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やひこ競輪

YAHIKO KEIRIN

21#

検車場レポート

  • 7/27 Fri.  (前検日)
  • 7/28 Sat.  (1日目)
  • 7/29 Sun.  (2日目)
  • 7/30 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
島川将貴選手

 オープニングレースは島川将貴(写真)が人気を集める。初日予選は安定した戦いぶりが光っている。1レース1番車で好スタートを決める。


 「最近は自転車が思うように進んでくれない。自転車との一体感がないですね。ちょっとマシになっているけど、まだ変な感じです。朝早いレースは苦手じゃないので、まずは初日にしっかり勝って勝ち上がりたいですね。逃げれたらいいんですけど」


 今期、S級に返り咲いた中島将尊は初戦の取手FIの2日目にまくりで勝ち星を挙げた。


 「取手は勝ち上がれなかったけど、2日目は勝つことができました。やっぱりS級は相手が強いし、展開待ちみたいなところがある。練習はしっかりやってきたんで、今回はとにかく勝ち上がりたいですね。島川君の先行力が抜けているので、すんなり駆けさせたくない。でも、他の選手をアテにすると失敗するので、しっかりレースを動かしたいですね」


 

2R

 山本直は近況、いまひとつ波に乗れていないが、前回の小倉FIで好感触をつかんだ。ここからエンジンを上げていく。


 「練習をずっといろいろ試していたけど、なかなか結果に結びつかなかった。ここ最近は自分に合った練習をするようになって、前回の小倉は着はあんまりよくなかったんですが、いい手応えをつかめました。それから中4日でしっかり練習もやってきたので、状態はバッチリです。今回はしっかり結果を残したいと思います」


 大瀬戸潤一郎は差し脚好調。順調に競走得点を上げている。


 「1年前にS級に上がってから追い込みになって、名うてのマーカーみたいにはいかないけど、競られてもしのげる感じにはなっている。さばきの練習を多くして、最近は余裕があります。あとは展開を打破できるようになれば、もうひとつ上のステージにいけると思ってます。山本君はいつも頑張ってくれるし、強いから信頼して付いていきます」


 

3R

選手の写真です。
林大悟選手

 今期S級初昇格を果たした林大悟(写真)は初戦の7月小倉FIの2日目に初勝利を挙げた。2戦目の今シリーズは初の記念参戦。持ち味の先行勝負のスタイルを貫く。


 「小倉の初日は下手なレースをしてしまったんですが、2日目は逃げ切れました。3日目は強烈なメンバーでどれだけやれるか走りたかったんですけど、(悪天候の影響で)中止になりました。今回は初の記念で緊張します。全力で行くだけですね」


 新井秀明は4月宇都宮FIから7場所連続優出中。そのうち優勝1回、準V2回と文句なしの成績だ。


 「宇都宮の時にボスとグレーツァーの外国人選手2人がいて、練習内容とかいろいろと話を聞いたんですよ。それを実践したら一気によくなりました。林君は顔も分からないんですけど、A級のレースは見たことがある。強いと思うので、しっかり付いていきます」


 

4R

 藤井栄二の先行1車といえるメンバー構成だ。成績の波は大きいが、しっかりチャンスをモノにできるか。


 「最近はバックを取れているけど、決まり手がついてない。最後の粘りがないですね。先行争いでもなく、イン切ってもらったりしてすんなり駆けているのに、残れていない。これではダメですね。ここに向けては普通に練習してきました。自力でしっかり力を出し切ります」


 内田英介は直前の高知FIでオール連対の準優勝。差し脚の切れが増している。


 「3場所前の(6月)川崎の2日目からセッティングをガラッと換えて、すごいよくなりました。あとは流れが向いてくれれば。後ろになった時は内が空いてくれないと厳しいですね。さすがに外を踏んでも届かない。初日は土屋(壮登)君に頑張ってもらいます」


 

5R

 本多哲也は6月富山の決勝で強豪相手に逃げ切り、S級初優勝を飾った。その後も好調を持続している。


 「暑い時期はもともと得意なんですよ。5月の前橋から自転車も替えて、成績もかなり上がりました。富山の優勝は運がよかっただけですけどね。間隔も空いて、ここに向けてしっかり練習はできました。まずは初日をしっかりクリアしたいですね。(別線の機動型の)2人はあまりガンガン行くタイプではないけど、そこはあまり考えずに、行けるところでしっかり行こうと思ってます」


 山田庸平は6月宇都宮記念で準Vと好走するなど、着実に力をつけている。


 「前回の大宮は決勝に乗れなかったんですけど、1着も取れているし、調子は悪くなかったです。もう少し早く仕掛けられるといいんですけどね。最近はレースが詰まっていて、練習が不足している。その影響が少し出てます。今回も中6日なんですけど、最近のなかでは練習できたほうなので大丈夫だと思います」


 

6R

 高久保雄介は初日予選を3連勝中だ。このクラスではスピードが一枚抜けている。


 「前回の名古屋は前検日から体調があんまりよくなくて、徐々に上がっていった感じです。終わってからはしっかり練習してきました。夏バテもないし、今回は大丈夫です。しっかり力を出し切るレースをします」


 三谷政史は6月に落車2回。今期初戦の7月京王閣FIでは失格と流れが悪い。


 「落車のケガは大したことないし、もう影響はないと思います。暑いなかでも朝早くから夜までしっかり練習してきました。高久保君とは元同県ですし、信頼して付いていきます」


 

7R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 簗田一輝(写真)は6月奈良FI、同月川崎FIで2場所連続の完全優勝を達成した。急成長を遂げている南関の機動型だ。


 「少し前よりは脚も上がってきていると思います。調子自体は変わらないんですけど、前回の伊東は組み立てを失敗しました。終わってから練習は普通にやってきました。初日はタイミングを逃さずに、しっかり仕掛けたいと思います」


 石毛克幸は前回の大宮FIで2カ月ぶりの決勝進出。状態面に不安はない。


 「最近の調子、脚は変わってないですね。だから展開次第でしょう。簗田君とは何回も連係している。強いんでしっかり付いていくだけですね」


 

8R

 永井清史は7月松戸サマーナイトフェスティバルで2年ぶりのビッグ出場を果たした。最終日は先行して2着に残った。


 「久々のビッグレースで少し雰囲気にのまれました。早くフカしすぎましたね。33で難しかったです。今年の前半戦と比べると状態もそんなによくないですね。でも、オールスター、共同(通信社杯)に出れるので、2班ですけど、しっかり結果を残したいと思ってます」


 岩本和也は2場所前の奈良FIで落車したが、もう影響はない。


 「前回の大宮は落車明けだったんですけど、そんなり悪い感じはなかったです。最終日は山田(庸平)君のまくりにもしっかり付いていけました。終わってからはこの記念に向けて、集中して練習できました。初日は伊藤(正樹)さんにいつもお世話になっているので3番手で頑張ります」


 

9R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 地元の鈴木庸之(写真)が一次予選のトリを務める。前回の京王閣FIでは決勝に進出。それから中18日の間隔が空き、しっかり準備してきた。


 「先月までの3カ月間かけて体重を5キロぐらい落として、踏み出しがよくなりました。ただ前回はカマシであまり伸びなかったので、その辺も考えて練習してきました。タイムも出ているし、上積みもあると思います。まずは初日にしっかり勝たないと、何とも言えないですね。ライン3車ですし、1番車ももらえているんで、一番いい条件ですね。自力でしっかり頑張ります」


 須賀和彦は前回の地元取手FIで勝ち上がりに失敗したが、敗者戦は2連対している。


 「前回は新車でいって、ちょっと重いかなって思ったんで、今回は元のフレームに戻しました。鈴木君との連係は何度もあるし、相性もいいほうだと思います。踏み出しは苦手なんで、しっかり対応して付いていきます」


 

10R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 菅田壱道(写真)は6月岸和田高松宮記念杯、続く松戸サマーナイトフェスティバルでビッグ連続優出を果たした。今シリーズも仕上がりは万全だ。


 「サマーナイトは体調も新車もまずまずよかったと思います。決勝は(渡邉)一成さんの前でしっかり仕掛けることができました。終わってから少し体調を崩したんですが、しっかり休んでから練習したので上積みもあります。ここでしっかりまた感触をつかんで、オールスターを迎えたいですね。初日は細切れなんで、自分のタイミングでしっかり仕掛けます」


 大槻寛徳は精彩を欠く近況だが、同県の菅田を目標にできる初日はチャンス十分だろう。


 「練習の感じは悪くないんですけどね。いつもなら楽なところが楽じゃない。ちょっと調子が落ちてきた時に連続落車もあったりして、悪くなりました。あとは気持ちの問題だと思ってます。初日に菅田君と一緒は本当にでかい。めちゃくちゃ強いんで、迷惑をかけないようにしっかり付いていきます」


 山本伸一は目立った活躍こそないが、調子は高いレベルで維持できている。


 「最近の感触は悪くないですね。前回の小倉が終わってから練習は普通にやってきました。状態は変わらないですね。弥彦はいいイメージがあります。初日は細切れなんで、自分の順番が来たら、そこだけ逃さずにしっかり仕掛けます」


 

11R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 吉澤純平(写真)は今年のGIシリーズで優出2回。関東の大砲として、欠かせない存在になっている。


 「今年はここまで大きなケガもなく、順調に走れていると思います。今はオールスターを見すえて、調整もしない感じでしっかり練習しています。上積みがないと上では戦えないので。今回も調整はしてないんですけど、いいレースができればと思ってます。初日は先行でもまくりでもしっかり力を出し切ります」


 諸橋愛は度重なる落車に苦しんでいるが、地元記念で悪い流れを断ち切りたい。


 「サマーナイトの落車のケガは打撲もそんなになかったし、擦過傷くらいでそんなにダメージはなかったです。しっかりケアして、やれることはやってきました。上積みもあると思います。地元のS班というよりも、去年ここで優勝して、今年もそのためにしっかりやってきたんでしっかり頑張ります」


 和田真久留はサマーナイトフェスティバルの敗者戦で2度の確定板入りを果たした。


 「最近はいろいろと試しながらやってます。サマーナイトは体調的にはいいかなって思っていたけど、意外に戻ってなかったですね。練習の感じと競走がかみあってないです。初日は(渡邉)晴智さんに迷惑をかけないように頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 シリーズリーダーの平原康多(写真)は最終レースに登場。オールスターを見すえて、今シリーズは新車を投入する。


 「スピード競輪用に作ったフレームです。練習で踏めるようになってきたので使ってみます。練習ではそれなりに自信を持てるぐらいになったんですが、それが競走とイコールではないですからね。今回、それで走ってみてオールスターをどうするか。しっかり力を出し切ります」


 志村太賀は7月高知FIで今年初優勝。好ムードのなかで今シリーズを迎えた。


 「優勝はタマタマですね。練習は1週間、頑張りましたけど、状態は分かんないです。(平原との)連係は何回かありますけど、3車併走の競りだったり、すんなりのレースではなかった。緊張でしかないですね。離れないように頑張って付いていきます」


 松浦悠士は松戸サマーナイトフェスティバル、7月福井記念で連続優出と調子を上げてきた。


 「4月に自転車を替えて、5月から練習メニューも変えました。インターバルトレーニングを増やしたんですけど、その成果が出てきていると思います。状態もいいですし、今回もしっかり頑張りたいですね。初日は平原さんより前にいたい。しっかりタテ脚を出そうと思ってます」


 

1R

選手の写真です。
福島武士選手

 打鐘前に誘導員を下ろして前に出た大関祐也をすかさず島川将貴が叩いて主導権を取る。そのまま快調に駆けて中四国勢のペース。番手絶好となった福島武士(写真)が直線で鋭く追い込み、3カ月ぶりの勝ち星を挙げた。


 「久しぶりの1着なんでよかったです。いい感じのペースで駆けてくれたし、付きやすかったですね。けっこう踏んでたんで、最後は抜きすぎないようにと思ってました。すごい軽かったです」


 逃げた島川将貴は2着。別線の機動型に付け入る隙を与えなかった。


 「めちゃくちゃ重かったです。バンクなんですかね。2コーナーから全然、踏み上がらなかった。直線が長いんで、最後はズボズボいかれるかと思いました。セッティングを修正します」


 ベテランの星島太がしぶとく3着に流れ込み、中四国勢で確定板を独占した。


 「前の2人が強かったです。ちょっと島川の力が違う感じでした。最後は外を踏んでも届かないと思ったから内にいきたかったんですけどね。でも、3着で権利はあるし、ラインで決まったんでよかったです」


 

2R

 引地正人、矢口啓一郎の順で切ったところを打鐘で山本直が押さえて先行策に出る。絶妙のペースで駆ける山本に対し、4番手の矢口が最終2コーナーからまくる。車間を空けて備えていた大瀬戸潤一郎が矢口をけん制しながら抜け出した。


 「(山本)直があのタイミングで行ってくれたのが大きかったです。あとはどれだけ直を残せるかを考えていました。一発で外を張って終わらせることもできたけど、矢口さんもツケマイ気味に踏んでいたので車間を空けて様子をみながら援護しました。矢口さんが4コーナーで踏んできていたのは分かったし、直があれだけ頑張ってくれたので踏ませてもらいました。それでも直が3着に残ってくれてよかったです」


 大瀬戸のけん制をたえながら踏み続けた矢口啓一郎が2着に入った。


 「思ったような組み立てはできました。大瀬戸君が車間を空けていたのは分かったけど、何とかへばりついてでも確定板に入ろうと思いました。(記念は)今年初めての予選突破ですね」


 先行で長い距離を踏んだ山本直が3着に粘った。


 「仕掛けのタイミングはバッチリでしたね。しっかり仕掛け切れているし、けっこうバックも流れていたけど、もう少し踏み直せれば完璧でしたね。3番手に冨岡(健一)さんが付いてくれたのも大きかったです」

3R

選手の写真です。
新井秀明選手

 後ろ攻めから早めに動いた阿部力也が打鐘前に先頭に立って緩めているところを3コーナーから林大吾が一気に踏み上げて主導権を握る。車間を空けてガードした新井秀明(写真)が余裕を持って追い込み、きっちり人気に応えた。


 「林君が強かったです。バックぐらいからもう1回、かかっていきました。あのタイミングで行ったら久木原(洋)君も相当後ろだろうし、阿部君もちょっと見たら大丈夫そうでした。しっかり付いてからは余裕もありました。あれだけかかっていたら勝手に残りますね。状態は変わらずいいと思います」


 林大吾が2着に逃げ粘り、初の記念参戦で一次予選を突破した。


 「打鐘のところで(単騎の小田倉勇二と)かぶってしまったのがダメですね。見てる範囲が狭いので、視野を広くしないと。そこは修正したいと思います。あとは自分の得意パターンになったので、どこまで粘れるかと思ってました。いい感触だったので、2日目もいいレースをしたいですね」


 4番手からまくった阿部力也は車が進まずに不発。その後ろから内を突いた竹内智彦が3着に食い込んだ。


 「林君がけっこうかかっていて、(阿部)力也も口が空いてましたからね。外は厳しいと思ったんで内にいきました。初日から疲れました」

4R

押さえて出た藤井栄二は土屋壮登の巻き返しに合わせて、打鐘手前からペースを上げて主導権をキープする。中近ラインに続いた中村敏之輔が4番手。7番手からまくった大川龍二、5番手の土屋は不発で、逃げる藤井の番手から山口富生が楽に抜け出した。


 「藤井君は押さえて流すかなと思ったら、ジャンから行っていってくれた。これでもつんかなと思ったけど、掛かりはよかったしバックで(別線が来る)気配がなかった。(前回の)落車の影響はなかったし、練習はできていた。(間隔が空いて)追加が欲しかったくらいでしたよ」


 単騎の中村敏之輔は、4番手からのまくり追い込みで2着。


 「大フィーバーしましたね。大川さんとの位置争いにならず、すんなり先手を追えたのがよかった。3コーナーはキツいと思ったので、2センターくらいから踏んでいけた。脚の状態はいいと思う」


 レースを支配した藤井栄二は、ゴール前で失速の3着も内容は悪くない。


 「土屋さんの仕掛けが見えたし、しっかり勝負どころで踏むことはできた。そのあとは自分のピッチで駆けてすんなりだった。レースは作れたが、2着までに残りたかった。これが今の脚ですね」

5R

 山田庸平を押さえた水谷好宏が、南関3車を受けて中団をキープ。7番手に置かれた人気の山田庸は、山田祥明をすくって6番手まで押し上げる。逃げる本多哲也を山田庸が、最終2コーナーからのまくりで仕留めて1着。


 「(本多に)ペースで駆けられたら厳しいので、内を突いて位置を取りにいきました。水谷さんの動きを見ながらだったので、仕掛けが遅くなったけど踏み出した感じはよかったです。いつもなら3コーナーで止まってしまうけど、そこも踏めていたしうまく乗り越えられました」


 山田庸のまくりは止められずも、山本健也は同県の本多の逃げを利して2着に追い込んだ。


 「できれば(本多を)残してあげたかった。悔しいですね。もう少し車間を空ければよかったのかな…。それでも山田(庸)君のスピードがすごかった。難しいですね」

6R

選手の写真です。
高久保雄介選手

 打鐘前に切った佐々木龍を城幸弘が叩いて出る。そのままペースを上げる城に対し、4番手を確保した佐々木が最終2コーナーからまくる。さらにその上を高久保雄介(写真)が7番手から豪快にまくり切った。


 「行けるところはあったんですけど、待っちゃいました。結局、後方になってしまったんですが、道中は余裕があったし、脚でカバーできました。踏み出した感触はすごいよかったんで、調子はいいのかなって思います。二次予選はこれではダメだと思うので、組み立てをしっかり考えます」


 三谷政史が完璧マークで2着に続いて近畿ワンツー決着となった。


 「(高久保は)ホームでゆるんだところで行くのかなって思ったんですけどね。でも、余裕はありそうだったんで、大丈夫かなって。ここら辺では力が違うし、落ち着いて行ってくれました。あれを抜くなら3コーナーぐらいから踏み込まないといけないですね。2着で悪いとは言えないし、状態面は大丈夫です」


 佐々木龍は中団の4番手から先まくり。これに乗った大木雅也が直線で交わして3着に入った。


 「佐々木君がしっかり中団を確保して、落ち着いてまくってくれました。強いんで、もっと自信を持って走ってもらっていいですね。最後は(高久保の)スピードがちょっと違いました」

7R

 佐々木吉徳の上昇に合わせて中団から動いた簗田一輝が赤板の2コーナーで中本匠栄を押さえて前に出る。打鐘で簗田を叩いた佐々木がそのままハイペースで駆ける。7番手となった中本は最終ホームから反撃。抜群のスピードで前団を飲み込む。この後位にバックでスイッチした簗田が2センターから踏み込み、先頭でゴールを駆け抜けた。


 「誰も来なかったら駆けるつもりもあった。中本さんの動きが見えていなかったので慌てて追って、追いついた勢いでそのまま行った。脚を使っていたけど、うまく対応はできたと思います。初日はいつも重くて日に日によくなると思います」


 簗田の動きにしっかり続いた石毛克幸が荒澤にからまれながらも2着をキープした。


 「荒澤君に持ってこられて効いた。入れ替わり立ち替わりが早いレースだった。(中本君がまくった時は)ああ、行かれたと思ったけど、簗田君はさすがですね。たいしたものです。その動きに対応できているし、調子はまずまず」


 中本匠栄は末を欠いて4着に敗れたとはいえ、好気配が漂う。


 「初手は前を取りたくなかったので展開は最悪でした。簗田君に先に行かれたらこのレースはダメだと思っていたし、先に踏めて良かった。構えて勝てる脚はないし、タイミングはあそこしかなかった。頚椎の5番目の骨を折って2月に復帰してから追い込みになったが、点数を取れなくて、前期の後半に自力に戻した。練習でも戻っている感じがある」

8R

 赤板の1センターで金澤幸司を押さえた永井清史が後続を1本棒にして徐々にペースを上げる。7番手に置かれていた松岡孝高は最終2コーナーからまくると、強烈なスピードで前団を飲み込んだ。


 「詰まった勢いで行けているし、悪くはないですね。駆け出した感じは(永井が)かかっていたけど、バック向かい風で前もキツそうだった。正直、乗り越えられるとは思っていなかったけど、越えられましたね。中4日でもキツいトレーニングをしてきたので。紫原(政文)さんと初めてワンツー決まりましたね」


 マークした紫原政文が懸命に続いて九州決着。


 「松岡君が強かったし、恵まれましたね。本当のこと言うと最悪4番手は取ってほしかったけどね。同部屋の2人(林大悟、原田礼)が勝ち上がっていたので、自分も勝ち上がりたかった」


 人気の永井清史はペース配分を誤り、6着で勝ち上がりを逃した。


 「少し踏みすぎたかな。バンクが重いのは関係ないけど、風が強くて、2回目の(向かい)風で失速してしまった。いい形には持ち込めたけど、松岡君を出させない先行をしないとダメですね」

9R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 打鐘前に先頭に立った池野健太が緩めているところを鈴木庸之(写真)が5番手から叩きに出る。これに合わせて3番手から仕掛けた下岡優希が鈴木を出させず主導権を取る。それでも冷静に3番手で態勢を立て直した鈴木が最終2センターから踏み込んで激戦を制した。


 「中団カマシを考えてました。あれで叩ければ楽勝でしたね。みんな外にいったんで、車の進みが悪かった。須賀(和彦)さんに3番手に入れてもらって、次に来るのは吉川(誠)さんだと思っていたけど、止まっている感じだったので。バック向かい風で前と詰まってきていたから3、4コーナーから行けば前は抜けるかなって。そのほうがラインで決まると思いました。イレギュラーなことにも対応できるように、最悪の展開をいくつも考えているので、冷静に走れました」


 関東ラインの3番手から外を伸びた武藤篤弘が2着に。


 「とりあえずよかったです。前の2人の気合がすごかったんで、自分もそれに乗れました。ノブ(鈴木)もタテで勝負して、須賀君もしっかり援護していた。ラインのみんながそれぞれの動きをしていたと思います。最後に外で勝負して抜けているので悪くないです」


 鈴木マークの須賀和彦は3着に入るのが精いっぱいだった。


 「余裕がなかったですね。前がけっこうかかってました。それでもノブは伸び切るだろうから僕は内だなって思ってました。最後、もう少し突っ込めればよかったです」

10R

選手の写真です。
大槻寛徳選手

 レースは早くから動いて入れ替わりが激しくなったが、打鐘過ぎに先頭に立っていた鈴木竜士が3番手から反撃に出た山本伸一に合わせて踏む。阿部大樹が離れたところを南修二が決めて鈴木の後位に山本が収まる。山本が最終バック前から番手まくりを放つが、後方の松谷秀幸が3コーナーから内を鋭く突く。山本マークの南はこれに接触して落車。近畿勢を追った菅田壱道の後位で脚をためていた大槻寛徳(写真)が直線で中コースを伸びた。


 「菅田君が中団を取ってくれたおかげ。冷静に走れていたし、内からいけば出るんだなと。久々にスピードが出た感じがするし、脚の感じはいいですね。自分のよさを出せたと思います。本当は外から菅田君を抜ければ、もっとよくなるんですけどね」


 後方8番手から2着に突っ込んだ松谷秀幸は組み立てを反省する。


 「ジャンで巻き返そうと思ったが、内に差してしまっていた。8番手に置かれてはダメですね。(3コーナーから)内が空いてたんで、あそこしかないと思って。脚はいいけど、組み立ては反省です」


 位置を取った菅田壱道だが、仕掛けられなかった。


 「しっかり位置を取れたし、組み立ては悪くなかった。ヤマシン(山本伸一)さんが番手に入っていたのとか、周りが見えすぎて余裕があって落ち着きすぎた。詰まったところでいこうと思ったが、ヤマシンさんが行く気配もあったので。優秀は準決を見すえて仕掛けていきたい」

11R

選手の写真です。
坂本貴史選手

 吉澤純平が打鐘前で坂本貴史(写真)を押さえて先頭に立つが、流した隙を逃さずに和田真久留が一気にカマして最終主導権。3番手で立て直して3コーナーから踏み込んだ吉澤は不発。これに乗った諸橋愛が中コースを突くが、渡邉晴智と接触して失速。5番手で戦況を見ていた坂本のまくり追い込みが届いて波乱の決着となった。


 「脚を使っていい位置を取ったけど、けっこう吉澤さんが流していましたね。和田君に行かれてしまったけど、それでも余裕があったし、(前団の)接触がなくても届く感じはありましたね。最近は流れがいいですね」


 松川の仕掛けに乗って外を伸びた井上昌己が2着。


 「絶体絶命の展開だったけど、前団が接触して失速してくれたので何とかしのげました。届いているし、脚は軽いですね」


 先行で長い距離を踏んだ和田真久留が3着に踏ん張った。


 「攻める競走を心がけていました。先行しても(渡邉)晴智さんが止めてくれると思っていたので仕掛けていきました。それにしても長かった。4コーナーから立ち上がって4、5、6(着)になるパターンだなと思い、晴智さんだけでもと思い踏んでいきました。結果的に自分だけの競走になってしまいダメですね」

12R

選手の写真です。
志村太賀選手

 後ろ攻めから早めに上昇した松浦悠士が赤板前に誘導員の後位に収まる。3番手となった平原康多は打鐘から踏み込んで思い切った先行策に出る。長い距離を力強く踏み切って完勝した。


 「ジャンから行きました。先行でもスピードを出せる感じはありました。もうちょっとかなっていうところもあるけど、だいぶいい感じでした。(新車も)よさそうですね。前回までならあそこで行けなかったと思います。ワッキー(脇本雄太)のおかげで成長できてます」


 志村太賀(写真)が好アシストから迫って2着。人気の関東コンビで連を独占した。


 「すごい緊張したし、疲れました。いい思い出になります。2車で行ってもらったんで、中を割られないようにと思ってました。脚がいっぱいで抜ける感じはしなかったです」


 関東コンビを追う形で3番手を確保した飯野祐太がそのまま3着に流れ込んだ。


 「打鐘でしっかり仕掛けられればよかったんですけどね。前検の前日までしっかり練習していたので、疲れが残っていて、なんかフワフワしてました。新車を持ってきているので、2日目はぶっつけ本番で使ってみます」

6R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 ここからが二次予選。後ろ攻めの中本匠栄が赤板前から上昇して誘導員の後位に収まる。4番手となった阿部大樹は鐘と同時に踏み上げ、中本を叩いて主導権を握る。前受けから後方まで下げていた稲毛健太(写真)は最終ホーム前から反撃。バックで阿部の抵抗をねじ伏せて人気に応えた。


 「しっかり落ち着いて行けました。力を出し切れば大丈夫だと思ってました。ジャンから出てもたぶん持つだろうから行く気はありました。誘導を残して引いたんで、そこだけですね。中2日でも軽いギアでしっかり練習してきたし、調子はいいです」


 三谷政史が懸命に食い下がって2着。近畿ワンツー決着となった。


 「最低限ですね。3コーナーであおりが来ると思って少し見てしまった。強い選手はあそこから加速する。強いのは知っているけど本当に強かった。バンクがヌメヌメしていて、ちょっと重かった。あの展開であのまくりは差せない」


 稲毛にまくられた阿部大樹だが、諦めずに踏み続けて3着に踏ん張った。


 「落ち着いていくことも考えたけど、稲毛君も来るだろうし、最近はつまんないレースばかりしていたので。出るのでほぼ脚を使い切りました。踏み上げるというよりも回してました。正直、先行してからも稲毛君に来てくれって思ってました。そうしたら2番手か3番手に入れるだろうから。いい仕事はできたと思います」


 

7R

選手の写真です。
佐藤悦夫選手

 藤井栄二の上昇に合わせて、中団から矢口啓一郎が動いて赤板の1コーナーで前に出る。そこを藤井栄二が踏み上げて打鐘から主導権奪取。前受けから下げた松川高大は7番手に置かれる。藤井が後続の動き確認しながらペースを上げると、なかなか別線は仕掛けられない。中団の矢口が3コーナーからまくるが、南修二に張られて失速。空いたコースを佐藤悦夫(写真)が鋭く突き抜けた。


 「脚を使っても中団を取りたいと思っていたので、矢口君が作戦通りのレースをしてくれた。初日の感じならコースがあれば行けると思った。修二が張ってガラッと空いたところを行けました。1着まで行けているし、脚の感じは悪くないですね」


 湊聖二は最終バック8番手から2着に突っ込んだ。


 「松川君のおかげ。勢いをもらえたので。人の後ろはニュートラルに入れられるので楽ですね。前の動きを見てコースを突っ込むことができました」


 先行した藤井栄二は3着に粘り、記念で初めて準決勝に進出した。


 「しっかり先行して力を出し切ることができた。修二さんと正樹さんに仕事をしてもらったおかげです。別線がまくってくる勝負どころを踏み上げる形にはもっていこうと思ってそれはできた。記念の準決勝は初めてです」


 

8R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 打鐘で松浦悠士(写真)を突っ張った山田庸平を山本健也が押さえてハナに立つが、その上を山本伸一が叩いて打鐘の4コーナーから主導権を奪う。山本健がすかさず飛び付いて小林信晴をさばくが、口が空く。軽快に駆ける山本伸の後位に追い上げた松浦が直線で鋭く差し切った。


 「山本(伸)さんが強かったですね。自分が思っている以上に(タテが)出ているのでまくれると思ったけど、合わされてしまいました。それでも瞬時に反応はできているし、冷静に走れています。ただ、追い上げての差しなので内容的にはよくないですね」


 タイミングよく主導権を奪った山本伸一が2着に粘り込んだ。


 「(打鐘の)2センターでいいスピードが出ていたので一気に踏んでいれば小林さんもからまれずに連れ込めたけど、回してしまったのが失敗です。後ろに迷惑をかけました。得意の展開になったけど…。脚の感触は悪くないです」


 最終バックで切り替えた内藤秀久が山田庸平を弾いて3着に食い込んだ。


 「やれるべきことはやったつもり。松浦が前にいたので(勝ち上がりが)残り一枠しかないと思ったので、シビアにいかせてもらいました」


 

9R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 後ろ攻めから早めに動いた島川将貴が中団の林大悟にしばらくフタをしてから打鐘前に踏み込む。すかさず巻き返した林は中団の外で苦しくなる。内に降りようとした新井秀明をさばいて中団を確保した簗田一輝(写真)が最終バック前から力強くまくると、岩津裕介のけん制を乗り越えて連勝を飾った。


 「任された以上、あの位置はしっかり取ろうと。そうしないとチャンスはないですからね。岩津さんをなんとか越えられてよかったです。最近は(渡邉)晴智さんのアドバイスもあって無理に先行するよりも、自分の順番が来たら行くようにしている」


 島川の先行に乗った岩津裕介は簗田に踏み負けて僅差の2着。


 「島川君のおかげ。それだけですね。僕が有利だったのに、あれで1着を取れないようではダメですね。まだ感触はよくない」


 簗田のまくりを懸命に追った岡村潤が3着に入った。


 「スタートは取らされるだろうし、(別線が)うまく先行争いになってくれればと思ってました。(簗田は)ホームでからまれたのに強いですね。あれで引かれると厳しくなる。あとはもう離れないように。最後、もう少し踏み切れればよかったですけどね。状態は変わらない。離れる心配はないと思います」


 

10R

選手の写真です。
椎木尾拓哉選手

 打鐘で高橋和也が押さえた上を高久保雄介が叩いて主導権を取る。すかさず反撃に出た吉澤純平は3番手を決めにかかるが、高橋の外で併走になり、そのまま仕掛ける。最終バックで椎木尾拓哉のけん制を受けた吉澤のスピードが鈍ると、後位の鈴木庸之は内に切り込む。椎木尾に締め込まれながらも、そのまま高久保が空けた内のコースを伸びて連勝を飾った。


 「(吉澤)純平さんが行ってくれたおかげ。すんなりだと高久保君はかかりますからね。内を締めにいったら空いたのでずっと内を行きました。あのあおりで純平さんが外をいけなかったのかな…。デビューしてから35歳までにできることを増やしていこうと思って、村上さん(義弘)みたいに完璧にはできないけど、ある程度までやりたいと思っていて。まずは得意なカマシ、まくりから始めて、地元記念で勝つために、競りの練習を諸橋(愛)さんと朝練習で始めた。『できるようになってからやれ』と言われていて、いいと言われたのでやった。子供の誕生日に1着を取れてよかったです」


 高久保の先行を利した椎木尾拓哉(写真)は吉澤を張ってから戻る勢いで、前に踏んで2着に入った。


 「高久保君はいい先行でした。最後に内を空けなければね…。一緒に決めたかったが、最後は止まれなかったので。鈴木君も地元で気合いが入っていたし、入られんようにしようと思ったが…。(脚の感覚は)大丈夫です」


 山口富生が目標の高橋が不発の展開から巧みなコース取りで3着に。


 「和也が中団を取ってくれたおかげ。吉澤に入りかけられたが、それがよかった。このメンバーで3着に入れてよかった。ノブ(鈴木)が降りた時にコースが見えた。内か外か迷ったが、外に吉澤がいると思って内を踏んだ」


 

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 早めに動いて鈴木竜士にフタをしていた佐々木龍が山本直を押さえて打鐘で前に出る。7番手となった鈴木は打鐘の3コーナーから一気に巻き返して最終1センターで佐々木を叩き切る。諸橋愛(写真)が懸命に続いて直線は両者のマッチレース。地元の諸橋が差し脚を伸ばしてS班の貫禄を示した。


 「一安心だね。ただ、(鈴木が)もう少し早く仕掛けるのかと思ったけど。そうすればもっと楽に出切れたのに。一回、離れたけど付け直して交わせているし、練習の成果が出ているかな。コンディションは悪くない」


 鈴木竜士は地元の諸橋の前で積極的に攻めた。


 「吉澤(純平)さんが前のレースで出し切るレースをしていたので、切って中団を取ってまくることはできないし、力を出し切るレースを心がけていました。脇本(雄太)さんをイメージして全力で踏んでいったけど、脇本さんより1秒ぐらいタイム差がありましたね(笑)」


 後方からまくり上げた山本直が3着に入って準決勝への切符を手にした。


 「展開が向いただけですよ。仕掛けてはいるけど、車の出がよくないですね。あの(鈴木の)上を越えられればいいんですけど、鈴木君が強かったです」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 打鐘で飛び出した坂本貴史を和田真久留がすかさず叩いて主導権。3番手以下を引き離していく。前受けから8番手まで下げた平原康多(写真)はホームから反撃。バックで3番手の位置に入ってから再び踏み込んで鮮やかに突き抜けた。


 「あそこで行くしかなかったですね。キツかったです。(3番手で)ワンテンポ休んでから思いっきり踏んだけど、もう少し空いてたほうが詰める勢いで行けましたね。力は出し切っているので納得してます。やってきた方向性は間違ってないと思います」


 最終バック最後方から大槻寛徳が2着に強襲した。


 「キツいですね。内にいってからの外でした。(菅田)壱道が接触して車体故障して浮いた分、自分が伸びました。タマタマですけど、今回はいいですね」


 最終バックで関東の後位にスイッチした飯野祐太が3着に突っ込んだ。


 「平原さんの3番手にスムーズに切り替えられたし、勝手に車が進んでくれました。2センターで(菅田)壱道と接触して、スピードが鈍りました。あれがなければ1着までいけたと思います。新車は間違いなくいいですね」


 和田真久留は2日間連続の先行勝負で見せ場を演出している。


 「平原さんが来ると思って流さなかった。あれでも来るんだから平原さんはやっぱり強いですね。もういっぱいでした」


 

10R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
選手の写真です。
岩津裕介選手

 赤板過ぎに松浦悠士が切って前に出る。2コーナーから藤井栄二、鈴木竜士(写真)が一気に踏み込んで両者で主導権争いになる。内の藤井が突っ張り切るが、志村太賀のアシストによって鈴木は3番手で態勢を立て直す。懸命に逃げる藤井を鈴木が最終2コーナーから二の脚を使ってまくると、抜群のスピードで近畿両者を抜き去って記念初優出を果たした。


 「(志村)太賀さんが入れてくれたおかげです。それがすべてですね。(3番手に入るまでに)脚を使ったけど、連日、長い距離を踏んでいるから落ち着いていけました。そのあとはニュートラルに入れて、ホームで車間を切って2コーナーで仕掛けるだけだなと。体は動いていますね。記念の決勝は初めてです」


 5番手からまくった松浦悠士のスピードをもらって伸びた岩津裕介(写真)が2着に。


 「前が頑張ってくれたおかげ。今回はやれる感触はなくて決勝に乗れたのが不思議なくらい。松浦君が仕掛けてくれて、あそこまでしっかり我慢してくれたので、僕はその外の伸びるコースを下りで行けただけ」


 後方に置かれた和田真久留は大外を踏み込んで3着に届いたが、レース後は反省に終始する。


 「ジャンでどっちかのライン(藤井か鈴木)が浮くかと思ったんですが、すんなりになったのが誤算でした。ジャン、ホームとオーバーペースでしたしね。他のラインの思惑だったり自分が甘かったです」


 5着で決勝進出を逃した松浦悠士は悔しさを隠せない。


 「ちょっとバランスが悪かったですね。3コーナーで後輪がドリフトしてしまって、3キロぐらいスピードが落ちた。あれがすべてですね。あれがなければ岩津さんと2人で決勝に乗れたと思います」


 

11R

選手の写真です。
菅田壱道選手
選手の写真です。
諸橋愛選手

 青板のバックから上昇した菅田壱道(写真)は赤板前に誘導員の後位に収まる。井上昌己、鈴木庸之の順で切ったところを稲毛健太が叩いて打鐘過ぎからハイペースで駆ける。3番手を確保した鈴木がバック前からまくるが、車は思うように進まない。後方8番手から大外をまくり追い込んだ菅田が真っ先にゴールを駆け抜けた。


 「シューズを戻して脚に吸い付く感じがあって、やっぱりこっちの方がいいですね。スピードが上がっても余裕はありましたよ。ただ、動いて後方になっていて無駄な動きをしているので、そこは反省ですし、飯野(祐太)さんには迷惑をかけました。それでも、外に持ち出した時に突き抜ける感じはありました」


 鈴木庸之のまくりに乗った諸橋愛(写真)が外を伸びて2着に入り、地元の意地を見せた。


 「(鈴木が)仕掛けた瞬間、行けるかと思ったけどね。少し見すぎていたので、一番行ってはいけないところで行ってしまったのか、稲毛(健太)がかかっていたのかも。コースは迷ったけど、余裕はあったし、初日に失敗しているので、外々を心がけて外に踏んでいきました」


 井上昌己から惰性をもらった湊聖二が中のコースを強襲。3着で久しぶりの記念優出を決めた。


 「(井上)昌己には好きなように走ってくれと言っていました。菅田より前の位置を取ってくれたのが大きいですね。それに尽きます。自分はまくり追い込みの昌己を抜けているし、調子はいいと思う。久しぶりに記念の決勝に乗れてうれしいですね」


 絶好のポジションからまくった鈴木庸之だが、後続の選手に一気に飲み込まれてしまった。


 「(組み立ては)3番手からでペースが上がる前に一回切ってからと考えていました。もう少し遅く仕掛けてもよかったのかも。一番、行ってはいけないところで仕掛けてしまいました」


 

12R

選手の写真です。
簗田一輝選手
選手の写真です。
坂本貴史選手

 打鐘前に飛び出した簗田一輝(写真)を山本伸一がすかさず叩いて主導権を取る。簗田はすんなり3番手に収まり、平原康多は6番手、8番手となった坂本貴史は打鐘の4コーナーから反撃に出る。これに合わせるように最終2コーナーから好回転でまくった簗田がそのまま後続の追撃を振り切った。


 「ペースで踏んで誰かが飛んで来たら出させるつもりだった。理想の展開でした。ホームでもう坂本さんが来ていたのは確認できました。平原さんもどこかで来ちゃうから気になっていたけど、一生懸命踏んだだけですね。後ろはもうどうなっているか分からなかったです」


 8番手から早めに巻き返した坂本貴史(写真)は簗田のまくりにスイッチする形で2着に続いた。


 「平原さんより前の位置を取ることを第一に考えていたけど、8番手になってしまったんで、平原さんより先に仕掛けようと。ホームで行けてるんで、感じはいいですね。簗田君の後ろに入って、止まってしまったら、外を踏んで行こうと思ったんですけど強かったです。自分にもっとスパッと行ける脚があれば大槻(寛徳)さんを連れ込めたはず。そこは申しわけないです」


 山本の先行を利した椎木尾拓哉は3着でファイナル進出を決めた。


 「山本さんのおかげです。真後ろからいいスピードで来られてしまって、止められなかった。そこは申しわけない気持ちです。感触はすごいいいですね」


 圧倒的な支持を集めた平原康多は前のあおりもあって外、外を回されて4着まで。


 「タイミングが悪かったですね。前のあおりもあったし、そういう部分も含めてまだまだですね。不完全燃焼のレースで悔しさはあるけど、これも競輪だし、自分の力なので。自転車の感触は悪くなかった」


 


 


<最終日・6R S級ブロックセブン>


 最終日の6レースは、各地区から選ばれた7選手によってブロックセブンが行われる。人気の中心は横山尚則だろう。前回の地元取手FIの決勝は佐々木豪の先行をまくりで仕留め、今年初優勝を飾った。


 「地元の優勝は初めてだったんです。チャレンジでもなかったんで、本当によかったです。自分の中では準決勝の突っ張り先行が価値のあるレースでした。終わってから間隔も空いたので、久しぶりにゆっくりしてました。もちろん毎日、トレーニングはしてるんですけど、無理しない程度にやってました。次のオールスターが一番、重要なので、そこに向けていい弾みをつけたいですね。ラインができるので精いっぱいやるだけです。しっかり自分のレースをして、力を見せたいと思います」


 松戸サマーナイトフェスティバルの初日に落車した成清貴之は3日間を走り抜いたが、ケガの影響が心配される。


 「最近はいい感じになってくると落車してしまいますね。ケガは打撲と擦過傷くらいで大したことはなかったです。ただ、その前の(5月)松阪、(6月)大宮の連続落車は少し引きずってますね。松戸の落車でサドルが壊れてしまって、新品にしたら全然、感触が違うので調整しながらやってます。ケアと練習はやってきました。好調とは言えないんですが、しっかり頑張ります。7車立てはイメージがわかないけど、強い自力が勝っている感じがする。横山君はいつもいいレースをしているのを見ているし、初めての連係だけど、しっかり付いていきます」


 松岡孔明は勝ち星から遠ざかっているが、状態面に不安はない。


 「(5月西武園FIのあとに)休んでから3場所走って、少しずつ感覚が戻ってきています。状態は上向きです。高原(仁志)さんに付いてもらえるんで自力で頑張ります。7車立ての3分戦は難しいですね。よく考えて仕掛けます」