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検車場レポート

  • 8/24 Fri.  (前検日)
  • 8/25 Sat.  (1日目)
  • 8/26 Sun.  (2日目)
  • 8/27 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
小原唯志選手

 今期からS級に復帰した小原唯志(写真)は、初戦の伊東をいきなり完全V。前回の8月京王閣FIも115着と、順調な航海を続けている。


 「A級で人気になって。勝たないといけないってプレッシャーがあったのが、今のS級につながっていると思います。調子も維持できているし、今回のS級はどこまでいけるか頑張りたいですね。今期に入って、33(バンク)は3場所走っているんですよ。仕掛けるところは頭に入っているし、好きですね」


 7月弥彦記念で落車した山本直は、前回の8月青森FIを916着。しかし、今回はレース間隔も空いて準備万端だ。


 「落車の怪我は全然大丈夫でした。でも、怪我を変に意識し過ぎて休んでしまって、前回は脚が落ちていましたね。ここまでは中11日空いたので、しっかり練習をしてきました。良いんじゃないかなって感じはありましたね。同期(小原)に負けないように」


 

2R

 安部貴之は、7月川崎FI、向日町FIを連続優出。それでも、「1着が取れていないから、何とも言えない」と表情は硬い。


 「勝てないですね。何とか、まとめようっていうレースになってしまって。それで思い切りがない。今は(自力と人の後ろと)半々くらいです。意外と前でやっているんですよ。前回(向日町)も、準決と決勝は前ですし。任された以上はやります」


 本多哲也は、6月富山FIで嬉しいS級初V。繰り上がりでの結果だが、強気な組み立てが勝利を呼び込んだ。


 「優勝は奇跡ですよ。出し切れるので、33(バンク)の方が良いのかもしれないですね。初日も地元が付くし、メンバー的に先行でいきたいです。ここまでは、レース間隔が空いて練習をしてきました。状態も良いです」


 

3R

 蒔田英彦は夏場から随所で好走を披露している。前回の8月青森FIでも、番手戦ながら勝機をきっちりとつかんでVを手にした。


 「シューズを換えてから、乗った感じが良いですね。本当に良くなっています。前回の決勝は、山本(紳貴)君が気持ち良く行ってくれました。あそこまで行ってくれたので(番手から踏ませてもらった)。ゴールまで長かったですね。結果が出てホッとしました。今回は、この勢いに乗りたいです」


 人の後ろが増えている山形一気。それでも、8月小松島FIでは、連日動いて準Vを果たした。


 「今は脚を使ってでも中団を取ったり、先行も考えて動くことを意識しています。無理矢理でも動いて刺激を入れたら、次の日の感じが変わることがわかったので。初日は中団が取れそうだけど、33バンクだし何があるかわからない。タイミングを見て仕掛けます」


 

4R

 8月松戸記念では、力強い先行策で2勝をマークした一戸康宏。続く豊橋FIは371着で優出こそならなかったが、ここでも強気な走りが光った。


 「(6月)函館(記念)の3日目からセッティングを換えて、すぐにアタリが出ました。そこから状態は上向きですね。(積極性も増して)前よりかはマシになりました。でも、現状に満足しては駄目。今後も先行を基本にやっていきたいです。ここまではいつも通りにやってきたし、感触も悪くないです」


 伏見俊昭は、なかなか結果が出ない日々。それでも、試行錯誤を重ねて先を見据えている。


 「ウエートのやり方とか練習方法、課題も見つかって。あとは、足りないところを補っていくだけです。長期スパンで考えていますね。ここで結果を出して、今後につなげられるようにしたい」


 

5R

選手の写真です。
川崎健次選手

 ホームからただひとりの出場となる川崎健次(写真)。「気負わないようにします」と、気持ちを落ち着かせて地元記念に臨む。


 「この日のためにやってきました。(3月高知FIの落車で)骨盤をやってしまって。1ケ月くらいは松葉杖でした。復帰してからは、練習の疲れが出てきて。(6月)宇都宮(記念)くらいは辛かったですね。でも、そこから感覚が戻ってきて良くなっています。あと結果を出すだけ」


 その川崎に任された志佐明は、7月福井記念で準決勝に進出。8月川崎GIIIで2勝と、G戦線で好走を見せている。


 「前回の川崎(GIII)は、セッティングを換えて臨んだけどハマらなくて。それで、2日目から元に戻したら2勝できました。川崎、小田原と地元のグレードレースに呼んでもらえて、ありがたいですね。結果を残したいです。(今期からの初S級戦は)走れている方だと思います。これを続けていって、成績も付いてくれば自信になると思います」


 

6R

 4月奈良FIのV以降は、ヒットがない高橋和也。今回は、2カ月ぶりに優出した前回の8月豊橋FIの勢いに乗って結果を出したい。


 「ずっと、状態は悪くないんですけどね。成績が付いてこない。今回は初日に良いレースをして、勢いをつけられるように。内容も意識して走ります。(連係する)合志(正臣)さんとは、だいぶ前に連係があります」


 合志正臣は、6月佐世保FIで怪我から復帰。しかし、前回の8月京王閣FIで再び落車の憂き目にあってしまった。


 「(復帰してから2度の優出は)全部、(山崎)賢人の後ろで決勝に行っている。(最初に優出した)佐世保は賢人に付いていくのでいっぱいだったけど、2度目(8月小松島FI)は付いていって余裕がありました。脚が落ちたところから上がっていたんですけどね。良くなってくると、動いてしまって(落車してしまう)。今回は何とか頑張りますよ」


 

7R

選手の写真です。
川口聖二選手

 村田雅一は肉体改造が功を奏し、8月松戸記念を2113着のオール確定板入り。当所でも鋭いキメ脚を発揮し、再びV争いに加わるか。


 「炭水化物を抜いて、体重を10キロ落としました。(松戸記念は)その場、その場で走っていましたね。(前回の向日町163着も)そんなに悪くなかったです。ただ、マークされてきているし、今までの感覚で走っていては駄目ですね。今回は油断しないように」


 7月大垣FIの決勝で落車した川口聖二(写真)。しかし、「怪我は全然大丈夫です」と幸い大事には至らなかった。


 「前回(8月四日市FI、742着)は、相手が外国人だったので。競輪を教えようと思ったら、逆に教えられましたね。競輪は脚だって(笑)。ただ、勝てなかったけど、状態的に悪くはなかったです。今回は33(バンク)だし、後手を踏まないようにします」


 

8R

選手の写真です。
横山尚則選手

 横山尚則(写真)は、7月取手FIで地元を初制覇。オールスターでも最終日に南潤をまくるなど、力強い走りが目立つ。


 「最近は、自分のレースをしっかりできています。取手くらいから気持ちと体がマッチしてきて。そこから悪くないですね。オールスターも、どんな展開であれ1勝できたし、今回にいい形で臨めます。久しぶりに(記念の)予選スタートで緊張感がありますね。(200勝まであと1つだが)気づいていなかったです。後ろに心強い先輩(杉本正隆)が付いてくれるし、勝ち上がりで決めたい」


 8月松戸記念では見せ場なく終わった伊代野貴照だったが、続く玉野FIは115着と無傷で優出。勢いに乗って、今度こそ短走路を攻略する。


 「松戸は難しかったですね。今は追い込みになって1年ちょっと。全部できれば良いんですけど、今の自分ができることを積み重ねていきたい。(初日に連係する)元砂(勇雪)君とは相性が良いんですよ。信頼して付いていきます」


 

9R

 予選のメーンは松本貴治が中心となる。初のビッグ参戦となったオールスターは、一次予選で敗退。しかしながら、連日主導権を握って6623着と後半に結果を出した。


 「オールスターは積極的にいけて良かったけど。ペース配分とか仕掛けるところとか、あとちょっとですね。無理矢理行くだけではダメなんだと思いました。良い経験になりましたね。小田原は初めてです。33(バンク)も、デビュー戦の防府以来だし、少し不安はあります」


 福島武士は、8月小松島FI、玉野FIと立て続けに落車。それでも、初日は松本という好目標を得てチャンス拡大だ。


 「(落車したが)体は大丈夫です。落車があると微妙に感覚がズレるけど、踏める感じはある。今回で流れをつかみたいですね。(初日は別線に)来られたら来られたで対処します。(松本とワンツーを決める)まずは、そこ」


 岸澤賢太は「松本君との対戦は初めてです。(松本と)脚が違うので、経験値を生かしたい。小田原は良いイメージがあるし、単調なレースにならないように」と、強敵撃破を目論む。


 

10R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手

 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。桐山敬太郎(写真)は高松宮記念杯で2度の確定板入りや、7月福井記念で決勝に進出など好調。オールスターは3日で帰郷となったが、気持ちを切り替えて今シリーズに挑む。


 「オールスターは噛み合わなかったですね。調子が悪い時に勝ち上がれたりするし、我慢するしかない。気持ちは切り替わっていると思います。地元だし、他の人よりも気持ちは入っています。初日は(渡邉)雄太に頑張ってもらって。相性が良いと言うより、いつも頑張ってくれる」


 オールスターでは二次予選で敗退した木暮安由。それでも、シリーズを通して3532着と大崩れはなかった。


 「オールスターは、うまくまとめました。(状態は)まだまだですけど、上向きですよ。追加は3日前に入ったけど、大丈夫です」


 清水裕友は、今期から再び1班に昇格。競走得点も110点をオーバーと、成長を続けている。


 「まくりのスピードが出るようになりました。でも、オールスターは体が動けていたけど力不足。小田原は初めてですけど、ホームバンク(防府)も33(バンク)なので短走路は好きですね。33は僕のスタイル向きかもしれない」


 

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 地元の主軸を担う郡司浩平(写真)は、オールスターを2763着。しかしながら、初日は先行してラインを上位独占に導くなど、徐々に本来の動きが戻ってきた。


 「自分のやりたいことはできています。あとは、力を付けるだけ。このままレーススタイルを崩さずにいきたいですね。仮に成績が悪くなっても、行くところは行きたい。山崎(賢人)君とか若い人も出てきたし、そこに負けずに。まだまだ南関を引っ張っていけるように頑張ります」


 中村浩士はサマーナイトフェスティバルを優出。さらに、オールスターでも6125着で決勝に進出と波に乗っている。


 「(ビッグ連続優出は)前のおかげですよ。前がスピードに乗せてくれて。行くしかないところを踏んでいるだけです。ただ、レースの中でゆとりはありますね。(オールスターを優勝した)脇本(雄太)君は、競輪のレベルを上げてくれている。でも、(弟子の)根田(空史)もオールスターで光るものが見えた。まだまだ伸びしろがあるし、もっと強力にしたい」


 オールスターは1712着と奮闘した山田久徳。好感触を得て、今シリーズに臨む。


 「オールスターは感触が良かったですね。全体的に車も進んでいました。この調子が続いていれば良いですね。ここまでは1日休んで、あとは自転車に乗ってました。33バンクは嫌いじゃないです」


 

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 シリーズ唯一のS班三谷竜生(写真)が貫禄を示す。今年はダービー、高松宮記念杯と2つのタイトル奪取に成功。オールスターは1勝に甘んじたが、気持ちを切り替えて主役を全うする。


 「オールスターは、調子自体があんまり良くなかったですね。(脇本雄太の決勝のレースは)すごいなと思いました。あれは差せるかわからないですね。今の近畿はGIの決勝でもラインができているし、層が厚い。オールスターが終わってからは神奈川にいました。街道に行ったけど、特に何かをしたわけではない。今回は、しっかり頑張りたいです」


 近藤隆司はオールスターを2611着。怪我から復帰して2ケ月ながら、成績を一気に上げている。


 「(1171着の)松戸記念は、優秀で根田が逃げてくれて。ラインのありがたさがわかりました。オールスターも、後輩のおかげですよ。でも、毎回後ろではなくて、自分も前でやれるように。南関で協力プレイをすれば、脇本君にも対抗できると思う。今はイン切りをして、そのまま逃げた時のペース配分とか、いろいろなパターンを考えて練習をしています」


 山岸佳太は、昨年の当所記念を制覇。バンクとの相性は抜群だ。


 「もう、僕の優勝は忘れられているんじゃないですか(笑)。でも、小田原は好きです。最近はナショナルチームの練習とか、いろんな人の練習方法とかを取り入れて。終わってから30分立てないくらいのキツい練習をしています」


 

1R

 オープニングレースは、小原唯志が人気に応えた。竹山陵太に押さえられた山本直は、後方の小原を警戒しながら打鐘の2センターで竹山を叩く。しかし、すぐさま小原が反撃を開始。最終バックで山本を捕らえると、ラインを引き連れて押し切り。


 「最近は落ち着いて走れていますね。(山本)直が行かなくても、仕掛けるタイミングがあるかなと。リスクはあったけど、行ける自信はありました。1レース1番車は、初めてS級に上がって一発目の記念以来、2回目。名誉なことですね。記念を走りたかったし、できるだけ勝ち上がりたいですね」


 高橋大作はゴール前で小原に迫るも、交わせずの2着。


 「小原が強いから、みんなが前々に踏んで一本棒にならなくて良かった。33バンクの一本棒はキツいですからね。最後は結構差し込めたけど、バックで風を受けてしまったので(差せなかった)」

2R

選手の写真です。
安部貴之選手

 中団から先に動いた安部貴之(写真)を本多哲也が赤板前に押さえて先頭に立つ。本多がそのままペースを上げて主導権。後方に置かれた猪俣康一は打鐘から反撃に出る。ジワジワと前団に迫るが、最終3コーナーでスピードが止まってしまう。さらにその外を安部が豪快にまくって今期初勝利を挙げた。


 「いっぱいだったし、余裕はなかったですよ。行けるなら外をどこまで行けるかって。そうじゃないと止められてしまう。猪俣さんにかぶる前に行きたかったけど、すんなり中団とかより、1回切って脚を使って内容込みでやりたかった」


 地元の勝瀬卓也は猪俣のまくりをけん制してから追い込んだ。


 「風が強かったですね。(本多は)3コーナーでタレてきましたね。猪俣は合わせられたけど、安部のスピードが違った。かかっていたら残せたけど…。ここ3場所、落車がないし、体の感じが良くなってきている」


 先行した本多哲也は5着まで沈んだ。


 「キツい。とにかくしんどかった。自分には長い距離でした。(先行する展開も)流れで順番が来て駆ける形ならいいけど…」

3R

選手の写真です。
小島歩選手

 後ろ攻めの野口正則が赤板手前でハナに立つ。その上を、蒔田英彦が強引に叩いて打鐘の2センターで主導権を握る。これを見た山形一気は、すかさずスパート。ジワジワと迫って蒔田をバックで捕らえた。目標がまくられた小島歩(写真)は原誠宏をさばいて山形にスイッチ。最後は直線で差し切った。


 「(赤板の2コーナーで)ちょっと口が空いてしまったんですけど、内とかに行かないで付いていこうと思っていました。もっと綺麗にさばければよかったですね。無我夢中で、何とか最後は差せました。川崎に所属しているんですけど、2年くらいは小田原で練習をさせてもらっています。もう気持ち一本です」


 強気に攻めた山形一気だったが、惜しくも白星ならず。


 「仕掛けるか判断を迷いました。合わされるかなと思ったけど、併走が長かったし行ってしまえと。(蒔田が)流しているところを強引に行ったのでキツかったですね。2コーナーで出られるかなと思ったら、蒔田さんが踏み直してきて。感覚は悪くなかったですけど、もう少しトップスピードが欲しいですね。33バンクで、あのまくりで2着は弱い」

4R

 青板周回で後ろ攻めの一戸康宏が上昇すると、中団の根本哲吏は車を下げる。赤板前から上昇した根本が今度は入れ替わった中団の一戸のところで蓋をしてから打鐘で踏み上げて主導権を奪う。打鐘の4コーナーから反撃に出た一戸は、伏見俊昭のけん制を乗り越えて最終バックで出切る。続いた尾崎剛が粘る一戸をきっちり交わして、好スタートを決めた。


 「残り2周で一戸君が余裕こいていたので大丈夫かなと思ったけど、自信があったからなんだなと。根本君が一度、僕たちに蓋をしてから仕掛けてくれたから良かった。あのまま一気にスピードを上げて仕掛けられたほうが最悪でしたね。最近、調子が良いのは落車をしていないからですね。あとケアをしっかりするようにした。針治療とかもやっています。周りの活躍も刺激になってますね。自分も負けていられないので」


 一戸康宏は好回転のまくりで前団を飲み込み、埼京ラインを上位独占に導いた。


 「自分がやろうとしていたレースを根本さんがした。仕掛けどころを一瞬でも逃すとキツくなるので無理矢理仕掛けました。変わらずセッティングもいい感じですね。ただ風がキツかった」


 踏み出しで口が空いた山崎充央だが、懸命に付け直して3着を確保した。


 「4日分の力を出し切った。キツかった。口は空くし付け直したら併走でキツいし。3コーナーからは意地ですね。こういうチャンスをモノにしないと後々苦しくなるので何とか3着に入れて良かったです」

5R

 後ろ攻めから先頭に出た志佐明を宮下貴之が叩きに出る。瞬時に反応した志佐が内から盛り返して打鐘で主導権を取る。この動きを川崎健次が追えず、宮下が番手にはまり込む。前団の攻防戦を見極めていた三登誉哲が最終1センター、6番手からまくると圧巻のスピードで前団を飲み込んだ。


 「後ろに前反(祐一郎)さんがいるし、仕掛けるだけ仕掛けようと思って行ったら意外に(車が)出たから行けると思った。ただ、ジャンの2センターで行くべきだったし、仕掛けるのは遅かったですね。防府の前検日に足首を捻挫して。まだバランスはズレているけど、これをキッカケにしたいし、調子を上げたい」


 後方に置かれた坂本健太郎は広島勢の動きを追う形から外々を鋭く伸びて2着。


 「三登がジャンから仕掛けるかなと思って任せすぎた。ジャン4(コーナー)でいってりゃ行けた。それが俺なんだけど…。前のレースを見ていて仕掛けどころはわかっていたし、ホームまくりは決まるなと思った。(風は)バックで先頭にいるとキツいと思うけど、後ろは大丈夫」


 三登のまくりに続いた前反祐一郎は3コーナーであおりを受けて3着まで。


 「キツかった。三登君が強かった。やっぱり脚があるね。踏み出した時に行くなと。3コーナーでひろがってやられるなと思った。あそこがキツかった」

6R

選手の写真です。
高橋和也選手

 後ろ攻めから動いた上原龍が、赤板で高橋和也(写真)を押さえる。別線からの巻き返しはなく、腹をくくって打鐘の4コーナーから先行態勢へ。中団を確保した高橋は、最終2コーナーからアタック。軽快なスピードで前団をひと飲みした。


 「押さえに来るのが遅かったので、突っ張るか迷いました。でも、残り2周あったし、引いたら4番手が取れましたね。ジャンで緩んでいたので行こうと思ったけど、上原さんが駆けてしまって。あそこで行けたら、もっと良かったです。前回は決勝に乗れたけど、その決勝が良くなくて。今回は1着で勝ち上がれたので、良いキッカケになれば」


 高橋が仕掛けると、3番手の原田礼は前と車間が開いてしまう。それでも、追いつきざまに2センターから外を回して2着に入った。


 「風が強くて、いっぱいでした。千切れて、終わったと思いましたね。でも、追いついた勢いでいけました。みんなキツかったと思いますよ。みんなが脚を使う、泥臭いレースは得意なんです」

7R

 藤岡隆治に蓋をされた川口聖二だったが、視界が開けた赤板からすぐさま踏み込む。2コーナーで藤岡を叩いて勝負あり。そのまま別線を完封すると、最後は絶好の展開となった村田雅一がチャンスをモノにした。


 「川口君が強かったですよ。良いペースで駆けてくれた。そこまで余裕はなかったですね。出切ったところで、これは誰も来れないま大丈夫と思った。最後は踏んだけど、思った以上に伸びた感じですね」


 3着にも渡辺航平が続き、中近勢で上位を独占。その立役者は川口聖二だ。


 「ペースで踏めたけど、風がキツくて。バックは苦しかったですね。村田さんは強い。逃げ切ろうと思って4コーナーで少し振ったけど、村田さんからは逃げ切れない。ワンツースリーまで決まって良かった。ケガは問題ないですね。これで調子が悪いと言ったら怒られてしまう」

8R

 元砂勇雪が横山尚則に蓋をしてから、赤板で飛び出して先行策に出る。横山は2コーナーから巻き返すが、出切れずに6番手で併走に。車間を切っていた伊代野貴照は中団からまくってきた山口貴弘をけん制すると、2センターから前に踏んでアタマ。


 「(元砂を)残せたら良かったんですけどね。車間を切って、(山口を)止めてからと思ったけど。勝てたのは元砂君のおかげです。調子はずっと練習しているので大丈夫」


 まくった山口貴弘は、伊代野のけん制を受けて勢いが止まる。それでも、懸命に踏み続けて2着に入った。


 「前回(伊東FI)が仕掛けられなくて。今回は仕掛けないとないなと思っていました。風でバックはやばかったですけど、3コーナー過ぎから流れました。半年くらい使っていたステムが重く感じていたので。今回から換えたら軽く感じたし、良いかな」

9R

選手の写真です。
松本貴治選手

 青板からレースが動くと、隊列が目まぐるしく入れ替わる。結局、人気に推された松本貴治(写真)が、赤板で岸澤賢太を押さえて主導権。そのまま絶妙なペースで駆けると、福島武士の追撃も振り切った。


 「思っていたイメージと違くて。ちょっとパニックになりました。でも、(出切ってからは)来そうなところで踏んで気をつけて。風が強くてキツかったですけど、頑張りました。今回は決勝までいきたい。ただ、33(バンク)の感覚をつかまないと、二次予選からは勝てない」


 福島武士が、しっかりと続いて2着を確保した。


 「松本君は上手に駆けましたね。スピード的に、まくりが飛んでくるかもって怖さがあったけど、強いし大丈夫かなと。早くから駆けているし、抜きたかったですね。落車明けなので、とりあえずワンツーが決まってホッとしました。(状態は)そんなに感じが悪いところはないです」


 4番手を確保した岸澤は、2センターから外を踏む。その岸澤の内コースを踏んだ内田英介が、直線で伸びて3着に食い込んだ。


 「岸澤も強いし、いっぱいになってしまいました。外に踏む脚は残っていなかったですね。でも、前々に踏めて最後は抜けました」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手

 各ラインが順に動くと、順番が回ってきた渡邉雄太が赤板前に出て先行策。ペースで駆ける渡邉に対し、7番手に置かれた清水裕友(写真)は打鐘の4コーナーから反撃に出る。池田良が離れて単騎になるも、3番手から合わせるように仕掛けた天田裕輝、番手から踏んだ桐山敬太郎の上を楽々と乗り越えて快勝した。


 「自分を信じて仕掛けて、苦手意識のあった渡邉君をまくれました。でも、後ろに迷惑をかけたのは反省ですね。(状態は)良いと思う。(記念の)優秀戦は初めてだし、良いレースがしたいですね」


 目標の天田が桐山に合わされると、木暮安由は桐山の後位にスイッチする。最後はゴール前で交わして2着。


 「天田君の組み立てはうまかったけど、清水君のスピードが良かったですね。(天田が不発になってからは)うまく対応ができた。外を踏んでも良かったけど、内を見て進路を取った。交せての2着なので脚は良いと思う。疲れもなさそうですね」


 桐山敬太郎は、車間が空いた清水を懸命に追いかけて3着に入った。


 「(最終)ホームで(別線が)来てくれたら良かったけど、何もできないところで来られたので、どうしようもなかったです。(優秀戦が)3着権利だったので最後は踏ませてもらいました。3着になったけど、優秀戦にいけたのでホッとしています」

11R

選手の写真です。
中村浩士選手

 北津留翼が赤板前に踏み込むと、前受けの山田久徳は突っ張って出させない。郡司浩平は北津留に合わせて出ようとしたが、戦況を見極めて中団を確保。それでも、構えることなく最終ホームから仕掛ける。バックではライン3車で出切った。最後は郡司に続いた中村浩士(写真)が、余裕をもって追い込んだ。


 「(郡司が)ここぞってところで踏み上げてくれた。風が強い中で仕掛けるあたりは、心が違いますね。(前団を)越えられる感じはありました。後ろの大森(慶一)君が絡まれていたらどうしようと思っていたんですけど、いてくれて良かった。(自分の状態は)大丈夫です」


 郡司浩平は、積極的な組み立てでラインを上位独占に導いた。


 「北津留さんが遅かったので、先に切ろうと思ったけど。(山田)久徳さんが出させないように踏んでいたので冷静に戻りました。その後は、(大塚)健一郎さんに降りられないように気を付けて。仕掛けたタイミングは良くなかったですね。詰まってから行ってしまって。詰まる勢いで行ければ良かったです。出切るまでは、頑張って踏んでいました。走る前はプレッシャーがあったけど、1走してホッとしました」


 大森慶一は、3番手の仕事をきっちりと遂行して3着。初めて記念の優秀に駒を進めた。


 「ホームで(郡司が)行くだろうなとは思っていました。村上(博幸)さんの動きに注意して。何とか付いて行けて良かったです。記念の初日特選は2回目。(記念の)優秀戦は初めてです」


 

12R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 先に出た山岸佳太は松岡貴久に押さえられるも、赤板前に踏み込んで再びハナに立つ。この動きに反応した三谷竜生は、すぐさま巻き返して打鐘の手前で主導権を握った。そのまま4番手以下を引き離して駆けて行く。しかし、8番手で戦況を見極めていた近藤隆司(写真)が、打鐘の4コーナーから仕掛けて勢い良く前団に迫る。最終2センターで三谷をとらえて勝利した。


 「風が強くて。中近勢が3車なので、三谷君が行ってくれたらと思っていました。風がなければ(中近勢に)付いていくんですけど、風が強すぎて1回動いたら終わっちゃうなと。三谷君もこの風でキツいと思って、失速することを信じてホームで行きました。最近は、1着が取れている分、周りが警戒して動いてくれますね」


 中近ライン3番手の志智俊夫は、郡司と車間が空いた萩原孝之を張りながら前に踏んで2着に食い込んだ。


 「みんな言いますけど、風が強くてしんどかったですね。でも、三谷君の踏み出しに離れないで付いていけたし、出切ってからも余裕がありました。恵まれましたよ。三谷君のダッシュを楽に付いていけて上出来です」


 三谷マークの東口善朋が、2センターから前に踏んで3着に入った。


 「一流の自力屋(三谷)の後ろを回れて、気合いが入りました。最終ホームで決まったと思ったんですけどね。キツくて、いっぱいいっぱいでした」


 三谷竜生は強風の中での先行策に出たが、近藤にまくられて5着。二次予選回りを余儀なくされた。


 「風の影響もあって、思っていたより失速してしまいました。詰められた勢いもあったけど、もう少し頑張りたかったです。でも、仕掛けるところでは行けているし、反応も悪くない」

6R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 赤板で押さえて出た一戸康宏は、巻き返して来た山田久徳を突っ張って主導権を譲らない。高橋大作が山田と絡み、2番手以下は大きく車間が開く。近畿勢を追った飯野祐太(写真)は中団の外で様子を見ていたが、最終1コーナーでスパート。一戸との車間を徐々に縮めると、最終4コーナーでとらえた。


 「最初の仕掛けるタイミングで行けていたら、もっと楽だったと思います。2、3回バックを踏んだところで行ったので、明田(春喜)さんに迷惑をかけてしまいました。弱気でしたね。そこを修正できれば」


 飯野と併走していた山形一気は、最終ホームで内に進路を取る。池田憲昭は山形を追わずに、離れた飯野の後位にスイッチ。そのまま2着に入った。


 「(高橋)大作さんが結構車間を切っていたし、山形が内に行ったので。自分で行ってやろうと思ったけど、飯野君が来ていたのでスイッチしました。余裕はありますね。3着には入るなと思ったけど、山形とワンツーを決めたかったです」


 目標の山田が高橋に張られて後退すると、村田雅一は2コーナーから前に踏む。飯野に上を行かれたが、懸命に踏み続けて3着に入った。


 「山田君が頑張って張り付いてくれたので、チャンスがありました。飯野君にあたりたかったけど、半車身出られていたし。内に一戸君もいたので、ビビりながら踏んでいました。風もなくて、割とベストに近い状態で走れました」

7R

選手の写真です。
高橋陽介選手

 松岡貴久と小原唯志が中団で併走していると、先に出た安部貴之は先行の腹をくくる。松岡が踏み上げて前団に迫ったが、安部に絡まれて最終1センターで落車。大塚健一郎、谷津田将吾も巻き込まれてしまう。最終ホームから仕掛けた小原は落車を避けると、2コーナーから山おろしで加速。一気に前団をまくり切った。


 「下げるとまくれないし、中団は譲れなかったですね。4番(原田礼)が遅れてくれたのでスイッチしました。(落車を)かすめながら行った感じですね。落ち着いて走れているし、自転車も進んでいる。勝負は準決です」


 高橋陽介(写真)は落車を避けた勢いで安部の内に差し込むと、そのままインまくりの形で2着に入った。


 「余裕があれば、自分がやらないといけないんですけど。それを安部君がやってくれました。松岡君に切られるのが嫌だなと思ったところで突っ張ってくれたし、うまかったですね。落車があって、内に避けたときに差し込んでしまったのでインまくりになりました。気分の良いレースではなかったですね。アクシデントがなければ、確定板に入っていないのでツキはあると思う」


 杉本正隆は、最終ホームで小原と連結が外れる。それでも落車を避けると、小原を追いかけて3着。


 「原田君が邪魔で付いていけなかったです。小原さんともタイミングがズレました。(落車しそうな)危ない雰囲気は出ていましたね。(小原と)2人で上がれて良かったです」

8R

選手の写真です。
北津留翼選手

 川口聖二に蓋をした山岸佳太が、赤板で飛び出して主導権。警戒されていた川口は7番手で打鐘を通過するも、4コーナーから反撃を開始。光岡義洋が離れて援軍を失ったが、軽快なスピードで前団をまくり切った。しかし、4番手にいた北津留翼(写真)が、最終2コーナーから川口を目掛けて仕掛ける。直線半ばで川口をとらえてアタマ。


 「(川口が)1車で来たので、まくってもらいました。暑さのせいか、呼吸が整わなかったですね。脚がぼやけている。体重を落としたからか、トップスピードのトルクもいまいち。先行すれば感触がわかるんでしょうけど」


 川口聖二が2着。力強い走りを見せたが、惜しくも白星ならず。


 「7番手になって終わったと思いました。北津留さんも仕掛けないし、池田(良)さんは余裕がありそうで。ちょっと遠くて、自分だけのレースになってしまいました。まくり切れたのは大きかったけど、後ろから差されて誰だって感じでしたね。とんとん拍子にここまで来ることはあるけど、記念の決勝には乗ったことはない」


 北津留マークの池田良は2センターで勝瀬卓也に絡まれたが、これを凌いで3着をキープ。


 「初日に情けないレースをしたので、2日目は修正して臨めました。道中でも余裕があったけど、北津留君はどうなのかな。ラインでワンツースリーできれば良かったんですけど」


 

9R

選手の写真です。
湊聖二選手

 松本貴治が、先に動いた天田裕輝を赤板で押さえてレースを支配。打鐘、最終ホームと一本棒で通過する。中団を確保した天田は最終2コーナーからまくるも、3番手までが精いっぱい。最後は番手の湊聖二(写真)が、絶好の展開をモノにした。


 「(松本が)赤板で行く時に少し遅かった。(坂本)健太郎が引く時に行かないと、一本棒にならないんでね。でも、出切ってからは(別線を)見ているだけでした。流れていたし、もう来れないなと。あとは最後に抜くだけ。それくらい、カカっていました」


 2着の松本貴治は持ち味を存分に発揮し、別線を完封してみせた。


 「初日よりも風がなくて楽でした。初手で前、中団、後ろのパターンを頭に入れて、落ち着いて走れました。(33の感触は)まだ何とも言えないですね。でも、嫌な感じはしないです。(4月川崎記念は)周りに意識されなかったので、(初めての記念優出は)たまたまです。今回は力で決勝へ行けるように」


 近藤俊明も3着に続き、ラインで上位独占となった。


 「松本君がカカっていましたね。(別線に)降りられなければ、何とかなるかなと。記念の準決勝は久しぶり。状態も、最近は良くなっています」

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 高橋和也が渡邉雄太(写真)を警戒しながら、赤板でハナに立つ。中近勢を追いかけた渡邉は2コーナー手前で内に斬り込むと、インから主導権を奪い返す。最終ホームを一本棒にして駆けると、萩原孝之の追撃も振り切った。


 「外からは行けないと思ったので。内かなと思った瞬間に、(内へ)行きました。体が反応している。顔見せから重たかったけど、スピードをもらっていたので楽でした。(セッティングを調整して)それなりにしっくりきましたね」


 内に斬り込んだ渡邉と車間が空いてしまった萩原孝之。それでも、すぐさま追いかけてドッキングに成功する。援護してゴール前で迫るも、交わせず2着。


 「(渡邉)雄太が内へ行くとは思っていなかったですね。良く反応できたと思う。最後はしっかりと踏み直されました。(小島歩も含めて)3人で決まれば、もっと良かったですけどね」


 高橋は3番手から踏み上げたが、前団をまくれない。これを見た山内卓也は、離れた南関の3番手に切り替えて3着を確保した。


 「(内が)しまっているかどうかは別にして、(渡邉が)そうきたかと。(渡邉)雄太は流しながら駆けていた。(離れた)8番(小島)も、後ろにいるだろうと思って内を締めて回った。感じが良くない中で3着に入れて良かったです」

11R

選手の写真です。
村上博幸選手

 岸澤賢太が青板の1センターから動くと、井上昌己、藤岡隆治の順で動く。前受けから車を下げた三谷竜生は、赤板の2コーナーから巻き返して主導権を握った。そのまま3番手以下の車間が開き、別線はお手上げ。最後は村上博幸(写真)がマッチレースを制した。


 「(三谷)竜生がどうあっても1着かなって感じで。自分は、どんな展開でも付いていかないとって思っていました。(三谷は)流石でしたね。仕掛けるタイミングも、僕が思っているよりだいぶ早い。最近は練習もできているし、感じは悪くないけど、思うような展開にならなくて。この1着は嬉しい」


 ワンツーを決めた三谷竜生は、末の粘りを課題にあげる。


 「仕掛けるところで行けてはいるけど、ちょっと末が甘いですね。自分の中では少しタレているなと。それでもしっかり踏めているし、準決につながるとは思う。あとは最後の粘りだけですね」


 俊敏に動いて中団にポジショニングした井上昌己は、2コーナーから踏み込んで一気に前団に迫る。しかし、あと一歩及ばず3着まで。


 「(村上)博幸が残し気味だったから、もうちょっとで交わせると思ったけど。でも、最近の中ではコーナーも踏めていた。キツいメンバーの中では良くやれた」

12R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 優秀「銅門賞」は、近藤隆司(写真)が制した。レースは後ろ攻めの郡司浩平が、突っ張り気味に踏んだ前受けの近藤を赤板の1センターで押さえて主導権。すかさず清水裕友が巻き返すも、郡司を叩けずに中団で併走する。8番手まで下げた近藤は戦況を見極めると、最終2コーナーから清水を目掛けて踏み上げる。大外を一気に進み、ゴール前で抵抗する郡司をねじ伏せた。


 「初日よりレースのスピードが速かったですね。木暮の内で粘るよりかは、下げてと思って。そしたら、引いた時に清水が行ってくれました。清水が浮いて木暮が封じ込められたので、そこを乗り越えられたらと。木暮より先に行かないとって気持ちだったので、(木暮が被って)ラッキーでした。今の俺があるのは郡司君のおかげなので、準決勝は郡司君の前で。焦らずに、落ち着いて走ります」


 中村浩士が、近藤の仕掛けにきっちりと続いて2着を確保した。


 「近藤君の中では楽な展開でしたね。全体のスピードを上げて、みんなの力を使って、もう1回行くっていう。(近藤の仕掛けは)飲み込むなって感じでした。(自分の近況は)万事休すの展開から踏み込めていると思います。どんな展開でも車券に貢献しようと思っているし、一つ一つを丁寧に走ろうと。その中で結果が出ているだけです」


 郡司浩平は、清水の反撃を退けて主導権をがっちりキープ。近藤にまくられたが、末良く3着に粘った。


 「桐山(敬太郎)さんが振っていたのが見えて、もうひと踏みの余力があったので全開で。僕の距離ではなかったけど、桐山さんにやってもらっての3着です。(今回から換えた)自転車と体は良いけど、サドルの吸い付きが悪い。それを体でカバーしている感じです」


 「行き切れなくて悔しいです」とは、郡司に力負けした清水裕友


 「もう一個の伸びがなかったです。思っていたよりも、展開が整ってしまって。もっと、ぐちゃぐちゃになってくれていたら良かったですね」

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
近藤隆司選手

 青板の2コーナーから川口聖二が上昇して赤板前から先行策に出る。北津留翼が中団を確保し、前受けから引いた近藤隆司は車間が空いた7番手。最終ホームまで隊列は一本棒で通過する。窮地に陥った近藤だったが、車間を詰める勢いで1コーナーから反撃を開始。圧巻のスピードで前団をひと飲みする。最後は続いた郡司浩平(写真)が、ゴール前で差し切った。


 「判断は(近藤)隆司さんに任せていたので、8番手になっても焦りはなかったです。自分だったら、あそこ(車間が空いて7番手)の位置はキツいかなと思うんですけど。(近藤)隆司さんが強かったですね。脚質的に、伸びていくし、すごいカカっていましたね。今度、隆司さんの前で走りたいと改めて思いました。そうやって、結束力を高められたら」


 近藤隆司(写真)は連日と同様に、抜群のスピードで別線を一蹴した。


 「すんなり一本棒になったので、川口君がまだ駆けないだろうと。そう思っていたら、打鐘から全開で駆けたので、前との距離が空いてしまいました。ホームでは無理矢理追いかけていました。でも、川口君がオーバーペースだったので、北津留さんの横を乗り越えられたら行けると思いましたね。(郡司と)2人で勝ち上がれたのは大きい。(郡司)浩平の前で走るのは、師匠の前で走るのと同じくらい気合が入ります」


 川口の番手から、志智俊夫が追い込んで3着に入る。


 「前と後ろのおかげ。(近藤の)影が見えなくて、3コーナーでいかれてしまった。でも、村田(雅一)君が、(2センターで)外を止めてくれて。あれがなかったら、全部いかれていました。次走が地元戦なので、決勝は良い走りをしたい」


 

11R

選手の写真です。
井上昌己選手
選手の写真です。
中村浩士選手

 渡邉雄太が松本貴治を制して前に出る。しかし、立て直した松本は、赤板手前から再度踏み上げて渡邉を叩いた。これを見た飯野祐太が巻き返すも、井上昌己(写真)のけん制もあって出切れない。井上は、最終3コーナーから自力に転じた高橋陽介に合わせて前に踏む。そのままゴール線を先頭で駆け抜けた。


 「(松本は)強いですね。2周半でいっちゃうんだから。でも、最後はタレてきてしまった。ホームで車間を空ける余裕があれば良かったけど。(状態は)付いていく分には、問題ないです。タテには踏めているし、オールスターの時よりは良い」


 渡邉が叩かれると、桐山敬太郎は松本ラインに切り替える。これを追った中村浩士(写真)は、自力に転じた高橋後位にスイッチ。2センターから大外を回して2着に入る。


 「(渡邉)雄太の頑張りと、桐山君の気合を受け止めて走りました。(松本は)強いね。あれを出切ったんですから。自分は3番手だったし、(高橋に)付いていって待って踏んだだけ。何か伸びちゃいました」


 高橋陽介は諦めずに踏み続けて3着。今年も小田原記念の決勝に駒を進めた。


 「ずっと苦しくて、(飯野)祐太も苦しいところを行ってくれた。キツかったと思う。行ってくれたからには、どっちかが(決勝に)乗らないと。自分もいっぱいだったけど、まくって出ました。今回は体調が悪くてあきらめ気味だったけど、連日後輩が頑張ってくれたおかげです。これで、小田原記念は4年連続で決勝に乗れました」


 強気に攻めた松本貴治だったが、最後まで余力が残っていなかった。


 「想像していたより、レースが早かった。理想は、(動き出すのが)あと半周後くらいが良かったですね。付いてもらっているし、(主導権は)最低条件だと思う。ラスト半周は、脚が回っていなかったです」


 

12R

選手の写真です。
木暮安由選手
選手の写真です。
清水裕友選手

 清水裕友に蓋をされた小原唯志だったが、視界が開けると間髪いれずに反撃。赤板で主導権を握って軽快に風を切っていく。前受けの三谷竜生は一旦後方に車を引いたが、中四国勢をすくって4番手を確保。インを進出してきた湊聖二を見るや、最終1センターからまくり上げる。車間を切っていた木暮安由(写真)は、三谷の動きに反応して2コーナーから番手まくりを敢行。力強く押し切って激戦を制した。


 「できれば、ラインで決めたかったです。でも、小原さんが出るのも早かったし、申し訳ないけど踏ませてもらいました。小原さんが主導権を取ってくれたので、この1着があります。(状態も)段々と上がってきています」


 東ラインの3番手を固めた近藤俊明は、木暮の仕掛けをピタリと追走。2センターで三谷を張って、2着に続いた。


 「走っていて、余裕はありました。木暮君がまくった時に遅れることなく付いていけていますし。記念の決勝は初めて。勝ち上がれて嬉しいですね。本当にラッキーボーイです」


 すくわれた清水裕友(写真)は、最終ホームで8番手。しかし、近畿勢を追いかけると、2センターから外のコースを踏んで3着に食い込んだ。


 「(三谷が)外にいると思ったら内にいて、構える暇もなかったです。気づいた時には遅かったですね。その後は(最終2コーナーで)行って、バックで休んで。最後はゴール勝負と。後ろには迷惑をかけてしまいました。でも、決勝に乗れたっていうのは大きいです」


 三谷竜生は近藤のブロックを耐えたが、直線で伸びを欠いて5着に終わった。


 「このメンバーだし、木暮さんが前に踏むことも頭に入れていました。湊さんが見えたので、自分の(仕掛ける)タイミングではなかったですね。位置を取って仕掛けられたけど、行き切りたかったです」


 小原唯志は果敢に駆けて木暮の勝利に貢献した。


 「ちょっと出るのが早かったですね。出切ってからは、全開でいけるところまでと。もちろん、自分も勝ちたかったです。また力を付けて勝てるように。これからなので」


 


 


6R ブロックセブン


 最終日の第6レースでは、S級ブロックセブンが行われる。中心になるのは、昨年末のヤンググランプリを制覇した鈴木竜士だ。近況は積極性が増すと、7月弥彦記念で決勝に進出。オールスターは白星こそならずも、5343着で連日バックを取る強気な走りを見せた。


 「最近はバックを踏むことがなくなりました。流れの中で仕掛けようと思っています。(状態も)かなり良くなっていますね。キレやスピードが戻ってきています。オールスターはバックを4本取れたけど、勝ち上がらないと意味がない。でも、少しでも上のレースと思って走っていました。(7車立ては)9車でも7車でも先行してしまえば変わらないと思っています」


 競走得点こそ鈴木に劣る窓場千加頼だが、近況は8月松戸記念を2181着など好成績。点数以上の強さを見せている。


 「調子は良いですね。(好成績の要因は)僕の場合、気持ちが重要で。気持ちを強く持てていることだと思います。直前は元砂(勇雪)君に連絡して、(当所と同じ33バンクの)奈良で練習をさせてもらいました。鈴木君とは、(5月)名古屋記念の最終日にカマされています。でも、あの時とは気持ちも脚も違うので」


 7月前橋FI、小松島FIを連続優出した三宅達也。だが、状態が気になる。


 「小松島(決勝)の落車で肩甲骨の3分の2が割れてしまいました。でも、オールスターを走れたし、練習もできているので大丈夫だと思います。(連係する)東矢(昇太)君とは初めてですけど、付いて行けば何とかなると思います」


 東矢昇太は、7月福井記念で敗者戦ながら2連対。一発の魅力を秘めている。


 「前回(京王閣FI)から、フレームを換えました。反応と出だしは良いけど、最後の伸びが前より良くない。それを、どうセッティングで出すか。7車はミッドナイトで走ったことがあります。小田原も悪いイメージはないですね。本番は、自分のタイミングで思い切り行きたい」