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富山競輪

TOYAMA KEIRIN

46#

検車場レポート

  • 6/23 Fri.  (前検日)
  • 6/24 Sat.  (1日目)
  • 6/25 Sun.  (2日目)
  • 6/26 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
北川大五郎選手

 開幕戦は点数上位の根本哲吏を相手に、チャレンジャーの北川大五郎(写真)が積極的なレースを展開する。


 「富山は33(バンク)のなかでは直線が長い方だけど、しっかり良いタイミングで仕掛けないといけない。前回(四日市)が終わってから練習はしっかりできたし、すごく感じが良かった。調子が戻ってきてますね。伊藤(太一)さんと松岡(孝高)さんとは戦ったことがあるけど、根本さんとはないですね。とにかく、自分の力を出し切ります」


 その根本哲吏は今回が怪我明け3場所目。まだまだ影響が残る。


 「流れは悪くないけど、今は踏ん張るしかないですね。ひと場所ひと場所良くなっているし、前回(高松宮記念杯)が終わってからも日に日に良くなっているので。今期はあまり本数を走ってないので、ここで頑張れば点数も上がると思うので。また、イチから立て直して頑張ります」


 

2R

 小田倉勇二を先導役とする関東ラインが本線となる。小田倉は4月取手で落車して調子を落としていたが、徐々に回復中。久々に得意のまくりが炸裂か。


 「鎖骨骨折明けから(5月)伊東がダメで、(6月)四日市もダメで。前回(松阪566着)やっと少し良くなってきた感じ。四日市(785着)の初日に(河野通孝に)迷惑をかけてしまったので、今回はそのぶんも頑張ります。今回から新車で。日当(泰之)君はダッシュが良いので気をつけないと」


 栃茨スジで連係するのは河野通孝。点数最上位の存在だが、前回の四日市は6欠着で途中欠場しており、状態が気がかり。


 「前回は感じが良くなくて…。途中欠場は10年以上ぶりくらいでした。ずっと全プロの競技の練習をしてて、体がそっちに慣れてたので。今回は大丈夫だと思うけど、富山は5回落車してるんですよね(苦笑)。いつも落車で。今回こそ無事に4日間走りたいですね」


 日当泰之は持ち味のダッシュを生かし、初日突破を目指す。


 「僕は33(バンク)は好きなんです。直線より、僕はコーナーが得意なので。有坂さんとは前回(松戸)一緒で、2日目にワンツーを決めてます。有坂さんに作戦を考えてもらって、僕は全力を出すだけです」


 

3R

選手の写真です。
矢口大樹選手

 このレースは実績上位の友定祐己が中心。前を託された三登誉哲は下手なレースはできず、今から緊張が走る。


 「最近は位置にこだわりだしてから成績が良くなったし、何とか走れてますね。それまでは後手後手だったけど、最低でも中団って意識してから。でも、今回は33(バンク)なので、僕は先行もできない訳ではないので。前々しかない。今回は追加だけど、入ると思ってたので準備はしてました」


 矢口大樹(写真)も差はない。今回は初日から集中力を高める。


 「前回(武雄731着)、前々回(福井841着)は初日でダメだったので。練習はできてるんだけど、気持ちの部分でダメだった。初日に照準が合ってなくて、段々と上がっていく感じだった。でも、今回は初日から集中して。(S級の)点数も余裕がないので頑張らないと」


 

4R

選手の写真です。
松崎貴久選手

 地元のトップバッターは松崎貴久(写真)。明日は若手の谷口遼平の番手。ここで結果を残し、勢いをつけたい。


 「(欠場が多く出る)期末だし追加が入ると思ってたので。ただ、昨日(22日)の(夕方)4時半に入ったので。これから徐々にテンションを上げていきます。谷口君とは1回くらいしか連係したことがない。ダッシュが良いので踏み出しに集中しないと。しっかり付いていきます」


 南関勢も差はなく、山本健也がが中部勢を相手に力勝負に出る。


 「最近成績がパッとしないけど、練習はしっかりできているので。あとはきっかけだけだと。久しぶりの記念だし、今回は頑張りたいですね」


 単騎勝負する山口貴弘も気になる存在だ。


 「取手記念で落車して腰の打撲と、指をはさんだけど、怪我は大丈夫です。今回は33(バンク)だし、自分で仕掛けてみたいですね。内か外かどっちか分からないけど(笑)。今回は九州が少ないので、自分でやるつもりで来ました」


 

5R

 3月高松で落車した佐藤博紀だが、ケガの影響も薄れて状態は上向き。前回の四日市でも準Vと、好走を見せた。


 「落車はそこまでひどくなかったです。その前(10月平塚)の方がつらかったですね。(四日市の)初日は脚が回ったんですけど、準決はそこまで。でも、ギリギリ(3着で決勝に)乗れて、逆に決勝は気持ち良く走れた感じがありましたね。33(バンク)は、タイミングが合わないとどうしようもないので、考えて走ります」


 追加で参戦が決まった重倉高史。「とにかく出し切る」と気合十分で地元記念に臨む。


 「練習もしっかりできたし、追加が入ると思って準備はしていました。今回は初日に賭けます。競輪は7割以上気持ちと思っていますし、悔いのないように。(初日は)3車だし、(山口泰生が)1番車だし、逃げるのが一番いい。それしか考えていません」


 

6R

 近畿勢が頭ひとつリード。先導役の栗山俊介が積極的にレースを動かす。


 「33(バンク)だから皆積極的にくると思うけど、僕もちゃんと主導権を取らないと。取手記念から(日程が)空いて練習はしっかりできました。調子は変わらず良いです。(対戦する)守谷(陽介)さんはいやらしいので、気をつけていかないと」


 番手を回る中野彰人は4月高知記念、5月岸和田と連続落車。さらに、前回の6月松戸では失格の憂き目。今は我慢の時期だ。


 「まだ体は万全ではないので、そのぶん、気持ちでカバーしないと。今回も何とかします」


 

7R

 ここ2場所は一息の成績が続いている不破将登。それでも、初日から真っ向勝負で一次予選突破を狙う。


 「荻原(尚人)さんは何をするかわからないし、石丸(寛之)さんも強いし。厳しいとは思いますけど、ここも自分のスタイルでいきます。いけば何とかなると思うので。(近況は)中3日とか4日が続いていて、がっつり練習ができていません。でも、先行していますし、競走が練習になっていますね。短走路は前回の松戸でも走っていますし、嫌いじゃない。かみ合うことも多いですね」


 石丸寛之は、前回の松戸で怪我から復帰。決勝は外国勢に屈するも、536着で優出を果たした。


 「怪我は肋骨をやって、肺挫傷もやりました。痛い所はあるけど、休んでいたら、調子が悪かった所が良くなってきました。(松戸は)落車明けできついかなって思ったけど(優出できた)。(テオ)ボスとかが、めちゃくちゃ強かったですね。100回やっても勝てない(笑)。来期から2班なので、最後の1班のレースはしっかりと」


 

8R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手

 関東勢が結束して本線を形成。若手の機動型である伊早坂駿一(写真)は着実に力をつけ、今は記念開催でも存在感が大きい。


 「富山は初めてだけど、33(バンク)だから主導権さえ取れば何とかいけるかと。最近は練習でもレースでも体が良く動いてます。自分のレースをして勝ち上がりたい」


 対戦する伊原克彦は近況の成績はやや下降気味。そろそろ歯止めをかけたい。


 「ずっと練習はできてるんですけどね。調子は悪くないし、一時(落入した2月)よりは良くなっているので。きっかけをつかみたいですね。追加は4、5日くらい前に入ったから、準備はしてたので大丈夫です」


 

9R

選手の写真です。
戸田康平選手

 好調を維持する戸田康平(写真)は、5月全プロ記念の初日に強豪から白星を奪取。さらに、前回の四日市でも無傷で優出と勢いが加速している。


 「最近は結構いいですね。(好調の要因は)1月にあっせんが止まって、まとまった練習ができたこと。あとは、タイヤ引きとか、食べる量を増やして体重が増えたことですかね。(四日市は無傷で優出したが)S級でピンピンで決勝に乗れたのは初めてです。初日はいつも通り走ります。落ち着いて、慌てないように」


 対する清水剛志は、全力投球で強敵撃破を目論む。


 「初日は積極的に。やるしかないですね。(戸田は)絶対くる相手なので、考えて見せ場を作らないと。後ろも同県の先輩(鷲田幸司)だし、気合を入れて。(近況は526着の)川崎で思ったように踏めたし、(補充で1着を取った前回の福井も)良かったですね。気持ちの面でも落ち着いてきました」


 鷲田幸司は次走に地元記念を控えており、ここで弾みをつけたいところ。


 「記念の勝ち上がりは良い感じなんですよ。次が地元記念だし、ここをステップにしたいですね。(状態は)ケガもしていませんし、例年よりだいぶ良いです」


 

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 ここからシリーズをリードする特選シード組によるレース。2日目優秀「峻峰剱賞」進出を目指し、初日から火花が散る。まず注目を集めるのは、ダービー、高松宮記念杯と連続優出した山田英明。宮杯では表彰台入りし、さらに自信を深めて今期最終戦に臨む。


 「前回は緊張感のある所で走れたので。(決勝は平原康多を)退かしてすぐに仕掛けていれば、自分でも納得できたんですけど。休んで脚にきてしまって。富山は2年前は(決勝1着)失格で、去年(共同通信社杯)は落車。記念でもしっかり勝たないといけない。点数は上がったけど、浅井(康太)君や竹内(雄作)君、村上(義弘)さんに比べれば自分はまだまだですね」


 郡司浩平(写真)はダービーで落車すると、全プロ記念で痛恨の失格。今は我慢と踏ん張りの時期だ。


 「前回(の準決勝)は見ちゃう展開になったので、仕掛けて納得したかったですね。(まくった2日目のように)少しずつああいうレースで上向いていってくれれば。今期最後(の開催)なので、来期に向けて調子を戻していければ」


 長らく怪我に苦しんでいた成田和也が、第一線に戻ってきた。高松宮記念杯では復活と言ってもいい準V。後半戦を視野に、当所も結果を残したい。


 「たまたま流れが良いのもあると思うけど、また戻って来れたと自分でも思います。宮杯のあとは軽めに練習をやってきました。ここからまた頑張るつもりでいきます」


 小嶋敬二は急遽、追加で2年ぶりに地元記念に参戦。気持ちを戦闘モードに切り替える。


 「追加ですけど、呼んでもらってありがたいですね。去年の共同(通信社杯)を走ってないし、地元記念は久しぶり。状態ですか? 追加だから急にはね(笑)」


 

11R

選手の写真です。
木暮安由選手

 木暮安由(写真)は、競走得点114点台をキープと高いレベルで安定。前回の高松宮記念杯では二次予選で敗退も、3日目は深谷知広を自力で撃破した。


 「(高松宮記念杯の3日目に)深谷をまくれて自信になりましたね。(ここまでは)2日練習して、あとは調整です。(ここまで中4日だが)調子が良いので、そんなに疲れはないです。すぐ帰って練習もできたし。初日は(前回)池田(勇人)が強かったし、全部任せます」


 前回の高松宮記念杯では、力強い先行策で2度の確定板入りを果たした池田勇人。ここも上がる調子を追い風に暴れ回る。


 「調子が上がってきているから、ああいう(積極的な)レースができました。だいぶ、上位が相手でも戦えるかなって感じはあります。ここまではゆっくりして、練習も疲れを抜いた程度です」


 村上義弘は、怪我明けとなった高松宮記念杯をきっちり優出。満身創痍の状態ながら、結果を残した。


 「状態は前回と変わらず。宮杯が終わってからは、体力的に落ちている部分があるけど、先を見据えながらやってきた」


 ここ2場所大きい着が目立つ山田久徳。相性の良い当所で、悪い流れを断ち切りたい。


 「富山は去年の共同(通信社杯)以来ですね。そのときは二次予選で飛んだけど、先行して4着。その後も成績は良かったと思います。富山はイメージがいいですね。ここまでは状態が悪すぎるので、練習してきました。やれることはやってきたつもりです」


 

12R

選手の写真です。
浅井康太選手

 昨年、共同通信社でビッグ初制覇を飾った竹内雄作が当所に帰ってきた。スタイルは変わらず。今回も敵陣を引きずり回す。


 「去年優勝したことはもう終わったことなので。これからのことの方が大事なんでね。自分のことを優先してたけど、今回はトレーナーの言うことを聞いてやってきました。33(バンク)は自分のなかでは得意ではないけど、富山はタイミング良くいけてますね」


 連係するのはシリーズV候補の最右翼である浅井康太(写真)だ。


 「前回は(後半)2日間、ワンツーを決めて終われたんでよかった。番手は仕事をどれだけしたか、なので。勝って当たり前、(前を)残して当たり前だと思ってるので。前の力もあって勝てるとも思うけど。(ラインで決める)それが競輪なので。前回(高松宮記念杯)が終わってからは休養して。あとは33(バンクの)感覚をつかむだけ。明日は竹内君と頑張ってラインで決まるように」


 3番手の北野武史も密かに闘志を燃やす。


 「(前回が終わってから)普通に調整という感じでした。宮杯で(練習した成果が)出なかったので、ここで出て欲しいな。ここで出なかったら7月のF1の3連戦で出ればだけど(笑)。明日は3着以内に入りたいね」


 対戦するのは山中秀将。天性のスピードは、中部勢にとって脅威となる。


 「前回(高松宮記念杯)は悪くなかったんですけどね。二次予選と3日目は(相手に)見られてしまい、動けなかった。最終日は打鐘から踏んでも、中村(浩士)さんのおかげだけど、感触が良かったので。あれより短ければ駆けても残れると。自信というか、確認ができたのでよかったですね。状態は引き続き良いので、今回も頑張ります」


 

1R

選手の写真です。
根本哲吏選手

 「瑞峰立山賞争奪戦」がついに開幕。注目のオープニングレースは人気に推された根本哲吏(写真)が打鐘から豪快にカマして快勝。ライン3人で上位を独占した。


 「風を切って行こうと思ったし、力を出し切って勝ててよかった。復帰後、初勝利ですね。こうやって結果が出てくれば、気持ちも付いてくると思う。状態は日に日に良くなっているので、ここから弾みを付けられたら点数も2、3点は上げられると思う。今日はライン3人で決まったのが何より大きいです」


 紺野哲也が巧追して2着を確保した。


 「展開的に恵まれてよかったです。余裕はあるんですけど、抜けないですね。早めに抜いてみようと思ったのに、全然車が出なかった」


 北ラインを追走した柴田健が3着で勝ち上がりを決めた。


 「恵まれました。踏み出しはキツかったけど、付いていけてよかった。ラインで出切ってからは3人で決まったなと思ったので、外を踏んで抜こうと思ったけど、全く車が出なかった。S級点もかかっているので、勝ち上がれてよかったです」


 

2R

 日当泰之が宗崎世連を最終ホームで強引に叩くも、有坂直樹が連結を外し単騎で逃げる展開に。すぐさま中団から小田倉勇二が仕掛けるが、車の進みは今ひとつ。すると、後方で脚を溜めていた単騎の松本大地が、一気にまくり上げる。軽快なスピードで前団をひと飲みし、波乱を演出した。


 「今日はペースが緩んだら番手にいこうかとも思っていました。でも、有坂さんが離れたのが見えたし、自力型が番手にはまっているのも見えて。ラスト1周ですでにかかっていたので、悩むくらいなら一か八か思い切り外を踏もうと思って仕掛けました。(S級点確保へ)この(1着点数)104点は大きいですね」


 目標が不発となった河野通孝だが、2センターから必死に前に踏んで3着に食い込んだ。


 「小田倉君が仕掛けてくれたので。何とかギリギリですね。いつもの感じではなくて、まくり切ったら離れていたかもしれません。あとは、(目標が不発のときの)対処ですね。(小田倉を)見過ぎてしまっているし、早めにでも斬り込んでいかないとダメ。でも、今日でアタリはつきました」


 

3R

選手の写真です。
三登誉哲選手

 魚屋周成が主導権を握ると、矢口大樹と三登誉哲で中団を争う展開に。打鐘が入り、矢口が外併走からまくって出切ると、松尾信太郎が番手に切り替える展開に。すると、後方から三登誉哲(写真)のまくりが襲いかかる。三登は松尾のブロックをしのぐと矢口を捕らえ、先頭でゴールを駆け抜けた。


 「ああ(中団併走に)なったから、引く気はなかった。(矢口が)差し込んできても対処しようと。とりあえず回しておいて、2(角)の下りで行こうと思ってました。受けてから下りで。余裕はあったし、落ち着いていけましたね。いつもだったら必死でいく感じなのに、今日は例外です(笑)。松尾さんのブロックがキツかったですね。でも、しのげたので」


 その松尾信太郎は魚屋を捨て矢口の番手に切り替えると、直線で追い込んで2着。


 「魚屋君のおかげ。バックで前に踏まないといけなかったけど、もう少し(魚屋を)使ってと思ったんで、バックを踏みながら前(矢口)に追い付いた感じだったので。三登が来たときに一緒に出ればよかったですね。前回(松戸)は自転車が曲がってたんですよ。ギア板、フレームが。今回は見てもらったんで大丈夫です。最後、友定(祐己)さんが内からきたけど、しのげたので」


 三登と連結を外した友定祐己だったが、3角で松尾の内を突いて3着に入る。


 「白戸(淳太郎)さんにキメられて、遅れてしまって。ああなったら前々へ行くしかないし、それが最善の策かと。(3人で勝ち上がれたが)土井(勲)さんに申し訳ない。僕が悪いです」


 

4R

 赤板の1角で金澤竜二が前を叩いて先頭に出ると、続いてきた谷口遼平と、引いた山本健也で中団を取り合う形になる。金澤が軽快に逃げて最終ホームを通過していくと、山口貴弘が3番手からスパート。大森慶一が必死でこれを止めにいき、さらに後ろから中部勢も迫ってきたが、2センターで谷口遼平が落車するアクシデントが発生。その内を踏んで避けた勝瀬卓也が、直線で鋭く突き抜けた。


 「最終バックくらいでどうしようかなって…。ワンテンポ待って山本君を迎え入れると厳しくなるので、シビアに行かせてもらいました。練習自体は悪くないけど、セッティングと感覚とギアが合っていない。明日はセッティングを変えます」


 後ろで落車があったものの、逃げた金澤竜二が2着に粘り込んだ。


 「絶好調ですね。上手くいきました。キツかったけど、展開も良かったし、大森さんもしっかり仕事をしてくれたので。踏み直しもできたと思います」


 勝瀬を追走した深澤伸介が3着に入る。


 「勝瀬がよく踏んでくれましたね。脚の感じは最近のなかで一番良かったかも。勝ち上がれてよかったです」


 

5R

 赤板の1センターで前に出た佐藤博紀を、重倉高史が打鐘で叩いて先行策に出る。3番手を確保した佐藤は2角からまくり上げるも、山口泰生のブロックで不発。しかし、この動きに乗った佐々木雄一が直線で鋭く伸びて白星を手にした。


 「佐藤君が良い場所を取ってくれたし、あそこまで行ってくれたおかげです。(佐藤がまくり切れるかどうかは)半々と思っていました。状態は悪くないです」


 山口泰生が2着。ゴール寸前で佐々木に交わされたが、的確な仕事ぶりが光った。


 「先行って、9着か1着じゃないですか。僕も同じ気持ちで走ろうと。(小川将人が離れて)キツかったけど、3番手も同じようにキツいだろうと思ったし、思い切り持っていけば止まるかなと。その後はすくわれるからすぐ戻って。重倉君が4着に残ってくれてよかった」


 果敢に風を切った重倉高史は、直線でスピードが鈍るも4着に踏み止まる。強い気持ちで、二次予選をつかみ取った。


 「(打鐘前では)突っ張られると思って、思い切り踏みました。気持ちは入っていましたね。絶対踏み止めないでおこうと。山口さんが(佐藤を)持っていってくれて、もう一度根性を見せようと思いました」


 

6R

選手の写真です。
三上佳孝選手

 守谷陽介が押さえて誘導の後ろが入れ替わると、赤板で栗山俊介が叩いて主導権を握る。打鐘で宮下貴之が反撃に出たが、栗山が自らこれをブロックして出させない。人気を集めた近畿がレースを支配し、両者で決まったかと思われた。しかし、伏兵の三上佳孝(写真)が2角からスパートすると、近畿コンビの横を好スピードで通過。三上は勢いそのままゴールに飛び込んだ。


 「今日は脚を使わないで一発しかないと思ってました。先輩が付いてるし、とりあえず踏んでから考えようと。そこからは行けるところまで行こうと。踏んだ瞬間、出る感じがあったけど、まさか行けるとは。練習の感じもだいぶ戻ってきたので。あとは体の反応と、仕掛ける勇気だと」


 加藤圭一がきっちりマークして2着を確保した。


 「三上君が強かったですね。付いていけてよかった。流れが良いですね。僕は(今期1回)失格しているから、今日勝ち上がれたのは大きい。明日頑張って準決勝を決めて(S級点を)確定させたい」


 吉永好宏が直線で外を伸びて3着に入る。


 「守谷君は仕掛けてくれると思ったんで待ってたんだけどね。(初手で)栗山君より前にいないとと言ってたけど、結果、良い位置が取れたので。ああいうレース(3番手好位)をしてくれたので」


 栗山は末を欠いて5着。その後ろの中野彰人が辛うじて4着で勝ち上がりを決めた。


 「内がすごく気になってしまって。僕の判断が遅かったですね。栗山君に申し訳ないです」


 

7R

 残り2周半で後ろ攻めの不破将登が前を叩いて出ると、中団から合わせて踏んだ荻原尚人が番手で粘る形に。不破は徐々にピッチを上げてペースで逃げていくなか、後ろの攻防は荻原が最終ホームの前に志智賭俊夫をキメて番手を取り切った。すると、萩原は2角から番手まくりを放って1着を手にした。


 「今日は粘ることも考えていました。なかなか(不破が)駆けなかったので、(志智に)当たるタイミングが難しかった。番手を取り切ってからは、行ければ仕掛けようと思っていました」


 さばかれた志智俊夫だったが、その後ろの川津悠揮をキメてリカバリー。2着を確保した。


 「ちょっとキツかったですね。疲れました。負けられない一心でした」


 不破将登は援軍を失い、荻原にまくられるとさらに7着まで沈んだ。


 「一人で逃げる形になってしまって…。体は悪くないと思うけど、もう少し踏み上がりとかが良くなってほしい」


 

8R

選手の写真です。
伊早坂駿一選手

 赤板で飛び出した伊早坂駿一(写真)が、別線の出方をうかがいながら先行策に出る。叩かれた小泉俊也が石川雅望をさばいて3番手を奪うと、後方から伊原克彦が反撃を開始。番手の磯田旭はこれをブロックして止めると、ゴール前で伊早坂と一騎打ち。写真判定の末、1着同着となり、2人で喜びを分かち合った。検車場に引き揚げてきた伊早坂は、反省点を交えてレースを振り返る。


 「風は吹いていましたけど、気にはなりませんでした。でも、かかりが悪かったですね。コーナー出口の下り坂で、スピードを乗せたりできたかなと思います。バンクも重かった。磯田さんが仕事をしてくれて、そのおかげです。(今日のレースに点数を付けるとしたら)80点ですね」


 伊原克彦は良いスピードで前団に迫るも、磯田の横でいっぱいに。最後は磯田のトドメを刺されてシンガリ負け。


 「(最終ホームで3番手の口が空いていて)下りるか迷ったんですけど、勢いも出ていたので。でも、出切れるか迷いがありましたね。磯田君も気になってしまって外に膨れてしまいました。磯田君を乗り越えられたら、出切れたと思います。脚はそこまで悪くはない」


 

9R

選手の写真です。
藤田竜矢選手

 チャレンジャーの清水剛志が赤板前に先頭に立って早めに逃げていくと、打鐘前から戸田康平が一気に反撃。戸田は最終ホーム過ぎに清水をねじ伏せた。最終バックを通過し、藤田竜矢が迫ってくると、番手の池田憲昭が抜け出して1着を手にした。


 「いやあ(戸田を)残したかったけどね。いつもの戸田ではなかったね。緊張してたし、脚がスムーズに回ってなくてガチャ踏みになってた。それでも頑張ってくれましたね」


 藤田竜矢(写真)が好スピードで迫って2着に入る。


 「同期の阿久津君が点数かかってたので。前はゴチャゴチャしてたけど、僕は脚がたまってたのでラッキーでした。練習では調子が上がってきたので。ただ、競輪場に来ると違って、力んで重たくなってしまうことがあるんで、その辺を気をつけてました」


 戸田康平は末脚を欠き、まさかの6着に終わる。


 「今日は体がエラかったですね。重たかった。脚が回らなくて。多少緊張もあったけど…。後ろが師匠なので、無理矢理いくこともあると思ってました。結果、(池田が)1着だったので。気持ちを切り替えて、(最終日に)特別優秀に乗れるように」


 

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 残り2周半から小川勇介の上昇に合わせて飛び出した小松崎大地が、赤板前からペースを上げて駆けていく。小川は5番手まで車を下げて一本棒で打鐘を通過すると、3番手に位置した郡司浩平(写真)が最終ホームから早めのスパート。郡司は成田和也のブロックを乗り越えると、小松崎もあっさり抜き去って快勝した。


 「思ったところで仕掛けられたし、ああやってレースをしていけば前半戦みたいに結果も付いてくると思う。反応はできているし、久々に1着が取れてよかったです。富山は毎回仕掛けられているので、明日もしっかり仕掛けていきたい」


 成清貴之が踏み遅れたため、成田和也は郡司にスイッチして2着に入った。


 「小松崎が良いレースをしてくれた。ラインで決められることができなかったので、2着でも納得はいってないです。レースの流れは見えているし、反応は悪くなかったです」


 成清貴之は郡司に離れるも、成田を追って3着を確保した。


 「恵まれたけど、みっともなかった。成田に見られていて郡司を追えなかったです。迷惑かけました」


 

11R

選手の写真です。
村上義弘選手

 青板2センターで前に出た山田久徳が、巻き返してきた池田勇人を突っ張って赤板から踏み合う。池田勇が出切れないと判断した木暮安由は車を下げるも、終始外併走で苦しい展開に。しかし、それでも木暮は最終1センターから踏み上げて猛スピードで前団に迫った。すると、村上義弘(写真)が車間を詰めていき、最終バックで番手まくりを敢行。木暮との力勝負を制し、1着でゴールした。


 「久徳はいつも頑張ってくれるし、気持ちが伝わってくるレースでした。池田(勇人)も、木暮も強かったし、自分たちは休まるところがなかったです。最後はいっぱい、いっぱいでしたけど何とか。(復帰から2場所目だが)そんなことは言っていられない。今日は久徳の頑張りが全て。1着が取れてよかったです」


 木暮安由は村上に詰め寄るもタイヤ差の2着。


 「池田(勇人)君が行けないと思って。位置を取って仕掛ければ、3着までには入るかなと。でも、やっと落ち着いたのがホームでした。そこから仕掛けたら、意外と伸びましたね。ちゃんとリカバリーできたし、調子は良いと思います。最後はあとちょっとでしたね。それは決勝に残しておきます」


 3番手を確保した松浦悠士が村上を追うも、脚がいっぱいになり後退。すると、その後ろの池田良が2センターから外を回して3着に入った。


 「松浦もキツそうだったし、内に詰まっていたから早めに持ち出しました。松浦が前々に攻めてくれて、良いレースをしてくれました。前で決まると思ったけど、甘くはないですね。(自分の)脚は問題ありません」


 

12R

選手の写真です。
和田健太郎選手

 最終レースは高橋陽介が後ろ攻めから押さえると、竹内雄作が引いて誘導の後ろが入れ替わる。赤板を通過し、打鐘前に誘導が退避して高橋が駆けていく。するとほぼ同時に竹内が巻き返していくが、山中秀将が3番手から先に出て最終主導権を握った。山中が逃げるなか、浅井康太が自力に転じて2角からスパート。浅井が迫ってくると、番手の和田健太郎(写真)をこれを上手くブロックし、追い込んで1着を手にした。


 「竹内君が来たのが分かったし、そこから浅井君もまくってきたのも見えたので。後ろに濱田(浩司)さんがいたのも見えたけど、内をすくわれてもと思って思い切って持っていきました。もっと上手くツケマイみたいな感じで持っていければ山中君も3着内に残ったんだろうけど。あれ以上持っていけなかったし、(浅井が)止まりはしないと思ったんで踏ませてもらいました。山中君の気持ちが嬉しかったですね」


 北野武史が浅井の内のコースを踏んで2着に入る。


 「よかったです。竹内君がすかさず行ってくれたし、ダメと思ったら浅井君が自力に転じてくれたし、前2人のおかげですね。たまたまコースが空いてくれて、突っ込めたのでよかった」


 浅井康太は和田のブロックで外を回されたが、懸命に踏んで3着に。勝利は逃したものの、これでひとまず、準決勝の権利を得た。


 「もうワンテンポ、ツーテンポ早く行けばよかったけど、まだ竹内君が粘ってたし、小原(太樹)君も仕掛けるかと見てしまった分、コーナーに入ってしまって。キツい展開からだったけど、そこから踏んだ割には出たので。行ったと思ったんですけどね。和田さんの動きが想定外でした。でも、皆が内を行ったのは見えてたし、レースも見えてたので」


 

6R

選手の写真です。
小松崎大地選手

 藤田竜矢が早めに動いて赤板で先頭に立つが、後ろからの反撃はなし。人気を集めた小松崎大地(写真)は8番手まで車を下げたが、こちらも様子を見る。打鐘が入り、藤田はペースを上げて逃げていくと、小松崎が4角からようやくスパート。小松崎はグングンと迫っていくと、2角で藤田を抜き去った。最後は和田圭を振り切って北日本ワンツーを決めた。


 「今日は上手く流れに乗れなかった。タイミングもちょっと…。でも、2人で決まったのでよかった。松浦(悠士)君の動きが気になったけど、最後方にいても仕方ないし、自力選手なんで行くしかなかった。状態は悪くないと思います」


 和田圭が手堅く2着を確保した。


 「8、9番手になっても小松崎さんは落ち着いてたね。僕も行ってしまうと思ってたし。切って切ってしたところで行く予定だったけど、松浦君は前を切らなかったね。33だから前に居たかったし、リスクもあったけど、結果行ってしまったので。ホッとしたけど、勝負は明日です」


 友定祐己が3着で準決勝進出を決めたが、松浦と連結を外し「ダメでしょ」と唇をかむ。


 「内に下りているときに(松浦に)行かれてしまったので。呼吸とタイミングがとれなかった。追い上げないといけないよね。頑張ってくれたのに申し訳ない。ああなったらとりあえず前に踏まないと。松浦が止まって併走になってたので、その外は行けないので。内を行けるところまで行きました。前と後ろに迷惑をかけました」


 藤田竜矢は致し方なしといった様子。


 「長かったですね。『早く2車こい!』と思ってました。もっと早く来てくれれば何とかなったかと。後ろで河野(通孝)君が頑張ってくれてたけど、いっぱいでした」

7R

選手の写真です。
牛山貴広選手

 高橋陽介が早めに動いて行くも、重倉高史に突っ張られて車を下げた。ペースが緩むと、今度は伊早坂駿一が赤板で叩いて主導権を握った。伊早坂が懸命に逃げるなか、牛山貴広(写真)は車間を空けて前を援護。小川勇介がスピード良くまくってくると、牛山は合わせて前に踏み込んで1着を手にした。


 「伊早坂の番手で今まで2回くらい出て行ってしまってるので、今回は残したかった。もうちょっとやりようがあったんじゃないかなって思うし、難しかったです。自分の感じとしては、前回よりも良くなっていると思います」 


 小川勇介も負けじと必死に踏んで2着に食い込んだ。


 「重倉の位置(3番手)が欲しかったですね。状態は日に日に良くなっていると思います。かぶる前に仕掛けられたし、レースはできた。最低限の走りはできたと思います」


 3着は伏兵の重倉高史。伊早坂に叩かれたものの、岡光良をさばいて3番手をキープ。牛山を懸命に追い、地元記念初の準決進出を決めた。レース後は終始笑顔を見せる。


 「本当は4番手だと思ったけど、瞬時に3番手だと思って。最後は転んでもいいから、内を踏みました。記念の準決は初めてだし、嬉しいです。1回も小嶋(敬二)さんを引っ張ったことがないので、明日準決でそうなったらうれしい」

8R

選手の写真です。
山中秀将選手

 根本哲吏が赤板の1センターで主導権を握ると、叩かれた山田久徳は工藤政志をさばいて3番手を奪取。前受けから7番手となった山中秀将(写真)は前団の戦況を見極めると、最終ホームから一気の反撃。合わせて出た山田を力でねじ伏せ、先頭でゴールを駆け抜けた。


 「想定はできていた展開でした。山田君に脚を使わせたくて、(前受けから)引かないで外併走させました。雨でコーナーが滑りそうな感覚があって。(山田に)合わせられたときはやばかったですね。でも、山田君は3番手を持っていったし、あの辺はソツがない。一車でも前にって気持ちは見習わないと。僕より、山田君の方が良いレース内容だと思います」


 山田久徳は気持ちの強さを前面に押し出し2着に入った。


 「出切ったときに、根本さんが上にあがるような気がして。番手にいこうかなと思ったら降りてきたので(3番手へ)。あの展開なら、山中さんがスピード良く来るので、前々にいくのがいいかなと。山中さんより先にまくりたかったですね。でも、3番手を取ってから、すぐにはいけない感じで。見てからスピードが合ったらと思ったけど、無理でした」


 中野彰人が、目標の山田に続いて3着を確保した。


 「久徳が強すぎましたね。状態は万全じゃないですけど、しのげました。ここからちょっとずつ上げられれば」

9R

選手の写真です。
小嶋敬二選手

 地元の小嶋敬二(写真)がフルパワーで敵を圧倒した。レースは日当泰之が赤板で先頭に立つと三登誉哲が3番手を奪い、川津悠揮が5番手まで車を下げた。小嶋は前受けから引いて7番手。日当はピッチを上げて駆けていき、一本棒で打鐘を通過する。すると、小嶋が4角から渾身のスパート。途中、三登に波を作られたが、小嶋は大外を回してさらにグングンと加速。逃げる日当を力でねじ伏せた。


 「落車があったからアレだけど、三登君が粘るのか、引くのか飛び付くのか分からなかった。そしたら引いてきたので、縦に一列になってキツかった。今日は早めに。先行も辞さない覚悟だったので。誘導も早めにいなくなってたしね。よかったです」


 笠松信幸、山口泰生まで続いて中部で上位独占。笠松は前と口が空きながらも、懸命に追って2着を確保した。


 「スタートで誰も出なかったから『(自分が)出ます』って言ってたので。前を取らされて、(引いて)後方は避けたかったけど。小嶋さんは行けるか行けないのか分からなかったから、僕は内に下りる準備をしてたところで行かれてしまったので。バック過ぎからもグングン加速していった。強かったですね。前のおかげです」

10R

選手の写真です。
濱田浩司選手

 残り2周半でハナに立った池田勇人が、徐々にピッチを上げて赤板を通過。打鐘から竹内雄作が巻き返してくると、池田勇もさらに加速して両者で踏み合いに。すると、関東ラインの後ろで脚をためていた濱田浩司(写真)が、最終2コーナーから渾身のまくりを放って前団をまとめて飲み込んだ。


 「前がモガキ合いになったので、タイミング良く仕掛けられました。3番(池田勇)が思ったよりもずっと踏んでいましたね。展開が向いたのもあるけど、車の出も良かった」


 前団のモガキ合いは池田勇人に軍配。さらに池田はそこから粘りを見せ、2着に踏み止まった。


 「今日はあの組み立てを考えていた。逃げて2着に残れているので、悪くないと思う。地元でもないし、気負う立場ではないので、チャレンジャー精神で走れているのがいいのかも」


 4着で入線した竹内雄作だが、鷲田幸司の押し上げ失格により、繰り上がりで準決勝進出となった。


 「自分の着が良ければ、志智(俊夫)さんまで付いてこれたと思う。まくれてないのでね…。原因は分からないけど、修正するしかないです。繰り上がりでも勝ち上がったので、気持ちを切らさずに頑張ります」

11R

選手の写真です。
小原太樹選手

 金澤竜二が山田英明にフタをしてから、赤板で勢いよく飛び出して先行策。後方に置かれた山田は2角から反撃に出ると、最終1センターで金澤を捕らえた。これで、山田と合志正臣の人気同士でワンツーかと思われたが、そこへ小原太樹(写真)が猛然と襲いかかる。小原はバックから踏み上げると、外を軽く乗り越え九州勢を飲み込んだ。


 「慌てず、騒がず、落ち着いて走れましたね。残り1周までは良い組み立てでした。先まくりにいけたらよかったけど、内を締めていて脚を使ってしまって。苦しかったです。(状態は)ぎっくり腰が心配でしたけど、問題ありません」


 山田の番手から合志正臣が追い込んで2着。小原を止められず、反省に終始した。


 「(山田が)最終ホームで(口の空いた)4番手に入らずに加速していったので。33だし、来ても自分の後ろくらいまでかなと思ってしまいました。自分が見るのが遅くて。あれは止められましたね」


 勝瀬卓也は、直線で中のコースを踏んで3着に入った。


 「小原君は気合が入っていましたね。中団を取って、自分のタイミングで行けと言ってました。(最終ホームで山田に)入られそうで、当たったけど行かれちゃいました。でも、(山田の)勢いは落とせたと思います。先に行かれたけど、(小原が)切り替えられたし、彼はバックを踏まなければ行ける脚はあるので。恵まれました」

12R

選手の写真です。
木暮安由選手

 優秀「峻峰剱賞」は木暮安由(写真)が制した。レースは後ろ攻めの郡司浩平が赤板過ぎに押さえて出ると、打鐘から巻き返した村上義弘で壮絶なモガキ合いに。最後方に置かれた木暮だったが、浅井康太の内をすくっていくと、1角からスパート。一瞬にして前団を飲み込んだ。


 「今日は何も考えないで、緩んだところを行こうと思ってました。結果、展開が向きましたね。村上さんは絶対に仕掛けていくだろうから、そこだけ注意して。2車だったからよかったけど、3車だったらキツかったと思う。富山は相性が良いですね。でも、気を抜かずに。今日は今日なので切り替えていきます」


 木暮を目標に、浅井康太が後方からまくって2着に入る。


 「今日は前を取って、そこから位置はどこでもよかった。木暮君が先に仕掛ける展開になって、あとは自分のタイミングをとって。ボチボチですね」


 郡司浩平は果敢に逃げたが、結果、村上に力負けして9着に沈む。


 「今日は自分が先行して、村上さんは必ずくるだろうし、あとは力勝負だと。あそこで合わせ切れていたら収穫だったけど…。力勝負して負けました。でも、こういうレースを積み重ねていけば、結果も変わってくると思う」


 郡司に競り勝ったものの、さすがの村上義弘でも木暮までは合わせ切れず。


 「和田(健太郎)君に見られてたけど、行かないといけない展開になったので思い切って行ったけど…」

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
和田健太郎選手

 青板から後ろ攻めの池田勇人が動き、隊列が何度も入れ替わって一巡。ペースが上がるなか、後方の池田が打鐘で叩いて主導権を握った。池田が懸命に逃げるなか、3番手好位を取った竹内雄作が2角からスパートするが、車は全く伸びない。そこへ郡司浩平(写真)のまくりが襲いかかる。7番手に置かれたものの、郡司は猛スピードで前団に迫ると4角で射程圏へ。最後の直線で外を突き抜けた。


 「何回か展開が回って、僕もワンテンポ遅れてしまったので、少しでも前と思って(打鐘で)内にいきました。結果、後方になったけど、その辺の判断はできているし、上デキだと思います。(出てからは)吸い込まれていきました。もうちょっと状態は良くなるはずだし、自分の中で良いレースがもっとできる。体は動けていると思うので、優勝するつもりで明日も頑張りたい」


 池田の番手から、牛山貴広が追い込んで2着に入る。


 「今日は車番が良くないし、取れたところから行くって感じで。もうちょっと(池田を)何とかできたのかな。自分だけ勝ち上がるのはすっきりしないですね。昨日もそうだったし。もっと激しく(けん制を)やらなきゃいけなかったのかな。あそこを叩いた池田君はすごい。気迫と仕上がりがすごいし、それだったらなおさら残さなきゃいけなかった。自分の状態としては宮杯よりも良くなってます」


 和田健太郎(写真)は車間が空きながらも懸命に郡司を追い、3着で決勝進出を決めた。


 「郡司君はスピード違反ですね。軽自動車では追い付けないよ(笑)。あれだけ脚を使ったあとに、あのまくりが出るんだからすごいですよ。合志さんが持ってきてたら完璧に終わってました。心拍数が200くらいになりましたよ。今日は郡司君を追っかけ1本だった。何とか2着と思ったけど、脚がなかったね。明日が大事なんで、切り替えて頑張ります」

11R

選手の写真です。
木暮安由選手
選手の写真です。
浅井康太選手

 前受けの小松崎大地は、山中秀将を赤板前に突っ張って主導権を譲らない。山中が元の8番手まで車を下げ、初手の隊列のまま打鐘を過ぎると、6番手の浅井康太は2センターで踏み込む。しかし、とっさの判断で木暮安由(写真)の後位をキメてスイッチ。3番手絶好の木暮は、最終2コーナーから満を持してまくり上げると、成田和也のブロックをものともせず、直線入り口で小松崎を捕らえて抜き去った。


 「(初手は)中団に入ったけど、スタートで出たとこ勝負と思っていました。周りが動いて、自分が勝つ位置になりましたね。あの位置で正解でした。浅井より前にいたくて、先に仕掛ければ後ろに2車いるしどうにかなるかなと。仕掛けが遅くなってしまったけど、冷静に走れましたね。怪我がなければ、こうやって戦えます」


 浅井康太(写真)は木暮の後ろでスピードを緩めると、池田良をキメて木暮を追走する。直線勝負に賭けたが、差は縮まらずマークの2着。


 「スタートの位置を失敗して、そこからどうするかなと。後ろに笠松(信幸)さんが付いているし、仕掛けてから考えようと思いました。でも、仕掛けるタイミングも失敗しましたね。遅かったです。1コーナーで出切るくらいの感じでいかないといけない。(中団で止まったのは木暮に合わせて)出られたら終わりなので、さばいてからと思って。(2日連続の自力戦だが)まだまだでしょうね。疲れも残っているので、疲れを取りながら調整します」


 池田良は浅井にからまれたものの、諦めることなく前に踏んで3着を確保した。


 「今日の作戦はノープランでした。(浅井にキメられて)内はきつかったですね。でも、あそこで負ける様ではダメ。浅井さんは余裕があるんでしょね。迷惑をかけました」


 後方に下げた山中秀将は、8番手で最終ホームを通過。1角から踏み上げるも、中団で力尽きシンガリ負け。


 「(突っ張った小松崎の上を)無理矢理行って前に出たところで、木暮さんも浅井さんも脚を使っていないし、それで残れるかなって。行けるところまで駆けるって割り切れればよかったんですけどね。(仕掛けてからも)浅井さんの後ろを追走できたけど、内側の混戦を見てしまいました」

12R

選手の写真です。
村上義弘選手
選手の写真です。
山田久徳選手

 残り3周半から早めにレースが動き、中部勢と京都コンビでやり合うかと思われたが、重倉高史の番手に山田久徳がはまる予想外の展開に。山田は打鐘であっさり叩いて主導権を握ると、いつものように村上義弘(写真)は車間を空けて前を援護。後方からの目立った反撃はなく、最後は村上がゴール寸前で差し切った。


 「ハードなレースのなかで山田が頑張ってくれたし、自分も自分のことをしっかりとやるだけだった。中部が前受けしたので、僕らにとってはやり易かったかなと。久徳はレース運びがパーフェクトだった。連係するごとに頼もしくなってますね。このまま経験を積んでいって、(近畿の)ラインを強固にしていってくれれば」


 山田久徳(写真)は落ち着いたレース運びで京都ワンツーを決めた。


 「今日は積極的にいく予定で。(中部勢に)出られたらヤバいと思ったけど、何でか番手にはまってましたね。打鐘から出て、村上さんも付いてきてくれていると思ってたし、車間を空けてくれていると。かかりはどうかなって感じだったけど、ゴール踏めてたので。クソ地脚なんでね(笑)。ワンツーが決まってうれしいです」


 京都コンビを追った濱田浩司が3着に入って決勝進出。


 「あの展開だったから最悪、小嶋さんと勝負かなと思った。村上さんの後輪にだけ集中して。あわてて動いたりしたらダメなんで、しっかり、じっくり待って。前を信じていきました。最後、外来てたから4着と思ったけどよかったです」


 小原太樹は終始外併走。必死で前に踏んで行くも、濱田の横までが精いっぱい。


 「道中、すぐに引いて脚をためればよかった。タイミングはあれ(最終ホームから)でよかったと思うけど、脚をためたかったですね。行けたどうかは分からないけど、もったいないことをしました」


 


 


 最終日の9レースには、レインボーカップチャレンジファイナルが行われる。今期降級となった庄子信弘は、初戦の1月西武園ミッドナイトを皮切りに連勝街道を驀進。ここまで14場所を走って、9Vと圧巻の成績を収めた。


 「(気合いの入った選手との対戦は)もう慣れました(笑)。今期は、そういうのも楽しめましたね。前回の名古屋が終わってから普通にやってきました。若い子もいるし、仕掛けも早くなるだろうから、真ん中、真ん中でうまく立ち回りたいですね。33だし、チャンスあるところで踏めれば」


 大石剣士は、ここまで2場所連続でVと良い流れ。12月伊東で行われた当大会では6着に終わっているだけに、リベンジを誓う。


 「調子はよくなかったですけど、何とかここ2場所は勝てました。ここまではいつも通り。変わったことはしていません。前回(伊東のレインボーカップチャレンジファイナル)は、絶好の展開だったけど、力がなくて6着。悔しい思いをしたし、今回は頑張りたいです。富山は初ですけど、後手を踏まないように」


 徹底先行で力を付けてきた林大悟。ここも強気に攻めて一発勝負を制するか。


 「末木(浩二)さんも強いし、(大石)剣士も地脚があるから前に出られるときついですね。33ですし、先手が取れたら一番良い。今回は目の前ことに集中して。自分のプロフィールに特昇って付くし、少し(優勝は)意識しますね。ここまでは久留米と小倉で2日間合宿をしてきました」


 一ノ瀬貴将は、6月高松で落車の憂き目。その後の平を欠場しているだけに、状態が気がかりだ。


 「落車は擦過傷が多かったけど、他は問題なかったです。(前回の平は)走ろうと思ったんですけど、大事を取って欠場しました。ケガが治ってから十分に練習はできましたね。500バンクは苦手ですけど、33バンクは好きです」


 末木浩二はハマった時のスピードは目を見張るモノがある。本番は単騎で一発を狙う。


 「9車は初めてですね。みんな強いし、自分の力を出せる様にしたいです。(単騎は過去に)一回だけ。その時はいろいろ考えていたら、後ろになってしまって。そこからやけくそで先行してまくられました。明日はシンプルに仕掛けます」