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あおもり競輪

AOMORI KEIRIN

12#

検車場レポート

  • 6/10 Wed.  (前検日)
  • 6/11 Thu.  (1日目)
  • 6/12 Fri.  (2日目)
  • 6/13 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
小原丈一郎選手
 小原丈一郎(写真)は直前の当地ミッドナイトで完全Vを達成。9連勝でS級特別昇級を果たした。地元GIIIでS級デビューを迎える。
 「今期はS級点を取るのがいっぱいだと思っていたんですが、6連勝できて、その勢いのまま特進できました。前回の決勝は緊張して脚が動かなかったんですが、なんとか勝つことができました。ここに向けて疲れを取って、いいパフォーマンスができるように準備しました。S級では脚が劣っているので、チャレンジャーの気持ちで仕掛けます」
 竹村勇祐は前回の5月豊橋FIで落車したが、大きな影響はなさそうだ。
 「落車してから間隔が空いたんで、しっかりケアしました。練習もちゃんとできました。小原君が強いのは知っているので、しっかり走ってくれれば。安心して付いていきます」

2R

選手の写真です。
佐藤龍二選手
 佐藤龍二(写真)は4月伊東FI、5月名古屋FIと連続優出。調子、成績ともに上昇ムードだ。
 「自粛期間中もいい練習はできていたので、その成果もあって決勝に乗れているし、タイムも出ている。バック本数はちょっと減りましたね。この半年間でバックを取ると勝てないことが分かりました。(初日は)後輩(の川越勇星)がいるんで信頼して任せます」
 高橋築はFIシリーズで優出回数が増えるなど、着実に力をつけている。
 「最近は決勝に乗れるようになってきたし、いいですね。セッティングを換えたりして、その成果も出ています。周りは中止で走れてない選手が多いけど、自分はその期間に配分がけっこう詰まってました。自力でしっかり力を出し切ります」

3R

 中島将尊は競走スタイルを確立して点数を上げてきた。
 「S級でもだいぶ戦える手応えをつかめてきました。最近は先行選手がいれば位置を取ってのまくり、いなければ流れで駆けたりしています。練習はしっかりできているので、状態もいいです」
 鈴木庸之は久しぶりのレースでも不安はない。
 「3カ月近く空いた? そんなに空いてる感じはなかった。去年はヘルニアで寝たきりだったので、それに比べたらいまは普通に練習できるし、毎日が楽しいです」

4R

 庄子信弘は強烈なまくりを主武器に各地で存在感を発揮している。
 「最近は1着を取れているんで悪くないですね。状態は変わりなくいいと思います。青森は400バンクで走りやすいです。ラインの先頭でしっかり走ります」
 同じくまくりが持ち味の小原唯志だが、ここは栃茨連係で眞杉匠の番手を回る。
 「自力のつもりで来たんですけどね。たまに番手を回ることはある。やれることをしっかりやるだけですね。青森は走りやすくて成績がいいので楽しみです」

5R

 新田康仁は弟子の内山雅貴との初連係に気持ちが入っている。
 「若い弟子が5人いるので、自分も刺激を受けている。内山とは初連係ですね。前回の宇都宮記念は脚的には問題なかったけど、ブランクもあって、判断ミスがありました」
 内山雅貴はGIII初出場。S級初戦となった5月平FIは2日目一般戦で逃げ切って勝ち星を挙げた。
 「初S級の前回は初日に内に詰まってしまって…。凡ミスですね。ボケっとしてました。2日目はしっかり力を出せて、勝つことができました。脚的にはS級でも力を出せば戦えると思います。初日は師匠の前でしっかり頑張ります。この4日間でたくさんの経験を積みたいと思ってます」

6R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手
 鈴木謙太郎(写真)は4月伊東FIで約2年ぶりのVを達成。だが、1カ月ぶりのレースとなった前回の6月前橋FIはパッとしなかった。
 「練習はしっかりできていたんですけど、前橋は33バンクで苦手意識があってダメでした。展開の作り方が下手でしたね。脚の感触自体は悪くなかったし、今回は普通の400バンクで走りやすいので大丈夫だと思います」
 蒔田英彦は6月小田原FIで4カ月ぶりの優出。準決勝は強敵相手に逃げて2着に粘った。
 「小田原はいいレースができたと思います。街道練習を増やして、その成果が出てきていると思います。中3日なんで、そんなに練習はできなかったけど、変わらずいいです。青森は相性がすごくいいんです。(初日は)ラインで決まるように頑張ります」

7R

選手の写真です。
新山将史選手
 坂本周輝は直前の函館FIで3日間、主導権を握って決勝に乗った。
 「函館は決勝に乗れたんですが、ここ2場所は新車にして感触があんまり良くなかったので、今回は元のフレームに戻します。地元のGIIIは初めてなんですけど、点数もないので、一戦一戦しっかり頑張るだけですね」
 新山将史(写真)も函館FIで久々の優出。3日間、確定板に上がった。
 「(5月静岡)ダービーが中止になったので、そのぶんもここで結果を出そうと思ってやってきました。最近は番手戦が増えてるけど、まだまだ技術が未熟ですね。坂本君の番手でしっかり頑張ります」

8R

 佐藤博紀はカマシ、まくりのスピードが冴えている。
 「最近は良かったり、悪かったりという感じですね。いい期間を長く保てるようにしたいです。青森は久しぶりですね。初日はタイミングを見て、しっかり自力を出したいと思います」
 佐藤和也は6月函館FIで連勝の勝ち上がり。地元GIIIに向けて準備は万端だ。
 「調子は最高です。練習では自力も出している。まだまだ強くなりたいと思っている。(佐藤博紀とは)何回も連係しているし、相性もいいんです」

9R

 坂本周作は6月函館FIで勝ち上がりに失敗したが、敗者戦で2勝をマークした。
 「函館の前はかなり練習していて自信があったんですけど、意気込みすぎて失敗しました。気合が入りすぎると、いつも良くないんですよ。ここの追加は函館の初日にもらいました。地元のGIIIは今まで成績がそこまで良くないので、今回はいい成績を残したいです」
 佐藤康紀は状態面の不安を気持ちでカバーする。
 「最近はウエイトがメインで自分の練習がそこまでできていない。それがどうかですね。坂本周作君は追加なんで、気楽な気持ちで走ってもらえれば」

10R

選手の写真です。
近藤隆司選手
 近藤隆司(写真)は調子を上げていたが、中止が相次いで今シリーズは約2カ月ぶりのレースとなる。
 「GI(静岡ダービー)がなくなって気持ちが切れてしまった。3週間くらい何もしない状態が続いて、そのあとに室内トレーニングや街道練習をしてきました。今月に入って、2日間バンクに入れたんですが、それからまた開催が続いて入れなかった。指定練習からバンクに乗れるのがうれしい。日に日に良くなるようにしたいですね」
 藤根俊貴はギックリ腰のアクシデントから立て直してきた。
 「(5月末の)平の直前にギックリ腰をやって、自転車に乗れる状態ではなかったので休みました。そのあとは2、3日休んでから練習して、ちょっとずつ良くなってます。ポジションも定まってきました。いつも通り積極的に走ります」

11R

選手の写真です。
河合佑弥選手
 河合佑弥(写真)は点数上位の存在だ。前回の前橋FIは準決勝で力強い逃げ切りを決めた。
 「前回の前橋は久しぶりのレースでどうかと思ったけど感覚的には悪くなかったです。準決勝は2周半逃げて、押し切れているので。脚の状態は問題ないと思います。しっかり前に出て自分のレースをします」
 藤原憲征は前回の富山FIで精彩を欠いたが、しっかり修正してきた。
 「富山は大叩きしましたね。セッティングを見つめ直したので今回は大丈夫だと思います。追加は一昨日の夕方にもらいました。バンバン練習していたので、オーバーワークがちょっと心配ですね」

12R

選手の写真です。
長島大介選手
 長島大介(写真)は今シリーズ得点最上位の存在。初日は自力勝負で好スタートを切る。
 「(点数トップは)気持ちがいいですね。豊橋の全プロは2日間、人の後ろだったけど調子はいいと思います。青森は好きなバンクで走りやすいです。(5月)宇都宮記念の時くらいの仕上がりならいい勝負ができると思います」
 高橋陽介は地元のエースとして、責任感を持って走る。
 「全プロは2日間、番手だったけど思ったよりも走れました。状態はまずまずですね。自分が前の時は位置取り重視になりますね。地元なんでしっかり頑張ります」
 山賀雅仁は豊橋全プロを走って、好感触をつかんだ。
 「着なりに伸びてはいたと思います。練習は変わりなく普通にできている。セッティングを換えて全プロを走り、馴染んできています。いつも通り走って、結果が出ればいいですけど」

1R

選手の写真です。
竹村勇祐選手
 打鐘前に出た河村雅章を小原丈一郎がすかさず叩いて主導権を握る。飛び付いた河村をさばいて番手を死守した竹村勇祐(写真)が鋭く追い込んだ。
 「(小原が)強いのは分かっていたけど、走りは未知数なので、S級の独特の流れに乗り切れない可能性もあるかなって思ってました。もうちょっと勢い良く出切ってくれれば(小原と)ワンツーが決まったかもしれないけど、出切ってくれたので。(河村との併走は)キツかったですね。最近は落車が多かったんですが、1着が取れて良かったです」
 S級デビュー戦の小原丈一郎は逃げて3着に敗れた。
 「やっぱりA級とは全然、違いますね。もっと勢い良く出切れれば良かったけど、出切る前に考えてしまって…。とりあえず先行できたのは良かったんですが、最後は粘れなかったです。緊張はしなかったし、やることはやれました」

2R

 打鐘で橋本智昭が一気に飛び出して主導権を取る。6番手に置かれた高橋築だったが、2コーナー入り口からまくり発進。合わせて3番手から川越勇星もまくるが進みが悪い。力強く前団を飲み込んだ高橋が後続を振り切った。
 「前を取っていけるところからって感じでした。前回から中3日で練習があまりできなくて、不安があったけど、(1着を取れて)良かった。踏み出した感じとかはいつも通りですね。ワンツーを決められて良かったです」
 藤田竜矢は高橋に迫るも交わせず2着。
 「(高橋君が)いいところで仕掛けてくれたし、うまかったですね。ヨコできる人たちがいたので、追走の部分でそこはしっかりとしようと。抜ける感じはなかったですね。ただ自分の脚は前回よりいい」
 武井大介は2センターで柿沼信也をどかしてコースを作ると直線で伸びて3着に入った。
 「復帰2場所目なので、調子どうこうではないですよね。川越君が切って(橋本君を)出させてと、レースは簡単だっただけに橋本君をまくってほしかったですね。練習はやっているので実戦で成績を残したいですね」

3R

選手の写真です。
飯野祐太選手
 箱田優樹、中島将尊の両ラインでもつれたところを酒井雄多が打鐘前からカマして主導権を握る。4番手以下は車間が大きく空いて完全に福島勢のペース。番手絶好となった飯野祐太(写真)が車間を空けてガードしてから追い込んだ。
 「酒井のおかげですね。思いのほか落ち着いていたし、流さないで駆けてほしいって思っていたら、その通り踏んでくれました。ラインで決まるように、(別線のまくりが)来た時はしっかり止めようと。そこはしっかり考えてました。常に練習はできているので状態はいいです」
 逃げた酒井雄多は3着。福島ラインを上位独占に導いた。
 「びっくりするくらいカマシ頃になりました。イエローラインを下って駆けられました。400メートル踏んだので、最後はヘロヘロでした。3月松山記念で落車して4月は良くなかったけど、そのあと1カ月半くらい健康な状態で練習できたので、それが身になってます」

4R

 周回中に古川宗行にフタされた眞杉匠だったが、古川が打鐘で前に出るとすかさず叩き返して先頭に立つ。眞杉の番手の小原唯志は、最終ホームで早めに巻き返してきた庄子信弘を外に振ってけん制すると、番手絶好態勢のまま迎えた直線で鋭く差し切った。
 「眞杉君が先行してくれて良かった。自分はもうちょっとやりようがあったかなと思う。もっと車間切ったりとか、まだまだ番手は難しい。番手を回って前とワンツーが決まったのは初めてかな。ただ、番手よりも自力の方が良いね。前と呼吸を合わせたりするのは難しい」
 眞杉匠が2着に逃げ粘る。
 「フタされるのは予想できたし、引かないと決めていました。もがいた距離が短かったしペースで踏めた。出し切る競走ができた。雨は好きじゃないけど、バンクは走りやすかった。脚は問題ないし、出し切る競走を心がけたい」

5R

選手の写真です。
新田康仁選手
 前受けの真船圭一郎が中団から上昇した相川永伍を赤板で突っ張る。その上を内山雅貴が勢いよく飛び出して打鐘から先制。内山がハイペースで駆けて別線を離すと番手の新田康仁(写真)は車間を空けて援護する。内山はゴール前でいっぱいになり、新田が鋭く抜け出して白星をつかんだ。
 「出切った時点で巻き返してくる人がいないので、ペースでと思ったら、(内山が)ハイペースで踏んだ。レース後に聞いたら緩めると踏み上がらないと言っていたのでこれがあいつのベストだったみたいですね。真船君が離れているのが見えたので引き付けてと思って。残せると思ったけど、2センター過ぎて真船君が外を伸びてきてしまったので、そうなれば、踏み負けて飲まれると思ったので、前へ踏ませてもらった。弟子(内山)の頑張りにも応えてあげたかったし。弟子の頑張りは凄いうれしかった。弟子とS級で連係する夢がひとつ叶いました。脚も悪くない」
 齊藤竜也は新田にピタリと続いた。
 「別線がやり合うのを見極めて落ち着いて仕掛けてくれた。出切って決まったと思いましたね。自分は内を締めるぐらいで、あとは菊地(圭尚)君に入ってこられないように意識していた」
 相川永伍は真船に突っ張られるも、7番手に下がって立て直すと、内へもぐり直線で伸びて3着に入った。
 「赤板過ぎに切って4番手の位置を取ってからが勝負と思ったら、真船君が切らしてくれなくて。内山君も師匠を連れて踏み上げていたので、後ろには申しわけないと思ったけど、行けないと思って内へ入っていった。一応、確認しながら入っていった感じですね。真船君が2センターで外を踏んでくれたからコースが空きましたね。開催中止の間に普段とは違う練習をしたら、凄い弱くなって、立て直すのにここ何場所かかかってしまった」

6R

選手の写真です。
蒔田英彦選手
 打鐘過ぎに鈴木謙太郎を叩いて出た蒔田英彦(写真)はすかさず反撃に出た伊東翔貴を1車受けて番手をキープ。車間を詰める勢いで早めに追い込み、南関ラインで上位独占を決めた。
 「誰も来なければペースで駆けようと思っていたんですが、ちょっと距離が長いかなって迷っていたところに(伊東が)来てくれたんで恵まれました。最高の流れでした。ただひとつ伊東君が思った以上にかかってましたね。そこだけが誤算でした。バックを取るくらいで車間を詰めようと思っていたんですけどね。苦しかったけど青森は本当に相性がいいです」
 武田憲祐がきっちり2着に流れ込んだ。
 「蒔田君は先行するつもりでジャンから踏んでくれました。伊東君が1車だったので、あとは冷静に。そのあとにまくりも飛んで来なかったし、流れがすべて南関に向いてくれました。もう少し(蒔田と)ゴール前勝負したかったですけどね」

7R

 打鐘で前に出た坂本周輝は、別線の動きを警戒してなかなかペースを上げない。しびれを切らした山中秀将は7番手から最終ホーム目がけて仕掛けて、合わせて踏み上げる坂本をバックでは飲み込んでしまう。3コーナー過ぎにはライン全員で出切って南関勢で上位を独占した。
 「自分の仕掛けられるタイミングで行こうと思っていた。もう少し立ち上げてくれるかと思ったけど、流していたし、いま仕掛けないと後々厳しいと思い仕掛けた。前回の2日目の(打鐘でカマした)レースが今回に繋がったと思う。気持ちの面で楽に走れた。ケガをして(体は)元通りにはならないが、今あるもので戦わなければいけない。その中でも前回と状態は変わらないと思う」
 成清貴之がゴール前迫って2着。
 「山中君が全開のまくりだったら俺と(白戸)淳太郎はいなくなっていたと思う。様子を見ながらの仕掛けだったし付いて行けた。付いて行けるか、行けないかの勝負だと思っていたし、付いて行けたのは収穫です。状態は前回と変わらず良いし、(差せなかったのは)山中が強かっただけです」

8R

選手の写真です。
蕗澤鴻太郎選手
 蕗澤鴻太郎(写真)が打鐘を目がけて一気に踏み上げて先制する。最終ホームで反撃に出た佐藤博紀をきっちり合わせ切った蕗澤がそのまま力強く押し切った。
 「中田(雄喜)さんが勢い良く切って単騎の人たちが付いていかなかったので、様子を見て車間を空けて打鐘のところで仕掛けた。最終ホームで佐藤博紀さんが仕掛けてきたのが見えたので、出させないように踏んだ。かかりも脚の感じも悪くなかったと思う」
 番手絶好の柴田洋輔は交わせずに悔しがる。
 「蕗澤君が中田君の上昇に付いていってくれれば、楽だったから少しヒヤヒヤした。あそこから蕗澤君が逃げて差せないのは悔しい。でもいまはこんなものなのかな。佐藤博紀君が巻き返してきたのが見えたけど、1センターで合うなと。蕗澤君も余裕があったし、強かった。あれで抜けないのは…。でも2車は難しいですね」

9R

選手の写真です。
山下渡選手
 伊早坂駿一が打鐘前に加賀山淳を叩いて逃げる。これで絶好となった山下渡(写真)が鋭く追い込み、久々の勝ち星を挙げた。
 「伊早坂のおかげで1着を取ることができました。前に出る時にビリビリしたし、いいダッシュでした。2コーナーからまた加速したので、このスピードではまくられないと思った。後ろを見る余裕がなくて、ずっと後輪を見ながらですね。もう少し余裕があれば良かったですね」
 中団をキープしていた加賀山淳がまくり追い込んで2着に。
 「伊早坂は先行したら強いですからね。絶対に来ると思っていたので、この組み立てになりました。宗景(祐樹)さんが離れかけていたので、ヤバイと思って仕掛けました。1車ぶんスッと入れたからラッキーでした」

10R

 隅田洋介が切った上を、打鐘前に藤根俊貴が叩いて先制する。中団からまくりを狙った隅田は開坂秀明のけん制もあって勢いが鈍り、藤根が力強い踏み直しで押し切った。
 「前受けからでも良かったが、近藤(隆司)さんがポーンと出たので中団からの組み立てになりました。踏む距離が長くなったが、近藤さんならそんなに早くは来ないだろうと思って自分のペースで駆けられた。腰はもう不安はないし、脚も上がっていた。もう少しスピードはほしいがこのレースは自信になる」
 開坂のけん制を受けた隅田洋介だが、粘り強く外を踏み続けて2着に入った。
 「敵が強いので1回動いてからと思っていたが、ズルい競走になってしまった。まくり切らないとダメですね。きれいにまくり切らないとラインで決められないので。1回ブロックをもらっても我慢して踏めているので状態はいいと思う」

11R

 後ろ攻めの山本紳貴が上昇して赤板過ぎに先頭に立つ。最終ホーム4番手から反撃に出た阿部拓真が2コーナーで山本の抵抗をねじ伏せる。後方からまくり上げた人気の河合佑弥は不発。阿部の番手で絶好展開を迎えた竹山陵太が鋭く抜け出した。
 「余裕があったので、阿部君を2着に残したかった。(菅田)壱道君や(阿部)力也と練習したり、1日2回練習やるようになって脚の感じがいい」
 江守昇は目標の山本が叩かれると竹山後位にスイッチして2着に入った。
 「うまくいったはずだけど、すかさず阿部君がきたのが誤算。いつもは中を踏むけど、行けると思ったのと後ろが近藤(俊明)君だったので外を踏んだ。そしたら思ったより踏めて感触はいい」
 阿部拓真は最終ホームから山本を叩くも直線で末を欠いて3着に。
 「山本さんが踏んだので、中団確保からと。ホームで緩んだので、そこで河合君に仕掛けられてかぶるのが嫌だったので行った。出切ってからは必死で、平沼(由充)さんが離れているのは気が付かず。出脚は良かったけど、あとは末脚。開催がない中で、体も癒えて練習もできたことで、徐々に良くなってきた」

12R

選手の写真です。
齋藤登志信選手
 前受けから8番手まで下げた山賀雅仁が打鐘の3コーナーからロングスパート。最終1コーナーで高橋陽介を叩き切る。後方からまくり上げた長島大介を高橋が外に弾くと空いたコースを齋藤登志信(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「久々で不安しかなかった。年齢的なものもあるけど、それはみんな一緒ですから。前の動きがあって自分も行けた。1人ではなくて全体の動きがあったから。今日(初日)よりも明日(2日目)は落ち着いて走れると思う」
 山賀の番手で絶好となった渡邉晴智は2着。
 「久々の競輪でうれしかったけど、それ以上に緊張しました。走れたことに感謝してます。(山賀が)行ってくれましたね。ダッシュも良くて、キツかったです」
 2カ月ぶりの実戦となった小野大介も3着で確定板に上がった。
 「(北日本ラインの)4番手を選択したんですけど、落ち着いて走れました。道中も余裕があって、バックでは脚がたまってました」

6R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手
 後ろ攻めの伊早坂駿一(写真)が打鐘過ぎに佐藤龍二を叩いて逃げる。石川裕二は離れて、飛び付いた佐藤が伊早坂の後位に収まる。そのまま快調に飛ばした伊早坂が会心の逃げ切りを決めた。
 「前が佐藤龍二さんだったし、先行はないので、ジャンくらいに行けばいいと思いました。(後ろの状況は)すぐ分かりました。バックの風がかなり向かっていて重かったんですが、そこをしのげばあとは流れてくれる。初日一走して脚に刺激が入って、今日(2日目)のほうがかなり感触は良かったです」
 伊早坂の番手を奪取した佐藤龍二はまくってきた真船圭一郎をしっかりブロックして止めたが、伊早坂を交わせず2着。
 「番手を奪ったからには、まくりが来たらしっかり止めようと思ってました。3コーナーで伊早坂がタレてきて(南関ラインで)ワンツースリーかと思ったら踏み直されました。伊早坂が駆けたら強いというのは分かっていたんですけどね」

7R

選手の写真です。
中島将尊選手
 打鐘で酒井雄多を叩いた小原丈一郎が先行策を取る。小原の番手の新山将史が3コーナーからタテに踏み込むが、7番手からジワジワとまくり上げた中島将尊(写真)がゴール前の攻防を制した。
 「酒井が(小原を)思いのほかすんなり出させていましたね。理想はもっともがき合ってくれる感じでしたけど、そう上手くはいかなかった。人任せだったけど、結果だけ見れば良かったのかな。バックが向かい風で重かったし、綺麗にまくり切れるとは思っていなかった。いったん動いて軽いところを探していた。自分が動けば後ろの人は自分でコースを探してくれるだろうと。絶好調ではないけど戦える脚ではあります」
 中島マークの藤原憲征が2着に流れ込んで関東ワンツー決着。
 「キツかった。(中島は)結果はいいけどレースの運びはダメ。もっと考えて走らないと。前回は気持ちも体もあまりノッていなかったけど今回は大丈夫。3日目も悔いのないように走りたい」

8R

選手の写真です。
佐藤和也選手
 中団から先に動いて切った鈴木庸之を坂本周輝が赤板の2コーナーで叩いて駆ける。番手の佐藤和也(写真)は前との車間をしっかり空けてガードしてから追い込んだ。
 「坂本君が落ち着いていて、前回の函館みたいに強かった。徐々にペースを上げていってくれた感じ。あのペースなら3コーナーでブロックできると思ったら鈴木庸君がこなかったので、浮いているのかなと。でも4コーナーで凄い勢いできたので、前に踏んだ。あそこから合わせて踏めているので、調子はいいと思う」
 中団をキープした鈴木庸之は後方からまくってきた伊東翔貴の仕掛けに合わせて3コーナー手前からまくり追い込んで2着に。
 「中団狙いでした。やり合ってくれれば、早めでもいいかなって感じでした。風で周回中から重くてキツかった。伊東君が気になって踏めなかった。鐘で伊東君が来てくれれば、切り替えていたかも。練習ではタイムが出ていたので、仕掛けられる自信はあったけど、細かいところが慣れていない。レース的には良くないけど、展開を動かしているのでいいと思う。ギアを変えて悪くなかった」

9R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 加賀山淳が打鐘前に高橋築を叩いて逃げる。中団はもつれて南関勢のペースに。これで絶好となった山賀雅仁(写真)が鋭く追い込んだ。
 「加賀山君が頑張ってくれました。かかりが良かったし、強かったですね。俺は付いていっただけです。あとは車間を切って、上手く対処できたか分からないけど、結果的にライン4人で勝ち上がれたのは良かったです」
 南関ライン3番手回りの江守昇が2着に流れ込んだ。
 「恵まれました。(加賀山が)上手く駆けてくれました。今日(2日目)はすごく楽でしたね。いいところまで迫れているし、状態はまずまずです」

10R

選手の写真です。
藤根俊貴選手
 小原唯志が押さえた上を藤根俊貴(写真)が叩いて先制する。中団に収まった小原のまくりは高橋陽介のブロックで止まり、援護を受けた藤根がそのまま押し切った。
 「じゅんぐりの展開でしっかり仕掛けられた。山中秀将さんでもすぐにはカマせないスピードで踏めたし、ペースに入れてしっかり踏み返しもできた。感じは良かったが、ここまでとは。長欠中に感覚が戻ったのが大きい。2日間で自信も付いた。自分はがっつき過ぎるとダメなので、準決もやることをやって結果が付いて来ればいい」
 小原のまくりを止めた高橋陽介だが、藤根を交わすまでには至らず2着。
 「余裕もあったので後ろを見ながら車間を切っていたけど、必要ないぐらい藤根君が強かった。流し過ぎずにグングンかかっていく感じでした。小原君を大きめに一発持って行けばあおりで山中君も止まると思ったけど必要なかった。藤根が踏み上がっていて車間が空いた感じです。余裕はあったけど抜けなかった」

11R

選手の写真です。
朝倉佳弘選手
 赤板過ぎに先頭に立った眞杉匠が別線の中団争いを誘ってペースで駆ける。これで絶好となった朝倉佳弘(写真)がきっちりチャンスをモノにした。
 「眞杉君は前回の小田原で連係した時より強かった。踏み方がわかっていたので、内を締めてから回して休めるところもあり、前回で連係を経験していたのは大きかった。前回で彼はG1の先行選手と変わらないと思う手応えがあった。体はどこかしら痛いけど、日に日に良くなっている。200勝まであと1勝ですね」
 蒔田英彦のスピードをもらった成清貴之が2着に突っ込んだ。
 「中団の取り合いになったけど、蒔田は先行一本のレースからまた違う上手いレースができるようになりましたね。眞杉君がかかっていたので、最後は内に行こうと。蒔田はいつも頑張ってくれる」
 眞杉匠は力強い先行策で3着に粘った。
 「蒔田さんが前を取ったので、切って庄子(信弘)さんを出させずに併走してくれればと思ったらそうなった。その形を作りたくて、早めに押さえました。バックはキツかったですね。距離が長くて。自分的にはそんなにかかっていない感じ。内容が良くて、みんなで上がれたので良かった」

12R

選手の写真です。
長島大介選手
 打鐘過ぎにもつれて新田健仁、齋藤登志信の2名が落車するアクシデントが発生。打鐘で飛び出した蕗澤鴻太郎の後位に阿部拓真が収まる。落車を避けて6番手となった長島大介が2コーナーからひとまくり。続いた隅田洋介がゴール前で逆転した。
 「前のおかげです。からまれなかったし、展開が良かった。付いていっただけです。今期はスタートに失敗して、最近はどうしても点数を上げたくて、勝ちに徹するレースが増えています。前回の宇都宮から感じは良かったですね」
 まくった長島大介(写真)は2着。栃木ワンツーが決まった。
 「落車があってバックを踏んで、あれで脚を使いました。そのあとはすごい詰まったんですけど、前の様子が分かんなくて見ちゃいました。アクシデントに落ち着いて対応できなくて(フォームは)バラバラでした。ワンツーが決まったのは良かったです」

10R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手
選手の写真です。
朝倉佳弘選手
 北日本勢の内をすくった佐藤龍二が阿部拓真とからんで落車。前団がもつれたところを伊早坂駿一(写真)がホームから豪快にまくった。
 「アクシデントがあったし、たまたまです。ゴチャゴチャになったところを踏みました。スピード的にも余裕があったし、自分のペースで踏んで吸い込まれるところで仕掛けました。最後はタレてしまったけど体はよく動いている」
 朝倉佳弘(写真)がきっちり2着に続いて関東ワンツーとなった。
 「(伊早坂は)踏んだ瞬間に行けると思いましたね。彼とはトレーナーが一緒なんですけど、何度も踏めるようになっていると聞いていた。でも情報以上に強かった。抜ける抜けないは置いておいてGIIIの準決勝でワンツーはうれしい」
 落車を避けて阿部拓真の番手に付け直した渡邉晴智が関東両者を追いかけるように2コーナーから前に踏んで3着に入った。
 「(佐藤)龍二もあそこまで締めこまれると思っていなかったんでしょう。阿部君が車体故障してどんどんタレてきていたので、立ち上げるのがキツかった。成清君に助けられました。前後のラインのおかげ。素直には喜べない」

11R

選手の写真です。
長島大介選手
選手の写真です。
山賀雅仁選手
 打鐘で先頭に立った眞杉匠が加賀山淳の反撃に合わせてペースを上げる。最終ホーム過ぎから徐々に前との車間を空けていた長島大介(写真)が山賀雅仁をけん制しながら追い込んで人気に応えた。
 「眞杉君が頑張ってくれた。山賀さんの雰囲気が分からなくて、中島(将尊)君の動きも気になってました。それにオッズも見ていたので、最後は前へ踏ませてもらった。バックの風が違っていたら、眞杉君が残っていたかも。それに(加賀山の番手が)山賀さんじゃなければ、気持ちも楽だったんですけどね。判断が難しかったけど、最低限の走りはできたと思います」
 山下渡は長島にピタリと続いてワンツーを決めた。
 「詰まってきたので(長島に)早く前に踏んでほしかったですね。山賀さんも来ていたので、外に振られたらキツかったけど、ちゃんと前に踏んでくれた。上手く回しながら踏めている。前のレースで伊早坂君が決勝に乗ったので気持ちも入っていました。感触はいいですね」
 山賀雅仁(写真)は目標の加賀山が眞杉を叩けない窮地にも外にへばりついて3着に入った。
 「あの形になると外は勝てないですよね。加賀山君がダメになったら自力もあるし、武田君も付いているので、踏もうと思ったけど、山下君のところまでしかいけなかったのはどうなのか…。1回でも外に振られていたら決勝に乗れていなかったと思う。決勝も自分の仕事ができるように疲れを取ります」

12R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
選手の写真です。
蒔田英彦選手
 最終レースは3連単の配当16万円台の大穴決着となった。蒔田英彦が藤根俊貴の反撃をきっちり合わせて主導権を握る。中団に降りた高橋陽介が内を進出したことで大混戦になったが、脚をためていた鈴木庸之(写真)が空いたコースをシャープに伸び切った。
 「まくろうかとも思ったんですが、外にいて踏めなかった。ずっと詰まっていて、踏んだのは4コーナーから一瞬だけですね。サラ脚で脚が余ったままゴールした感じです。1着は去年2月の小倉以来で1年半ぶりくらいですね。いままで取った1着のなかで一番うれしいです。去年、(ヘルニアの)手術をして、立てない時期もあって、もう復帰できないと思ってましたから。復帰して、こうして勝てて決勝に乗れたことが本当にうれしいです」
 蒔田英彦(写真)は後続のもつれを尻目に2着に粘り、GIII初優出を果たした。
 「モニターで4番(藤根)を確認したら、そんなにいい勢いで来てなかったので、合わせられるかなって思いました。何とか決勝に乗れて本当にうれしいです。2日間の運の良さが今日(3日目)につながりました。青森との相性の良さ1本ですね」
 内々を最後まで諦めずに踏み続けた隅田洋介も3着でGIII初優出。
 「運も実力のうちですね。流れがきています。外を踏めれば良かったけど、みんないっぱいいた。最後もコースミスをして反省ばかりです」