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OGAKI KEIRIN

44#

検車場レポート

  • 3/9 Wed.  (前検日)
  • 3/10 Thu.  (1日目)
  • 3/11 Fri.  (2日目)
  • 3/12 Sat.  (3日目)

1R

 桐山敬太郎は前回の2月向日町で優出。決勝ではここでも対戦する川村晃司に敗れており、リベンジの一戦だ。ただ、メンバー表を見ると苦笑いを浮かべた。
 「1レース1番車が俺なんですか(笑)。まあ、頑張ります。川村さんには前回負けていますからね。その分も頑張りますよ。(向日町の決勝は)良い位置が取れたと思ったのに、松岡(篤哉)君が全然タレなかった。いつも通り自力自在に、何でもやります」
 その川村晃司は地元Vで勢いに乗ったかと思いきや、出てくるのは控えめなコメントが多かった。
 「(前回の優勝は)前が頑張ってくれたおかげです。自分は年末の落車からずっとよくなくて、しばらく調子が悪かった。直前の練習の感じもよくなってきてはいるんですけど、まだいいとは言えない感じでしたね」

2R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 佐々木悠葵(写真)が全日本選抜から中13日で追加参戦。2月当所FIでは優出しており、今節も関東の先導役として期待がかかる。
 「追加を聞いたのは3月に入ってからです。全日本選抜の前はバンクが使えなくて思うように練習ができなかったんですけど、今回は直前にバンクで練習できたので大丈夫だと思います」
 村田雅一は全日本選抜を2日目で途中欠場。近況は流れこそ悪いが、そろそろうっ憤を晴らしたいところだ。
 「練習はしっかりできています。外では乗れないし、室内練習がメインでした。(1月)高松では故障入線が2回で(2月)和歌山は落車。全日本選抜は欠場ですからね。まともに走り切れていないですし、ここでぶつけたいですね」

3R

 飯野祐太は2月平塚で連勝を決めたが、続く高知GIIIは連対する事なく終わってしまった。失った流れを取り戻したい。
 「最近は初心に帰ってペダリングを変えてみた。車を進めるような苦しいペダリングにしてみた。平塚ではその成果が出たんですけどね。高知は一歩目を踏み出す勇気が出ずに、何もせずに終わってしまった。今回は詰まった所で反応することを心掛けていきたい」
 今期からS級初挑戦の久田裕也は、これが2度目の記念。徐々にS級のレースにも対応してきており、ここでも持ち味の積極性を発揮したい。
 「1月(佐世保)の落車から体にズレがあったんですけど、今は力が入るようになりました。今回は見せ場を作れるようにしたい。個の力ではまだまだ足りないんですけど、ラインの力を借りて、みんなで勝ち上がれるように頑張りたいです」

4R

選手の写真です。
鈴木陸来選手
 鈴木陸来(写真)は前回の2月大宮準決で落車失格。自身の不注意が招いた結果だっただけに、今回はより一層気持ちを入れ直してレースに臨む。
 「完全に自分の不注意で落車してしまって、申し訳なかったです。ケガ自体は軽かったので、2日ほど休んでしっかりと練習してきました。大垣は去年のルーキーチャンピオンレースで走って落車。でも、その前にチャレンジ時代に走っているので悪いイメージはないですよ」
 竹内翼は追加配分だった3月名古屋記念から中2日での出場。最終日には同期の大石剣士から勝ち星を挙げており、良い流れのまま今節に臨めそうだ。
 「名古屋は追加だったので調整不足な感じだった。連日出し切れなくて駄目だったんですけど、最終日に1着が取れたので。今節はしっかり出し切れるように。前回の最終日のようなイメージでいきたいですね」

5R

選手の写真です。
橋本優己選手
 橋本優己(写真)は初めての地元記念を迎える。前検日はいつも通り、自然体で記者陣の前に姿を現した。
 「いつもと変わらずに走りたいですね。そこまで力もないし、変に意識すると失敗するので。地元記念までに点数を100点台に乗せたかったし、順調ではあるかな。それなりに走れているけど、9車立てだと流れが違うし、組み立てがまだまだです」
 橋本優の番手を回るのは地元同士の長尾拳太だ。
 「橋本君は練習仲間ですし、よく一緒に練習しているんですよ。いいレースをしていると思います。和歌山記念で2回連係していますし、強かった。信頼して任せていきます」

6R

選手の写真です。
阿部将大選手
 阿部将大(写真)は、GIII初挑戦だった2月高知でS級初優勝を成し遂げた。勢いのままに、今節もヒットを飛ばすか。
 「優勝は前のおかげ。でも、しっかり追い込めたのはよかったかな。マークも厳しくなるだろうし、獲っちゃったって感じでした。人気になると思うししっかり応えられるように。高知は得意バンクだったから、地の利を得られた感じ。400バンクの9車は初めてだし、手探りですけどやれるだけやりたい」
 若手の挑戦を受けて立つのは近藤隆司だ。
 「前回(伊東)失格してしまったんですけど、デビューしてから初めての失格でした。そこはショックでしたね。VTRを確認したら自分が思っていたよりも大きく動いていたし、焦っていて余裕がなかった。向日町から伊東に自転車を送ったのが間に合わなくて、前回はいつもと違う自転車だった。今回はいつものフレーム。9車は久々だけど落ち着いていけば大丈夫だと思う」

7R

 黒沢征治は前回の3月宇都宮で決勝3着。ラインから優勝者を出すことはできなかったが、決勝での思い切りの良い先行策は目を引いた。
 「宇都宮では長い距離を踏めていたし良くなってきたかな。最近は高い打点で踏めていなくて、長い距離をもがけていなかった。ただ、決勝はタレ過ぎでしたね。眞杉(匠)君が名古屋記念を優勝したけど強過ぎますね。自分も負けないように頑張りたい」
 芦澤辰弘が黒沢の番手を回り呼吸を合わせる。ここ2場所は決勝には進出しているものの、最終日の開催中止が相次いだ。
 「黒沢君は強いし良い競走をしてくれるけど、最近は抜いた記憶はないかな。前回から2週間以上空いたし状態は変わっている。高松宮記念杯に出場する為の点数がギリギリなんですよ。今月は勝負駆けだけど、気持ちを入れてきた分、練習をやりすぎちゃったかな」

8R

 全日本選抜2日目に失格を喫してしまった谷口遼平。今年は1月大宮記念から落車と失格が続いてしまっているが、地元地区の記念で悪い流れを断ち切りたい。
 「まずは4日間完走することを目標に。全日本選抜も失格はしてしまったけど、1位で入線することはできたので。悪くはないんじゃないかな。練習はやっているし、体の具合もだんだんよくなってきている。痛みもやっとなくなってきた感じです」
 地元の重鎮山口富生が登場。地元記念は実に16回目の出走だ。 「とりあえずは仕上げてきましたよ。地元記念は20年前から走っていますからね。大垣は活きのいい若手も出てきているから、自分は見守りながらって感じですよ」

9R

 地元の竹内雄作が9レースに出走する。毎年この季節は持病に悩まされていたが、今年は軽症のようで、初日から全力を出し切ってくれるだろう。
 「毎年花粉症がキツいんですけど、今年は去年や一昨年よりもかなりマシですね。(前回の)武雄はうーんって感じでしたけど、地元ですし頑張りますよ。とにかく初日は勝ち上がれる様に」
 2月奈良記念を途中欠場した坂口晃輔は、それ以降勝ち星から遠ざかっている。試行錯誤の末に、今節からフレームチェンジを決断した。
 「今回から自転車を変えます。流行りのビッグフレームとかも使ってみていたんですけど、自分には合わなかった。一周回ってオーソドックスなものにしてみようと思って。(竹内)雄作が力を出し切れればラインで決まりそうですね」

10R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 上田尭弥(写真)は昨年の当大会で決勝に進出。ここまでも万全の調整を施してきたようだ。
 「全日本選抜は初日が自分で納得のいくレースが出来ずに負けてしまって、2日目以降は先行でどこまでやれるかってことを意識して走った。でも納得できなくて、直前は合宿に行って、そこでしっかり練習できたしセッティングもいろいろといじって、良いイメージにすることができました」
 8月小松島の落車による長期欠場から、昨年末に復帰した津村洸次郎。2月防府で優出し、前回の高知GIIIは準決勝進出と、徐々に状態は上向いている。ここは九州の3番手から勝機を見出す。
 「状態はかなり戻ってきてはいます。結果も出てきているし、成績も点数も上がってきているので。不安もあるけど、そういうところと付き合いながらやっていかないといけない」

11R

選手の写真です。
松本貴治選手
 予選のメインを飾るのは松本貴治(写真)。朝日大学出身の松本にとっては岐阜は思い入れのある地のようだ。
 「岐阜は懐かしいですね。電車で来るときも、懐かしいなと思いながら来ました。最近は7車立てばかりで、自分の弱い所が出ている。9車立ては(12月)松山記念以来です。9車の方が自分の持ち味が出るので自分はこっちの方が好きですね」
 菊池竣太朗は2月静岡記念のあとは2場所欠場。復帰戦の予定だった2月川崎も開催中止となってしまい、久々の実戦となる。
 「川崎は中止になっちゃったけど、その時の仕上がり的には7、8割だったと思う。その分休みが伸びたので結構ガッツリ練習してきました。やり過ぎちゃったかなと思うくらい。同期の(松本)貴治さんは強いけど、自分も全くやれないような感じではないです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 連覇のかかった全日本選抜で優出を逃してしまった郡司浩平(写真)。その原因を分析し、次のビッグレースに向けてもここから立て直しを図る。
 「いつもは開催の後半にかけてよくなっていく感じがあるのに、前回は初日が一番よくて上がっていく感じがなかった。練習の感じが良すぎて、初日にピークが来てしまったんだと思う。この後のウィナーズカップまで詰まっているので、今回は疲れているかなってくらい強めに練習してきました。それがだんだん抜けてくればいいと思う」
 平原康多も、郡司と同じく全日本選抜から13日空いたゆとりのローテーションで参戦する。
 「全日本選抜では今までやってきたことがいい方向に出たと思う。これからはそれをさらに煮詰めていきたい。この後は中3日でウィナーズカップなので、やりすぎかなってくらい練習してきた。日に日に仕上がっていけばいいかな」
 山口拳矢が地元記念に初登場する。競輪祭での落車や体調不良もあったが、戦える状態には仕上げてきたようだ。
 「練習はしっかりしてきた。元々計画的に練習をやるタイプではないけど、8割くらいには戻ってきたと思う。まだ鎖関節を脱臼したところに金具があって、それの違和感はありますね。決勝にいけたらいいけど、レース勘は不安。初日特選を走れることはアドバンテージだと思うし、そこで確かめたい。駄目でも仕掛けたいですね」

1R

 幸田望夢が切り、藤井栄二が打鐘で勢いよく叩いて先制。幸田は中団に下げ切らず3番手内で粘って隊列がもつれると、桐山敬太郎は2センターからすかさず巻き返しに出る。これを藤井が突っ張って両者でモガき合ったまま最周回に入る。藤井が踏み勝って桐山を退けるが、桐山後位から成田健児が直線で強襲した。
 「全部、桐山のおかげ。追い上げて、真ん中に入るかと思ったけど、そのままいってくれたので。(併走になって)川村が下げてくれたっていうのはありますね。前回からは、(調子の)波は作るような練習もできないし普段通りの調整でした。一つでも上のレースを走れれば」
 藤井栄二は桐山との壮絶なモガき合いを制して、自身も2着に粘った。レース後は息も絶え絶えで、苦しそうにこう話した。
 「花粉症がすごいキツい。粘れてて合わせ切れたのはよかったけど、早めにペースを上げておけばよかった。ラインを連れ込めなかったのは残念です。花粉症のしんどさで、脚の感じは正直わからない」

2R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 松岡孝高が佐々木悠葵(写真)を切り、九州勢に続いた土生敦弘は佐々木にフタをしてから打鐘過ぎに前に出る。外が開けた佐々木は、すかさず2センターからカマす。近畿勢を一気に飲み込んだ佐々木がそのまま逃げ切った。
 「最近やっとバンクで練習できるようになってきた成果が出せたかな。1月からずっと(バンクで)練習できてなくて全然駄目だった。でもまだ全体的に重いし完全には戻っていない。昨日(前検日)はあまり眠れなかったので、このあとしっかり休みたいです」
 佐々木マークの小林大介は踏み出しで口が空いたものの、懸命に追い付いて2着をキープした。
 「佐々木君のいつもの得意な形でいってくれた。早めにいってくれてよかったけど、出切ってから流すクセがまだあるね。このクラスだと決まるかもしれないけど、3人で決まるようなインパクトのあるレースをしてかないと。自分は復帰戦だったし、心配が7割で楽しみが3割くらいだった。とりあえずって感じかな」

3R

 前受けの飯野祐太が、赤板で清水剛志の上昇を突っ張る。清水は車を下げ切らず、4番手外で久田裕也の外で併走してから踏み上げる。が、飯野は再度突っ張ってそのまま駆ける。飯野マークの永澤剛は、清水のまくりを止めてから直線で踏んで1着を手にした。
 「予想外の展開になりましたね。後ろがどうなっているかはわからなかったけど、誰かきたので、振ってでした。3番手に清水君が入っていたんですね。あの位置からこられると(仕事をする)タイミングが取りづらかったです。今日は(先行の番手だったので)展開です」
 内に包まれた久田裕也だが、清水剛志が打鐘過ぎに追い上げると外が開ける。最終2コーナーからまくり上げて2着に届いた。
 「(飯野が)突っ張るとは思っていなくて、内に包まれてしまった。落ち着いたら、確定板には届くって思ったけど、ラインで決めたいので、もうちょっとアクションを起こせれば。前がごちゃついて危なかったので全力で踏めなかったけど、感じは悪くない」

4R

選手の写真です。
竹内翼選手
 魚屋周成が切って、鈴木陸来は赤板2コーナーから勢いよく仕掛けて主導権を握る。前受けから下げた竹内翼(写真)は一本棒の7番手で最周回。3コーナーから大外をまくった竹内が1着だった。
 「(スタートで)中団に鈴木君が入ったのが予想外でした。九州が中団なら切って切ってでいこうと思っていたんですけど、どうしようか周回中に考えて、突っ張り気味に踏んでみてからって感じでした。魚屋さんが中団で苦しそうだったし、桑原(亮)さんが踏んだのも予想外だけど、ジャン(打鐘)の4コーナーでいけばライン3人で決まったと思う。気持ちの問題です。踏んだ感じもいいし、脚自体はいいと思うのであとは気持ちです」
 鈴木マークの東龍之介は4コーナー過ぎに鈴木を庇いながら前に踏むも、その外を伊勢崎彰大が鋭く交わした。
 「(東)龍之介も庇いながらだったし、自分は3番手で被らないようにとだけ考えていた。一回踏んだ時にいけるなって感じがあって、まくりを龍之介が止めれば3人でゴール前勝負できるなと思ったけど、なかなか来なかった。あんなに上は厳しい。年末ぐらいからよかったんだけど、寒さと、セッティングをいじったらちょっとおかしくなってきた。一回セッティングが出たんだけど、さらに上を求めたら深みにはまった感じ」

5R

選手の写真です。
橋本優己選手
 土屋壮登が赤板で切り、すかさず橋本智昭が叩いて打鐘前に先頭に立つ。7番手に置かれた橋本優己(写真)は打鐘過ぎ4コーナーから巻き返す。じわじわと前団に迫っていった橋本が大森慶一のけん制の上をまくり切る。そのまま後続を引き離して、初めての地元記念で1着スタートを決めた。
 「緊張しないようにと(前検日に)入ってきたけど、めちゃくちゃ緊張しました。前を取って引いて巻き返そうって思っていたけど、VTRを見たら仕掛けるのが遅かったです。そこは、9車への慣れと、あとは詰まるタイミングですね。バックくらいで出切って1着を取れて良かった。(2月)平塚あたりから、練習でも後ろからまくれるようになったし、今回も思ったより良かった」
 橋本優をけん制した大森慶一が直線で追い込んで2着。
 「(けんを制したが、橋本優は)外に逃げていきましたね。うまくかわされてしまいました。(橋本智が)頑張ってくれたし、自分は余裕もあったので、悪くないです」

6R

 小嶋敬二が切って踏み上げるも、阿部将大が打鐘で叩いて先制する。近藤隆司は最終ホーム6番手外併走からまくり上げる。勢いよく前団に迫るが、大坪功一のけん制もあって近藤隆の勢いは鈍る。最後まで失速せずに駆けた阿部が力強く逃げ切った。
 「元々あの位置から組み立てたかった。思いの他、小嶋さんに踏まれて脚を使わされたんですけど、それでも押し切れた。落ち着いていけて、要所で踏み直せた。人気に応えられてよかったです。競輪人生で一番緊張しました。今回はS班もいるので、そこが一つの指標だと思っている。積極的にいって、そこにどれだけ通用するのかですね。調子は高知の時よりも落ちるけど、それで逃げ切れたのは自信になった」
 阿部の番手で仕事した大坪功一が2着に入った。
 「(阿部が)強かったっすね。被っちゃったので抜きにいくタイミングを逃したのもあるけど、抜けていないので。ずっと同じペースで駆けていく感じ。自分の苦手なタイプではあるけど、近藤(隆)君は止めたかった。ちょっとスカスカしますね。セッティングとかは前回と同じなんですけど、ちょっと修正します」

7R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手
 6番手から切った阿竹智史を、後ろ攻めの高田修汰が押さえる。黒沢征治は赤板2コーナーから一気にカマして抵抗する高田をねじ伏せる。黒沢マークの芦澤辰弘(写真)が、4コーナーから鋭く追い込んで1着。
 「黒ちゃん(黒沢)が打鐘をめがけて駆け降ろしでいってくれたし、付きやすかったですね。(眞杉匠が)記念を先行逃げ切りで取るっていう離れ業をしていたし、関東の同じ戦法の若い子は刺激になると思う。バンクは重くて、直線が長いんですかね。久々のレースで緊張があったし、体は重かった」
 関東勢にスイッチした阿竹智史は、2センターから追い込んで2着に届いた。
 「状態もよくないので黒沢君にすんなり駆けさせると勝負権がなかったですからね。近畿勢に駆けさせるように動いた。(黒沢ラインに)切り替えてからまくれるのがいいんですけど、自信もないし、2コーナーで見てしまった。体調を分かって、付き合っていくようにしないと」

8R

選手の写真です。
山口富生選手
 切った九州勢に続いて、谷口遼平が赤板過ぎに押さえる。谷口は、坂本周輝の巻き返しに合わせて一気にペースアップし、主導権を譲らない。突っ張られた坂本は3番手の位置に外から斬り込むと、もつれを見た森山智徳がすかさず反撃。だが、谷口はこれも突っ張る。森山に踏み勝った谷口を、マークした山口富生(写真)がゴール寸前で差し切った。
 「(谷口)遼平がジャン(打鐘)で結構踏んでくれて、森山君も早く来たけど合わせ切って頑張ってくれた。ジャンから駆けて、ホームで突っ張って、バックで合わせ切ってくれましたから。あの形じゃないと自分の1着はないので。坂本君が(内に)入ってきて、その内に(宮越)孝治がいるのも分かったけど、思いのほか坂本君がサッと下げてくれたので余裕をもって追走できた。でも、バックで脚を使っていますからね。初日に1着でほっとしている。あとは僕のこの1着で(竹内)雄作や、(山口)拳矢や、(橋本)優己たちの若手に気合が入ってくれたらいいね」
 谷口遼平は地元の重鎮を背に、ほぼ2周誰にも主導権を譲らず自身も2着に粘った。ライン3人での決着をメイクし、完璧なレース内容と言っていいだろう。
 「出させる気はなかったけど、赤板からだったので、正直誰も来ないでくれと思っていた。迷いながら突っ張って、(坂本)周輝さんが降りたと思ったら森山さんがすぐ来た。(森山を合わせられるかは)ギリギリでした。自分には距離が長い。練習の感じもよかったし、ラインで決まって(山口)富生さんが1着で最高ですね。緊張しました」

9R

 スタートけん制が入り、中部勢が前受け。竹内雄作は赤板で動いた蕗澤鴻太郎を突っ張ろうと踏み上げるが、蕗澤は力ずくで押さえる。関東ライン3番手の山崎充央は離れてしまい、3番手には竹内がハマる。蕗澤マークの河村雅章は、前と車間を切ってけん制。車間を詰めた勢いのままに番手まくりに出て1着をつかんだ。
 「押さえていく時に(竹内に)突っ張られたのと、後ろに嵌られたのは誤算でしたね。(竹内のまくりを)しっかりと止められれば良かったが、直線でこられてしまいましたね。蕗澤君のおかげだし、まだまだだけど、徐々には良くなっている」
 佐伯辰哉は、最終ホームで中部ライン3番手の島野浩司をすくって5番手を確保。内を進出して2着に入った。
 「2周からハイペースになったし、2人(竹内、蕗澤)とも強いなと思っていました。自分は内、内をいっただけですね。とりあえず中を割るしかないと思ったけど、鋭く伸びる脚はなかったです。1着までいければ良かったけど、8分の1車輪足りなかったです。明日(二次予選)はレースを作れるように」

10R

選手の写真です。
小笠原光選手
 赤板で5番手から窓場千加頼が先に切る。中近勢に続いた上田尭弥は、打鐘で窓場を押さえて先頭へ。小笠原光(写真)は車を下げ切って8番手で脚を溜める。上田が徐々にペースを上げる中、小笠原は最終ホームから巻き返す。上田も合わせるように踏み上げるが、スピードに乗った小笠原がバックでまくり切る。そのまま後続を突き放した小笠原が、上がり11秒2の好タイムでS級初勝利を飾った。
 「(S級初勝利は)めちゃくちゃ嬉しいっす。やっとですね。どこからスタートしても上田さんの先行だと思っていたし、それなら前受けからがいいと思った。下手に粘るよりは一発狙っていくしかなかった。久留米で松岡(辰泰)君とか、(松本)秀之介たちと練習している成果が出た。スピード練習をやってきたので。正直ホッとしました」
 鈴木誠は小笠原の加速に離れてしまい、上田尭弥が2着に逃げ粘った。
 「後ろ中団を狙ったんですけど、スタートがうまくいかず後ろ攻めでした。4コーナーで出切ってペースだったんですけど、2コーナーでも自分の中ではしっかり踏み切れたし、単純に小笠原さんが強かった。合宿してきて感じはいいまま入れているし、悔しいけど今はこのまま先行でどこまでやれるかってレースをしていかないといけない」

11R

 佐川翔吾を叩いて菊池竣太朗が主導権。前受けだった松本貴治は車を下げて、打鐘過ぎ2センターからの仕掛け。前団に迫っていった松本だったが、最終1コーナーで石塚孝幸が斜行し、接触して落車してしまう。吉永好宏も乗り上げる。目の前の落車を間一髪避けた池田憲昭は、2コーナーから自らまくり上げて2位入線。菊池の番手から抜けだした石塚孝幸が1位入線だったが斜行失格で、池田が1着に繰り上がった。
 「(松本)貴治の仕掛けを見ていたところで落車して、(避けたのは)ギリギリでした。こけそうな雰囲気があったので避けることができた。それからは、バックを踏むよりもいった方がいいと思って。状態は悪くないと思う」
 逃げ粘った菊池竣太朗が2着に繰り上がり。
 「まずは動いて前にいないと。(松本)貴治さんが早めにくれば、中団に飛び付いてで、くる感じがないなら、そのまま先行勝負で。(川崎が中止になり)前回から間も空いたのでしっかりと練習ができた。アクシデントはあったけど、自信にはなりました。今回も深谷(知広)さんたちとしっかりと練習をしてきたので」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 前受けから下げた森田優弥が、打鐘で一気にカマして主導権を奪う。単騎の山口拳矢が埼玉勢を追って3番手を確保。森田マークの平原康多(写真)は最終1コーナーで車間を切って、山口のまくりをけん制する。それでも山口は踏み続け、最終バックではその山口の外を郡司もまくり上げる。判断を迫られた平原は3コーナー手前から番手まくり。山口を合わせ切り、外を迫る郡司もおさえて平原が先頭でゴールを駆け抜けた。
 「スタートは前か後ろで、誰も出なかったので前からって感じで。(森田は)いいペースだった。すぐ後ろが山口君だったし、一瞬迷ったんですけどその外を郡司が来ていたので踏ませてもらいました。(疲れは)気になるほどじゃないし、日に日によくなってくれればいい」
 切って4番手からまくり上げた郡司浩平が2着。
 「森田君が前を取った時点で前受けカマシだろうなと思ったし、流れを殺さずに、切ってから考えようと思っていました。山口君を一車入れるのかの判断で、結果的に脚を使わずに下げました。ホームの1コーナーで詰まったところでいけなくて、山口君の外を回された。もうちょっと早めにいけばよかった。疲れている割には動けている」
 単騎で絶好のポジションを確保した山口拳矢だが、平原に番手から出られては3着が精一杯。
 「初手の位置はそこまで考えていなくて、前を取って下げたラインがカマすだろうし、そこに付いていこうと思っていました。ホームから詰まったんですけど、車間を切れなくて平原さんにうまくやられてしまった。脚は全然いい。一応位置取りもできたし自力も出せたので」

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 スタートけん制が入り、岩本俊介(写真)が前受けになる。赤板前からゆっくりと上昇した土生敦弘は、2コーナー付近で切って小笠原光を打鐘で出させる。北勢を追った竹内雄作が間髪入れずに小笠原を叩いて最終ホームで主導権を握る。すんなり引いた岩本は最終バックを7番手で迎えるが、3コーナーから車を外に持ち出すと、抜群の加速力で大外を伸びて前の6人をまとめて飲み込んでゴール寸前で強襲した。
 「もうちょっと若手が竹内君に挑戦するようなレースをするのかと思ったんですけどね。土生君も遅めに押さえてきたから、一応踏み上げて出させた。前受けになる可能性は高いと思ったけど、仕掛けが遅くてラインに迷惑をかけた。調子は前回と変わらずって感じですね。昨日(初日)は番手で経験不足が出たけど、そうも言ってられないし勉強していきたい」
 叩かれた小笠原に続いての4番手から直線勝負となった大森慶一が2着に入る。
 「初手はあの位置(6番手)がよかった。後ろから押さえるのが土生君か、竹内君かっていうだけなので、3番手か最悪5番手は取れると思っていました。(竹内が)結構カカってましたよ。後ろが来る気配もないし、竹内君が強かった。余裕はあるし、思った通りに踏めた。1着かと思ったけど、あれ(岩本のまくり)は仕方ない」

7R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 谷口遼平が切った上を阿部将大が押さえ、打鐘で幸田望夢が叩く。打鐘過ぎ2センターで谷口が5番手から仕掛ける。阿部も3番手から合わせて出ようとするが、幸田も突っ張り、阿部はアンコになる。隊列が短くなり、こうなると7番手で脚をためた山崎芳仁(写真)の出番。豪快なまくりでまとめて一蹴し、3月11日に白星を挙げた。
 「(スタート)けん制があったので、前からになりましたね。谷口君が仕掛けてくれて、展開が向いた。前が動きだしたので、いけるところからしっかりといった。日ごろ練習しているおかげですね。(今日が東日本大震災の日で)集中してアップをしました。昨年は逃げ切りでしたね。一生忘れることはないです。力が変わることはないが、展開が向けば仕掛けるし、向かない時はうまく立ち回りたい」
 マークした菊地圭尚が食い下がり、北日本ワンツーが決まった。
 「山崎さんが一番得意のパターンになった。あれは抜けないですね。全部、大事なレースですけど、今日が一番大事だと思っていて、出ている以上は結果にこだわりたいなって。(大垣は冬期移動先で)それが一番の強い気持ち。お世話になっているので」

8R

選手の写真です。
森田優弥選手
 赤板で押さえた橋本智昭を橋本優己が叩きにいくが、これを橋本智が突っ張って両者で激しいモガき合いに発展する。前受けから下げた森田優弥(写真)は打鐘過ぎ4コーナーから巻き返す。消耗戦を一気にカマした森田に芦澤辰弘が続き、それ以降は大きく車間が空いてしまう。森田が力強い踏み直しで芦澤の追撃を退け、押し切った。
 「スタートは前か中団からで、(芦澤が)2番車で前を取れたので流れでいこうと思っていました。展開が向いていけましたね。昨日(初日)と自転車のチェーンを変えて、あまりよくなかったので明日(3日目)は戻そうと思っています。疲れとかは問題ないですね」
 芦澤辰弘が森田に続き準決勝進出を決めた。
 「2番車のスタートは難しいんですけど、後ろ攻めだったら隊列が回って最終ホームで後方になりそうだったので、前か中団かだった。(森田は)橋本(智)さんが突っ張るところのダッシュもしっかり反応して飛び付いていたし、隊列が整う前に仕掛けているし、さすが。色々な経験を積んで、モノにしてきているね。平原さんの前で走ってきているだけある。自分はジャン(打鐘)先行でも抜けないし、頑張っても2分の1車輪ですよ」

9R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 打鐘前に佐伯辰哉が勢いよく出てメイチで駆ける。佐伯と車間を切った阿竹智史(写真)は、菊池竣太朗の巻き返しを確認すると最終2コーナーから番手まくり。後続を6車身突き放して1着でゴールした。
 「(山田久徳の)押さえ方が勢いよくいったので、佐伯が駆ける形になりましたね。距離は長いなと思っていて出てでしたね。後ろがからまれているのは分からなかったし、竜さん(室井竜二)と2人で決まると思った。昨日(初日)と状態は変わりなく、佐伯が駆けてくれたおかげ。前の頑張りと展開ひとつです」
 赤板で切った山田久徳が、中四国勢後位を取り切る。阿竹に離れた室井竜二を外から交わして2着に入った。
 「車番が悪かったし、(4番手に)飛び付いた時に脚を使っていた。菊池君が行った時のホームでは脚がたまっていなかったですし、阿竹さんが出たのが見えて、室井さんとの間をいこうかと迷って失敗ですね。バックを踏んだし、それからだったので。展開が良かったのでラッキーしました。昨日、今日と自力を出せる展開ではなかったし、自分で思っているよりよくはないけど、戦える」

10R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 後ろ攻めの久田裕也が赤板で山口拳矢を切る。初手中団の佐々木悠葵(写真)は中四国勢の動きには続かず、7番手で様子をうかがう。久田は徐々にペースを上げるが、佐々木は打鐘過ぎ3コーナーで一気にカマす。最終ホームで出切った佐々木に対し、山口は2コーナーからまくり上げる。勢いよく前団に迫ったが、佐々木は強烈な踏み直しで山口を合わせ切り、会心の逃げ切りを決めた。
 「誘導(のペース)がかなり上がるので、前に出るのに脚を使う感じになると思って、中団を取ったとしても中四国のラインには付いて行かないと決めていました。踏み出しは5割くらいで踏んで、(関東ライン)全員が出切ったなと思ったのでバックまで流して、要所で踏み直せた。バックで(山口が)来たのが分かって踏み直したんですけど、山口さんは強いので最後は必死でした。練習してきた成果が出せたと思います」
 山下渡がカマシにピタリと続いた。
 「中四国に付いて行かないのも思った通りで、7番手から緩んだらいくって思っていました。強かったですね。以前付いたこともあるんですけど、加速がすごかった。踏み出しはそんなに踏んでないって言ってたけどキツかったですね。前のおかげですけど、調子は悪くないです」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
 前受けした黒沢征治を、磯島成介が切る。その動きに続かなかった竹内翼は、2コーナーからのカマシを狙うが、中団から黒沢が合わせるように叩き出る。磯島を強引に叩いた黒沢はペースを落とさない。黒沢と大きく車間切った平原康多(写真)が、詰める勢いのままに直線で抜け出した。
 「(黒沢が)気持ちで走ってくれました。(打鐘の)あそこでいくとは思っていなかったです。黒沢も本調子ではなくて、いつものグっていう伸びていく感じではなかった。やれることはやったんですけど。(連勝は)後輩が頑張ってくれたおかげ。ウィナーズに向けて練習をやってきて、体が戻っていけば。走っていて疲れは感じないし、気持ちでカバーできている」
 磯島が黒沢に叩かれると、坂本周輝は埼京勢にスイッチ。最終2センターから外を踏んで2着に突っ込んだ。
 「(磯島が)いってくれたおかげ。打鐘で踏まされていたし、(関東勢が)ホームをめがけてくるなって思っていたので、4番手にスイッチできましたね。人の後ろで、自力を出したわけではないので、感じは分からないです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 スタートけん制が入って南関勢が前受け。赤板で切った藤井栄二を上田尭弥が叩きにいくが、藤井が突っ張って踏み合いに発展する。戦況を見極めた郡司浩平(写真)は、最終1コーナーから仕掛ける。踏み合う両者をまとめて一蹴した郡司が、危なげなく1着で準決勝に進出した。
 「出なければ前受けからで、その中でしっかりと仕掛けどころを逃さないように。展開も向いたけど、あのタイミングでいかないと、いき切れないと思った。あそこでいかないとさらに詰まったり、張られたりっていうのがある。しっかりまず出切って踏み直せたし、明日(3日目)につながる収穫のあるレースだった。疲れているなかでも、特に感じも悪くない」
 マークした東龍之介が2着。だが、レース後は反省に終始した。
 「首の皮一枚つながりました。郡司と練習は一緒にやっているけど、練習と競走は違うというか、さすがSS班だなって。(郡司は)ずっと落ち着いていたし、逆に自分は焦っていて余裕がなくて、口が空いてしまって反省です。落ち着いて走って対応しないといけないんですけど。連日前の頑張りで勝ち上がらせてもらっているし、この流れを取りこぼさないようにしたい」
 神奈川勢後位を固めた仁藤元太が3着に続き、南関ラインで上位独占を果たした。
 「自分は付いていっただけ。前の状況はちゃんとは見えなかったんですけど、(郡司は)いっちゃうんだろうなと思って、(東)龍之介のケツだけ見ていた。(東が)離れていた分付いていけた。(この3着は)大きいね。(競走得点が)1点でも欲しいので」

10R

選手の写真です。
山口拳矢選手
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村田雅一選手
 初手は中団の山口拳矢(写真)が先に切ろうと動き出すが、赤板過ぎに山崎芳仁が突っ張る。山口は中団に引いて態勢を立て直すと、2コーナーからカマした土生敦弘に合わせて再度踏み上げて山崎を叩く。山口は土生ラインを受けて4番手を確保。最終2センターから車を外に持ち出し、鋭く突き抜けて地元記念の決勝へと一番乗りを決めた。
 「無理に踏み合ったら相手のモノだし、落ち着いて。(土生は赤板2コーナーの)下りでは来るだろうなとは思っていたので前に出ました。(中団を取ってから)行こうとしたタイミングで音が聞こえて、長尾(拳太)さんがすくわれたんだなって思って大事にいった。後ろが付いていれば無理やりにでもいって2、3着には入れると思ったけど、長尾さんが浮いているのが見えた。踏み出しは微妙だけど、伸びはいいですね。(組み立ては)作戦通り落ち着いて迷わずいけた。昨日(2日目)不甲斐なくても(お客さんが)応援してくれて力になった」
 村田雅一(写真)は土生の番手から外に張りながら直線で追い込むも、山口に4分の1車輪伸び負けて2着。
 「本当はフタをしたかったけど、(山口が)先に切るだろうなとは思っていました。(土生は)その中で落ち着いていってくれた。(山口)拳矢君が4番手に入ったのもわかった。風は多少あったけど、(土生は)いい掛かりだった。残したかったけど、仕掛けが遅かったし、僕としては仕掛けてきてくれた方が良かった。練習はできたけど、2日間思うように力が出せなかった。今日(3日目)は土生君のおかげ」
 近畿勢後位を選択した石川裕二が、村田に続いて3着。17年青森以来の記念決勝へと駒を進めた。
 「前と番手のおかげ。ああいう仕掛けになると思っていました。1回口が空いたんですけど、追い付いて回せたし、最後は土生君を抜いて3着なので良かった。デキ過ぎです。記念の決勝は2回目です」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
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岩本俊介選手
 後ろ攻めの北日本勢が切り、四国勢が追う。前受けの森田優弥は3番手で阿竹智史と併走になる。隊列が短くなったところで、打鐘から岩本俊介がカマしていく。内に包まれた森田が2センターで阿竹を押し上げて、阿竹、池田憲昭、東龍之介の3人が落車する。1人になった岩本が後続を引き離して逃げていくが、森田は最終2コーナーからまくって差を詰める。4コーナーで岩本をとらえた森田が1位入線も失格。森田に続いた平原康多(写真)が、1着に繰り上がった。
 「(森田は)岩本を目標にまくっていって、ゴール前まで伸びていく感じで抜けなかったですね。ワンツーが決まったと思ったら(失格だった)。放心状態で、ちゃんと喜べないです。余裕がなかったら(落車を)避けられないと思うし、予測はできていてレースは見えている」
 東の落車で援護を失った岩本俊介(写真)は、埼玉勢にはまくられたが粘って2着。
 「展開が向いて、詰まったところからいくまでの仕掛けは完璧だった。でも落車があって。後ろの車輪がぶつかった衝撃で東君がいないのがわかった。単独になるとすごい重いんですけど、回して、まくりに備えていました。あきらめなかったし3着には入れるようにと。(初日)特選がグンちゃん(郡司浩平)の後ろで、二次予選は硬くなっていたので、今日(3日目)は出し切るレースができた」
 岩本のカマシに坂本は大きく車間が空いてしまう。坂本マークの飯野祐太は最終2コーナーから自らまくり上げて決勝に進出。
 「(坂本)周輝が頑張ってくれて、併走もわかっていたけど、カマされそうかなと思った。(岩本がいって)迎え入れてから、追いかけてくれて、その後に自分で踏んだけど、全然ですね。繰り上がりでの3着ですから。シューズを換えてみたんですけど、ダメだったので戻します。脚は悪くないと思うし、気持ちだけですね」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
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菊地圭尚選手
 後ろ攻めから山田久徳が押さえ、単騎の津村洸次郎が中近勢を追い、中団から郡司浩平(写真)もその後ろを追っていく。佐々木悠葵はすんなりと車を下げ、4番手の郡司は前と車間を空けて佐々木をけん制。郡司は打鐘過ぎ4コーナーから最終ホーム目掛けてまくり発進。逃げる山田をねじ伏せた郡司が、そのまま先頭でゴール線を駆け抜けた。
 「佐々木君がサッと引いたので、カマシ狙いで自分を7番手に置きたいんだろうなと思った。そうさせたくなかったので、中団からでもあのタイミングでいきました。すんなりタイミングを取らせたくなかったので、車間を空けながら、詰めながらって感じでしたね。あそこまで来たらいかないと詰まってしまって、佐々木君が行きやすくなってしまう。(ラインで)ワンツースリーが決まったことが一番うれしい。他地区でも信頼して付いてもらった以上は、そういうレースをしようと思っていました。思ったよりも踏み込みに重さを感じるけど、そこから伸びていく感じは良かった」
 郡司と初連係だった菊地圭尚(写真)が2着に続いて、思い入れのある地で決勝へ進んだ。
 「(前日は)寝れなかったですよ。(郡司は)普段見ていても落ち着きのあるレースをしているし、付いていてそれがよく見えた。(ホームで)いくだろうなって雰囲気があって、付いていくことだけに集中していた。結果を残したいなって気持ちが強くなって、調子が戻ったのもあるんですけど、いつもお世話になっている人たちのおかげ。(冬期移動先の大垣で)練習も楽しくさせてもらっているし恵まれている。(決勝も)最後まであきらめずに走りたい」
 郡司ライン3番手の大森慶一が3着に続いた。
 「(郡司は)いつも通りのレースをしてくれた。ちぎれそうだったけど、離れたら終わりだと思って必死で付いていきました。修正点はないけど、このクラスのレースになると余裕がない」