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富山競輪

TOYAMA KEIRIN

46#

検車場レポート

  • 8/29 Wed.  (前検日)
  • 8/30 Thu.  (1日目)
  • 8/31 Fri.  (2日目)
  • 9/1 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
工藤文彦選手

 オープニングレースは工藤文彦(写真)に人気が集まりそうだ。7月岐阜FIでは鋭いまくりで今年初優勝。昨年7月にS級初優勝を飾った思い出のバンクで存在感を示す。


 「7月に入ってあまりピリッとしてないんですけど、こういう時もありますからね。365日絶好調とか365日絶不調というのはないですから。前回が終わってから先輩たちと一緒にしっかり練習してきました。去年7月の富山は(取鳥)雄吾が前で行ってくれて、優勝することができました。あの頃はすんなり駆けさせてもらえることが多かったけど、いまは警戒される。いい車番をもらったんで、勝ち上がれるように、しっかり仕掛けます」


 中村昌弘は前回の小倉FIで勝ち上がりに失敗したが、調子は維持できている。


 「調子は悪くないけど、(5月)川崎の落車でフレームが壊れて、それから練習用のフレームを使っている。それで前のように伸びない感じです。修理に出しているフレームがまだ届かないんですよ。それが戻ってくれば自信はあるんですけどね。ここまで点数が上がってからの工藤君に付いたことはないけど、離れないようにしっかり付いていきます」

2R

 高木翔は調子、成績ともに右肩上がりだ。細切れ戦のここは流れを見極めて、好スパートを決める。


 「よくなっているのは気持ちの面が大きいと思います。前はレース中にあたふたして無駄なところで脚を使っていたけど、最近は余裕がある。前回の小松島が終わって地区プロもあったけど、けっこう空いて、それなりに練習はできました。3車ですし、それを生かしてラインで決めたいですね」


 地元の岡崎景介は約2カ月ぶりの実戦。体調面の不安は気持ちでカバーする。


 「ヘルニアは前からあったけど、座骨神経痛が出て、歩けなくなるくらい酷かった。3週間ぐらいで完治したけど、それから無理な練習はできなかった。徐々によくなって、通常ぐらいの動きはできるようになったんですが、自転車に対する違和感はあります。気持ちで頑張るしかないですね」


 

3R

選手の写真です。
片折亮太選手

 片折亮太(写真)は今期に入って優出こそないが、相変わらずの先行力を見せている。このクラスなら実力上位の存在だ。


 「調子は変わらないですね。前回の向日町が終わってしばらく空いてたんで、練習はできました。10月はあっせん停止なんで、それまでに頑張りたいですね。初日は自力で行けるところからしっかり行きたい。気持ちは主導権を取って、ラインで決められたらと思ってます」


 地元の松田大は8月立川で約4カ月ぶりの勝ち星を挙げた。5月小田原FIの落車から立ち直りつつある。


 「首のケガがけっこう酷かったんですが、今はもう大丈夫です。ここまでけっこう空いたんで、練習もしっかりできました。地元で気持ちも入ってます。片折さんの逃げイチみたいな感じですね。好位を取って仕掛けられればいいですね。1周半なら駆けられるくらいには仕上げてます」

4R

 柴崎俊光は5月京王閣以来、3カ月ぶりの記念参戦だ。脚も気持ちも高まっている。


 「最近の調子も成績もまずまずだと思います。もう少し上げたいけど、上のクラスだと全然、足りないですね。久しぶりの記念なんでしっかり頑張ります。大石(崇晴)君とは初めてだけど、積極的なタイプなので信頼して付いていきます」


 矢野昌彦は今期初戦の青森FIで落車したが、もう影響はない。準地元と言える富山バンクでパワー全開だ。


 「ケガは打撲と擦過傷で骨は大丈夫でした。富山は嫁さんの実家で、こっちで練習しています。今回一緒の松田大君ともよく一緒に練習してます。ここ2場所は新フレームなんですが、もう少し慣れればよくなりそうです。大石(崇晴)君の先行意欲が高そうなんで、よく考えて走ります」

5R

選手の写真です。
岩本和也選手

 岩本和也(写真)は前回の玉野FIで3カ月ぶりの決勝進出。6月取手GIII、7月奈良FIと落車が続いていたが、「迷いなく、ここに来れた」と胸を張る。


 「落車で肩を痛めてからは、セッティングとかいろいろ試してた。落車続きをいい方に持って行かないとと思ってたし、怪我する前より強くなろうと思って。四日市の最終日に自力で勝てたし、ようやく前回いい感触があった。あとは全力を出すだけですね」


 前を任せる長尾拳太はここ5場所で4回、初日を突破するなど安定感がある。


 「調子は変わらずですね。久木原さんとは前回(8月久留米FI)の準決勝でも戦って、脚があるのはわかってる。でも、そこは気にせず、自分のレースで頑張ります」


 久木原洋はS級復帰後早くも5勝を挙げるなど、高い勝率を誇っている。


 「1着を取れてるんで悪くはないと思う。S級に戻ってからもレースの流れとかに違和感はないですね。ただ準決勝で叩いてるんで、そこがまとめられれば点数も上がると思う。でも、そこばかり考えてレースが小さくなるのもダメなんで行けるところで行きます。前回、長尾君にはやられてるんで、今回は考えて走りたい」


 

6R

 小埜正義は7月取手FI、8月向日町FIと2場所連続で落車。状態が気がかりだ。


 「うーん、まあまあ。まずは走ってみてですね。練習は普通にやってきました。感じも悪くなかったけど、一人で街道だったから人と走ってないんで状態はわからない。でも何とかしますよ。富山は好きだし、(状態も)たぶん大丈夫だと思うんだけどなあ」


 6月弥彦FIでS級初優勝を飾った大塚英伸だが、最近の1着はそれだけ。とにかく1着が遠い。


 「前回(8月向日町FIで887着)は調子じゃなく、展開が向かなかった。最近はなかなか勝てる展開にならないですね。状態は変わらず。初日もしっかり付いて行くだけです」


 桑原亮は空いている池野健太を目標に決めた。


 「6月、7月と落車が続いたにもかかわらず休まず走ってるから練習ができてなかった。今回は久しぶりに2週間空いたので練習してきました。調子も今回のほうがいいと思う。33だし、池野君が最低でも中団を取ってくれればチャンスはありそう」

7R

 今期は2班の守澤太志だが、6月宇都宮、7月小松島と記念連続優出するなど、直近の競走得点は112点オーバー。ここも人気を集めそうだ。


 「(7月青森で落車したが)全然大丈夫です。一本欠場して、しっかり練習もしたので。状態も悪くないと思います。(坂本)周作とはたぶん初めてだと思う。でも冬季移動先で一緒に練習したり、こないだの地区プロの団抜きでも一緒だったんでね。頑張ってもらいます」


 坂本周作は積極的なレースでここ2場所、予選を突破している。


 「守澤さんとは初めてです。レースは空いたけど、間に地区プロもあったんで、それほどびっちりとは練習できてない。でも直前の感じもよかったし、調子は落としてないと思います」


 対照的に愛敬博之は最近、初日で勝ち上がりを逃すレースが増えている。調子は悪くないだけに、早くこの流れを断ち切りたい。


 「そこが全てですね。感じ的には悪くないので、いい流れに乗れればと思うんだけど…。前回(8月川崎GIII)は展開がどうにもならなかったんで。最近はストレスがたまってるんで、そのうっ憤を晴らしたくて来ました。桜井(雄太)君に頑張ってもらえれば勝機は見いだせる。しっかり勝ち上がれるように、とにかく何とかしたいです」

8R

 松崎貴久は一次予選で落車、失格した昨年大会の分もと気合いを入れる。


 「去年がああいう形だったので、去年の分も走りたい。ここに仕上げてきてるんで状態はいいと思うけど、まずは走ってみて。練習でサドルが折れたのが不吉だけど、レースじゃなくてよかった。それだけ練習はしてきました」


 6月はあっせんがなかった岡崎智哉。明けてからは高い連対率を残しているが、本人は不満げだ。


 「あっせんが止まってた1カ月で脚が上がった感じがした。練習とかはすごくいいのに、レースで数字がついて来ない。何とかそこをかみ合わせる作業をしていかないといけないですね。ピタッとくればいい感じになると思うので。富山は3年前の記念でもだいぶよかったので、好きなバンクです」

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 予選のメーンを張るのは佐々木豪(写真)。ビッグ初参戦となったオールスターは898着とS級上位の壁にはね返されたが、気持ちを切り替えて今シリーズの臨む。


 「前回はお恥ずかしいレースでした。早いお帰りになったけど、終わってから腰痛が出てしまったので治療に専念した。練習も痛くないようにやって、昨日初めてモガきました。まだ痛みはあるけど、まだマシ。徐々に痛みは引いてます。富山はA級でけっこう走ってるけど、あんまり覚えてないです。覚えてるのはここの売店でS級パンツを買ったことぐらいですね」


 番手は野本翔太。7月伊東の落車で1カ月の欠場はあったが、復帰戦となった8月西武園でも決勝に勝ち上がって不安を一掃した。


 「3月の小松島GIIIでも落車したし、ろっ骨だったり、膝だったり痛いところはあるけど、自転車に乗ったほうが痛くない。この体で頑張ってますよ。佐々木君とは初めてだけど、レースは見てます。付いて行けるように頑張ります」


 最近は成績の波が激しい宿口陽一。今開催はいきなり若手有望株との対戦となった。


 「前々回(8月防府FI)までは勝負しての9着とかなので納得できるけど、前回(玉野FI)はダメです。内容もなかった。練習はバッチリだし、あとは自転車と体がかみ合えば。今はセッティングとかシューズとか色々換えてやってるんで。今回も気分を新たにシューズとかを換えてきた。練習で乗った感じはこっちのほうが競輪向きな気がします」

10R

選手の写真です。
小嶋敬二選手

 当所記念は過去に4Vと圧倒的な実績を誇る小嶋敬二(写真)。オールスターでも初日に単騎まくりを繰り出すなど機動力も健在だ。


 「前回は合宿が上手くいって調子が上がっただけ。落としたくなかったけど、疲れで落ちた部分はあるね。でも早く終わったんで、バンクにも入ったし、普通に1週間ぐらい練習はしてきました」


 諸橋愛はオールスターで2連対。連覇を飾った7月弥彦記念から気配は上向きだ。


 「だいぶよくなりましたね。今年前半の落車の影響もなくなった感覚はある。弥彦の優勝で気持ちが楽になりました。オールスターも最終日は単騎で動けてたし、調子もそんなに悪くなかった」


 人気は山中秀将が集めそうだ。


 「調子は問題ない。悪くはないです。でも、オールスターは後半の9、9(着)がよくないですね。最終日は新山(響平)君のデキがよかったし、8割方、行くつもりでした。2、3日休めば、疲れはもう大丈夫です。練習もしっかりやってきました。ただ、最近は自信を持って来ることがないんで、一走しないと不安はあります。レースの中でほぐしていって、2、3日目によくなることが多いですね」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 オールスター最終日に落車した平原康多(写真)だが、状態に不安はなさそうだ。


 「擦過傷はひどかったですね。ちゃんと自転車に乗ったのは2日ぐらいだけど、それまでにも痛くない部分で練習はやってた。前回で自転車がダメになったんで、今回は戻してきた。(弥彦記念から使っていた)新車がダメになったのがもったいなかったぐらいで、自転車は大差ないんで大丈夫です。落車したけど、大きな不安はないですね」


 近畿勢は山本伸一が前回り。古性優作は番手を回ることになった。


 「僕も自力で走りたい気持ちは伝えたし、お互いが考えて、そういう流れになりました。自分はしっかり力を出して、ラインで決まるように走るだけ。オールスターが終わってからはしっかりトレーニングをしたし、感じることも多かった。セッティングも試してきました」


 オールスターで2連対の田中晴基も侮れない1車となる。


 「オールスターが終わってからは1回休んで普通に練習。感じはよかったです。オールスターには新車と小松島記念で使ってたものと2台持って行ったけど、新車のほうが総合的にいい気がしたので今回もこっちで。初日も前々に踏んで頑張りたい」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 準優勝した前回のオールスターは4走全て番手回りだった浅井康太(写真)だが、今回は初日から自力戦。しかし、「自力の開催になると思うんで」とそれも織り込み済みで、心配は無用か。


 「前回は前回で。出し切れたので、またイチから体作りですね。次のビッグにつながるように、レースを走っていきたいなと思います。メンバーで番手も自力もあるけど、そこは臨機応変に走りたい。オールスターが終わってからは、のんびり体を動かした程度。まだ疲れてるかなぐらいの感じなので」


 北野武史は待ちに待った追加配分。8月松戸記念の落車が余計だったが、あとは気持ちで4日間を走りぬく。


 「追加は22か23日に入った。ずっと頼んでたし、何とか入ってくれと。そういう感じだったので、入る準備はしてました。ただ松戸の落車から流れが悪いんで、そこがね。もっと上がってくれればと思うけど、状態は普通ですね」


 メンバー的には取鳥雄吾の先行一車と言っていい構成だ。


 「オールスターは内臓系が悪かった。帰ってからはチャレンジの人の先行に千切れたんで、休まなきゃと思って最初はゆっくりしました。練習もそこそこやってるし、もう体は大丈夫。レースのイメージがしやすいメンバーだけど、油断しないようにしたい」


 番手の橋本強は「ここまで普段どおり練習して来ました。前回は後半戦盛り返せたんでよかったし、脚はいいと思う」。後半戦2勝を挙げたオールスターの調子は維持している様子だ。

1R

選手の写真です。
中村昌弘選手

 赤板ホームから菅原裕太、水谷好宏と次々前に出たところを、1コーナー過ぎから工藤文彦が仕掛けて打鐘過ぎから主導権。3番手以降を大きく引き離すと、続いた中村昌弘(写真)がゴール前で工藤をとらえた。


 「工藤君は先手を取ると言ってくれてたので。でもスピードがすごいですね。僕は200パーセント恵まれ。新車はまだ来ないけど、対応はできるんで。流れに乗れれば大丈夫そうです」


 2着の工藤文彦だが、鋭い出足で別線に出番を与えず。好調ぶりをアピールした。


 「雨が降って、細切れの33(バンク)なんで先行したほうが確実に勝ち上がれるなと思った。まくりに構えたらリスクがあったけど、しっかり先行できたのでよかったと思います。頑張って早起きした甲斐があった。1着を期待された1番車だけど、しっかりワンツーできたのでよかったです」


 前を任せた菅原が離れた吉永好宏とかぶって内に詰まると、バックから石毛克幸が前団を追いかけ3着に。


 「工藤君がいいスピードでした。強かったです。もう、これは追いつかないと思った。厳しい番組だったけど、とりあえず勝ち上がれてよかった」


 

2R

選手の写真です。
高木翔選手

 後ろ攻めから早めに動いて誘導員の後位に収まった高木翔(写真)を赤板で下沖功児が押さえて先頭に立つ。その上を踏み込んだ岡崎景介が打鐘前からハイピッチで飛ばしていく。最終2コーナー、5番手からまくり上げた下沖は不発となったが、7番手から高木翔が大外を豪快にまくり切った。


 「下沖さんがもっと行くと思っていたら、流されてみんなに行かれてしまった。最悪でしたね。落ち着いて行けるところから踏んだら出切れるなっていう感じでした。楽に行けたし、脚は悪くないんですけどね。組み立てが悪かったです」


 棟方次郎が懸命に続いて2着をキープした。


 「ああなって、あとは付いていけるかいけないか。山を越える時に後輪が滑ったけど、下りでなんとか付いていけた。抜けないですけどよかったです」


 百戦錬磨の高木隆弘がしぶとく3着に突っ込んだ。


 「片寄君が前々に踏んで、いい位置を取ってくれたおかげですね。33で後方に置かれたら厳しいですから。最終ホームでは決まったかなって思ったんですけどね。練習はしっかりやっているし、動けていると思います」


 

3R

 前受けから下げた片折亮太は打鐘前2コーナーから一気にカマして主導権を握る。踏み出しで口が空いた須賀和彦が追いつき、望月裕一郎も続くと、ラインでワンツースリー。逃げた片折が押し切った。


 「スンナリ出させてもらったんで。須賀さんが遅れてるのはわかったので、ちょっと待ってから。そのあとに来た人も見えてたし、出てからも余裕はあった。逃げられたし、1着も取れてるのでいいと思う」


 前で併走する須賀、月森亮輔の中を割った望月裕一郎が2着。星島太の落車で審議対象となっていたが、セーフのアナウンスに胸をなでおろす。


 「よかったです。あそこはしのがないと入られるんで。練習もできてたし、それがかみ合ってくれた。最後もいつもより狭いと思ったけど、調子がいいからしのげた。ちょっと光が見えそうな気がする」


 「ジャンと(最終)2コーナーと2回口が空いた」と振り返る須賀和彦だったが、何とか片折に続いて勝ち上がりを決めた。


 「(離れちゃ)ダメでしょ。課題なのはわかってるけど、なかなか…。20日も空いたからかな? 今日はフワフワしてた。何とかしのいだけど、望月さんに抜かれちゃダメですね」


 

4R

 後ろ攻めから動いて青板バック手前で誘導後位に入った大石崇晴はホームから誘導員を下ろして主導権を握る。番手の柴崎俊光は最終1コーナーで矢野昌彦、バックで服部克久と次々襲ってくる別線の仕掛けをブロックして直線抜け出した。


 「大石のおかげです。いいタイミングでブロックをして、止めてから戻った時にだいぶ詰まって(大石を)残せないかなと思ったけど、残ってくれてよかった。大石が強かったです」


 逃げてレースを作った大石崇晴が3着に粘って勝ち上がりを決めた。


 「前に矢野さんと戦ったときに突っ張られているので早めに行こうと思っていました。柴崎さんのブロックが大きかったけど、自分で駆けて勝ち上がれているし自信になりますね」


 服部克久のまくりは柴崎のけん制にはばまれた。


 「(赤板の2コーナーで)詰まったので内を突いたけど締められたので下げました。結果的に後方になってしまったので、思い切って仕掛けました。踏んだ瞬間自分の中でもイケると思ったけど、柴崎君のブロックがすごかったです」

5R

 赤板ホームで前に出た長尾拳太は1センターから巻き返して来た久木原洋を出させず打鐘からペースを上げる。これで岩本和也には絶好の展開。粘る長尾をゴール前でとらえた。


 「出てから焦って踏むかなと思ったけど、長尾君が落ち着いてましたね。中村(淳)さんも僕の後ろだったし、僕は上手いこと回せるなと。最近にない調子で迎えられたのは奇跡というかありがたい。状態はいいんで、頑張りたいですね」


 逃げた長尾拳太は2着に粘った。


 「内容はいいと思います。とりあえず後ろなら切って、ジャン前のバックとかで出られる感じなら出させてもと思ってた。ジャンまで引っ張れたんでね。久木原さんが見えて1回全開で踏んだんで、後半は余裕がなかったです。でも中部で勝ち上がれたんで、2日目もしっかりラインで決まるように頑張りたい」


 中村との併走をしのいだ鈴木幸紀が3着に流れ込んだ。


 「中村さんは絶対来ると思ってたし、危なかったけど引いてくれたんで。調子が悪かったら入られてだったと思うし、地元の邪魔せんでよかった」

6R

 後ろ攻めから早めに動いた伊藤勝太が赤板で池野健太を突っ張って主導権を取る。この4番手を確保した小埜正義が最終2コーナーから好回転でまくる。これに乗った大塚英伸が鋭く差し切った。


 「恵まれました。小埜君がうまいことやってくれました。久しぶりに勝ててよかったです。こういう展開の時にしっかり勝たないとって思ってます。前検日まですごい体が重かったんですが、走ったらすごい軽く感じました。(6月弥彦で)優勝した頃の感覚に戻っている。今回は期待できそうです」


 まくった小埜正義が2着で南関ワンツー決着。落車明けの不安を一掃した。


 「すごい緊張しました。うまいこといったし、ラッキーでした。めっちゃキツくて、いっぱいでしたけど、大塚さんとワンツーが決まってよかった」


 伊藤勝太の先行を利した五日市誠が3着に入った。


 「伊藤君が積極的に行ってくれたし、頑張ってくれたおかげです。小埜さんのスピードは違いました。伊藤君を4着までには残したかったけど、もうちょっとでした」


 

7R

 青板からアクションを起こした坂本周作はバック過ぎから先行態勢に入る。ホーム、7番手から桜井雄太も仕掛けるが、4番手の外でいっぱいに。坂本の番手で大きく車間を空けた守澤太志はバックからまくってきた松岡孔明をブロック。直線でもう一度迫ってきた松岡に合わせて踏み込むと、白星をゲットした。


 「(坂本の踏む距離が長く)これは大丈夫か?と思ったけど、できれば3着までに残したかった。申し訳ないですね。(松岡を)止められれば止めたかったけど、交わされたのでギリギリまで待って踏んだ。車間を切って(松岡に)早く来てくれと思ってたけど、引きつけられましたね」


 中団まくりの松岡孔明は守澤のブロックを耐えて2着に食い込んだ。


 「楽に中団を取れたけど、(守澤が)車間を切っているからキツかったです。仕掛けたくはなかったけど、あの展開では行くしかなかった」


 坂本周作は4着になってしまったが、主導権を握って見せ場を作った。


 「(番手が)守澤さんじゃなければもっと行かれていました。長い距離を踏もうと決めていたし、長い距離を踏めたので疲れは大丈夫です。勝ち上がれたし、守澤さんのおかげです」


 

8R

選手の写真です。
岡崎智哉選手

 後ろ攻めの金澤竜二は中団の小林申太にフタをしてから、赤板前に踏み上げる。これですんなり中団に収まった岡崎智哉(写真)が最終2コーナーから力強くまくって快勝した。


 「後ろで少しもつれていたんで、自分でペースを上げました。そうしたら来て中団という感じでしたね。あとは落ち着いて手堅くいきました。モコモコしていたけど、それはいつものことなんで。できることをしっかりやって、まずは準決勝に乗りたい」


 地元の松崎貴久がしっかり続いて2着で初日を突破した。


 「岡崎君が全部、やってくれました。強かったです。ちょっとからまれそうになったんで、よけて回りました。付いていく分には自信がある。今回は地元の選手複数で、決勝に乗りたいと思ってます」


 金澤の先行を利した川口直人が3着に食い込んだ。


 「金澤君はいい感じで踏んでましたね。あれだけ頑張ってくれたんで、もう少し自分がしっかりできればよかった。そのぶんもしっかり勝ち上がっていきたいです」

9R

選手の写真です。
宿口陽一選手

 誘導員を残して車を下げた佐々木豪は赤板ホームから巻き返しに行くが、合わせて中川勝貴もペースを上げる。ホームで佐々木が叩き切るかに見えたが、合わせて番手から出た渡辺十夢が内を盛り返して2コーナーで佐々木をけん制。このあおりを受けた宿口陽一(写真)だが、そこからさらに加速するとモツれた前団をひと飲みにした。


 「よかった。うれしいです。8番の子(中川)があまりわからなかったし、1番(佐々木)の脚力が上だから行っちゃうんだろうなと思った。そこに切り替えて行こうとしたら、あおりがすごかったので。今回でセッティングと体が合った気がする。駆けてもいいぐらいの感じでした。今期はハイペースで9着を取ってるし、前回も内容がなかったんで久々にうれしい」


 近畿3番手から2着に入った角令央奈は前の2人に感謝しきり。


 「前が頑張ってくれたおかげですね。作戦どおり主導権を握ってくれたので、それが一番大きい。僕は付いてただけなんで助かりました。余裕もありすぎるぐらいありましたね」


 宿口マークの佐藤真一は3着に。


 「2コーナーでけん制があって(宿口が)止まった。(直線は)外は無理だし、中も空かなかったので無理だったから、4着以内を確保と思った。とりあえずまた2日目頑張ります」


 

10R

選手の写真です。
長島大介選手

 赤板ホームから飛び出した櫻井正孝が主導権を握ると、山中秀将は打鐘過ぎから早めの巻き返し。1センターで前団を飲み込んだが、北日本後位から山中ラインにスイッチした長島大介(写真)がそのまま外に持ち出し、直線鋭く突き抜けた。


 「組み立てとしては3番手を取ろうと思っていましたが、山中さんの仕掛けには合わせられないですよ。それでも余裕はあったので2、3着に入れるかなと思っていたら、自分が思ったより伸びましたね。この感じならいい勝負ができると思います」


 長島マークの諸橋愛が2着に続いた。


 「(長島は)自信を持って行っているし、高松宮記念杯のときより強くなっていますよ。俺の感じもよくなっているけど、今日は抜ける感じがしなかった。イセ(伊勢崎彰大)が内に差し込んでいたから結果的に押し切れたけど、差し込んでいなかったら厳しかったかも」


 ホームからロングスパートした山中秀将だが、関東コンビに外を行かれて3着に。


 「早めに行かないと早坂(秀悟)さんに合わされると思って仕掛けました。ただ、出切るのに脚を使って最後はタレていました。踏み込んだ感触はよかったし、仕掛けどころもよかった。あとはペース配分の問題ですね」


 

11R

選手の写真です。
古性優作選手

 後ろ攻めの山本伸一が青板周回の3コーナーから一気に踏み上げる。前受けの田中晴基はこの3番手の位置に飛び付く。後方となった平原康多は打鐘から反撃。最終1コーナーで出切るが、後位にはまった山本が二の脚を使って詰め寄ると、その後ろから古性優作(写真)が鋭く伸び切った。


 「(山本)伸さんがいいレースをしてくれました。自分のできることをしっかりしようと思っていた。平原さんが来たのは見えたし、(打鐘の)2センターで(山中貴雄と)ぶつかったのも見えてました。対応しようと思ったんですが、持っていくタイミングの取り方に失敗しました」


 山本伸一は古性の好アシストもあって2着。前々に攻めたことが結果につながった。


 「(古性)優作が全部、やってくれました。立ち上げ切るまでに行かれてしまったので、まだもう1回踏める脚は残ってました。脚自体は悪くないけど、自転車がヤバいですね。(新車で)硬すぎる感じなんですが、もう一走してみます」


 落車明けの平原康多は長い距離を踏んで3着に粘った。


 「勝負どころでしっかり行けました。ただ山中が前で浮いていて、2回くらいバックを踏みました。最後が苦しかったですね。今の状態なりに納得の走りはできました。気持ちで走れたと思います。あと3日間、体調管理をしっかりして、レースの中で微調整していきます」


 山本のラインの3番手に飛び付いた田中晴基は内に包まれて持ち味を発揮できなかった。


 「あそこまで泳がされて、引くに引けなかったです。状態的には悪くないと思います」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 赤板2コーナーで前に出た取鳥雄吾とすかさず叩いて来た佐藤博紀で打鐘から激しいモガき合い。1コーナーで佐藤博が力尽きると、そこをホームから浅井康太(写真)が好回転でまくる。鮮やかに前団を飲み込むと、直前の不安を吹き飛ばした。


 「よかったです。来る前の練習が全然だったんで。感触がすごく悪くて、モガキより乗り込み重視で来た。初日モガいてよかったですね。不安なところがあったけど、これで吹っ切れたんで。優秀は初日よりいいメンバーになる。GI決勝に近いメンバーだと思うので、そのなかでしっかり走れば今後につながると思う」


 不発になった佐藤博後位から3番手に下りた佐藤慎太郎はバックまくりで浅井を追いかけ2着に。


 「後ろにオノダイ(小野大介)もいるし、イチかバチか行ってみようと思ったけど、浅井のスピードが違ったね。走りながらスピード差を感じた。僕は前回が地元オールスターだったし、脚自体はキープできてると思う。悪くはないのかなと思う」


 浅井、佐藤慎と次々に外を行かれた橋本強は北野武史を飛ばして佐藤慎後位に切り替えると3着に入線した。


 「ダメですね。スピードが違い過ぎる。真後ろに慎太郎さんがいるのはわかってたけど、それにも対応できなかった。余裕はあったけど反応が鈍い。でもあれは無理だな。強かった、浅井が」


 

6R

選手の写真です。
佐藤博紀選手

 岡崎智哉の上昇に合わせて青板1コーナーから動いた松岡孔明が2センターで誘導員を下ろす。そこを赤板1コーナーで岡崎が叩いて前に出るが、そこにすかさず佐藤博紀(写真)も襲いかかる。岡崎の抵抗を力でねじ伏せた佐藤がそのまま押し切った。


 「(小野に)任せてもらったし、前にも迷惑かけてたんで。岡崎に合わされてホームではまた出切れないと思った。初日も2日目も一緒じゃないかって。出切るのに脚を使ったし、バックでいっぱい。でも怪我の影響はそこまでない。初日も踏んだ感じは悪くなかったんで」


 佐藤に出切られた岡崎は1コーナーで自ら小野大介をブロック。しのいだ小野が何とか佐藤に追いつくと、小野後位に切り替えた柴崎俊光がゴール前で小野をとらえた。


 「岡崎が全部やってくれたし、強かったです。バック(で切り替えたの)はしゃーないね。僕は道中ちょっと余裕が出て来たし、最後も外をちゃんと踏めました。(同級生の浅井康太と)一緒に(決勝に)乗りたいね」


 岡崎にからまれながらも佐藤に続いた小野大介が3着に。


 「キツかった…。岡崎は100パーセント来ると思ってたんで予測はしてました。からまれて、ちょっと離れたし、早めに追いついてバック入れたのがアレでしたね。博紀の頑張りで何とかです」

7R

選手の写真です。
田中晴基選手

 中団の工藤文彦にフタをした高木翔が赤板ホームから先行態勢に入ると、前受けの田中晴基(写真)はすんなりと中団を確保。車間を詰めた勢いでホームからまくると、石毛克幸や7番手から巻き返して来た工藤の追撃を振り切った。


 「初日失敗しているので、しっかり組み立てようと思いました。スタートであの並びになったので、高木君のスピードが乗っていたけど、自分のタイミングで行けました。ただ、ここまでの雨はデビュー以来初めてかな」


 7番手に置かれた工藤文彦だったが、田中の仕掛けを追う形で2コーナーから持ち出すと、直線で田中に鋭く詰め寄った。


 「不細工なレースをしてしまって情けないです。先行したかったけど、行けなかった。(雨で)レンズが曇ってしまったのもあるけど、そんなのは言い訳なので。気持ちの弱さが出ました」


 田中をマークした石毛克幸が3着に入って準決への切符を手にした。


 「田中君がいい位置を取って、しっかり仕掛けてくれましたね。ゴール前は感覚で外を振りにいきました。あれがなければ勝ち上がれていなかったかも。田中君のおかげですね」

8R

選手の写真です。
片折亮太選手

 片折亮太(写真)が赤板から一気に飛び出して主導権を握る。8番手となった筒井裕哉がすかさず反撃に出るが、片折が突っ張り切る。筒井マークから3番手に降りた岩本和也は最終1コーナーで神山雄一郎の内をすくう。後位のもつれを尻目に片折が力強く押し切った。


 「神山さんが後ろで気合が入りました。そういう気持ちにさせてくれる先輩です。僕の力というよりは、後ろのおかげですね。出切ってからはどうなっているか何も分からなかったです。体の感じは悪くないです」


 小埜正義マークから切り替えて自力に転じた伊勢崎彰大が2着に入った。


 「小埜は3回ぐらい行くところがあったんですけどね。巻き返すポイントがもうないと思って、見栄えは悪いけど、切り替えさせてもらって、あとは自分のタイミングで踏もうと。二次予選では負けてられないので。あれだけ踏み込めているんで、俺の感じはいいですね」


 岩本にすくわれながらも懸命に耐えた神山雄一郎が3着に踏ん張った。


 「片折が強かったね。しゃくられたのはしょうがない。追いかけるのがキツかった。落車があって助けられた感じ。今回は落車明けで本番はやっぱりちょっとキツいね。ツキもあって何とか勝ち上がれた」

9R

選手の写真です。
高原仁志選手

 赤板ホームから先行態勢に入った取鳥雄吾はすかさず叩きに来た櫻井正孝を出させずピッチを上げる。叩けなかった櫻井は中団に入っての立て直し。最終ホーム、7番手からまくった宿口陽一もいいスピードで前団に迫ったが、これをけん制しながら高原仁志(写真)が直線で抜け出した。


 「中団が取れるとは思わなかった。前が頑張ってくれたね。(櫻井がすかさず来たが)雄吾もそこだけ集中してたし、僕には絶好の展開になった。最後はタレて来てたけど、3着に残ってくれてよかった。初日はみんな強いんでキツかったけど、脚は問題ないですね」


 ホームまくりの宿口陽一は惜しくも2着に。


 「早めに切って、櫻井と取鳥がモガき合ってくれればと思ったけど、(櫻井が中団に入った)ああなったのは予定外ですね。でも、車の出はよかったんで、前回よりはいいです。シューズとセッティングを変えて、練習もして来たんでいいと思います」


 逃げた取鳥雄吾は3着に敗れたが、内容のあるレースでしっかりと勝ち上がりを決めた。


 「めっちゃケツが痛いっす。風がないのが大きかった。流れてたし、雨も大好きなんで。いい展開になったので、もう少し粘りたかったですね。櫻井さんを合わせての勝負だと思ったけど、バックでキツかった。初日よりはモガけてますね」

10R

選手の写真です。
小嶋敬二選手

 中団の大石崇晴にフタをした坂本周作が赤板ホームで前に出る。すかさず叩きに行くかと思われた大石は上手く中団を確保。最終ホームから巻き返すが、これを大塚英伸がブロックする。そこを小嶋敬二もまくって来たが、これを張りながら前に踏んだ大塚が連勝で準決勝進出を決めた。


 「今日はラインのおかげですね。坂本君が頑張ってくれたし、高木(隆弘)さんも3番手を固めてくれた。もう一発持っていけば坂本君を残せたかもしれないけど、自分に全く余裕がなくて一杯でした」


 大外をまくり上げた小嶋敬二(写真)だったが2着まで。前団を飲み込むことはできなかった。


 「青板から(別線が)動いていて、さすがに(赤板で)突っ張ることはできないでしょ。1着を取れそうなレースだったのに、展開がかみ合わなかった。もったいないですね。(北野)武史君と決められずに残念です」


 任せた大石は不発に終わったが、4番手から中バンクを踏んだ澤田義和が北野武史との伸び比べを制して3着に。


 「前が頑張ってくれたけど、2コーナーで内に降りようとしたら前のあおりを喰らってそのタイミングで小嶋さんが行ったからヤバいなと思いました。それでも何とかしのげましたね。状態は前回よりよくなっていますね」

11R

選手の写真です。
守澤太志選手

 前受けの早坂秀悟が長尾拳太の上昇を許さず、赤板前から突っ張って主導権を取る。連結を外してしまった守澤太志(写真)だが、打鐘で追い上げて番手を取り返す。月森亮輔の反撃に合わせて再びペースを上げた早坂を番手で好ガードした守澤が直線できっちり追い込んだ。


 「突っ張るのは作戦のひとつでした。離れてしまったのは申しわけないですね。そこはしっかり追い上げないと。(早坂)秀悟が頑張ってくれていたので、何とかしようと思ってました。最後は秀悟がタレて、外もけっこう来ていたので、どうかなって思っていたけど、ワンツーが決まってよかったです」


 突っ張り先行の早坂秀悟は守澤のアシストもあって2着に粘った。


 「周回中から長尾君が来たら突っ張ろうと思ってました。後ろが守澤君なんで、何とかしてくれるだろうと。脚を回していたけど最後はいっぱいでした」


 先制した北日本コンビの3番手を確保した長尾拳太がそのまま3着に流れ込んだ。


 「突っ張られてしまったけど、諦めずに踏んでいたら前の方にいれました。早坂さんを早めに切っても一巡してしまうと思って、遅めに行って先行しようと考えていたけど甘かったですね。(早坂の)番手に入る形になったんですが、守澤さんが追い上げて来るし、そこで勝負しても勝てないので。3番手でペースが上がって、仕掛けるタイミングも脚もなくて、流れ込む形になってしまいました」

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 青板前から動いた山本伸一が長島大介にフタをすると、3コーナーで山中秀将が切る。そこをすぐさま山本が叩き返して前に出ると、3番手から仕掛けてきた長島に合わせてピッチを上げる。山中が巻き返してくると、2コーナーから古性優作が合わせて番手まくり。この後ろに切り替えていた平原康多(写真)が粘る古性をゴール前でとらえた。


 「(長島には)落ち着けと言ってたけど行きましたね。でも気持ちは伝わりました。古性が前で派手な動きをしてて難しかったし、山中君とかぶったのは反省点。脚に余裕はあったけど、ギリギリでしたね。今の状態だとよく抜いたなって感じ。初日よくなかった分、修正して初日よりよかった。日に日に状態はよくなってる」


 2着には古性優作。次々と襲いかかってくる別線の機動型に最後は難しい判断を迫られた。


 「平原さんが真後ろにいるのはわかったんで、そこに行かれると、ごっそり行かれると思った。判断が難しかったけど、あそこまで行ったら1着を取らないとと思った。力不足ですね」


 平原マークの諸橋愛が3着に入線した。


 「前の2人が頑張ってくれた。古性の動きがわからず、ワンテンポずつ遅れたけど、付いては行けたのでそこそこかなとは思います」


 1センターから好スピードでまくり上げた浅井康太だったが、力尽きた山中の外を回されたため前を飲み込むことはできなかった。


 「失敗したというか自分で緩めてしまった。あおりが来るか見ながらだったし、それもレースなんで。でも、しっかり仕掛けての着なんで納得してます」


 打鐘過ぎ4コーナーから巻き返した山中秀将も前団をとらえることはできず。


 「上手く走れなかった。体は悪くなかったけど、古性君の横に行ったときも大外を走ってた。脚はいいのにもったいないなと思いました。行けるかなと思ったんですけどね」

10R

選手の写真です。
片折亮太選手
選手の写真です。
古性優作選手

 赤板ホームで先頭に立った古性優作(写真)は関東勢を受けて3番手を確保。後方から取鳥雄吾が巻き返すが片折亮太に合わされて出られない。古性は最終バックから仕掛けるが、けん制してきた諸橋愛と接触したことで失速。諸橋はバランスを崩して落車し、これに3名が乗り上げる。一度、片折後位に収まった古性だったが、再度踏み上げてゴール前で逆転した。


 「位置を取ってしっかり仕掛けて自分のレースはできましたね。澤田(義和)さんと一緒に決められると思ったけど、諸橋さんにいいのをもらってしまった。(接触して)ブレーキがかかってしまったけど何とかしのげましたね。セッティングを試しているが日に日によくなっている」


 無欲の先行策に出た片折亮太(写真)は落車のアクシデントもあって2着に粘った。


 「自分が一番格下なので後手を踏むわけにはいかないと思いました。向こう(取鳥雄吾)は勝つ意識もあったと思うので、自分はとにかく出切ろうと思って。主導権を取れたのはその差ですね。後ろで諸橋さんがこけていて素直には喜べないけど、自分のやることはできました」


 間一髪で落車を避けた大塚英伸が3着に入って記念初優出を決めた。


 「まさか(決勝に)乗れるとは。気負いはなかったけど付いていけるかどうかが不安でした。ホームで(澤田義和が)降りてきてバックを踏まされる形になりました。それで追い付かなきゃと思い踏み上げて外に意識がいったのが結果的に落車を避ける形になりました。ツキもありますね」


 大塚を交わせば決勝進出だった橋本強は悔しさを隠せない。


 「(バックで)澤田さんをキメとけばチャンスはあったかもしれないけど、コケてたかも。(外に浮いて)下げながらだったので体が合わなかった。難しいですね」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
山中秀将選手

 青板周回のバック過ぎに切った平原康多(写真)を長尾拳太が押さえて主導権を取る。8番手となった佐藤博紀が赤板の2コーナーから反撃に出るが、長尾もペースを上げて出させない。すんなり3番手に収まっていた平原が最終ホームからまくって中部コンビを一気に抜き去ると、そのまま後続の追撃を振り切った。


 「もっと中部がガンガン行くと思ってました。(小嶋敬二が番手で)躊躇しているところを迷わずに行けました。今回は不安だけしかなかったけど、気持ちで走れている。自分の走りをして、それがいい方向に出ている。ここまでの結果が出るとは思ってなかったので自信になります」


 後方から好回転でまくり上げた山中秀将(写真)は2着まで。


 「(佐藤)博紀も8番手から行くだろうし、行かせてから、すかさず仕掛けようと思ってました。(工藤文彦の車体故障の)アクシデントもあったんですが、冷静に対処できました。踏み込んだ感触はよかったです」


 3位入線の神山雄一郎は外帯線内進入により失格。山中マークの伊勢崎彰大が繰り上がりで決勝進出を決めた。


 「脚はないけどツキはあるね。山中のスピードは平原よりも上だと思っているし、平原より先に仕掛けられればと思っていた。厳しい展開になったけど、それもすべて想定どおり。最後は神山さんとの勝負かなって。運があった」


 地元の小嶋敬二は番手絶好展開を生かせなかった。


 「展開は向いたけどね。付いてて余裕もあったけど、後ろが平原だし、落車の音もして、(番手から出るのを)躊躇してしまった。もう1車ほしかった」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
山本伸一選手

 スタートけん制で前受けになった山本伸一は早坂秀悟の上昇を許さず、青板バックから誘導員を下ろして先行態勢に入る。一度は7番手まで下げた早坂だったが、赤板ホームからすかさず仕掛けて佐藤慎太郎と2車で先頭に。3番手に入った山本が1センターまくりで北勢を飲み込むと、続いた浅井康太(写真)が抜け出した。


 「山本さんがすごいいいレースをしてくれました。自分も前を抜けてるんでね。コース取りが甘いのもあって(柴崎)俊光と決められなかったけど、ワンツーは決まったので。自分はしっかり1着取ることができてよかった。(調子は)オールスターよりもいいのかなってとこは感じてる。決勝は一人なんで一人なりに着を狙えるように」


 浅井に差された山本伸一(写真)だが、青板バックから前に出て、3番手で立て直してまくりと力強い走りで決勝に勝ち上がった。


 「(早坂を出させない)その気持ちがないと。全部下げたらまくるのも厳しいので。でも、あのダッシュはすごいですね。あれに対応せんと上では戦えない。出られてからタイミング図ってなかったけど、まくり切れたので。今回から新車を投入して日に日によくなってますね。今回は(古性)優作と一緒なのはわかってたので、決勝で一緒になったら前でと思ってた。初日から優作の前を回ったことで、いい流れを作れましたね」


 3番手で柴崎俊光と佐藤慎太郎がからむと、バック最後方から外を回した宿口陽一が3着に強襲した。


 「終始離れて前(長島大介)に迷惑をかけました。付いて行かないと話にならないし、自分だけで申し訳ない。(片折亮太、平原康多が勝ち上がり埼玉勢の流れだったが)自分はないなと思ってたし、記念の決勝は初めてなんで。3着には来ましたけど反省しかないんで…。うれしさよりも反省のほうが大きいです」


 内から来た長島大介に対応し、離れながらも中近3番手で続いた柴崎俊光だったが、「残念。最後は慎太郎さんのコースを潰せば3着あると思うじゃないですか。判断ミスったなあ」。ゴール寸前で宿口に決勝進出をさらわれた。


 


<最終日・6R S級ブロックセブン>


 最終日6RにはS級ブロックセブンが行われる。人気を集めるのは中近コンビだ。松岡健介は8月松戸記念で優出し、続くオールスターでは準決勝に勝ち上がるなど調子を戻している。


 「戻ったというほどではないけど、よくなってるような気がします。やっと脚がたまるというか。しばらくは行けるか行けないかわからないまま走ってたのが、それがわかるぐらいにはなった。7車立ては小倉のミッドナイトで走ったことがあります」


 好目標を得た伊藤正樹は付け切れれば逆転のチャンスがある。


 「松岡君が勝つレースをしてくれれば。僕も悪くはないと思いますよ。(7月函館で)落車の影響もないですね。彼に任せて頑張ります」


 前回、8月豊橋で優勝するなど調子を上げている朝倉佳弘は単騎戦を選択した。


 「体調というか、最近落車してないので。体が動くから、その辺がすごくいいですね。7車は初めて。どういう感じかわからないし、前々にいたほうがチャンスあるかな。余計なことを考えずに流れに乗れれば。状態はいいんでね」


 松岡に真っ向勝負を挑むのは竹内翼だ。


 「しっかり主導権を取れるように。(6月小松島で)落車の影響は全くない。前回(8月久留米)も上がりタイムはよかったし、調子はいいのかな。一発勝負はルーキーチャンピオンとかはあるけど、エボリューションもこれも初めて。(師匠の)吉本(哲郎)さんが(今年7月)福井のブロックセブンで優勝してるんで、僕も続けるように」