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わかやま競輪

WAKAYAMA KEIRIN

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検車場レポート

  • 6/17 Wed.  (前検日)
  • 6/18 Thu.  (1日目)
  • 6/19 Fri.  (2日目)
  • 6/20 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 前回の平塚FIでは初日特選、準決でシンガリ負けを喫した小松崎大地(写真)は、最終日を待たずに欠場。状態面が心配される。
 「着は見ての通りですね。ただ、原因はわかっているので、そこまで不安はない。原因はクツですね。(クツを)元に戻したので、感覚的には大丈夫です」
 渡邉雄太は、前回の平塚FIから中4日。ここを目標にトレーニングを積んできた。
 「(ここに向けて練習していたせいか)平塚はちょっと疲れていた。ただ、そのあともあんまり良くなかったので、疲れを抜くようにやってきました」

2R

選手の写真です。
宮本隼輔選手
 久留米記念は一次予選で敗退した宮本隼輔(写真)は、2日目以降を欠場した。中10日での変わり身はどうか。
 「前回は体に違和感があって良くなかった。(久留米のあとは)いつも通り(練習を)やったんですけど、状態は変わらないですね」
 前回の四日市FIは163着の成績以上に手応えをつかんでいる山田久徳が、白星奪取に虎視眈々。
 「(開催中止などで空いた時は)練習はしっかりとやってました。(四日市は)そんなに悪くなかったんで、もっと成績が上がってもいいと思うけど。相手だとかメンバーもありますしね。1着を取ったらいいとこ(2日目の白虎賞)に行けるんで、しっかりと狙っていきたい」

3R

選手の写真です。
坂本貴史選手
 5月の宇都宮記念3日目に落車に見舞われた坂本貴史(写真)は、前回の平塚FIを289着。
 「(宇都宮記念の落車の)怪我自体はそんなにひどくなかった。平塚はいいところもあったり、悪いところもっていう感じです。そこの修正をしてきたんで、今回の方が絶対にいいと思います」
 2場所前の前橋313着、続く宇都宮241着。岩本俊介がFIシリーズの成績をまとめている。
 「しっかりと自分と向き合って、充実した練習ができた。手応えもありました。上位の人たちは(開催中止になった)ダービーの分までここにぶつけてくると思うので、自分も頑張りたいです」

4R

選手の写真です。
東口善朋選手
 ホームの和歌山バンクで初のGI開催に、東口善朋(写真)が燃えないわけがない。
 「(四日市FIの欠場は)腰痛が出たので無理はできなかった。もう体の方は大丈夫です。(練習は)いつも通りやって、気持ちも体もいい感じでもってこられた。自分が現役の時に地元でGIをやるのは、これで最後かもしれない。楽しめるように」
 熊本コンビの3番手を固める井上昌己は、例によって淡々としたもの。
 「(開催が中止で)空いている間はしっかり(練習が)できたけど、やりすぎて腰をやっちゃった。全プロ記念の前くらいですかね。今回はそれもあってセッティングを元に戻します」

5R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)は前回の平塚FIを134着。決勝は坂井洋に託したが、優勝につなげられなかった。
 「(平塚は)レース勘がイマイチでした。久々のレースっていうのもありましたね。そこらへんは徐々に良くなってくれればいいですね」
 根田空史を先頭に4車で結束する南関勢は、萩原孝之が番手で重責を担う。
 「(前回の)平塚は周回中から悪い感じはなかった。決勝に乗れなかったけど、(最終日は田中晴基の)11秒1のまくりを差せた。ゴール前で踏んだらよく伸びました」

6R

選手の写真です。
深谷知広選手
 4月の武雄記念に次いで前回の四日市FIの223着が今年2場所目となる深谷知広(写真)が、中1週間で今シリーズを迎える。
 「前回が(ここに向けて)いい実戦経験になりました。自分のなかでやれることをやったし、そのあともいい練習ができている。1回走ったことでレースの流れもつかめた」
 吉田敏洋は、同県の後輩、深谷との連係でまずは追走に専念する。
 「みんな一緒ですけど、次は(開催が)あるだろうって思って、直前で中止になっているから、ただ空いているのとは違いますよね。でも、2カ月間、よく練習ができた。(初日は)しっかりと深谷の呼吸に合わせるだけ。まずはそこができれば、抜く抜かないじゃなくて」

7R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 山崎芳仁(写真)は、前回の宇都宮FIの566着を振り返り、気持ちを切り替える。
 「前回はちょっと自分のタイミングで踏めなくて悔しさが残った。タイミングが全部狂った感じがある。それも自分が弱くて、脚がないから。運よく(コンスタントに走れてたんで)、自分は競走が空いてた不安はないです」
 前回の地元、小田原FIを316着の松谷秀幸は、2カ月近くのブランクで感覚にズレがあったようだ。
 「(小田原は)あんまり良くなかった。レースを走らなすぎたからですかね。練習はしてたんですけど、レースでの感じが違いすぎて…。(終わってからも)すごい疲れた。全然ダメだったんで、練習もしてきました」

8R

選手の写真です。
稲毛健太選手
 新型コロナウイルス感染症感染の影響が心配されただけに、稲毛健太(写真)は地元のGIの開催が行われることにホッとする。
 「無事に地元が開催されてうれしい。あんまり意識せずに、自分らしい走りをしたい。前回が良くなかったんで、それと比べたらいいと思います」
 河端朋之は、前回の久留米記念では成績以上に動きの良さが目を引いた。
 「久留米は準決も残れなかったけど、先行をしていい感じで駆けられた。思ったより走れました。トレーニングに関しては、伊豆でいつも通り変わらずにやってきました」

9R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 ビッグ初出場だった3月のウィナーズカップではいきなりの優出で3着表彰台に上がった高橋晋也(写真)は、今回が初めてのGIの舞台。
 「練習はできているし、感覚的にも悪くない。自分はナショナルチームのBチームで練習をやっている。環境としては最高です。初めてのGIですし、1つでも上のレースで戦えるように」
 武田豊樹は、前回の宇都宮FIの135着がおよそ2カ月ぶりのレースだった。
 「本当に久しぶりのGIになりますね。自分は練習をしてしっかり準備はした。(高松宮記念杯は)自分にとっては、すごい思い出のあるレース。伝統の東西対抗で一番好きなGIです」

10R

選手の写真です。
村上義弘選手
 「僕の準備は整ってます」と、村上義弘(写真)は、地元地区のGIに万全のコンディション。5月ダービーの開催が中止になっていただけに、このGIシリーズの開催意義について丁寧に説明する。
 「日本選手権は僕はあっ旋がなくて(もともと)走れなかったけど。競馬にしろボートレースにしろ公営競技はやっていた。でも、競輪が開催できなかったことで、(選手たちは)いろんなモヤモヤした思いがあると思う。選手は競輪を走ることでしか、見ている人を勇気づけられない。コロナウイルス感染症で苦しんでいる人たちの助けになれるのも、開催があってこそだと。自分は選手生活も長いし、1カ月空いたからってプラスになることはあっても、マイナスになることはない」
 久留米記念2163着の渡部哲男は、準決が悔やまれる。
 「準決がもったいなかった。3番手は難しいところもあるし、いい勉強になりました。上積みはないと思うけど、疲れは取ってきた」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 5月があっ旋しない処置だった郡司浩平(写真)は、4月の武雄記念以来の今シリーズ。トレーニングを積んで、脚力アップに重点をおいた。
 「しっかり練習もできて、底上げができた。怪我をしないで、いい状態で練習ができたんで力がついてると思います。和歌山は(16年に)初めて記念を獲った場所ですから(悪い印象はない)」
 関東勢は4車で結束。鈴木竜士が番手を志願したことで、平原康多がラインをリードすることになった。
 「(宇都宮記念で落車して、前回の)全プロ記念は(体の状態は)ひどかったけど、数字だけは(良かった)。そのあとは練習しながら、しっかりケアもしてって感じですね。(全プロ記念と比較して)全然いいと思います」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 新田祐大とともに自転車競技トラック種目の東京五輪代表に内定している脇本雄太(写真)は、昨年2着のグランプリ以来。
 「オリンピック(代表)内定に関しても、(東京五輪が)来年の話なんで、まだ実感がないですね。まずは目の前にあるレースを。(高松宮記念杯は)相性のいい大会なのに優勝できてないんで、今度こそ。(12年と昨年で決勝は)2着が2回ありますから。(清水裕友と松浦悠士の中国勢に)自分の力がどこまで通用するかチャレンジャー精神で戦いたい。僕自身は競輪が久しぶりなんで、楽しみながら走りたい」
 前回の久留米記念は清水とワンツーの準V。今年はすでにウィナーズカップでビッグを制覇している松浦悠士は、仕上がりも良さそうだ。
 「練習の感じはすごく良かったです。直前の練習ではかなり戦える手応えはあったので、すごい楽しみです。(清水が)前で頑張りたいって言ってくれたんで、じゃあ今回は僕が番手でっていうことになりました」

1R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 打鐘で嵯峨昇喜郎が主導権を握って駆ける。北日本ライン4車が出切る。中団をキープした渡邉雄太のまくりをけん制した小松崎大地(写真)が、番手から抜け出した。
 「(嵯峨は)本当によく仕掛けてくれた。掛かりも申し分なかったし、ラインを生かし切れなかったのは僕が悪いですね。自分だけになってしまった」
 5番手から最終2コーナー過ぎにまくりを打った渡邉雄太は3着。
 「いつもだったら(仕掛けを)待っちゃうけど、行ってみようっていう気持ちがあった。小松崎さんの前まで出られればと思ったけど…。(ウォーミングアップの)ローラーでは不安もあった。でも、走ったら(感じは)大丈夫でした」

2R

選手の写真です。
香川雄介選手
 打鐘手前で踏んだ宮本隼輔と先行態勢を取っていた佐々木豪の中国、四国勢で叩き合い。山田久徳のまくりごろかに思われたが、最終2コーナーで岩津裕介が番手から自力に転じてまくる。三宅達也をさばいて岩津後位にスイッチした香川雄介(写真)が、追い込んで1着。
 「思いのほか、(佐々木が)良く踏んでくれた。岩津君の後ろにスイッチする形になった。岩津君がまくってくれたし、チャンスと思って踏みました。うまく自転車が流れんで、展開が僕向きになった。でも、キツかった。毎回疲れてしんどいレースが多いけど、それなりに着もまとめられているしいいかな」
 香川の動きにソツなく反応した室井健一が、流れ込んで四国ワンツー。
 「前に付いていくだけでした。コースはあまりなかったし、危なかったけど落ち着いて走れた。どっちに行くか迷ったけど、余裕はありました。感覚的には悪くないです」

3R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 北日本勢が主導権を握り、スタートけん制から前受けを強いられた岩本俊介(写真)は8番手に置かれる。打鐘の2センターで岩本が反撃に出るが、中村浩士は付け切れない。ロングまくりで前団をとらえた岩本が、2番手以下をちぎり、そのままセーフティーリードを保って1着。
 「前が一番イヤだったんですけど、(スタートけん制で)このままだとまずいと思った。(中村)浩士さんが(誘導を)追ってくれたし、あれがなかったからカマシは決まってない。(中村と)ワンツーしか考えてなかったけど、浩士さんにとっては絶望的な展開になってしまった。自分は宇都宮を走って、思った通りの(いい)デキになっている」
 「(武藤)龍生に迷惑を掛けちゃった…」とは、3着の吉澤純平。最終ホーム過ぎに踏み込むもタイミングが合わず、立て直しての追い込み勝負になった。
 「(岩本の仕掛けに)中村さんが付いてくると思って、見ちゃった。(岩本に)合わせて踏むくらいじゃないとダメでした。脚的には問題ない」

4R

選手の写真です。
東口善朋選手
 野原雅也が最終ホームで阿竹智史を強引に叩いて逃げる。番手の東口善朋(写真)が絶好展開をきっちりモノにした。
 「阿竹君もいいピッチで踏んでいたし、野原がどうするのかなって思っていたけど踏んでいきましたね。けん制があって脚的に余裕はなかったけど、気持ちでカバーできた。地元のGIで気持ちも入っているし、力になった。(勝ち上がりの)権利取りということで一戦一戦頑張るだけ。気持ちで何とか走っています」
 直線で大外を伸びた松岡貴久が2着に食い込んだ。
 「雨が降っていて前が見えなかったし、松川も安全を確認してまくっていったと思う。自分は余裕があったので、判断して踏んでいったけど雨だったぶん、全力で踏めなかった。8番手だったので楽ではなかったです。(中川)誠一郎さんのまくり追い込みを交わしたいので、練習してきた成果を出せました。ラインのおかげです」

5R

選手の写真です。
萩原孝之選手
 押さえて出た吉田拓矢に、根田空史がカマシ気味に襲い掛かり主導権を奪う。勝瀬卓也は付け切れないが、南関勢は3車で出切って吉田が4番手に入って最終ホームを迎える。逃げる根田の掛かりが良く、吉田、菅田壱道のまくりは不発。番手の萩原孝之(写真)が、チャンスをモノにした。
 「自分も余裕があったので、(別線のまくりが)来たらブロックしようと思ってた。4月に開催がなくて、練習したぶん軽くなってると思います」
 レースを支配してラインで3着までを独占した根田空史が、汗をぬぐう。
 「(先に動いた吉田には)あえて付いていかないで、菅田さんの動きを見ながら、自分のもつ距離からカマシに行った。バンクコンディション的に重くて、ずっと引きずっている感じがあった。それでもゴールまで踏めたんで、かなり手応えがある。状態もかなり戻ってきていると思う」

6R

選手の写真です。
山本伸一選手
 打鐘前に先頭に立った太田竜馬が先行策。人気の深谷知広は7番手に置かれる。中団をキープした山本伸一(写真)が、最終2コーナーからまくって快勝した。
 「3番車だったのでスタートで出るだけ出てみてって思って、中団が取れたのでいい展開になりました。あんまり早く仕掛けると、深谷君を引き出してしまうことになるので、かぶらないように深谷君を引き出さないようにと。出だしは良くなかったけど、中間加速は良かったし、踏み直しも良かった。踏み出しだけ修正したい」
 深谷知広は懸命にまくり上げるも3着まで。
 「行くタイミングで踏めなかった。調子は悪くないと思うけど、弱気な部分と冷静な部分があった。スピードが出ていたし、(けん制が)当たらないように思っていた。体調は悪くないし、セッティングもいい。気持ちの面で調整できれば戦えると思います」

7R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 森田優弥に併せ込んでから再度踏み込んだ新山響平が先行策に出る。松坂洋平が飛び付くが、山崎芳仁(写真)が番手を守って、今度は3番手で松坂と大槻寛徳が併走。森田は仕掛けられず、追い込んだ山崎が直線で抜け出した。
 「もうジャンだったんで、松坂君も粘るなと思って構えていた。(新山)響平は踏まされていたし、自分のペースじゃなかったですね。あとは森田君がどこかで来るんじゃないかと。自分的には脚というより展開で勝てた。ラインのおかげ」
 松坂との併走を外でこらえて山崎に流れ込んだ大槻寛徳が息を切らす。
 「併走になってキツかった。良かった、しのげて。(感じも)いいと思います。たぶん絶好調だと」

8R

選手の写真です。
稲川翔選手
 稲毛健太が最終ホームで小川真太郎を叩いて出る。このラインを追いかけた河端朋之が前団を一気にまくり切るが、稲毛マークから4コーナーで外に持ち出した稲川翔(写真)が最後はシャープに伸び切った。
 「(稲毛は)気合入ってしまうだろうし、自分の力を発揮してくれれば、あとは何とかしようと思っていた。河端君がすごいスピードで遠いところを走っていったので、何もできないのがもどかしかった。内を来られないように4コーナーギリギリのタイミングまで待って踏んだら、思いのほか伸びました。状態は上がっているのかなと思う。近畿の大会だし、ひとりでも多くの近畿の選手が決勝で走れるように頑張りたい」
 好回転のまくりを決めた河端朋之だったが、末が甘くなって2着となった。
 「(最終)ホームで稲毛君が仕掛けていったし、展開が自分に向きました。切って誰もこなければ2車でも先行だと思っていたけど、展開が早かったので。(稲川のけん制に)びびってイエローラインの上を走りました。脚にきていたけど、力は出し切れた。まくりだったのでもう少し粘りはほしいです」

9R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 高橋晋也を制して黒沢征治が主導権を握る。黒沢の動きに素早く反応した鈴木裕(写真)は、合わせて踏んで3番手を確保する。一本棒の7番手からまくった高橋は不発。鈴木がまくり追い込んで、今年18勝目を挙げた。
 「みんな強いんで僕は中団に入ってと。ジャンで自分で切って待ったんで(内容は)100点です。脚の感触は良くないけど、みんな重いって言ってたんでこんなもんかと。去年が1年間で19勝だったんで、今年はこれで18勝。(去年の勝利数まで)あと1勝ですね。気を抜くことはないし、やることは中途半端なレースをしないこと」
 2着に流れ込んだ岡村潤は、鈴木を称えて、こう振り返る。
 「キック(鈴木)がいい位置を取ってくれました。僕は付いてただけなんで、恵まれました。仕上がりは問題ない。(空いていた期間に)練習メニューだったり、フレームだったりを試したりしたんで、そういう不安は1つもない」

10R

選手の写真です。
松岡健介選手
 赤板過ぎに先頭に立った古性優作が、別線の中団併走をしり目にペースアップ。番手の松岡健介(写真)が4角ハコの好展開を生かして直線で抜け出した。
 「マーク戦で村上(義弘)さんに任せてもらったのは初めてだったので、こんないいところで古性君の番手ってこともあって気合も入りました。誰かがまくってきた時の対応は準備していた。誰も来なかったですけど。明日(2日目)はすごいメンバーになると思うし、脚の感触を確かめて頑張って挑みます」
 近畿ライン3番手の村上義弘が、松岡に続いて2着に入った。
 「古性君がしっかりレースを組み立ててくれて、自分は3番手で内と外を気にしながら走りました。脚は悪くないと思います。前の2人が頑張ってくれた」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 合わせて動いて切って出た平原康多を松井宏祐が押さえて先行態勢を取る。8番手で反撃のタイミングをうかがっていた新田祐大が、打鐘の2センターで踏み込む。が、佐藤慎太郎は連結を外す。合わせる松井をスピードの違いで新田がとらえて、郡司浩平(写真)が切り替える。スピードが鈍った新田を郡司が早めに交わして1着。
 「(新田が)来たのはわかったけど、スピードの違いだったり、雨の状況もあって思い切りっていうわけには…。あとは(松井)宏祐を迎え入れるか、自分でスイッチするかだったけど、冷静に対処できた」
 郡司を挟んで平原と内、外での2着争いを和田健太郎が制して南関ワンツー。
 「松井君が頑張りましたよね。誰かしら入ってくるっていうのもあったんで、自分は締めっきりだった。前の2人が頑張ってくれたおかげです」
 浮いた佐藤が外にいて仕掛けのタイミングが遅れた平原康多は、まくり追い込むも3着。
 「(佐藤に)降りてこられて、競り勝ったけど。あれで2、3テンポ(仕掛けが)ズレた。それで郡司君と合っちゃった。ただ、レースの感じは、前回よりもいい」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 人気の脇本雄太(写真)が打鐘から巻き返すが、浅井康太が外に振ると2センターでスリップしてバランスを崩す。逃げる清水裕友がペースを上げて、脇本は空いた4番手に入って態勢を整える。最終2コーナーで脇本がまくりを打つ。清水との車間を空けていた松浦悠士も踏むが、外の脇本が伸びて1着。昨年のグランプリ以来の実戦で、今年の初勝利を挙げた。
 「雨のなかで走るのもたぶん年単位で走ったことがなかったんで、戸惑いながらですけど、しっかり走れたかなと思います。(打鐘の)2センターのところで自分のなかでの自転車のハプニングがあって。それで戸惑いもありましたけど、立て直して行けたかなって思います」
 最終バックから山田英明が内よりの進路を取り、中川誠一郎は外を踏んで伸びた。
 「(山田が)内に行ったので、迷わず外を踏めました。けっこう伸びました。(前回の)久留米も(状態は)わりと上がってきていたので、いい感じで初日に入れたなと思います。」
 脇本、中川にのみ込まれた松浦悠士は、一瞬の迷いを後悔する。
 「(脇本が)止まるかもしれないと思って、前に踏むのかヨコに動くのかちょっと迷ってしまった。そのぶん行かれてしまったっていう感じです」

5R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 赤板2コーナーから仕掛けた吉澤純平が、根田空史との踏み合いを制して最終1センターで出切る。後方になった櫻井正孝だったが、2コーナーからまくりを打って前団に迫る。和田圭が2センターで櫻井の内に進路を取ると、櫻井ライン3番手の佐々木雄一(写真)が外を踏んで突き抜けた。
 「櫻井がしっかり仕掛けてくれたし信頼していた。和田は内に降りると思ってた。(内には)自分のコースがないんで外に行った。調子自体はキープできていると思います」
 北日本ラインで上位を独占。諸橋愛のけん制を計算に入れていた和田圭が、コースが空くタイミングを待って追い込んだ。
 「諸橋さんは余裕そうだったんで、櫻井が止められたら自分は入っていこうと思ってた。(佐々木)雄一さんに交わされてしまったけど、何回やってもあのコースに入っていると思う」

6R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 打鐘の4コーナーから河端朋之が山降ろしを使ってカマシ先行。3番手以降が大きく離れると、最終4コーナーを絶好の番手で迎えた小倉竜二(写真)が差し切った。
 「(河端が)カマシならあそこかなって思っていたところで仕掛けたので、付いていけました。最後は河端がタレすぎっていうくらいタレたので、僕も抜けました。全プロ記念、久留米とフレームを新しいのにしていたけどダメだったので、元に戻したらここ2場所よりはいいと思います」
 逃げた河端朋之が、2着に粘り込んだ。
 「なんとか(ラインで)ワンツーが決まって良かった。1周しか行っていないのにタレてしまい、小倉さんに気を遣ってもらいました。まくりに構えるよりも行けるタイミングでと思っていた。1着は取れていないけど、しっかり自分の力は出せていると思う」

7R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 レースは目まぐるしく動いて、打鐘の3コーナーから仕掛けた和田真久留が最終的に主導権を奪う。が、和田ラインに続いた菅田壱道(写真)が、最終ホームからその上をロングまくりでとらえて押し切った。
 「思った通りの展開になって、自分も思った通りに動けました。1周くらいなら先行するっていう気持ちもあった。初日が不甲斐ないレースだったんで、負けたとしても思い切り行こうっていうのがあった。しっかりと押し切れているんで、状態はいいと思います」
 「あれだけ動きがあるとオヤジにはキツい」と、2着の佐藤慎太郎は自ちょう気味に汗をぬぐう。
 「道中、脚を削られたし、あれが限界。あと3勝で(通算)400勝だから、(2日目から)3連勝で決めようかと思ってたけど、持ち越しになった。初日は新田(祐大)に離れてるけど、(状態は)悪くない」

8R

選手の写真です。
村上博幸選手
 近畿4車の先頭を任された野原雅也が、赤板過ぎから主導権を握る。後方8番手からまくり上げた深谷知広は最終バックでいっぱいになり不発。さらに外をまくってきた阿竹智史を稲垣裕之が外に大きく振る。これで空いたコースを村上博幸(写真)が突き抜けた。
 「(近畿)4車なので気分的に自分は3番手で落ち着いて走れていた。3番手の仕事があるし、対処してと。自分の中では稲垣さんが出るってのは頭においてなかったです。野原も残るようにと。2センターで稲垣さんのけん制が大きかったし、コースを入られないように差し込んでいてバックを踏んでからだったけど、最後は良く伸びたなって感じ。練習の時から悪くなかったし、この2日間感じ良く走れています」
 再三にわたるけん制を見せた稲垣裕之は、2着でゴール線を通過。
 「野原がいい先行をしてくれた。深谷君の上を阿竹君が仕掛けてきていたので、後ろも2人いるし(番手から)出ていかないとなって思ったところで野原が踏み直してくれた。本当に強い先行でした。自分の仕事はできたと思う」

9R

選手の写真です。
大槻寛徳選手
 7番手の松井宏祐を警戒しながら黒沢征治が、3番手で前団との車間を大きく空ける。松井は内を進出して、黒沢が打鐘の4コーナーから踏み込む。黒沢が佐藤友和をとらえて鈴木竜士が続くが、芦澤辰弘は付け切れない。まくりで迫る松井とそれを張った鈴木で絡んで両者が落車。内藤秀久、小原太樹も乗り上げる。切り替えて落車を避けた大槻寛徳(写真)が、黒沢の内から追い込んで1着。
 「(佐藤)友和君が前々に踏んでくれたおかげです。自分は絶好調です。落車がなくても、(鈴木)竜士君が放り上げた内をって思ってたし、そこらへんは見えてました。余裕もあります」
 4位入線も3着に繰り上がった佐藤友和は、すぐに準決に気持ちを整える。
 「落車のあったレースだけど、勝ち上がれたんで、もう明日(準決)のことを考えます。昔の自分だったら(黒沢を)突っ張ってるけど、自分の力量を考えてやれることをと思った。ただ、出られたのは悔しかった」

10R

選手の写真です。
岩津裕介選手
 早めに切った小川真太郎を最終1コーナーで清水裕友が叩き切る。これで絶好となった岩津裕介(写真)がチャンスをモノにした。
 「(清水の)スピードが出ていたので、この上は来れないだろうと。思い切り抜きに行っても普段抜けないくらい強いので、いつもみたいに踏みました。(清水は)出る時に脚を使っていたし、末が少し甘かった。自分の脚はいいと思う」
 古性優作マークの南修二が、2着に突っ込んだ。
 「(古性に)任せていた。とりあえず追走に集中して、最後コースを見ようと。混戦になったので判断を間違わないようにと思っていました。状態はいいと思います」

11R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 赤板過ぎに郡司浩平が押さえて出ると、内の新田祐大を警戒しながら踏み込んだ岩本俊介が先頭に立つ。千葉3車が出切り単騎の平原康多が続いて、郡司は5番手まで下げる。新田は一本棒の7番手で最終ホームを通過する。逃げる岩本との車間を空けた鈴木裕は、2コーナーからまくった平原に合わせて番手まくり。鈴木を和田健太郎(写真)が交わして千葉ワンツー。
 「岩本君も気持ちが入ってたし、鈴木君はその気持ちに応えようっていうのがあった。だから、僕もしっかりと。あとは岩本君と鈴木君の判断に任せていた。(連日)南関の自力選手のおかげだし、僕自身は初日と変わらない。感じが良かったんで大丈夫です」
 平原の気配を感じ取って番手まくりの決断をした鈴木裕が、ラインの力をアピールする。
 「(岩本が)早く駆けてくれて、あれでまくられちゃったりしたらっていうのがあった。僕らが勝つには(出るのが)早すぎるかもしれないけど、これしかないと。平原さんが見えたんで(最終)3コーナーで止まっても、その勢いで誰かが来るだろうし行くしかなかった。番手まくりのわりには(自転車が)出たかなと」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 周回中7番手のポジショニングになった脇本雄太(写真)は、赤板を通過すると徐々に前との車間を空けて態勢を整える。思惑通りに2コーナーから踏み込んだ脇本が、抜群の加速力で先頭に立ちレースを支配する。別線の山本伸一に振られた稲川翔が離れながら追いかける。別線のまくりも脇本を脅かすまでには至らず、そのまま影をも踏まさずに逃げ切った。
 「自分の踏む位置は(初日と)変わってない。あとは(スリップした初日みたいに)ハプニングがあったかどうか。ハプニングがなくて、力を全部出し切れた。そこは評価できる。僕自身ここで(仕掛けて)行きますっていうのを決めてた。ラインで決めるには、それが最善かなと」
 最終3コーナー過ぎた辺りで稲川が失速する。まくった松浦悠士を張った東口善朋は、稲川のインを追い込んで伸びた。
 「とにかく(脇本の)踏み出しに付けなかったらどうしようもないんで、そこだけは集中していた。(踏み出しは)キツかった。僕もいっぱいで、松浦君にあたられて、内に落とされた感じです。あんまり周りの状況を見られなかったんで、そこは修正したい」

4R

選手の写真です。
森田優弥選手
 打鐘過ぎに新山響平を叩いた根田空史が逃げる。最終ホーム前でこの3番手に追い上げた森田優弥(写真)が、2コーナーから力強くまくってGI初勝利を飾った。
 「切って切っての流れで駆けたかったけど、スタートでほしいところが取れなかったので終わったと思った。でも、結果が(鈴木竜士と)ワンツーで良かった。(鈴木)竜士さんも細かいところでいろいろやってくれたんだと思う。(最終)ホームのところはそこしかないってところで追い上げられたし、反応できて良かった。初勝利は素直にうれしいです」
 好マークから森田に詰め寄った鈴木竜士だが、逆転はならなかった。
 「(森田は)強い。バカ強いって書いておいてください(笑)。ホームで追い上げた時の判断は抜群でしたね。踏んだりやめたりして自分の後ろに付いているみたいだった。久々にピリピリしました。(落車の影響で)いつもの体の感じではないが、走れているので言い訳はできないです。(差せる感じは)全然なかったです」

5R

選手の写真です。
深谷知広選手
 深谷知広(写真)を後方に置いた高橋晋也は、6番手で仕掛けをギリギリまで待って最終ホーム手前で主導権を握る。しかしながら、高橋ラインを追った深谷が、3番手にすっぽり収まる。絶好のポジションをキープした深谷は、2コーナーまくりで人気に応えた。
 「(高橋)晋也は絶対に行くと思ったし、あの展開は自分にはやりやすかった。(感じは)良くない。不利な状況を力でねじ伏せられるっていう感じではないので、相手の動きを利用してでした。調子は悪くない。でも、キレがイマイチ。受けて立つっていう感じではないですね」
 深谷の踏み出しにわずかに遅れた坂口晃輔だったが、2着に流れ込んだ。
 「深谷がめちゃくちゃ落ち着いていた。慌てたのは僕と周りですね。なんとかですけど、付いていけて良かった。ただ、(深谷に)あれ以上キレられたら、僕はもう…」

9R

選手の写真です。
平原康多選手
 打鐘手前で一度切って出た平原康多(写真)が、小松崎大地ラインを受けて4番手に入る。最終ホーム手前で郡司浩平が仕掛けて、山崎芳仁のけん制を乗り越える。しかしながら、郡司はいっぱい。3コーナーからまくり追い込んだ平原が、突き抜けた。
 「(レースの)イメージがわかなく難しかったけど、1回はハナを切って動かしてとは思っていた。このバンクで後方になったら、2着までは絶対に入れないっていうのがあった。(郡司が)のみ込むような感じだったんで、自分のタイミングで必死に踏んだ。昨日(2日目)までピリッとしなくて、シューズをいじったりしてたけど壊れてしまった。それで(準決は)もう1つのシューズで走ったのが良かったのかもしれない」
 平原マークの芦澤辰弘が、内の和田健太郎に先着して初めてGIファイナルのキップをつかんだ。
 「平原さんの後ろですべて出し切ろうっていう気持ちと、どこかで冷静にいられる気持ちがあるようにと思って臨みました。何度かGIの準決がありますけど、振り返ると今日が一番落ち着いていたかと。ゴールした瞬間は、言葉に表せる感じじゃなかった」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 打鐘前に飛び出した山田久徳が積極策も、前受けから8番手まで下げた松浦悠士(写真)が最終ホームから巻き返すと、勢い良く前団をのみ込んだ。
 「初手で前からなら巻き返しも効くと思った。しっかりホームの向かい風で詰めながら仕掛けられて良かった。迷わずに仕掛けないと命取りになるので。加速は最高に良かったと思います。後ろから勢いをつけて行ったし、しっかり踏み切って先頭に出ようと。このメンバーで自力で勝ち上がらないと、脇本(雄太)さんを倒せないので」
 最終4コーナーで外を回した稲垣裕之が、2着に食い込んだ。
 「松浦君もいたし、京都で結束してなんとかしようと。松浦君に行かれたあとはなんとか対処できたと思う。今開催は日に日に手応えをつかめている。高松宮記念杯は近畿のGIという気持ちなので、気持ちではどこにも負けていない」

11R

選手の写真です。
新田祐大選手
 5車で1つにまとまった北日本ラインは、佐藤慎太郎がスタートを出て前団を占める。渡邉雄太も上昇するが、赤板過ぎに誘導を交わした櫻井正孝が主導権を譲らない。そのまま櫻井は緩めることなく逃げる。最終ホームで8番手の渡邉が仕掛けるが中団まで。新田祐大(写真)は2コーナー手前から番手まくりを打つ。北日本5番手の佐々木雄一も渡邉をさばいて続き、別線は圏外。新田が1着で今年の初勝利を挙げた。
 「(番手から仕掛ける場所は)決めてなかったけど、櫻井君の頑張りをムダにしないようにっていうのがありました。北日本は5車だったので、(上位を)独占してゴール勝負ができるように。自分の感覚としては良くなってきているので、決勝が楽しみです」
 流れ込んだ佐藤慎太郎は、新田との車単190円の断然人気に応えた。
 「僕は付いていっただけの2着。ラインのおかげでありがたい。準決の今日が一番余裕があったけど、まだ修正が必要ですね。修正するところ? 気持ちですね」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 後ろ攻めの脇本雄太(写真)が、赤板の2コーナーからスパート。懸命に抵抗する松岡健介を最終ホームで叩いて主導権を握る。これで別線はなす術なし。稲川翔、南修二を連れ込み、圧倒的な人気に応えた。
 「昨日(2日目)の分も含めてラインで決めたいって思っていた。同じナショナルチームの河端(朋之)さんを意識しすぎて、仕掛けが遅くなってしまった。体は動けているし、反応もできているが、疲労は少したまってきたかな。明日(最終日)に向けてリカバリーをしたい」
 脇本マークの稲川翔が、しっかり続いて2着を確保した。
 「昨日(2日目に脇本との連係を)失敗しているし、2日連続の失敗は許されないと思ったので緊張した。初日は感じ良くて、2日目はああだったので、調子は把握できかねるけど、気持ちはグッと入りました」