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23#

検車場レポート

  • 2/19 Sat.  (前検日)
  • 2/20 Sun.  (1日目)
  • 2/21 Mon.  (2日目)
  • 2/22 Tue.  (3日目)

1R

選手の写真です。
小原佑太選手
 昨年12月の静岡でのヤンググランプリを制した小原佑太(写真)は、年明け初戦の向日町FIの初日に失格。そこからおよそ1カ月半空いた。
 「特別競輪(GI)での1レース1番車はすごく名誉のあること。正直、まったく考えていなかったのでビックリです。1レース1番車として恥じないレースをしたいですね。ここまではいつも通りナショナルでトレーニングをしてきました。いいレースをして勝ち上がれるように頑張ります」
 1月静岡FIの最終日に落車失格を喫した佐々木雄一だが、その後の大垣FI、奈良記念で勝ち星を挙げている。
 「小原君とは過去に2、3回連係がありますけど久々ですね。前回は展開的に難しい部分もありましたけど、ハンドル周りのセッティングを少しいじって感じは良かったので悪くないと思います。(小原は)とにかくダッシュがすごいので、まずは踏み出しに集中したい」

2R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 荒井崇博(写真)は前回の静岡記念を2118着。単騎の準決では深谷知広の先行を狙いすましたまくりで仕留めた。
 「もうこの歳になると、いまみたいな状態でGIを走れるのは最後かもしれんけんね。この先どうなるかわからんでしょ。獲れるチャンスが来るか来ないかは、その時になるまではわからんけど。そこまでにも運が必要になるけん。初日はいつも頑張ってくれる上田(尭弥)に任せて勝ち上がれるように」
 3車の北日本勢の先頭を務める小松崎大地は、前回の伊東FIの251着で得たものをGIの舞台で生かしたい。
 「前回の伊東は追加でしたけど、そこも含めてここに向けてしっかりと計画的に練習して来られました。前回は収穫もありましたし、すごく得るものがあった。ライン3車なのは有利ですけど、車番的に外枠なのでその辺もしっかりと考えて隙のないように戦いたい」

3R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 1月の和歌山記念の最終日を腰痛で欠場した寺崎浩平(写真)は、今シリーズが今年2場所目。ナショナルチームでのトレーニングで、状態を戻してきた。
 「しっかりと追い込んだ練習ができたんで、体的にはすごく仕上がっている。あとは自転車とのマッチングが出てくれれば。(今年は)一戦、一戦、結果もですけど、内容もですね。去年みたいに先行(主体に)できればいいかなと」
 一次予選では近畿ライン3番手の村上義弘は、94年のデビューから28年目となるシーズンも1走入魂のスタイルは変わらない。
 「なかなかリズムに乗り切れないところもありますけど。目の前の1つ1つを頑張っていく。それしかない。良かった時もそうですし、良くなくても、そこは変わらない」

4R

選手の写真です。
町田太我選手
 町田太我(写真)は松山651着、小倉741着と直近2場所ではFIながらも決勝進出を逃している。それだけに自身も強気になれない。
 「感触が悪い。セッティングも変えたりしたけど、イマイチ、パッとしない。思ったように自転車が進んでいない。上向きになっている感じはしない。去年(3月の当所で)コケちゃったんで、しっかりと(指定練習で)感触を確かめたいですね」
 前回の奈良記念では1334着。決勝にコマを進めた柏野智典だが、自身のデキには満足していない様子。慎重にこう口を開く。
 「(前回は)ちょっと納得いってないところ、かみ合ってないところがあったんで修正してきた。自分としてはかなりデキが悪かったですね。(初日は)唯一(自分たちのラインが)3車でしっかりした番組だと思います。僕が(町田の)ハコを回ることになりました」

5R

選手の写真です。
坂井洋選手
 前回の大垣FIを312着とまとめた坂井洋(写真)は、好リズムで地元地区の大一番を迎える。
 「前回の大垣はここに向けて積極的に仕掛けたというわけではないですけど、3日間とも最終バックを取れましたね。最近は目の前の一戦、一戦をしっかりと走ろうと思っている。それがいい方向に出ているのかなって思います。練習の感触も良かったですし、勝ち上がれるように頑張りたい」
 井上昌己は前回の地元、佐世保FIを3連勝の完全V。直近の2場所で5勝と固め打ちをしている。
 「(前回は)前が頑張ってくれた感じですね。そのあとはトレーニングを計画的にやってきました。(初日に連係する伊藤颯馬は)2、3回あります」

6R

選手の写真です。
園田匠選手
 GI獲りを見据えて近況のFI戦線を戦い抜いた鈴木竜士が、黒沢征治の番手でまずは一次予選突破をもくろむ。
 「黒沢さんとは、連係は何度もありますし信頼してます。今回に向けて、このクラスでも脚負けしないようにFI戦はしっかりと外を踏むように意識していました。もちろん獲るつもりできている。しっかりと初日はクリアして、決勝まで勝ち上がれるように」
 前回の奈良記念を3148着の園田匠(写真)は、8着ながらも最終日に好感触を得た。
 「最終日の着が一番悪かったんですけど、(自分の感じは)一番良かった。日に日に良くなった感じです。準決でも伸びも悪くなかった。(中5日だけど)詰まっている分には全然いいです」

7R

選手の写真です。
武藤龍生選手
 森田優弥は、前回の和歌山FIを初日特選、準決と逃げ、まくりで連勝も最終日は中止になった。
 「(1月の)向日町で落車して修正に出していたエースフレームが戻ってきたので、今回から戻します。街道とバンクを使って計画的に練習して来られましたし、調子自体もいいと思います。後ろは信頼している(武藤)龍生さんなので、出し惜しみをしないように思い切って仕掛けていきたい」
 前回の大垣FIを完全Vと3場所前の大宮記念から安定した戦績を残している武藤龍生(写真)は、状態も悪くなさそうだ。
 「大垣で優勝できたんでいいと思います。ただ、いつもラインのおかげで確定板にのれているんで、そこは勘違いしないように。自分のできることをしっかりとやりたい」

8R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 1月の豊橋記念を含めて5場所連続のVの原田研太朗(写真)だったが、前回の小倉FIを172着。準決はまくり不発で連勝が16で止まった。
 「(小倉は)そんなに変わらずでした。そこからは(地元の)バンクに乗れなかったんで、そこだけですね。しっかりと(前検日に)バンクの感触を確かめたい」
 年明けの立川記念2387着から1カ月半近く空いた松井宏佑の仕上がりが気になるところだ。
 「(競技の方で)アジア選が延期になりましたけど、そのあとスケジュールを組み直して、かなりハードな練習をしてきました。新山(響平)さんや寺崎(浩平)さんたちに刺激をもらいながら、いい練習ができました。合宿で普段やらないロードでの乗り込みもしてきたので、踏める距離は伸びていると思います。あとは疲れだけですね」

9R

選手の写真です。
桑原大志選手
 前回の静岡記念は3126着。決勝にも進んだ吉澤純平だが、地元のGIに新車を投入する。
 「(初日に連係する眞杉匠とは)1月宇都宮の初日以来で2回目ですね。その時はうまく決められなかったんで、今回は決めたいですね。前回までのフレームは思ったよりも進みが良くなかったので、今回から新車に換えます。練習で1日乗ってみて良かったですし、寸法はほぼ一緒なので大丈夫だと。前回の静岡までは、ほぼ調整なしで練習していたので重かったですけど、今回はしっかりと調整もしてきている」
 桑原大志(写真)は、前回から1カ月以上空いたこの期間をこう表現して振り返る。
 「原点に戻ってしっかりと脚を回してきました。見つめ直すつもりでやってきた。そういう意味では良かったです」

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 今年初場所の和歌山記念を4連勝Vと好スタートを切った郡司浩平(写真)は、その後の豊橋記念、静岡記念でも優出。今年はすでに9勝をマークしている。
 「前回よりも今回の方が身体も精神的にもいい状態かなと思います。(静岡記念から)2週間弱ぐらいあったので、しっかり練習できて調整もできた。本当にやれることは全部やってきた感じです。(取手は2年前の記念で優勝しているんで)その時を思い出してレースとか組み立てようかなって感じです」
 松浦悠士は前回の奈良記念で優勝。決勝はラインの3番手からのV獲りだった。
 「(3場所前の)和歌山はちょっとセッティングが合っていなかったかなと思うけど、高松からはいい状態で走れていると思います。(ここまでの5日間は)やりたいことが完ぺきにできたわけではなかったけど、やれる時にやってきました」
 前回の奈良記念5153着を浅井康太が冷静に分析して、単騎での初日特選に挑む。
 「(奈良は)その前の静岡から調子自体は、普通というレベルだったので戦い切れなかったというか、感触はちょっと悪いかなという感じでした。(ここまでの5日間は)奈良では状態の悪さがあったので、それをしっかりと把握して、トレーニングに取り組めたと思います」

11R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 地元の大一番をS級S班として迎える吉田拓矢(写真)は、前回の奈良記念では3連勝で優出。大宮記念での落車の影響を感じさせなかった。
 「まさかS級S班で臨めるとは思ってなかったので良かったです。(大宮の落車はあったが、奈良は)問題なく乗れたんで。影響はまったくないと言っていいと思います。(奈良は)とても良かったので変えずに臨もうと思います。(地元で)あまり気負ってもしょうがないんで、自然体で結果が良かったらいいなと」
 深谷知広は、前回の地元、静岡記念を9191着。そこからはしっかりとトレーニングを積んだ。
 「(前回からは)しっかり予定通りの練習ができました。(取手は久しぶりなので指定練習で)バンクの感じはしっかり確認したいと思います」
 前回の静岡記念では決勝進出を逃し、未勝利だった清水裕友は、そこから中12日のローテーション。
 「(静岡は)動けているんでいいんじゃないかなと思います。そのあとはしっかり練習してきました。(取手は)初めてです。まあ、どこのバンクもみんな丸いんで大丈夫です(笑)」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 5年前の当所、全日本選抜を制した平原康多(写真)は、その後もずっとS級S班をキープして今シリーズも初日特選からスタートする。
 「(静岡は)身体が悪いとかっていうのはなかったんですけど、まだ全然足りないことが多いなと感じて。終わってからまだ1つ試したいことがあって、試した感じですね。体調は崩してないです。(02年に)A級の初優勝が取手だし節目、節目でいい思い出がありますね」
 前回の静岡記念をシャープな伸びで優勝を飾った佐藤慎太郎は、その後も順調な仕上がりのようだ。
 「(静岡のあとは)予定通りのトレーニングができました。(静岡まで日程が詰まっていたが体調面は)そこまで悪くなってる感じもしないですし、いい状態のままキープできてると思います。(取手は)走りやすいですし、好きなバンクの1つですね」
 昨年11月の競輪祭では準Vとタイトル獲得も時間の問題と思われる新山響平が、今年最初のGIに気持ちを込める。
 「(前回の奈良記念は)ちょっとみっともない走りになってしまったので、なんとか修正できるように練習はしてきました。自転車のセッティングがうまくはまらなかった。今回少し練習で乗ってきたので、前回よりはましになったと思います。今年はGIで優勝したいと思っている」
 

1R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 赤板手前で谷口遼平が押さえると、前受けから7番手まで下げた小原佑太に早めに順番が回ってきて打鐘の3コーナーで主導権を握る。北日本の3車が出切り、門田凌が4番手、長島大介が6番手で隊列は一本棒。最終ホームを通過して1コーナーから長島がまくりを打つ。佐々木雄一のけん制を乗り越えた長島が4コーナーで先頭に立ち、神山拓弥(写真)が交わして栃木ワンツー。
 「長島が直前の練習で仕上がっていたから、離れないようにだけ考えていたんですけどね。並び的には想定していた感じで、そこから長島が位置を取って(最終)ホームから仕掛けてくれた。(長島の)スピードがすごかった。でも、差しちゃいましたね(笑)。自分は直前の練習がダメすぎたので、開き直れたのが良かったのかも」
 6番手から別線の動きを待つことなく、長島大介がロングまくりで逃げる小原を沈めた。
 「終始、余裕はあったので、早めに行ければブロックをもらわないかなって思って仕掛けました。やっぱり宇都宮(のウィナーズカップ)がモチベーションになていますね。若手も成長してきて負けていられないっていう気持ちもいい方向に。状態はすごくいいと思います」

2R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 誘導が残ったまま小松崎大地(写真)、佐々木悠葵の順で出て打鐘を通過する。8番手に置かれた上田尭弥は動けず、6番手で車間を開けた大石剣士が反撃に出る。最終1コーナーで大石が佐々木を叩く。前団の隊列が短くなったところを小松崎が2コーナー過ぎからまくりを打って、スピードの違いでのみ込んだ。
 「レース展開が思った以上にスローペースになって想定外だった。でも、落ち着いて仕掛けられた。落ち着きすぎて後ろに迷惑を掛けてしまった。感触は良かったので、詰まった(最終)ホームで踏んでいれば(ラインの)3人で決まったかなと。安定感を求めているわけではなくて、少しでも上にと思っている結果がいい方向に出ているんじゃないかと」
 最終ホームで大きくペースが緩んだこともあり、小松崎の踏み出しにわずかに遅れた山崎芳仁だったが、流れ込んで2着に入った。
 「(小松崎)大地にしっかり付いて行こうと。付け切ることと、アシストをしてでしたね。(最終)ホームでバックを踏んだ分、迎え入れてからだったのでキツかったですね。人の後ろが楽になってきた。乗り方で、体を合わせています」

3R

選手の写真です。
松岡健介選手
 渡邉雄太の上昇に前受けの寺崎浩平は、中川誠一郎ラインも入れて後方に下げる。態勢を整えた寺崎は、打鐘手前から踏んで前団に襲い掛かる。4コーナーで寺崎、松岡健介(写真)が出切り、遅れ気味に村上義弘も続く。逃げる寺崎の番手で車間を取った松岡が、別線との間合いを計り余裕をもって追い込んだ。
 「村上さんに任せてもらって、(ラインの)3人で決まったのは大きいです。(寺崎が仕掛けた時は)内藤(秀久)君もヨコが厳しいので、からまれたりっていうのもあるんで準備はしてました。(中川)誠一郎か渡邉(雄太)君が早めに仕掛けてきてくれれば、そこのタイミングをズラしてと思ってました。今回はしっかりと練習もしてこられたので上向きです」
 近畿ラインでの上位独占。2着に粘り込んだ寺崎浩平は、納得の表情で汗をぬぐう。
 「仕掛けどころでしっかりと行けた。内容はすごい良かったんじゃないかと自分では感じています。ラインで決められて良かった。自分は久しぶりのレースだったんで、道中のペースで戸惑うこともあった。最初に踏みすぎたと思って、そのあとがキツかったです。でも、(競輪用の自転車にも)違和感なく乗れているので、明日(2日目)以降もすごく楽しみです」

4R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
 菅田壱道に続いて嘉永泰斗(写真)が切ったところを町田太我が出て主導権を握る。末木浩二が巻き返して4番手が取り合いになるが、嘉永が最終ホーム過ぎにキープする。嘉永はじっくりとためて、まくり追い込みで突き抜けた。
 「直前は特別なことはせずに、いつも通りやってきました。(直前の練習の感じが)結構、良かったのでいい状態で臨めたと思います。初手は町田君(ライン)の後ろからで、町田君を出させるか突っ張るかって考えていた。ジャンで来たので1回出させてまくろうと。踏み出しはここ最近で一番良かったですね」
 嘉永マークの中本匠栄が内よりのコースを踏んで、外の菅田壱道が2着に伸びた。
 「町田君の先行が中心になると思っていた。立ち遅れないようにって考えていましたけど、自転車とのマッチングが良くなくてダッシュに不安がありました。(前々回の)高松記念からセッティングを一掃して、(前回の)西武園も日に日に変えていた。それで決勝が一番かなって思ったけど、自力で動いたら感触が違った。主にハンドル周りですね。先輩方にも相談して調整すれば、もう少しキレのある踏み出しになると思う」

5R

選手の写真です。
坂井洋選手
 打鐘で伊藤颯馬が勢い良く飛び出して主導権。4番手を確保した根田空史が最終2コーナーからまくって、合わせるように井上昌己が出る。両者が重なったところを坂井洋(写真)が後方からまくって1着。
 「前(九州勢)は2段駆けもあると思ったから、根田さんが仕掛けているところを早めにいかないとって思って外々を行った。踏み出しが軽かったし、仕上がりはいいと思う。いつもは不安で練習をやってくるけど、今回は完全オフを1日取ったり、軽めにもやって疲れも残さないようにした。早寝早起きをして整えてきた」
 逃げる伊藤の番手から前に踏んだ井上昌己は、坂井のまくりにはのみ込まれたが2着。
 「(根田は)飛び付く時に脚を使っただろうし、もっと遅くにくると思っていたんですけどね。もっていっても逃げられましたね。松谷(秀幸)君のところとかいろいろ考えたが、前に踏む形になった。セッティングを変えて乗りづらかったので、元に戻します」

6R

選手の写真です。
園田匠選手
 山田英明に突っ張られて一度は中団に収まった黒沢征治だが、打鐘から再度仕掛ける。黒沢ラインが出切り、そこを取鳥雄吾が猛襲する。橋本強は付け切れず、援護を失った取鳥を黒沢が追いかける。関東勢の流れかに思われたが、7番手まくりの山田に乗った園田匠(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「どんな展開でもヒデ(山田)はやってくれる。絶対に仕掛けて、行ってしまうと。全面的に信頼してました。(最終)バックでは遠いかと思ったんですけど、思ったよりも伸びました。去年の競輪祭が悔しかったし、今年最初のGIで1勝できた。久しぶりに気持ちよく伸びた」
 番手から詰める黒沢の余力を確かめて、鈴木竜士が直線で中のコースを追い込んだ。
 「展開がすごく良かったし、取鳥君が1人で来たんで(黒沢を)迎え入れながらだった。自分の(踏んだ)感じは悪くないけど、もうひと伸びほしいですね」

7R

選手の写真です。
阿部力也選手
 三谷竜生がペースを握り、7番手でタイミングを取った渡邉一成は打鐘手前から踏み込む。齋藤登志信は付け切れず、スピードに乗せた渡邉が最終ホームで主導権を奪い阿部力也(写真)が追走する。森田優弥のまくりに合わせて三谷もまくるが阿部がブロック。村田雅一の中割りをこらえた阿部が1着。
 「結構、山を上っていったのでキツかったですけど、(渡邉)一成さんはさすがっすね。最低限、付いていかないとって思ってたんで、最低限はできたのかなって。後ろに三谷さんが入ったのがわかったので、自分が止められれば良かったんですけど技術不足ですね。ここ最近、落車続きだったのでケアをして、調子は上がってきているのかなって思います」
 さすがのダッシュと思い切りのいい仕掛けを披露した*渡邉一成は3着で二次予選に進んだ。
 「想定よりも早い動きでしたけど、森田君も簡単には出ていけないでしょうし、あそこまで上がられるとは思っていなかったですけど。(最終)1センターで森田君が外に持ち出したのが見えたので、3コーナー目掛けて行きました。状態良く動けているので、年末年始の体調不良はもう大丈夫ですね」

8R

選手の写真です。
山田久徳選手
 松井宏佑が赤板2コーナーで出ると、山田久徳(写真)はソツなく4番手をキープする。松井のペースアップでレースは流れて、最終2コーナー手前から山田がまくる。小原太樹のブロックで失速した山田だったが、後続のアクシデントもあり勝ち切った。
 「しっかり中団を取れて、(最終)2コーナーから仕掛けようと行ったら、出が悪かったですね。小原君はもってくると思ったが、返せると思ったし、しのげました。そのせいで後ろがこられたので反省もあります。考えた展開通りに走ることはできた。すんなりナショナルチームの松井君が駆ける展開だったけど、最後に抜けて良かった」
 7番手からのまくりになった原田研太朗は、最終2センターでの落車のアクシデントを外に避けて2着。
 「(落車を)避けてからなんとか踏むことができた。前回よりもいいかは、わからない。久々にバンクでモガいた。6日ぶりのモガきだったので、(2日目以降に)弾みしかない」

9R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 前受けの山田諒が赤板過ぎに小川真太郎を突っ張り、眞杉匠は落ち着いて仕掛けどころを見極める。2コーナーで外に持ち出した眞杉が加速をつけて踏み込んで主導権を握る。栃茨の3車が出切り、山田が4番手に下げて最終ホームを迎える。6番手からまくった小川は、その前に脚力を消耗して一息。逃げる眞杉の番手の*吉澤純平(写真)が絶好の展開から1着。
 「眞杉君がしっかりとレースをつくってくれて、ラインで決まって良かった。山田君が(小川郎を)突っ張ったんで、眞杉君も行きやすかったと思う。(新車は)最近は踏んで出なかったりしたんで、それよりはいいかなと。いつもよりも自転車が出てくれたんで(眞杉を)抜けたのかなと。(前の自転車だと)脚の余裕はあるけど、最後抜けなかったりもした」
 ライン3車での勝ち上がりで内容も伴った眞杉匠は、ホッと胸をなでおろすようにして口を開く。
 「(地元勢が付いて)責任重大だったので、やらかさないようにとは思ってました。(山田は)そこを突っ張って、自分らを出させるんだなと。アップをしている感じが良くなかったんですけど、レースでは良かった。全然大丈夫でした」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 中団の郡司浩平から先に切って出て、その上を松浦悠士(写真)が押さえる。中四国勢に乗ってさらに踏み上げた山崎賢人が出て主導権。松浦は番手に飛び付いて北津留翼と併走する。最終ホームを通過して、1センターで松浦が踏み勝つ。新田祐大、郡司のまくりは外に浮いた北津留のあおりでスピードが鈍る。番手で絶好かに見えた松浦がバックで外に持ち出すが、山崎にも余力が残っている。両者の直線勝負となり、わずかに松浦が山崎を交わした。
 「郡司君に突っ張られないところで切って、山崎君を待とうと思っていました。番手が北津留さんっていうこともあって、粘りは作戦の1つでした。あのままガツンといってくれれば、3番手でも良かったんですけどね。あそこでバックを踏むと後ろもいきやすくなりますし、北津留さんを飛ばせれば後ろに対してブロックみたいな感じになると思った。ちょっと慌てる感じで行ったので、仕掛けて失敗したかなって思った。けど、最後は郡司君が押してくれる感じでなんとか勝てました」
 後位を松浦に奪われた山崎賢人だったが、郡司、新田を不発にして、驚異の粘りで逃げ残った。
 「ちょっと緩めてしまって、粘られてしまった。しっかりと踏み込まないといけなかったですね。自分の感じとしては良かったです。アップの感じは重かったんですけど、いい感じで走れたと思います」
 外を回された郡司浩平は、最終2コーナーで松浦後位に降りて柔軟な立ち回りで3着に入った。
 「松浦君が粘る雰囲気だった。(最終)1コーナーで踏んでいったんですけどあおりもあって香川(雄介)さんのところにいく感じになりました。外を踏み込んで最後は詰まってしまったんですけど、かなり良かったと思います。ここ最近の中で一番良かったので、今回はすごく楽しみですね」

11R

選手の写真です。
和田真久留選手
 7番手で反撃のタイミングをうかがっていた深谷知広が、赤板2コーナーから踏み込む。清水裕友もペースアップするが、南関3車で叩き切る。清水は4番手に入り、人気の吉田拓矢は6番手で野原雅也と併走。吉田は内に包まれて最終ホームを迎える。逃げる深谷の掛かりも良く、番手で車間を空けた和田真久留(写真)が、清水のまくりをけん制。和田が勝機をつかんで好スタートを切った。
 「清水君、野原君もそうですし、吉田君も。ジャンで隙を見せれば(自分のところに)来るっていうのがあった。飛び付かれるっていうのが、半分くらいは頭にあった。(出切って)あとは車間を空けて、なにがなんでも(別線を)止めようと。(番手から)出ていくっていう選択肢はなかった。(ラインの3人で決まって)最高の結果で良かった」
 南関ライン3番手の鈴木裕は、横一線の2着争いを制した。
 「深谷君が強いんで全部、託してました。今回は感じが良かったんで付いていけたのかなと。(2日目のスタールビー賞に進出して)すごい上デキです」
 先行策でラインを上位独占に導いた深谷知広が抜群のパフォーマンスを披露したが、意外にも改善の余地がありそうで、こう振り返る。
 「どこから先行するかって、いつも通り考えて先行しました。自分の距離っていうのを待って仕掛けました。ちょっと感触が良くないので、しっかりと考えたい。3着に残れたことは、すごいビックリです。考えないといけない課題がある。(ライン3人で上位独占で)それが一番うれしいです」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 上昇した北日本ラインの様子をうかがいながら、太田竜馬が突っ張る。山田庸平は連結を外して、太田の番手に新山響平が降りる。打鐘で平原康多(写真)は5番手をキープ。新山は2センターから太田を交わして、自ら風を切って逃げる。北日本勢に続いた平原が、最終2コーナーからまくって抜け出した。
 「流れが(どうなるか)そこまでわからなかったんで、その時、その時のヒラメキでと思ってました。新山君が番手にはまったんで、すごくまずいなと思ったけど、最終的に(まくりで)行き切れたんで良かった。セッティングを変えてきたけど、なんとか戦えそうな気がします。(前回の)静岡のままじゃ足りないっていうのがあって、自分の思うところを実戦に向けてやってきた。体調を崩さずにこられたんで、悪いわけじゃない。ただ、レースと自転車の新しい部分をマッチさせるのが大変だろうなと思ってた」
 最終ホームで8番手の古性優作が反撃に出る。平原もまくりに出て、諸橋愛と激しくぶつかった古性は、最終的に踏み勝って2着に入った。
 「想定外の動きになって対応できなかった。(山田が)あそこまで遅れてくるとは思わなかった。難しかったですね。自分も踏んだ感触は悪くなかったけど、平原さんがさすがだった。GIなんでみんな調整してきていると思うし、僕以外の選手が強かった」
 *佐藤慎太郎は、平原、古性を阻めず離れた3着が精いっぱい。
 「(新山)響平も太田君の動きが読み切れなかったんじゃないかと。自分は平原君も古性君も直線で来てるんで仕事ができなかった。さすがにうまかった。(自分の感じとしては)悪くないと思います」

6R

選手の写真です。
浅井康太選手
 赤板2コーナーから山降ろしで加速をつけた山田諒が主導権を握る。車間を空けながら浅井康太(写真)が続くが、飛び付いた野原雅也が浅井を弾いて番手を奪う。逃げる山田に野原、東口善朋となる。坂口晃輔のアシストもあり浅井が4番手に入ると、後方から原田研太朗が仕掛ける。原田が前団に迫り、最終2コーナーで東口のブロックを受けた園田匠が落車。出切った原田に野原、東口が切り替えて、浅井も4番手から外を追い込む。東口は1位入線も失格で浅井が繰り上がった。
 「粘られるっていうのを想定してなくて、それが頭になかったんで(野原に)番手を取られる形になった。東口さんの後ろに入ってから、原田君が(最終)ホームから行ったんで少しヤバいかなと。そのなかで東口さんの(失格になった)行為と自分が勝ち上れる走りをした。修正点はあるけど、ほんの少し良くなっているかと思います」
 8番手に陥った原田研太朗だったが、打鐘の4コーナーからの反撃で前団をのみ込む上々の動きを見せた。
 「この風だったらもつれると思ったんで、そうなって良かった。菅田(壱道)さんが切らなかったんで迷ったけど、(後方に)引いて良かった。(仕掛けてからは)余裕がなくて、(最終)バックからはすごい風でいっぱいでした。昨日(初日)よりかはいいと思う。バンクのモガき方とかもわかってきた」

7R

選手の写真です。
新田祐大選手
 村田雅一が欠場になり8車立て。ラインが2車になった寺崎浩平が坂井洋を押さえて主導権。新田祐大(写真)は5番手に追い上げて、ペースを上げた寺崎の先行でレースは流れる。最終2コーナー手前で坂井がまくり、稲川翔のけん制を乗り越える。が、さらにその上を新田がまくって、成田和也とワンツー。
 「想定というか予想していた感じとまったく違った。取鳥(雄吾)君が先に誘導を切る形になったので、そこが思っていたのと違いましたね。流れを見ながら積極的に仕掛けようとは思っていた。坂井君が行きたそうにしていたので、あとは取鳥君が仕掛けてくるかって感じで。思ったところから踏み込みました」
 成田和也は、新田の踏み出しにきっちりと対応して2着。
 「(新田が)良くジャンで追い上げてくれましたね。あれで1つ前(のライン)に入れた。(前回の)伊東で(新田と)走れて気づいたこともあったので、落ち着いて仕掛けを見て走れました。スピードある選手がいたので、2人で勝ち上がれて良かったです」

8R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 打鐘の2センターで渡邉雄太を叩いた新山響平が、大方の予想通り先行策に出る。北日本の3車が出切り、7番手の山田英明が最終ホーム手前から仕掛ける。山田のスピードが良く、止めにかかった守澤太志が落車して、山田、小川勇介も巻き込まれる。最終2コーナー過ぎからまくった渡邉が、援護がなくなった新山をとらえる。渡邉を和田健太郎(写真)が交わして南関ワンツー。
 「道中、打鐘のところで(渡邉)雄太が踏んでくれて、新山も叩くのがキツかったと思う。雄太が踏んでペースをつくってくれたおかげ。特別になにかをしたわけではないけど、昨日(初日)が良かった。体調うんぬんより、7車と9車で流れの違いもありますからね。(9車立ては)追い込みにもチャンスがもらえるかなと」
 一度は脚を使わされた*渡邉雄太だったが、落車のアクシデントに巻き込まれずにまくった。
 「ヒデさん(山田)がすごい勢いでいってビックリしたけど、なんとかなった。(落車を避けて踏んでからは)行けたかなと思いました。(久々のレースだが)調子は悪くないし大丈夫」

9R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
 打鐘の3コーナーで清水裕友が先頭に立つが、そこに長島大介が襲い掛かる。関東3番手の鈴木竜士は連結を外して、長島、諸橋愛を嘉永泰斗(写真)が追って、最終2コーナー手前からまくり上げる。井上昌己はからまれて離れ、諸橋愛のブロックをしのいだ嘉永が一次予選から連勝。GI初出場ながらも、全国のファンにアピールした。
 「(GI初出場で連勝で)ちょっとビックリしてます。小松崎(大地)さんが切った上を切ってレースをつくろうと思ってたら、突っ張られた。それで一呼吸おいて、誰か(のライン)に付いていこうと。うまくスイッチできたんで、イケるかなと。踏み出しも良かった。(初日にGIの)初戦で1着が取れたんで、気持ち的にだいぶ余裕がもてるようになった」
 後方になった小松崎が最終バックからまくりを打つ。山崎芳仁は小松崎マークから、直線の入り口でスムーズに外に持ち出して伸びた。
 「嘉永君を突っ張ったから来ないだろうと思ったら、(嘉永が)すぐに来たんであれが誤算でした。(小松崎)大地が行けるか見てたら進んでた。あとは自分は外か内かで、(最終)4コーナーに入ったんで大地には悪いけど踏ませてもらった」

10R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 突っ張り気味に踏んだ眞杉匠を強引に押さえた山田久徳が先頭に立つ。4番手で態勢を整えた眞杉は、好位確保も打鐘でスパートする。眞杉が主導権を奪い、山田の飛び付きを制した宿口陽一、木暮安由まで関東ラインが出切る。両ラインのやり合いを脚をためて見ていた太田竜馬(写真)が、最終1センターから踏み出す。前団に迫った太田、逃げる眞杉、宿口の3車が横一線でゴールを通過。太田がわずかに関東の2人をとらえた。
 「道中は想定していた感じじゃなかったんですけど、(仕掛けて)行くタイミング的にはあんな感じかなって。慌てても今日(2日目)は風が強いですし、ひと踏みにかけました。途中はヤバいかなって思った。出も悪かったので。風の具合だと思うんですけど」
 敢然と主導権取りに出た眞杉を利した*宿口陽は、太田のまくりに屈して2着。
 「いつも通り眞杉君が前を取って突っ張るか、引くかの判断は任せていました。カマシでキツかったんですけど、木暮さんは残念でしたけど2人で勝ち上がれたので良かった。太田君のスピードが鈍く見えたので、(ラインで)決まるかなって思った。感覚を修正したいですね。(山田に)粘られるのは想定内だったので、そこは対応できました」

11R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 三谷竜生が切って出ると、北津留翼は近畿ラインに続く。そこをすかさず叩いて松井宏佑(写真)は、比較的、脚力を消耗することなくすんなりと先行態勢を取る。赤板2コーナーでインを進出した吉田拓矢が3番手に押し上げるも、三谷との併走になる。3番手の取り合いをしり目に松井のペース駆け。北津留も後方で動かない。外併走からまくった三谷を松坂洋平がけん制して、北津留も不発。松井が後続を退けて押し切った。
 「風が強くていけるかなと思ったが、自分らしく先行して押し切れて良かった。追い風で気持ち良く(スピードに)乗せて、バックで踏み切って、いい感じで駆けることができた。先生(松坂)と決まって良かったです。トレーニングの先生でプライベートでもお世話になった恩があるので、ちょっとは返せたかなって思います。SSの吉田拓矢君を相手に逃げ切れたのは自信になった」
 2車のラインだけに決して楽ではなかった松坂洋平だが、後続との間合いを計り松井とのワンツーを完結させた。
 「(松井の)気持ちがうれしかった。僕の後ろが併走になったので、内は空けらないと、それで脚にきていた。しっかり締めてワンツーを決めたいと思っていた。(松井は)アマチュアの時、一緒に練習をやっていた後輩で(ワンツーは)うれしいですね」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 山崎賢人ラインが赤板1センターで飛び出して、平原康多(写真)、佐藤慎太郎に単騎の古性優作も追走する。6番手まで下げた深谷知広は、打鐘手前から巻き返す。ペースを落としていた山崎は合わせ切れず、遅れ気味の鈴木裕も含めて4車の南関ラインが出切る。最終1センター過ぎに切り替えた松浦悠士は、自力に転じてそのまままくる。車間を空け始めた郡司浩平は対応できず、松浦が南関勢をとらえて、平原康多が追いかける。松浦のスピードも鈍らず、2人の直線の攻防はゴール勝負に持ち込まれる。平原が最後のハンドル投げで差し切った。
 「(周回中は南関勢が前だったので)半分は突っ張るのかなと。それで古性も自分より前にいたんじゃないかと。(山崎)賢人はちょっと踏み出しが遅れた。(最終1センター付近の)あそこが自分と古性と(仕掛けた松浦の)3人がかぶったポイントだった。鈴木が遅れてきたんで、みんなタイミングがズレてしまった感じでした。自分は(調子は)悪くないと思います」
 最終1コーナーでは難しい判断に迫られた松浦悠士だったが、そこから自力を繰り出して抜群のスピードを披露した。
 「スタートの並びが誤算だった。深谷さんが前だったんで、山崎君にはキツいレースになった。深谷さんを突っ張ろうという感じで思い切り踏んでいた。4番手に迎え入れようと思ったんですけど、鈴木さんが時間差できたんで入れられなかった。それで詰める勢いで行きました。踏んだ感触は良かったけど、(最終)3コーナーの風で止まった。でも、いつも郡司君に合わせられるんですけど、結構、楽に出られた。差されたけど、出足は良かったです」
 最終4コーナーで、内には郡司、外からは単騎の古性。平原マークから内、外にソツなくプレッシャーかけて3着に入った*佐藤慎太郎の動きも悪くない。
 「風が強かったんですけど、自分にまったく余裕がないとかはなかった。ゴール勝負ができてるんで、状態はいいのかなと。いい状態はキープできてると思います」

6R

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柏野智典選手
 スローペースのなかで清水裕友が5番手まで下げると、単騎の山田諒がインを押し上げる。雨谷一樹が先行態勢を取るが、山田の外から清水が仕掛ける。雨谷もダッシュを利かせて合わせる。最終1コーナーから両者のサイドバイサイド。3コーナー過ぎに清水がねじ伏せて直線へ。番手の柏野智典(写真)が清水を交わした。
 「(清水は)1回行きかけたけど、山田君の動きもあって、清水君も行きづらかったのかなと。それでもスローになればなるほど、雨谷君の展開になってしまうんで。ああなった時点で(狙われるのは)僕のところか阿竹(智史)君のところかなと思った。キツそうにしていると来られるんで、内だけは気をつけていました。(最終)3コーナーまではキツかったけど、前が接触してスピードが落ちたんで、そこで自分は楽になりました」
 4車の中四国勢の先頭を務めた清水裕友は、ロングまくりでラインを確定板独占に導く。責務を果たしたものの、その表情はくもったままだった。
 「(山田が内に来て)そこはなんだったのかなと。とりあえず仕掛けられて良かったです。ちょっと弱気でした。流れのなかでジャン辺りから行けたら、すんなり出られたのかなっていうのはあります。危うかった。(雨谷に踏み)負けそうでしたけど、なんとか乗り越えられた。脚自体は悪くないけど、気持ちとかみ合ってない。現実をしっかりと受け止めていかないと」

8R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 打鐘手前で先頭に立った新山響平が主導権を握るが、すかさず寺崎浩平も巻き返して激しい先行バトル。6番手で態勢を整えた黒沢征治が、短くなった前団を最終バック手前からまくる。黒沢がまくり切るが、関東コンビを追った単騎の中川誠一郎(写真)が直線でシャープに突き抜けた。
 「8割くらいは、(新山と寺崎で)モガき合いだと思っていた。まくろうかと思ったが、黒沢君に期待した。黒沢君が強かったし、伸びているって感じもあった。冬のわりにはしのげていますね」
 マークした黒沢がまくって末木浩二は、2日目に続いて中川の2着。
 「黒沢君のおかげですけど、自分に技術があれば3着に残せる感じはあったんですけどね。(最終)バックでモガき合いをまくっていった時はすごいスピードだった。4コーナーでのみ込んで、2人で決まると思ったんですけどね」

9R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 周回中、中団にいた小原佑太が、吉田拓矢(写真)を警戒しながら踏んで、赤板の2コーナー過ぎに出て主導権を握る。三谷竜生が番手に飛び付て北日本勢を分断して、流れは吉田に向く。4コーナーからスパートした吉田は、目の覚めるようなスピードであっさり前団をのみ込む。諸橋愛、木暮安由のライン2人を連れ込んで、上位独占で押し切った。
 「後ろだったんで早めに押さえようと思った。そしたら小原君が出ていったんで、落ち着いて立て直しました。(三谷)竜生さんが全開で踏んでたから、(小原ラインの)番手か3番手に行くんだろうなと。そこを1回見てからでも遅くないなと。結果、番手にいって(渡邉)一成さんが浮いているところを目がけていく感じになりました。連日、情けないレースが続いて外を踏めなかったんで、今日(3日目)は外を踏もうと思ってました。これができていれば結果も違ったのかと思います。地元っていうのもあって、視野が狭くなっていた。気持ちが折れかかっていたけど、今日はなんと1着を取れて良かった」
 8分の1輪及ばずの諸橋愛は、吉田の成長を肌で感じながら、こう振り返った。
 「自分も悪くないと思って(今シリーズに)臨んでるんですけど、ヨシタク(吉田)の後ろに付いて、純粋にヨシタクが強くなっている。この半年くらいで変わっている。自分は(調子を)キープしている。正直、差せなかったのは悔しい。(吉田が)長いこといって差せないことはそんなにないんで」

10R

選手の写真です。
古性優作選手
 赤板過ぎに嘉永泰斗が出て、古性優作(写真)が3番手に続く。6番手に坂井洋が入り、前受けから引いた深谷知広は8番手になる。嘉永のペースもそれほど上がらず、打鐘手前から深谷が踏み上げる。最終ホームで深谷が叩き切ると、古性が静岡勢にスイッチしてまくりを打つ。逃げる深谷の掛かりも良く、古性は渡邉雄太の横で止まって直線へ。渡邉のコースを阻んで追い込んだ古性が1着。グランプリ王者の強さとうまさが光った。
 「ちょっと最大出力が低い感じがして、スイッチするのがしんどかったですね。今日(3日目)が一番良かった。周回の感覚で今日はイケるなって感じでした。でも、深谷さんがすごく強かったです。無我夢中で踏んでいるような感じだった。渡邉君が何回かあたってきていたので、キツいなって感じでした。S班になって初めてのGIで決勝に乗れて良かったです」
 浅井康太はゴールでピッタリと古性に並んだが微差の2着。ラインのワンツーで決勝に進んだ。
 「すべて古性君の動きに合わせてでした。昨日(2日目)したのでマーク屋っていう気持ちで走りました。(最終)バックから結構、抵抗にあっていたので、厳しいレースかなって思ったんですけど。そこからの伸びがすごくて直線勝負できたのかなって。昨日よりもいい感じかなと。前検日に入る前の練習の感じではいいのかなって思っていたんですけど。やっぱりレースに入ると落ち気味だったので、そこを修正しながらでなんとか準決をクリアっていう感じになりまし」
 逃げた深谷知広は、2人には交わされたが、さすがのパワーと強じんな粘り腰で3着に踏ん張った。
 「普段やっているパターンでいこうと思った。みんな先行意欲はあると思っていたので、どこから勝負するかって感じでした。自分の距離で勝負することができました。反省点っていうのを自分のなかでのみ込んで、セッティングもだいぶいい方向にでてきた。それで3日間のなかで一番良かったです。考え方とか自転車の乗り方とかっていうのをしっかり見直せました」

11R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 5番手で前団との車間を空けた郡司浩平は、中四国勢を後方におきながらレースを進める。打鐘で出た野原雅也に、郡司は車間を詰める勢いで2センターから踏み込む。太田竜馬(写真)が神奈川ラインを追いかける。郡司、和田真久留は出切るが、松坂洋平は神山拓弥にさばかれる。あおりで外に振られた太田は、立て直してもう一度加速する。スピードに乗せた太田が、郡司をとえらて1着。18年11月の競輪祭以来、通算2度目となるGIファイナルのキップをつかんだ。
 「松浦(悠士)さんと、あのタイミングでいこうって感じでした。けど、前(郡司)が行ってくれて良くなった。あおりもあったが、こらえられて良かった。初日以外は力を出せて着もいいのでいい。なかなか(GIの決勝に)乗れなかったのでうれしい」
 最終2コーナーで外に膨れた太田を待って、きっちりとラインでのワンツーを決めた松浦悠士は、2着ながらも上々の動きだろう。
 「(太田は)郡司君が行って追う形になって、その上を行くってうのは強いなと。あおりもあって、内側を気にしながら中を割られないように内を締めていました。今日(3日目)はフォームをリラックスして握ったんですけど、今日は修正して悪かったので、昨日の方向に戻します」
 小松崎大地のコースと余力を確かめた成田和也は、松浦後位に切り替えるようにして3着に入った。
 「野原君の巻き返しが早くて、太田君もどんなレースをするか読めなかったですけど、(小松崎)大地は3番手になって良かったのかなと。郡司君が来て、(最終)ホーム過ぎが勝負どころでしたね。大地が内に詰まっていて、後ろ(太田ライン)が行くんだろうなと。(小松崎が)かぶっていたので、松浦を追走しました。大地のおかげで落ち着いて走ることができました。調子は問題ないです。ラインに恵まれていますね」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 周回中に3番手にポジションを取った眞杉匠は、松井宏佑の動きに合わせて赤板過ぎの出て先行態勢。誰も出させる気配はない。前受けから飛び付いた新田祐大(写真)が3番手をキープ。再度、松井も仕掛けるが、最終ホームでいっぱい。逃げる眞杉の番手で平原康多が後続をけん制するが、新田が2コーナー過ぎにまくる。平原を乗り越えた新田のスピードがよく、二次予選から連勝のゴール。
 「先行意欲がある選手が多いので、自分のタイミングを見て、行けるところから行きたいと思ってました。(3番手を確保したが、前の平原が)すごく上手で翻ろうされてしまった。ちょうど(仕掛けて)行くタイミングを全部くじかれてしまった。踏むタイミングを逃してしまった。自分の脚の感覚はすごくいい。(決勝は)先輩たち(佐藤慎太郎、成田和也)の熱い思いを背負ってしっかりと頑張りたい」
 2車の関東ライン。真後ろに新田がいて、平原康多は番手で厳しい判断を迫られた。新田には出られたが、前に踏み込みながら佐藤慎太郎を制して2着に入った。
 「作戦にはないレースだったんですけど、眞杉のスイッチが完全に入りましたね。真後ろに新田がいるのはずっとわかっていた。あとは眞杉のスピードの落ち具合と新田のポイントを見極めて、自分で踏まないと(優出は)ないなって感じだった。ギリギリまでなんとかしたかったけど、あの位置からの(新田の)仕掛けだと苦しい。(佐藤)慎太郎さんのところでなんとかできたんで少しはマシなのかなと。(前回のあとに)やってきてこと、試したことがかなりプラスになっているって思います」
 新田とのワンツーならずの*佐藤慎太郎は、リカバリーの優出も表情を厳しい。
 「2着までしっかりと付いていかないといけないレースだったんで、悔しさもあります。(新田の)スピードがすごかった。場所的にも(平原の)外になる形だったんで危うかった。今後、対応を考えていかないと」