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UTSUNOMIYA KEIRIN

24#

検車場レポート

  • 5/18 Wed.  (前検日)
  • 5/19 Thu.  (1日目)
  • 5/20 Fri.  (2日目)
  • 5/21 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 皿屋豊(写真)は、前回のダービーで1勝。500バンクは一昨年2月の大宮FI以来となるが、自信のほどはどうか。
 「ダービーは成績ほど(感じが)良くはなかったと思うけど、開催を通してしっかり動けていたとは思います。ここまでは調整しながら練習もできた。500バンクは得意だけど、ずっと走っていないので不安もある。宇都宮も初めてだし、本当は前半のレースを見て考えたかったけど、1レースですからね。指定練習でしっかり感覚を確かめたいですね」
 上野雅彦はこれが5度目の記念参戦。9車立てに対応できるかどうかが、鍵となってきそうだ。
 「宇都宮を走るのも、1レース1番車なのも初めてです。9車立てにも慣れてきましたね。武雄記念も初日はバタバタしたけど、まだその時の9車の感覚が残っています。まだ記念では二次予選より上に上がったことがないから勝ち上がりたいですね」

2R

 伏見俊昭は地元、平でのGIは未勝利ながら、初日は外々を踏み上げて2着に突っ込むなど動きは良好だった。初日の一次予選は、同県の酒井雄多の番手を回ることになった。
 「ダービーは悪くはなかったですね。初日は厳しい展開でもしのげてましたから。だから、2走目以降がもったいなかった。中9日あったので普通通りに練習してきました。初日は2車になるけど、同県の酒井君の番手。(阿部)拓真とも何回も連係しているし、いつも頑張ってくれるから自分が3番手っていう思いもあった。けど、点数差もあるし同県の間には入れないって拓真の気持ちもあって、こうなりました」
 酒井雄多は4月伊東FIは初日予選敗退も、2日目から立て直してシリーズを連勝で締めた。そこから2週間以上空いて上積みも見込めそうだ。
 「伊東は、ギリギリまでハードに練習していたから、疲れが抜けたのが最終日だった。今回は先週末までハードに練習して、ここ3日くらいは調整を入れて、伊東の時と同じにはならないようにしてきました。500バンクは嫌いじゃないですよ」

3R

 大槻寛徳は前回のダービーでゴールデンレーサー賞へと進んだが、準決では新山響平と連結を外してしまい5着敗退。反省を踏まえてこう語る。
 「一瞬の判断ミスで(新山)響平に迷惑を掛けてしまった。油断していた訳ではないけど、あのクラスだとちょっとしたミスが命取りになる。決勝に乗れていてもおかしくない展開だったので…。体自体は問題なかった。次に向けてしっかりと練習してきました」
 恩田淳平は4月川崎記念で優出など、上昇気流に乗れている。
 「自分が思った状態をキープできていると思います。上積みのある練習を結構がっつりやってきたので、少しオーバーワーク気味かな。宇都宮は特に好きとかはないんですけど、成績はいいですね」

4R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は3月ウィナーズカップ以来で、当所に登場する。現在は、先を見据えて練習面の見直しを図っているようだ。
 「先月の(前々回の)久留米が終わってから、成績が悪いし何かを変えないとと思って練習方法とか、ケアの仕方を変えました。ダービーはそれに体が対応できていなくて、ずっと違和感がありました。状態は良いと思うんですけど、不安な面もあります。500バンクは得意ですね。高知記念も決勝に乗ったし、ウィナーズカップも成績はあれだったけど走りやすかったので」
 岩津裕介はダービーの後半2走は着をまとめたものの、勝ち上がりには失敗。本人ももどかしさを口にする。
 「体が動いてなかったですね。良くなかったですよ。(前々回の玉野記念の)落車の影響ですかね。ダービーに行く前からどうかなって思っていたんですけど、走らないといけないし、初日からメンバーも強烈でなかなか思うように対応できなかった。今回はそれ(落車の影響)がなくなるようにケアをしてきたつもりです」

5R

 ここでの競走得点トップは松坂洋平だ。ダービーでは自身も手応えを感じていたようで、今節も見逃せない。
 「あそこ(ダービー)に向けて調整していたので、(調子は)良かったですね。終わってからは一息ついて、練習はまた基礎から始める様な感じでした。500バンクは仕掛けどころが難しい感じがある。チャンスがあれば(先手争いにも)参戦できるようにしたいですね」
 村田雅一のダービーは一次予選敗退で、3走で帰郷。ただ、自身は着以上の感触をつかんでいる。
 「(ダービーの)感触は良かったですよ。新車もマッチしてたと思います。展開もあるんですけど、自分の中ではそれでも勝ち上がっても良かったくらい。ここまではモガき過ぎて疲れがどうかなって感じ。(藤井)栄二とは練習も一緒にするし、信頼して。後輪だけ見て、仕事したいですね」

6R

選手の写真です。
隅田洋介選手
 地元のトップバッターを務めるのは隅田洋介(写真)だ。前回の5月伊東FIは優勝こそ逃したが、随所で持ち前のスピードを発揮した。
 「(3月の)ウィナーズカップが終わってから、セッティングをいじってダメだった。戻したら良くなりましたね。そこから煮詰めて、さらに良くなったと思います。まあ、でも、調子自体は走ってみてって感じです。後ろが他地区でもいつも通りですよ。いけるところからしっかり自力を出して、(ラインの)3人で決まればいいですね」
 その隅田の番手を回るのは和田圭だ。
 「(ダービーは)油断していた部分もあったと思います。終わってからは疲れもあったので、乗り込み中心でやってきました。一からやり直した感じですね。隅田君(との連係)は初めてですね。でも、地元で気合も入っているし、強いのでちぎれないように頑張ります」

7R

 阿部将大は、2月高知GIIIで優勝を飾って以来で500バンクに登場する。ここ2場所はFI戦の優出が続いており、S級のテンポにも順応してきている。
 「調子はいつも通り変わらず。しっかり練習もできました。500バンクはS級では高知GIIIの1回だけ走ってます。高知は得意でしたけど、宇都宮は初めてなので。指定練習で確かめたい」
 *永澤剛は同県の箱田優樹に任せて臨む。前回のダービーは不本意な成績に終わっただけに、ここからまた巻き返したいところだ。
 「(ダービーは)自分の脚力が周りに追いついてなくて、もうレースがキツかったですよ。中10日あったので、びっちり練習はしてきました」

8R

選手の写真です。
森田優弥選手
 森田優弥(写真)は地元地区の先導役として、今節は大きな期待がかかる。心境の変化もあったようで、晴れやかな表情で検車場入りした。
 「ダービーでは気持ちに迷いがあった。でも今はもう大丈夫。神山(拓弥)さんと話をさせてもらって、気持ちが晴れましたね。練習は結構強めにやってきました。ホームバンクが大宮なので、500バンクには慣れています。宇都宮は走りやすいです」
 地元の磯田旭が、森田の番手を回る。3月の当所ウィナーズカップでは連勝を飾っており、地元バンクでは好走が目立つ。言葉少なに奮闘を誓った。
 「(ダービーでの調子は)普通でした。ここまでは順調に来られたと思っています。まずは森田君にしっかり付いていきたい。(森田とは)連係もあります」

9R

選手の写真です。
村上義弘選手
 村上義弘(写真)は19年の70周年大会の覇者。4月武雄記念は優出したが、直後のダービーは本来の走りは鳴りを潜めた。今節は巻き返しを図る一節だ。
 「武雄で(状態が)上がっているかなと思ったけど、(ダービーは)動かなかったかな。(結果が)出なかったことが精神的にも影響してガックリきた。なので、少し練習のペースを落として、体と気持ちを元に戻しながらやってきました」
 山田久徳は4月の地元、向日町FIで優勝を飾り、いいリズムでダービーへと臨んだが、3走目で痛恨の失格。ただ、落ち込むことはせずに前を向く。
 「(ダービーは)感触は悪くなかったけど、失格は残念でした。もう帰った次の日から練習しました。500バンクは仕掛けどころがわからなくてあまり好きではない。けど、なんとかなると思ってますよ」

10R

 ここは地元コンビが注目を集めそうだ。ラインの先頭を走る坂井洋は状態万全を強調する。
 「(ダービーは)着は良くなかったけど、脚の調子自体は悪くなかったですよ。しっかりここに向けて追い込んできました。もうずっとダービーとここに向けてって感じでやっていたので。体調も崩さずに来られたので、頑張りたいですね」
 金子幸央が坂井と強力タッグを形成する。直前の5月四日市FIでは完全Vを飾っており、ムードは最高潮だ。
 「(四日市は)ダービー組がいなかったので優勝を狙っていました。それで優勝できたので良かったですね。感触は良くも悪くも普通。練習もしっかりできたので。坂井君とは(昨年7月)小松島(記念)で2回連係して、どっちもいい着を取らせてもらってます」

11R

選手の写真です。
長島大介選手
 長島大介(写真)も地元勢の中核を担う一人。初日は神山雄一郎を背に、より一層気合を入れてレースに挑む。
 「ダービーは1着を2回取れてうれしかったし、動けていたとも思います。状態はいい意味で変わらないです。毎年この時期に地元記念があるのはわかっているので、しっかり調整できた。神山さんが走るときはいつもすごい応援だし、しっかり頑張りたい」
 神山雄一郎は当大会で3日制も入れて9度の優勝を誇る地元のレジェンド。着実に状態は良化しており、ファンの期待に応えたいところだ。
 「(前回の)決勝はなかなかうまくいかないなと思ったけど、感触は良かったですね。決勝は展開もあったししょうがない。体調も変わらずに持ってこられたと思う。初日は(長島)大介に任せるだけ。付いていけるかどうかの勝負なので」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 松浦悠士(写真)は二次予選敗退となったダービーを振り返り、悔しそうな表情を浮かべる。ただ、現状を受け止めて決して、悲観はしていないようだ。
 「ダービーは感触自体はそんなに悪くなかったけど、結果の通り、良くはなかった。状態とは違ったところで、バンクとの相性もあると思うんですけど、ある意味それも実力なので。対応していかないといけない。体とか、調子とかは悪くなかったし、終わってからもしっかり練習してきた。(宇都宮は)3月のウィナーズカップで走った時よりも暖かいし、もう1個スピードが出るのかなって思ってます」
 前回はダービー優出とはならなかった吉田拓矢だが、積極的な競走は目を引いた。「準地元」と表現する当所で、どんな走りを披露するか。
 「(ダービーは)いい走りもできたんですけど、準決は勝ち切れずに悔しかったですね。(最終日の逃げ切りは)自信になりましたね。疲れてたので、リフレッシュもしながら来ました。準地元(宇都宮)と、6月には地元記念も走れるので、もちろんどちらも優勝を目指していきたい」
 2年連続でダービー優出を果たした眞杉匠が、初めて地元記念に登場する。
 「調子は上向きでした。(ダービーは)去年よりもやれた。(決勝で)先行できましたからね。ただ、レベルが違い過ぎましたよ。しっかり練習してきたので調子は大丈夫。昨日(前検前日)までここ(宇都宮)で練習していました」
 

1R

選手の写真です。
渡邉晴智選手
 切った皿屋豊を上野雅彦が叩いて、打鐘4コーナーで先頭に立つ。四国ラインを追って南関勢が中団を確保。7番手に置かれた皿屋は、最終3コーナー過ぎから仕掛けるが進みは今一つで、中団の川越勇星も外を踏むが進まない。南関ライン3番手だった*渡邉晴智(写真)は、2センターから空いた内のコースを踏み込むと、最後は上野と堤洋の間を鋭く突き抜けた。3連単51万円超の特大配当で宇都宮記念がスタートした。
 「前の2人に任せていた。(1着は)たまたまですよ。運が良かったです。ゴールまで踏めている。そういうときは良い。弟子たちに時間を取られるのは使命だと思っている。だから自分の時間が減るのは仕方のないこと。弟子たちのおかげですね」
 上野の番手から直線で追い込んだ堤洋が2着。
 「あそこまで早く(上野が)駆けるのは想定外でした。上野君の強さは知っているから。めちゃくちゃ強かったですね。(最終)4コーナーで踏み直していっぱいだったけど、500バンクで(直線が)長いから早く踏んでもと思った。1着を取らないとって思い踏んだけど、渡邉さんがうまかった。4月が悪すぎてセッティングを見直して良くなった」

2R

 切って切っての流れの中で、酒井雄多は最終ホームから主導権を握る。バックでは隊列は一本棒。伏見俊昭は番手絶好の展開を生かし、ギリギリまで待ってから踏み込んでゴール前で抜け出した。
 「前を取って、順番が来たら(酒井は)いくって感じだったし、理想通りの展開でした。2車なので、内も空けられないし、車間も切れないから難しかった。それでも酒井君の強さなら残ってくれると思ったけど、別線勢が強かったですね。掛かり的にも誰も来られないとは思ったけど、来るとしたら大西(貴晃)君だと。でも村上(竜馬)君が来たのが見えたので、ギリギリまで待った。問題ないですね。うまく(脚が)回っているし、回りも見えている」
 道中で6番手に置かれた大西貴晃だったが、最終3コーナーからまくり追い込んで2着に食い込んだ。
 「組み立て的にはああなると思ってたけど、最悪の展開でした。でもホームが向かい風だったのでタレてくると思って、最後だけにかけていた。昨日(前検日)の指定練習よりも、今日の方が重かった。最終日に向けて仕上げていきたい」

3R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 前受けの高橋晋也(写真)は、すんなりと車を下げて7番手で最終周回へ。先頭でペースを上げた古屋琢晶に対して、高橋は1コーナーから巻き返す。圧巻のスピードでまくり切った高橋は、そのままゴールまで失速することなく、マークした大槻寛徳さえも振り切った。
 「引き切って(打鍾の)4コーナーで一瞬見ちゃったのは反省。(古屋ラインに)付いていってホームで出切れる感じでいければ最高でした。でも、すかさずいけているし、状態は悪くない。脚も最後まで踏み切れている。あの距離を踏めての1着は自信になった。師匠(飯野祐太)のおかげですね。ウィナーズカップが終わってから福島に戻って1、2カ月、合宿みたいな感じでずっと一緒に練習していた。それで点数もそうだし、気持ちの面でも良くなった」
 高橋マークの大槻寛徳が流れ込んでの2着。
 「自分が弱かったですね。差し目から売れていただけに申し訳ないです。(高橋が)すごい強かった。踏み直しがすごい。自分も思ったより伸びなかった。疲れがあったような感じがする。ただ、初日に重い時はこれまでもあった。明日(2日目)は誕生日なので、今度こそ頑張る」

4R

 切った関東勢を追って、伊藤旭が中団をキープ。取鳥雄吾は7番手に置かれる。取鳥が最終1センターから巻き返すと、伊藤は中団から合わせるようにしてまくる。合志正臣は伊藤に離れてしまい、岩津裕介は外に浮いた取鳥から伊藤にスイッチ。だが、2センターで接触があり山田義彦、金子真也、岩津、合志の4車が落車。逃げる幸田望夢を伊藤がまくった。
 「初手は中団で、中団、中団を回って取鳥さんを後ろに置いてタイミングが来たら仕掛けようと思っていました。(取鳥が)来たので、しっかり合わせて踏んだ。(岡山勢の競走得点は)109点と107点で、点数的にも格上と力勝負で1着が取れて良かった。今回の感覚は、ここ2、3場所と違っていいですね。合志さんがコケたのはショックだけど、また明日(2日目)も力を出し切りたい。初めての500バンクでの9車立てで、少し悩む部分もあったけど、今期は1着を全然取れていなかったし、それが記念の初日に取れたのは自信になる」
 岡山勢追走の今野大輔は、岩津後位から間一髪で落車を避けると、直線追い込んで2着に入った。
 「1番人気のラインだったので、自分はしっかり付いていくことだけ考えていました。とにかく岩津さんのお尻だけ見て走ろうと。落車は残念だったけど、なんとか僕は残れた。(落車を避けてからは)落ち着いて走れました」

5R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 前受けの松坂洋平(写真)は、中団から切りに来た鈴木謙太郎を一旦は突っ張る素振りを見せる。が、鈴木が強引に叩いて、松坂は車を下げる。藤井栄二は鈴木が出切ったところですかさずカマして主導権を奪取。出切った近畿勢と中団の鈴木は車間が空き、松坂は最終2コーナーから反撃を開始。抜群の加速でぐんぐんと車間を詰めていくと、直線での村田雅一のけん制もスピードの違いで越えて突き抜けた。
 「中団を取りたいと思ったから踏んで、鈴木君が引いてくれれば中団だけど、引いてくれず。でも、脚を使わせて出させれば、ワンチャンスあるなと。引いて前を見たら(近畿勢との距離が)遠くてヤバいと思ったけど、何とか届いて良かった。(最終)2センターぐらいで届くかなと思った。状態は悪くないけど、ダービーの方が脚の感じは良かった。今日(初日)で刺激が入ったから良くなってくれればいいな」
 松坂をマークした萩原孝之が2着に続いた。
 「(松坂が)いけたので良かったです。踏み出しでいけるなと思った。ゴール前で村田君のブロックもあって動きづらく見てしまった。それがなければ、もう少し迫れたかな。前回より状態はいいですね」

6R

 望月一成は、中団の下井竜にフタをしてから打鍾過ぎ2センターで踏み上げて主導権。下井もすかさず最終ホームから巻き返し、これを望月が突っ張ると下井は中団外で併走になる。中団でかぶってしまった隅田洋介は、中のコースをこじ開けていく。2センターでは松崎貴久の押し上げがあって2車が落車。落車を逃れた隅田は外を踏んで突き抜けた。
 「500バンクなので、前を取っていけるところからって感じでした。(フタされて)ああなれば、前でやり合ってくれて、前が併走で短くなればいきやすいと。でも、終始外にいて。どかすような速度差でもなかった。地元なので気持ちも入っていたから狭いところを突っ込んだ。気持ちが入って臨めているのでいいと思う」
 最終2センターで和田圭が落車してしまうと、間一髪で内に落車を避けた佐藤和也が隅田を追うようにして2着に突っ込んだ。
 「状態は最高にいいですね。2場所前の武雄の落車でいいフレームが壊れて、ダービーはダメなフレームでいってしまった。でも、今回は家にあったいい時のフレームと寸法がまったく同じモノを持ってきた。前回よりも体もいいですね」

7R

選手の写真です。
坂本健太郎選手
 前受けの阿部将大は一旦は7番手まで下げるが、打鍾過ぎ2センターからすかさず反撃を開始。先頭の松本貴治をあっさり叩き切る。箱田優樹が追い上げて中団がもつれ、完全に九州勢のペース。番手絶好の坂本健太郎(写真)がゴール前で差し切った。
 「阿部君はいい先行ですね。抜けているから脚も問題ない。街道でのモガきは戻ってきたが、バンクでの感じがなかなか戻ってこない感じですね」
 別線完封の逃げを打った阿部将大が2着。ライン上位独占をメイクした。
 「前を取って、切って切ってのところをすかさずいこうと。坂本さんが余裕を持っていて、くわれた感じですね。しっかりと踏めている。風は(もっと)強く吹いて欲しいぐらいですね。気にならないタイプなので。9車立ては流れてくれるからやりやすいですね」

8R

 小笠原光が押えに動くと、山口敦也は番手でイン粘り。後位がもつれて小笠原が流した隙を逃さず、森田優弥がカマす。最終1センターでは小笠原が自らバランスを崩して落車してしまい、磯田旭と森田が2車で出切った時点で勝負あり。最後は森田が磯田の追撃を許さずに逃げ切った。
 「前からでも中団からでも作戦を考えていたし、落ち着いていけました。付いていって叩こうと思っていたけど、4番(山口)が意外な動きだった。落ち着いていけましたね。体も軽くて、最後まで踏めました。(前回よりも)断然いいです」
 地元の磯田旭が森田に続いて2着。
 「森田君にすべてお任せになっちゃいましたね。ちょっと緊張しているかなって感じです。栃木勢はいいメンバーなので、いい成績をと思って緊張がある。でも、今日(初日)に関しては森田君が強かった」

9R

 切った内山雅貴は、一旦は関東勢を出させて中団に入るが、小畑勝広が流しているのを見ると最終ホーム手前から一気に叩いて出る。田中晴基がさばかれて、逃げる内山の後ろに小畑が入る。脚をためた山田久徳はバックから仕掛けるが、小畑に合わせられまくり切れない。それでも外を踏み続けた山田に惰性をもらった村上義弘が、中のコースをこじ開けて突き抜けた。
 「(最終)バック、3コーナーであおりを受けて外を回される感じになり、(山田)久徳も伸びると思ったけど、逃げていた内山君も強かった。でも、何とか届いて良かった。体の状態が日替わりで、自分でもコンディションを把握しきれていないところもある。でも、しっかりとケアをしてできる限りのことをして、残り3日間全力を出したい」
 小畑を叩き切った内山雅貴だが、マークした田中晴基が離れて援護を失った。それでも内山は力強く踏み直して、2着に逃げ粘った。
 「後ろからのスタートは嫌だったけど、車番が車番なので、仕方ないなと。練習の方が力強い走りで粘れているから、(最終)4コーナーから練習の感じを出せれば良かったんですけど。直前にみんなと練習し過ぎてしまった。でも、ケアできるので。初日がキツくて脚的にも苦しいので回復させたい。500バンクだけど、仕掛けは早めにいかないと危険な感じがする」

10R

選手の写真です。
坂井洋選手
 中野雄喜は仕掛けを遅らせ、打鍾過ぎから動いて坂井洋(写真)を押える。中近勢を追った近藤隆司は、坂井にフタをするように中団外で併走して最終周回。近藤が2コーナーから仕掛けると、内に詰まった坂井は中を突っ込む。4コーナーで近藤を内から交わした坂井が直線で抜け出した。
 「(中野が)遅めに来たので(突っ張るか)迷いましたね。コンリュウ(近藤)さんなら突っ張ってもいいかなと思った。でも、中野さんを突っ張ったらコンリュウさんがサラ脚になる。中野さんが押えてコンリュウさんが叩いたところをすかさずいくイメージだったけど、叩いてくれなかったですね。中をいくしかなかった。調子はいいとは言えないです」
 近藤のまくりに乗った武田憲祐が、最終4コーナーから外を踏み込んで2着。
 「坂井君を後方に置いて、中団を回れればって思ってました。坂井君が(内に)詰まっている状態だったので、(近藤は)いけるけど、いかないような感じだった。(自分は)踏むのが早いタイミングだったけど、内から坂井君が抜けたのが見えたので踏ませてもらった。踏むのは早かったけど、車は出てるからいいと思います」

11R

選手の写真です。
松村友和選手
 打鍾前に原口昌平が押えに動くが、前受けの長島大介が突っ張って出させない。原口も下げず、両者で激しいモガき合いに発展。脇本勇希は踏み合う両者の決着が付く前に最終ホーム前から仕掛ける。2コーナー手前で脇本と松村友和(写真)の2車で出切ると、最後は松村が絶好展開を生かして差し切った。
 「(別線が踏み合ったのは)想定外でびっくり。ただ、そこを脇本君がうまく対処してくれた。精いっぱいラインで決まるようにと思って走った。前回からセッティングを変えて良くなってきて、戦える状態になっている。やっぱり9車立ての方が得意だし、走っていて楽しい」
 好展開を逃さず仕掛けた脇本勇希が2着で勝ち上がりを決めた。
 「中団から切って切ってで、ペースに入れて先行できる組み立てをしようと。でも、前がやり合っていたから、やり合っているうちにいかないとと思っていった。出切るのに脚を使って(最終)2センターからタレてきたけど、なるべく我慢して踏み切るようにした。500バンクは先行だけでみるといいイメージはないけど、前回の高知で最後まで踏み切れていたし、いい感じだと思う」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 5番手から押えた眞杉匠が、そのままペースを上げて先行。初手から関東勢を追っていた単騎の古性優作は、最終1センターからまくり上げる。眞杉マークの吉田拓矢(写真)は、前と車間を空けつつ、古性を外に張って援護。古性の勢いが鈍ると、吉田は空けた車間を詰める勢いのままにゴール前で抜け出した。
 「眞杉君は本当にいい先行をしてくれました。古性さんが早く来て、流石と思った。でも、眞杉君がすごい掛かってて、カバーしやすかった。(ラインで)ワンツースリーなら最高でしたけど。眞杉君は脚があるから残ってくれたと思う。状態はいい感じですね」
 地元の眞杉匠は、名だたる強豪を封じて2着に逃げ粘った。
 「(初手は)中団か後ろ、後ろなら遅らせて切ろうとした。踏み合う感じではなかったので(先行しやすかった)。流しながら駆けて、来たタイミングで踏んで。ちょっと重かったかな。朝の指定練習の感じから重かったんですけど、いいアタリがついたと思う」
 吉田のけん制で勢いの止まった古性優作だが、粘り強く外々を踏み続けて3着に食い込んだ。
 「初手はどうなるかわからなかったので、とりあえず眞杉ラインからと思ってました。吉田君が気づく前に乗り越えられれば良かったけど、一瞬で気づかれた。乗り越えようとずっと踏んでいたけど、いっぱいいっぱいでした。ちょっと良くないですね。しっくりこなかったです」

6R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 打鍾で阿部将大が切った上を森田優弥が押えるも、さらに阿部拓真が最終ホーム手前で切る。そこを阿部将が叩いてペースアップするが、九州勢の動きに乗った取鳥雄吾が1センターからまくりで襲い掛かる。取鳥が阿部将を力でねじ伏せて、最終バック過ぎには小倉竜二(写真)と2車で出切る。最後は小倉が計ったようにゴール寸前で取鳥を差し切った。
 「4分戦だったので、後ろから押えたら後方になると思って前を取った。取鳥君の脚質的にも、一発脚というか、前を取って引いて一発の方がいいと思った。みんな切って切ってで、一本棒にはならないと思ってたので前を取って正解でしたね。取鳥君のタイミングで、一番スピードの出るタイミングでいってくれた。そこまでタレなかったし、逆に踏み直されたね。(新車は)流れが前よりもあるので悪くない」
 初日の5着で状態が不安視された取鳥雄吾だったが、ここは持ち味のスピードを発揮。ラインワンツーで勝ち上がりを決めた。
 「今日(2日目)はもう、小倉さんが取ってくれたところから精一杯頑張るってだけでした。昨日(初日)は弱すぎてA級が見えるくらい。脚的には90点くらいしかなかったと思う。でも今日は小倉さんのおかげで2着で、心が回復しました。まだ最低のラインだと思うし、松浦さんと話しながらもっと自転車に乗れるようにしていきたい。今日は好きな宇都宮の感じだったし、このバンクコンディションが続いてくれると嬉しい」

7R

選手の写真です。
坂井洋選手
 村上竜馬、伊藤旭の順で切り、最終ホーム手前で内山雅貴が叩く。前受けからすんなりと車を下げていた坂井洋(写真)は、すかさずカマして1センター過ぎに内山を叩き切る。坂井は巧みなペースでそのままゴール前まで失速することなく、地元記念で連勝のゴールを駆け抜けた。
 「スタートは前か、前中団からでした。あとは順番が来たらいこうと。自分の所だけが3車だったので。仕掛けるときの反応も悪くなかった。早めに踏み上げていればラインで決まったかもしれないが、余裕がなかった。決していいとは言えない状態ですね。気持ちと脚に余裕が欲しい」
 坂井ラインのカマシを追った伊藤旭は、追い上げた勢いのままに最終バック過ぎに内に切り込んで磯田旭と絡む。伊藤マークの中本匠栄は4コーナーから外を踏んで2着に食い込んだ。
 「伊藤君はスピードがあって自在に走れるので、前々で勝負すると思っていた。坂井君が早めに巻き返してきて、考えていた中で最悪のパターンだった。それでも内をキメながら踏んでくれてチャンスが出た。伊藤君の動きはすごかった。目の前からいなくなりましたからね。伊藤君と磯田君の勝負を見てから踏んだので(1着に)届かなかった」

8R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 打鍾で望月一成が上昇し、単騎の松村友和が南関ラインを追う。隅田洋介は打鍾過ぎ3コーナーで佐藤愼太郎の内に差し込んでしまって立ち遅れ、前受けから4車を受けた山口拳矢(写真)がすんなりと5番手を確保する。山口は隅田を警戒しつつ、前と車間を切って仕掛けのタイミングをうかがうと、最終バック付近から車間を詰めていく。圧巻のスピードで前団を飲み込んだ山口が、上がり13秒4の好タイムで1着を手にした。ゴール後の接触で落車してしまった山口だが、共同会見場に姿を現してインタビューに応えた。
 「色々とパターンは考えたけど、スタートは前か、中団からでしたね。隊列が早めに整えば、いこうと思っていた。でも隅田さんがフタされていて、内から来られるかなと思って、そこも警戒しながらでした。思ったよりも車間が空いたけど、いけるなって感じはあった。(ゴール後の)落車はまさかでした。フレームは大丈夫です」
 山口マークの皿屋豊が、ゴール前で迫って2着。
 「山口君を全部信頼して、後輪だけ見て付いていきました。脚の感じはすごい、いいですね。最後は迫れているし、抜いたかなと思ったくらいだったので。あんなにすんなり中団を取れるとは思わなかった。隅田君と中団争いになることも考えていたし、ヨコの動きも覚悟していたんですけどね。今日(2日目)はタテ脚だけの勝負だったので楽でした」

9R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 打鍾で切った松浦悠士(写真)を、小畑勝広が叩く。高橋晋也が2センターで早目に巻き返すと、小畑が突っ張ってレースは一気にペースアップ。高橋が小畑を叩き切るが、小畑マークの金子幸央は最終2コーナーで伏見俊昭をさばいて高橋の番手に切り替える。金子は松浦のまくりに合わせて番手から出ようとするが、スピードに乗った松浦がその上を飲み込んで1着でゴールした。
 「スタートは前よりも後ろが良いなと。高橋君も、小畑君も、どちらも先行態勢に入る意欲のあるタイプ。踏んで(打鍾過ぎ)2センターで出させて勝負しようと。伏見さんが金子君にさばかれて、落ち着く前に仕掛けないと金子君の二段駆けもあるからその前に乗り越えたかった。今日(2日目)はかなりよかった。金子君に引っかけてバランスを崩したけど、自転車と体がマッチしているから踏み切れた」
 金子幸央は松浦には上をいかれたものの、外の堤洋と、内の渡部幸訓の強襲を体を当ててしのいで2着に入った。
 「小畑君の気持ちに応えられるように頑張った。松浦さんも、高橋君も、強い自力なのでかなりドキドキしていた。何が何だかわからない感じで、小畑君が逃げてくれてがむしゃらでした。体の状態は非常によい。気持ちだけですね。脚よりも気持ちで頑張っている感じ」

10R

選手の写真です。
眞杉匠選手
 後ろ攻めの酒井雄多は、中団の眞杉匠(写真)にフタをしてから打鍾過ぎ2センターで踏み上げて前に出る。外が開けた眞杉は、すかさず巻き返して最終ホーム過ぎに酒井を叩く。が、酒井は宿口陽一の内で車を下げずにイン粘り。内で競り勝った酒井が番手を取り切ったが、お構いなしに眞杉はそのまま逃げ切った。
 「いつも通りのスタイルでいこうと思ってました。すかさずいったんですけど、粘られちゃって。昨日(初日)よりも全然いいですね。最後まで踏み抜けたと思います。原口(昌平)さんが来たと思って踏み上げたけど、もう少し待ってもよかったかな。でも、それで叩かれたら終わりだし、難しいですね」
 気迫のレースで眞杉の番手を奪った酒井雄多が、2着で勝ち上がりを決めた。
 「車番通りの並びになるかと思ったけど(初周で)原口さんをしゃくったら、そのまま原口さんが前を取ったので想定外でした。あの並びになって、フタをしてから駆けて眞杉君を合わせる脚はないので、全開で踏んでスピードが合ったところで勝負だなと。1コーナーで流してくれたので宿口さんのところで勝負しました。風は切ってないけど、昨日(初日)よりも今日(2日目)の方が(状態は)よかった」

11R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 5番手から上野雅彦が先に動いてインを切り、その上を藤井栄二が叩いて先行態勢。近畿勢に乗った幸田望夢が最終ホーム手前から間髪入れずにカマすと、藤井も全開で突っ張る。両者の踏み合いを見た松坂洋平(写真)は、2コーナーから好回転でまくり上げる。外の幸田をどかした古性優作だが、対応が遅れてしまい松坂のまくりは止めきれず。まくった松坂が近畿勢を粉砕した。
 「スタートは前か、前中団を考えていた。上野君と藤井君がモガき合うのかなと思っていたけど、その展開にならず。みんないきっぷりいい選手だから、みんなどこかで駆けるから一発狙えればと。古性君も番手から出るような感じではなかったですね。初日よりいいです。体が軽い。踏んだ感じがよかった」
 3着の古性優作は村上義弘との2車単が断然の人気を背負っていただけに、レース後は反省に終始した。
 「スタートは後ろからが作戦でした。ただ、ただ、下手でした。ホームで自分の技術不足でタイミングも遅れて、あの態勢になって技術不足でラインに迷惑をかけた。初日が終わってからも言ったけど、一体感がなくて。今日(2日目)に関しては技術不足。体と自転車を調整してマシにはなったけど、今日はお客さんに迷惑をかけてしまった。明日(3日目)取り返せるように頑張る」

12R

選手の写真です。
坂本健太郎選手
 切った近藤隆司を脇本勇希が叩くが、松本貴治がすぐさま巻き返して最終ホームで主導権を奪う。前受けから7番手に下げていた吉田拓矢は、松本ラインの動きは追わずに、1コーナーから反撃を開始。だが、村田雅一のけん制のあおりもあって本来のスピードには乗せられない。なんとかあおりを乗り越えた吉田は、4番手の脇本を内からすくって2センターで車を外に持ち出すが、逃げる松本と車間を切っていた坂本健太郎(写真)も詰める勢いのままに抜け出しを図る。直線で伸び勝った坂本が1着で、最終レースは波乱の決着となった。
 「奇跡ですね(笑)。初手は外枠の人たちが前を取ったら後ろになっちゃうし、後ろになったら押えても隊列が一周しちゃうと思った。それよりも前の方がいいと思ったので、スタートは出てみて、2番目の位置を選んだ。(松本は)一周くらい(駆けること)は用意していたんだと思う。もうちょっと遅め(の仕掛け)ならうまく決まったと思う。掛かりもよかったし、自分も後ろはよく見えていた。吉田君が後ろにいるのも分かったし、ヤバいなと思っていました。踏み勝てるとは思わなかったですよ。(松本)貴治の頑張りと、自分の調子も上がっているんだと思う」
 2センターで長島大介の内をすくった恩田淳平が外から強襲して2着に入り、吉田拓矢は3着。レース後は組み立ての反省を述べた。
 「前を取って力勝負しようと思っていたんですけど、いくところが悪かったです。(最終ホームで)見ちゃった。仕掛けたところも、近藤さんに合わされながらいってしまったし、後ろに迷惑をかけた。守りに入ってしまいました。力み過ぎてフォームが崩れちゃったので修正したい。感覚的には問題はないんですけど、組み立てが悪い」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
大槻寛徳選手
 打鍾手前から上昇を開始した山口拳矢に対して、取鳥雄吾は突っ張る素振りを見せるが、それでも山口が強引に切って先頭に立つ。そこを金子幸央が押さえ、酒井雄多が最終ホームで叩く。7番手に置かれた取鳥雄吾は、2コーナーから巻き返す。スピード良く迫った取鳥だが、その勢いは3コーナーで止まってしまう。取鳥マークの松浦悠士(写真)は、2センターで取鳥の内に進路を取ると、直線鋭く伸びて1着まで突き抜けた。
 「スタートは他の人が取りにいく感じでもなかったので、前でもいいかなと思ってました。(打鍾で取鳥は)スイッチが入ったかと思ったけど、山口君がそれでも踏んできたので、引く判断になったのかな。踏み出しがかなり良くて、いってしまうかと思ったけど、山口君を突っ張ろうとした分いけなかったんでしょうね。(最終)2センターで取鳥君の後輪が滑ったので、狭かったけど内にいった。バンクも昨日(2日目)よりも重かったけど、グリップが効いている感じで大丈夫でした」
 逃げた酒井を利して、大槻寛徳(写真)が2着に入った。
 「スタートはとりあえず出てみて、松浦君がくれば出させてって思ってたので、理想の並びでした。酒井君は、今日(3日目)は力勝負をしたがっていた。取鳥君とか山口君が(まくって)くるかと思ったけど、すごい掛かりで。残るような感じの掛かりだったし、自分は2車で余裕がなくて難しかった。ハンドル幅が狭かったのを少し広くして、部品を変えた。昔に戻した感じなんですけど、それがいいですね」
 最終ホーム手前で切って好位を確保した金子幸央が、2センターから車を外に持ち出して3着に突っ込み、初めての地元記念ファイナルへと進出した。
 「隅田(洋介)さんと2車でしたし、いけるところからいこうと思っていました。(打鍾で)取鳥君が踏んで、突っ張る感じだった。もし山口君が踏みやめても、その後を叩こうと構えてました。叩いて先行でもいいと思ったけど、酒井君が来たので落ち着いて。でも、後ろに山口君と、取鳥君がいたのでドキドキしてました。3コーナーでズバッといければ良かったけど、モコモコしてしまって力不足でした。地元記念の決勝は初めてなのですごい嬉しいです」

11R

選手の写真です。
中本匠栄選手
選手の写真です。
中川誠一郎選手
 周回中は3番手のポジショニングだった古性優作は、打鍾で先に動いて坂井洋を切る。この動きに乗った中川誠一郎は、打鍾過ぎ2センターで古性を叩く。前受けから下げ切った坂井洋は8番手で構えて、中川がペースを上げて隊列は一本棒で最終周回へ。4番手の古性は2コーナーの入り口から仕掛けるが、これを中本匠栄(写真)がブロック。古性の勢いは止まり、後方の坂井もまくれない。最後は中本が中川を鋭く差し切って、九州勢で確定板を独占した。
 「スタートは取れた位置からで、あとは中川さんに任せてでした。中川さんのおかげです。(最終)2コーナーで古性君が仕掛けてきたのが見えて、けん制して坂本(健太郎)さんも張ってくれて(古性の)タイミングが遅れてブロックしやすくなった。タイミングが良かったですね。たまたまですけど。合志(正臣)さんにセッティングをみてもらって、断然良くなった」
 当所のバンクレコードを持つ中川誠一郎(写真)が本領を発揮。グランプリ王者と、地元の若手を相手取り、別線完封の逃げを決めた。
 「古性君の先切りは予想外でした。でも、それで僕に展開が向いた。切った時点で9割(先行する)腹を括った。今日は脇本(雄太)スタイルでいくと決めていたので、シッティングで踏み上げた。展開が向いて良かった。今日は良かったですね。(初日、2日目と)2日間良くなかったですけど。展開が向いて良かった。(ラインが)3車でピリッとしましたね」
 九州ライン3番手の坂本健太郎が道中はきっちりと内を締め、最後は外を踏んで3着に入った。
 「1着まで狙っていたけど、甘かった。スタートは、最悪中団が取れればラッキーと思ったけど、坂井君は2車で前受けだろうし、古性君も中団を譲ってくれるわけないしで後ろからで。中川さんのスイッチが入りましたね。古性君と村田(雅一)君が(内に)入ってきそうでロックオンされたから注意していた。今回はラインに助けられている。調子はまずまず」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
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眞杉匠選手
 後ろ攻めの阿部将大は、3番手の眞杉匠にフタをしてから打鍾過ぎ2センターで踏み上げる。阿部ラインに単騎の2名が続いて、眞杉の視界が開けたのは最終ホーム前。すかさず巻き返した眞杉はぐんぐん加速してバックで阿部を捕らえる。まくられた阿部は眞杉マークの吉田拓矢(写真)に3コーナーで絡むが、吉田がこらえて番手を死守。ゴール手前で吉田が眞杉を差し切った。
 「阿部君の先行を(眞杉が)力ずくでいくって感じでしたね。すごい掛かりでした。僕のところを狙ってくると思っていたので、そこは死ぬ気で守ろうと思ってました。眞杉君を駆けさせてまくるのは厳しいだろうし、僕か、恩田(淳平)さんのところが狙われると思って覚悟を決めて走っていました。小倉(竜二)さんが見えたんですけど、焦らないでワンツーが決まるように踏んだ。昨日(2日目)迷惑を掛けているので、1着が取れて良かった。体と自転車がマッチしていない気がするので、自転車を微調整したい」
 豪快にまくった眞杉匠(写真)が2着で、初の地元記念で決勝進出を決めた。
 「地元なのでお客さんが熱かったですよ。フタされるのは想定していたし、想定内のレースでした。連日、日に日に良くなってる。最終日にもっと良くなるようにしっかりクールダウンしたい」
 阿部は吉田にキメられてしまうが、小倉竜二は恩田淳平をさばいて栃茨両者にスイッチ。3着に続いた。
 「(阿部は)眞杉君にフタをしてから駆けて、(眞杉が)来たら飛び付くなり、何でもするって感じでした。阿部君とは一緒に走ったこともあるし、レースを見てもセンスのある選手だと思ってた。(最終)3コーナーで吉田君を持っていっていたし、もうちょっとで取り切る感じだったね。先行している分きつかったんだろうけど。初日は重かったけど(新しい)フレームにも慣れてきた」