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やひこ競輪

YAHIKO KEIRIN

21#

検車場レポート

  • 7/27 Wed.  (前検日)
  • 7/28 Thu.  (1日目)
  • 7/29 Fri.  (2日目)
  • 7/30 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 松坂洋平(写真)は、前回のサマーナイトでは番手回りの初日以外は単騎戦が2回。着をまとめ切ることができなかった。だが、ここはライン3車と援軍豊富で、積極型不在とあらば、タテ攻撃メインで勝ち上がりを狙ってきそうだ。
 「前回は人の後ろもあったし、あんな感じでしたね。脚自体は悪くなかったと思うんですけどね。ここまでは普通にやってきて、状態は変わらないと思う。ちょっと疲れがあるかな。徹底型がいないんですか。いつもは自力自在のコメントですけど、ここはもう自力ですね」
 白戸淳太郎は、1着こそ4月向日町から遠ざかっているものの、FI戦ではコンスタントに優出して成績が安定している。そろそろ記念でも連がらみがほしいところだ。
 「前々回の久留米記念がものすごくよくなくて。ここ最近は夏バテにやられていた感じがあったんですけど、前回の函館は涼しかったからか大丈夫でした。暑いので練習量を落としてきました。弥彦は(成績が)良い時もあれば、かなり良くない時もある。あとは展開ですね」

2R

選手の写真です。
長田龍拳選手
 117期在所ナンバーワンの長田龍拳(写真)がグレードレースデビューを迎える。今期初戦の7月奈良では最終日にS級初勝利を上げた。規格外のパワーを誇る新鋭が、S級でもスタイルは変えずに大暴れする。
 「(前回は)まだA級の時ような走りをしてしまって、S級の流れで走れていなかった。S級はどこからでも仕掛けてくるので、それに対応できていないのが課題です。9車立ては初めてです。記念のレースは絶対見ています。先輩から仕掛け遅れないようにと言われてきましたけど、自分で走ってみないと分からないので。弥彦は落車したこともあるけど、A級で優勝したこともあるバンク。クセがある感じはしないし、走りやすいので積極的に仕掛けたいです」
 皿屋豊は7月佐世保から中22日のゆとりのローテ。持病の腰痛を抱えながらも、ここには間に合わせてきたようだ。
 「前回の佐世保が終わってからぎっくり腰になって。去年腰を痛めてから、疲れてくると腰痛が出るようになってきちゃったんですよね。うまく付き合っていかないといけないと思っています。でも、今回のぎっくり腰は治ったし、治ってからもしっかり練習できました。今回に関しては全然問題ないと思います。弥彦はGI以来で2回目ですね。バンクのイメージはすごくいいです

3R

 サマーナイトは初日敗退に終わった松本秀之介だが、3日間積極的なレース運びを見せて結果的には2連対。成績以上に動けていた印象で、本人も好感触を口にした。
 「(サマーナイトは)3日間とも仕掛ける所で仕掛けて、2日目、3日目と着にも絡めたのでよかったです。レースの感覚がよかったですね。練習もいつも通りやってきたので。9車も走りにくい感じはしない。久留米記念では二次予選を突破できなかったので、今回は準優まで突破したい。染谷(幸喜)さんも小畑(勝広)さんも積極型ですけど、自分も仕掛ける所を逃さないようにしたい」
 吉本卓仁は、6月地元記念で落車のケガから復帰し、徐々に復調気配が漂う。その久留米記念で3日目にワンツーを決めた松本と再び呼吸を合わせ、初戦突破を狙う。
 「ケガは右手の指ですね。結構ひどくて、しっかりハンドルを握れなかったのでダッシュができませんでした。復帰した久留米記念はその影響で練習不足の感じはありましたね。まだ体は良いとは言えないから、サマーナイトは色々と試しながらだった。(初日は)久留米記念でも1着を取らせてもらった(松本)秀之介に任せていきます」

4R

選手の写真です。
村上博幸選手
 村上博幸(写真)は173日間の欠場から7月函館で復帰。長らく戦列から離れていた理由をこう説明する。
 「(1月)大宮の落車で左鎖骨の骨折をして、そこから骨髄に菌が入って骨髄炎になって。走りたいと思って医者の先生に相談しても、今まで頑張ってきたツケもあるっていうことも言われて。先生がOKを出すまでは復帰は無理だろうなと。練習で仕上げてレースで反省点を見つけようと思って函館に行ったんですけど、悪くはなかったです。休んでいたので調整をすることがなくて、ここまでの調整が難しかったけど、細かいことを考えずに練習をやってきました」
 自力が主戦法の飯野祐太だが、ここは同県の後輩である鈴木涼介に前を任せる。
 「サマーナイトは感触は悪くなかったけど、流れが悪かった感じですね。終わってからはやりたい練習があったので、しっかりやってきました。これからのことを考えて、乗り方やフォームを変えてこの一週間は練習してきました。だから自力でやりたい気持ちもあるけど、(鈴木)涼介がいるのでここは任せていきます。連係は初めてです」

5R

 櫻井祐太郎は前回の7月宇都宮で3場所ぶりの優出。直近12場所のバック本数26本を記録する徹底先行は、グレードレースでも存在感を発揮している。
 「宇都宮の前も配分が空いていたので、最近は結構しっかり練習ができています。弥彦はA級の時に走っているけど、その時はケガ明けだったからあまりイメージがなくて。先行する身としては、9車の方がいいですね。強い人を後ろに置きたいので。でも、9車はまだまだ分かってないので、しっかり立ち回れるようにしたい」
 一時は本来の伸びを欠いていた佐々木雄一だが、ここにきて復調の感じが漂う。
 「久留米記念くらいから調子が戻ってきた感じがありますね。サマーナイトは伸びも変わらずよかった。櫻井君は初連係ですけど、強いイメージしかないですね。抜けていない人とかも見ているので」

6R

選手の写真です。
坂本健太郎選手
 サマーナイトは未勝利に終わった坂本健太郎(写真)だが、展開に泣かされた面も大きかった。今節は仕切り直しの一戦だ。
 「サマーナイトは脚の感じはそんなに悪くなかったですよ。初日も離れたっていうよりは、付いていかなかった感じなので。直前に軽いぎっくり腰と首の寝違えをやってしまったけど、練習はできたので大丈夫。弥彦記念は久しぶりですね」
 状態面の底を脱した上田尭弥は、白星も増えて自信も取り戻してきたようだ。ビッグ戦線で大暴れする日もそう遠くないかもしれない。
 「サマーナイトはしっかり動けていたけど、着が悪かった。力のなさを改めて知らされましたね。でも、一時に比べたらよくなっているし、ケガが治って思い切ってレースをできている。ウエイトもやれたし、練習は思った通りできました。(坂本、牧剛央が)後ろをしっかり固めてくださるので、レースを見極めて仕掛けていきたいです」

7R

 昨年当所の寛仁親王牌での欠場から、4月青森GIIIで復帰した鈴木庸之。まだまだ本調子とは言えないだろうが、大事な地元記念だけに、なんとかファンの期待に応えたい。
 「去年の親王牌の特選に乗るために、1年半やりすぎてヘルニアが出ちゃった。復帰してからの成績に関してはこんなもんかなって感じですね。でも、最近やっとできるって感覚が出てきた。ここからって感じです。以前の状態に戻る感覚は多少あります。それにレースを走っていて楽しいですからね」
 5月大宮の完全V以降ピリッとしない吉田茂生だが、動き自体は悪くない。そろそろきっかけをつかんで、急浮上といきたい。
 「コンディションも成績も悪かったんですけど、底は脱してボチボチって感じですかね。でも良くなった要因がつかめていないのでどうすれば良い状態をキープできるのかが分からないんですよ。セッティングは悪い時から大幅に変えて、試しながらだけど良い時と変えないようにしています」

8R

選手の写真です。
佐藤一伸選手
 佐藤一伸(写真)の直近4カ月の競走得点は107点オーバー。前回青森こそ2日目に失格を喫したが、成績は急上昇中だ。だが、本人はいつも通り謙遜気味にこう話す。
 「余裕はないですし、ラインの力でたまたま着がまとまっているんだと思います。先輩にも後輩にも助けられての今の点数ですから。本当にたまたまですよ。9車は久しぶりですし、後手は踏まないようにしたい。弥彦は毎回成績が良いので好きなバンクです」
 あっせんしない処置で6月の1カ月を棒に振った岡村潤だが、その間に練習はバッチリできたようだ。復帰戦の7月青森こそ623着と決勝には乗るも未勝利と結果が出なかったが、今回こその思いも強いだろう。
 「(欠場中は)練習だけしていて、練習をやった割には青森では噛み合わなかったなっていうのが正直あって。練習の感じが良すぎて、変な自信があり過ぎて、その辺が噛み合ってなかった。一走した分、今回は楽にはなる思います。弥彦は記念の決勝に乗っている率が高いと思う。大石(剣士)君とは最近一緒に練習をしているし、しっかり援護したい」

9R

 宮本隼輔は高松宮記念杯の最終日に落車。今節が約1カ月振りの実戦となる。
 「右の鎖骨を骨折しました。手術して、練習は2週間ぐらい。鎖骨骨折は初めてです。まだ練習で本気でもがいてないのでどれくらいの調子かは分からないです。弥彦はアマチュア時代に何回か走ってます。競輪で走るのは初めてですけど、どこの競輪場も変わらないと思っているのでその辺は大丈夫です」
 太田龍希も勢いある若手の一人。今節は偉大な同県の先輩と同配分で、より一層緊張感を持って検車場入りした。
 「初めて平原(康多)さんと一緒の開催なんですよ。練習地も違うし、普段は会うこともないですし、会っただけで緊張します。いろんなことを見て、聞いて、吸収できるものは全て吸収したい。弥彦はA級時代から相性良いですし、とにかく自分のできるレースをしっかりやりたい」

10R

選手の写真です。
末木浩二選手
 山梨所属の末木浩二(写真)にとって、弥彦は地元バンクになる。成績と比例して状態も上向きで、万全の準備を整えて大事な一戦に臨む。
 「調子はどんどんよくなっているし、良い準備ができていると思います。自然とここを目標にしていたし、ここに向けてやってきたので。弥彦は成績もいいので、地元だし走りやすいです。記念の決勝にはまだ乗ったことがないので、決勝を目標にしたい。初日は地元3人でラインを組めるので、3人で決めたいです」
 市橋司優人は、前回の7月広島で昨年9月松山以来の決勝進出。好感触を強調した。
 「あまり自力を出す場面がないんですけど、(前々走の)佐世保から自力でも車が出てているし調子はいいです。セッティングをいじって、乗り方を変えたら、定まった感じがあります。ここまでは休養を取りつつ、調子を崩さないように調整してきました。まだ番手の経験が浅いので、自力の時よりも多少緊張するけど九州の若手は強いので信頼して付いていきたい」

11R

 1着も取れている島川将貴だが、ムラがあるのは否めない。本人も試行錯誤を繰り返しているようで、今節もセッティングの改良に着手する。
 「サマーナイトはあまりよくないまま終わってしまいました。切って中団を取ったり、先手を取ったりはできたけど、自分の状態がよくなかった。セッティングが合ってない感じですね。前回が終わってからも真剣に向き合ってきました。サドルの位置を前にしていたのを、今回は後ろにします。練習で乗った感じはよかったし、サマーナイトの前の練習の時よりもよかったので、気持ち的には楽ですね」
 香川雄介が島川の番手を回る。前回の7月青森は成績が振るわなかったものの、気持ちは切り替えてきたようだ。
 「前回は調子自体は悪くなかったと思うけど。展開だし、しょうがないよね。今回はなんか行けそうな気がするけど、まあ走ってみないとね。弥彦は相性良いと思っている。直線が長いので、ジタバタしないで、しっかり脚をためておきます」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 初日特選には地元地区の関東勢が4人そろった。話し合いの末に4車で結束し、菊池岳仁の番手は吉田拓矢(写真)が務めることとなった。
 「サマーナイトには新車で行ったんですけど、それが合わなくてだめだった。今回は感じが良かったころの自転車に戻します。体は問題ないですね。弥彦には走りやすいイメージがあります。4車の番手は責任ある位置。しっかり走りたいと思います」
 地元の諸橋愛は関東の4番手を固めることになった。67、68、69周年と、当大会3連覇の実績を誇る地元のエースは、リラックスムードの中にも、緊張感ある表情を時折見せながらインタビューに応えた。
 「ここに照準を合わせて練習しているし、予定通り調子はキープできている。リスクあるトレーニングをケガなくできた。ただ、人とも会わずに練習していたので、レース勘ってところには不安は多少あるかな。もう連覇ってところからは外れたし、気は楽にはなったけど、緊張していないとは思っていないです」
 6月取手記念を3連勝で優出するなど、三谷竜生はここに来て本来の動きを取り戻してきた。遠征勢の不利を跳ね除けることができるか注目だ。
 「前回の宇都宮は疲れもあったけど、動けていました。練習の調子もいいですし、競走でも結果が出ているので、調子が良いんだと思います。弥彦は走りやすい印象がありますね」

1R

 赤板で久保田泰弘が切り、矢口啓一郎は誘導を残したまま車を下げる。中国勢を追った松坂洋平は、2コーナーで内に切り込んで吉永好宏のインで粘る。久保田がペースを落として打鍾を過ぎても誘導が残ったまま。矢口は最終ホームからカマシを敢行する。反応した久保田も踏み上げるが、松坂は一瞬久保田がバンクを上がった隙を逃さず、内から交わして位置を上げる。3コーナーからまくった松坂が、関東勢を捕らえた。
 「スタートが中団なら切った上を叩こうと思ったけど、どうしたものか、内に切り込んで、あの展開になって、あそこ(久保田の番手)で勝負する展開になった。やばいなと思ったけど、吉永さんと勝負をさせてもらって勝ったらそこから行こうと。後ろには迷惑をかけてしまいましたね。(脚は)ゴールまで届いているので悪くない。組み立てをしっかりしたい」
 松坂にすくわれた久保田泰弘だが、外から白戸淳太郎をキメて松坂を追い、2着に続いた。
 「中団、中団が良かったけど、初手で後ろになってわからなくなってしまった。(矢口の動きに)気を取られて内を行かれてしまって申し訳なかった。(S級に戻って)脚がないし、キツい。現状では厳しいので、脚力をアップさせていかないと」

2R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 後ろ攻めの長田龍拳が赤板で押えにいくと、中団から合わせるようにして木村幸希も動き出す。前受けの皿屋豊(写真)は、木村を突っ張ってから長田を出させて中団を確保する。長田がフカシ気味に駆けて木村は後方で動けない。最終2コーナーから仕掛けた皿屋のスピードは抜群で、瞬く間に南関勢を飲み込んで1着をつかんだ。
 「切って、切ってってしたところを叩いて先行と思っていたけど、赤板で2人同時に来られて。そのまま下げたら後方になっちゃうので、1個のラインは突っ張ろうと。戦ったことがない子もいるので、安牌というか、勝ち切れる方法でいかせてもらった。詰まって、行けるところから仕掛けて、一歩目で行けるなって確信があった。朝も苦手ですし、2Rで不安もあったけどよかった。ぎっくり腰を挟んで久々の実戦だったけど、腰に気を使いながら大事に大事にアップをやって、よかったです」
 吉田敏洋が皿屋に続いて2着。
 「赤板で2人同時に切りに来て、(皿屋は)どうするのかなと思っていたら反応良く1個のラインを突っ張ってくれた。うまく中団を取ってくれた。(踏み出しは)ビリビリだったよ。一番掛かるまくりだからね。踏み出した瞬間にこれは抜けないと思った。抜けるところまではまだ時間がかかるね。付いていけるようになっただけでもよかったし、ゆっくりだけどよくなっている」

3R

選手の写真です。
横山尚則選手
 染谷幸喜が赤板で押えたうえを、小畑勝広が打鍾目掛けて勢いよく叩く。前受けから下げた松本秀之介は7番手で構えて、関東勢の主導権で最終周回に入る。小畑と車間を切って別線の反撃に備えた横山尚則(写真)は、まくりに合わせて車間を詰めていき、ゴール前で小畑を差し切った。
 「小畑は練習も一緒にしているし、近況は叩けなかったりしていたので、アドバイスをしたりもしていました。今日(初日)のような展開の方が、力を出し切れるし、結果もよくなるので。(自分は)余計な動きをしないように、冷静に引き付けていた。踏んだ感触はうまく抜けたかなと。(最近は)いい意味でレースも練習も気楽に挑めるようになってきた」
 小畑勝広は持ち味を存分に出してアピール。横山の援護を受けて2着に逃げ粘った。
 「(初手の)あの場所から一番いい展開になった。松本さんにカマされるかなと思ったけど、ペースを作りながら、駆けられて展開が向いた。後ろが高校が同じ横山先輩。学校時代は被っていないけど、練習でお世話になっていたし、気合も入っていました。(最近は)成績がよくなかったけど、今回は間が空いて練習ができていた。明日も同じようなレースができれば」

4R

選手の写真です。
飯野祐太選手
 後ろ攻めから鈴木涼介が押さえる。中団から合わせて動いた大西貴晃が4番手を確保し、近畿勢は6番手、中部勢が8番手の一本棒で最終周回へ。鈴木がハイペースで飛ばすなか、大西は1センターから反撃。それに合わせて飯野祐太(写真)が番手まくりに出る。中井太祐もまくり上げるが、追撃をこらえた飯野が先頭でゴールした。
 「(鈴木)涼介は先行しか考えていなかったみたいだし、気持ちが嬉しかったです。相手も自分たちが先行する感じの組み立てだったし、展開も想定内だった。大西君がいいスピードで来たので、庇うよりは前に踏んだ方が良いと思って踏ませてもらった。一回踏んで、ペースで回した。もっとスピードに乗せれば中井君もきつかったと思うし、(佐々木)省司さんと2人で決まったと思うのでそこは反省点。直前はやりたい練習とか、フォームを試していい感じだった。今日(初日)はフォームは全然できていなかったけど、自力の時にフォームやペダリングを意識したい」
 中井のまくりを追った村上博幸が3着で、久しぶりのグレードレースで二次予選へと駒を進めた。
 「久々の実戦、久々の9車にどう対応するのかってところに不安があった。落ち着いて走って、自分でまくり上げるようなレースをしようと思っていました。余裕はあったけど、今の競輪はゴールまでスピードが落ちないですし、今日(初日)は絶好調でもアタマは無理。飯野だったり、大塚(健一郎)さんだったり、番手が脚があると頭を回転させないといけない。そういう意味ではいい実戦練習になった」

5R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 赤板で窓場千加頼が切りに動くが、先頭の笠松将太が突っ張って出させない。窓場が関東勢後位に入り直して隊列が落ち着きかけたところで、櫻井祐太郎が勢いよく叩いて出る。櫻井が先行態勢に入って、窓場も打鍾過ぎ2センターから早目に巻き返すが合わされて不発。櫻井マークの佐々木雄一(写真)が、好展開を生かして抜け出した。
 「(周回中は)あの形(中団)が一番理想だった。どっちが動いても1回動かしてから先行した方がいいかなって。1レース、2レースとタイムが出ていたので、櫻井もと思っていたけど、重そうに見えましたね。宿舎で温泉に入った湯疲れがあるかなと思ったけど、自転車に乗ったら、そうでもなかったです」
 中団を確保した笠松だったが、鷲田幸司と絡んで仕掛けられない。内田英介は最終2センターから外を踏み込み、直線で鋭く伸びて2着に突っ込んだ。
 「笠松君が鷲田君にキメられていたので、ゴメンと思いながら行けるところまで行ったら予想以上に伸びた。春先からよくなってきて、上り調子です。次の日に疲れが残らないようにセルフメンテナンスをしっかりやっています」

6R

 吉本哲郎が押さえて、前受けの上田尭弥はすんなりと引いて7番手へ。打鍾と共に中団から小原丈一郎がカマシを狙うが、吉本も合わせてペースを上げて両者でもがき合う。最終ホームで小原が吉本をねじ伏せるが、間髪入れずに上田が反撃を開始。阿部拓真のけん制を乗り越えた上田が、番手から迫る坂本健太郎の追撃もしのいで押し切った。
 「ほっとしました。先に小原君が切るのかとも思ったけど、考えている時にもがき合ってくれて、隊列が短くなったところを行こうと思った。バンクが重くて、周回中から重いなと思ってた。踏み出しもパンって感じではなくて、一瞬阿部さんのけん制で止まりかけちゃいました。暑さは九州に比べればましだし、体調は大丈夫です」
 坂本健太郎が2着、牧剛央が3着に続いて九州ラインで上位を独占した。
 「(小原は)長く外を踏んでいた割には粘ってましたね。普通なら抜けているけど、上田がそこそこ仕上がっているんじゃないですか。不発になることも考えていたので、どこのコースに行こうかとかも考えていた。昨日(前検日)よりもバンクコンディションは悪くて、重かったですね」

7R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 今岡徹二が切るが、赤板の標識線前に誘導を追い越してしまい失格。突っ張る素振りを見せていた宮下一歩も、これでは流石に車を下げる。出切って緩めた今岡に対して、打鍾目掛けて吉田茂生が巻き返して主導権を奪い、宮下も2センターから反撃を開始する。宮下は吉田に合わされて最終2コーナーで浮いてしまい、鈴木庸之(写真)は4番手の位置に降りる。バックから仕掛けた鈴木は、松田治之が外に張った動きを見ると、X攻撃で松田の内に切り込み、直線で鋭く抜け出した。
 「赤板で(宮下)一歩がいきなり踏んで、いきなり辞めたので、こけたかと思ったし、そこで脚を使ってしまった。ジャンで隊列が整っていなくて、(宮下は)その時に行ってくれたけど、出が良くなくて。(自分が)4番手に入ってから一歩がどうするか、見てからでしたね。バックで自分で踏んでいって番手か、3番手を狙っていった。脚はないけど、見えていたし、視界がよかった。(今年の4月に復帰したが)気持ちでどうにかするしかない。競輪のレースだけは何万回も見ているし、ヨコの動きの練習はしているので」
 鈴木にすくわれて面食らった松田治之だが、懸命に外を踏んで2着に食い込んだ。
 「吉田君の感覚に任せていた。いい展開になって行ってくれたし、自分は車間を切ったけど、感覚が下手だった。いい感じはないですね。(いい展開で)1着も取れていないですし。村上(博幸)君にアドバイスをもらったのでそれをやれるように頑張りたい」

8R

 赤板で切った小川祐司を佐藤一伸が押さえる。大石剣士は打鍾で7番手から踏み上げるが、5番手から小笹隼人も合わせるように出て両者で踏み合ったまま前に出る。小笹を力でねじ伏せた大石が最終ホームで出切ると、一旦連結を外して内に降りていた岡村潤も番手に追い上げて隊列は短くなったまま。戦況を見極めた佐藤が3コーナーから勢いよくまくって激戦を断った。
 「自分の中では初手から理想的な展開でした。一番組み立てやすい位置が取れましたね。切って切っての展開なら、誰かが飛んでくると思っていたので。ただ、小笹君があのタイミングで来るとは思わなくて、2つ(のラインを)出させてしまって後手を踏んでしまった。自分だけ脚を使っていなかったし、仕掛ければチャンスはあると思った。外を踏んで勝負できていますね。今回から新車なんですけど悪くない。乗りやすさとかを少し修正します」
 小笹との踏み合いを制した大石剣士は、北日本勢にはまくられたものの3着に粘って確定板入り。
 「車番が悪いから取れないと思っていたけど、理想の位置が取れました。佐藤さんの上を叩けばよかったけど、切り替えるのが遅くて踏み合いになって消耗しました。(最終)ホームで出切ったところで脚を使い切ってしまったし、後は我慢してるだけだった。あれで3着なら悪くはないですね」

9R

 赤板で堀兼壽が宮本隼輔を切ってレースが動き出し、太田龍希が打鍾前に叩いて先制する。宮本もすかさず巻き返すが、太田は合わせてペースアップ。宮本を合わせ切った太田が主導権を守り、番手絶好の河野通孝がゴール前で差し切った。
 「太田君が頑張ってくれたおかげ。宮本君が僕の横を通過する時にすごい勢いだったけど、太田君が合わせてくれた。修正点はところどころありますけど、調子はいい方です」
 強気のレースで宮本との力勝負を制した太田龍希は、自身も2着に粘って勝ち上がりを決めた。
 「最近の自分の中では上出来のレース。(宮本が)中団まできていたのはわかって、カマされないようにと、合わせきれてよかった。キツかったけど、自分のできる限りをやった。今期はボロボロだったので勝ち上がれたのは大きいですね」

10R

 兼本将太が切って、その上を末木浩二が勢いよく叩く。打鍾から藤根俊貴が巻き返すが、末木がペースを上げて出切れず、兼本をキメて中団に降りる。巧みなペースで駆けた末木がレースを支配し、そのまま力強く逃げ切って地元支部の記念で1着スタートを決めた。
 「車番がよくて、中団をとれたので、組み立てがよかったです。ラインも地元3人でしたし、先行が一番ラインで決まりやすいと思っていました。初日ですし、脚の感覚を見るためにも先行したかった。軽くはなかったけど、暑さの方が気になりましたね。初日を走るまでは緊張感がすごかったけど、先行逃げ切りできたので調子も問題ないです」
 末木マークの藤原憲征は、最終バックからもう一度仕掛けてきた藤根を再三けん制して2着に続いた。
 「(末木は)何をしても力でねじ伏せると思っていました。初手は後ろ以外で、取れたところからと思っていたけど、一番強い勝ち方だったんじゃないですかね。踏み直されたし、末木が強かった。点数通りの強さになってきたんじゃないですか。今日(初日)は何も考えずに付いていくだけ。誰が来ようと止めることだけ考えてました」

11R

選手の写真です。
香川雄介選手
 前受けの島川将貴は、別線の上昇を受けて7番手まで車を下げ切る。鈴木玄人が打鍾前に先頭に立って先行態勢。島川は一旦中団に追い上げて、2センターから一気に仕掛ける。島川は鈴木をスピードの違いでまくり切り、中国ライン3車できれいに出切る。懸命に踏み直す島川を、香川雄介(写真)が鋭く差し切って今年の初勝利を決めた。
 「(今年初の1着で)まさかここまでかかるとは思わなかった。前の期も110点のアベレージを取れているし、(落車が多かったが)そこまで大きいダメージはなかったと思う。脚がないだけ。(初日は)友定(祐己)が前を取ってくれたし、島川がジャンで仕掛けてくれた。抜くだけだと思ったけど、(島川の)踏み直しがすごかった。勝ち上がりでの1着はうれしいですよ。(自分は)展開次第、前次第なので」
 若手の挑戦を力で退けた島川将貴が、ライン上位独占を演出した。
 「一瞬迷ったところもあったけど、もがき合いは外から踏んで勝負と。(最終)ホーム手前では出れると思ってペースに入れて、(打鍾過ぎ)3コーナーまでペースで2センターから踏んだけど、抜かれているので、4コーナーからでもよかったのかな。最近は勝ち上がれなくなっていたけど、体調は問題ないです」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 号砲と共に諸橋愛が勢いよく飛び出してスタートを取り、関東勢が前受け。後ろ攻めとなった三谷竜生は赤板目掛けて勢いよく踏み上げるが、誘導と車間を切って備えていた菊池岳仁が全開で突っ張る。関東ライン3番手の平原康多(写真)は前と車間が空いて東口善朋に降りられてしまうが、すかさず外から追い上げて3番手を奪い返す。三谷は打鍾で後退し、今度は小松崎大地が最終ホームから反撃を開始する。吉田拓矢は一旦小松崎を外に張ってから2コーナーで番手まくりを放って抜け出すと、最後は追走した平原が鋭く差し切った。
 「(赤板で離れたのは)単純に菊池のダッシュがすごかったのと、前のレースで(誘導員早期追い抜きの)失格も見ているので大丈夫かなと思ってしまった。気持ち的に中途半端な部分があった。(東口の)内はもう失格になると思ったし、外から追い上げた。小松崎君も自分の横で止まってる感じだったけど、そこはもう(吉田)拓矢の判断で出ていったんだと思う。前回の調子ならハコ4ぐらいだったと思います。それぐらい前回は踏めていなかった。今日(初日は)内容的にもリカバリーできたので」
 番手まくりの吉田拓矢が2着。
 「(菊池の)踏み出しがすごかった。前に付いた時よりも強くなっていますね。(最終)ホームで平原さんがいるのを確認して、小松崎さんを一回張った。菊池君もあそこまでいったらもたないと思って出させてもらいました。そこまで余裕はなかったです。セッティングを微調整したい」
 小松崎が後退すると、成田和也は外から諸橋をキメる。直線は吉田と平原の間を踏んで3着に入った。
 「小松崎君が良いスピードで仕掛けてくれたので、自分も合ったところで勝負しようと思ってました。(併走を)何とかしのげたけど、いっぱいです。もうちょっと思い切って中を踏めばよかったかな。調子は悪くないと思います」

6R

選手の写真です。
東口善朋選手
 赤板で切った藤根俊貴を、皿屋豊が打鍾で叩いて主導権を握る。前受けから7番手に下げ切っていた島川将貴は、打鍾過ぎ2センターから仕掛けて皿屋に襲い掛かる。皿屋マークの東口善朋(写真)は最終ホームで大きく島川を張って援護するが、島川はそれを乗り越えて先頭に立つ。が、けん制で香川雄介が離れ気味になり、東口は島川後位にスイッチ。4コーナーから追い込んだ東口が抜け出して、準決勝への切符をつかんだ。
 「内枠だったし、それを使おうということで中団から。(島川の)スピードが(皿屋と)一緒くらいだったから判断が難しかった。もっと速いスピードで来られたら迎え入れられたけど、叩くのに時間がかかったし、皿屋君も内に行く感じだったので前に踏ませてもらった。前々回落車して、前回も悪かったけど、一走したことで集中して走れた。勝ち上がりで1着を取れたので良いように向いていると思う。感触も上がっているし1着は良い薬になる」
 皿屋をねじ伏せた島川将貴は後位が敵になるも、3着に踏ん張った。
 「(最終)ホームでは行けたらいいな、1センターまでには仕掛けようと思っていました。踏み出してから途中までは感じが良かったけど、東口さんに結構(外まで)追いかけられて。脚に来たし、乗り越えるのがしんどかった。後ろに東口さんが入ったのが分かったけど、もういっぱいでしたね。あれぐらいの距離でももっと良いタイムで逃げないと上では戦えないです。マックスの力は出せたと思う。またセッティングを全体的に修正したいし、自転車と向き合ってきます」

7R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 赤板で切った矢口啓一郎は、中バンクに上がって松本秀之介を警戒する。小松崎大地はその隙を逃さず、俊敏に関東勢の内をすくって前に出る。打鍾で松本が叩き、九州勢に中四国勢が続いて小松崎は5番手で最終周回。2コーナーで仕掛けた小松崎が前団を捕らえると、最後はマークした佐々木雄一(写真)が8分の1輪差し切った。
 「(小松崎が内をすくった動きは)とっさの判断だけど、下げると後方になるので、いい判断だった。(自分は)口が空きながらで精いっぱい。状態は6月から上向きなんですよ。(セッティングの)ポジションをミスしていたので戻しただけ。あとは前の頑張りにつきる」
 隙の無い立ち回りを見せた小松崎大地が2着。
 「(初手は)出たところからでした。(内をすくったのは)前と後ろの動きを見てですね。松本君は徐々に駆けていくような仕掛けで、4車ラインのような先行で(前が)遠かったけど、まくりきれたので良かった。昨日(初日)のレースとは違うけど、(状態は)悪くないです」

8R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 木村幸希は、中団の上田尭弥にフタをしてから踏み上げて打鍾前に先頭に立つ。上田は中四国勢を追って中団で松坂洋平と併走になる。だが、打鍾過ぎ2センターで松坂が落車し、後続も乗り上げて南関勢3車が落車。この煽りで上田が外に浮き、見かねた荒井崇博(写真)は中四国勢後位に切り替える。荒井は最終2コーナーで自らまくりを放ち、後ろを千切ってゴールした。
 「松坂が前を取ったら中団からで、(上田が)カマすと思ってたんだけどね。木村(幸)君の出脚がよかった。あの辺(最終ホーム)から記憶がない。絶対1着と思っていたし、人のことに構ってられなかった。切り替えた形になったし、仕掛けないと後ろに失礼。まあ、みんな脚を削りあっていたし、俺だけサラ(脚)だったからね。(通算500勝まで)あと3勝。(中川)誠一郎よりも早く達成しなきゃでしょ」
 木村幸の先行に乗った池田良は、荒井には上を行かれたものの、3コーナーから前に踏み込んで2着に入った。
 「前を取ったら勝負権がないと思ったし、後ろからフタをして、あとは木村(幸)君に任せていました。(木村幸は)想像以上にやる気でしたね。(落車の)音は聞こえたけど、何人こけたとかは分からなかった。荒井さんは見えて、飛んでくるだろうなとは思ったけど。あそこまで頑張ってくれたらモノにしないとと思って(踏んだ)。状態は初日から変わらないですね」

9R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 中団から櫻井祐太郎が先に切り、その上を叩こうと小畑勝広も踏み上げる。だが、櫻井は小畑を突っ張って出させない。小畑を突っ張り切った櫻井の主導権だが、脚をためた三谷竜生(写真)は最終2コーナーから発進。成田和也のけん制もスピードの違いで乗り越えて、そのまま1着でゴールした。
 「(櫻井と小畑が)あそこまでやり合うと思わなかったし、展開が向いた。(小畑と河野が中団に降りたが)あの感じで被るよりも、自分のタイミングで踏んだ方がいいので、入られてもいいなと。自分のタイミングでまくることができて、成田さんのブロックも対応できればと思っていた。昨日(初日)のレースでは調子はわからなかったけど、今日でわかって、勝負できるかなと」
 村上博幸がまくりに付け切り2着に続いた。
 「(長欠から復帰2場所目で)自分はまだまだこれからだけど(三谷)竜生の後ろで走れることで体がわかってくる。追走は大丈夫だったけど、(最終)4コーナーから差しにいった時にペダルが体重に乗らなかったし、これは抜けんなって。4コーナーからの速度がまだまだです」

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手
 自らスタートを取った菊池岳仁が前受け。後ろ攻めの佐藤一伸が切りに動くが、誘導と車間を切って備えていた菊池が突っ張って出させない。8番手に戻った佐藤が打鍾から巻き返し、菊池も合わせて一気にペースを上げる。グングンと掛かっていく菊池を、諸橋愛(写真)は車間を切って追走。絶好態勢の諸橋が、余裕を持って抜け出した。
 「あいつ(菊池)の練習の強さを知ってるだけに(ゴール前は)強めに踏んだら出過ぎちゃって。踏むのをやめたら横山(尚則)が追い込んでたし、これで2着は駄目だと思ってまた踏んだって感じです。(菊池は)ペース配分を失敗したのかな。(最終)ホームで踏み直した感じは一気に掛かってたし、ペース配分を考えれば、面白かったと思いますけどね。横山が内を締めてくれていたし、自分は何もすることがなかったし恵まれました。昨日(初日)は負けたけど、成田(和也)君のあれがなきゃレース勘が戻っていなかったと思う。負けたけど、刺激は入った。今日(2日目)は思ったよりも落ち着いていたし、余裕もありました。やれる感じはしますね」
 別線に手も足も出させなかった菊池岳仁だが、ゴール前でわずかに末を欠いて3着に。
 「突っ張りと決めていたんですけど、力みました。ここ数カ月で一番力んだ。いつもお世話になっている諸橋さんが後ろで、気合が入りすぎました。諸橋さんは信頼できる人ですし、自分の走りをするだけだと思って、結果的にラインでワンツースリーが決まったのでよかった。誰かが来るところまで待って待ってで合わせて踏んだけど、末が甘かった。思ったよりも脚がたまらず、パクついた感じです。体のケアをして地元記念の決勝に乗れるように頑張りたい」

11R

選手の写真です。
末木浩二選手
 吉田拓矢が中団の大石剣士にフタをしたまま赤板を通過する。大石は苦し紛れに打鍾手前で九州勢の内を突くが、コースが空かずに内に詰まる。それを見た吉田はすかさず吉本卓仁を叩く。後手踏んだ大石は不発で、吉田の絶妙なペースの前に中団の吉本も仕掛け切れない。吉田マークの末木浩二(写真)は直線で鋭く追い込み、吉田を交わして連勝を決めた。
 「(吉田と初連係で)緊張は大きかったけど、自分の経験になるので楽しみにしていた。付いている感じはどんどん踏み上がるので、感覚で誰もこれないと。(差して)自信になりますね。調子はいいと思うし、余裕もあった。うれしいし(吉田の後ろは)先行の勉強になる。すごいなと思いました。記念の決勝は乗ったことがないので、地元で乗りたい。コンディションはすごくいいので、チャンスはあると思う。弥彦は地元って感じもあるし、気合が入る」
 吉田拓矢が別線完封。S班の貫禄を感じさせる走りで二次予選に進んだ。
 「初手(で前)を吉本さんが取ったら、後方になるかなって。大石君が前なら、押さえて駆けようと思った。先行すればかたいかなと思って。あとは自分でもつように。ペースで最後まで踏めたけど、暑さなのか、メリハリが体にない。ずっとボーっとしている感じ。昨日(初日)の方が集中できていた。しっかり決勝に乗れるように」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 切った中部勢を叩こうと太田龍希が動くが、合わせるようにして中部勢後位から飯野祐太も踏み上げる。太田は飯野の上を力ずくで叩いて打鍾で主導権を奪う。後方に置かれた吉田茂生は最終1コーナーから巻き返しを狙うが、あおりもあって進みはイマイチ。後ろの動きを確認した平原康多(写真)は、4コーナーから前に踏み込んで抜け出した。
 「(太田)龍希がやりやすいようにと思っていたし、中団を取れたらいいなって感じでした。もう踏むポイントとかは全て任せていました。(太田は)徐々に上がっていくような感じでしたね。吉田(茂)君がまくって来たのは分かったし、そのあとに飯野が来なかったので(太田を)残せるなと思ったけど、直線で失速しちゃいましたね。もうコンマ3、4秒我慢できれば4着には残れると思うし、そこは彼の課題じゃないですか。昨日(初日)が猛烈なハイピッチで、それに比べれば今日(2日目)は楽に感じました。調子もかなり戻せている。人の後ろでも(前回と)感覚が違うので大丈夫ですね」
 地元の鈴木庸之が平原に続いた。
 「後ろは一回も気にしてませんでした。離れないことだけ考えて。レースが流れてしまえば、楽と言えば楽ですね。あとは平原さんが番手から出て行ったりした時に離れないようにと。分かっていた展開だったので、余裕もありました。今の調子でやれる範囲でやるしかない」

10R

選手の写真です。
成田和也選手
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小松崎大地選手
 末木浩二が切って、打鍾手前で上田尭弥が叩く。九州勢後位は、受けた甲越勢と中国勢で併走になる。隊列が短くなった隙を逃さず、小松崎大地がカマして出る。最終ホームで上田を叩き切った小松崎に、成田和也(写真)、佐々木雄一がしっかり続く。福島勢後位に切り替えた荒井崇博が3コーナーから猛然とまくり追い込むがわずかに届かず、小松崎をタイヤ差でとらえた成田が決勝一番乗りを決めた。
 「(小松崎の仕掛けは)ちょっと早かったけど、しっかり前に出てくれたので、あとは自分がしっかり残せればと思っていました。余裕はなかったんですけど、佐々木君もいてくれたのでラインで(決めたい)って思いはあった。(小松崎)大地が強いので、ギリギリなんですけど抜き損じは嫌だなと。体も脚も悪くないですし、昨日(2日目)は自分の未熟さが出た。調子が上がっているわけじゃないけど、今回は初日からいい状態なので」
 一瞬の隙を逃さず仕掛けた小松崎大地(写真)が、別線を封じて2着に粘った。
 「チャンスはワンポイントしかないと思っていたし、そこは絶対に逃さないようにと思っていた。ペースというか、計算通りに運べた。もう少し力量があればライン3人で決まったと思う。(佐々木)雄一さんに仕事をしてもらったから残れたと思っています。長い距離を踏む覚悟で臨んだし、それで勝ち上がれたので良かった。調子は悪くはないと思う。弥彦は走りやすいし、相性もいい」
 荒井崇博が3着。目標が叩かれても自ら踏み上げた脚色は、近況の好調ぶりを表していた。
 「(上田が)駆けなきゃダメだよね。一番強いやつ(小松崎)が先行してんだもん。(1着まで)突き抜けたと思ったけど、雰囲気だけだった。まあ、しょうがない。小松崎を抜けば3着だなと思ってた。日に日に疲れているし、歳だから回復はしない。あとは余力がどれだけあるかだね」

11R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
選手の写真です。
諸橋愛選手
 後ろ攻めから組み立てた吉田拓矢(写真)は、赤板で切って北日本勢を受けて4番手。吉田は打鍾で仕掛ける素振りを見せるが踏みとどまり、佐藤一伸が腹をくくって逃げる。関東勢を追っていた東口善朋が内から4番手に進出し、吉田は一本棒の5番手で最終周回に入る。8番手から巻き返しを狙った島川将貴に合わせて、吉田は2コーナー手前から一気にまくる。佐藤の番手から出た飯野祐太すらも一瞬でのみ込み、そのまま1着のゴールを駆け抜けた。
 「初手が後ろは失敗でしたね。とりあえず、動かないと始まらないと。(打鍾で)行けるところもあったけど、(佐藤)一伸さんに見られて行けなかった。勝ち上がりが不格好でしたね。気持ちいい駆け方で決勝にいきたかった。ノブさん(鈴木庸之)が落車もしてしまっているし、申し訳なかった。(状態は)今日(3日目)が一番良かった。もういじるところもないし、気持ちは高めていきたい」
 吉田のまくりに続いた諸橋愛(写真)が2着。大事な地元記念ファイナルへの切符をつかんだ。
 「(吉田は)ジャンで行くと思ったけどね。前が流し過ぎていたので。あそこからしっかりまくるのはヨシタク(吉田)の強いところ。今日のは差せない。それくらいヨシタクがいい感じ。(今回は)レース勘だけだったので、体調面の問題はなかった。だいぶいつも通りになってきた。ここからなので。とりあえず(決勝に)乗れて良かった。(優勝を)狙ってきているけど、獲れるもんじゃない。でも狙っていく」
 関東ライン3番手の鈴木は、最終3コーナーで東口に押し上げられて落車。佐藤の番手から出た飯野祐太が3着に入った。
 「一伸の判断で行ってくれた。(最終)1コーナーの時は島川が見えたけど、そのあとに一伸との車間を確認したら、もうヨシタクが来ていた。自分の脚力的に、自分のタイミングで出ていっても、のみ込まれていた。横を見たら、もうヨシタクがいたので。(状態は)良くも悪くもなく普通です。ラインに助けられた」

12R

選手の写真です。
横山尚則選手
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平原康多選手
 赤板1センターで菊池岳仁と村上博幸が接触して、菊池が落車するアクシデントが発生。目標不在となった平原康多は村上に内をすくわれて、打鍾で7番手で態勢を整える。先頭の三谷竜生はペースを落としたままでいると、平原は打鍾3コーナー過ぎにカマして出る。三谷も反応して踏み上げるが、最終ホームでは横山尚則(写真)とともに2車できれいに出切る。平原の掛かりの前に別線は反撃できず、最後は番手絶好の横山が差し切った。
 「道中で菊池君が転んだのはしょうがないし、そのあとに平原さんと連結を外さないように集中して付いていました。平原さんとは自分が前で連係したことはあるんですけど、後ろに付くのは難しいと実感したし、強いの一言でした。(平原は)アクシデントや、村上さんの動きだったりで脚を消耗したんだと思うし、それが自分が抜けた要因。(自分は)落ち着いてレースに挑めています」
 平原康多(写真)は突然のアクシデントにも動じず、さすがの対応力と、力の違いを見せて決勝進出を決めた。
 「まずは(菊池が)転んだところを避けられて良かった。村上さんのタイヤがバキバキになっていたから、来ないと思ったらしゃくられてしまってタイミングが遅れました。自力って形になった以上は、横山には世話になったこともあるし、彼と決める気持ちで走った。徐々に良くなっていますね。調子が悪かったら反応できていない」
 村上博幸が車体故障で、援軍を失った三谷竜生だったが、3番手に飛び付いて3着を確保した。
 「(落車の)音がして確認したら(村上)博幸さんがいなくて。誰が何人落車したのかはわからなかったし、平原さんがカマして来たのが見えたのでとりあえず飛び付いた。飛び付けて良かった。落車の音でスピードを緩めたし、そこから飛び付いたのでしんどかった。アクシデントがあった中で対応して決勝に乗れたので、調子がいい証拠じゃないですかね」