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TOYOHASHI KEIRIN

45#

検車場レポート

  • 8/18 Fri.  (前検日)
  • 8/19 Sat.  (1日目)
  • 8/20 Sun.  (2日目)
  • 8/21 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
中井太祐選手

 中井太祐(写真)は6月武雄、7月四日市で連続優勝を飾ったが、その後の2場所は落車、失格と流れが悪い。


 「前回(弥彦記念)の失格は本来の自分の動きではなかったですね。奈良の落車は擦過傷と打撲で、もう大丈夫です。練習もしっかりやってきたし、感じもよかったです。ここから仕切り直しですね。悪い流れを変えられるように頑張ります」


 中島将尊は伸び盛り新鋭。S級のペースにも慣れて、結果が出始めている。


 「たまに、いいレースができるようになってきました。まだ、あまり警戒されてないのもあるんですけどね。脚力的にはまだまだと思ってます。前回(西武園)も負け戦ですけど、いい走りができました。終わってから自分になりにしっかり練習もしてきました。初日を突破したいですね」

2R

 小橋秀幸は今期に入って1度も初日の予選を突破できていない。今回こそはの気持ちで臨む。


 「最近は予選でほとんど負けてますからね。さすがにそろそろ点数を上げないといけない。調子は問題ないんですけど、自分で負けるような走りをしている。人の後ろのほうが気持ちは楽だけど、成績は前のほうがいい。後ろ2人に任されたので、自力でしっかり頑張ります」


 小川祐司は前回の四日市から中2日。急な追加参戦でも力を出し切る。


 「四日市の2日目のアップ中に追加が来たので、びっくりしました。ここ1カ月ぐらいは自転車、セッティングを試行錯誤しながら走ってます。四日市は着以上に感触はよかったです」


 

3R

選手の写真です。
岡本総選手

 今期からS級に上がった岡本聡(写真)は予想以上に善戦している。初の地元記念でファンにアピールする。


 「S級でここまで走れるとは思ってなかったです。特に変わったことはしてないんですけどね。前回の弥彦記念ももしかしたら3日で終わるんじゃないかと思っていたんですけど、最終日まで走れて、しかも1着が取れました。結果が出ているので自信になってます。初めての地元記念でめちゃめちゃ気持ちは入ってます。練習もしっかりやってきたので状態もいいです。初日は緩んだらしっかり行くつもり。最低でも中団は取ります」


 鈴木裕は相変わらず成績の波が激しいものの、タテ攻撃の破壊力は健在だ。


 「最近はあんまりよくないですね。でも、しっかり動くことはできている。前回(川崎ナイターGIII)はちょっと疲れが出ました。豊橋は相性がいいバンクなので、しっかり力を出し切ります」


 

4R

 ここは伊早坂駿一、神田龍と注目の若手機動型が激突する。伊早坂駿一は開口一番「やりづらいです」。ここ2場所連続で決勝に進出するなど調子は上向きだが、神田の存在には警戒心を強める。


 「最近は決勝にもけっこう乗れるようになってきた。力を出し切れるようになってきました。5月函館記念から使ってるフレームも合ってますね。相性がいい。まずはしっかりと自分の競走ができるように頑張りたい」


 神田龍もメンバーに伊早坂の名前を見つけると「強烈ですね」とポツリ。しかし、前回の8月京王閣では無傷で優出するなど近況は伊早坂にも負けないパフォーマンスを見せている。


 「いい感じです。特に変わったことはないけど、6月大垣のエボリューションでいい感じだったので、終わってからセッティングを競技用に近づけた。そしたらいい感じでした」

5R

 西村光太は7月弥彦記念で優出するなど、直近の競走得点は107点オーバー。ここは追加参戦だが、状態も問題なさそうだ。


 「今回は追加だけど、間も空いてたので。けっこう練習してて、ワンクール終わったぐらいで連絡が来たので受けました。疲れもないですね。最近は安定しているけど、もうちょい高いところに行きたいし、もうちょっと自力を出したり、長い距離を踏みたい。今回も何がやりたいかわかるようなレースがしたいです」


 村上直久は2月小田原の落車で鎖骨骨折してから、復帰5場所目。前回の8月岸和田を休んで、鎖骨に入れたワイヤーを抜いてきた。


 「小田原のエボリューションで鎖骨を骨折して、前回休んでワイヤーを抜いて来ました。まだ手術のダメージがあるし、抜いたといっても違和感はあります。ただ、徐々によくなってるし、練習の感じはいいんで頑張りたいですね」


 

6R

 7月大宮の落車をはさんで連続優出の雨谷一樹。ここもダッシュを生かした走りで一次予選突破を狙う。


 「大宮の落車でまだ痛いところはあるけど、自転車に乗ってる分には影響ない。普通に走れてるし、問題はないと思います。最近は絶対先行でもないけど、緩んだところを思い切りいく。それが少しずつ成績に結びついている。決勝では大きな着になってるけど、1回は仕掛けてるし納得はしてます」


 注目された中部勢の並びは重倉高史が岐阜勢の間に入る形で決着をみた。


 「(吉田)茂生に『どういう風にしたら一番やりやすい?』と聞いたら、3車のほうがと。宝満(大作)さんも3番手でいいと言ってくれたので、僕が番手になりました。同県の間に入るのはどうかな?っていうのはあるけど、迷惑をかけないように頑張りたい。番手はあまり多くないけど、茂生の番手を回ったこともあります。まずは離れないことですね」

7R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 7月はあっせんが止まっていた石塚輪太郎(写真)は練習十分。今期初戦となった前回の8月名古屋は準決勝で敗れたが、連日積極的にレースを組み立てていた。


 「1カ月あっせんが止まって、しっかり練習はできてた。前回は着があまりよくなかったけど、そこから1週間あったし調子は変わらずいいです。やることをやれば結果はついてくると思う。大矢さん、佐藤さんとは初対戦。どうしてくるのかがわからないけど、しっかりレースをできれば。地元に任されてるんで、変なレースはしないようにしたい」


 今期からS級初挑戦の大矢崇弘。ここまで敗者戦で3勝を挙げているが、やや苦戦している印象だ。


 「なかなか結果が出てないけど、もうちょっと何とかできるんじゃ?って感じはある。力が出せてないというか、先行もあまりできてないので。一般戦では1着も取れてるんで、タイミングとか慣れなんでしょうね。嫌だなと思ってたら、石塚君と一緒になった(苦笑)。頑張りたいですね」


 最近はバックが減り、戦法の幅が広がった佐藤佑一はここ3場所連続で予選を突破している。


 「初日勝ち上がれてるのはたまたまって感じ。最近は意識した訳じゃないけど、バックが急に減りましたね。何でもできるようにとは思ってるけど、タイミングが来たらしっかり仕掛けるようにはしてる。初日も力を出し切りたい」

8R

 荒井崇博は前回、川崎GIIIの3日目に節目の400勝を達成。最終日にも連勝を飾るなど、ようやく上向いてきた。


 「(400勝を達成した次の日も1着)なかなか取れんかったのに、あんなもんなんやね。あれでだいぶ気が楽になりました。状態はわからん。いつもどおりかなと思います。初日は晃がいるんでね。黙って付いときます」


 任された菅原晃は「調子はボチボチですね。セッティングはある程度固まった。細切れなんでやりやすいし、頑張ります」と健闘を誓う。


 このレースで先行力一番は戸田康平だ。


 「弥彦記念はよくなかったけど、前回(小松島FI)はちょっと踏めるようになりました。よくはなってきてますね。豊橋は久しぶり。風が強いイメージがあるけど、勝ち上がれるように頑張ります」

9R

選手の写真です。
阿部大樹選手

 阿部大樹(写真)は7月小倉の2日目から3連勝。8月川崎GIIIではブロック7を制すなど、7月小松島記念決勝で落車した影響はなさそうだ。


 「前回(ブロック7)も優勝できたんで悪くはないと思う。ただ(7月小倉で参考にした)ブフリのセッティングがあまりよくなくて、今回はかなりいじってきた。まずは走ってみないとわからないですね。ブロック7も優勝できたけど、違和感があって感じはよくなかったので。来る前は雨が降りっぱなしだったので、自転車にも乗れなかった。その分ウエイトはいっぱいできました」


 三田村謙祐は連対も多いが、それ以外は大きな着ばかり。成績の波が激しい。


 「正直あまりよくないですね。何かが狂ってるというか、ちょっと苦労してます。それで成績に波が出てしまってるのが悔しい。レースでももうひとつのところがあるので、今回をきっかけにできるように。豊橋は久しぶり。A級やチャレンジではけっこう走ったけど、S級では初めてです」

10R

選手の写真です。
金子貴志選手

 ここからは特選がスタートする。主力はオールスターを走って中2日での参戦。地元の金子貴志(写真)も条件は同じだが、「ここも含めてと思ってたので」と計画どおりには入ってくることができたようだ。


 「疲れはあるけど、そういう選手は他にも来てる。配分も前もってわかってたことだから。小松島記念から自力が多いけど、たまたまそういう展開になってるだけ。地元だし、しっかり走りたい」


 金子幸央は前回、8月高松で優勝と調子上向き。豊橋記念は昨年大会でも決勝に勝ち上がっている。


 「S級の優勝は3回目。高松はタイムもよかったし、だいぶスピードが出るようになってきましたね。終わってからの練習のタイムもよくて、脚の感じはいい。去年ぐらいの活躍がしたいですね」


 オールスターで2勝を挙げている河端朋之も侮れない。


 「中2日だけど体調は変わりなく。オールスターの勢いでいければいいかなと思います。(オールスター3走目で先行)ああいうのも見せとけば、まくりも生きるでしょうからね。2走目に持ち味を出せなかったのが悔しいし、もっと勝ちたいという気持ちになりました」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 浅井康太(写真)はオールスターで決勝3着。中2日の強行日程にも終始笑顔でインタビューに答える。


 「オールスターの決勝に関しては(竹内)雄作しか見てなかったんで。中2日も中3日も一緒でしょう。いつもどおり自転車には乗ってきた。(感じは)ボチボチじゃないですかね」


 勢いがあるのは伊勢崎彰大。初日は渡邉雄太の番手でレースを進める。


 「調子はずっと変わらずですね。前回(8月京王閣)は準決勝で失敗したけど、中団にこだわった結果だし仕方ない。オールスターの裏開催で優勝したかったけど、最終日もしっかり勝てたので。浅井の山(ブロック)は高いんで、浅井の前にいたいですね」


 渡邉雄太は弥彦記念、オールスターと初日は連勝している。


 「オールスターのあとは何もしてませんよ。その前にやることはやってたし。オールスターはよくわからないですね。もう少しやれた? そういう気もします。豊橋は3回目だと思うけど、特にイメージはない。走ってみてですね」


 

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 8月川崎GIIIで優勝、続くオールスターでも決勝に進出と深谷知広(写真)に力強さが戻ってきた。3年ぶり2度目の地元記念制覇へ、初日からエンジン全開だ。


 「オールスターからは乗ってないです。ケアが大事だと思ったので。オールスター決勝も自分のなかではやれることはやったと思う。ただ力負けしただけ。次また(新田祐大と)対戦するときは頑張ります」


 吉田敏洋は6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折し、今回が復帰3場所目となる。レースではその影響を感じさせない動きを見せているが、結果がともなわないのがもどかしい。


 「ご覧のとおりの状況です。まだ動けてるし、勘は鈍ってないけど、脚がついていってない。分かって復帰してるんでしょうがないけどね。(深谷の番手で)抜く抜かんより、付いていけるか。しっかり集中して」


 ここ5場所で4度の優出と乗れている高久保雄介は深谷に一矢報いたい。


 「練習はあまりできてないけど、大丈夫だと思います。状態は走ってみないとわからないけど、最近のレースの調子で言ったら悪くないと思う。(最近はまくりが増えた)徹底に戻すまではいかないけど、もうちょっと積極的にいきたいですね」


 坂本貴史は「レースが続くけど、脚の貯金はたくさんある。オールスター後も1日はちゃんと乗って来れた」と胸を張る。最近はレースに上手さも加わり、強力な中部ラインが相手でも軽視できない存在だ。

1R

 後ろ攻めの泉谷元樹が押さえて出ると、すかさず中島将尊が打鐘前から巻き返すが泉谷も必死に踏み上げて応戦。稲村好将が離れて中島が1車で来ているのを察知した泉谷が中島を出させて後位にはまる。泉谷が2角からまくり上げるが、7番手で脚をタメていた中井太祐が一気に大外をまくって最後は番手の鷲田佳史が差し切った。


 「本当は(初手で)中団を取る作戦だったけど、誰もいかないので(前を)取らされてしまったね。泉谷が叩いて中島がはまるパターンを想定していたけど、逆の展開になりました。それでも中井君が落ち着いて仕掛けてくれました。中井君は本調子ではなさそうだけど、彼の得意なスピードでまくって差せているし、自分の感触は上向きです」


 中井太祐は混戦をまくってラインで上位独占を決める。


 「(別線が)結構踏み合っていたので先行争いするかと思ったけど、泉谷さんが番手にはまったのでヤバいと思いました。少し見過ぎてしまった。それでもラインで決められたしよかったです。自転車をいじってあまり良くないので、少し微調整します」


 中島を出させた泉谷元樹は番手からまくるも中井にまくられて惨敗。


 「打鐘で突っ張るつもりでいたけど、来ているのが1車だったので出させました。それでもその前に結構踏んでいたので脚が溜まらなかった。中井君が来ると思ったし、かぶっても仕方ないので無理矢理仕掛けていったけど、いっぱいでした」

2R

 後攻めの小川祐司が中団の矢口大樹にしばらくフタをして打鐘から主導権を握る。すかさず矢口も反撃に出るが、小川に合わされてしまう。最終バックで矢口と併走になった小橋秀幸が内を突くと、その後ろの有坂直樹が直線で外を鮮やかに伸び切った。


 「久々の1着なんでよかった。小橋が頑張ってくれた。小橋が内に行ったんで、外しかないなって。コースだけなんで。4(着)までは入れると思ったけど、思ったよりも伸びてくれた」


 小川祐司は絶妙のペース配分で駆けて2着に粘った。


 「朝早いレースは苦手なんで、いつもより早く起きてアップしました。矢口君は見えていたし、小橋さんとかぶらせようと思って踏んだ。ペース配分を意識して行けました。最後まで持つ感じで踏めたんですが、1人だけ勢いが違いました」

3R

選手の写真です。
岡本総選手

 スタートけん制で前を取らされた岡本総(写真)だったが、打鐘で押さえた鈴木裕の番手で松岡孝高が粘り隊列が短くなったところを4コーナーから一気にカマす。番手の村上卓茂は離れながらも追ったが追いつかず、そのまま岡本が後続を千切って一次予選を突破した。


 「前の作戦はなかったし、まさか取らされるとは思わなかった。でも隊列が短くなったんで。最後はタレました。終始重たかった。練習ではバンクが軽いけど、緊張もあったかもしれない。内容が…、タイミングが悪かったです。とりあえず初日をクリアしたけど、あれじゃ自分だけなんで」


 外に持ち出した鈴木を村上が最後の力を振りしぼってブロックすると、空いたインコースを片寄雄己が抜け出した。


 「粘られるなと思ったし、そこは勝負だと思った。でもちょっとキック(鈴木)が流しすぎましたね。あれじゃカマシ頃になってしまう。最後はキックが行けるかどうかを見極めて行った。自分の感じは戻ってきてるし、ラインみんなで勝ち上がれてよかった」


 片寄後位から外を回した白戸淳太郎が3着に食い込んだ。


 「ホームで小野(俊之)と並んだので嫌だなと思いました。(内も)付いて行けるなと思ったけど、ちょっと考えてしまったので。とりあえずよかったです」

4R

 神田龍が中団から動いた守谷陽介を制して先頭に立つが、伊早坂駿一がすかさず叩いて主導権を握る。出切ってからも軽快に駆けると後続を寄せ付けずに完勝。神田との同期対決を制した。


 「今日は同型が相手でやりづらかったけど、そこをいかに制していくのかがポイントでした。キツかったけど、あそこ(ホーム)しかないと思ったし、行けば自分のレースはできると思いました。踏み出した感じも良いし、出切ってからペースで踏めました」


 伊早坂の仕掛けに口が空いた浦川尊明だが坂上忠克をキメ、神田の内をすくうと再度伊早坂とドッキング。しかし、伊早坂の踏み直しに遅れ始めると、3番手を回った中村淳が直線で前に踏んだ。


 「浦川君が口空いたけど、追い上げてくれたしその後も頑張ってくれました。自分は脚に余裕があったし、状態は上向いているので流れさえ向けば大丈夫です」


 守谷陽介マークから最終ホームで中村後位にスイッチした柳谷崇が3着に食い込んだ。


 「守谷君が作戦通りに先に斬ってくれたのが大きかったです。ただ、(伊早坂後位が)離れた時に仕掛けていけば面白かったかもしれないね。今日は頑張ってくれた守谷君のおかげです」

5R

選手の写真です。
村上直久選手

 打鐘前に切った西村光太を北川大五郎を叩くと、さらに佐藤朋也が仕掛けて前団はもつれる。2コーナーからまくった西村は不発。最終バック8番手から大外をまくった村上直久(写真)が激戦を制した。


 「ホームでちょっと緩んだんですが、まだ行ける感じではなかったです。脚もたまらなかったです。でも、フレームを替えて、流れてくれました。思ったよりも伸びました」


 眞原健一が懸命に続いて2着。神奈川ワンツー決着となった。


 「村上君が落ち着いていたし、強かったです。信頼してました。あの展開でよく俺も付いていけたと思います」


 佐藤朋也がしぶとく3着に粘り込んだ。


 「いつもならあそこから行こうという気持ちにならないし、行こうとする時点で調子はかなりいいんだと思います。でも、かなりきつかったです。村上君だけ脚を使ってなかったので、行かれたのは仕方ないです。(2場所前の)福井記念の3日目から踏み方を変えたらよくなりました。前回の京王閣もよかったし、今回も変わらずいいですね」

6R

選手の写真です。
重倉高史選手

 赤板ホームから動いた吉田茂生が早々と先行態勢に入ると、打鐘過ぎ4コーナーからペースを上げる。中団から先まくりを打った大川龍二、その上を仕掛けた雨谷一樹はともに不発。番手絶好の重倉高史(写真)がしっかりとチャンスをモノにした。


 「嬉しいですね。あんな行ったれみたいな先行だったから。あの駆け方されたらカマすのも勇気がいる。ただ僕が2センターでうまくバック踏んだりできなかったし、4コーナーでもちょっと茂生に当たってしまったところがあった。あれで茂生も踏みやめてるから。でも結果3人で勝ち上がれたのでよかったです」


 バック最後方から中に切り込んだ十文字貴信が2着に。2センターでからんで落車が発生したことで審議対象となったがセーフの結果に胸をなで降ろす。


 「雨谷君のまくりのスピードには太刀打ちできない。最後は自分のコースを見つけるしかないかなと思ってました。内にコースを見つけたけど、入ったところで締まった。でも、あそこはバック踏むつもりはなかったですね。失格かと思ったけど、セーフでよかったです」


 3着の宝満大作は前2人の頑張りをたたえた。


 「恵まれました。最悪番手から(出る)とは言ってたけど、結果シゲ(吉田)も残ってるんで。僕も余裕はあったんで、2着はあるかなと思ったけど(十文字との接触で後輪が)ブルブルなってダメでした」

7R

 赤板前で大矢崇弘が上昇するが石塚輪太郎が突っ張る。中団で立て直して再度、大矢が打鐘から仕掛けたがこれも石塚が出させない。前団のやり合いを尻目に5番手で脚をためていた佐藤佑一が満を持してバックからまくると渡邊健のけん制を乗り越えて久し振りの初日白星を挙げた。


 「あんなに前が踏み合っていたし、構えさせてもらった。あとは行けるところからと思い仕掛けていきました。野木さんと途中で連結を外したけど、ワンツー決めることができてよかったです」


 野木義規は道中で佐藤に離れたが、付け直してワンツー決める。


 「初手は中団からだったし作戦どおりでした。途中で離れてしまったけど、何とか立て直せましたね。佐藤君は落ち着いていたし、いいところで仕掛けてくれました」


 突っ張り先行を敢行した石塚輪太郎だが、踏む距離が長かった。末を欠き5着に敗れたが、特選で欠場者が出たため二次予選に。


 「(大矢が)押さえてくるのが遅かったし、出させたら7番手になってまくりになってしまうので1回突っ張ろうと思った。脚がないですね。あの展開でも4着までには入らないといけないし、情けないです」

8R

 打鐘前に出た曾澤龍を戸田康平がすかさず押さえて先制。絶妙のペースで駆けて別線を翻ろう。最後は番手の室井健一が粘る戸田をゴール寸前で捕らえた。


 「前が強かった。もうちょっとゴチャつくかと思っていたけど、すんなり行けたから。それだけだね」


 戸田康平は長い距離を最後まで力強く踏み切った。


 「行きやすい展開だったし、久しぶりにしっかり駆けられました。ホームは誰か来ると思っていたので踏んで、あとはペースで。思ったより踏めたけど、最後はいっぱいでした」


 後方からまくり上げた窓場千加瀬は3着まで。


 「菅原(晃)さんが(中団に)追い上げてから仕掛けていく感じになりました。まくり切れてないので反省点はたくさんあります。でも、苦しくなってから外にへばりついていけた。ホンマに苦しかったです。あれなら先行したほうが楽です」

9R

選手の写真です。
阿部大樹選手

 三田村謙祐が打鐘から主導権を握って、人気の阿部大樹(写真)は後方7番手。それでも2コーナー過ぎから仕掛けると、先まくりに出た篠原龍馬のさらに外を力強くまくり切った。


 「展開ですね。ダメです。自転車(セッティング)が合ってない。どうもフワフワしちゃいますね。踏みたいところでフワフワしてる。3番手も連れて行けなかったし、反省点が多すぎる。これじゃ明日(2日目)は自信ない。ちゃんと自分の力で踏めるようにセッティングを修正します」


 岡光良は阿部の仕掛けにきっちりと食い下がった。


 「前は落ち着いてたけど、(阿部の仕掛けが遅くて)僕はかなりドキドキしてた。でもいつも一緒に練習してるんでタイミングが取りやすいんですかね。練習の感じで付いて行けた。最後は外は無理だと思ったんで内に行きました」


 三田村ラインの3番手を取りに行った篠原龍馬だったが、亀井久幸とバッティングして取れず。それでも5番手から先まくりを打つと、何とか3着で勝ち上がりを決めた。


 「先に切って3番手の予定だったんですけどね(苦笑)。5番手に入っても行ける感じじゃなくて道中ヘコヘコだったけど、かぶる前に勝負に行かんと飛ぶ。前が一杯、一杯やったんでよかったです」

10R

選手の写真です。
河端朋之選手

 高橋和也が打鐘前で佐藤博紀を叩いて主導権を握ると地元勢を追った岡崎智哉が2角からまくる。これは金子貴志がブロックしたが、その外を金子幸央が、さらに外を踏み上げた河端朋之(写真)が直線鮮やかに突き抜けた。


 「8番手に置かれてしまったけど少し前で踏み合ってくれて、隊列が短くなったぶん行きやすくなりましたね。脚自体は悪くないけど、外々を踏んでいってキツかったです」


 河端より先にまくった金子幸央だが、ゴール前で交わされて2着に。


 「結果的には2着だけど、1センターとかアタックしておけばよかったです。河端さんよりか先には行こうと思っていたけど、早めに行く勇気がなかったです。少し反省ですね。このメンバーの中で2着なので脚は良い」


 高橋和也の逃げを利した金子貴志は3着で2日目の優秀戦行きを決めた。


 「和也がレースを作ってくれて、河端が一番後ろで良い展開になってくれましたね。ただ、岡崎(智哉)君が思ったより早く来たから別線も良い目標になったんじゃないかな。和也が強かったです。自分は中2日でも何とかなりそう」

11R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 3連単の配当が40万円を超える大穴決着となった。レースは松岡篤哉が赤板から先制。中団からまくってきた鈴木庸之を浅井康太が3コーナーでブロックして止める。8番手に置かれていた渡邉雄太(写真)が大外を踏み込むと、もつれた前団を鮮やかに抜き去った。


 「(初手で)前になるとは思ってなかったです。ちょっと気持ちが消極的でした。まくりは効かないし、届かないと思ったけど、なんとか1着が取れてよかったです」


 松岡篤哉は後続のもつれもあって2着に逃げ粘った。


 「浅井のおかげです。何も考えずに安心して駆けられました。後ろがどうなっているか分からなかったけど、浅井が振ってくれているのは分かりました。もう少し踏めればよかったですね。記念は意外に(2日目の)優秀戦に乗れる確率が高いんですよ」


 単騎の佐藤龍二は大立ち回りを演じて3着に食い込んだ。打鐘過ぎに9番手から内を進出。志村龍己をどかして5番手を確保すると、最終3コーナーで浅井を内からどかした。


 「内をもぐって、あの位置を取って、自分からまくる気持ちもありました。先に(鈴木が)行ったので、あとは浅井さんの動きを見ながら内外のどちらかを行こうと思ってました。きつかったですね。でも、前々にしっかり攻めることができました」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 前受けから下げた深谷知広(写真)は最終ホームから一気に仕掛け。真っ向勝負に出た坂本貴史を豪快に飲み込むと、ラインでワンツースリーを決めた。


 「慌てることなく、駆け出しから順調に行けました。前を飲み込むような感じで行けましたね。けっこう手ごたえもありました。(オールスターから中2日だが)疲れもない。(オールスターの決勝は)わがまま言って前を回してもらったんで、2日目も自分でやりたい」


 番手の吉田敏洋はきっちりと深谷の仕掛けに続いた。


 「深谷のことよりも自分のこと。自分の心配だけしてました。1回空いたけど、深谷のスピードが止まる感じじゃないし、自分で(まくって)踏むような感じで追いつけた。前回よりはだいぶいいかな」


 3番手の池田憲昭もしっかりと食い下がって3連単でも一番人気の決着。


 「3番手で割と楽でした、意外と。作戦もあんな感じだったし、深谷はどっからでも行くんだろうなと思ってた。スピードが違うので横には振れんだろうなと思ったし、あとは後ろに食われんようにと思ってました」


 逃げた坂本貴史はサバサバした表情でレースを振り返る。


 「先行基本と思って走ってたし、言い方は悪いけど深谷との力の差がある。前々にいて、誰かが離れてくれば林(雄一)さんが仕事をしてくれる。ラインで勝負だと思ってた。(深谷に行かれたが)後ろには抜かれてないし、先行したんで2日目は軽くなると思う」

6R

選手の写真です。
前田拓也選手

 赤板前に切った鈴木裕がペースに持ち込もうとするが、そこを岡崎智哉が打鐘過ぎに叩いて主導権を握る。そこを佐藤朋也がまくり上げて、直線で前団を飲み込んだが、岡崎マークの前田拓也(写真)が鋭く差し返した。


 「もう1回(佐藤を)持って行ったら誰かが内に入って来るかなと思った。それでへばりつかせたまま。できたら(岡崎と)一緒に乗りたかったですね。自分は何とか。岡崎君が積極的に行ってくれたおかげ。(コーナーを)立ち直るまで待ってから外に踏み勝てたので調子はいいかな」


 2センター、8番手から大外を踏んだ山田幸司が2着に強襲した。


 「苦しかったですね。(追い上げてきた)梶應(弘樹)さんが前に出てるから展開もキツかった。ああなったので自力で行ってみて。2着ですか? じゃあ伸びてる」


 まくった佐藤朋也は3着に。


 「展開向いたと思ったけど、車間を切ろうと思ったら離れてキツかった。ホームで追いついてすぐに行ったので、展開は向いたけどギリギリでしたね。でもホームで行こうという気持ちになるだけいいと思います」

7R

選手の写真です。
島野浩司選手

 4番手の村上直久が赤板ホーム過ぎから先に動いたが、石塚輪太郎は8番手のまま。前に出た村上もペースをスローに落とすと、石塚は打鐘過ぎ2センターから一気にカマして出る。番手の島野浩司(写真)が続いて2車で後続を千切ると、ゴール前で島野が鋭く逆転した。


 「後ろ(攻め)からだったら押さえていこうという作戦だったけど、ちょうど別線が脚を使って緩んだタイミングで行ってくれましたね。落ち着いていたし、かかりもよくて強かったです。自分は少し口が空いてしまったけど、間に合って差せているし悪くはないと思います」


 石塚輪太郎は2着に粘って二次予選に繰り上がったツキを生かした。


 「(一次予選)5着からの繰り上がりなんてもうないと思うし、繰り上がってからのチャンスをモノにできてよかったです。残りのみんな(別線)が脚を使っていたので、落ち着いて仕掛けていけました。昨日長い距離を踏んでいるぶん、今日は楽でした。地元の島野さんとワンツー決めることができてよかったです」


 人気を背負った鈴木庸之だが、離れた5番手からまくりに行ったが、惜しくも及ばず二次予選敗退。


 「いいスピードで石塚君が行ってしまったし、片寄(雄己)さんも(番手から)出ていたしあれではキツいですね。とりあえず仕掛けなきゃと思い行ったけど、無理矢理行った感じです。自分がカマしていけばよかったのかもしれないけど…。展開が厳しかったです」

8R

選手の写真です。
佐藤博紀選手

 赤板の2コーナーで切った吉田茂生を篠原龍馬が押さえて前に出る。吉田の内をすくって3番手に収まった阿部大樹だが、4コーナーから一気に仕掛けて主導権を握る。最後まで阿部のスピードは衰えず、好回転のまくりで迫る佐藤博紀を振り切って連勝を飾った。


 「あの位置で待っても佐藤さんに行かれるかなって。佐藤さんがいつ来るかドキドキしてました。初日は面白くないレースをしてしまったんですが、今日(2日目)はしっかり力勝負することができました。しっかり最後までもがけました。ここ最近の中では一番いいレースができたと思うし、感じ的にも一番よかったです」


 佐藤博紀(写真)は7番手からのロングまくりで2着。通算200勝はお預けとなったが、力は出し切った。


 「阿部君が強かったです。自分はもう少し流れの中でうまく行ければよかったですね。阿部君にうまく駆けられてしまった」


 阿部マークの志村龍己が3着で準決勝進出を決めた。


 「作戦なしで、任せてました。好きに走ってもらったほうが大樹は強いですから。逃げ切りですもんね。本当に強かったです。ワンツーは決まらなかったけど、2人で勝ち上がれてよかったです」

9R

選手の写真です。
高橋和也選手

 赤板ホームから上昇した佐藤佑一を吉本卓仁が打鐘から叩きに行くが佐藤が突っ張って出させない。有坂直樹が離れ、佐藤後位に吉本が入ったところでペースが緩むと、そこを逃さず高橋和也(写真)が一気のカマシ。渡邊健と2車で後続を千切ると、そのまま押し切った。


 「前のモガき合いは見えました。詰まったし、行くならあそこしかないと思った。(出てからは)打鐘で脚を使ってるだろうし、バックまで来られることはないだろうなと思った。健さんが後ろにいるのは分かったけど、その後ろが離れてるのは分からなかったですね。重かったけど、昨日(初日)よりは踏み直せたと思う」


 2コーナーから前の2人を追いかけた吉本卓仁が2着に届いた。


 「あの展開で無理やり出ても、次(の脚)がないんで。セオリーどおりの先行と思ってたけど、8番(佐藤)の動きが読めなかったですね。自分もけっこう脚を使ってるし、コーナーの波もありそうだから追いつかなくてもいいかなと思った。スピードに乗せて行けばみんな突っ込めると思ったんですけどね。(佐藤の番手に)入れてもらったのに申し訳ない」


 3着の渡邊健は高橋の強さを褒めちぎった。


 「僕は高橋君任せなんで。強いですね。3コーナーぐらいまでは余裕があったけど、踏み直しがすごいんで。やっぱり点数ですね。強い。パターン的には嫌いじゃないけど、高橋君のほうが全然上ですね。高橋君が強かった」


 

10R

選手の写真です。
芦澤大輔選手

 中団でけん制する中井太祐の動きも構わず、伊早坂駿一が後ろ攻めから一気に叩いて打鐘過ぎから主導権を握る。これで番手絶好になった芦澤大輔(写真)は車間を切って別線の反撃に備えると、直線で伊早坂をとらえた。


 「伊早坂君のおかげです。残してあげたかったけど、自分の技術不足ですね。後ろ攻めからの作戦で、彼が落ち着いて駆けてくれました。最低限の仕事はしているけど、もう少し4コーナーで余裕を持って回れていれば残せていたのかもしれない…。自分は初日よりかはよくなっているし、この感じを維持したいです」


 芦澤を追走した中村淳が2着で準決勝進出を決めた。


 「前の2人のおかげです。後ろから来ていたし、芦澤も番手で難しかったと思うよ。自分の状態はいいし、これで満足せずに準決も頑張りたいです」


 中団を占めた黒田淳がまくり追い込んで準決勝への切符を手にした。


 「中団は最低限取ろうと思ったし、後方になったら追い上げて勝負権ある位置にいようと思っていたので、作戦どおりには運べました。タイミングを見て行ったけど、自分が弱いですね。できれば守谷(陽介)さんまで連れ込みたかった」

11R

選手の写真です。
岡本総選手

 地元の岡本聡(写真)が強気の攻めで金星を挙げた。レースは戸田康平が赤板の2コーナーで誘導員を交わして先行策に出る。打鐘過ぎに追い上げた坂本貴史と岡本で3番手は併走に。最終2コーナーで外併走の態勢から坂本がまくる。伊勢崎彰大をどかして坂本を追いかけた岡本が直線で鋭く差し切った。


 「奇跡ですね。3番手を取って、まくりたかったけど、坂本君が行ってしまったので、ここで勝負するしかないと思いました。自分の力はしっかり出せたと思います。地元で準決勝まで行けて本当にうれしいです」


 まくった坂本貴史は2着。岡本の強さを素直に称えた。


 「戸田君も強いし、岡本君もS級に上がったばかりだけど、レースを見ていて、本当に強いと思っている。気が抜けなかったです。3番手で休んだら、自分が飛ばされてしまうし、全然楽じゃなかった。なんとか勝ち上がれてよかったです」


 岡本に飛ばされた伊勢崎彰大だったが、懸命に態勢を立て直して3着に入った。


 「車券的に売れていたから申しわけないですね。(岡本は)地元で気合が入ってました。なんとかしがみついて3着に入れた。思いっきり踏めなかったし、今回は連日、出し切れてないですね」

12R

選手の写真です。
河端朋之選手

 優秀の「まくる君カップ」を制したのは河端朋之(写真)。松岡篤哉との踏み合いを制した深谷知広が主導権を握ったが、7番手で脚をためた河端は2コーナーまくりで大外を一気にまくり切る。上がりタイムは10秒9。2日続けてその日の一番時計を叩き出した。


 「周りが踏み合って、自分だけ脚をためてた。だから見た目ほどインパクトのあるレースではないと思います。順番で仕掛けてもよかったけど、いいとこに入れて逆にビックリ。周りの動きに助けられての昨日(初日)、今日(2日目)だし、準決勝からが本当の勝負なんで」


 離れながらも河端を追いかけた池田憲昭が2着に入り、何とかラインでワンツーを決めた。


 「練習みたいな感じでしたね。バイク(河端)が前にいてキツかった。どっか下りようかと思ったけど、下りたら着ないし。行くだけ行ってしまえと思って追いかけたけど、結果よかったです」


 深谷マークの金子貴志が3着に入線した。


 「深谷が頑張ってくれたんですけどね。(松岡と)踏み合いになってましたもんね。(河端が)すごいスピードでした。状態はいいと思います。準決勝はしっかり頑張りたい」


 松岡との力勝負で脚力をロスした深谷知広は河端のまくりに屈して4着に。


 「(中部で)別線なんでしょうがない。(河端が)強かったですね。しのいで踏み返せればよかったけど力負けです。準決勝はしっかり負けないように」

10R

選手の写真です。
黒田淳選手
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志村龍己選手

 後ろ攻めから上昇した坂本貴史に対し前受けの河端朋之は誘導員を残して車を下げると、そこを松岡篤哉が打鐘で叩いて出る。7番手に下げた河端は4コーナーから一気の巻き返し。続いた黒田淳(写真)がゴール前で抜け出して白星を挙げた。


 「自分のことで一杯一杯でした。ただ、付け切れたのでチャンスはあると思いました。追い付いてからは後ろを見る余裕があって、車間を空けようと思ったけど、どのくらい空けていいのかわからなかったです。1着取れてよかったです」


 志村龍己(写真)は坂本とのまくり合戦を制して黒田に迫った。


 「自分は自在選手だし、初手の位置(5番手)からこだってもいいと思いました。あの位置でよかったし、それが正解でしたね。後は自分の脚と河端さんの仕掛けを見てと思いました。キツかったけどまくれてよかったです。もうあんなまくりは出ないですよ(笑)。鈴木(庸之)さんと爲田(学)さんにセッティングをみてもらってよくなっています」


 河端朋之は鋭くカマしたが、ゴール前で末を欠いて3着に。


 「久し振りにいいレースができましたね。あの踏み出しでも黒田君は付いてくると思いました。ただ、バックが追い風だったので踏み過ぎてしまった。もう少し落ち着いていれば」


 坂本貴史は志村より先に仕掛けられずに準決勝で敗退した。


 「河端さんの仕掛けにスイッチできる脚があればよかったけど、自分の脚がないですね。その後もバックでアンコになってキツかったです」


 

11R

選手の写真です。
吉田敏洋選手
選手の写真です。
阿部大樹選手

 後ろ攻めから早めに動いた渡邉雄太が中団の高橋和也にしばらくフタをしてから打鐘で一気に踏み込む。2センターから反撃に出た高橋だが、中団の外で浮いて不発。3番手を確保していた阿部大樹が最終2コーナーからまくると、関東勢にスイッチした吉田敏洋(写真)が直線で鋭く追い込んだ。


 「和也は2回くらいあおりを食らって、躊躇しましたね。ためてホームから行けば何てことなかったのに。でも和也が強くなって前を任せられるようになったので、僕はわりと楽に勝ち上がることができた。2コーナーからは回している感じで、どこから踏もうか、伸びるタイミングを考えてました。ひとつ言えることは前回よりも確実によくなってます」


 関東コンビが確定板に上がって、2人そろっての決勝進出。2着の阿部大樹(写真)は満面の笑顔でレースを振り返る。


 「デキすぎですね。ツースリーですけど、ラインで勝ち上がれたのが本当にうれしいです。自分はダッシュがあるタイプではないので、長い距離で勝負しようと思ってました。あの位置を取ってしっかり仕掛けることができました。記念決勝は4回目。前回の小松島記念は決勝で落車してしまったので、今回はしっかりゴールしたいです」


 阿部を懸命に追った磯田旭が3着に入った。「連日、前の自力選手のおかげです」とラインの力で決勝まで勝ち上がった。


 吉田マークからゴール前で中割りを狙った渡邊健だったが、惜しくも届かず4着まで。


 「4コーナーで(渡邉雄太に)もらったのが…。あれがなければいい勝負できたと思う。でも脚の感じはいいので、最終日も頑張りたい」


 

12R

選手の写真です。
金子貴志選手
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深谷知広選手

最終12Rでは深谷知広、金子貴志の師弟コンビが人気に応えるワンツー決着。石塚輪太郎を受けて3番手を確保した深谷が最終ホーム手前から早々と巻き返すと、ゴール寸前で金子貴志(写真)が深谷をとらえた。


 「強いっすね。一番いい位置に深谷が入ったけど、すかさず行ったんで。いいタイミングで行ってくれて、踏み上げもすごかった。最後はギリギリだったなと。それだけ強かったです。状態はいいと思います。疲れも大丈夫ですね」


 金子に差されはしたが、深谷知広(写真)の走りも力強かった。


 「(石塚に)先行させたくなかった。打鐘前は悩んだんですけどね。(打鐘過ぎ4コーナーで)石塚君が上に上がってペースが落ちた感じがしたので、チャンスかなと。そこからすかさず行って自分なりのペースでは踏めました。ここ(決勝進出)は最低限の目標だったんで、決勝もしっかり自力で仕掛けます」


 単騎の伊勢崎彰大(写真)は愛知コンビの3番手を取り切ると、きっちり3着に流れ込んだ。


 「読みどおりですね。深谷が前(受け)以外なら仕掛けるポイントがワンテンポ早いだろうから。打鐘前に石塚ラインの後ろか迷ったけど、深谷が3番手を取り切ったから深谷だと。併走も苦にならなかったし、3コーナー過ぎに決勝に乗ったなと思いました」


 バック8番手から好回転でまくり上げた金子幸央だったが前団は遠すぎた。


 「もうちょっと早く動いとけばよかったなと思います。整ってなくて深谷さんより先は無理だったけど、同時くらいに仕掛けてれば…。凡走になってしまって、もったいないことをした」


 


 最終日の9RにはKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)が行われる。中心は昨年12月の広島でもこの種目で優勝しているデニス・ドミトリエフ(写真)。今年の世界選手権でスプリント優勝の実力を遺憾なく発揮するか。


 「カーボンで日本の競輪場を走ると、微妙な違いや違和感がある。それに(使い慣れたカーボンフレームで)やりやすいという気持ちと両方ですね。ここまでは1週間、沖縄で休暇をとってきたので、そこで使ったお金を稼ぎたい(笑)。その前には2週間、新田(祐大)や(渡邉)一成とかナショナルチームのメンバーと詰めたトレーニングをしたし、コンディションはいい」


 元砂勇雪(写真)はS級復帰後6場所で4度の優出と乗れているが、カーボンフレームで戦うエボリューションではどうか。


 「最近はしっかり練習するようになって、成績も上がってきています。妹(七夕美)のフレームを使います。身長はほぼ同じなので、サドルを少し高くすれば大丈夫。ちょっと乗ってきました。やっぱり鉄のほうがいいけど、流れればスピードは出ます。スタートでいい位置を取りたいんですが、7番車なので厳しいですね。後ろになったら押さえるのは厳しいので、カマシ気味に仕掛けたほうがいいかな」


 金子哲大は昨年1月の高松大会で逃げて2着に入っている。


 「前回もあまりセッティングとかを調整せずに参加したけど、今回も簡単に来た。(高松のレース後にもう少しセッティングを調整しとけばと悔やんでいたが)そんなこと言ってたのすっかり忘れてました(苦笑)。これから軽く調整したいと思います。(前々回、大宮の落車で)そんなによくはないけど、頑張ります」


 競輪の実績なら佐藤友和が一番。持ち前の自在性でドミトリエフに一矢報いたい。


 「オールスターのあとはそんなに忙しい感じはしなかったです。普通に練習はしてきました。カーボンフレームも1日ぐらい乗ってきました。状態は問題ないです。エボリューションは初めて。ドミトリエフは世界チャンピオンですから。後ろに入っても抜けないだろうし、前にいてもどうですかね。よく考えて走ります」


 地元の小林信晴は1番車という車番を生かして上位に食い込みたい。


 「去年はケガで全然ダメだったけど、10月ぐらいから練習できるようになって、最近は成績も調子もいいです。でも、今回は自転車が違って、硬さとか乗った感じが全然違いますからね。エボリューションは初めて。強い選手ばかりで厳しいけど、地元なので頑張ります。1番車を生かして前のほうにいたいですね」