝利をゲットした。
 「受けて立つ競走をしようと思っていたし、力勝負にいった。ジャン前に一瞬迷いがあって、後ろに迷惑を掛けた。もっとスムーズにいければ良かったんですけど、自分の自信のなさが出ました。疲れはどんどん溜まっている。でも、それ以上にキツいレースをしないと一線には戻れない。長い距離を踏むレースをしていきたい。まず優勝を目指せるように、そのなかで自力としての走りをしっかりしたい」
 岡村が深谷に離れると、東龍之介(写真)は、冷静な判断で内に降りる。そこから内を進出して、最終3コーナーで伊藤信のまくりを張り、外を踏んで2着に強襲した。
 「深谷君は先行主体の組み立てで、行けるところから仕掛けるって感じだった。阿部(拓真)君の動きがイレギュラーで(岡村)潤さんは遅れてしまった。思いのほか前の3人が脚を使っていたので、たまたま抜けました。初日はチャンスをモノにできなかったけど、昨日(2日目)は修正できた。感じは良くなっている」
 単騎の阿部拓真は強気に前々へと攻める。外から追い上げて武田豊樹をキメると、最後は小畑を交わして追い込んだ。
 「小畑君が先行して、深谷さんがその上をいくっていう見立て通りだった。深谷さんがいくなら1個でも前に攻めて、(深谷が)構えるなら4番手から自分でいけるところまでいこうと思っていた。日に日に良くなっているし、今日(3日目)は軽かったので出し切れればチャンスはあるなと思っていた」


≪最終日「競輪ルーキーシリーズ2021プラス」≫
6R
 最も注目を集めるのは在所ナンバーワンの犬伏湧也だろう。3場所走ったルーキーシリーズで負けなしの9連勝を飾って本格デビューを迎えると、チャレンジを無傷で特班。8月松山FIの決勝で連勝は止まったものの、S級顔負けのタイムを連発しており、そのスピードは規格外だ。
 「まだまだ力自体が足りないし、決勝で勝てていないですね。自分の持ち味(のスピード)は生かせているけど、もっと地脚を付けて長い距離を踏めるようになりたい。みんな強いので、誰がライバルとかは気にせずに挑戦者のつもりでいきたい。ここで勝てれば自分の自信になると思っているので頑張りたい」
 上杉嘉槻も、犬伏と同じくチャレンジを9連勝で卒業して戦いの場をA級1、2班戦に移している。さらには9月弥彦FI、続く西武園FIで完全優勝を飾っており、次回にS級特進にも期待がかかっている。
 「次の(10月)久留米で特昇もかかっているし、今回でいい走りをして次につなげたいですね。仕掛けどころでしっかり仕掛けることを意識しています。犬伏さんとはルーキーシリーズで対戦して負けているけど、あの時とは自分も違うし、力の差を埋めてこられたと思っています」
 木村佑来もA級1、2班戦で戦う3人の内の1人。今シリーズのS級戦には師匠の阿部拓真も同時にあっ旋されており、気合の入り方は人一倍だ。
 「(A級1、2班戦でも)自分らしい走りはできているけど、競輪の走り方、レースの走り方にまだまだ慣れていないと特班してからあらためて感じています。今回は初めて師匠と同じ開催。いずれは自分もS級に上がって一緒のレースを走りたい。積極的に前の方に動いていきたいです」