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84#

検車場レポート

  • 4/3 Wed.  (前検日)
  • 4/4 Thu.  (1日目)
  • 4/5 Fri.  (2日目)
  • 4/6 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
瀬戸栄作選手

 落車による怪我の影響で初のS級を2月末からスタートした瀬戸栄作(写真)は、前回の佐世保FIを129着で決勝を経験した。


 「まだ(S級)2場所ですからね。オープニングだし出し惜しみせずに力を出し切りたい。(1R1番車で)期待もされているだろうし、一次予選を突破できるように。練習はしっかりできているけど、玉野記念の初日でも(S級)初勝利だと思ったら差された。やっぱりS級は違うなって思いました」


 松坂洋平は、7794着だった前回のウィナーズカップから中9日でコンディションを整えてきた。


 「ウィナーズカップまで配分が詰まってた。だから、(ここまで)逆にゆっくりできたんで良かった。連戦だったんでその疲れが出てたんで。(瀬戸を)警戒して自力でやります」


 

2R

選手の写真です。
金ヶ江勇気選手

 今期初のS級で奮闘している金ヶ江勇気(写真)は、初の地元記念に気持ちを込める。


 「ここまでめちゃくちゃ(日にちが)ありました。練習をしっかりやったし、あとはレース勘ですね。準決まで(勝ち上がって)いきたいです。気合も入ってるし、武者震いしてますよ」


 前回の松阪FIを172着の高橋陽介は、その後体調を崩して状態面が気がかりだ。


 「3日間くらい休みました。そのあとに軽めに練習をしました。(休んで)疲れは取れたと思うし、いつも通りだと思う。悪くないですよ」


 

3R

 佐藤友和は、前回のウィナーズカップで1年ぶりのビッグ勝ち星を挙げた。が、その後は玉野FIを欠場を余儀なくされた。


 「ウィナーズカップの最終日にギックリ腰になって、それで欠場した。(ウィナーズカップの)4日間は、先行、まくりだったり人の後ろもあった。自分の足りない部分もわかった。(以前は)単調なレースで勝てたけど、いまはそれじゃ勝てない。(仕掛ける)タイミングを逃さずですね」


 中野彰人は直近の5場所、FIシリーズですべて優出と成績が安定している。


 「(この成績は)普通に流れに乗ってるだけです。そこから(中2日なので)マッサージも詰めて、前泊をして極力疲れないようにしました」


 

4R

 茨城に冬期移動をしている同期の早坂秀悟とは練習仲間。芦澤大輔が早坂とのタッグに目を細める。


 「(早坂とは)連係もあるし、練習で強いのは知ってますからね。自分も相変わらず体的な問題はないんで、しっかり練習をしてきました。いい感じなんで、しっかり結果を出したい」


 野田源一は、前回の小倉FIを974着。そこから中20日とゆとりのローテで変わり身があるのか。


 「前回は小倉でドームだったんで、前が掛かっちゃってダメでした。攻め方が良くなかった。記念は(松阪、玉野と)決勝に続けて乗ってるし、練習も順調にできました」


 

5R

選手の写真です。
吉本卓仁選手

 田中晴基は小倉GIIIから中2日と過密スケジュール。


 「(中2日)なにもせず、子どものプラレールを手伝ってリフレッシュしてました(笑)。小倉が良かったんで、余計なことをしないでっていう感じでした」


 吉本卓仁(写真)は、前回の高知FIを959着も状態は悪くなさそうだ。


 「ここに来る前に(練習で)タイムも出てたし、どんどん良くなってます。あとは競走との兼ね合い。ズレがあるんで…。高知も調子が良かったんですけど、映像とのズレがすごいあった」


 

6R

 坂本貴史は、前回のウィナーズカップでまずまずの動きを披露。1勝2着1回と車券にも貢献した。


 「(ウィナーズカップは)初日に失格(で繰り上がり)もあったけど、1着だったし良かった。ただ、3日目はちょっと作戦的にピリッとしなかったところもあったけど、最終日は対応できました。前回が終わってからは、地元に帰って練習をした。(冬期移動先より)地元の方が家もあるし、落ち着く感じももある。前回も楽しみだったけど、今回はもっと楽しみです」


 森山智徳は、前回の伊東FIを153着。初日はまくりで白星を飾った。


 「僕は気持ちの部分が大きいところもある。(前回は)いい感じで1着が取れた。徐々に良くなってきてます」


 

7R

 山田庸平は、FIを連続優勝と勢いに乗って地元記念を迎える。


 「ちょっと腰が悪かったんですけど、(成績も出て)結果としていい方向には出ている。ケアを中心に自分の感じを落さないでやってきました」


 小川祐司は長期欠場から松山記念、前回の向日町FIを219着と2場所を消化した。


 「休んでいる時期に結構、練習ができました。手応えがあるわけじゃなですけど、地元で若手とも練習をやって、それに遅れないようにと思ってます」


 

8R

 野原雅也は直近のFIの初日特選を2場所連続で1着。初日の一次予選に期待が膨らむ。


 「(前回から)日にちがあったんで、自転車だったり、練習だったりをいろいろ試してやってました。久々にまとまった練習ができたと思います。(二次予選は)Aの方が絶対に有利なんで、Aに上がれるように頑張ります」


 中2週間以上空いた石川雅望は、初日の一次予選に集中する。


 「最低でも二次予選の権利をと思ってます。初日が武雄記念のすべてと思って走ります。2、3月は競走が忙しくて、なかなか練習ができなかった。ここまでは空いたんで、準備はできました。最近は落車もないし、レース中に余裕がある割合が増えた」


 

9R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 防府FIを462着、続く前回の福井FIを957着。小川真太郎(写真)が精彩を欠いている。


 「(新車を)2場所使ったけど、ダメなんでやめました。なんかスカスカする感じがありました。それで前のヤツに戻した。体は全然大丈夫なんで、いつも通りいけると思います」


 前回のウィナーズカップを3855着の天田裕輝は、いつと変わらず淡々としたもの。


 「(ウィナーズカップは)もう少しっていうところもあったけど、やれることはやったかなって思います。もっと良くしていければいいですね」


 

10R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 人気は必至の近藤隆司(写真)は、メンバーを見渡し積極的な仕掛けをアピールする。


 「直前に熱が出たけど、前の日のウエートトレーニングではちゃんとやれた。自転車に乗れてないんで練習不足ではあるけど、ウエートトレーニングではいつもと変わらない重量でできた。(一次予選の別線の機動型は)みんな積極的なんで、相手を見過ぎないように。自分が積極的に仕掛けるつもりでいきます」


 相川永伍は前回の地元大宮でのFIを362着と無難にまとめた。


 「一時期よりは良くなってますね。ずっと調子が悪いところもあったんで。先行の練習もしてるし、やっぱりタテの脚がないと。(前々回の)玉野から平原(康多)さんのフレームを使っている。ようやくなじんできた」


 

11R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 山崎賢人(写真)は、前回のウィナーズカップで決勝に進出。ようやく躍動感のある走りとスピードが戻ってきた。


 「違反訓練があったんで、その時は午後だけ自転車に乗れました。でも、大丈夫です。段々良くなってきてるし、あとは気持ちを内に秘めてやります。(昨年の武雄記念で荒井と連係した時は)うまくいかなかったんで、今度はしっかり決まるように」


 14年の優勝以来、4度目の地元記念Vを目論む荒井崇博だが、気負う様子もなくリラックスムード。


 「地元で気合は入るけどね。いまは前次第っていうところもあるんで、そんなにここに向けてとかはやってない。(山崎)賢人はアマチュアのころから、一緒に練習はしている。自分も(前回の)高知では動きも悪くなかった」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 山田英明(写真)は、昨年、悲願の地元記念初制覇。連覇がかかる今シリーズは、単騎戦の初日特選でスタートを切る。


 「(競輪)学校に違反訓練に行ってたんで、体的にはゆっくりできている。(違反訓練から)戻ってから中3日なんで、なるべくここに合わせてと思ってやってきました。地元はいっぱい走らせてもらっているし、少しは余裕が出てきました。走るからにはしっかり、決勝、優勝とできるように。全力で4日間を走ります」


 S級S班の近畿コンビはともに前回のウィナーズカップが落車による怪我明け。3連覇がかかるダービーに向けて三谷竜生はどうか。


 「練習はしてきたし、徐々に上げていければ。日に日に良くなってはきています。(落車で怪我をした)肩の具合も良くなってるし、あとはひとつ、ひとつですね」


 村上義弘はウィナーズカップを5445着。完調とは言えないが、全力投球を約束する。


 「できることはしっかりやってますけど、骨折してから無理をしすぎたのか、感じが良くない。いい時と比べる段階ではない。ただ、練習はずっと続けているので、体力的なものではない。痛みでかばったりして、フォームだったりペダリングが乱れている。(現状)100パーセントになるのは厳しくても、自分のなかで100パーセントに仕上げます。新元号も発表されたし、自分も心機一転ですね」


 

1R

選手の写真です。
勝瀬卓也選手

 赤板2コーナーで切った小酒大勇の上を、松坂洋平が出て南関ラインが主導権を握る。7番手に置かれた瀬戸栄作は、最終1コーナーからまくり上げる。が、阿部力也にけん制されて失速。逃げる松坂の番手で絶好の勝瀬卓也(写真)が、追い込んで1着。


 「(松坂)洋平はいつもより掛かってないのかもしれない。ジャンのところであおりもあったし、それで脚にきたのかも。イメージだともっと掛かっていいんですけどね。僕はなにもせず。4番(小酒)のまくりも来なかったんで、あとは(ラインで)ワンツースリーと」


 「年寄りにはキツいですね」とは、積極策でラインを上位独占に導いて、苦笑いで振り返る松坂洋平


 「あれで1番(瀬戸)のカマシだけはって思ってました。(換えたフレームは)硬いのか、まだセッティングを模索中です。今シリーズ中に(セッティングを)見つめ直していきます」


 

2R

 一度は川口公太朗に上昇を阻まれた高橋陽介だったが、中団外併走から最終ホーム過ぎに川口を叩く。これで番手絶好になった竹内智彦は巻き返して来た金ヶ江勇気を張りながら直線で抜け出した。


 「展開が向きましたね。でも、今回は急な追加で前回までのフレームじゃなくて、急きょ持ってきたフレームなので感覚が微妙に違った。思った以上に車間が空いてしまって、焦って抜きにいったら抜きすぎてしまった感じですね。昔から競走間隔が詰まっている方が好きなので、中2日でも気にならない。セッティングを微調整すれば、2日目はもう少し良くなると思う」


 2着で二次予選Aに勝ち上がった金ヶ江勇気だが、レース後は組み立てを反省しきり。


 「打鐘で切り合いになると思ったから油断してしまった。もう少し自分に脚があればラインで決められたと思うけど…。組み立てが全然ダメですね。状態うんぬんよりも、しっかりレースをしないと」


 

3R

 打鐘過ぎに先頭に立った藤井栄二が、そのまま先行策。4番手を確保した片岡迪之は仕掛けられず、6番手からまくった佐藤友和も中団まで。番手の中野彰人が、藤田昌宏の中割りを押さえ込んで勝機をモノにした。


 「(藤井は)勝手に残ってくれました。(片岡が)1回行きかけたのもわかってました」


 小川賢人が後方に置かれて、最終バックでは9番手の中村良二が3コーナーから内を進出。直線で空いたコースを伸びて2着に入った。


 「感じはいいですね。前回の3日間もゴールしたあとに苦しくなかったし、今回もキツくなかった。(最後は)気持ち良く空いてくれました」


 逃げて3着に踏ん張った藤井栄二は、内容のある走りも首をかしげる。


 「全然、踏めてなかった。ジャンの追い風である程度(スピードが)乗ってくれたけど、2センターから流れなくて重かった。(最終)2コーナーからは踏み上げていく力が残ってなかった」


 

4R

選手の写真です。
芦澤大輔選手

 打鐘過ぎに先頭に立った早坂秀悟は最終ホームからピッチを上げると2コーナーまくりの野田源一も届かず。芦澤大輔(写真)が番手有利に抜け出した。


 「前のおかげ。駆けてくれたのでなにがなんでも仕事をと思っていた。(早坂は)練習みたいな感じで駆けてくれた。前々回の前橋からセッティングを良かったころのものに戻して、前回も着は良くなかったけど、感触自体はすごく良かった。1着はいい薬になります」


 渡辺十夢は松尾信太郎を飛ばして野田のまくりに切り替えると、大外を鋭く伸びて2着に。


 「伊原克彦という男が3番手で併走するとはびっくり。やればできるんだなと思った。野田さんより先に動く余裕はあったけど、見てしまった。伸びているし調子はいいですね」


 

5R

 佐々木翔一が打鐘から主導権。今野大輔の巻き返しに合わせて田中晴基が最終1コーナーから仕掛けると、吉本卓仁は番手まくりで佐々木の頑張りに応えた。


 「あれだけ頑張ってくれたし、無駄にはできないと思って踏みました。田中君の動きは見えなかったけど、今野君が踏んだのが見えたので。前回の高知は着ほど悪くなかったし、練習のタイムは怪我する前より上がっている。番手でしたけど、この1着がキッカケになれば」


 合わされた田中晴基だが、口が空いた松本大地に代わって吉本の番手に入ると2着に続いた。。


 「今野君が来たのが見えて、吉本さんが番手から出る前に乗り越えたかったけど車が出なくて。ヤバいと思ったら松本さんがいなくなっていて、気づいたら番手に入っていました(笑)。やっぱり疲れが残っているのかな…。重かったです」


 

6R

選手の写真です。
中村一将選手

 周回中、中団にポジションを取った中村一将が、打鐘手前でじわりと押さえて出てペースを握る。坂本貴史を7番手に置く一本棒の展開にした中村が、ペースを上げて逃げて最終ホームを通過。合わせてまくった森山智徳をブロックした前田拓也が、直線できっちり追い込んだ。


 「スタートで中団を取れたんでやりやすかった。あとは展開ですね。中村君が頑張ってくれたし、自分の脚は軽かった」


 坂本は不発も、コースを縫った内藤宣彦が伸びて2着。逃げた中村一将(写真)は、3着で二次予選に進んだ。


 「このメンバーだと誰が駆けてもああなったんじゃないかと。自分たちの位置が良かった。(周回中に)中団に入れたんでね。いいペースで駆けられたのもあるけど、ここに来る前にひらめいたことがあった。それで自転車も換えて、手を加えた。それが初日の展開にすべてかみ合ってくれた」


 

7R

 小川祐司の後ろで山田庸平がイン粘り。最終ホーム手前まで誘導を使ってペースに持ち込んだ小川がモツれをしり目に押し切った。


 「切りにいったときに(山田が)一瞬、車を下げたのでヨシと思ったらそのまま粘られた。それなら誘導は切るべきでしたね。後ろに悪いことをしたし、全然、距離も踏んでいない。二次予選ではしっかりと長い距離を駆けたい」


 山田庸平は山形一気との番手争いを制して2着に。


 「2分戦で小川さんが強いし、力勝負は自信がなかった。取り切ってからも全然、詰め寄れませんでしたね。勝ち上がれて良かったです」


 

8R

選手の写真です。
野原雅也選手

 中四国コンビを受けた野原雅也が、最終ホームで3番手を確保。最終2コーナーからまくって逃げる才迫開をとらえると、追走した志智俊夫が野原を差し切った。


 「(最終)ホーム前に内が気になって締め込んだけど、ちょっと危なかったですね。(野原に)付け切ってからは余裕というか、野原君がキレのいいまくりを打ってくれたのでうまいことスピードをもらって差せましたね。風が出てきたから受けないように、小さく丸くなって付いていきました」


 好位キープからのまくりで野原雅也(写真)が、ラインの志智とワンツー。


 「とりあえずいったん、先行態勢に入ってしまえば叩かれても3番手は取れると思った。内が併走になっている時に来たので(才迫を)出させました。でも、ずっと重かったですね。(最終)2コーナーで仕掛けたけど、まくりに行くのをためらうくらいに重かった」


 

9R

選手の写真です。
天田裕輝選手

 小川真太郎が打鐘の3コーナーで主導権を奪って駆けると、西村光太が3番手に飛び付いて石丸寛之と併走。8番手の天田裕輝(写真)は、最終2コーナー手前からまくりを打つ。泉文人も合わせるが、天田が乗り越えて前団も仕留めた。


 「(池田)良は余裕がある感じだったんで、遠めを走りました。(8番手になって)危なかったですね。風があったんで(先行している)小川君もキツかったと思う。自分も感じは良かったんで、イケるかなっていうのがあった。良かったです」


 「前の2場所がなかったことにするくらい頑張ります。(フレームを戻して)まだこっちの方がいいですね」とは、逃げて2着の小川真太郎


 小川マークの池田良は、中村淳をさばいて3着に入った。


 「あそこ(天田を止めるの)は自分もリスクがあるし、申し訳ないけど番手だなって。(前回の2日目から自転車を)戻したけど、その前に新車を乗ったことによってセッティングでわかったことがある。それで(セッティングを変えた)今回の方が良さそうですね」


 

10R

 人気の近藤隆司に谷口遼平が赤板で併せ込む。打鐘で誘導を交わした相川永伍が駆ける。近藤に踏み勝って3番手を取った谷口が、まくりで勝ち切った。


 「外併走からまくる作戦が、その通りにいきました。車の出も悪くないですね。笠松(信幸)さんは5着になったけど、(ラインの)3人で勝ち上がれたので良かったです」


 谷口の踏み出しに笠松信幸が徐々に遅れて、中部ライン3番手の笹倉慎也が追い込んで2着。


 「笠松さんが離れたのを見て、後ろに伏見(俊昭)さんもいたので、踏むしかなくなった。落ち着いて走れたけど、谷口君の仕掛けは強烈だった」


 

11R

選手の写真です。
荒井崇博選手

 先行態勢を取った大谷靖茂が、打鐘の3コーナーからペースを上げる。7番手に置かれた山崎賢人だったが、最終1コーナーからまくると合わせて出た巴直也ものみ込んで前団をとらえる。山崎に続いた荒井崇博が(写真)、半車輪交わした。


 「(山崎は)誘導は残してもいいけど、引くならもっとサッと引かないとね。でも、それよりちょっと(山崎)賢人は出が良くなかったね。モコモコしてた。初日だからなのか俺に抜かれたくなくて、溜めたのがわからんけどね。まぁでも抜くよね(笑)。緊張はしたけど」


 さすがのスピードでまくった山崎賢人が、力の違いを見せて人気の決着。


 「焦りはなかったですね。でも、誘導を残してしまったのは失敗。細かい部分ですかね。前回からフレームを新しくして感じもいいし、荒井さんには抜かれたけど悪くはないと思います」


 

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 三谷竜生を押さえた平原康多が、打鐘で先行態勢を取る。4番手に入った三谷が叩きに出ると、平原もペース上げて合わせる。単騎の山田英明は両者の踏み合いを見極めて、最終2コーナーからまくる。平原の逃げをとらえた山田を松浦悠士(写真)が追い込んだ。


 「(最終)ホームで(仕掛けて)行きたかったけど、山田さんが(自分を)見たんで。それで(山田の)動きを見てしまったのが反省。瞬時に判断はできた。でも、山田さんマークみたいな形でレースをしてない。このメンバーで勝ちにいって、1着を取れたのはいいと思うけど」


 真後ろに松浦、後方に浅井康太を置いて、先に仕掛けた山田英明がまくりで2着。


 「単騎だったし、松浦君も引いてくれた。それで行くだけいってみようと。あとは上位で自分の脚がどれだけ通用するか。モガき合ってたし仕掛けどころでしたからね」


 最終バック9番手の浅井康太は、松浦の外を踏んで鋭く伸びた。


 「2着までは欲しかったけど、外踏んであそこまでいけたし伸びてるんじゃないですか。その前にバックを踏んでたし、ラインができてれば(最終)ホームで仕掛けてたと思います。この一走、このひと開催が(年末の)グランプリにつながるので、現状でできることをやるだけです」


 

6R

選手の写真です。
紺野哲也選手

 才迫開に併せ込んだ早坂秀悟が、外併走から赤板の2コーナーで踏んで主導権を握る。才迫に反撃の隙を与えないペースで早坂が駆ける。中団からまくった中村一将を阻んだ紺野哲也(写真)が、早坂の番手から追い込んだ。


 「自分は大恵まれですよ、(早坂は)残るかなって思ったんですけどね。前受けしてのカマシじゃなくて良かった。押さえて先行してくれたんで。(最終)バック線くらいでも(早坂)秀悟が踏み上がっているし、自分は仕事をしたっていう感じじゃない」


 後方に置かれた才迫開は、最終3コーナー過ぎからのまくり追い込み。外を強襲して2着に届いた。


 「早坂さんはダッシュがあるんで、いつでも合わせられそうな感じがあって怖かった。勝手にビビってました。なんとかですけど、(自転車は)流れていると思います」


 

7R

選手の写真です。
松坂洋平選手

 松坂洋平(写真)を叩いて藤井栄二が主導権。中近3車が出切って4番手以降がもつれると、峰重祐之介が内を進出する。前々に攻めて中団をキープした松坂は、最終2センターからの追い込みで突き抜けた。


 「藤井君が早めに来たら、緩んだ(最終)ホーム辺りで仕掛ける作戦だった。自転車はしっくりきているけど、セッティングがまだ少しですね。でも、自転車は出ている。ゴチャついて引けず外も踏めなかったけど、レースは見れていたかな」


 逃げる藤井を利した澤田義和だったが、ゴール前のハンドル投げで松坂に屈した。


 「後ろがごちゃごちゃしてたし、ずっと気配がなかったのに急に気配を感じた。それで慌てて踏んだけど遅かった。調子は変わらずですね。ただ、あの展開なら1着を取りたかった」


 

8R

選手の写真です。
原真司選手

 瀬戸栄作が主導権を握るが、8番手の巴直也が打鐘の3コーナーから反撃に出る。瀬戸も突っ張り、巴と踏み合い。流れが向いた岸澤賢太がまくりで前団をとらえると、原真司(写真)が交わして1着。


 「展開も良かったけど、岸澤君が強かったですね。自分はセッティングを変えて初日から良かった。前回と前々回は、前に離れてしまった。でも、出足よりもあとに伸びる仕様にして良くなりました」


 好展開をモノにした岸澤賢太が、2着で準決進出を遂げた。


 「前が踏み合ってくれたので展開が向きました。(まくりの)出はそこまで良くなかったけど、(最終)2センターを乗り越えれば、4コーナーはなんとかなると」


 

9R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 内藤宣彦が当日欠場で8車立て。早めに上昇を始めて誘導後位に入った野原雅也は、別線を警戒しながら打鐘手前で誘導を交わして先行態勢を取る。山崎賢人が巻き返して野原も全開で踏むが、山崎がスピードの違いで主導権を奪う。野原は番手に飛び付いて隊列が短くなったところを、松浦悠士(写真)が満を持して踏み込む。逃げる山崎を楽にとらえた松浦が、3着以下をちぎって余裕のゴール。


 「山崎君をまくれているんで状態はいいですね。ただ、(山崎を野原が)カマさせないようにもう1個スピードを上げると思ってた。あとは遅れてきた吉本(卓仁)さんをどうするかでした。あそこはさばいておかないとダメですよね」


 「いまのデキだったら付いていけただけでもね。そこまで(ゴール勝負で松浦を差す)いかないとね」とは、2着に流れ込んだ池田良


 野原の飛び付きを凌いだ山田庸平が、山崎マークを死守。広島コンビには行かれたものの、ゴール前で山崎を交わして3着に入った。


 「自分じゃ絶対に行けないし、(山崎は)強いですね。まずは付いていくことだし、誰かが来たら守り切らないとって思ってました。状態はいつも通りであんまり変わらない」


 

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 前受けの三谷竜生(写真)は赤板で一度田中晴基を突っ張ってから、田中ラインを受けて中団をキープ。7番手の小川真太郎をけん制しながら、田中を駆けさせた三谷が、貫録のまくりで復帰後初勝利を挙げた。


 「あのタイミングであの押さえ方で(田中を)出させると、自分たちが7、8、9番手すんなりになる。だから、1回突っ張って様子を見てと思ってました。初日はタイミングを失敗したけど。2日目はタイミングも取れたし、まくりも進んだ」


 中村浩士に当たられた中野彰人は、三谷に2車身離された2着。


 「アップの段階から気持ちが入りすぎていたのかな。あそこまで突っ張るとは思っていなかった。もう少しきれいに追走したかった。中村さんと目が合って構えてしまって少し遅れた」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 赤板で出た谷口遼平が先行態勢を取って、一度は3番手で粘った平原康多(写真)が抜かりなく中団をキープ。4番手でタイミングを取った平原は、最終2コーナーからのまくりで浅井康太の横を通過。二次予選AでのS班対決を制した。


 「赤板あたりの動きはそうでもなかったけど、谷口君がなかなか駆けなかった。でも、(最終)2コーナーから力勝負ができたし、浅井にも踏み勝てた。(前回から)いろいろと戻して、キレが戻ってきましたね。初日はダメでしたけど、見せる時に見せることも必要だから。初日があったから2日目につながったと思う」


 浅井康太は、最終2センターで芦澤大輔を弾いて追い込んだ。


 「(平原には行かれれたが)後ろはなんとかできた。デキはボチボチって感じで、そこまで良くないですね。でも、最後は平原さんの後輪には迫れたので」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 地元ラインの先頭を務めた金ヶ江勇気は、青板のバックから早めに上昇を始めて先頭に立つ。地元3車に前田拓也まで出切って、切り替えた志智俊夫と天田裕輝が5番手で併走。そのまま打鐘を通過して、金ヶ江は2センターからペースを上げる。番手で車間を空けた山田英明(写真)は、小川祐司のまくりに合わせて最終3コーナー過ぎから番手発進で人気に応えた。


 「(金ヶ江とは)初めての連係で僕の方が緊張した。一緒にも練習をしているし、金ヶ江の気持ちも伝わってきた。意外と冷静に立ち回れたけど、今度はワンツーを決められれば。残せるチャンスがあるんなら、残してあげたいですよね」


 荒井崇博が、危なげなく流れ込んで地元ワンツー。


 「俺は任せてたんでね。でも、ヒデ(山田)はもうワンタイミング早く行っても良かったと思う。(志智)俊夫さんも後ろに追い上げてくれたし、あそこで止まってくれたんで」


 単騎の小川祐司は、最後方から最終バック手前で仕掛ける。山田の番手まくりで前をのみ込めずも、見せ場をつくって3着に入った。


 「道中も(金ヶ江が)踏んでるのか、やめてるのかわからなかった。カマそうとも思ったんですけど、(前回の)向日町(の決勝)でカマして(別線に)使われたんで…。あとは前田さん、志智さんの位置だけは確認していた。(まくりは)たまたまですね」


 

10R

選手の写真です。
荒井崇博選手
選手の写真です。
野田源一選手

 岸澤賢太が腹を固めて先行態勢を取る。松浦悠士は三谷竜生と4番手の取り合いで外併走。打鐘の4コーナーで押し込めるようにして三谷より前に出ると、最終2コーナーからのまくりで前団を仕留めた。荒井崇博(写真)はきっちり松浦に続いて、ゴール寸前で交わした。


 「松浦サマサマですよ。併走の時はよしいいぞって思った。(松浦は)併走からの踏み出しじゃなかったので、三谷君と村上(義弘)さんに来られないように一瞬たりとも空けないように、そこだけは集中した」


 無傷での勝ち上がりは逃した松浦悠士だが、俊敏な立ち回りが光った。


 「赤板でちゃんと切ったつもりだったけど、そういう細かいミスが2日目とかもある。そういうところを直さないと優勝はできない。併走状態で脚が溜まるように練習しているので問題なかった。芦澤(大輔)さんと紺野(哲也)さんが波をあまりつくらずに動いていなかったのは良かった。あれぐらいの波なら溜められる。最後も抜かれないように踏み直したけど荒井さんが強い」


 最後方にいた単騎の野田源一(写真)は、まくりで前の2人を追いかけるも3着まで。


 「三谷君のところを越えれば、3着までには入れると。乗り越えるまで思い切り踏んだ。その後は少し休んで、直線勝負でと。全力で抜きにいったけど、まったく進まず前の2人が強かった。もうひと段階、スピードを上げたいし、ちょっと松浦君頼みのレースになったのは反省ですね」


 

11R

選手の写真です。
中村浩士選手
選手の写真です。
小川祐司選手

 才迫開の主導権。中団のもつれはあったものの平原康多は、後方での立て直しを余儀なくされる。最終ホームからのロングまくりで小川祐司が先頭に立つと、平原はその上をまくりでのみ込んだ。


 「位置取りに失敗してしまって、ヤバかったですね。追い上げようと思ったけど、小川君が内へ切り込んだので、わけがわからなくなりましたね。でも、そのあとは落ち着いてた。いい感じでまくれましたね。やっぱり(自転車とセッティングを)戻して良くなりましたね。自信をもってレースに臨めてます」


 前団のあおりにも対処しながら中村浩士(写真)は、平原に続いて2着に流れ込んだ。


 「平原はすごいですね。先の先を考えているというか、次の手を持っている。その場しのぎのレースじゃないですからね。自分は初動に反応して、ニュートラルにも入れられました」


 最終ホームから思い切って仕掛けた小川祐司(写真)が、3着で決勝のキップをつかんだ。


 「スタートで後ろになるから先行と決めていたけど、前の方が取れてビックリした。想定外の感じになったので、とにかく前々って感じで踏みました」

12R

選手の写真です。
山崎賢人選手
選手の写真です。
小倉竜二選手

 赤板手前で誘導を降ろした松坂洋平が、山崎賢人(写真)を押さえてスローペースに落とす。浅井康太が中団に追い上げて、山崎は引くに引けず打鐘でようやく7番手に下げる。先行態勢の松坂も徐々にペースを上げるが、2センターから山崎が反撃に出る。4番手の浅井を山崎は乗り越えたが、浅井に当たられてバランスを崩した山田英明が落車。浅井も巻き込まれる。最終2コーナーで松坂をとらえた山崎は、ラインを失うもそのまま押し切った。


 「自分がバックを踏んでも、(前が)バックを踏むんで、引くのが遅れた。(落車があって)結果はあんまり喜べないけど、自分の感じは悪くはなかった。良くなっているかと思います。(最終日の決勝が)最後なんで気持ち良く終われるように、しっかり走ります」


 山崎にまくられた松坂洋平だったが、後続を出させずに踏ん張って2着で決勝に進んだ。


 「(山崎に)出られちゃったんですけど、目標になったんで最後まで踏めました。(今シリーズから換えた自転車は)いろいろいじって、いい方向にいっていると思う。結果良かったです」


 間一髪のところで落車を避けた小倉竜二(写真)は、松坂ラインの3番手の石毛克幸との併走から勝瀬卓也の内にもぐり込む。最終3コーナー過ぎに勝瀬をさばいて3着に入った。


 「脚の方はあんまり良くないけどラッキーしました。石毛君のところで外併走だったんで、あれしかなかった。松坂君も伸びてたんで、(外は)まくりにいけないと思って、あとは空いているところにねじ込むしかなかった。良かったです」


 


 


≪最終日6R「S級ブロックセブン」≫


 前回のウィナーズカップ9638着では、「動いただけみたいになっちゃった…」との、高橋和也。中12日と間隔が空いて、変わり身があるのか。


 「だいぶ日にちがあったんで、練習はやれたかなっていうのがあります。後ろが(競りになって)どうかなっていうのがあるけど、競走得点も高いしそれも魅力ですね」


 高橋後位は村田雅一と武田憲祐で取り合い。中島将尊にも十分にチャンスが巡ってきそうだ。


 「トップスピードとダッシュが課題ですね。脚力が足りないから底上げをしなきゃ。競走得点を上げて、(S級)1班を取りたい。まだこの成績には満足はしてません」


 このメンバーで競走得点トップの村田雅一だが、武田との競りで厳しい戦いを強いられそうだ。


 「前回(小倉FIを191着)は状態も良かったけど、準決は悔しい思いをした。その前のウィナーズカップは悪くなかったんですけど重かった。だから、小倉の方が良かったです。(競りなんで)気合を入れて」