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おだわら競輪

ODAWARA KEIRIN

36#

検車場レポート

  • 8/23 Fri.  (前検日)
  • 8/24 Sat.  (1日目)
  • 8/25 Sun.  (2日目)
  • 8/26 Mon.  (3日目)

1R

 上田尭弥は6月久留米記念の落車から成績が安定しない。
 「落車してフレームが替わって、それからいい感じがしないですね。ずっと試行錯誤しながらやってます。前回の久留米は初日に失敗して、残りの2日間は2周駆けしました。終わってからは地区プロに出て、いい刺激をもらいました。S級に上がって1レースを走るのは初めて。しかも1番車ですからね。しっかり自力で力を出し切ります」
 杉本正隆は前回の地元取手FIで3年ぶりのS級優勝を達成した。
 「前回の決勝は自分で動かないとどうしようもなかったので、イチかバチか(川村晃司の番手に)行きました。頑張りました。調子的には普通ですね。良くも悪くもない感じです」

2R

 北津留翼は8月名古屋オールスターで大きな着が並んだ。
 「オールスターはあんまり感じが良くなかったです。最終日はシューズを換えたんですけど、それもあんまり良くなかったですね。終わってから地区プロの手伝いもあったんですが、セッティングもいじってきました。初日は前で頑張ります。タイミングを見て、行けるところから行きます」
 上原龍は8月弥彦FIの2日目に約3カ月ぶりの勝ち星を挙げた。徐々に上向いている。
 「セッティングとか試行錯誤しながら良くなってきています。弥彦もしっかり動くことができました。初日は細切れなんで、しっかり流れに乗っていきたいですね」

3R

 早坂秀悟は8月平FIで2勝。8月名古屋オールスターは惨敗したが、明るい光が見えてきた。
 「平から新車で初日は先行で試したいなって思っていたけど、まくりになってしまった。6走して自転車の感じはだいぶつかめてきました。また先行に戻したいなって思っているので、しっかり頑張りたいですね」
 松坂洋平は地元の記念に向けて、しっかり準備してきた。
 「ここに向けてしっかり練習してきたし、感じは悪くないですね。弟(侑亮・115期」と練習しています。小田原も悪いイメージはないです。力を出し切れるように頑張ります」

4R

選手の写真です。
嶋津拓弥選手
 嶋津拓弥(写真)は成績の波が激しいが、8月弥彦FIで今年初優勝を飾った。
 「S級優勝は2回目。2年半ぶりくらいですね。やっぱり優勝すると練習のやる気も出ますね。終わってから2週間以上あって、しっかり練習もできたし、状態も上がってきていると思います。地元なんでしっかり頑張ります」
 川崎健次は8月弥彦FIで準V。6月四日市FIの落車から復調している。
 「四日市の落車で肩が外れちゃって…。意外と響きましたね。2場所前の川崎から新車です。前回の弥彦から2週間くらい空いて、練習と調整の繰り返しでした。相手は強いですけど一戦一戦集中して、決勝まで勝ち上がれればいいですね」

5R

選手の写真です。
島川将貴選手
 島川将貴(写真)は今期初のS級1班昇格を果たした。初戦の7月名古屋FIで今年初Vを飾るなど波に乗っている。
 「名古屋の前がギックリ腰や疲れでひどい状態だったんですけど、結果は出ていますね。最近は練習でしっかりスピードが出るようになりました。前回の久留米が終わってから疲れも取れました。いま99勝ですけど、そこはあんまり意識してないです。33なんで後手を踏まないように頑張ります」
 飯野祐太は7月函館FIから3場所連続の優出と上り調子だ。
 「練習自体はずっとしっかりやっていたんですけど、最近は自転車と体の感覚が一致してきました。やっとですね。前回の松戸が終わってからは普通に練習してきました。小田原は走りやすいイメージです。自分のタイミングでしっかり仕掛けます」

6R

 岩本俊介は8月名古屋オールスターで3度の確定板入りを果たした。
 「腰が良くなって、しっかり練習できています。体力もついてきて、最近は長い距離が踏めるようになりました。オールスターも充実してました。終わってから1日休んで、250ケイリンのテスト走行に参加しました。全然、走れなかったです。初日はラインで決まるようにしっかり走りたいですね」
 野田源一は8月オールスターで3走とも大敗。持ち味を発揮できなかった。
 「オールスターは不甲斐なかったですね。全体のレベルが上がっているのか、自分の脚が落ちているのか。終わってから地区プロもあったので、疲れは少しありますね。自力で力を出し切ります」

7R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 嵯峨昇喜郎(写真)は7月にA級で9連勝を達成してS級に特別昇級を果たした。S級3場所目となる今シリーズは記念初参戦だ。
 「初戦の(7月)函館は決勝に乗れたんですけど、前回の(8月)久留米はコテンパンにやられました。久留米の前にシューズとセッティングを換えました。あんまり感触は良くなかったけど、成長するためには必要なことだと思ってます。練習バンクも33だし、33バンクは得意です。初の記念だけど緊張はしてないです。勝ち上がって強い人と走りたいですね」
 初連係となる守澤太志だが、嵯峨の強さは知っている。
 「冬期移動の競輪学校で一緒に練習はしています。すごいダッシュなんで、しっかり付いていくだけですね。オールスターは伸びていたし、状態はいいです。最近は(渡邉)一成さんとよく練習するようになって、手応えをつかめてきています」

8R

 片折亮太は今期に入って初日に大きな着が並んでいる。
 「前回の松戸は4日間だったので疲れました。調子もそんなに良くないです。暑いのが苦手なんで、早く涼しくなってほしいですね。松戸のあとは2日休んで、2日間練習しました。初日は後ろが神山(雄一郎)さんだし、積極的に行きたいと思います」
 山田久徳は追加参戦だが、状態面に不安はない。
 「追加をもらったのは3、4日前。準備はできていたので大丈夫です。オールスターは初日に1着が取れたし、2日目以降も着以上に動けていたと思います。村田雅一さんのフレームを実戦で初めて使って感じが良かったので、今回もそのままいきます」

9R

選手の写真です。
野口裕史選手
 野口裕史(写真)は8月名古屋オールスターで上位との力の差を痛感したが、近況の初日予選で圧倒的な勝率を誇っている。
 「オールスターは行って、バックで終了みたいな感じでしたね。現実を受け止めて、もうちょっとちゃんとレースをできるようにしたいですね。休んでる場合じゃないと思ったし、帰ってから新車も届いたので、次の日からしっかり練習しました。師匠の武井(大介)さんと記念で一緒の開催は初めてなんで頑張ります」
 新田康仁は8月の高知、久留米とFIシリーズで連続優出。調子、戦歴とも上昇カーブを描いている。
 「久留米の決勝は(単騎で)緩んだところを行こうと思ってました。タイミング的に早く出すぎちゃいましたね。体は動いているんで悪くないと思います。野口君との連係は何回かある。しっかり決めたいですね」

10R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 小松崎大地(写真)は8月名古屋オールスターの一次予選で敗退したが、敗者戦で2連対を果たした。
 「結果はいまいち出てないんですけど、方向性は間違っていないと思います。信じてやっていくしかないですね。特別になると全部がかみ合ってないと勝ち上がれない。そう考えると全てが良かったわけじゃないし、必然の結果です。小田原は前回(15年8月)の記念で準Vで悔しい思いをしているので頑張りたいですね」
 高橋陽介は小田原が冬期移動先で準地元バンク。当地記念は4年連続で決勝に乗っている。
 「記念は4年連続で決勝に乗っているし、ここは気持ちだけですね。オールスターは最終日5着でしたけど、タイムも悪くなかったし、脚の感じは悪くないです。小松崎君との連係は2、3回あります。地脚タイプなんで付きやすいです」

11R

選手の写真です。
根田空史選手
 根田空史(写真)が一次予選のトリを務める。直近4カ月の競走得点は110点。8月名古屋オールスターは結果を残せなかったが、このクラスでは力が違う。
 「オールスターが終わってから250ケイリンのテスト走行に参加しました。いい練習になりました。フレームのせいですね。あれだけスピードが出ると厳しい。今回からブフリのフレームを投入します。練習では1カ月くらい使ってます」
 五十嵐力は4カ月以上、勝ち星から遠ざかっている。地元で悪い流れを変えたい。
 「最近は良くないですね。脚がなくなっているのか、タテが出てないです。ここに向けて練習はしっかりやってきたので、地元の気合で期待に応えられるように頑張ります」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)は6月高松宮記念杯の落車で右鎖骨を骨折したが、復帰戦の8月名古屋オールスターでは決勝に進出した。
 「オールスターは復帰戦ということで気負うことなく走れたし、日に日に良くなっていく感じはありました。決勝は北日本がああやってまとまって自分は何もできなかった。もう1車自分のラインがあれば、また違ったんでしょうけど。番手戦も多かったので、終わってからそこまで疲労はなかったです。中4日なのでいつもより調整を多めにやってきました。今回は僕もそうですけど、自力選手がいっぱいいるんで、南関を盛り上げられればと思ってます」
 8月オールスターの決勝進出を逃した清水裕友だが、好感触を得ている。
 「オールスターの感触は良かったですね。久々に動けたと思います。準決勝は相手が強かったです。終わってからやれることはやってきました。自力でしっかり力を出せるように頑張ります」
 木暮安由はオールスターの二次予選4着で敗退したが、動きは上々だった。
 「2日目はもったいなかったですね。4(着)と3(着)、ひとつの差がでかい。調子は一時期、落ちていた時期もあったんですが、最近は悪くないですね。今回も現状維持はできていると思います」

1R

選手の写真です。
田中誠選手
 先に切った阿部大樹を上田尭弥が赤板で叩いて主導権を取る。後方となった箱田優樹は追い上げて阿部と中団を取り合う。上田がそのままペースを上げて最終ホームを通過。外併走の態勢からまくり上げた箱田を田中誠(写真)がけん制しながら追い込み、オープニングレースを制した。
 「上田君がうまく駆けてくれました。かかりも良かったし、(ワンツーが)決まるかなという感じで追走していた。箱田(優樹)君がいい勢いできていたのは分かったけど、自分も余裕はあったし、さすがにあの展開だと勝たないとダメ。上田君も残ってくれて良かった」
 赤板から気風良く先行した上田尭弥が2着に粘った。
 「阿部さんが切って止めるような感じだったので、自分も一瞬止めようかなと思ったんですけど、そのまま仕掛けて良かった。車は流れていたし、もうちょっとペースで踏めれば良かったんですけど、流し過ぎても叩かれちゃうので。距離的には問題なかったし、先行で勝ち上がれたのは自信になりますね」

2R

選手の写真です。
北津留翼選手
 後攻めの大石剣士が北津留翼(写真)にフタをしてから赤板で押さえに行くが、正攻法に構えていた小泉俊也は突っ張り、そのまま先行策。冷静に戦況を見極めた北津留は最終ホームから車を外に持ち出すと、前団を抜群のスピードで飲み込んだ。
 「大石君にフタをされてそのまま駆けられたらきつかったけど、やり合ってくれたので。逆にビックリもしたけど、展開が向きました。前回の最終日に新しいシューズを買って試したけど、イマイチだったので帰ってから調整したら練習の数値も良かったし、感じが良くなりました」
 流れ込み2着までだった坂本亮馬は北津留の強さを称える。
 「初手の位置だけ前と後ろは嫌だし、リスクがあるかなって。大石君がスローな形から駆けられたらキツいでしょう。でもやり合ってくれたので。ホームで仕掛けた時はちょっとキツかったですね」

3R

 中団の松坂洋平が中バンクに上がって後方の早坂秀悟をしきりに警戒する。それでも早坂が強引に仕掛けて赤板過ぎから先制。3番手以下はもつれるが、打鐘の3コーナーで松坂の内をすくった笠松信幸が北日本コンビの後位に切り替える。番手絶好となった阿部力也が鋭く追い込んだ。
 「後ろが笠松さんになったので、空けられないし、どうしようかと。まだまだ番手として技量不足ですね。あれだけ早坂さんに行ってもらったので、1着を取らないといけないと思った。最後はギリギリまで待ってから踏みました」
 勝負どころですくわれた松坂洋平だが、6番手で態勢を立て直してバックからまくり上げて3着に入った。
 「ああいう感じで中団から先に切って、飛び付こうと思ってました。後ろが高木(隆弘)さんだと思って安心していたら(笠松に)来られてしまって…。そのあとは行けるところまでと思って踏みました。脚はいいですね。気持ちで何とか乗り切れました」

4R

選手の写真です。
坂本周輝選手
 後ろ攻めの木村幸希が青板バックで押さえて前に出る。赤板で中団まで追い上げた嶋津拓弥は打鐘前からスパート。3コーナーで木村を叩いて逃げる。3番手の水書義弘は離れて木村が3番手に入り、最終ホームを通過。6番手となった坂本周輝(写真)が2コーナーから好回転でまくり上げると川崎健次のけん制を乗り越えて圧勝した。
 「前受けはしたくなかったけど、他のラインも出なかったし、仕方なかった。まくっていく時に吉永(和生)さんのけん制もあってキツかったですね。みんな脚を使っていたので、まくれたのは展開です。ずっと余裕がなかったし、キツいレースでした」
 先行した嶋津拓弥はまくられながらも2着に踏みとどまった。
 「仕掛けが中途半端でしたね。中団で少し休もうと思ったんですけど、前も流していた感じだったので叩きにいったんですが、その時点で脚がいっぱいで。坂本君が来ていたのは分かったんですが、踏み直せなかった。それでも残れたので良かったです。バンクは風も感じなかったし、走りやすかったですね」

5R

 初手で中団に構えた島川将貴が、後方から上昇の坂木田雄介を突っ張って打鐘から先行態勢に入る。そこを、前受けから引いて態勢を整えた飯野祐太が一気に巻き返す。切り替えた西田将士まで連れて飯野が4車で駆ける展開で、番手絶好の齋藤登志信が、立て直して最終バックから反撃の島川をけん制しながら抜け出した。
 「展開も向いたけど、飯野君も頑張ってくれたおかげ。でも、自分は自分の位置でしっかり自分の仕事をできた。余裕もありましたね。今回は追加で(北日本の)若いのが一杯きたけど、前が頑張っても自分もしっかり頑張らないと結果は出ない。2日目以降もしっかり頑張りますよ」
 末の粘りを課題に掲げる飯野祐太ではあったが、1周半踏んでの勝ち上がりに自信をのぞかせる。
 「普段先行していない分、最後はめちゃめちゃタレましたけど、ペース配分を見直せばなんとかなりそう。踏み込んだスピードも出切ってからのスピードも悪くないし、後は末の粘りだけ。しっかり修正できれば戦えそうですね。2日目、3日目と(先行で)3着で決勝に乗って2着かな(笑)。修正できればそれくらいのデキですよ」

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 後ろ攻めから早めに動いて切った野田源一を伊原克彦が押さえて赤板前に先頭に立つ。前受けから7番手まで下げた岩本俊介(写真)は赤板の2コーナーから反撃。懸命に抵抗する伊原を最終ホームで強引に叩き切る。岩本のスピードは最後まで衰えず、そのまま押し切って人気に応えた。
 「前受けさせられた時点で伊原さんがかなりやる気だなって思いました。動きはちょっと硬かったです。前受けは難しいですね。あそこから無理くり行ったんですけど、すごい強い先行選手なら合わされてました。車の出はかなり良かったと思います」
 懸命に続いた江守昇が2着をキープ。千葉ワンツー決着となった。
 「まったく抜ける気はしなかったです。岩本君が付きやすい感じで仕掛けてくれた。あと100メートル仕掛けが遅かったら厳しかったと思います。付いていけて、すごいうれしいです」

7R

 青板バック過ぎに栗山俊介が切ったうえを赤板で関根健太郎が押さえる。単騎の房州輝也が打鐘でさらに押さえると、赤板1センターから踏み出した嵯峨昇喜郎がすかさず叩いて主導権。そのままハイピッチで駆けた嵯峨が、別線の反撃を許さず押し切った。
 「1センターから仕掛けると決めていた。練習でも1センターから仕掛けて踏み続ける練習をしていたし、レースだと緊張するので練習だと思って走れた。全開で踏み続けたので差されると思ったんですけどね。逃げ切れたのは自信になりました」
 守澤太志は嵯峨を交わせずの2着。
 「嵯峨君が思っていた以上に強かった。作戦通り走ってくれたし、頼もしいですね。自分も余裕はあったんですけどね…。最後は交わしたかったですけど踏み直されました」

8R

選手の写真です。
山田久徳選手
 青板周回のバック過ぎに誘導員を降ろして先頭に立った山田久徳(写真)は片折亮太ラインを出させて5番手をキープする。前受けから引いて8番手に下げた本多哲也は赤板から巻き返して打鐘で片折と激しく踏み合う。冷静に戦況を見極めた山田は最終ホーム前からスパート。浮いていた本多の外を迂回して豪快に前団を飲み込んだ。
 「正直、切って待った時に飛び付こうか一瞬、迷ったけど(片折が)緩めたので。これなら4番(本多)が巻き返すかなって。最終ホームでも4番が外に浮くのかどっちに避けようか考えながら。それくらい余裕がありましたね。脚を使って位置を取った後でも車の出は良かったし、引き続き調子はいいですね」
 2着にしっかり流れ込んだ北野武史は山田に強さを語る。
 「ホームであおりを受けながら外を回したからヤバいって感じで。何とか付いていけたけど、(片折の番手に)神山(雄一郎)さんもいたからやめて、やめてって思いながら。あわよくば抜けたらって…」
 片折をリードした神山雄一郎は山田のまくりを止めきれなかったが、3着で一次予選を突破した。
 「(本多に)行かれちゃうと思って3番手確保かなって。でも片折が合わせ切っちゃったから慌てて追いかけた。でもホームのあれは(望月永悟の動きは)キツいね。(片折は)頑張ってくれたけど、山田君のまくりには対応できなかった」

9R

選手の写真です。
新田康仁選手
 中団から先に動いて切った瀬戸栄作を野口裕史が赤板で叩いて逃げる。瀬戸が中団に収まり、前受けから7番手まで下げた保科千春が打鐘過ぎから仕掛けるが、1車も進まずに後退。番手絶好となった新田康仁(写真)がまくってきた瀬戸をけん制してから追い込んだ。
 「(野口)裕史は頼もしいですね。あの距離をあのペースで行けるんだから。ずっと踏みっぱなしだったので、後ろも脚はたまらない。あれはまくれないですね。でも、波は作っておきました。最後は詰めたら抜ける感じはありました」
 野口裕史は持ち味の先行勝負で力を出し切って2着に粘った。
 「ちょっと気合が入りすぎて、オーバーペースになっちゃいましたね。鐘でまだ1周半あると思って少し冷静になりました。そのままガツンと踏んでも良かったかもしれないですね」

10R

 赤板で隅田洋介は中団の小松崎大地を警戒してフタをすると、先頭の高比良豪が徐々にペースを上げる。打鐘で踏み込んだ隅田に高比良が抵抗。小松崎は瞬時に内を突いて山口貴嗣をすくい、高橋陽介は連結を外してしまう。最終ホームで高比良を叩いた隅田を俊敏に追った小松崎が2コーナーから力強くまくって白星スタートを切った。
 「想定していた展開とは違ったし、あそこまでフタをされるとは思わなかった。内が空いたので瞬時に反応して、そこをつけた。ワンツーが決まれば一番良かったですけどね。ただ体は反応できているし、悪くはないと思います」
 隅田の仕掛けに離れた河野通孝だが、小松崎を追いかける形で2着に入った。
 「隅田君がもう少し早く仕掛けてくれれば面白かったんですけど。小松崎君が内を突いていたのが分かったので判断が難しかった。いろいろ反省点が多いレースでしたね」

11R

 根田空史は正攻法からの組み立て。吉田智哉が切ったうえを中村弘之輔が赤板で叩いて先行態勢に入ったが、一瞬、緩めた隙を逃さずに引いて態勢を整えた根田が打鐘前から力ずくで巻き返す。3番手の石塚孝幸が離れて中村が3番手にはまる形となったが、車間が徐々に空いてしまう。最終2コーナーからまくり上げた吉田を五十嵐力が大きく張ると、4コーナーで空いた中を戸田洋平が突き抜けた。
 「吉田が強かったですね。(S級でも)十分に通用すると思います。S級のほうがスピードが合うんでしょうね。自分はいっぱいでした。とりあえず入ってみてどうかなって感じでしたけど、アタマまでいっているので悪くないと思います」
 ゴール前に末を欠いた根田空史は修正ポイントを整理する。
 「朝の指定練習とは全然違って重かった。風も出てきてキツかったですね。競走でブフリのフレームを初めて使ってみたら硬すぎて重かった。でも二次予選になってもっとスピードが上がれば楽に回せるかもなので別の物に変えるか考えます。それかチェーンを柔らかいモノに変えて対応するかも」
 新鋭の吉田智哉は強敵にも怯むことなく仕掛けて初めての記念参戦で一次予選を突破した。
 「キツかったですね。6番(中村)が遅れてきていたので、下りを使って追い上げました。そのままの勢いで仕掛けたかったけど、五十嵐さんにめっちゃ見られて…。コーナーでけっこう持って来られて怖って感じでしたけど、何とか戸田さんと勝ち上がれて良かった」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 6番手から先に動いて切った三谷竜生(写真)を郡司浩平が赤板で叩いて出る。清水裕友がすかさず反撃して両者で激しくもがき合う。ホームで出切った清水に三谷がまくりで襲いかかる。清水の抵抗を3コーナーでねじ伏せた三谷が稲垣裕之の追撃を力強く振り切った。
 「人のペースで切るよりも自分のペースで切って、そこからだと思ってました。自分で動いての1着なんで悪くないですね。力は出し切れたし、いいスタートが切れました」
 稲垣裕之が好マークから詰め寄って2着。近畿ワンツー決着となった。
 「(三谷)竜生が前々に攻めてくれたおかげ。セッティングを換えて、感触は上々でした。もう少し煮つめていきたいですね」
 清水裕友は郡司との主導権争いに脚力を消耗した。
 「重かったですね。展開的にはあそこで行かないと。でも、叩いただけって感じでした。バンクが重いのか自分の体なのか。すごいキツかったです。切り替えて頑張るしかないですね」

6R

選手の写真です。
箱田優樹選手
 後ろ攻めの木村幸希が早めに上昇して赤板前から先行態勢を取る。この3番手に箱田優樹(写真)が収まり、遅れた筒井裕哉は五十嵐力のところで粘る。木村は後続の動きを確認しながらペースで駆ける。脚をためて最終バック前からまくり上げた箱田が三ツ石康洋のブロックを乗り越えて激戦を制した。
 「中団を取れたのが大きいですね。何回もバックを踏んで詰まりました。ホームで行こうと思ったんですが、行けないと思って1回落ち着いてから行きました。モコモコした感じだったけど、何とか3番(三ツ石)を越えられました。あれでは後ろもキツかったと思います。初日のほうがバックを踏んでないぶん楽でした」
 最終ホーム手前で筒井を内に押し込んで箱田の番手を死守した五十嵐は3コーナーで内を突いたが、最後はコースが詰まる。その後ろから外に回した飯嶋則之が2着に突っ込んだ。
 「やりました。余裕はなかったです。バックからは内、内と思っていたんですけどね。思いのほか箱田がいい目標になりました」

7R

選手の写真です。
杉本正隆選手
 後ろ攻めから上昇して切った吉田智哉を瀬戸栄作がすかさず赤板で押さえて先頭に立つ。前受けから後方まで下げた片折亮太は2コーナーから巻き返して主導権を握る。隊列は中団に瀬戸、後方に吉田の一本棒で最終ホームを通過。3コーナーからまくった瀬戸は車が進まない。4コーナーを番手無風で回った杉本正隆(写真)が懸命に粘る片折をきっちりとらえた。
 「初手の前受けは作戦通りで、片折君がいいタイミングで仕掛けてくれましたね。すごいかかっていたし、誰もまくって来れないスピードでした。あとは片折君が残るように差せればという感じで。前回の地元優勝から調子もいいのかもしれないですね」
 片折亮太は力強い逃走劇で2着。関東ラインを上位独占に導いた。
 「2番(瀬戸)の動きが読めなくて見ていたんですけど、流しているような感じだったし、行くしかなかった。前受けから引いて行けるところからって考えていたし、作戦通り走れましたね。キツかったですけど、ラインで決まったのが何より」

8R

選手の写真です。
中村淳選手
 河上陽一が後ろ攻めから切って待つ流れの中、島川将貴より先に上原龍が動いて河上を叩く。島川がすかさず叩きに動くと西川親幸が離れてしまい、上原が番手にすっぽりはまって打鐘を迎える。後方に置かれた川口公太朗が最終ホームから巻き返しに出たが、中団外で止まってしまう。島川の番手にはまっていた上原が2センターで車を外に持ち出すと中村淳(写真)が直線で中を割って突き抜けた。
 「バックでちょっと迷いましたね。まくりも来てたし、上原も脚を使ってあの位置ですから。でも結果的に待って。でも仕掛けてくれたので自分はあのコースかなって。アタマ勝負できると思って踏みました」
 援軍を失う苦しい展開となった島川将貴だが、しぶとく踏み直して2着で準決勝進出を決めた。
 「後ろがいなくなったのが分かったので、徐々に上げていく感じで。番手から出られてしまったら終わりなので。でも、キツかったですね。最後、上原さんに合わせて踏めたけど、中村さんにやられてしまいましたね」

9R

選手の写真です。
山田久徳選手
 後ろ攻めから早めに押さえて前に出た上田尭弥が後続を1本棒にして赤板前からハイピッチで駆ける。別線はなかなか反撃できず、打鐘、ホームを通過。3番手の絶好ポジションを確保していた山田久徳(写真)が2コーナーから好回転でまくって快勝した。
 「作戦通りにいきました。(根田空史が)ジャンくらいで来るかと思ったけど、どこからでも合わせられる感じはありました。ホームで行こうかと思ったんですが、大事にいきました。(稲垣裕之と)ワンツーで2人で勝ち上がれたんで一番良かったです」
 好マークから詰め寄った稲垣裕之だが、交わせなかった。
 「(山田)久徳がいいレースをしてくれました。セッティングをいじって、道中は余裕があります。もう少し差し脚があればいいけど、久徳も伸びていきましたからね」
 後方7番手からまくり上げた根田空史のスピードをもらった松谷秀幸が3着に突っ込んだ。
 「あの位置から33だと無理ですね。あと1周では絶対届かないなって。終わったと思いましたけど、諦めずに踏んで良かったです。根田もあれで4着なんだからすごいですね」

10R

選手の写真です。
高橋陽介選手
 赤板過ぎに三谷竜生を押さえた木暮安由を嵯峨昇喜郎がすかさず叩いて主導権を取る。嵯峨は徐々にペースを上げて最終ホームを隊列一本棒で通過。5番手となった三谷が2コーナーから懸命にまくり上げるが、嵯峨の番手から高橋陽介(写真)が鋭く追い込んだ。
 「嵯峨君はだんだん踏み上がっていく感じで他の人もまくりづらかったと思う。後ろにいた木暮君が車間を切っているのは見えたし、それも助かりましたね。嵯峨君は練習でもっと強いし、本来の力を発揮したら自分は抜けないかも。展開に恵まれました」
 果敢な先行勝負に出た嵯峨昇喜郎が2着に粘り、青森勢で連独占を決めた。
 「比較的ラッキーでしたね。踏み合わずに駆けられたし、ペースで踏むことができた。自分はまくりのイメージが持たれていると思うんですけど、こういう大きい舞台で先行でアピールできたのは大きいですね。今回は前回の久留米よりも脚は全然いいし戦える。ここまで来たら決勝に乗りたいですけど、準決勝も大きいレースをしたいです」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手
 後ろ攻めから上昇して先頭に立った小松崎大地を岩本俊介が赤板過ぎに叩いて先行態勢を取る。3番手の位置は単騎の野田源一と小松崎で併走に。そこを見逃さずに清水裕友(写真)が2コーナーからスパート。口が空いた池田憲昭は守澤太志に弾かれて後退する。岩本の抵抗を最終2コーナーでねじ伏せた清水が後続を追撃を力強く振り切った。
 「初日よりいい感触でした。小松崎さんが併走していたのが僕的には良かった。単独ならひるんでいたかもしれないですね。あそこを越えられれば、もう誰も来る人はいないですから。ちょっと調子のぶん車の出は悪いですけど、疲れもあるから仕方ないです」
 岩本の先行に乗った松坂洋平が2コーナーから清水を追って踏み上げて2着に入った。
 「岩本君はいつも頑張ってくれるので。でも全開で踏んでいるところなのに、(清水は)ここで来るのかって。本当に強かった。小松崎君も来てたので岩本君の頑張りを無駄にしないように踏みました」
 小松崎大地は初日に続き思い通りの走りができず反省の弁。
 「初日もですけど、何とかしのいでいる感じ。でも反省しながらでも勝ち上がれていることが大きい。自分のレースはさせてもらえていないけど、次にはつながっている。ホームで池田さんを自分で張るか、清水君に合わせて踏めていれば守澤と決まったと思うので。反省を生かして準決も頑張ります」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 中団から動いて先に切った飯野祐太を野口裕史が赤板で押さえて逃げる。飯野がすんなり中団に収まり、前受けから下げた北津留翼が7番手の一本棒で打鐘を通過。ペースを上げる野口に対し、北津留がホームから反撃に出る。好スピードで迫る北津留を3コーナーで外に振って止めた郡司浩平(写真)が直線できっちり抜け出した。
 「野口さんがすんなり出れたし、いつもの感じで駆けてくれました。(北津留を)振ったところで待ってしまったんで、それで後ろが詰まってしまった。技量不足でしたね。番手を回る機会も増えてくると思うので、今後はそこら辺もしっかりやっていきたい。番手を回れたぶん初日よりも余裕がありました」
 北津留のまくりは不発となったが、そのスピードをもらった田中誠が2着に突っ込んだ。
 「(北津留は)2カ所くらい行くポイントがあったけど、ビビッて行けなかった。俺は余裕があったし、状態は全然問題ないです」
 野口裕史が赤板からの2周先行で3着に粘った。
 「疲れました。あの並びになって飯野君なら出してくれるかなって。ジャンまで流して、そこから全開と思ってました。キツかったですけど初日よりは良く回せたと思います」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手
選手の写真です。
松谷秀幸選手
 後ろ攻めから早めに押さえて切った三谷竜生(写真)を野口裕史が赤板前にすかさず叩いて逃げる。そのまま緩めずに野口がハイピッチで飛ばして、後続は1本棒の状態で打鐘を通過。8番手に置かれた小松崎大地は打鐘の2センターから反撃に出る。これに合わせるように最終バックで3番手からまくった三谷が野口の番手から早めに追い込んだ松谷をとらえて決勝一番乗りを果たした。
 「自分から切っていい位置を取ろうと思っていました。作戦通り走れましたね。ただ野口(裕史)さんのかかりは今までの中でも相当すごかったです。前回と比べたら体はよく動いています」
 野口の先行をフルに利した松谷秀幸(写真)が2着。地元記念でしっかり決勝の舞台にたどり着いた。
 「野口君が強かったですね。タレる感じもなかったし、かかりも良かったです。小松崎君が2コーナーぐらいで来ているのが見えたので、合わせながら踏むような感じになりました。地元記念でとりあえず決勝に乗れてホッとしています」
 三谷マークの田中誠は3着で久しぶりの記念優出を決めた。
 「三谷君が良い位置を取ってくれました。恵まれましたね。自分が先に内に差し込むような形になってしまったけど、外をいっていればワンツーだったかも」

11R

選手の写真です。
木暮安由選手
選手の写真です。
新田康仁選手
 スタートでけん制が入り、島川将貴が前受けに。後ろ攻めとなった木暮安由(写真)が押さえたうえを松坂洋平が叩いて出る。嵯峨昇喜郎が6番手に降りたことで松坂が腹をくくって逃げる。前受けから8番手まで下げた島川は赤板から巻き返すが、打鐘の3コーナーで木暮に張られて後退する。今度は嵯峨がホームからまくり上げるが、新田康仁が2コーナーから番手まくりで応戦。これを追いけかけた木暮が嵯峨を張ってから鋭く追い込んだ。
 「初手で後ろ攻めになったのは誤算でした。そのあとは判断良く冷静に走れたと思います。最後は外を踏むっていうより、新田さんが張れば内をすくう準備もしていたし、余裕はありました。レースは見えてましたね。3日間のなかで準決勝の感触が一番良かったです」
 番手まくりの新田康仁(写真)が2着で久々の記念決勝の舞台へと戻ってきた。
 「(松坂)洋平が切って嵯峨が来ると思ったらこなくて。うそでしょって感じでした。でもあそこまで頑張ってくれたし、嵯峨も来てたから出るしかないと思いました。木暮が後ろにいたのは分かったし、差されるのは仕方ないけど何とか3着までと思って。久々の決勝ですね」
 島川が不発の窮地にもシビアな位置取りからコースを探した清水裕友が3着でなんとか勝ち上がった。
 「2センターで転ぶかと思った。そのあともずっと危なくて。内にもぐったというか吸い込まれた感じですね。前受けの作戦はなかったし、島川のセンスに全てを任せたけど、しのげて良かったです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
稲垣裕之選手
 後ろ攻めから一気に飛び出した根田空史が赤板前からハイピッチで駆ける。4番手に収まった山田久徳だが、前との車間が大きく開いてしまう。稲垣裕之が最終2コーナーから自力に転じて前団との差を縮めていくが、根田の番手で絶好となった郡司浩平(写真)が余裕を持って追い込んだ。
 「根田さんは出切って緩めずに行くんだからさすがですね。ずっといいペースで要所、要所踏み直していたので、安心して付いてました。自分は雨で前があんまり見えなくて、そんなに車間を空けられなかったですね。でも、一緒に勝ち上がれて良かったです」
 山田マークから自力に転じた稲垣裕之(写真)は2着まで。
 「(山田)久徳が頑張ってくれました。久徳の強さなら追いつくと思ったんですけどね。でも、根田はあれだけ踏んで残るんだから強かったです。僕の感触は日に日に良くなってます」
 根田空史は激しい雨をものともせず果敢に風を切って3着に粘った。
 「スタートで後ろの位置が取れたのが良かったです。山田さんが踏んでなかったので、思いっきり踏んで離してやろうと思いました。今回は2日間、ブフリのフレームを使ってダメだったので、前のフレームに戻したら良くなりました。でも、後半はキツかったです」


最終日・6R S級ブロックセブン

 地元の小原太樹が点数最上位の存在だ。充実一途の近況。8月名古屋オールスターのあとは心身ともにリフレッシュしてきた。
 「オールスターに向けて、しっかりやれることをやりました。結果は展開もありますからね。終わってからは家族と札幌に2泊で旅行して、リフレッシュしました。練習の貯金はあるので大丈夫だと思います。今回は同期の金子(哲大)君がいるので。他地区だから迷ったんですけどね。例外じゃないですけど任せます」
 金子哲大は大敗が目立っているが、ここは東日本ライン3車の先頭で果敢に攻める。
 「体をしっかり作り直そうと思って、強めに練習してきました。(8月)西武園(記念)ぐらいから体調を崩していたけど、いまは大丈夫です。9月は大宮、共同(通信社杯)が控えているので、つながるような走りをしていですね。いつも通りしっかり仕掛けます」
 筒井淳史はパッとしない成績だ。中1週間でできる限りの準備はしてきた。
 「最近はあんまり良くないんですが、展開も悪いですからね。前回の松戸は同期の藤原憲征と一緒の開催で、いろいろと話をしてアドバイスももらって、セッティングを大幅に換えました。むちゃくちゃいいという感じはないんですが、この1週間でそれを煮つめてきました。前回の松戸でも連係した市橋(司優人)君に任せます」