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たけお競輪

TAKEO KEIRIN

84#

検車場レポート

  • 11/24 Wed.  (前検日)
  • 11/25 Thu.  (1日目)
  • 11/26 Fri.  (2日目)
  • 11/27 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
松岡辰泰選手
 オープニングレースを飾るのは今年4月の武雄競輪開設記念『大楠賞争奪戦』でも1レース1番車を務めている松岡辰泰(写真)だ。共同通信社杯でビッグ初勝利を挙げるなど確実にステージを上げている。
 「4月の記念は地元の青柳(靖起)君が1レースかなって思ってましたけど、今回はもしかしたらまた自分かもって思ったので心の準備はしてきました。今は地元バンクが使えないので武雄にきて練習をしたりしています。今までGIIIは4回くらい準決勝に上がれているけどまだ決勝に乗れていない。そろそろ乗りたいので勝ち上がれるように頑張りたいですね」
 番手を回るのは復調の兆しを見せる田中誠。近況はFI戦を含めて3場所連続で決勝進出と乗れている。
 「松岡君とは(11月)別府の初日に連係しましたけど2日目からフレームを換えたので、この自転車で連係するのは初めてですね。前回からシューズを換えて当たりがでているので状態的には悪くないと思う。松岡君はダッシュも末の粘りも良いので集中してついていきます」

2R

 競輪祭で大活躍だった練習仲間の取鳥雄吾に刺激を受けた片岡迪之は気を引き締めてシリーズ初戦に挑む。
 「競輪祭の雄吾はめちゃくちゃ仕上がっていましたね。格好良かったです。今回は入れ違いで僕が佐世保と武雄で、雄吾が競輪祭だったから直前は一緒に練習できなかったですけど、やれるときは一緒にやっています。10月の高松から最近、流行りの大きいフレームに換えて1着が増えましたね。武雄は結構、走っていますけど相性は良いと思います」
 熊本記念in久留米で落車して長期離脱を余儀なくされた瀬戸栄作であったが、復帰戦の佐世保で2度の確定板入りと手応えは決して悪くない。
 「久留米の落車で左鎖骨を骨折しましたが、前回の佐世保で一走しましたけどそこまで影響はないと思いました。成松(春樹)さんとは1度連係がありますけど決められていないので頑張りたいですね。細切れ戦なので一撃で決められるように」

3R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手
 9月の富山から本来の動きを取り戻しつつある桐山敬太郎(写真)が縦横無尽な立ち回りで別線を迎え撃つ。
 「調子というよりもやっと7車立てに慣れてきたって感じですかね。9車立てはある程度、相手の動きを予測しながら組み立てますけど、7車立ては変な間が生まれてしまうので。今回は9車立てなので一回忘れて9車立ての戦い方に頭を切り替えないと。9車の方が相手を動かしやすいし自分としては戦いやすいので」
 前回の佐世保は見せ場なく終わってしまった伊藤裕貴であったが、悲観した様子は一切なし。気持ちを切り替えて今シリーズで結果を求める。
 「前回の佐世保は2日目も最終日も単騎戦で難しかったですね。最終日は一周が22秒1で立ち遅れてしまって7番手だったのでどうにもできませんでした。地元の四日市記念に向けてやってきたことがあるので、調子自体は悪くないと思います。器用な桐山さんもいますけど、9車立てなのでうまく立ち回れるようにしたい」

4R

選手の写真です。
川口聖二選手
 現状を見つめて再浮上を狙う川口聖二(写真)は大舞台で活躍していた同級生に刺激を受けて自らを奮い立たせる。
 「ここ最近はバック数も先行回数も減ってきていて、単純に脚力が落ちてしまているなと気づきました。前回は結果はダメでしたけど、もう一回先行で脚力を上げようと思ったので2日目、最終日と思い切って仕掛けました。ステージが違いますけど、同級生の新山(響平)君の競輪祭での走りを見ていたらさらにその気持ちが強くなりましたね。本当に格好良かったです。自分も負けていられないですし、初日はラインも長いのでしっかりと仕掛けたい」 
 50歳を超えてもなお、衰えぬ闘志で白星を量産している内藤宣彦は元気いっぱい。7車立てのFIシリーズでは準決勝が壁となっているが、走り慣れた9車立ての戦いで存在感を示す。
 「7車立ては本当に追い込み選手にとっては厳しいですね。展開に恵まれることももちろんありますけど、別線の強い選手がドーンと行ったらそれで決まってしまいますから。コースを探そうっていっても後方になったら厳しい。その点、9車立ては道中で動きもあるし隙も生まれるので。今回は追加ですけど1週間前にきていたので準備はできていますよ」

5R

 8月奈良で特別昇級を決めた新鋭の土生敦弘がFIシリーズでつかんだ手応えと課題を持ってGIII初参戦。
 「今まではただで中団を渡したりしていましたけど、今のうちに色々とやっていかないとって思っています。9車立てならなおさら後方になったらきつそうですし、7番手からのまくりはしんどいと思う。同期の青柳君とは初めての対戦ですけど負けないように」
 117期卒記チャンプの青柳靖起は地元の意地を見せたいところだろう。4月の開設記念に続き2度目の地元GIIIで結果を求める。
 「10月の前橋から使っている新車の感じが良くて、ようやく動ける感覚になってきました。今期はS級点を取るのは厳しいかもしれないですけど、失うものはないので。地元戦だし思い切ってやりたい」 

6R

 今期はS級1班に昇格し、共同通信社杯でビッグを経験した福永大智はさらなる強さを求めて積極的なレースを心掛けている。
 「前回の松戸は感覚的には良かったですけど、最後の力が足りなかったですね。今回は中3日なので疲れが抜けるように調整してきました。武雄はA級のときに落車してしまっているので、今回はいいイメージを残せるように頑張りたいですね」
 決め脚鋭い鹿内翔は後方に置かれてもコースを探して突っ込める巧者。前回富山の最終日にも連係している真船圭一郎の番手から予選突破を目指す。
 「真船君は前回も連係しましたし、いつも頑張ってくれるので。青森はもう寒くてバンクに入れないのでそこがどうでるかですね。12月から冬期移動をするのでそこからまた上げていければ。今回はチャンスあるメンバーだと思うので少しでも勝ち上がれるように頑張りたい」 

7R

選手の写真です。
近藤隆司選手
 11月富山で久々の優勝を飾り勢いを取り戻しつつある近藤隆司(写真)が2年ぶりに当所に参戦。堅実な白戸淳太郎の援護を受けて白星を追求する。 
 「富山は矢口(大樹)君のおかげで6月の取手以来で久々に優勝できました。モチベーションが上がったというか、もっと頑張らないとって気持ちになりましたね。調子は上がってきているけど、まだ本当に良かった頃みたいに絶対に勝てるっていう感覚まではいっていないので。油断できないというか、初日も気を引き締めて戦わないとなって思っています」
 前走から中3日ながら疲れを見せず参戦する佐藤幸治の動きにも注目したい。
 「前回は3日間とも人の後ろだったので感覚はわからなかったですね。でもずっと自分で動きたい気持ちがあったのでやっと動けますね。練習はいつも通りやってこれたので戦える状態だと思います」

8R

 9月向日町記念での落車でリズムを崩してしまっている松川高大は復調のきっかけを探っている。
 「向日町で左鎖骨を骨折してから良くないですね。でも練習はできているので徐々に良くなってきている。あとは結果に繋がってくれればってところですね。今はもう熊本バンクが使えなくなってしまったので、直前は武雄に2日間、練習に来ていたので今回はそのまま前検日に入りました。一日4人までの受け入れなんですけど事前の予約制で練習をさせてもらえているので。直前のバンクの感じとか風の感じとかをつかめているのは大きいと思います。自分は重くなる冬場の方が得意なので今回は結果を出したい」
 トップスピードを磨いている晝田宗一郎は決勝進出こそ逃しているが、粘り強い走りで確定板に乗っている。
 「前回から中6日で疲れはありません。最終日に稲毛(健太)さんに勝てたのはたまたまです。武雄は何回も走っていますし、イメージも悪くないです」

9R

選手の写真です。
山岸佳太選手
 前回富山を腰痛で途中欠場している山岸佳太(写真)だが、体のケアと調整は十分で、同県で同期の吉田拓矢のGI初優勝に刺激を受けて活躍を誓う。
 「拓矢の優勝は本当に嬉しかったですね。自分がその場所で雰囲気を一緒に味わえなかったのは残念です。やっぱりデビュー前から同期の中でも拓矢と新山(響平)の頭が一つ、二つが抜けていたので。遅れをとってしまっていますけど、これ以上引き離されないように頑張らないと。最近はアマチュアの面倒を見たりバンク練習を増やして脚力が上がってきていると思います」
 近況は苦戦を強いられている南潤ではあるが、現状打破へ変化を求めて試行錯誤している。
 「今回はシューズとハンドルステムを換えてみます。悪いまま何も変えずに同じことをずっとやっていてもダメだと思いますし、少しでも良くなるために何かを変えていかないと」

10R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 嵯峨昇喜郎(写真)はA級戦で完全優勝を達成して以来2年ぶりの当所参戦。自慢のスピードで別線の包囲網を突破する。
 「10月の地元戦で転んでフレームが壊れてしまいました。体は大丈夫だったので良かった。次のいわき平から練習で使っていたフレームに換えました。感覚的には悪くないですね。前回の決勝は大敗してしまいましたけど、単騎で立ち回りが難しかった。中3日だったので1日練習してそのあとケアをして疲れを抜いてきました。平の準決で佐藤さんと決められなかったので今回は決めたいですね」
 近況伸び良い佐藤和也はFIシリーズでコンスタントに決勝へ進出しており、グレード戦線でも結果を求めている。
 「最近は自分で思っている以上に車が伸びてくれていますね。なにかを変えたわけじゃないですけど。(前走の11月)静岡の前くらいに冬期移動したばかりなのでここからさらに上がっていってくれればいいですね。嵯峨君とは前回はダメでしたけど、その前は決まっていると思うし相性は良いと思いますよ」

11R

 9月の和歌山以降、FIシリーズでの取りこぼしが目立っている稲毛健太だが、自身の感覚は成績ほど悪くない。
 「前回の福井はラインで決めたい気持ちが強すぎて焦って失敗してしまいましたね。脚自体はそこまで悪くないので今回は頑張りたいですね。直前は軽いギアで練習をして心拍を上げてきた。武雄は直線が長いし、誰も早めに駆けたいとは思わないのでカマシが決まる印象ですね。7車立てより9車の方が好きですし、夏より冬の方が自分は得意なので」
 成績にムラこそある内山雅貴だが、8月川崎GIIIで決勝進出している実力者で勢いに乗ったら止まらない。
 「10月の大宮から深谷(知広)さんから借りたフレームを使っています。最近は練習も一緒にやらせてもらっていて、一つ、一つ丁寧に解説してくれるのでわかりやすい。今まではただただ筋力だけでもがいていましたけど、考えて踏むようになりました。自分は初日が大事なので。初日がダメだとそのままズルズルいってしまう。初日が良ければそのままの勢いでいける気がします」

12R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 地元記念4度の優勝実績を誇る荒井崇博(写真)がシリーズをけん引。今回は施設整備等協賛競輪ではあるが、地元GIIIに変わりはない。
 「まあ気楽に走りますよ。それくらい仕上がっているんで。前回は一回しかハコを回れなかったんで、そりゃ自分でやるしかないでしょう(笑)。地区プロもあったから(中川)誠一郎と合宿もしてたので。誠一郎より強いのはそうそういない。(地区プロの)スプリントで誠一郎に勝てたし、相手が誠一郎だと思って戦えばいけるでしょ」
 今シリーズの競走得点トップは村田雅一。10月福井、続く寛仁親王牌で落車しているが、上積みを実感して今シリーズに登場。
 「福井、弥彦って連続で落車して体がきつかったので1本休んでケアをしていました。前回の広島は今回に向けてきつめに練習していたのでオーバーワーク気味でしたね。今回は練習も体のケアもしっかりとできたので問題なく戦えると思います。気温も下がってきているので寒さ対策をしっかりしたい」
 冬場を得意としている原田研太朗は本来の動きを取り戻しつつある印象。競輪祭に出場できなかった悔しさを今シリーズにぶつける。
 「競輪祭を走れなかったのは自分が成績を落としてしまったのが原因なので。また上げていければ出られると思う。でもやっぱり見ていて自分も走りたかったなって気持ちになりましたね。最近は展開的な部分もありますけど脚の感じも良くなってきていますね。武雄は直線が長い分、僕の戦法を生かせるバンク特性だと思います。冬場は前(逃げる選手)のカカリが全然違ってきますけど、僕は冬でもイメージは変わらず踏めるから好きですね」 

1R

選手の写真です。
田中誠選手
 金子哲大と吉田篤史の動きを冷静に見ていた松岡辰泰が、打鐘から叩いて先頭に踊り出る。最終ホームで金子が中団外まで追い上げたが3コーナーで外に浮いてしまうと、車間を空けて待ち構えていた田中誠(写真)が自ら外を踏み込む渡邉晴智を張りながら直線で抜け出した。
 「朝一のレースだったので、ウォーミングアップからそわそわしていた。(松岡とは)11月の別府でワンツーが決まって今日(初日)も決まったけど、欲を言えばもう1周早くですかね。流れの中でいってくれれば。自分は中3日ですけど、前検日の朝もグループの練習に参加してきたし悪くない。フレームと前回からのシューズもかみ合ってきている」
 打鐘から1周半の仕掛けに出た松岡辰泰が懸命に踏み直し、直線中のコースを踏む吉田を振り切って2着に入線。
 「ペースが上がり切る前に出て、そこから自分のペースで踏んでいこうと。金子さんがきてると思って踏んだんですけど、中団で併走するような感じになっていたし最後までペースでいけました。ずっと引っ掛かりがある感じでしたけど、重たい感じでもないし脚は問題ないと思います」

2R

選手の写真です。
堤洋選手
 後ろ攻めから押さえた瀬戸栄作を片岡迪之が打鐘で叩いて先頭に。正攻法の構えから引いて態勢を整えた染谷幸喜が一気のカマシで主導権。3番手の位置でまくり返しを狙った片岡であったが車の進みが悪く、最終2センターで片岡と二藤元太の間を割った堤洋(写真)が直線で突き抜けた。
 「染谷君も強かったですね。カマシに来るだろうとは思っていましたけど。僕は余裕もあって片岡がスーッと出れば付いていくだけでしたけど、進みが悪かったので内にいきました。ちぎれてばかりたっだので、今回からセッティングを大幅に変えたら良くなりましたね」
 初手から中四国勢を追走していた松永将が、堤に続いて2着に入線して好配当を演出した。
 「3場所連続落車で最後は左ろっ骨を骨折でした。ちょっと本数まではわからないですけど。少しずつ治していくしかない。前回よりはちょっと良かったですね。初手はあそこからであとは流れでって感じでしたけど、堤さんが行ってくれたので付いて行った感じです。これをキッカケにしたいですね」 

3R

選手の写真です。
伊藤裕貴選手
 後藤悠と土屋壮登が残り2周で一緒に上昇してくると、伊藤裕貴も合わせて踏み込み北日本勢を受ける。中団外に浮いた土屋が打鐘で叩いてそのまま主導権取りへ。3番手の位置を確保した後藤が最終2コーナーからまくりに出たが、伊藤裕貴(写真)がさらにその上をまくってゴール線を駆け抜けた。
 「初手は(前から)3つ目が欲しかったんですけど、後ろでけん制していて出なかったので、作戦にない感じだった。後ろで併走になっていて締めっぱなしになってキツかったですね。ただ(山口)富生さんが上手なのでしのいでくれると思って信頼していました。桐山(敬太郎)さんがしゃくってきたので、無理くりいった感じでしたけど、逆にタイミングは良かったかな」
 道中で桐にからまれながらも伊藤の番手を死守した山口富生が懸命に続いて中部ワンツー。
 「(赤板で伊藤)裕貴だけが先にいってしまって、自分はアンコになって付いていけなかったので桐山も引けなかったんだと思う。併走になったけど、その後は裕貴に付いていけたし悪くないと思います」

4R

 川口聖二、片折亮太、荻原尚人の順番で叩いて出ると正攻法の構えから引いた平尾一晃が力強く巻き返して主導権。川口が再び後方から巻き返しを狙ったが、番手の小林弘和が外を張って内を突いてきた荻原を締めながら直線で抜け出して、地元戦で久々の白星を手にした。
 「外に川口君、内に荻原君がいたので、もう少し引きつけていれば良かったですね。地元で1着が欲しくて、早く踏んでしまいました。中3日ですけどまずケアを入れて荒井(崇博)さんと一緒に練習をさせてもらったので」
 荻原をリードしていたベテラン内藤宣彦が、冷静にコースを見極めて直線中を強襲して2着。
 「あの位置が取れるとは思ってなくて、スタートは後ろ以外ならって思っていました。でも、あの位置だとオギ(荻原)の先行になっちゃうし、2車だから難しいなって思っていたんですけど、平尾君が来てくれたのでいい形になりましたね。川口君が来てオギもかぶってしまってどうするんだって見てましたけど、内へいってくれたのでコースが空きましたね」

5R

 後ろ攻めから勢いよく飛び出した土生敦弘が、赤板過ぎに先頭に踊り出る。打鐘から巻き返しを狙った伊早坂駿一を最終1コーナーで突っ張り切ったが、両者の踏み合いを冷静に見ながら脚をためていた地元の青柳靖起がスピードよくまくって前団をのみ込んだ。
 「前のレースで小林(弘和)さんが勝っていたので、めちゃくちゃ気合は入りました。今日(初日)は行けるところから行こうと思っていて、前も踏み合ってくれたので。アップはめちゃくちゃ重かったんですけど、地元なので気持ちで走りました。同期の土生さんと初めて対戦だったんですけど、やってやろうと思っていたし勝てて良かったです。今回は勝っても負けても力を出し切るレースをして見せ場を作りたいですね」
 青柳の鋭い踏み出しに付け切った山口貴弘が、4分の3車身差で2着に入線。
 「(青柳とは)今日で3回目でしたけど、自分はいつも確定板に乗っているし相性はいいですね。カマす展開にはならなかったですけど、結果的に展開が良かったですね。シューズを調整して最近はだいぶ良くなりました」

6R

選手の写真です。
三谷政史選手
 佐伯辰哉を打鐘で押さえた福永大智が、先頭に立って流しながら後方の様子をうかがう。原田泰志に動きはなく、真船圭一郎が6番手の位置から豪快なカマシを狙ったが、福永が合わせて踏み込みレースを支配。番手で福永をリードしていた三谷政史(写真)が車間を空けて援護しながら、直線で鋭く踏み込み半2車輪交わしたところがゴール線。
 「福永君が強かったですね。出てから後ろにレースをさせなかったですからね。真船君はダッシュがいいのに、平気で合わせ切っていましたから相当強い。自分は真船君が外にへばりつくように軽く張る感じで。上がってきていると思います。(三谷)竜生のビッグフレームに換えて5カ月くらい乗っていますけどいい感じだと思います」
 1周半踏み切ってライン決着に成功した福永大智は、2着での一次予選突破ながら確かな手ごたえ。
 「駆けた感じいけるかなって。軽かったので。踏むのがちょっと遅くて危なかったですけど。本当は真船君の後ろからが良かったですけどね。あそこからだと長い距離を行かないといけなくなるので。風は感じなかったですね。最後は焦ってハンドルを早めに投げてしまった」

7R

 近藤隆司を今岡徹二が押さえたあとに佐藤幸治が切って菅田和宏ラインを待って3番手をキープ。車間を空けて間合いを取りながら、最終2コーナーからまくってそのまま力強く押し切った。
 「こられる前に自分で行こうと思っていた。多少体に違和感はあるけど、行けるタイミングで仕掛けられているし悪くないと思う。北日本の後ろを回れば展開もいいかなと思ったし、ある意味いい勉強になりました」
 別線に警戒された近藤隆司は、7番手からまくり上げるも4分の1車輪差で届かず2着。
 「後ろ攻めになってしまったんですけど、結果的に前からのような展開になってくれて良かった。ホームが向かい風だったので後方で脚をためていたんですけど、前がちぎれていたのが見えたので慌てて踏んで。明日(2日目)以降はもっと良くなると思うし脚も軽くなると思う」

8R

選手の写真です。
松川高大選手
 小谷実が後ろ攻めから上昇すると晝田宗一郎は誘導を残して車を下げる。関根健太郎が打鐘叩いて出ると、松川高大が俊敏に追い上げて南関勢の後ろにスイッチ。晝田宗一郎が一気のカマシを放ったが、最終2コーナーから車を外に持ち出した松川高大(写真)が、友定祐己のけん制を警戒しながら直線でのみ込んだ。
 「風が強かったので、前か中団が取れればって思っていました。晝田君が引いてきた時に自分の内で粘ったら叩こう思いましたけど、下げたので。関根君がまくりに行くかなって思ったんですけど、行かなかったので自分から行きました。キツかったですけど、先行の方がキツいと思いますよ。いい時に比べたらスピードの乗りは全然まだまだでしたね」 
 松岡貴久は直線で松川の外を踏み込むもわずかに届かず、2着で二次予選へとコマを進めた。 
 「まだ痛いところはありますけど、体は大丈夫です。すべて松川に任せていたので。久々にワンツーが決まってうれしい。追走は余裕がありました。抜いていれば一番ですけどね。点数も賞金も上げないとなので頑張りたいですね」

9R

 初手で中団に構えた南潤が外併走から叩いてでた原口昌平を叩いて打鐘から一気のスパート。7番手に置かれてしまった山岸佳太であったが最終ホームから反撃を開始。中団の原口が踏み遅れるほど前半から飛ばしていた南が最終4コーナーまで抵抗していたが、力ずくでまくり切ってみせた。
 「1着ですけどあんまり良くない感じですね。展開も作れていないし、中団でちょっと休もうとしてしまって。スピードを殺してしまったので(最終)4コーナーまで勝負を長引かせてしまった。ある程度のスピード域ならホームでいける感じはあるので、あとは気持ちの問題ですね」
 連係を外すことなく続いた尾崎剛が、直線で外を迫り2着に入線した。
 「車番的にキツかったので、後ろより前が取れればいいなと。南も結構、掛かっていたので、入りかけましたけどすかさずいってくれたので。前回は静岡で雨谷(一樹)に離れていたので、今日(初日)は踏み出しに集中していた。思っていたより脚も残っていたし悪くないと思います」

10R

 菊池竣太朗が赤板過ぎに嵯峨登昇郎の外で1回止まってから小原周祐を叩いて先頭に。中村一将が後方から力強く巻き返して主導権取りに出たが、俊敏に車を外に持ち出した嵯峨昇喜郎が自慢のスピードでのみ込み後続を4車身引き離して余裕のゴール。
 「今日(初日)は前からで後ろが切って切ってで、バーンとジャンから先行できればって感じでした。でも、菊池さんが外で止まったりして遅くなったけど反応は悪くなかったと思う。スピードの乗りも良かったですね。最後はタレてしまいましたけど、抜かれないように踏みました。最終バックは取りたかったので。もうちょっと周りを見る余裕があればいいかなって」
 嵯峨の番手を回っていた佐藤和也が踏み出しで離れてしまい、中村を巧みにリードしながら抜け出した藤木裕が2着に入線。
 「だいぶ(後ろを)引き付けました。前(嵯峨)を追いかけたら(中村)一将さんが沈んでしまうので。最善は尽せたと思います。2人で勝ち上がれたので。最近は不安定な状況で、前を回っても中途半端でしたし、後ろを回ったら離れたりしていたので。今日はフレームを換えてセッティングも換えて。ホッとしました」

11R

選手の写真です。
稲毛健太選手
 橋本瑠偉、内山雅貴、古屋琢晶の順番で切って流すと、正攻法の構えから引いて態勢を整えた稲毛健太がさらに叩いてペースを落とす。再び仕掛けのタイミングをうかがっていた橋本が後方から一気のカマシを敢行。地元勢を受けた稲毛健太(写真)は3車身ほど空いた車間を焦ることなく徐々に詰めていき、直線で鋭く追い込んだ。
 「落ち着いて走れた思う。初手の順番なら先行しようと思ったんですけど、ちょっと距離が長いかなと。追っかけていった方が楽かなと思って、見てからいきました。9車立てなので無理せず中途半端なことはしないで下げるところは下げて。脚を回せていたし、どこから行くだけでした。日に日に状態は良くなると思うし、ハンドル周りを少し調整して明日(2日目)以降に臨みます」
 橋本をリードしていた古川貴之は、直線で慌てて踏み込むも2着。
 「(橋本が)行きごろなところで仕掛けてくれました。後ろの車間も空いていたし、このまま決まるかなと思ったんですけど、すごいスピードできたので慌てて踏んでしまって」

12R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 地元の荒井崇博が号砲と共に飛び出して上田尭弥が正攻法に構える。谷口遼平が1番車を生かして前中団を取り、ライン3車の原田研太朗が中近勢の後ろで構える。後ろ攻めを選択した小原佑太が残り2周で上昇を始めると気配を察知した原田が上田を叩いて青森勢を待って3番手の位置をキープ。すかさず巻き返しを狙った谷口と小原で踏み合う流れになると、タイミングを見ながら最終バックでまくり出た原田研太朗(写真)がそのまま1着でゴール線を駆け抜けた。
 「車番的にも前か後ろ中団のどっちかが取れればと思っていました。先に切って小原君を出させたほうがいいかなって。ちょっと谷口君に入られかけたのは反省点ですけど、そのあとは踏み合ってくれて展開が向きました。1回切って脚を使っていた分、キツかったですけど。高原(仁志)さんがからまれてしまったので、もうワンテンポ早めに行ければ良かったですね。僕にしたら珍しいレースでしたけど、たまにはって感じで。修正点はないのでしっかり休みたい」
 地元の荒井崇博は目標の上田が不発と判断すると、3コーナーで内をすくって2センターから車を外に持ち出して直線で大外を強襲して2着。
 「最後の3コーナーは内に行かないと、自分の勝負権がなくなるので。1着まで行けると思ったけどね。ハラケン(原田)が強かったね。まああおりもあったから」
 原田にまくられながらも谷口の仕掛けに合わせ切った小原佑太が、懸命に踏み直して3着に踏みとどまった。
 「前を取らされるかと思ったけど、自分的には後ろからが理想でした。原田さんなら切って待ってくれると思ったので。あとは上田君が(原田を)突っ張る突っ張らないかだけでした。踏み込みを強くして流れでそのまま前に出たんですけど、谷口さんが早めにきていたので慌てて踏み直しました。もうちょっと早めに踏んでいれば(坂本)貴史さんも付けやすかったと思うので、そこは反省ですね。疲れはありますけどいいパフォーマンスはできていると思います」

6R

選手の写真です。
小原佑太選手
 残り2周手前から上昇してきた内山雅貴が誘導員の後ろに収まる。平尾一晃が静岡勢の後ろに付けて、福永大智が5番手の外まで追い上げて小原佑太(写真)と併走する。内山が腹を括って残り一周手前からスパート。平尾が3番手の位置から先まくりを放ったが、福永を捌いた※小原が鋭くまくって連勝ゴールを決めた。
 「できれば前からでしたけど、前中団の展開も考えていました。福永君が自分の後ろになったので福永君に先行されるのは嫌だなって思って、誘導を残して下げたんですけどね。でもああなったら勝負するしかないので。予想外でしたけど。やっぱりヨコは得意じゃないです。直線が長いから最後は差されたかと思いましたけど粘れて良かったです」
 小原に捌かれて外に浮きかけそうになった福永大智であったが、小原マークの佐藤和也が離れていたため、追い掛ける形から直線で鋭く迫り2着。
 「あの位置が取れると思っていなくて、切って切ってで行こうと思ったんですけど小原君に内で粘られたので。あそこから叩いてカマされるのはちょっと嫌だった。出させるにしても難しい位置だったので。初めての展開でどうしたらいいか分からなくなってしまいました。行きたいところで飛ばされてしまったし、大失敗でしたね…。どかされたし差せなかったし完敗ですね。脚は悪くないけど自分らしいレースができなかった」

7R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 後ろ攻めを選択した土生敦弘が赤板手前で誘導員を降ろして先頭に立つ。桐山敬太郎が中団まで追い上げて、上田尭弥(写真)ら九州勢は7番手まで下げる形で打鐘が鳴る。中団で車間を空けながら間合いを取っていた桐山が最終2コーナー手前から先まくりを放ったが、大外を踏み込んだ上田がまとめて前団をのみ込んだ。
 「阿部(兼士)さんまで連れ込みたかったですね。あまり内容が良くないですね。ジャンからカマそうかなとは思っていたんですけど、土生君がフカしていたのでまくりしかないと思って切り替えました。詰まってきたのでいけるかなと思ったんですけど、キツかった。持ち味の逃げが決まっていないので、明日(27日)はタイミングを見て行けるところで仕掛けたいです」
 4コーナーから車を外に持ち出した松岡貴久が桐山の仕掛けに乗って踏み込む白戸淳太郎に伸び勝ち、同県の上田に続いて2着をキープ。
 「ワンツーが決まって良かったです。(上田が)もがける距離が一番長かったし乗り越えるんだと思って付いていました。だいぶ外を回されましたけど、練習でもあの辺を踏んでいるし問題はないかなと。抜けていないのでまだまだですけど、落車前より上げていきたいですね」

8R

選手の写真です。
高原仁志選手
 近藤隆司が赤板過ぎに押さえた上を青柳靖起が切る。青柳が流して様子を窺っていると、打鐘から外を踏み込んだ片岡迪之がその上を叩いて先行態勢。6番手の位置となった近藤が打鐘過ぎ4コーナーから巻き返しを狙ったが、外に車を外した青柳の動きを見て踏み込むのをやめてしまう。後方の稲毛健太は誘われるままに内へと潜り込み苦しい展開に。軽快に逃げる片岡をリードした高原仁志(写真)が内、外を気にしながら援護して直線で鋭く追い込んだ。
 「細切れ戦だったので周りもどう動いてくるのか分からなかった。出たところ勝負でしたね。でもまさか先行までは考えていなかったのでビックリですね。ホームで青柳君が仕掛けてきたのか、浮いたのかわからなかったですね。3コーナーで一本棒になっているのがわかったんですけど、直線が長いのでいつ来るかって感じで不安はありましたけど。連戦でちょっと重いというかダルさがあるけど日に日に良くなっていってくれれば」
 打鐘から絶妙ペースで駆けて2着に粘り込んだ片岡迪之は確かな手応えをつかんだ様子。
 「取れた位置から仕掛けようと思っていました。いい内容だったと思います。今日(26日)はもうアップから昨日とは全然違って久々に手応えがありました。力を出し切れれば何とかなると思っていました。そこだけですね、出し惜しみしないように。明日もしっかり今日くらいになるように準備したい」

9R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 吉田篤史が残り2周から勢いよく駆けだす。正攻法に構えていた佐藤幸治が近畿勢を送り出して3番手の位置に収まると、山岸佳太が立ち遅れまいと5番手に追い上げて打鐘を迎える。後方に置かれてしまった原田研太朗(写真)であったがどっぷりと構えることなく打鐘過ぎ2センターから力ずくでロングスパート。合わせて踏みだす山岸にも怯むことなく外を踏み切り堂々と押し切った。
 「今日は長い距離を行きたいなと思っていたし、早めに巻き返せて良かった。山岸さんが僕の所でフタしてきたのですんなり下げて行けるところでと思っていた。もうちょっと早く行けたんですけど山岸さんの動きを見て少し遅くなりました。(三宅)達也さんは差し脚ある人だし、押し切れたのは良かったです。競輪祭はテレビで見て経験できなかった悔しさがあるし、練習から気持ちを入れて頑張っています」
 中四国勢に出切られると、その後位に切り替えてきた山岸を最終4コーナーでひと振りして鋭く追い込んだ三宅達也であったが8の1車輪差で2着。
 「研太朗が強かったですね。出切ってこれはいくなという感じだったし、あとは後ろを見て警戒して。自分も付いてて余裕はあって、最後も抜いたと思ったんですけどね。今回はシューズのサンとセッティングを変えて、前回は離れたけど今日(26日)は付いていけたし悪くないです」

10R

選手の写真です。
晝田宗一郎選手
 橋本瑠偉が赤板過ぎに押さえた後に晝田宗一郎が切ってペースダウン。染谷幸喜が打鐘手前で内へ切り込むと、外に浮かさる形となった橋本が再び踏み込み先行態勢に入る。谷口遼平は後方でどっぷりと構えたまま動けず、残り1周でラインごとに車間が空いたタテ長の隊形で一本棒に。最終バック付近から踏み込んだ晝田宗一郎(写真)が小林弘和のけん制を交わしてそのままゴール線を駆け抜けた。
 「作戦はなかったですね。取れた位置から体が動くままに野生の勘で。押さえて駆けても2車だったので、厳しいかなって。前のレースも残っていなかったので。来なければ腹を括って駆けましたけど。染谷さんは内をしゃくってましたし、橋本さんが来たのでいい展開になりました。谷口さんもついてきていなかったので。吸い込まれる感じで行けましたし4着には入れると思った。120%出し切りました」
 好位からまくった晝田を追走した堤洋は絶好展開かに思われたが、4分の3車輪届かず2着で入線。
 「晝田君が強かったですね。普段、先行しているからまくりに回ると強いね。千切れそうでやばかったです。抜きたかったけどもういっぱいでした。けど晝田君が巧かったね。晝田君のおかげです。セッティングをいじるかちょっと考えます」

11R

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坂本貴史選手
 後方8番手の位置から押さえて出た南潤が打鐘で松川高大の上昇を阻みペースアップ。中団外まで追い上げてきた薦田将伍の仕掛けにも合わせようともがき合い覚悟で主導権取りに出たが、正攻法から引いて態勢を整えていた嵯峨昇喜郎が最終ホーム手前からロングスパート。番手を回っていた同県の坂本貴史(写真)が後ろの状況を確認しながら余裕を持って抜け出して青森ワンツー。
 「(嵯峨が)いいタイミングで仕掛けてくれた。踏んだ瞬間に大丈夫かなという感じで付いてました。青森記念でも連係していたし、嵯峨君がいいレースをしてくれました。昨日(25日)の方がバンクコンディションが良くて楽だったんですけど、今日もしっかり付いていけているので悪くないと思う」
 長い距離を踏み切った嵯峨昇喜郎はバンクの重さと寒さに苦しみながらも2着で準決への切符を手にした。
 「初手の並びが思ったのと違ったんですけど、結果オーライですね。薦田さんがいくかいかないか分からなくて見てからですけど、タイミングは良かった。踏み出しは良かったんですけど出てからが重くて最後の方はタレてきていましたけど、貴史さんのおかげで粘れました」

12R

選手の写真です。
荒井崇博選手
 正攻法に構えていた今岡徹二が後ろ攻めから上昇してきた伊藤裕貴を突っ張ると、外を回して付け直した友定祐己の上を荻原尚人が叩いて先頭に立つ。そこへ反応良く車を外に持ち出していた松岡辰泰がダッシュ良く巻き返して主導権取り。3番手を回っていた坂本晃輝は離れてしまい最終ホーム手前で伊藤。友定と接触して3名が落車するアクシデント。余裕を持って松岡をリードしていた地元の荒井崇博(写真)が車間を空けながら荻原以下を何度も見やってけん制しつつ抜け出して白星を奪取。
 「スタートで前を取りそびれた。ひと脚で決まるなら前よね。その後ろだとひと脚ではちょっと長いよね。ラインで決めたかったけどしょうがない。(松岡は)ちゃんと踏めていたし、後ろからくる気配もなかったから。ワンツー決まってよかった。(落車で3名落車したことは)なんとなくわかった。あとは(決勝まで)どれだけもつかよね」
 二日連続となる積極策で機動力をアピールしている松岡辰泰が2着に踏みとどまり九州で決着。
 「本当は前が良かったですけどね。一発狙ってカマシの方が得意なので。でも前中団になったときも考えていました。ちょっともつれてワンテンポ遅れましたけど、そのあとは流れで仕掛けられました。ずっと8割くらいで踏んでいってって感じでした。ホームが追いでバックがむかいなので、バックで耐えられればホームでもう一回、追ってくれるので。脚は悪くないですね」

10R

選手の写真です。
松岡辰泰選手
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五十嵐力選手
 晝田宗一郎が後ろ攻めから押さえて出たが、山岸佳太が打鐘手前で叩いて先頭に。正攻法の構えからさっと引いて態勢を整えた小原佑太が青柳靖起に合わせて一気に踏み込む。松岡辰泰(写真)は外に浮かされる形となった青柳を冷静に迎え入れて残り1周。最終バックから青柳が、再び反撃に出たが車の進みはイマイチ。冷静に車間を空けて前の動きを見極めていた松岡が、最終2センターから外を踏み込み直線で突き抜けて初のGIIIファイナルへと進んだ。
 「準決に乗ってもここまでは999(ずべて9着のスリーナイン)だったので、まさか1着が取れると思っていなかったです。(松岡)貴久さんが後ろにいたのでちょっと迷いましたけど、まだ早かったので(青柳を)迎え入れました。誰も来ていませんでしたし。自分は脚を使っていなかったですけど、青柳君はキツいかなって見ながら、すくうか外をいくかって考えながら最後は踏みました。まくり追い込みは得意なので。初日、2日目と長い距離を行っていたので今日(3日目)はショートで楽でした」
 小原を巧みにリードしていた五十嵐力(写真)は、絶好の展開に思われたが直線で伸び負けて4分の3車輪差で2着。18年の佐世保記念以来のGIII決勝にたどり着いた。
 「小原君とは初めてでしたけど、新人であんなにトリッキーな動きができるってなかなかないですよね。どのくらい強いのかもわからなくて、怖くて車間も空けられなかったです。道中でまくりも来なかったですし、青柳君もちょっと後ろで止まったので脚はたまっていました。(ラインで)決まったかなって思ったんですけど、スピードが違いましたね」
 松岡を追走していた松岡貴久は、直線を踏み込み3着で決勝進出。近況の悪い流れをようやく断ち切ることができた。
 「中団から流れでって感じで、若い2人に任せていました。ちょっと青柳君も経験不足というか甘いところがありましたね。でも、一歩、一歩経験を積んでいってもらえれば、ポテンシャルはあるので。(最終ホームで)タツ(松岡辰)は入れるだろうなって感じでしたし、後ろだけ確認してました。2着にいきたかったですけど。現状はこんなもんですかね」

11R

選手の写真です。
原田研太朗選手
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内藤宣彦選手
 後ろ攻めから押さえた染谷幸喜は原田研太朗(写真)を打鐘手前で突っ張り、嵯峨昇喜郎が率いる北日本勢を受ける。平尾一晃が最終ホーム手前から力ずくの巻き返しに出ると、松川高大が離れてしまい嵯峨が番手に収まる展開に。態勢を立て直してホームで中団まで追い上げていた原田研太朗が、最終2コーナーから踏み込むと一気に加速。平尾の番手から抜け出す嵯峨の上を乗り越えて、ゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「高原(仁志)さんのおかげですね。入れてもらったので落ち着いて仕掛けました。嵯峨君がハコに入っていたので、コーナーに入る前にいければと思っていた。何よりも(高原と)ワンツーがうれしいですね。最近はなかなか準決でラインで決められていなかった。今回は普段お世話になっている高原さんや堤(洋)さんと一緒の開催で気持ちも入っている。しっかりダウンして決勝に臨みます」
 打鐘手前で外に浮いてしまった原田を冷静に迎え入れてしっかりと追走した高原仁志が懸命に食らいつき2着に入線。
 「しんどかったですね。いろいろ動きがありましたけど、結果的に(原田)研太朗のレースになってくれましたね。初日に失敗していたので、乗り越えた時はホッとしました。日に日に良くなっている感じだし、決勝まで疲れを抜いていきます」
 連日、動きの良かった嵯峨を的確にリードして、ベテランの内藤宣彦(写真)がしぶとく3着に食い込んだ。
 「原田君が後ろにいたので、(嵯峨が)切るのかどう動いてくるかわからなくて。踏んだ時に口が空いてしまってキツかったですね。3着に入れましたけどメンバー的に助かりました」

12R

選手の写真です。
荒井崇博選手
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上田尭弥選手
 正攻法に構えていた福永大智が、後ろ攻めから上昇してきた片岡迪之の動きを見ながら残り2周手前から誘導との車間を空けはじめる。打鐘手前で坂本貴史が片岡を叩いて先頭に出ると、上田尭弥が後方から力ずくのカマシを敢行。内から合わせて踏み込んだ福永は坂本と3番手の位置で外併走に。上田が最終1センターで外に上がると坂本が荒井崇博(写真)をすくって番手を奪取。地元の荒井は決勝進出へピンチに思われたが、4コーナーから車を外に持ち出した坂本を半ば強引にどかして直線で突き抜けた。
 「危なかったね、(最終)4コーナー。転ばしそうになってしまった。でも良かった。今日(3日目)はもう全部、上田に任せていたので。(上田には)1センターは上がらにずにまっすぐ走って欲しかったけどね。まっすぐ走ってくれていたら、俺がやってあげられたから。俺が降りないと上田がすくわれちゃうって思って降りたらちょっと遅れてしまったね。もう上田は最後まで粘るだろうし、あとは俺がどうするかってだけでしたね。上田のおかげだね。福永君も踏み合ってまで先行って感じじゃなかったし、上田は(福永が)切ったあとを叩いても良かったね。まあでももっとしっかり付いていかないといけなかった」 
 今シリーズは連日、まくりに回っていた上田尭弥(写真)だったが、正念場の準決は持ち味の先行力を誇示して2着で決勝進出を決めた。 
 「前中団を取れれば自分の展開に持っていけると思ったので。自分のタイミングで行けました。あとは福永君がカマしてくるかだけ警戒して駆けました。波をつくった時に後ろがゴチャついてしまって申し訳なかったですね。自分は2コーナーで上がりたいタイプなので、クセで上がってしまいました。でも今日(3日目)は本来の先行ができたので良かったです。今日が一番緊張しましたし、疲れはあるけどあと1日頑張りたい」
 判断良く前々に攻めた坂本貴史は、わずかに残っていた力を振り絞り気力で3着に入線。
 「車番が悪かったし、取れた位置から組み立てようと考えていました。福永君が前だったので、上田君が切って出させる流れになるのは嫌だなって。でも寬仁親王牌で(佐藤)友和さんにもらったアドバイスが生きました。本当は福永君のところで遅れちゃダメですけどね。いっぱい、いっぱいでしたけど1車でも前へと思って踏みました。(上田の)番手から出る脚はなくて、最後も荒井さんにいいのをもらって腰砕けになったしまったく踏めなかったけど、気持ちでなんとか3着に入れました」