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させぼ競輪

SASEBO KEIRIN

85#

検車場レポート

  • 12/22 Wed.  (前検日)
  • 12/23 Thu.  (1日目)
  • 12/24 Fri.  (2日目)
  • 12/25 Sat.  (3日目)

1R

 林大悟が地元地区のトップバッターを務める。10月武雄、11月岸和田で連続準V。前回の地元戦でもきっちりと優出を果たしている。
 「調子は上向きではあるけど、思った感じではないかな。もう少し上げたい気持ちはあります。少し体重を増やしました。2キロくらいかな。あまり太らないタイプなので増量したくても大変なんです。中4日で疲れは少し残っている。でも、地元地区ですし気合入れて頑張ります」
 まだまだ自力のイメージも強い相川永伍だが、本人は戦法チェンジを目論んでいる。初日は同県の笠松将太に前を任せる。
 「自力が嫌いってわけじゃないんですけど、この先生き残っていくために何かを変えていかないといけない。しがみついていかないと。人の後ろはまだまだ勉強中だけど、やっていかないとできるようにはならないので。ただ、最近まで自力でやってたし、前の気持ちは分かる。前を走る選手に喜んでもらえるような競走をしたい」

2R

選手の写真です。
武田亮選手
 武田亮(写真)は今年後期から初のS級戦に臨んでいる。リーチをかけている節目の100勝を達成し、今年の集大成としたいところだ。
 「(S級で)自分的にはもうちょっと勝負できるかなと思っていました。1着は多いけど、ほどんど予選と負け戦ですしね。(通算100勝は)今節でできれば良いかな。直前はPIST6を走って、そのあとも練習はできた。ギアも違うし、感覚もかなり違ったので、練習で競輪の感覚に戻してきました」
 前回の小倉最終日に痛恨の失格を喫してしまった福永大智。S級1班の点数に手が届きそうなところでの失格だっただけに、メンタル面のダメージは小さくないが、すでに切り替えはすんでいるようだ。
 「もったいなかったですね。自分の甘さが出てしまいました。ここで点数を上げれば、1班をキープできると思ってたんですけど。でも、やってしまったことは仕方ないです。強い人だって失格はしてしまうし、強くなるための試練だと思って頑張ります」

3R

 岡崎智哉は初日を6連勝中。前回の豊橋では連勝で優出しており、勢いに乗っている機動型だ。
 「調子はいつも通りだし、疲れもないです。9月西武園で自転車を変えてから調子がいい。11月富山と、次の別府は違う自転車だったんですけど、前回から戻して感じはよかったです。特に先行とか、まくりとか、戦法にこだわっているわけではないので、しっかり自分のいけるところでいけるかだけですね」
 岩手コンビは師弟連係。師匠の佐藤友和に任された藤根俊貴は鼻息が荒い。
 「なんとなく(佐藤)友和さんと一緒だろうなって予感はありました。いつも通り積極的にいくだけですね。最近は踏んでも踏んでも進まなくて、自転車に力が伝わっている感じがしなかった。でも、直前の練習で自転車に乗るポジションを変えたらかなり良くなりました。スピードもタイムも出ていたので大丈夫だと思う」

4R

選手の写真です。
竹内翼選手
 竹内翼(写真)は伊東記念から中2日での参戦。過密なスケジュールになるが、前回の競走を省みて今節の巻き返しを誓った。
 「前回はピリッとしなかったですね。自分の中でも情けなかったし、思うところがありました。レースが立て込んでいたので気持ちの切り替えが難しかった。今回はしっかりと前回の自分のレースを思い返してきました。ピリッとした開催にしたい」
 11月当所で特別昇級を果たした伊藤慶太郎が追加で参戦。一回り大きくなってS級の舞台に返り咲いた。
 「追加は嬉しいですね。自分の力がどこまで通じるのかを確認する意味でも、今は積極的な競走をしています。2、3年振りの9車立てなので、そこも確認しながらですね。まだまだ足りない部分もあるけど、その中でもやりようはあると思っています」

5R

選手の写真です。
佐藤幸治選手
 地元の先陣を切るのは佐藤幸治(写真)だ。前回の小倉は鮮やかなまくりで連勝を飾っており、ムードは良好だ。
 「前回はギアを落として走ってみたのがよかったですね。展開もあると思うけど、感じはよかったです。(地元記念は)年一回なので、やっぱりここに向けてっていうのはありましたね。計画的に練習して、しっかり上積みを作って小倉を走れたし、調子はしっかりできました」
 前回岸和田では決勝に駒を進めた金子幸央だが、決勝戦は不慣れな番手戦に悔いが残った様子。ここは本来の自力戦で気持ちを入れ直す。
 「前回は前の黒沢(征治)君が頑張ってくれたんですけどね。自分の技量不足が出てしまいました。でも、自分がS級に戻ってきてから関東の若い子達がすごく強くて、自分も助けてもらう場面が多くなっている。なので人の後ろの勉強もしないとですね。でも、その中でも自力のときはしっかり動けているし調子は問題ないです。中3日でも疲れもないですよ」

6R

 中西大は10月久留米の優勝を含めて、直近6場所で9勝の白星ラッシュ。今節も台風の目となるのか、注目だ。
 「今年の3月頃から一人で練習をやるようになって、そこからだんだんと調子が上がってきましたね。直前は久留米にある実家に帰ってゆっくりしてきました。前回(伊東記念)は初日でやらかしてしまったので、今回は最低でも2勝。最終日に最低でも特秀戦を走れるように頑張りたい」
 小畑勝広は伸び盛りの22歳。S級の波に揉まれながらも、着実に力を付けている。
 「佐世保は一昨年の記念の時にレインボーカップで走って、9着をやってしまった。でも、その後に1、2班で走って完全優勝できたので悪いイメージはないですよ。ずっと茨城で練習してるんですけど、今は吉田兄弟が強過ぎて練習がキツいです(笑)。初日から相手は強いですけど、9車の競輪をしっかり勉強したいので力を出し切れるように頑張ります」

7R

選手の写真です。
小森貴大選手
 寛仁親王牌でGI初勝利を挙げるなど、小森貴大(写真)は冬場に入って調子を上げている。
 「いい感じに調子は上がってきていると思います。以前よりもタイミングを見極めて先行できるようになったし、先行して結果が付いてきているから脚力が付いてきたんだと思う。冬の重いバンクは得意ってほどでもないけど、あまり気にならない。もう一皮むけたいですし、もっと脚力を付けていきたい」
 地元の瀬戸栄作が1番車。組み立ての巧さには定評があるだけに、地の利を生かして意地を見せたい。
 「ある程度厳しい戦いになるとは思っていましたけど、近畿がかなり強力ですね。でも、細切れ戦の方がやりやすいですし、せっかくの地元記念だから頑張りたい。最近は成績はついてきてないけど、脚は悪くない。力を出し切りたいですね」

8R

選手の写真です。
土生敦弘選手
 近畿期待の機動型、土生敦弘(写真)が2度目のGIIIに挑戦する。11月武雄GIIIでは積極的な競走が目立ったが、今場所はどう組み立てるか注目だ。
 「7車立てと9車立ては全然違うものだし、7車立てはスプリントみたいな競走になることが多い。でも、9車立てだと後ろになってしまうと厳しいので、武雄では積極的に先行しました。ただ、今回は先行だけじゃなくて、やってみたいこともある。まだまだ9車立ては勉強中なのでいろんなことをやってみたい」
 松岡辰泰は武雄GIIIで準Vの成績を収めた。その後の豊橋は一息入ったが、今節は立て直してくるか。
 「普段通りやってきたし、調子は問題ないと思います。武雄は出来過ぎだと思ったし、気負わずリラックスして走れれば。最近は熊本ではガルちゃん(上田尭弥)がめっちゃ強い。自分も負けない様に頑張りたい」

9R

 関東の重鎮・武田豊樹が9Rに登場。ここは東日本連係で橋本智昭に前を任せる。
 「前回(の準決で)長島(大介)君に離れてしまって、自分の中で感じる事がありました。でも、その中で2勝できたのはよかったです。伊東記念は追加だったんですけど、ここが今年最後の開催になると分かっていたので楽しみにしていました。橋本君とは初めて連係します。他地区に付くと良いモチベーションになるので、こういう番組はありがたいですね」
 武田に任された橋本智昭は、緊張の面持ちでインタビューに応えた。
 「佐世保は昨年のレインボーカップ以来なので1年振りですね。成績が上向いてきたのは日ごろの練習の積み重ねだと思っています。武田さんとは対戦もしたことがないです。緊張しますね。展開に応じてしっかりと仕掛けていきたいです」

10R

選手の写真です。
平尾一晃選手
 平尾一晃(写真)は地元期待の若手だ。師匠の井上昌己と連係する為にも、なんとしても勝ち進みたいようだ。
 「地元記念は2回目です。かなり緊張しますね。(前走は)腰痛が出て休んだんですけど、ここに向けて不安なく走りたかったし、大事を取って休みました。もう大丈夫です。師匠と地元記念で連係したいので予選は勝ち上がりたいですね。練習はバッチリですし、欲を出し過ぎずに攻めていきたいです」
 最近は優出がない石塚輪太郎だが、本人は問題無しを強調する。
 「この後の開催が地元記念なんですよね。なので、そこに向けてかなり強度の高い練習をしているし、競走でも積極的にいくことを心掛けてやっています。FIは7車立てですし、自分は9車の方が走りやすい。今回は最終日のレインボーカップに弟(慶一郎)が来るんですよ。それよりも後ろのレースを走れるように頑張りたいです」

11R

 輪界を盛り上げている熊本の若手だが、嘉永泰斗は10月熊本記念in久留米でGIII初制覇を飾るなど、その中でも際立った成績を残している。
 「前回の前に結構練習をやったので、豊橋は疲れが残っていました。そこから7日空いたし、今回は大丈夫だと思いますよ。佐世保はチャレンジのときから結構走っているし、S級でも決勝に乗れています。今年最後の開催なので、良い締めくくりにしたいですね」
 伊藤裕貴は落車直後の12月和歌山は連勝したが、その後の同月岸和田は未勝利。状態面が気になるところだ。
 「疲れもあったので、ここまでは追い込むことはせずにほとんど自転車に乗っているだけみたいな感じでしたね。落車して、和歌山では変な感じがあったんですけど決勝に乗れた。でもやっぱり次の岸和田は駄目でしたね。今回は疲労を残さないようにやってきたけど、一走して確かめたい」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手
 深谷知広(写真)は伊東記念から中2日での参戦。新田祐大らとの激戦から、どこまで回復しているか。
 「全日本トラック選手権もあって(伊東記念は)日程が詰まっているなかで、最低限でしたね。正直言って疲れはあるけど、気合で頑張ります。今年はオリンピックがあって、静岡にも移籍したし、変化の多い充実した1年でした。来年はグランプリを狙える位置にいたいので、今年の最後はしっかり締めくくりたい」
 新山響平も深谷と同じく全日本トラック選手権に参加。競輪は決勝2着だった競輪祭以来の参戦となり、ファンの期待も高まる。
 「全日本トラック選手権では優勝できなかったモヤモヤも残りましたね。競輪祭を走って、手応えもあったけど結果だけは満足できなかった。あとは結果が出せるようにですね。佐世保は何回も呼んでもらっているし、記念の決勝で2着にも入れた。相性も良いのかなと思っているし、優勝を狙って頑張りたい」
 和田健太郎はこれが今年S班として走る最後の開催。最後までその重責を全うする。
 「本当に落車の多い1年でした。S班のプレッシャーで調子を崩したとかじゃないし、単純に落車にやられた1年でした。伊東記念ではずっと自転車をいじっていて、3日目にバシッと決まった感じがあった。ここに来てって感じですけどね。それが今回も良い方向に出るかは分からないけど、今回は楽しみですね」

1R

選手の写真です。
松岡貴久選手
 笠松将太、神田龍の順でインを切り、打鐘で林大悟が叩いて先行態勢に入る。林がライン3車できれいに出切ると、番手の松岡貴久(写真)は最終2コーナーから車間を切って別線の反撃に備える。徐々に車間を詰めていった松岡は、中団から追い込んだ佐藤一伸に合わせて踏み込んで林を差し切った。
 「今日(初日)は良かったと思う。朝起きた時に腰が痛くなかった。踏めているし、ずっと楽でしたね。ただ、余裕がない分、早めに踏んでしまった。ラインで勝ち上がれたのは良かった。風もなかったし、(林の)掛かりも良かったと思う」
 打鐘先行の林大悟が、別線を完封して逃げ粘った。
 「自分の戦法は決まっているので。松岡さんにはお世話になっているし、いつも残してもらっているから、それをイメージして仕掛けた。バンクは軽かったし、好きなバンク。掛かりが甘かったからメリハリをつけたい」

2R

選手の写真です。
伊原克彦選手
 前受けの飯田憲司が、3番手から先に動いた才迫開を赤板で突っ張る。才迫が車を下げて3番手の位置に戻ると、武田亮が打鐘目がけて一気に叩く。関東勢を追った福永大智は、その勢いを殺すことなく仕掛けて一気に武田を叩く。福永の番手で車間を切った伊原克彦(写真)が、まくりで迫る才迫をけん制しつつ抜け出した。
 「福永君はダッシュを生かした競走をしてくれると思っていました。福永君の組み立てと仕掛けのタイミングが良かったですね。自分の感じは悪くない。しいて言うならもっと楽に前を残したかったですね。人の後ろが久しぶりで焦ってしまった。後ろを回る時と、前で走る時の気持ちの切り替えに戸惑っていたんですけど、その辺の使い分けというか、気持ちのコントロールができるようになってきた」
 福永大智が2着に逃げ粘り近畿ワンツー。前回失格の悪い流れを断ち切った。
 「才迫さんが先切りするかなと思っていたんですけど、飯田さんが突っ張って、武田君も切らなかったので逆に自分たちに展開が向いた。武田君はやっぱり先行で強いし、すんなり駆けさせたらキツいなと思っていた。積極的にいけて、出切れて良かったです。(前回の失格が)色々勉強になっているし、生かしていきたい。結構落ち込んだけど、やってしまったことは変わらないし頑張るだけです」

3R

 初手で3番手の位置を取った岡崎智哉は、赤板から動き出した別線の動きには乗らずに、車間を空けた8番手で反撃の機をうかがう。打鐘過ぎ3コーナーから仕掛けた岡崎に反応して、先頭の藤根俊貴もペースを上げるが、岡崎はお構いなしに最終1コーナーで叩き切る。別線の巻き返しはことごとく不発に終わり、岡崎が逃げ切りで初日の連勝を7に伸ばした。
 「スタートは前受けかなと思ったけど、九州勢が取ってくれて多少、やりやすくなった。引いてから1回目のチャンスを逃がさずにいけた。(3場所前)富山、(2場所前)別府とフレームを変えたけど、うまくいかず、前回の豊橋から勝負できるフレームに戻した。フレームを変えた時に力ずくで踏む感じになっていたけど、前回が終わってから修正して良くなったと思う。気持ち良く先行できた。脚も変わらず良い状態だと思う。佐世保は久しぶりだったけど、走りやすかった」
 岡崎マークの鷲田佳史が2着に続いた。
 「ワンツーで良かったです。8番手になるのは想定していた。前回の豊橋で稲毛(健太)に離れていたから、今日(初日)は踏み出しでミスをしないように集中した。豊橋が終わってから修正するトレーニングをしていたから今日は何とかでした。腰は大丈夫です。腰が悪かったら、今日も口が空いていたと思う。1走したことで気持ちが楽になったし、明日以降はリラックスして走れると思う」

4R

 赤板を過ぎてから伊藤慶太郎がジワリと上昇するが、3番手から竹内雄作が合わせて出て伊藤を突っ張る。ペースが上がり、7番手で戦況を見極めた竹内翼は最終ホームからの巻き返し。先まくりの竹山陵太のさらに上をまくって白星発進を決めた。
 「(竹内)雄作さんよりも後ろから、先に動いて先頭に立ちたかった。赤板で押さえに来るのが遅くて、雄作さんも突っ張っていたので思っていた展開と違った。けど、しっかり仕掛けられて良かった。でも、ジャン過ぎの2センターでは踏み込んで叩ければ良かった。仕掛けたのはいいけど、そういうところを逃してしまっている。今開催のテーマはピリッとだったので、気持ちを入れ替えて、後ろが岩津(裕介)さんだったし、1着を取れてピリッとしました。脚自体は変わりないですね」
 3番手から先まくりに出た竹山陵太は、竹内翼には上をいかれたものの2着。高配当の立役者となった。
 「みんな先行選手だし、スタートは自分が出ないと始まらないと思っていました。赤板で誰も動かず、雄作がかなり踏んだので出させても良いなと思って、3番手に引いて考えようと思ったら一番いい展開になった。展開がかなり向いたけど、まくり切れているし状態はいい。力んじゃったので明日(2日目)は肩の力を抜いて走りたい」

5R

選手の写真です。
古川貴之選手
 打鐘過ぎに伊東翔貴がカマして主導権を奪い、地元の佐藤幸治は7番手に置かれる苦しい展開。佐藤は最終1センターから反撃を開始するが、前のあおりもあって2センターで外に浮いてしまう。佐藤の勢いをもらった古川貴之(写真)は、空いた中のコースに進路を取ると、鋭く伸びてゴール前で強襲した。
 「取れたら中団からが良かったんですけどね。みんなに警戒されていて佐藤君も仕掛けるのが難しかったと思う。福田(知也)さんが内に降りたから自分のコースはここやろうと思っていったが、まさかアタマまでいくとは。けっこう伸びましたね。7車立てより9車立ての方がいいですね。今日(初日)みたいに最後までいけるところがある。来期はA級なので、いい形で今開催は終えたいですね」
 伊東の番手で絶好展開を迎えた竹村勇祐だが、古川に伸び負けて2着。
 「真後ろに金子(幸央)君が見えて気になりましたね。(10月平塚の)落車でフレームが壊れて、今は予備のフレームを使っているけど、物足りないです。状態は徐々に上がっている」

6R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 後ろ攻めから関東勢が押さえるが、中西大はその動きには続かずに7番手の位置で構える。小畑勝広がそのまま徐々にペースを上げるが、中西は打鐘過ぎ3コーナーから反撃を開始する。中西は驚異的な加速で前団をのみ込み、最終バックではきれいにライン3車で出切る。中西にピタリと付け切った柴崎淳(写真)が鋭く差し切った。
 「中西君は小畑君を気にしながらの組み立てでしたね。ジャン(打鐘)から行ってくれているし、自分は余裕があった。取手の準決で中西君とは失敗しているので、もう失敗できないなって気持ちはあった。配分が空いて、自分の状態を見つめ直して吹っ切れた部分があって強めに練習してきた。タイムも良いし、それを抜けているからいいですね」
 中西大は持ち前のパワーとスピードを存分に発揮して、別線に力の違いを見せつけた。
 「(赤板で関東勢を追走しなかったのは)弱気だったからですね。前回の失敗もあって、今回はセッティングを変えてきたから探り探りでした。前があれだけ緩めるなら付いて行って叩けば良かったですね。(打鐘の)4コーナーを降りた時は良いスピードだったけど、この感じなら差されるなと思っていた。柴崎さんは自力もあるし仕方ない。疲れはたまってますね。間もなかったし、体が重たかった」

7R

 赤板で切った瀬戸栄作は、近畿勢のカマシを受けて打鐘で4番手の位置を確保する。瀬戸が最終2コーナーから仕掛けて、松岡健介のけん制も乗り越えると、最後は番手の森山智徳が鋭く差し切った。
 「(瀬戸)栄作が強かった。押さえて飛び付いて、言うことなし。全部やってくれた。(瀬戸が)3着まで沈んでしまったと思ったけど、ワンツーで良かった。1着を取り始めてやっと余裕が出てきた。追走して前団を乗り越える時にも余裕があった」
 好位から鋭いまくりを繰り出した瀬戸栄作が2着。地元記念でうれしい勝ち上がりを手にした。
 「スタートは失敗しました。後ろ中団がいいと思ったらみんな出ていって取れなかった。切って伊早坂(駿一)君が来ると思ったら、来なくて小森(貴大)さんが来た。横関(裕樹)さんが脚を使っていなかったから先に仕掛けられるのが嫌だったし、小森さんも流していて松岡さんが仕事する前に仕掛けようと。ゴール前はキツくて交わされてしまった。地元記念で準決勝にいったことがないから、今回こそはいきたいですね」

8R

 打鐘で切った松岡辰泰を、土生敦弘が叩いて先行態勢に。すんなりと3番手を確保した松岡だが、中近勢とは車間が空いてしまい思うように前との距離が詰まっていかない。最終4コーナーを過ぎても土生のスピードは落ちることなく、そのまま力強く逃げ切った。
 「車番がいいので、初手は選べると思っていたし、いい位置を取れた。松岡さんだったら出させてくれると思って、そんなに踏まずに出切れた。ホームで仕掛けてくることもないと思っていたので(最終)2コーナーから踏み上げていった感じです。掛かりは悪くなかったですね。(佐世保は)まだ1走しかしてないけど、風もないし軽くて走りやすかった。金子さんはGIを走っている選手ですし、逃げ切れて良かった」
 思惑通りに好位を確保した松岡辰泰は、まくり追い込むも4分の1車輪届かず2着まで。
 「初手は土生君の後ろから、切って叩きにくるところを出させてからまくろうと思っていました。緩く叩きに来たので、突っ張るか迷ったんですけど、サラ脚で3番手に入られるのが嫌で出させた。自分が思った以上に車間が空いてしまって、(最終)2コーナーで仕掛けたかったんですけど土生君の踏み直しもすごくて行けず、土生君が強かったです。同期だからこそ悔しいです。車輪を新品に変えて軽かったけど、キツかったです」

9R

 切った窓場千加頼を菅原大也が押さえにいくが、近畿勢後位から橋本智昭が合わせて出ようと強引に踏み上げる。橋本に後れを取った武田豊樹が最終ホームで追い上げて前団がもつれると、日野博幸がカマして主導権を奪う。後方でじっくりと脚をためた窓場千加頼は、最終1コーナーからまくり上げて徐々に位置を上げていき、4コーナーで先頭に出切ってゴールした。
 「前回が悪過ぎてお客さんに迷惑を掛けていたから走る前は不安だった。しっかりと落ち着いてレースを運べた。橋本さんを警戒しつつ、切るアピールをしたくて早めに動いた。(調子は)前回から変わっていない感じはするが、記念の成績が良くて、準決まで進めている。9車立ての方が今の戦法に合っていてやりやすい感じがする。1着で自信がついたから、2日目も自分のレースをします」
 窓場マークの筒井裕哉が2着。同地区の頼もしい後輩を素直に称えた。
 「後ろ攻めとも、あんなに早めから押さえるとも思っていなかった。(窓場は)1回動かして落ち着いて仕掛けてくれた。スピードが違いましたね。抜ける気はしなかった。フレームを変えたり、自力のときのセッティングにしたりして良くなってきた。余裕も出てきた」

10R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 赤板で押さえた九州勢に単騎の多田晃紀が続き、それを堀内俊介が追う。前受けの石塚輪太郎は車を下げ切らず、中団以降は併走になる。さらに1車追い上げた堀内は多田をキメて3番手を確保。まくった堀内に続いた佐々木雄一(写真)が、外から迫る石塚をけん制して抜け出した。
 「(堀内は)中団、中団主体に走ってくれると思っていた。平尾(一晃)君が先行の気持ちが強そうだったし、あの位置を取ってくれて良かった。(堀内は)石塚君のところで併走だったし、迎え入れる準備はしていたんですけど、そんな心配はいらなかった。後ろを確認したときに石塚君がすぐ後ろにいるのが分かったし、自分がもっと車間を空けていればワンツーが決まったと思う。余裕がなかったですね」
 中団の内で併走していた石塚輪太郎は、最終ホームで佐々木にキメられて車を下げる。佐々木を追う形で石塚が2着に入った。
 「前受けしてキツくなるメンバーではないと思っていたし、スタートけん制が入るなら前でいいと思った。要所、要所で位置取りが甘すぎました。(赤板で)多田君を入れている時点で失敗だし、(打鐘の)堀内さんの追い上げにも立ち遅れていた。上にいけばいくほど隙はないのに、隙だらけのレースをしてしまいました。直線の短い佐世保であそこまで届いているので、脚はいいと思う」

11R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
 赤板で押さえた南関勢に、中部勢と近畿勢も続く。だが、嘉永泰斗(写真)は下げ切らず、近畿勢と5番手内で併走になる。ペースが上がり、角令央奈に踏み勝った嘉永が最終ホームからまくり上げるが、伊藤裕貴がそれに反応して先まくりに出る。西村光太との外併走を制した嘉永が伊藤の番手を取り切り、ゴール寸前で伊藤を交わした。
 「本当は初手で前から2番目の位置が欲しかったですね。フタをされてしまったし、内から2番(伊藤)の位置で粘りたかったんですけど、遅れてしまったので反省点はある。まくりにいったけど、伊藤さんが合わせてきて、内に9番(西村)がいるのも分かった。3コーナーで当たってきたら当たり返してと、その辺は思った通りにできた。イマイチ疲れが抜けてなくて集中力がいつもよりもなかった。体は大丈夫です」
 伊藤裕貴は嘉永に交わされて2着も、自身の思い描いた通りにレースを運べたようだ。
 「(スタートで)角さんが前に来たので、とっさに引いた。あの並びなら嘉永君と角さんで併走になると思ったし、スタートで角さんを前に入れたのは自分でもうまかったと思う。それがすべてでした。(嘉永と角が)併走になっていたのは分かったけど、しゃくられるのも嫌なのでかぶる前に仕掛けました。デキ自体は良くないかな。でも、悪いなりに勝ち上がれたので」

12R

選手の写真です。
柏野智典選手
 後ろ攻めの新山響平が上昇を開始すると、単騎の柏野智典(写真)が北日本勢にスイッチ。前受けの深谷知広は誘導を残したまますんなりと新山を出させて7番手まで車を下げる。深谷の反撃がないのを確認した新山は打鐘前からペースアップ。グングンと加速していく新山に対して別線も巻き返すことができず、隊列は一本棒のまま最終周回に入る。直線では菅田壱道が絶好かと思われたが、3番手から柏野が鋭く中を割って1着。波乱の決着となった。
 「特に作戦は決めず、新山君と深谷君のスタートの取り方で位置は決めようと思っていた。深谷君がスタートを取りづらそうに取ったので、後ろ攻めの新山君ラインを追った。新山君の踏んでいる感じだと、深谷君に出られることはあっても出させることはないと思った。ハイピッチになれば自分にチャンスはあるなと思っていた。自分の伸びも悪くないけど、菅田君のミスもあったと思う。このメンバーで1着を取れるとは。不思議な感じです」
 新山を援護して交わした菅田壱道が2着。
 「深谷君との2分戦みたいな感じだと思っていたし、押さえて引かせてから、場所によっては出させるか、突っ張るんだろうと思っていた。ジャン(打鐘)前で踏んでくるなら出させたんだろうけど、深谷君が来なくて、(新山)響平もあれって感じで。そこからペースでしたね。前回の立川の決勝の反省もあったので、柏野さんが内に入ったのが分かって、(柏野に)当たりながら踏んだ。響平の横に並んだ時に響平が退避したんですよ。それで柏野さんのコースができた。技量不足で響平を残せなかったけど前回の反省は生かせた」
 中団を確保した井上昌己は、最終バックからまくって3着。
 「あの(初手の)並びなら深谷君は引くだろうと思っていた。本当は(最終)2コーナーから仕掛けようと思ったんですけどね。付いてもらっているし追い込みにはならないように。でも、新山君の掛かりがすごくて脚を削られていた。まあ、戦える脚はあるかな。あとはキレですね」

6R

選手の写真です。
竹内翼選手
 松岡辰泰は中団の竹内翼(写真)にフタをしてから打鐘で叩いて先頭に立つ。松岡がペースを上げるが、竹内は打鐘過ぎ1センターから反撃を開始。竹内は小川勇介のけん制を乗り越えて九州勢をまくり切り、番手の柏野智典の追撃も振り切って連勝を決めた。
 「(フタされて)引いてもチャンスはないし、いけるタイミングはあると思って余裕を持っていました。(連勝は)出来過ぎですね。気持ち的に切り替えられている。中2日で、広島バンクに松浦(悠士)選手と清水(裕友)選手が来てて、その練習に加われた。練習の空気がピリッとし過ぎてて僕もピリッとできた。それが一番大きいですね」
 出切ってから車間を空けて態勢を整えた柏野智典だが、思うように車間は詰まらず、竹内を差し切るには至らず。レース後は反省の弁を並べた。
 「(竹内は)思った通り、切ったところをタイミングをみていくって感じだと思っていた。踏み出した感じのスピードとか、あの感じだったらかなりタレるんじゃないかと思ってしまった。近藤(隆司)君のまくり追い込みが気になって車間を空けたんですけど、そこから(竹内は)加速していった。1番人気になっていたのに申し訳ないです。体的には問題はないです」

7R

選手の写真です。
林大悟選手
 先行態勢に入った福永大智に、中団の林大悟(写真)が打鐘過ぎから襲い掛かる。林は澤田義和が福永に口が空いた隙を見逃さずに一旦は福永の番手に収まる。林はまくってきた伊東翔貴に合わせて最終2コーナーから番手まくり。園田匠も振り切って1着でゴールした。
 「結果的にラインで決まってよかった。判断とかが甘い部分があった。仕掛けのタイミングもミスった。ただ、車間が空いたのが見えてそこを目がけて仕掛けたら番手にすっぽりはまった。伊東さんが来たのが見えたからダメでもいいからと思ってまくったら園田さんと合流する形になった。要所で力が入っているし、初日より状態は良い」
 園田匠は道中で林との連結を外してしまうも、追い上げて林と再度ドッキング。2着をキープした。
 「ワンツースリーなので良いけど、お客さんには迷惑をかけた。(林)大悟が強かった。あんなに早く大悟が仕掛けるとは思っていなかった。追い付く余裕はあった。伊東君に被らずに仕掛けてくれたのも良かった。脚は問題ないし、リカバリーもできた。準決は持ち味を出したい」

8R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 前団を切った才迫開を押さえた嘉永泰斗は、藤根俊貴のカマシを受けて3番手を確保する。前と車間を切ってタイミングを取った嘉永は最終ホームからの仕掛け。武田豊樹のけん制をしのいでまくり切り、2着に3車身差を付けて完勝した。
 「本当は前中団から藤根さんのようなレースがしたかった。叩いてから、藤根さんを出させて岡崎(智哉)さんが来たら合わせようと思っていました。(打鐘過ぎ)4コーナーで岡崎さんが見えたので、車間を詰めながら仕掛けました。出脚が悪くて、その分武田さんに仕事をされてしまった。武田さんの横でモコモコしていたし、その辺は修正したい。出切ってからはしっかり踏めたし、初日よりも全然いい。準決はもっとメンバーもキツくなるし、気を引き締めて走りたい」
 武田豊樹(写真)は嘉永のまくりは止められなかったが、坂本健太郎を弾いて2着に入った。
 「結果的に藤根君が好きなパターンになりました。カカリはよかったですね。(最終)1コーナーで止められればよかったんですけど。自分はまだまだ経験不足で技術不足。自分の中ではまだ形になっていない。一生懸命頑張って身に着けていきたい」

9R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 打鐘で前に出た堀内俊介は中西大の巻き返しに反応して、最終ホームで一気に踏み上げる。勢いよく前団に迫った中西を、鈴木裕(写真)がブロックするが止められない。が、鈴木は今度は松岡健介をさばいて俊敏に中西後位にスイッチ。直線で交わして1着を手にした。
 「中西君を止めたかったですね。でも、勢いがよかった。それに内をすくわれるのも考えて遠慮気味になってしまった。中西君がカマすのはわかっていたから、堀内君は3番手でもいいと思っていたけど、気持ちが入っていましたね。調子はすげーいいですね。落車して体のことで気が付くことがあった。それで体のことを考えて練習とかに取り組んだら、今回は調子がいいですね」
 後方に置かれた佐藤一伸だが、最終2コーナーから粘り強くまくり上げて2着に強襲した。
 「恵まれた。一回、前に出てから考えようと。瀬戸(栄作)君が中西君に合わせて出ることも考えていたけど出ていかず、それなら瀬戸君よりも先に仕掛けようと思って仕掛けた。たまたまスピードが出てくれた。調子は良いけど、混戦で伸びているだけなんですけどね」

10R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 前受けから下げた深谷知広は、土生敦弘が押さえたところを打鐘で一気にカマしていく。土生も猛抵抗するが、やはり深谷のスピードが違う。最終ホームではラインの佐々木雄一(写真)と共に出切ってしまう。別線の反撃もなく、絶好の展開を迎えた佐々木がゴール前で深谷を微差交わした。
 「他はみんな警戒してくるだろうし、前を取らされて下げてっていうのは深谷君も分かっていたと思う。あとはすかさず巻き返してくれました。土生君のダッシュもすごかったけど、深谷君の脚力の方が上をいっていた。あの展開じゃ誰も来ないだろうし、土生君もまくれないだろうと思っていた。しっかり集中していたし、人気に応えられるように精一杯踏んでいました。1カ月間練習して体を作り直して、よくなっている」
 若手の挑戦を力ずくで叩きつぶした深谷知広が2着に逃げ粘った。
 「(スタートは)誰か出てくれるならと思って待ったけど、誰も出なさそうだったので前から組み立てた。いくべき場所で踏み込めたし、よかったと思う。土生君のダッシュはよかったけど、出切れるなって感触はあったし、もし粘られたら後ろにお任せしようと思って安心して走っていた。疲れがあって、昨日(初日)は疲れを取りたいって思いで気持ちが前を向いていなかった。いい意味で疲れは諦めたし、どうやったら前に進めるかって気持ちに切り替えられた」

11R

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窓場千加頼選手
 前受けの菅田壱道が赤板で神田龍を突っ張り、石塚輪太郎がその上を押さえる。下げた神田は石塚が流したところを打鐘で叩いて先行。菅田は7番手に追いやられ、石塚が中団を確保して最周回へ。2コーナーから先に仕掛けた石塚が、岡本総のブロックをかいくぐってまくり切ると、最後は窓場千加頼(写真)が鋭く差し切った。
 「恵まれたような展開でした。頑張ってくれる石塚君を追走しただけですね。頼もしかったです。番手ってことで、石塚君の戦法の中で自分のできる事をやろうと思った。岡本総さんに絡まれそうになったけど、そこをしのいでブロックも対処できた。あとは引き付けて差すだけでした。記念の決勝はまだ走った事がないので、与えられた番組でしっかり勝負したい」
 巧みに中団を確保してまくった石塚輪太郎が2着で準決勝へと駒を進めた。
 「車番的に前か、後ろしかないと思っていた。あの並びなら前受けはリスクがあると思って後ろからでした。菅田さんが引いたのを見て、来なければ先行だし、来れば中団だなと思っていました。本線を後方に置くのがセオリーなので。岡本さんのブロックが強烈で、乗り越えられてよかった。9車の方が何パターンも作戦を作れるし得意。もうちょいキレが出るように修正したい」

12R

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井上昌己選手
 青板バックで動いた伊原克彦に対して、新山響平はすんなりと7番手まで車を下げる。金子幸央が勢いよく伊原を叩き、さらに新山は打鐘前2コーナーからカマして出る。新山にピタリと付け切った井上昌己(写真)が絶好展開を迎え、直線で鋭く新山を交わした。
 「(新山は)すごいっすね。ジャン(打鐘)から行ってますから。九州にはいないタイプ。緊張は多少ありました。新山君のカカリがすごくて、交わせないかなと思ってゴール前の踏み込みがちょっと早くなってしまった。金子君を引き連れる感じになってしまいました。状態は悪くないですね。後は展開です。決勝にはなんとしても乗りたいです」
 カマシで別線を完封した新山響平だったが、わずかに末を欠いて2着は金子幸央と同着。決して満足はしていない様子だった。
 「(スタートは)誰も出ないし前だと思っていた。詰まったポイントで行こうと思っていて、そのタイミングがあそこ(打鐘前2コーナー)だった。前が流してたので楽に出切れました。悪い感じはないけど末が(甘い)。(1周半は)いつも踏んでいる距離ですし。脚を使って前に出た金子さんと同着なので。キープする感じの先行になっていたし、もう少しメリハリを付けたい」
 新山のカマシにライン3番手の松尾信太郎は離れてしまい、井上後位は金子幸央が確保する。ギリギリまで仕掛けを待った金子は、直線で外を踏み込み、新山と2着同着となった。
 「車番が悪かったし、できる限り前の方を取りたかったけど、奇跡的に前中団が取れてチャンスができた。勇気を持って叩いて勝負できた。組み立ては完璧だったけどもっと脚があれば仕掛けられている。現状では精一杯です。でも、新山君と同着までいけると思わなかったし、脚力が付いたと思う。嬉しかったですね」

10R

選手の写真です。
新山響平選手
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金子幸央選手
 竹内翼が中団の新山響平(写真)にフタをすると、新山はすんなり車を下げて7番手へ。竹内は赤板2コーナーから一気に踏み上げて中西大を叩きにいくが、中西も突っ張って両者でもがき合う展開に。力ずくで竹内は中西を叩き切るも、今度は間髪入れずに新山が最終ホームで巻き返す。岩津裕介、柏野智典が相次いで新山を外に張るが、それを乗り越えた新山が後続を突き放した。
 「スタートはどこからでもよかったし、他が出てくれるなら中団がよかった。竹内さんが早目に踏んで切りにいったおかげでチャンスができた。自分のペースを変えず、詰まったところを逃さずにいけた。柏野さんのブロックを警戒していたら岩津さんが飛んできて、すごい膨らんじゃった。後ろは付きづらかったと思う。我慢して回して、外を走ったし、柏野さんもブロックできないと思ったら来られてしまって。なんとか乗り越えられたけどGIだったら乗り越えられていないし、もっとうまくまくりたい。今年初めて記念の決勝に乗れてホッとした。(決勝は)欲を言えば先行で逃げ切りたいですね」
 単騎の金子幸央(写真)は初手から近畿勢を追うも、道中で最後方に置かれる。新山に離れた佐々木雄一が別線に絡んで前がもつれると、最終バックから外をまくり上げて2着に突っ込んだ。
 「ひとまずスタートを出て、中団以内が欲しかったけど思いのほか前を取れたので、後ろの動向を確認して動いていこうと思った。中西さんがもっと踏んで竹内さんのことを合わせるかと思ったら、出られた瞬間に新山君が飛んできた。整う前に来てしまったので苦しかった。でも、(最終)2コーナーでゴチャついて、チャンスはあるなと。踏むしかないと思ったし、新山君までは無理でも2、3着ならと思って全力で気持ちを入れて踏みました。決勝に乗れているし状態はいい」
 中西大を叩き切った竹内翼は、岡山勢の援護を受けて3着に逃げ粘った。
 「思った展開ではなかったです。中西さんを叩くところが勝負所だった。叩けてチャンスが広がりました。最後はいっぱいいっぱいで余裕はなくて、後ろの2人に仕事をしてもらってようやく残れた。感謝しています。(連勝の)勢いのまま来れていると思う。4日制の記念の決勝は初めて。これで前進できたと思う」

11R

選手の写真です。
深谷知広選手
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和田健太郎選手
 前団を切った窓場千加頼を叩いて嘉永泰斗が先行。人気の深谷知広(写真)は打鐘過ぎに車を下げ切って8番手の位置に置かれる。6番手から藤根俊貴、さらに4番手から窓場が仕掛けて最終バックはまくり合戦。しかしながら、深谷はさらにその上を豪快にまくって今シリーズ初の1着で決勝進出を決めた。
 「前受けになって、悩み所だったんですけど、前半のペースが上がっていたのでチャンスはあるなと思っていた。あおりをもらう前に自分のスピードが上がり切っていたので乗り越えられた。久しぶりにゴールまで踏み切れました。今のところ日に日によくなっている。疲れは絶対にあるけど、今年もあと一本なので。しっかり力を出し切って来年につながるようにしたい」
 深谷のまくりを巧追した和田健太郎(写真)が、直線で差し迫って2着。
 「深谷君は行き切るだろうなと思ったけど、自分はキツい。でも、自分の最近の感触ならギリギリだけど付いていけると思った。抜く抜かないは別として、あそこまで迫れている。あと一走で良くも悪くも今年が終わる。この感じをうまく引き続き持っていければ、FIでもGIでも戦っていけると思う」
 中団から先まくりに出た窓場だが、園田匠のブロックで勢いが鈍る。窓場マークの松岡健介は、湊聖二に絡まれながらも外を伸びて3着に入った。
 「スタートは深谷君の後ろがよかったけど、失敗しましたね。深谷君は後方待機になるし、(窓場)千加頼はピッチを上げさせてからまくりにいってくれた。千加頼の成長がすごい。バンクは軽かったし、疲れは抜けていると思う」

12R

選手の写真です。
井上昌己選手
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小川勇介選手
 スタートけん制が入り、九州勢は前受けからの組み立て。石塚輪太郎の上昇を突っ張った林大悟が、そのまま果敢に逃げる。佐藤一伸が追い上げて最終ホームで井上昌己(写真)にからむが、井上はそれを堪えて番手を死守。別線の反撃は及ばず、絶好態勢の井上が直線鋭く抜け出した。
 「地脚がないのでスタートけん制で脚を削られました。(林は)いいペースでいってくれた。(佐藤が)見えていなくて、油断していたけど仕上げられた。(林)大悟のカカリはよかったけど、ちょっと焦っていましたね。小川君と決まって良かった。寒すぎて感触は分からなかった。けど、明日(決勝)はもっと寒そう。色々考えてアップしたい」
 ギリギリまで内を締めていた小川勇介(写真)は、最終4コーナーを回ってから外を踏み込み、井上に8分の1車輪迫ってゴール。
 「(前受けは)想定外。でも(林)大悟に任せていたので。大悟が頑張ってくれた。ラインで結束できた。4番(石塚輪太郎)が見えたから、被る前に踏んだ。ギリギリまで内を締めてからでしたね。調子は上がってきている。(決勝は)九州の記念なので(井上)昌己さんと見せ場を作れるように頑張りたい」
 佐藤が追い上げ、菅田壱道とバッティングした鈴木裕は、内から盛り返して4番手の位置をキープ。直線で外を踏んで4着入線も、3着入線の佐々木龍が内側追い抜きで失格を取られて繰り上がった。
 「内に行ってしまって、結果的に後ろを失格にさせてしまったのは反省点です。でも、落車後に関わらず感じはすごくいいです。動こうと思えば動けました。ちょっと反省点が残るレースでした」


〈最終日9R レインボーカップチャレンジファイナル〉
 A級1、2班への特別昇班をかけた一発勝負は走る全員が119期生で、3着以内を目指す戦いは熾烈を極めよう。徳田匠は本格デビューから7度の優勝を積み重ねており、11月松阪ミッドナイトからは3連続優勝と、いよいよ本領を発揮し始めている。ここは同地区の石塚慶一郎とは別線を選択し、単騎での一撃にかける。
 「(佐世保は)競輪で走るのは初めて。(アマチュア時代に)国体で走ったけど、イメージは残っていないです。前回は感触はいいと思ったけど準決で差された。でも、決勝は今までで一番いいレースが出来たと思う。優勝は7回。優勝できているけど、ここ2カ月は準決を落としているので詰めの甘さが出ている。長い距離を踏めることが持ち味だけど9車は訓練でしか走っていないし未知数ですね。単騎で自力自在に、出たとこ勝負で流れを見ながら走りたいです」
 並びが注目された神奈川勢は、金田涼馬が先頭で北井佑季が番手を回り、梅田加津也が3番手を固める布陣。中核を担う期待は責任感を噛みしめながら語った。
 「前回(取手)は決勝で勝ち切れず。特進は意識せず普段から自力を出す意識で走っていた。2着だったのは力がなかったから。休みを入れずに練習した。普段通りいい感じだと思う。デビューしてから積極的なレースにこだわって勝ち切れるときもあったが、決勝で勝ち切れないことが多く、結果、特進できなかった。レースで番手を回るのは(本格デビューしてから)初めてです。前には前の責任、番手には番手の責任があるから今回は番手の責任感を持って走りたい。番手を回ることに不安はない。気持ちを込めて走りたい」
 窪木一茂は16年リオ五輪にも出場した、自転車競技中長距離種目の超エリート。10月の世界選手権、チャンピオンズリーグに出場していた影響もあり、競輪に参加するのは実に132日ぶりだ。
 「10月に世界選手権があったので、それにシフトして練習していました。競輪をおろそかにしたくないので、優勝を目指して競り勝ちたいです。6日に帰国して2週間の隔離期間があったのでその間は自宅でトレーニングしていました。そのあとはナショナルチームとは別で、外バンクで練習しました。素直にブランクはあると思っています。ここは平山(優太)君に任せます。彼は同地区だし、熱い気持ちを持っている。人の後ろは初めて。久々の競輪で、S級選手とたくさん会えて気持ちは高ぶっています」