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26#

検車場レポート

  • 4/18 Wed.  (前検日)
  • 4/19 Thu.  (1日目)
  • 4/20 Fri.  (2日目)
  • 4/21 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
金子哲大選手

 金子哲大(写真)は、前回の大宮FIを2日目から補充で出走。「新しいフレームを試したけど、感覚が良くなかった」と、話すが、31着にまとめてみせた。初日も周囲の期待に応え、後に控える仲間に勢いをつける。


 「今回はフレームを元に戻しました。大宮よりは感覚がいいと思います。前日もバンクで練習して、調子も上がってきていますね。(昨年末は体調を崩したが)今はもう全然大丈夫です。練習も普通にできていますし。(200勝まで)あと1勝なんですよね。地元記念だし、今回で決められたら」


 江連和洋は3月小田原FIで約3カ月の長欠から復帰。前回の別府FIは464着も、状態は上向いていると話す。


 「落車はちょっと大変でしたね。前回も展開が良くなくて…。でも、(ここまで中10日で)練習期間が取れたし、調子が上がってきたと実感できています。強めに練習してきました」


 畑段嵐士は前回の大宮FIを128着。自力、番手と立ち回って久しぶりの優出を決めた。


 「練習もしているし、(状態は)バッチリだと思います。ここまでも中5日のわりにはやってきました。(自力と番手の切り替えは普段)自在に動いているし、違和感はないです。どっちも対応しないと。ただ、初日はちょっと車番が悪いですね」

2R

 加藤圭一は怪我から復帰した昨年12月小倉FIから、9場所連続で予選を勝ち上がり。嶋津拓弥を目標に、今シリーズも初日をクリアするか。


 「(FIの)予選はなんとかね。今は練習もできているし、状態は徐々に良くなってきています。ただ、もうちょっと(いい感触が)欲しいところですね。ここまでは暖かくなってきたので、街道にも行って練習してきました」


 嶋津拓弥は、なかなか波に乗れない。ここで結果を出して、起爆剤にしていきたいところ。


 「練習もできているし、状態は悪くないんですけどね。成績がパッとしない。フレームも、セッティングも換えました。練習した感触はいい感じでしたね。(今期も)1班の点数を取りたかったけど厳しそう。でも、あと点数を2、3点上げたいです」

3R

選手の写真です。
堀内昇選手

 堀内昇(写真)は3月岸和田FIを117着。4月京王閣FIでも、連日の先行策で122着と成績が上昇カーブを描いている。


 「成績は見ての通り、ちょっとずつ上がっていっていますね。(要因は)脚力がついたことと、自分に合ったセッティングが出たことです。今は自転車が流れていますね。最近はレースが詰まっていたので、ここまではケアを中心にやってきました。疲れはないですね。初日は先行も意識して」


 3月小倉FIで落車した武藤龍生は、ひと場所欠場しての4月高知FIを588着。それでも大敗にめげず、地元記念に向けてモチベーションを高めた。


 「落車して、気持ちも下がりましたね。でも、今回は地元なので気合で。前回が終わって(自転車を)見つめ直して、セッティングを換えました。ここまでも、自分ができることをしてきたつもりです」

4R

 宿口陽一は、ウィナーズカップの最終日に中井太祐らをまくってビッグ初白星。さらに、前回の伊東FIでも逃げ切るなど、随所で好走を見せている。


 「ウィナーズは、マグレです(笑)。でも、伊東はここを意識して長い距離を踏もうと思って。ジャンから先行しましたよ。状態も悪くないですね。直前も平原(康多)さんとバンクに入って練習してきました。平原さんと一緒に走れるように頑張りたいです」


 「みんながワクワクしてくれるようになんとかしたい」とは、初日に動くことを選択した宮越孝治。点数こそ劣るも、普段以上のヤル気を見せた。


 「失うモノはなにもないし、やってきた練習の成果を見せたい。いい位置を取ってのまくりか、もしくは先行も考えて。8、9番手になっての凡走はしないように。状態も悪くないです」


 丸山啓一は前回の名古屋FIを634着も、成績以上に手応ありの様子。


 「前回の着はあれでしたけど、不利なところから突っ込めたし。いろいろ試してやっていることが、徐々に出てきましたね。なんとか成果を出したいと思っています。(自分を)追っかけてくれているファンもいるんでね」

5R

 昨年の9月松戸記念の落車から調子を落としていた阿部大樹。しかし、近況は3月前橋FIを332着や前回の別府FIを234着など、風向きが変わりつつある。


 「最悪は脱して、感じが良くなってきましたね。練習もできているし、車も出ています。ここまでは調整を一切せず、思い切り練習をやってきました。初日は師匠(小沼良)と一緒で緊張もするんですけど。いつも師匠は好きに走っていいと言ってくれるし、相性も悪くない。ワンツーが決められるように」


 林巨人は、前回の伊東FIで991着と2度のシンガリ負け。それでも、最終日は泉谷元樹の仕掛けに乗って白星と点数最上位の意地を見せた。


 「状態はそこまで悪くないですね。前回の初日と2日目は(内容が)悪かったけど、最終日に1着を取れましたし。ただ、(初日、2日目に前と連結を外してしまい)ああいうところはしっかりしないと。この後にダービーも、(地元の)名古屋記念もあるので。(目標の)西本(直大)さんとは何回も連係しているし、1着も取らせてもらっています」


 

6R

選手の写真です。
門田凌選手

 門田凌(写真)は昨年末に9連勝で特昇。さらに、近況は3月小倉FIを119着や、前回の伊東FIを219着とS級でも好走を見せている。初の記念開催でどんな走りを見せてくれるか楽しみだ。


 「初めての記念ですけど、初日は緊張しないように。できれば決勝に乗りたいですけど、いきなり強くならないので。いつも通りやるだけです。S級に上がって体調が良くなかったけど、(3月)小倉くらいから良くなってきました。(FIを優出したが)まだ自信はないですね。ほかの同期に比べるとまだ全然ですよ。(戦法は)まだ新人ですし、今は逃げたい」


 山形一気は門田という好目標を得てチャンスが広がる。


 「門田君の番手だし、しっかり(一次予選を)クリアしないと。重要ですね。(ウィナーズカップから換えた)フレームは、まだ違うところがある。シューズを換えて乗ったりしているけど、まだ完璧じゃないですね。いろいろ微調整しながら」


 竹村勇祐は、ここまで初日を4連勝中と悪くない流れ。初日は自ら動いて門田に対抗する。


 「初日の4連勝は恵まれですよ。人の後ろだったし、前の人が4コーナーを先頭で回ってくれたので。門田君は最近いいですよね。上がってきた時は、そんなに強くないなと思っていたんですけど。まあ、初日は細切れ戦だし、シビアに走ります」

7R

 佐藤友和は前回の福井FIを128着。FIながらも久々の優出で、決勝は山岸佳太らを相手に先行策で見せた。


 「(準決は菅田)壱道のおかげで決勝に乗れた。付いていく感じも余裕をもっていけた。最終日は誰も来ないから駆けました。後ろの人には迷惑を掛けてしまった。いまは(自力と人の後ろと)どっちもやれるように。はっきり追い込みにでもなれば、違うんでしょうけど」


 大瀬戸潤一郎は、前回の名古屋FIを決勝進出のオール3着。昨年9月の青森以来となる記念シリーズを迎える。


 「指導員をやっているんで、記念はそんなに出られないんですよ。最近はとくになにかを変えたわけじゃない。流れがいいっていうだけですね。ただ、FIでも準決とかで(初日)特選の上位陣とかと当たると力の違いは感じます。自分は伸びがある方だと思っているけど、見切りというか、もうちょっとシビアなところがないと」

8R

 近況、白星から遠ざかっている石丸寛之だが、前回の大宮FIの2日目のまくりで好感触を得た。


 「そんなに悪くなかった。2日目は久々にいい感じでまくれた。本当にいいころと比べたら、あれですけど脚はいいと思う。金子(哲大)君の先行でよく自転車が出た」


 昨年11月の防府記念、競輪祭と連続落車で調子を落とした武井大介が、ようやく復調ムード。まだ数字には表れてないだけに、結果が欲しい。


 「ずっと街道だったんですけど、最近は練習をモガキ中心に変えた。怪我も良くなってきた。練習は今年一番くらいやれた。前回の別府ではいい感じだったんで、ここでも手応えを感じて帰りたい」


 立川、高松に次いで3度目の記念となる宇佐見裕輝が、しっかり照準を合わせてきた。


 「前回(伊東)は調整が失敗ですね、伊東よりも今回の方がいいと思う。失格もしてしまったし、ここ4場所で点数も落とした。点数が掛かっているからって、小さい競走って思われないようにやりたい。原点に戻ってセッティングを戻してきました」


 

9R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 近況、白星を増やしている鈴木謙太郎(写真)は、3月名古屋記念と続く玉野記念でともに2勝をマーク。さらには、前回の4月高知FIで一昨年7月函館以来の優勝を無傷で飾り、確かな感触をつかんで今節に参戦する。


 「前々回の(3月)久留米の前に急きょペダリングを変えて、それがはまった感じですね。若い時の調子が良かった時よりも、今の方がいいかもしれません。(ここまでは)芦澤(大輔)さんとしっかり練習してきました。疲れはそんなにないですけど、内蔵の疲れは少しありますね」


 その鈴木に付ける地元の岡光良も、前回の4月名古屋FIで112着。調子は上向きだ。


 「(名古屋の決勝で連係した)長島(大介)の後ろは離れることもあるので、よく付いていけたなって。状態は良くなってきてますね。(名古屋からは)いつも通り調整して、大宮のバンクにも少し入りました。鈴木の踏み出しにしっかり集中して頑張ります」

10R

選手の写真です。
浅井康太選手

 3月名古屋で2度目の地元記念制覇を果たした吉田敏洋は、その後も3月ウィナーズカップで2勝をマークや、4月伊東FIで122着など好調を維持している。


 「ここ2場所は(目標の車体故障もあったりして)自力だったので疲れはありますけど、脚をつけるためには自力で走らんと。浅井(康太)と連係を重ねてきて、それが結果として出たのが名古屋記念でしたね。これからも2人で相乗効果というか、高め合っていければ。浅井との前後は、その時その時で決めている。今回は僕が前で」


 グランプリV後は優勝がない浅井康太(写真)だが、近況はグレードレースで堅実に決勝へ進み、徐々に調子を取り戻している。


 「1、2月は調子が悪くて本当にお客さんに迷惑を掛けたので、そのぶん応えられるようにと思っています。今後も1000、2000回と走って行くなかでGIが獲れればなと。西武園のバンクは先行有利ってみんな言いますよね。(自分が自力の時は)前々に攻めて、臨機応変になんでもやれるようにしていきたい」


 昨年の当所記念を制した松谷秀幸は、怪我から復帰後も随所で白星を重ねている。


 「去年も獲れたので、今年も頑張って平塚ダービーにつなげられるように。脚の状態はいいので、あとは気持ちですね。強い気持ちを持って。(2月)奈良記念から調子が良いので上積みがあってほしいですね。(西武園のバンクは)まくりがきかないので、いつも通り前々に頑張ります」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 S級S班の今年はグレードレースだけを8場所消化して、すでに14勝。直近の3場所で7勝の固め打ちをしている三谷竜生(写真)は、おごることなく至ってマイペース。前回の武雄記念の準決不発を反省する。


 「(準決はまくった山賀雅仁のブロックに不発で)そういうのに対応して、避けないといけなかった。相手がどう動いたからではなく、勝てなかった原因は自分にある。こういうのを少なくして行かないと。そのあとは(中2日で)普通に練習をしてきたし、疲れは大丈夫だと思います。やることをやっているつもりです。それで結果が出ているんで、これを継続していきたい」


 金子貴志は前回の平塚FIを695着。前々回の別府FIでは731着で優勝を飾っているものの、乱調な近況に厳しい表情をする。


 「難しかったですね、(展開的にも)厳しかった。練習はしっかりしてきたんで、感じは悪くなさそうですね。ただ、(豊橋バンクが)使えなくて、山でモガいてきた。バンクに入れないと、どうしてもコーナーでスライスしていってしまう。体は悪くないんですけど」


 南関地区で目標不在の中村浩士は、金子幸央、武田豊樹の栃茨コンビの後ろから活路を見出す。


 「(武田との連係は)何回かあります。春で暖かくなって体が動くようになった。それはみんな同じでしょうけど、自分の場合はとくにほぐれ感っていうのがある」

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 地元のエース平原康多(写真)が、初日のトリを務める。3月名古屋記念は無念の落車も、続くウィナーズカップで2722着。決勝は武田豊樹とのワンツーを決めた。


 「ウィナーズカップの前(名古屋で)落車したので、決勝2着でも調子は良くなかったです。決勝までには修正できたけど、3日目まで自転車と体がマッチングしてなかった。平塚(ダービー)もそうだけど、その後も続くのでしっかり練習期間が取れてよかった。体の状態は上向いてきたかなと」


 小川真太郎は、3月平塚と4月伊東のFIを連覇し波に乗る。今回は1月立川に続く、記念決勝を目指す。


 「平塚ダービーに向けてやっているので、今回も別にデキは悪くないと思います。前半に飛ばし過ぎて疲れもあったので、最近は考えながら練習しています。去年(西武園記念)は準決で平原さんや脇本(雄太)さんに置いて行かれたんですけど、その時よりは強くなっているので今回は頑張りたいです」


 3月小倉FIの準決で落車し、左肋軟骨を損傷した稲垣裕之は、今回が復帰戦だ。


 「落車後すぐは息を吸うのも痛かった。もう自転車に乗るには痛みはないです。前回の伊東には間に合わなかったけど、思ったよりすぐに自転車に乗り始められたので。1場所空いたのでレース勘を取り戻していきたい」

1R

選手の写真です。
村田雅一選手

 金子哲大の上昇に4番手から合わせて動いた荻原尚人が、赤板の2コーナーで出た金子の番手に飛び付く。主導権を握った金子の後ろがもつれて、畑段嵐士は最終ホームで内から3番手まで押し上げる。角令央奈が絡まれると、近畿ライン3番手の村田雅一(写真)が外を踏んで4番手まで追い上げる。村田は併走の江連和洋をキメながら、直線で逃げる金子と荻原の間を鮮やかに突き抜けた。


 「あのまま外を踏むか迷ったんですけど膨れるかなと。江連さんを押さえれば4着はあると思った。S級に戻った今年に一発走って、このままじゃと思って練習を変えた。椎木尾(拓哉)を見習ってダイエットして、痩せたのもあるんですよ」


 再度、金子後位に追い上げた江連を凌いで番手奪取の荻原尚人が、ハンドル投げで金子を交わして2着。


 「(周回中の)並びが予定と違ってた。金子に先行させたらハコしかないと思ってた。畑段に突っ張られなかった。そこがすべてですね。1着を取れればよかったけど、(番手を)取り切って勝ち上がれたんで」


 最終ホームで江連の追い上げに合わせて踏み上げた金子哲大は、逃げての3着をこう振り返る。


 「江連さんを待ったぶん、ペースを落とした。8割くらいで踏んでたのを7割くらいに落とした。それで掛かりが良くなかったけど、(追い上げて)来てくれてよかった」


 

2R

選手の写真です。
神田紘輔選手

 好永晃が切った上を近畿3車が出て、藤田勝也が逃げる。4番手の好永は車間を空けて、嶋津拓弥は前が遠い一本棒の7番手。最終バック手前からまくった嶋津は不発で、藤田の番手で絶好の展開になった神田紘輔(写真)が1着。


 「(周回中の)並びは想定外でしたけど。嶋津さんラインの後ろだけは嫌だったので、4番(好永)が切ったあとに行ってくれて最終的には作戦通りにはなりましたね。藤田君は重そうに踏んでいたけど、いいところで行ってくれましたね。自分は援護しながらも伸びているし、前回からの上積みもあります」


 嶋津に乗った加藤圭一は、最終3コーナー過ぎから中のコースを突いて直線強襲で2着に届いた。


 「(嶋津は)先行したかったみたいだけど、4番に切らせた時点でダメだなと思いました。バックでも行けそうな気配がなかったので、そのぶん内を突いて伸びてくれました」


 

3R

 7番手から上昇した堀内昇は、赤板で泉谷元樹にフタをしたあとに、打鐘で前受けの八谷誠賢を押さえて先制。しかし、すかさず泉谷も巻き返して最終回に入る。内に堀内、外に泉谷でモガき合うなか、冷静に脚を溜めた八谷誠賢は、2コーナーから反撃。2センター過ぎにまくりで前団をとらえて、ライン3車で上位独占を決めた。


 「(泉谷が仕掛けた時に)坂上(忠克)さんに、降りてこないでくれって思ってました。みんなバックが重いって言っていたので、まくりやすいのかなって。いいタイミングで仕掛けられましたね」


 2着に流れ込んだ馬場勇は、八谷のまくりに感服する。


 「八谷さんすごいですね。踏み出した時に、行ったな(まくり切った)と思いました。踏み込みがすごかった。強かったです」


 

4R

選手の写真です。
丸山啓一選手

 順番が巡ってきた宿口陽一が、宮越孝治を打鐘の2センターで押さえて先行策に出る。6番手の亀井久幸はすぐさま巻き返すも、出切れずに藤田竜矢と併走。亀井の踏み出しに離れた丸山啓一(写真)だったが、最終2コーナーで自ら踏み上げる。ジワジワと前団に迫り、ゴール寸前でまくり切った。


 「無理矢理なら亀井に付いていけたけど。駆けているのが宿口だし、ちょっと厳しいかなと。亀井には悪いことをしましたね。いろんな意味で余裕がなくて。(自力に転じてからは)亀井に付き直そうとも思ったんですけど、藤田君にもっていかれていたので、そのまま踏みました。今年初勝利と言うか、そもそも白星は(昨年の6月取手記念以来で)一年ぶりくらいです。しかも、記念の勝ち上がりなのでうれしいですね」


 亀井を不発にした宿口陽一は、2着に逃げ粘る。地元記念の勝ち上がりを決めるも、レース後は「悔しいしかない」と、うなだれた。


 「駆けやすいメンバーだったし、すんなりだったので(ラインの)3人で決まるかなと思ったけど。藤田さんが勝ち上がれなかったし、あれで(1着に)残れていないので弱い。緊張していたところもありますね。焦っていました」


 8番手の井上公利は最終2コーナーから仕掛けるも不発。しかし、惰性をもらった房州輝也が、直線で追い込んで3着に食い込んだ。


 「最後はアタマまでいけたかなと思ったんですけどね。でも、状態はちょっとずつ良くなってきました」


 

5R

 打鐘手前で蒔田英彦が主導権を握って、西本直大が中団を手に入れる。反応できずに7番手に陥った阿部大樹だったが、最終3コーナー過ぎから内を進出。直線で外に持ち出すと鋭く伸びて地元で白星を飾った。


 「打鐘で行けそうだったのに待ってしまった。(最終)ホームで外に持ち出して行こうとしたところを(蒔田に)踏まれて仕掛けられなかった。体が動いていないですね。最後、突き抜けたので状態は悪くないんだろうけど、気持ちが弱い。点数なりのレースをしてしまいましたね」


 西本のまくりを合わせて直線で二の足を使った蒔田英彦が、2着に粘り込んだ。


 「久々ですね、最後までもったのは。最近は同じような展開でも最後バタバタになっていたけど、空いた2週間で踏み方を思い出した。力みすぎて踏みつけるような感じになっていたのでタレていた。でも、(一次予選は)しっかり踏めました。自信がつきましたね」


 

6R

 門田凌との呼吸が合わず、赤板の1センターで山形一気が連結を外す。鈴木謙二を突っ張って逃げる門田の番手には、すんなり竹村勇祐が入る。山形の追い上げは中団までで、松山桂輔のまくりを退けた門田がそのまま逃げ切った。


 「前を取らされる形になった。自分はダッシュがないので、先行しようとは思っていました。マイペースで踏めていたけど、(最終)バックで3番(松山)が後ろにいたので…。もう少し周りが見えていないとダメですね。初めての記念で勝てて、気持ち的に楽になったけど、ラインで決められなかったのはダメですね」


 松山にかぶった竹村勇祐は、最終4コーナーで外に持ち出して2着。


 「インを切りにいったら山形さんが引いて、門田君が引かなかったので、そのまま番手に入る形になりました。サラ脚で番手が取れたし、まくりにいける感じはあったけど。3番も来ていたし、門田君も踏み直していましたね」


 

7R

選手の写真です。
愛敬博之選手

 後ろ攻めの隅田洋介が、赤板で5番手の小川祐司にフタをすると、先に3番手の佐藤友和が柴田竜史を押さえてハナに立つ。その上を隅田が押さえて、打鐘の2センターで主導権を握る。初手から栃木コンビに付けていた単騎の愛敬博之(写真)が、3番手に続き最終回へ。隅田が逃げるなか、番手の宗景祐樹がまくってきた小川をブロックし外に膨れる。3番手の愛敬が宗景をすくって2コーナー手前で隅田の番手に入る。2センターから踏んだ愛敬が、抜け出して白星スタートを決めた。


 「(隅田は)向かい風で最後タレれていたので、我慢できんなと思って踏みました。(初手の位置は)8番(隅田)と1番(宗景)の後ろか、小川さんが先行するだろうなと思っていた。まくれたら、外をまくりたかった。自分でまくる気持ちはあったので、余裕はありましたよ」


 中団をキープした佐藤友和だったが、かぶって外に持ち出せない。やむを得ず愛敬を追って2着に流れ込んだ。


 「あの位置というか、あの状態ではベストの走りです。宗景さんがあんなに(ブロックに)行くとは思いませんでした。外に(まくって)行きたかったけど、行けませんでしたね。最後の半周で全部悪い方にいってしまいました」


 佐々木省司は、最終4コーナー手前で宗景と絡みながらも、なんとか佐藤を追って3着に続いた。


 「(最終ホームで)不意に大瀬戸(潤一郎)とぶつかってタイヤが浮いたんですけど、そこは凌げました。(2センター過ぎは)うまく内側に行けましたね。最後は(佐藤)友和がさばいてくれるのを待ってって感じでした」


 

8R

 宇佐見裕輝にフタをした松坂洋平が、打鐘の3コーナーで誘導を下ろして主導権。この動きに上田隼ら中部勢も続く。前受けの石丸寛之は車を引いて6番手にポジショニング。宇佐見に合わせて最終3コーナーから踏み上げると、大外を進んで一気にまくり切った。


 「(作戦は)宇佐見と、(松坂)洋平を踏み合わせようと思っていました。上田と位置を取り合ってもしょうがないので、サッと(6番手まで)引いて。上田が先に仕掛けてくれて、隊列が短くなりましたね。仕掛けた感じは良かったです。でも、若いころなら、これで車が毎日出るんでしょうけど。今は(年齢で状態が)日替わりなので」


 目標の宇佐見が合わされると、紺野哲也はすぐさま石丸にスイッチして2着に入線。絶対絶命の展開を乗り切って、ほっと胸をなでおろした。


 「このメンバーで駆けるのは、宇佐見か洋平なので。洋平が初手で後ろだったし、やる気なんだなと思いました。この並びなら、動いてから(南関勢を)出して、4番手と思ったんですけどね。洋平が駆けての9番手だから、終わったと思いましたよ。なんとか凌ぎましたね」


 先行した松坂の番手から、武井大介が追い込んで3着に入った。


 「とんでもなく(バックで風が)向かっていたんですど、(先行が有利の)西武園だから駆けた方が堅いと思った。(松坂が)早めでも駆けて、あとは自分が後ろで頑張ってまくりを止めようと。洋平も立ち上がっていく感じはなかったし、精いっぱいやったけど、残せなかったです」


 

9R

 赤板の2コーナーで押さえて出た大石崇晴が徐々にペースを上げるが、鈴木謙太郎が力の違いでねじ伏せ最終ホームで叩く。関東ライン3車で出切って、4番手以降を離した鈴木が前回の完全Vの勢いそのままに押し切った。


 「相手のバック数を見たら、正直自分の先行はないかなと。ただ、外併走から踏んでいって大石君が踏んでいなかったので、そのままガールズケイリンの先行みたいな先行になりましたね。ペースで踏み上げていく感じだったから余裕はあった」


 地元の岡光良が危なげなく追走。鈴木との差を半車輪まで詰めたところがゴールだった。


 「ホームが追い風になっているから最後(鈴木を)抜けるかと思ったけど、鈴木君も踏み直しで伸びていきましたね。踏み出しも気を遣ってくれたのか、やさしかったんで付いて行けました。自分の状態は疲れが抜けてくるシリーズ後半の方が良くなりそうな感じがします」


 

10R

選手の写真です。
新山響平選手

 早めに動いた井上昌己、松谷秀幸の順で出たところを、新山響平が押さえてレースを支配する。後続を一本棒にした新山が、最終ホーム手前からフルアクセルでスピードに乗せる。番手絶好の成田和也が、後続との間合いを計ってゴール寸前で新山を交わした。


 「恵まれました。自分たちには理想的な展開でした。(新山は)落ち着いてホームから先行してた。自分もそれに対応できているんで、悪くはないと思います」


 後方の吉田敏洋を警戒しながら踏み込んだ新山響平(写真)が、ラインを上位独占に導く先行策で魅せた。


 「展開が向いてくれた。珍しく1年1回くらいの感じの掛かりでした(笑)。(ギアを3.77にして)いっぱいのなかで踏めているんで、いいのかなって思います。どっちかっていうと回転の方が得意なんで、そっち(軽いギア)の方がいいんだと。(打鐘の)4コーナーで内を空けてしまったけど、それがなければ結構いい走りだった」


 北日本3番手の和田圭は、直線で新山と成田の間の狭いコースを踏んで3着。


 「新山はギアを落としているから、自分たちのギアとバイオリズムが合わなかった感じがあった。最後は狭かったけど、逆にあれぐらいいいんじゃないですか。新山は残ってるし強いね」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 3番手の三谷竜生が先に切りに出たところを金子幸央が飛び出して主導権。金子幸に武田豊樹(写真)、中村浩士に単騎の小川勇介まで出切る。三谷を切らせなかった森川大輔と三谷は、5番手で併走。打鐘の4コーナーから踏み下ろした金子幸が全開で駆ける。外併走で遅れながらも三谷が最終2コーナーからまくりを打つ。逃げる金子幸との車間を空けた武田は、詰めながら踏み込んで4コーナーで先頭に立ってそのまま抜け出した。


 「中村君が(自分たちのラインを)選んでくれたんで、なんとかいい競走をしたかった。金子(幸)君がいいレースをしくれたことがすべてですね。西武園っていうこともあるから、ああいう形で駆けてくれれば、前で決まるかなと。でも、三谷君が3着に来てたんで、自分は踏んで良かった。反省点もあるし、いろんなことを求められるんで自分の走りをもっと磨いていかないと」


 栃茨勢に付けた中村浩士は、三谷を弾いて抜かりなく踏み場を確保。2着に流れ込んだ。


 「金子(幸)君もしっかり踏み切ってくれた。武田さんは車間を空けて、あとはどのタイミングで(踏むのか)っていうのがあった。自分は緊張感をもってできた。それにしても三谷君は強いですね」


 苦しい外併走から強引に仕掛けた三谷竜生は、武田に合わされ、中村にもってこられながらも3着に踏ん張った。が、組み立てを反省する。


 「もうちょっとしっかり(森川を)切るところを切らないと。失敗しました。後ろに迷惑を掛けてしまった。(展開的に)キツかったですけど、状態は悪くない」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 稲垣裕之が出た上を、小川真太郎が打鐘で押さえて出る。すると、前受けから引いた平原康多(写真)が間髪入れず巻き返す。2センターで小川を叩き、そのまま力強く風を切る。最後は木暮安由の追撃を退けて、堂々の逃げ切り。


 「前を取らされたら、先行しようと思っていました。小川が切ったあとに、あそこで行けるか行けないかという気持ちの勝負だなと。それなりに練習もできていたし、先行しても苦にならなかったですね。やってきたことが間違いじゃなくて、うれしかったです」


 番手の木暮安由は、平原とのゴール勝負も2着。


 「平原さんがジャン過ぎで先行しにいって。しっかり援護しようと思いました。あそこで仕掛けられるところが、さすがS班ですね。(2日目の)優秀は(平原-木暮-武田豊樹)この並びになって。これ(自分が平原の番手を回る並び)が定番になるように。そのためには、俺がもっと実力をつけないといけないですね」


 ホームで叩かれた小川は、芦澤大輔をさばいて3番手を奪取。最終2センターで稲垣の仕掛けに合わせて踏むも、車は出ない。桑原大志は小川の内コースを踏んで3着に入った。


 「小川君は踏むだけ踏んで、合ったところが芦澤君のところだったんだと思う。(小川が3番手を奪ったが)平原が伸びていっていたのでキツいなと。それで、最後は内へ。外帯線を外したら食ってやろうと思っていたけど、木暮は(インを)空けなかったね。小川君が頑張ってくれたおかげです」


 7番手に置かれた稲垣裕之は最終2コーナーから仕掛けるも、中団の外まで進んでいっぱいに。7着に終わったが、怪我明けで約1カ月ぶりのレースも問題ないと話す。


 「ジャンで(自分のラインに続いた)永澤(剛)君の動きを確認できていたら、もっと積極的に行けたけど。でも、(怪我は)意識することなくレースができました。もう少し周りを見られたら勝負できると思う。あとは、いろいろ修正します」


 

6R

選手の写真です。
小川勇介選手

 前受けの井上昌己は別線にひと通り脚を使わせたところで、下げた7番手から巻き返す。打鐘の2センターで主導権を握った井上のマイペース。4番手を手に入れた佐藤友和は動けない。井上との車間を空けた小川勇介(写真)が、直線で追い込んできっちり井上を交わした。


 「恵まれました。前(井上)があれだけ頑張ってくれてるんで、自分も(車間を空けるなり)なにかやらないと。調子が上がってきているんで、流れさえ向けばっていうのはありますね」


 別線をクギ付けにする先行策でラインを上位独占に導いた井上昌己は、「距離が長かった。キツかったです」と、苦しそうに振り返り、息を整えてこう続ける。


 「前を取った方が駆けやすいかなと。(打鐘の)2センターくらいから(仕掛ける)かと思ってたけど、ジャンからですからね。なかなか(先行を)しないですから。自分の戦法でラインで決められたのが一番です」


 九州勢に続いた大瀬戸潤一郎が、直線で外に持ち出すも前との差はなかなか詰まらない。


 「やっぱり違いますね、ワールドクラスは。(井上は)バックから掛かってたし、(まくりが)来る感じはなかった。内に来る人いないから、外を踏んでみたけど全然でした。自分も付いているぶんには楽なんですよ」

7R

選手の写真です。
岡光良選手

 赤板手前から藤田勝也が動くと、中団の金子幸央、さらには前受けの八谷誠賢も合わせて踏み上げる。結局、7番手で立て直した藤田が、2コーナーから再び仕掛けて打鐘前から先行態勢に。4番手を確保した八谷は、最終2コーナー手前から反撃開始。村上博幸も八谷に合わせて番手まくりに出る。村上は八谷を完全に合わせて直線に入ったが、八谷マークから外を踏んだ坂本亮馬が鋭く伸びて白星を挙げた。


 「八谷さんにあそこまで連れていってもらったので、八谷さんのおかげです。(八谷が)出切っていたら残したかったですね。ただ、(畑段)嵐士も見えたので、絡まれないようにと思って(踏んだ)」


 最終バックを9番手で通過した岡光良(写真)は、3コーナー過ぎから内に進路を取ると、直線で強烈な差し脚を発揮して2着で地元記念の準決にコマを進めた。


 「最後はスピードをもらったし、内のコースが空いてくれたので。(4コーナー手前で)阿部(大樹)と同じコースになった。でも、(阿部が)外を踏んでくれました。阿部も3着でよかったです。西武園の相性はいいイメージがある」


 内に入った岡に押し上げられるように外を踏んだ阿部大樹が3着。坂本を間に直線で内、外を強襲した同県同期の岡との準決進出に笑顔を見せた。


 「練習仲間でお世話になっているので、岡さんと(勝ち)上がれてうれしいですね。最終バックは、8番手だったので、落ち着いていけるところから行こうと。考えて動いているっていうより、体が勝手に動いていますね」

8R

選手の写真です。
門田凌選手

 初記念の門田凌(写真)が、強敵を撃破して連勝での勝ち上がり。レースは後ろ攻めの蒔田英彦が打鐘で前に出る。その上を門田が押さえて先行策。7番手の稲垣裕之は最終ホームから仕掛けようとするが、南関勢のけん制を受けてタイミングが狂う。結局、2コーナーから踏み上げるも不発。そのまま門田が、力強い走りで逃走劇を完遂した。


 「(南関勢が)待ってくれるような形になった。出切ってから、ワンテンポ落ち着けたのがよかったですね。(最終)ホームで稲垣さんが邪魔されているのもわかったんで、これは絶好の展開だと思いました。まず目標としていた準決に乗れてよかったです。S級に上がってからインフルエンザになってしまった。そこから悪かったんですけど、ルーキーチャンピオンレースが終わったくらいから踏めるようになりました」


 筒井敦史は門田にゴール前で迫るも、交わせずの2着。


 「門田君はすごいしっかりしていますね。掛かりも良かったですよ。抜きたかったけど、まずはそこまで形をもっていかないと。(車間を切って)稲垣を見ていました。最後は全開で抜きにいったけどダメでした。俺も感触は悪くないんですけどね。(中四国の)若手が育っているからこそ、追い込みもレベルを上げていきたい」


 中四国勢に付けた馬場勇は、3番手の仕事をきっちりと遂行。最後は、後ろから迫った内藤秀久との3着争いを制した。


 「みんな内ばかり来るから、警戒していました。内を締めるのでいっぱいですよ。最後は後ろの動きをギリギリまで見てた。今回が(今年)2回目の記念なんですけど。前回(1月立川)も準決に乗っているんですよ。もっていますね(笑)」

9R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 後方から打鐘で踏み込んだ鈴木謙太郎(写真)だったが、中団の吉田敏洋が外に振ったあおりで立て直しを余儀なくされる。再度、7番手から4コーナーで外に持ち出して仕掛けた鈴木が、吉田を乗り越えて前団をのみ込む。直線で迫る番手の芦澤大輔を抑えて、そのまま押し切った。


 「(仕掛ける)タイミングがズレた。吉田さんに振られたジャンのところでしたね。だけど、そのあと吉田さんが休んでいるのが見えたんで、その隙に行きました。いいころより出足は悪いけど、競輪は強くなったと思う。いまは流れに乗って仕掛けることができている」


 鈴木の踏み出しに対応して付け切った芦澤大輔は、4分の3車輪差の2着流れ込み。


 「前回も連係したから、強いのは知っている。彼(鈴木)自身、見てしまったところは反省があるだろうけど、最後は粘り強い踏み直しがすごかった。あれを抜いて自信をつけたかったけど、これが現状です」


 中団キープも鈴木の反撃でかぶった吉田敏洋は、仕掛けが遅れて3着がやっと。


 「ジャンの2センターで鈴木君が来そうだったんで、振って隊列を落ち着かせてと。荻原君が駆けると思ったら行かなかった。それであっと思ったところで行かれてしまった。反省が多すぎます。金子(貴志)さんに迷惑を掛けてしまった」

10R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 小川真太郎を警戒しながら金子哲大が、打鐘手前で主導権を握る。しかしながら、小川も怯むことなく強引に叩き出る。抵抗する金子を小川がねじ伏せると、中四国勢にスイッチした松谷秀幸がまくる。小倉竜二は松谷後位の武井大介をさばいて、最後は計ったように松谷を差し切った。


 「(小川が)出切ってから流したのもあるけど、3コーナーまで粘ってくれたら…。バックで(松谷に)来られてもっていくタイミングがなかった。(ラインで)決めたかった。少し力不足ですね」


 最終ホームで小川が金子を叩くと、松谷秀幸(写真)がすばやく中四国勢に切り替える。ひと呼吸入れて2コーナーからまくって、松谷は上々の動きを見せた。


 「初日の反省を生かして、いいタイミングで仕掛けることができました。自分で動いて、自分で位置を取って仕掛けられた。最高の形でレースができたと思います」


 小倉の絶妙なプレーで松谷とのワンツーならずの武井大介は、直線の入り口で國村洋をキメにいって3着。


 「小倉さんにさばかれて、自分も内に降りる余力は残っていなかった。でも、そのタイミングで小倉さんの後ろに付けられたし、國村さんのコースがなくなったのも大きかったです」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 竹村勇祐、宿口陽一の順で切った上を森川大輔が迷わず出て打鐘。森川がペースを緩めたところで吉本哲郎が反撃に出るが、ダッシュ良く森川も合わせる。最終ホームから両者の踏み合い。結果的に内から森川が盛り返して主導権も、浅井康太(写真)は4番手から自力に転じる。一気に加速して次元の違うスピードでまくった浅井が、後続をちぎって余裕のゴール。


 「(森川は吉本を)出すなら、それでいいと思っていた。(ラインの西岡正一とワンツーで)よかったです、お客さんに応えられたんで。(調子は)良さそうです」


 浅井の踏み出しに置いていかれた西岡正一だったが、あきらめることなく空いた車間をキープするように懸命に堪える。直線で宿口、竹村が迫って、横一線の2着争いを制した西岡が踏ん張った。


 「(浅井がまくって)行く時に自分がスリップした。あれでだいぶ空いてしまった。(内に)降りようかとも思ったけど、このまま付いていくしかないと。浅井が遠くにいたし、恥ずかしいです。後ろに食われるかと。西武園で助かったし、(最終)4コーナーからは踏めてます」


 西岡を追った宿口陽一は、最終4コーナーで外を踏んで竹村の中割りを凌ぎ3着。「流れ込みですから」と、振り返るも、地元記念の二次予選クリアには自然と笑みがこぼれる。


 「西岡さんの後輪がハネてコケたかと思った。(西岡が)離れているのは見えたんですけどね。(自分のレースの前にも)埼玉勢が準決に乗ってたんで、自分も乗れてよかったです。シューズのサンにちょっと違和感があるんで、微調整をしてみます。でも、(浅井との)差は縮まらないです(笑)」

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 優秀「ギャンブルレーサー関優勝牌」は、平原康多(写真)がファンの期待にきっちり応えた。レースは後ろ攻めの新山響平が、合わせて踏んだ平原を打鐘で押さえて先行策に出る。平原が4番手を確保し、前受けの三谷竜生は8番手で最終ホームを一本棒で通過。平原は落ち着いて2コーナーから仕掛けると、抵抗する新山をまくりでとらえて連勝を果たした。


 「三谷とか強い人が相手だと、中団を取るのもキツいですね。でも、仕掛けることができたし、新山を越えられてよかった。後ろの2人(木暮安由、武田豊樹)も強いから食らい付いてくれるだろうと思っていました。(ここまでに)空いたなかでトレーニングをして。ここ(地元記念)とダービーに向けていろいろやってきたし。まだ終わっていないけど、結果はついてきていますね」


 初日特選と同様、木暮安由が平原の仕掛けに続いて2着に入る。


 「あの辺(北日本勢を乗り越える時)は余裕がありました。(成田和也のブロックを受けても平原は)止まらないんだろうなと思いましたね。(平原の番手を回って)ジャンのところでの位置取りは勉強になりました。あとはバックからまくっていったし、まだ脚が残っているんだなと。強さを感じましたね」


 関東3番手を固めた武田豊樹は、前の2人と車間が空いておかれる。さらに、最終4コーナーで成田和也のブロックを受けるも、懸命に踏み続けて3着に入線した。


 「前の2人が的確なレースをしてくれました。(いつもは番手を回っているので)1車下げるとキツいですね。でも、あれで後ろに抜かれていたらどうしようもないので。しっかり車券に貢献できたし、練習の成果がでました」


 真っ向勝負を挑んだ新山響平だったが、結果はシンガリ負け。改めて平原の強さを思い知った。


 「一瞬、平原さんを合わせられるかもと思ったけど。全然ダメでした。強いですね。まくられちゃったけど、今後は抵抗できるように力をつけたいです」


 三谷竜生は後方に置かれて見せ場をメイクできなかった。


 「(平原が新山に合わせて動くのは)わかっていたけど、踏み遅れてしまいました。でも、状態は悪くないです。準決も自分のやることをやるだけ」

10R

選手の写真です。
新山響平選手
選手の写真です。
和田圭選手

 青板3コーナーから後ろ攻めの新山響平(写真)が上昇。5番手の鈴木謙太郎は合わせて出ようとするが、先に新山が誘導を降ろして赤板過ぎにハナに立つ。そこを吉田敏洋が2コーナーで新山を押さえて出る。吉田ラインに坂本亮馬も続く。新山は内に包まれた状態で打鐘を迎える。しかし、吉田が内のコースを空けると、新山は吉田をすくって最終ホームで主導権を奪取。その後も快調に逃げた新山が、そのまま後続を振り切って、今年初の記念決勝進出を決めた。


 「前々にと思ってました。運が良かったですね。(打鐘で)フタをされた時に、ヨコの動きでは勝てないなと思ってたら内が空いてくれた。初めてレースで内(のコース)に行ったかもしれないです。(ギアの)3.77がいいのか、体がいいのかわからないですけど、調子はいいです。(決勝は)簡単にはいかないと思うけど、先行で頑張りたいです」


 インを突いた新山にわずかに車間が空いた和田圭(写真)は、その車間をキープするように追走し2着でゴール。


 「フタをされた時に、(鈴木)謙太郎さんが来ていたら巻き返せなかったですね。(自分は最終バックで)新山と車間を空けて、吉田(敏洋)さんが来たら(車間を)詰めて踏もうと思ってた。でも、あれ以上車間を空けてたら離れてました。(新山が)強かったですね」


 内側からきた北日本コンビを追って、3番手に入った吉田敏洋は和田の動きに惑わされて3着流れ込み。


 「走ってる回数(経験)が違うでしょう(笑)。(坂本)亮馬には、内をすくわれたらいかんなと思っていたけど、あそこを空ければ来るのは新山しかいないと。あれでまくれればカッコいいけど、和田がどうすんのって。ちぎれているのか、うまく空けているのかどっちだろうって。あれ(和田)にやられた。自分はタテ脚は出てないけど、しっかりレースを見てつくれている。主導権を取れてない。でも、それほど悲観はしていない」


 包まれて仕掛けられなかった鈴木謙太郎は、最終2コーナー手前からまくり出たが不発。8着に終った。


 「展開負けですね。新山より先に動きたかったけど、先に(前を)切れなかった時点で、どう動くか考えていたら展開に追いつかなかったです。終始、余裕はあって外が空いてれば仕掛けられたので悔しいですね」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手
選手の写真です。
浅井康太選手

 赤板でじわりと浅井康太を押さえた三谷竜生(写真)は、中四国勢を受けて4番手。中四国ラインに続いた木暮安由と三谷の併走になるかに思われたが、木暮は打鐘の3コーナーでそのまま踏み上げる。門田凌が突っ張ってペースを上げると、木暮は小倉竜二が踏み遅れた番手に入る。阿部大樹が木暮に遅れてタイミングがズレた三谷だったが、最終1コーナーで外をけん制しながらまくりを打つ。逃げる門田の番手から合わせて出た木暮を三谷が沈めて1着。


 「阿部君の動きが邪魔になったけど、レースの流れで(仕掛けて)行けたことは良かった。(木暮に合わされて)苦しかったですけど、外側(併走)は得意なんで。調子自体はずっといいし、初日、2日目、3日目と徐々に良くなっている。決勝もしっかり走りたい」


 後方の浅井康太(写真)は、最終ホームで踏み上げるが三谷に合わされる。落ち着いて三谷、成田和也のあとを追って立て直し、2センターから外を踏んで2着に伸びた。


 「(まくりは)無理やり行ったんですけど、もうちょっと早く行けば良かったっていう反省点がある。あれで早めに行っても、ゴールまでもってたと思う。もう一度踏んでから伸びたし、もったいなかった」


 三谷とタッグを組んだ成田和也は、急造ラインもソツなく追走。最終3コーナー過ぎから内に小倉を押し込んで、ゴール寸前で木暮を交わして3着に上がった。


 「(三谷は)強いですね、余裕をもって走っている。三谷君がまくって、木暮君に合わされてどうかと思ったけど(三谷は)ずっと踏んでましたね。自分はまだ外を踏むには早い。内を空けたら小倉さんに行かれるだけなんでああなった。そんなに余裕はないけど、(決勝に)上がれたんでよかったです」


 「まだまだ自分の力が(周りと戦う)レベルにない」とは、主導権を握った新鋭の門田凌。木暮を合わせて敢然と風を切ったものの、三谷にまくられて力の差を痛感する。


 「みんな知っている人たちだったんで、そんな緊張はしなかった。でも、落ち着いてできたのか、できてないのかは…」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
芦澤大輔選手

 平原康多(写真)が無傷で決勝進出を決めた。レースは後ろ攻めの宿口陽一から動くと、中団の松谷秀幸、前受けの井上昌己と各ラインが一斉に動き出す。井上が松谷を突っ張った上を、宿口が赤板の2コーナーで押さえて主導権を握った。フカして駆ける宿口に対し、7番手の松谷が打鐘の4コーナーから反撃に出る。平原は松谷をけん制するが、止まらないと判断して番手まくりを敢行。力強く押し切って人気に応えた。


 「宿口がタレてきて。松谷をけん制したけど、行きそうだったから踏ませてもらいました。宿口は練習を一緒にしているし、気持ちは伝わりましたね。結果を出してやらないと申し訳ないと思って。(1着で)ホッとしました。後ろの芦澤(大輔)も付いてきてくれると思っていましたね。芦澤とは何度も連係しているし、同級生で気心知れた仲なので。(決勝は)優勝を意識すると勝てないので。自分の走りをしようと思った方がいい結果が出る。決勝も自力で芦澤とどちらかが優勝できるように」


 芦澤大輔(写真)が平原に続いて2着を確保。関東3番手から、しっかりラインを盛り立てた。


 「余裕があったというより、なにも考えずに集中していました。松谷も仕掛けてくるし、みんななんでもしてくるので負けないように。あとはマークだけはと思って。(宿口)陽一と平原にお世話になりましたね」


 中団を確保した井上昌己は、番手からまくった平原、芦澤を追走。中村浩士に絡まれる展開を乗り切って3着に入った。


 「位置を取るだけでいっぱいになってしまいました。2コーナーで詰まったけど、松谷も来ていたし、(中村)浩士さんも降りてきて。よく凌いだ感じですよ。とにかくキツかったです」


 後方から仕掛けた松谷秀幸だったが、関東の2段駆けに屈して8着。苦虫を噛み潰したような表情で、記者の質問に応えた。


 「(7番手に置かれて)最悪ですね。ちゃんと切れば良かったです。状態は悪くないんですけど…。悔しくてなにも言えない」


 平原の白星に貢献した宿口陽一は、「せめてバックは取りたかったですね。あと50メートルもてば。今後は脚をつけて。このあともダービーがあるので」と、さらなるレベルアップを誓った。


 


 


≪6R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)≫


 南関の地区プロのスプリント種目を7連覇中と、競技でも実績のある根田空史に人気が集まりそうだ。近況は体調を崩して一息だったが、回復して上昇ムード。


 「(前回からは)いつも通り練習してきました。最近はずっとこっち(カーボンフレーム)しか乗ってない。(練習は)ほぼ8割方カーボンです。こっちの方が日ごろから乗り慣れてます。(体調は)前回から落ち着いて、かなり楽になりました。(中5日でも)疲れも大丈夫です」


 ナショナルチームに所属している雨谷一樹のスピードからも目が離せない。ハードなトレーニングのなかで、レベルアップを実感している様子だ。


 「力を出し切れるように、前々にいて、行けるところから全開でいきます。(ここまでは)ナショナルチームの仲間とずっと練習しかしてないです。そのなかで、自分の中では強くなってると思います。少し疲れてはいるんですけど、やれることはやってきたんで」


 普段は追い込みが主戦法の東口善朋だが、巧みなレースセンスで見せ場を作りたい。


 「カーボンはたまに使ってます。地区プロも走ってるんで、不安はないです。とにかく強い自力選手ばっかりなんで、後方にだけは置かれない様に。位置を取ってからですね」


 伊豆のベロドロームで金子貴志や村上義弘らとの練習を経験している下岡優季は、競走得点以上のポテンシャルを秘めている。


 「(カーボンフレームでやっている)練習はそこそこ自信があるんで、それを出せればチャンスはあると思う。競技はやったことないですけど、穴をあけられるように。西武園は初めてですね。軽そうだし、スピードを生かせれば」