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たちかわ競輪

TACHIKAWA KEIRIN

28#

検車場レポート

  • 1/3 Mon.  (前検日)
  • 1/4 Tue.  (1日目)
  • 1/5 Wed.  (2日目)
  • 1/6 Thu.  (3日目)

1R

 50歳でS級1班をキープしている内藤宣彦が、阿部拓真とのタッグで22年のスタートを切る。
 「(年末年始も)休まずに、いつも通り(冬期移動先の千葉で)やってきました。前回は腰痛で欠場したんですけど、コンディション的にはもう大丈夫です。(初日に連係する阿部は)前々に行ってくれるんで、頑張ってもらいます」
 前回の豊橋FIを123着。近況をソツなくまとめている小岩大介は、20日近く空いたゆとりのローテーション。
 「(前回から中19日で)普段と変わらない感じで、体調も崩さずにやってきました。(初日に連係する林慶次郎とは)何回もあるんで、きっちりと付いていくことに集中したい」

2R

選手の写真です。
隅田洋介選手
 前回の静岡グランプリシリーズ112着でも動きの良さが目を引いた隅田洋介(写真)は、ここでも期待が膨らむ。
 「(前回の静岡の前に)ピストシックスで大ギアを踏んでいたんで、(静岡が)軽いなっていうのはありました。そこからは少し乗って、休息も入れてっていう感じでした。(3場所前の立川は315着は)全部内に行ったんで、今回はしっかりと自力を出せるように」
 昨年11月の防府記念で落車に見舞われた柿澤大貴は、復帰場所となった立川FIを632着。その後は西武園FIを141着、続く前回の伊東記念を6145着と勝ちを挙げた。
 「(今回はピストシックスで)いつもと違う刺激が入ったんで、いい感じですね。そのあとは雪もあって、バンクが乗れなかった。室内練習をメインに、たまに街道で乗りました。自分の調子は保てているかなと」

3R

 前回の奈良FIの決勝では、目標が不発も自力に転じてまくりで優勝を遂げた三谷将太が、地元で21年の有終の美を飾った。
 「(奈良の優勝は)気持ちだけでした。(立川はS級に)上がりたてのころに記念に来て、(お客さんがたくさん入って)すごい記念だなっていう記憶があります」
 五十嵐力は、3場所前の武雄で18年12月の佐世保以来となる久しぶりGIII決勝進出。その後の小田原、岸和田のFIでは未勝利に終わっている。
 「(最近は)セッティングを変えているわけではないけど、一場所ごとに体調のムラがありますね。(前回の岸和田の536着は)あんまり良くなかった。そのあとにしっかりと練習もできたし、その感じも悪くなかった」

4R

 前回の防府FIの最終日に落車に見舞われた川村晃司は、一次予選を自力で活路を見出す。
 「(前回の落車で)頭と右半身を強く打った。それで練習は軽めにしかできなかった。体の手入れ、ケアをしてました。(立川は)走りやすいイメージがあるんで、(初日は)自力でしっかりと力を出し切れるように」
 伊東記念、静岡グランプリシリーズで2勝2着2回とまずまずの岡村潤だが、慎重に口を開く。
 「(伊東記念、静岡グランプリシリーズと地元で)見えないところで疲れがあったんだと思います。レースには集中できていたけど、気持ちの面でキツいところもあった。なんとかラインに迷惑を掛けないようにとは思ってたんですけど…。(静岡のあとは)競輪場が使えないのもあって、疲れを取る方に集中してました」

5R

 10月の前橋GIIIでの優出後も、久米良はコンスタントに勝ち星を挙げている。
 「(前回の防府FIの142着は)着以上に感触が良かったかなと。(自分の近況の成績については)前の選手が引っ張ってくれているおかげです。けど、自分がそこにいられるっていうのは良かったです。立川はデビュー13年目にして初めてです」
 近況の成績も悪くない菊地圭尚は、降雪の影響で仕上がりが心配だ。
 「冬期移動ができるようになったんで、12月から大垣でやっています。ただ、(大垣は)雪が降って天候に振り回された感じです。雪のなかでも(練習を)やったりしてました。(前回の名古屋FIの124着の)感触は3日間、良かったです」

6R

選手の写真です。
鷲田佳史選手
 鷲田佳史(写真)は前回の佐世保記念2357着から中7日。一次予選は土生敦弘の番手から、当所の長い直線を生かしたい。
 「前々回の豊橋は、その前に風邪を引いてダメでした。そこから(前回の佐世保記念は)立て直せたかなと。(佐世保のあとは)地べたを乗りたかったんですけど雪がすごくて、室内トレーニングでした。ウエートトレーニングとかワットバイクとかをやってきました。立川は自力の時は苦手だったけど、追い込みになってからは直線が長いので好きなバンクです」
 前回の静岡グランプリシリーズが547着と思いのほかだった中村浩士は、落車の影響で万全ではなかったようだ。
 「(前回は)いいかなと思ってたんですけど、あんまり良くなかった。練習と怪我の兼ね合いがしっかりとできてなかった。1本欠場して準備をしたけど、まだ足りなかった。今回は(中3日で)2日間しっかりと練習をしました」

7R

 前回の静岡グランプリシリーズ525着から、雨谷一樹は今シリーズに巻き返しを誓う。
 「前回の静岡はあんまり調子が良くなかった。自分でももう少しやれるかなと思ってたんですけど…。今回は(22年の)一発目なんで、あらためて気合を入れた。前回よりは全然いいと思います」
 伊藤裕貴は上昇カーブを描いているようで、仕上がりも悪くなさそうだ。
 「(前回の佐世保記念2554着は)その前の岸和田が良くなかったんで、見直して少し上向いてきました。そのあとは年末までしっかりと追い込んで、そのあとは徐々にゆっくりした感じでした」

8R

選手の写真です。
河村雅章選手
 京王閣FIを227着で昨年を終えた河村雅章(写真)は、ホームの立川から22年を始動。連続の地元シリーズに、気持ちも入っていることだろう。
 「(京王閣のあとのピストシックスは)巻き返しがきかないんでキツかったけど、いい刺激になりました。ピストシックスが終わってからは、しっかりと練習をして疲れも取ってきました。(初日に付ける武田亮とは)2回くらい連係があると思います」
 近藤保は前回、地元、松戸FIを3連勝。S級では初の完全Vを遂げた。
 「(前回の松戸は)展開が向いただけですね。いつもと変わらない感触だったし、そのあともいつも通り練習をしてきました。ここは直線が長いので好きです」

9R

選手の写真です。
岩谷拓磨選手
 一次予選は兄デシの小川勇介とセットの岩谷拓磨(写真)は、22年のスタートダッシュに燃える。
 「(前回から2週間あって)小川さんと一緒に練習をしてきました。体調も変化なく、しっかりと練習ができました。(初日は)小川さんと一緒かなと思ってたので、気合を入れてきました。ここは風が強烈ですけど、走りやすい。しっかりと見せられるいいレースができるように」
 3324着で優出した前回の佐世保記念から1週間あった小川勇介はリズムも良好だ。
 「(岩谷)拓磨と練習をしてきて、自分はしり上がりに良くなってきて、疲れも抜けてきたかなと。(弟デシの岩谷との連係で)気が引き締まります」

10R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 期待された前回の静岡グランプリシリーズで、松井宏佑(写真)はまさかの予選敗退。最終日にようやくまくりで勝ち星を挙げた。
 「最近はあんまり調子が良くないですね。9月の伊東での落車と(競技での)世界選での落車もあって体の調子が良くない。(前回の静岡グランプリシリーズで)負け戦でしたけど、最終日に勝ち切れたんで、それで(流れと体が)いい感じに変わってくれればいいですね」
 前回の奈良FIの初日に落車のアクシデントも、内藤秀久は決勝にコマを進めた。
 「(前回の奈良FIの初日は)落車して直後は頭を強く打っていたので、頭が痛いっていうのがあった。でも、5分、10分で回復した。(2日目、最終日も)走って正解だった。そのあとも練習もしてきたし、自転車も体も問題ない。(落車が)なんだったんだろうっていう感じです。あとは(初日を)走って判断してもらえたらなと思います」

11R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 鈴木竜士(写真)は静岡グランプリシリーズから中3日も地元、立川記念に仕上がりは良さそうだ。
 「(中3日で)自転車には乗ってないけど、2日間はウエートトレーニングだったり体を動かしていた。ここは(地元の記念で)大事なのでしっかり調整してきた。いい結果をのこせるように頑張りたい」
 ヤンググランプリはまくり不発の8着に終わった坂井洋が、立川から新たな年が始まる。
 「(ヤンググランプリは)結果がダメだったんで、しっかりと敗因を見直してきた。(そのあとは)体調を崩していたところもあって、回復に専念しました。(体調が)だいぶ良くなっているんで、(立川に)出られるんじゃないかと。去年は2回目の記念決勝(11月四日市)でたまたま獲ったんで、今年は記念決勝の常連になれるように」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 静岡グランプリは関東ラインの3番手だった平原康多(写真)。吉田拓矢、宿口陽一の頑張りもあり、2着に入った。
 「悔いのないグランプリでした。(グランプリ直後の立川記念は)体と気持ちがキツいところもあるけど、毎年やっていることなんで頑張ります。(グランプリのあとは)次の日に休んで、昨日、一昨日は練習をしてきました。立川で練習をしたし、ここは過酷なバンクなのは知っています」
 昨年は東京五輪出場の影響もあり、競輪の出走機会が減っていた新田祐大が、S級1班でスタートする。
 「グランプリはグランプリらしいすばらしいレースを見せてもらった。気持ちも高ぶっています。ただ、あの場に立てなくてすごく悔しかった。(今年の目標は)まずはS級S班を目指して一戦、一戦ですね」
 清水裕友にとっては、赤板で郡司浩平に出させてもらえなかったことが静岡グランプリの大きな誤算だったようだ。
 「(グランプリは)なかなか思ったようには…。自分が甘かった。赤板のところがすべてでした。(今年の目標は)タイトルを獲ることは大前提ですが、自分は安定感がない。1、2着か大敗かみたいに去年、一昨年となっている。それを少なくしたい」

1R

選手の写真です。
伊藤慶太郎選手
 阿部拓真を押さえて先頭に立った伊藤慶太郎に、林慶次郎がすかさず襲い掛かり両者で主導権争い。最終ホームではわずかに林が前に出るが、コーナーで巻き返した伊藤が突っ張り切る。まくりごろかに思われた阿部も伊藤が合わせる。白岩大助は連結を外す。番手に入っていた小岩大介は、外の阿部を張ってコースを確保して追い込んだ。
 「(林)慶次郎が合わされると思わなかったんですけどね。ハコに入れたので展開に恵まれました。レース間隔が空いたので心配でしたけど、脚は軽かったし踏める感じだったので悪くなかった」
 林との踏み合いを制した伊藤慶太郎(写真)は、阿部のまくりも許さず内容のある2着。
 「逃げ切れたかと思ったんですけど、最後(小岩に)差されましたね。林君を簡単に出させたら、自分にもチャンスがないと思った。林君が先行っていう感じだったんで、動きを見ながらプレッシャーを与えて脚を使わせられればと。そこを意識してました。しっかりと踏み切れているんで悪くないです」

2R

 赤板の1コーナーでじわりと押さえて出た木村弘は、隅田洋介を警戒しながら中四国勢の3車を受けて中団に収まる。小川祐司の先行で隊列は一本棒。最終ホームから4番手の木村が反撃に出る。西岡拓朗のけん制をこらえて木村が小川に迫るが、その上を隅田が次元の違うスピードでまくる。遠藤勝行は付け切れず、隅田が前団をのみ込んで関東2車で後続をちぎる。最後は柿澤大貴がきっちりと交わした。
 「隅田さんのおかげですね。さすがの仕掛けでした。抜ける感じはしなかったですけど、直線が長い分、差せたのかなって。離れないようにだけ集中していた。抜けたのはデキすぎです。ピストシックスで大ギアを踏んで良くなったのかもしれないですね」
 木村の仕掛けで隊列が短くなり、隅田洋介が最終2コーナー手前からのまくりで力の違いを見せた。
 「差されちゃいましたね。バックが向かい風だったので回そうと意識し過ぎましたね。ホームが追い風なのでそこで行くか、行った上を行くかって感じでした。朝が早くてキツかったけど、明日(二次予選)は遅くなるのでたぶん大丈夫です」

3R

選手の写真です。
高久保雄介選手
 関根健太郎、河合佑弥の順番で出て、河合がペースを握り打鐘を迎える。緩めた河合のスピードを確かめて、4番手にいた関根が踏み込む。関根と河合の叩き合いになり、高久保雄介(写真)は最終1センター過ぎからまくりを打つ。河合が主導権を死守するも、その上を高久保があっさりとらえて1着。
 「新年一発目の1着っていうのは気持ちいいですね。(7番手になって)僕がジャンから仕掛けられたら良かった。あそこがアカンかった。行かないとって思ったら関根君が行ったんでラッキーでした。1着はうれしいけど、もっといいレースができるように。最近、まくりは自信がなかったので大丈夫かなっていうのがあった。でも、意外と進んだんで、まくりも自信をもちます」
 3番手以下を離した近畿勢の直線勝負は、番手の三谷将太が交わせずの2着。
 「直線が長かったんで、もうちょっとイケるかと思ったけど、(高久保が)掛かってましたね。(高久保を交わせず)残念でした。今日(初日)はあんまり風もなかったし、もっとバンクが荒れてくれれば俺の展開になるんですけど」

4R

 矢口大樹が、打鐘の3コーナーで川口雄太を押さえて主導権。3番手に川口が飛び付くも、南関3車が出切って最終周回。川村晃司は一本棒の8番手に置かれる。4番手からまくった川口と飯尾主税が接触したあおりで室井竜二が落車。市橋司優人も乗り上げる。バック9番手からアクシデントを避けた松村友和が、外を突き抜けた。
 「落車しなくて良かったですね。どう受け身を取るか考えていたぐらいだったのでラッキーでした。岡村(潤)君が前をかばっていたのが見えたので、頑張って踏みました。練習はしっかりやれているので、今年はもっと頑張りたい。古性(優作)君とも一緒に練習しているし、恥じないレースをしたいですね」
 逃げる矢口を利した岡村潤に流れが向いたが、松村の強襲に2着。
 「飯尾さんがからまれているのはわかったんですけど、自分のところまでは来られないなと思っていた。(南関)ライン全員で勝ち上がれたので良かったです」

5R

選手の写真です。
菊地圭尚選手
 薦田将伍が先行態勢を取り打鐘を通過する。追い上げた伊東翔貴が、野口大誠との中団争いを制して4番手をキープ。最終2コーナーから伊東がまくり上げる。逃げる薦田マークの久米良が、伊東をブロックして阻む。失速した伊東の外を追い込んだ菊地圭尚(写真)が力強く伸びた。
 「野口君にきっちりと中団を取られていたら厳しかった。バックは重かったんですけど、(伊東)翔貴が無理やりいってくれたおかげですね。自分は最近にないくらいの脚の仕上がりです」
 中四国3番手の吉永好宏は、薦田と久米の間を追い込んで2着。
 「久米は先行屋をかばってああいうアクションになったと思うし、自分も3番手で内を締めて自分の仕事をしていた。僕が残るのはあのタイミングしかなかったんですけど、自分だけ内にいって申し訳なかった」

6R

選手の写真です。
佐藤愼太郎選手
 押さえて出た宮下一歩もペースを上げるが、その上を土生敦弘が叩いて主導権。宮下は3番手に下げて、真船圭一郎が5番手。一本棒の7番手に桐山敬太郎が陥り最終ホームを通過する。3番手の宮下がまくると、すぐさま真船も仕掛ける。真船がバックで前団を仕留めて、続いた佐藤慎太郎(写真)が番手から追い込んだ。
 「僕はしっかり(真船に)付いていくことだけを考えてました。バックの向かい風が強いですね。(前回のあとは)しっかり練習もできました。僕は恵まれました」
 打鐘手前で後方に下げざるを得ない苦しい流れだった桐山敬太郎は、福島コンビに乗って外を追い込んだ。
 「宮下一歩君が(土生に)フタをしてジャン前くらいに来るのかと思ってたら、フタをしないで来た。それで慌てて切りにいったけど、切らせてもらえなかった。風も強かったし、自分は届くかと思った。(一次予選は)5着権利っていうのもあって、仕掛けを遅らせてもらった。前回も調子は良かったけど、今日(初日)も体が動いてるんで大丈夫です」

7R

 赤板で動いた雨谷一樹は、落ち着いて北日本ラインを出させて4番手を確保する。6番手に藤原俊太郎、伊藤裕貴は8番手。そのまま阿部架惟都の先行でレースが流れて、雨谷が最終2コーナー手前から仕掛ける。雨谷がまくり切り人気の関東コンビでの決着かと思われたが、雨谷は直線半ばから失速。番手の柴田洋輔が、追い込んで別線の追撃を振り切った。
 「風がめちゃくちゃ強くて、雨谷君がまくっていった時に戻されてしまう感じだった。自分はちょっと内に差したので、その分風を受けなくて伸びてくれた。雨谷君が位置を取って仕掛けてくれた」
 関東勢を追った藤原俊太郎が2着に入り、好配当をメイクした。
 「前も脚を使ってくれたので、いい展開になってくれました。前にS級にいた時よりもしっかり走りたいなという気持ちです。立川は初めてだったんですけど、風が強かったですね」

8R

 格清洋介を武田亮が叩いて、関東勢の主導権。一度は4番手に入った格清だったが、松岡孝高に内、中近勢に外を行かれて最終ホームでは8番手のピンチ。しかしながら、武田と石口慶多が激しく踏み合い、中団ももつれる。格清が2コーナーからまくると、逃げる武田の番手の河村雅章のけん制で中村圭志、木村貴宏が落車。その外を回った格清が4コーナーで先頭に立って1着。
 「流したところをいかれてしまったのは反省ですね。最後の粘りは良かった。前回(昨年12月)立川に来た時は初日は重かったんですけど、最終日が軽かったのでそのイメージで走れました」
 落車を間一髪で避けた近藤保が流れ込んだ。
 「格清君は先行基本だったと思うんですけど、出していい人とそうじゃない人を考えて落ち着いて走ってくれたと思います。ちょっと落車を見てしまって(最終)3コーナーで踏み切れず口が空いてしまいました。感触はいつも通りだと思います」

9R

選手の写真です。
小川勇介選手
 岩谷拓磨は、赤板2コーナー過ぎにすんなりと押さえて出る。福岡勢が2車で出切り、川口聖二も楽に3番手を手に入れる。別線の仕掛けはなく、岩谷が最終ホーム手前から徐々にペースを上げて風を切る。川口は車間を詰める勢いでまくって出るが、岩谷に合わされて結局3番手に戻る。番手の小川勇介(写真)がゴール前でグイッと伸びて、兄弟弟子でのワンツー決着。
 「(弟弟子の岩谷とのワンツーで)最高の年明けですね。(岩谷は)脚があるのは知っているんで、あとは気持ちだけだって伝えていた。しっかり駆けてくれたんで良かった。川口君だけ見て止まってたんで、自分も2車だからあまりけん制をしてもと思ってました。状態も変わらずいいですね」
 結果的にはペース駆けに持ち込めた岩谷拓磨だったが、主導権を譲る気は微塵もなかったようだ。
 「どんな風になってもハナだけは切るっていうのが最低限のノルマでした。兄弟子が(付いて)いるんで、ビビッてもしょうがない。ここ最近でも一番いいレースができたんじゃないかと。脚の調子も昨日(前検日)乗った感じからすごく良かった」

10R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 松井宏佑が打鐘の3コーナーで主導権を奪うと、久島尚樹が番手で粘り内藤秀久(写真)と重なる。内藤は冷静に併走のまま最終1コーナーに入り、インの久島が遅れていく。番手を守った内藤が、逃げた松井を差し切った。
 「1着はうれいの一言ですね。(松井は)攻めるレースをしてくれるので、なにも言わず任せていました。風が強くて先行するみたいにキツかったですね。ここ5年くらいで一番キツいレースでした。ちょっとサドルが高い感じがしたので調整するのと、キツすぎたのでケアをします」
 流れのなかでスムーズにレースを支配した松井宏佑は、内藤との神奈川ワンツーで2着に粘り込んだ。
 「しっかり自分らしいレースをして、攻めるレースができたと思う。ただ風がキツくて、レースの流れに身を任せるのがキツかった。ずっと踏み込んでいた感じ。内藤さんとゴール勝負できたのは良かったですね」

11R

 鈴木竜士が村上竜馬の上昇を阻んで、坂井洋は4番手を手に入れる。しかしながら、先行態勢の平尾一晃のペースがまだ上がらないと見るや、坂井は打鐘の4コーナーでスパート。最終ホーム手前で出切った坂井が、スピードに乗せて駆ける。鈴木が別線との間合いを計り追い込んだ。
 「(坂井が)しっかり仕掛けてくれたおかげですね。ダッシュがすごくて踏み出しがキツかった。風が強かったですけど、地元なので気持ちを入れて走りました。(坂井と)ワンツーを決めたかったですけど、決められなかったのは自分の技術不足です」
 西田雅志にかぶった平尾をギリギリまで待った小川賢人は、外を鋭く伸びて2着。
 「平尾君が突っ張るか、引いてもう1回仕掛けるかだと思っていました。行かれてしまったので、自分は菅原(晃)さんに前を任されていたので、切り替えていかせてもらいました。ここに来る前に弟子と練習してきたので、少しでも強いところを見せられるように頑張りたい」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
 打鐘の3コーナーで清水裕友が先頭に立ち主導権を握る。山口勢に単騎の浅井康太(写真)が続いて、さらに単騎の新田祐大が4番手に追い上げる。吉田拓矢は、最終ホームで5番手での立て直しを余儀なくされる。逃げる清水後位の桑原大志が車間を空けて、3番手の浅井も真後ろの新田を警戒しながら前との距離を取る。新田がバック過ぎから踏み込むと、浅井は車間を詰めながら新田を張って直線できっちり抜け出した。
 「新田君がすごい勢いで来たんで、そこをしっかりと合わせられた。(最終)2コーナー手前で1回振って、そのまま詰めてまくれば良かったけど。あれだと(新田を)引き出してしまうので、(新田が)来たタイミングでと。しっかりと判断をして走れました。最後まで脚をためられたのが勝因だと思います。1着が取れたので、浅井ファンにはいいお年玉になったんじゃないかなと」
 立ち遅れることなく打鐘過ぎに反応した新田祐大は、まくり追い込んで2着。
 「残り1周であそこの位置(4番手)になったんで、バック過ぎには誰かしら動かないとっていうのはありました。それで自分があの位置で動きました。横に並ぶ前に浅井さんも踏み込んで、横に振るだろうなって。その通りになったんで、ゴールまで踏み続けた。状態はすごくいいと思います」
 吉田に託した平原康多は、最終2センターから内に進路を取り3着に入った。
 「自分は最後、外はチャンスがないのはわかったんで、内に行きました。最低限、3連対にからめた。思い切りいったけど、浅井君に締められてバックを踏んだ感じになりました」

6R

選手の写真です。
小川賢人選手
 南関勢が切ったところを松岡孝高が出て先行態勢を取る。4番手を渡邉雄太が確保して、一本棒の8番手になった坂井洋の仕掛けもなく、松岡がそのままペースを上げる。車間を空けた小川賢人(写真)は、最終2コーナーから番手発進。渡邉も2センターで外に持ち出すが、小岩大介がけん制。番手まくりの小川が押し切った。
 「細切れだったんで、もう1回まわるかなと思ってたんですけど。あんな感じで(松岡が)2回風を受けての先行になると(仕掛けてくる別線との)スピード差も出てくる。松岡君の分も責任のある位置だったんで、出させてもらいました。あれでワンテンポ、ツーテンポ待ったら行かれてしまうかもしれないし、そうなると松岡君の頑張りの芽を摘むことになってしまう。あの距離と感じだと厳しいかなと思ったけど、1着で帰ってこられた」
 ハンドル投げの2着争いは、九州3番手の小岩大介が微差で渡邉をしのいだ。
 「流れ一本ですね。(松岡)孝高も先行態勢に入って駆けてくれた。あとは止めるのか、切り替えるのかは(小川)賢人に任せてました。孝高には悪いけど、あれで(番手から)いってワンツーだったんで。対戦相手は格上なんで、力だけの勝負だと力負けすると思ってた。自分は体自体も悪くないし、展開にも恵まれた」

7R

選手の写真です。
浅井康太選手
 勝負どころの打鐘3コーナーで川口聖二が先頭に出ると、松井宏佑がその上を仕掛ける。太刀川一成が踏み出しで遅れて、松井、岡村潤で中部勢を叩く。川口は3番手に飛び付く。浅井康太(写真)は川口との車間を空けて、後続にプレッシャーをかけてクギ付けにする。川口の余力を確かめながら、浅井が直線一気で突き抜けた。
 「しっかり抜け切れているし悪くなかったですね。期待に応えられたのも良かったです。上位陣と戦った時にも、しっかり走りたいですね」
 果敢に風を切った松井をゴール前で交わした岡村潤が2着。
 「松井君が先行したいという気持ちが強かったし、4番手でゴチャゴチャしてくれればいいなと思っていた。風が強かったですけど、あそこを叩けるのはさすがですね。勝てれば良かったですけど、浅井君が強すぎました」

8R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 福島コンビがペースを握るが、前受けから5番手に下げた格清洋介が打鐘の2センターからカマす。格清が出切り、五十嵐力の追走。南関ラインを追った太田竜馬(写真)は、空いた3番手に入り小休止。最終2センターから外に持ち出して格清をとらえた。
 「思いのほか(レースが)まわらなくて、風も強いので力ずくで勝つのは厳しいと思いました。(最終バックで)休んだというより結果的に休む感じになってしまった。(脚を)回せていなくて、踏みつける感じで踏んでいても進みが悪かったですね。1着が取れたのは良かったですけど、苦しみながら戦っている感じです。いつもみたいな手応えはなかったです」
 格清洋介は、5番手で構えることなく伊東翔貴を叩いて先行。S級返り咲きの初場所で準決にコマを進めた。
 「(展開は)ちょっと予想とは違ったんですけど、僕の脚的に(仕掛けて)行かないと厳しいと。でも、あそこから行って残れているので、やっぱり行く気持ちが大事だなって思いました。風は気になりましたけど、自分は小柄な人よりもいいのかなって」

9R

選手の写真です。
新田祐大選手
 矢野昌彦が押さえて出ると、その上を叩くと思われた岩谷拓磨は3番手の新田祐大(写真)のところで止まって併走。結果的に岩谷が下げて、新田は単独の3番手を手に入れる。矢野の先行で最終周回へ。車間を空けた新田は、詰める勢いで2コーナー過ぎからまくって楽に前団をとらえる。菊地圭尚が続き、人気の北日本ワンツー決着。
 「予想外だったのは3番(岩谷)ですね、みなさんもそうだったと思うんですけど。そのなかで矢野さんが一番苦しいところで先頭を走っていたんで、僕も(矢野に)学ぶところがあった。ゴールして(菊地)圭尚さんと決まったっていうのが、すごくうれしかった」
 新田に詰め寄ることはできなかった菊地圭尚だが、危なげなく流れ込んだ。
 「すごい、新田君のトルクは全然違いますね。どっちにしろ新田君のレースになると思ってたんで、自分は離れないことだけをと。新田君は余裕があるし、どこからでもと思って走ってるだろうから、そこにタイミングを取って集中していた。いい展開になりました。自分は最近にないくらい体が動いている」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 吉田拓矢(写真)を7番手に置いて、木村弘が打鐘手前で主導権を握る。後続を一本棒にしてレースをつくった木村に、打鐘の4コーナーから吉田が反撃に出て襲い掛かる。スピードの違いで吉田が出切り、鈴木竜士は離れ気味に追いかけて稲村好将が続く。4番手に木村。吉田が力強く風を切るが、鈴木は空いた車間が詰らない。後続を離した吉田は、終わってみれば2着を8車身ちぎってゴールした。
 「S班になって初勝利なのでホッとしています。バックで風をあびた分、木村さんが緩めたのでそこを逃さずに行けました。なるべく内側の選手に脚を使わせたかったし、後ろをからませないように外をいきました。精神的に苦しいところもあるけど、自分なりにS班に見合う選手になりたいですね」
 吉田に離れた鈴木はいっぱい。関東3番手の稲村好将は、直線で別線との間合いを計り2着に追い込んだ。
 「(吉田)拓矢君が強烈なカマシでした。あそこで構えないところがS班ですよね。(鈴木)竜士君にピッタリ付けられたら、自分が離れていたと思う。いい緊張感で走れています」

11R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 師匠の山崎充央との連係の武田亮が、迷いなく先頭に立ちペースを握る。中団に阿部拓真が入り、清水裕友は7番手で反撃のタイミングをうかがう。武田も清水を警戒しながら踏み上げていくが、打鐘4コーナーから清水がスパートする。武田をあっさり仕留めた清水に小倉竜二(写真)、久米良の3車で出切る。別線に出番はなく、番手から小倉が抜け出した。
 「小松島も風は強いけど、風が来るポイントがまた違いますね。今日(2日目)は前のレースで出脚で口が空くと苦しくなりそうだなって思っていたので、ピッチリ付いていこうと思っていました。最後は自分が抜いたというよりも、清水君がタレてきた感じです」
 結果3着もラインを上位独占に導く、格上の動きを披露した清水裕友の動きは悪くない。
 「出てからうまく回せていなくて、踏み直しができなかったですね。その辺を修正したい。脚のアタリ自体は、昨日よりも良かったですけど。バックの突風というか後ろに引っ張られる感じの風にやられました。今回は自転車もシューズも新しくしたので、微調整が必要だと思います」

12R

選手の写真です。
伊藤慶太郎選手
 赤板2コーナーで松村友和に接触した伊藤慶太郎(写真)がバランスを崩して、後ろの平原康多が落車する。打鐘で高久保雄介を押さえた矢口大樹が、そのまま駆ける。高久保は3番手を確保して、木村幸希は5番手で最終ホームを通過する。高久保が、バック手前からまくるもなかなか進まない。7番手の伊藤は3コーナー過ぎからまくり気味に追い込む。前の千葉勢をなんとかつかまえた高久保を伊藤が交わして1着。
 「みんないかせて(下げて)後方になったら、簡単には行かせてもらえないと思った。それでああなったんですけど、自分のヘタなところが出て平原さんを落車させてしまった。ただ、そのあとは落ち着いていました。高久保さんが行く雰囲気があったんで、そこを見てからでもいいかなと。自分の思っている以上に伸びた。自転車も出ているんで、そんなに悪くないと思います。(落車した)平原さんだけが心残りです」
 不発かに思われた高久保雄介のまくりだったが、最終4コーナーからの下りで再度伸びた。
 「まさか矢口君が駆けるとは。その上を関東勢が行くと思ってたんで、自分は一撃勝負をしようと。全然、まくりが出なかった。外に持ち出した瞬間に風に押し返された。なんとか体重でいけた。全然車が出なくてヤバかったけど、体重勝ちですね」

10R

選手の写真です。
新田祐大選手
選手の写真です。
菊地圭尚選手
 中団の桐山敬太郎が先に切って押さえて出ると、4番手が新田祐大(写真)と太田竜馬で併走になる。打鐘の3コーナーから桐山が上がりインが空くと、新田がそこを進出して主導権を奪う。新田に菊地圭尚まで出切り最終周回。3番手には桐山が入る。浮いた太田は後方に下げて出番がない。逃げているのが新田だけに、3番手の桐山も動けず、新田がそのまま余裕をもって押し切った。
 「ジャン前からの動きで桐山さんが切ってから動きが止まったので、結果内側をすくう形になった。7番(太田)も踏む距離を短くするために引っ張りたいという気持ちもわかる。今日(3日目)は風がなかったので、自信をもって仕掛けられました。(菊地)圭尚さんと一緒に勝ち上がれたのはうれしいですね」
 二次予選同様に菊地圭尚(写真)は、新田から1車身をキープしたままの流れ込み。
 「(新田が)内に行った時は、桐山さんのところが空かなければ厳しかったですね。新田の番手で大チャンスだったし、強い気持ちをもって走りました。付いていけただけでプラスです」
 内に詰まっていた新田を誘うように中バンクまで上がった桐山敬太郎は、最終ホーム過ぎに3番手に入り、そのポジションをキープして3着。
 「ジャン過ぎには腹をくくっていたんですけど、たまたま3番手に入れました。先行しにいった結果いい流れになってくれました。できることは全部できている感じです」

11R

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吉田拓矢選手
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木村弘選手
 木村弘、岩谷拓磨の順番で出て、最終的に格清洋介が打鐘の4コーナーで主導権を奪って駆ける。坂井洋もすかさず巻き返すが、岩谷に合わされて3番手まで。吉田拓矢(写真)は、自力に転じて最終2コーナーから踏み込む。渡邉雄太も逃げる格清の番手から出る。番手まくりの渡邉を直線の入り口でとらえた吉田が二次予選から連勝。
 「思った通りの展開にはならなくて、ペースが上がらなかったのが誤算ですね。(坂井は)いいところで行ってくれたんですけど、厳しい展開になってしまった。あそこで待ってしまうと渡邉さんも出て行ってしまうと思ったので、前に踏みました。脚の感じは悪くないですね」
 関東3番手で吉田の踏み出しにソツなく反応した稲村好将が2着。
 「吉田君もちゅうちょせずに切り替えて踏んでくれたので付けやすかったですね。記念の決勝はたぶん3、4年前の函館以来だと思います」
 一度脚を使って後方に置かれた木村弘(写真)が、反撃に出た関東勢を追いかける。直線では前の2人に吸い込まれるように3着。11年7月のデビューから初のGIII優出を果たした。
 「後ろから1回切って、流れに乗って行こうと思っていました。流れ込みになってしまったけど、3着に入れたのは自信になります。3日間とも最終バックを取れていないですし、内容的には納得できていない。その分、決勝は前でしっかりと頑張りたいです」

12R

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久米良選手
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浅井康太選手
 川口聖二が突っ張って、打鐘から川口と松井宏佑の踏み合い。松井に出られた川口は、岡村潤を張って番手を奪取する。川口と息が合わなかった浅井康太は連結を外す。別線のやり合いを見極めて、清水裕友が最終ホーム手前から踏み出す。清水がバックで出切り、桑原大志、久米良(写真)が続く。中四国勢に浅井が強襲して、4車の直線勝負。外を踏んだ久米がわずかに出た。
 「みんなから聞いて悪条件っていうのもわかってたんで、思ったよりも走れたかなと。昨日(2日目)よりも今日の方が良くなっているんで、日に日に良くなっている。(ゴール前は)落車するかと思ったけど、それを回避できたのが大きいです」
 最終バック手前から中四国勢を追った浅井康太(写真)は、2センターでのあおりもあって一瞬、前の3人に遅れた。が、そこから直線で清水と桑原の間を踏んで、目の覚めるような伸びを披露した。
 「自分は(川口が)引くと思って、先に引いた。そこの判断は自分のミスで(川口)聖二にも迷惑を掛けた。(最終)3コーナー過ぎは外も考えたけど、久米君のスピードが良かったんで、外よりも内だと。全部、避けられたかと思ったんですけど、最後に引っ掛かったのが失敗だった。(ゴール後の落車での怪我は)打撲と擦過傷が少しですかね。(現時点では)痛み的には、なんとか我慢できるかなと思います」
 二次予選に続きラインを重んじた仕掛けの清水裕友は、9、3、3着での優出も動きは悪くない。
 「松井さんにフタをされた感じだったので、慌てずに状況を見ながらでした。行くべきところで行けてるんで状態は悪くない。けど、連日(ラインの)3番手から差されているので、末脚を欠いているところもある。道中、乗っている感じは、セッティングを変えたりして今日(3日目)が一番良かった」