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36#

検車場レポート

  • 8/25 Fri.  (前検日)
  • 8/26 Sat.  (1日目)
  • 8/27 Sun.  (2日目)
  • 8/28 Mon.  (3日目)

1R

 新鋭の簗田一輝は、前回の平塚で落車も、「怪我の影響はない」と心配なさそう。今シリーズは、記念初参戦となった7月福井記念以上の活躍を誓った。


 「今、残っている怪我は、肘とか脚の擦過傷くらいです。怪我も大丈夫だし、休まずに自転車にも乗ってきました。練習の感じは普通でしたね。福井(記念)はいいレースがなかったので、今回はいいレースをしたいです。魅せるレースをしないと」


 伊藤裕貴は前回の函館から中3日の強行軍。疲れが心配だ。


 「函館がナイターだったので、実質中2日ですね。まさか1レースとは思わなかったです。ここまでは追い込んだ練習はやらないで、ゆっくりしてきました。今回はFIとは違うし。緩んでいた部分もあるので、もう一回気を引き締めて」

2R

 宿口陽一は、1、2班戦を9連勝して特別昇級。そして、8月小松島では122着とS級でも勢いに乗っている。


 「(S級)初戦の宇都宮の初日に飛んで。こんなもんだなと思ったら、2日目、最終日と連に絡めて。特に、最終日に500バンクで先行ができたのが良かったですね。A級の時に先行とか、捌きとか、いろいろな事をやったし、今は先行も苦じゃなくなりました。(別線に)出られても、ある程度対応できるようになりましたね。脚は変わっていないけど、気持ちが変わりました」


 同じく6月のレインボーで特別昇級した阿部拓真も、ここまで3場所連続でFI戦を優出と良い流れ。ここも、積極的に攻めて存在をアピールするか。


 「S級に慣れてきたし、(3連続でFIを優出して)良い感じで小田原にこれました。(ここまで中16日空いたが)いつも練習を一緒にやっている和田(圭)さんに稽古をつけてもらいました。前半は雨だったので、室内でやって。後半は、しっかり乗り込めましたね。前回(7月小松島)の記念は厳しかったので、今回は頑張りたい」

3R

選手の写真です。
川崎健次選手

 当所がホームの川崎健次(写真)。「ここに向けてやってきました」と気合い十分で検車場に現れた。


 「ここまでは大学で、低酸素トレーニングをやってきました。ウエイトみたいなものなので、最初は疲れすぎでモガけなかったです。でも、徐々に感じはつかんできているし、練習の感触はすでに良くなってきています。あとは、結果。まずは初日ですね」


 川崎に前を任された松坂洋平は、前回の向日町で611着と今年初V。ムード良好で地元記念を迎えた。


 「前回の準決勝は、後ろのおかげです。仕事をしてくれたので。決勝は自信を持ってまくれました。ここも力を出し切れるように頑張ります。優勝しているので、調子も悪くないと思います。地元の川崎さんもいるので、気合を入れて」

4R

選手の写真です。
田中晴基選手

 田中晴基(写真)は、2月当所で開催された第4回国際自転車トラック競技支援競輪でGIIIを初制覇。相性の良いバンクで再度暴れ回るか。


 「前回(第4回国際自転車トラック競技支援競輪)は3日制だったし、今回は違うので。予選からだし、初日からしっかり頑張らないと。でも、小田原のイメージは良いですよ。(才迫開は)僕と対戦するときだけ強くなるんですよ。競走のリズムが合わないのかも。油断せずに、頭にいれながら。ここまでは、前回(オールスターで2勝を挙げて)感じがよかったので、そこを確かめるようにやってきました」


 その才迫開は近況の動き良好。前回の平塚でも、171着と力強い走りを披露した。


 「最近は、一発がハマっていますね。ダメな時はダメですけど、いければ。特に何も変えていません。期が変わって心機一転って感じですね。ここまでは暑さもあって、あまり練習はできませんでした。できることをしっかりやりたい」


 

5R

 マティエス・ブフリら外国勢を撃破し、8月小松島を制覇した河村雅章。続く平塚では844着と精彩を欠いたが、感触は悪くなかったようだ。


 「前回(平塚)は、周りに警戒されて組み立てに失敗しました。でも、車の出は良かったし、調子もずっと良いです。(200勝まであと2勝だが)すっかり忘れていましたね。そういう目標を持って走りたい。33は展開が読めないから立ち遅れないように」


 今期S級に復帰した笹倉慎也は、7月富山を補充ながら13着。続く小倉を優出と好走を見せている。


 「S級は思ったより違和感なく走れています。A級の後半にぎっくり腰をやって。特に何も変えていないんですけど、治ってから感じがいいですね。記念は久しぶりです。初日はFIと変わらないメンバーなので、意識せずに頑張ります」


 齋藤宗徳はメンバーを眺め、「やりやすそうなメンバーですね。自分の行ける所から仕掛けて勝ち上がりたい。ここまで中3日ですけど、普通に練習をしてきました。前検日の1日で疲れが取れる様に」と一次予選突破に意欲を燃やした。


 

6R

 山本伸一は6月青森925着を皮切りに、成績が上昇している。続く高松を完全V。さらに、8月小倉も後輩の頑張りを無駄にせず制するなど、完全復活へ歩みを進めている。


 「徐々にですね。脚の感じは戻っていたし、状況に応じた走りができるようになってきました。弱気なところがまだあるけど、強い気持ちを持って走れば結果は付いてくると思います。ここまではちょっと疲れがあったので、抜いてきました。状態は良いと思いますよ」


 優出こそない木村弘だが、毎場所で果敢に攻めている。あとは結果に結びつけるだけだ。


 「少しずつですけど、先行しても考えて走っています。(小田原は)久しぶりですね。イメージは特にないけど、悪くはないです。今回もしっかり逃げたいですね」

7R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 山岸佳太(写真)は、8月小倉を連日の先行策で118着。続く函館128着の準決勝でも、川村晃司らを相手に逃げて芦澤辰弘とワンツーを決めた。


 「(近況の好成績は)後ろのおかげが大きいです。まだまだ課題もいっぱいあるし、そこがあるから決勝で勝ち切れない。先行だと出切れば通用するんですけど。脚を使って中団を取った時にまくりを出せる様に。そういう練習も少しずつやっています。決勝に乗りたいのは山々なんですけど、まずは準決勝まで勝ち上がりたい。(状態は)函館から中3日なので、走ってみないととしか言えないですね」


 対する伊藤勝太は前回の向日町で234着など、コンスタントに優出を果たしている。侮れない存在だ。


 「無理に仕掛けてもしょうがないし、脚を溜めすぎて失敗することもありました。それなら脚を使ってでも、位置を取ろうと。後ろに付いてもらった人もいるので。良い位置をとって、自力を出せれば決勝に乗れる様にはなってきましたね。ちょっとずつ上がっていきたい」

8R

選手の写真です。
堀内俊介選手

地元の堀内俊介(写真)は、前回の名古屋を423着。ここまでもレース間隔が空いて準備万端だ。


 「前回は感触がよくなかったけど、結果は付いてきましたね。ここまでは(中14日)空いたのでがっつりやってきました。小田原バンクに練習はこないですけど、デビュー戦もここだし、やっぱり地元なので気持ちを入れて。初日も後ろが高木(隆弘)さんだし、力を出し切れる様に。初日からしっかり走りたい」


 城幸弘は6月函館を216着など随所で結果を出しているが、求める理想には遠い。


 「函館も、前回(向日町812着)も、展開のみ。力で勝った感じではないです。練習はいいし、こんなもんじゃないんですけど…。ここまでは普通に練習をしてきました。初日も自力で頑張ります」


 

9R

 予選の主役は野原雅也が務める。7月福井記念では、武田豊樹らを撃破して見事優出。前回のオールスター初日でも、大立ち回りで白星と存在を大いにアピールした。


 「オールスターでは自分の中で一次予選はクリアしたいと思っていました。余裕がなくて、ごちゃごちゃしてしまったけど、勝ち上がれてよかったです。二次予選は、平原(康多)さん、山中(秀将)さんと対戦して。勝ち上がりたかったですけど、後ろ2人(稲川翔、東口善朋)は上がったから勝負はできたかなと。ある程度は力が付いてきたかなって気はします。(過去に小田原は)優勝しているけど、気にせずにしっかり走りたい」


 久木原洋は、強敵相手に一矢報いたい。


 「(野原は)強いけど、自分の得意なことをやりたいですね。(夏場から白星が増えているが)ハマった時に1着は取れています。ここまでは普通に練習をしてきました。初日が頑張りどころですね」


 山本奨も5月宇都宮記念で2勝など、一発の魅力たっぷり。


 「ここまでは(中12日空いて)しっかり練習できました。(一次予選は)野原君を7番手に置ければ。先行を含めて何でもしますよ。お客さんに、少額投資で穴を空けられるように」

10R

選手の写真です。
岩津裕介選手

 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。岩津裕介(写真)は、前半戦こそ一息に終わったが、近況は6月久留米記念を準Vなどキメ脚が戻ってきている。


 「優勝がないので、モヤモヤしているところはありますね。周りがレベルアップしているので、何か取り入れて自分もレベルアップしないとっていう感じで今やっています。(周りの)タイムも上がってきているので、その辺をしっかり対応したい。小田原は、あんまり走っていないけど、相性が良い感じはありますね。小田原の神様に好かれています(笑)」


 取鳥雄吾は、オールスターを4399着。気持ちを入れ直して今シリーズに臨む。


 「オールスターは疲れましたね。プレッシャーは感じないと思ったけど、終わってからホッとしてしまった。そこからシャキっとしなかったけど、そうも言っていられないので。(記念の決勝は)乗るだけだったら、乗っていますけど、もう一回自分の力で乗らないと。岩津さんに作戦を聞いて、しっかり仕掛けたい」


 和田真久留は、3年連続で地元記念に参戦。気負いなく自然体を意識する。


 「タテが基本ですけど、被った時の打開策も必要だなとオールスターで思いました。ヨコを覚えるんじゃなくて、やり方ですね。小田原は練習もしないし、気負いはない。いつも通り走ります」

11R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 竹内雄作(写真)はオールスターの決勝で落車失格。しかしながら、準決勝では逃げて中川誠一郎らを相手に先着と随所で軽快な走りを見せた。


 「オールスターの決勝は勉強不足。いい経験になりました。(随所で好走したが)最終日があれなので…。ここまではケア中心ですね。落車は、もう大丈夫。小田原を走ったことは過去にあるけど、イメージはないですね」


 一息の成績が続くS班の中川誠一郎。ここで悪いながれを断ち切りたい。


 「(オースターを走って)感じはつかみだしたけど…。ただ、まともに走れたので、よくなればいいですね。最近の33は割と結果も内容も良いですよ。ここまでに疲れは取れました。練習もがっつりじゃないですけど、コンスタントにやってきました」


 山中秀将は2勝を挙げたオールスターを振り返りながら課題をあげる。


 「オールスターは良い所と悪い所がはっきり出ましたね。2勝できたので、いい状態で臨めたとは思います。でも、良い時は、自然と体が勝手に動くんですけど、その感覚は薄かった。もしかしたら、最高の状態ではなかったかもしれません。(最近は)ちょっとずつ底辺が上がってきて。FIでも、記念でも叩くことはなくなってきました。仕掛ければ、絶対に連対できていると思います。あとは、その仕掛けるタイミングを作れるか。そこが大事ですね」

12R

選手の写真です。
渡邉一成選手

 渡邉一成(写真)は、オールスターで2度目のGIタイトル奪取に成功。一層注目が集まる今シリーズだが、コンディションの不安を吐露する。


 「オールスターは、準決勝で(目標が)新田(祐大)ってのは大きかったですね。落車もあったし、4番手からだと今の新田ならすんなりまくれる。決勝は差すにしても、外からがよかったです。踏み込んだ時に内に差してしまって。今回はオールスター中から膝が痛くて、出るか迷いました。痛みはなくなったけど、それは練習をしていないから。練習不足です」


 当所を冬季移動先にしている高橋陽介が渡邉の番手回り。前回のオールスターで落車したが、気合で乗り切る。


 「落車の影響がないと言ったらあれですけど。できる限りのことはしてきたし、オールスターの前に練習はしていたので。痛みはあるけど、タイムはベストのが出ています。あとは走ってみてですね。(渡邉との連係は)何回もありますよ。ダッシュはあるけど、新田(祐大)とかよりは付きやすいタイプ。大丈夫だと思います」


 度重なる落車渦に見舞われている吉澤純平も、影響はなさそう。


 「(オールスター最終日の落車の怪我は)軽傷でした。すぐに練習も始められましたね。フレームも大丈夫。(状態は)自分の中で良くはなっている感じがあります。小田原は久しぶりですね。悪いイメージもないし、33自体も苦手はないです。しっかり力を出し切りたい」

1R

 赤板過ぎに伊藤裕貴が主導権を握り、中団を桑原亮がキープする。佐藤和也と6番手でもつれた簗田一輝は打鐘の4コーナーから強引に仕掛ける。簗田は桑原に阻まれ力尽きると、石毛克幸が自力に転じてまくる。逃げる伊藤を石毛がとらえて、それを追った佐藤の外を大崎和也が踏んで直線。石毛、大崎での横一線のゴールは、両者で同着。外を力強く伸びた大崎が振り返る。


 「ここは普段から練習しているんで、地元みたいなもの。内はもう無理だったんで、外を見たら練習で踏んでいるコースが見えたので、ダメ元で行ったら伸びました。結果を出せたし調子はいいです」


 瞬時の判断で自力に転じた石毛克幸のタテ脚は、サビついていない。


 「(簗田が不発になって)すぐ行けたので悪くない。普段は出していないまくりを出したから最後はキツくて4着まで沈んだかと(笑)。愛敬(博之)君にもってこられないように外々を行けて良かった。今期はちょっとずつ状態が良くなっている」


 

2R

 赤板で主導権を握った北野良栄に宿口陽一が襲い掛かる。打鐘から始まった両者の先行争いは最終ホームを過ぎても決着がつかず、阿部拓真が満を持してまくり北日本ワンツー。


 「展開一本ですね。前受けは考えていなかったけど、けん制が入ったのでああなりました。赤板で突っ張っても良かったけど、宿口さんを後ろにおいて踏み合うのは違うかなって。冷静に走れました。まくって行く時にモコモコしてたからヤバいかなって思ったけど、下りでなんとかですね」


 阿部をソツなく追った山田敦也は、直線で思うように詰まらず4分の3車身差の2着でゴールした。


 「作戦はすべて(阿部に)任せました。あの展開なら本当は抜かないといけないけど、(阿部が)強くなっていますね。自分ももう少し調子が良ければって気もするけど、まだまだですね」


 

3R

選手の写真です。
白岩大助選手

 後ろ攻めの市川健太が、青板前から上昇を開始。松坂洋平に蓋をしてから、赤板で主導権を握る。中団を手にした山形一気は松坂を張りながら踏み上げるも、車の進みは今ひとつ。番手の白岩大助(写真)は最終2センターで山形をけん制すると、そのまま前に踏んでアタマ。しかし、市川を残せず、レース後は反省しきり。


 「(山形の)勢いがいいと思ってしまって…。振って、戻ったら流れてしまいました。結果的に、もっと引き付けられたと思います。そしたら、市川さんを残せたかもしれないし。申し訳ないです。追い込みとしては評価できないレースですね」


 平石浩之が白岩に続いて2着に入る。


 「市川さんが強かったですね。バックでは誰も来れないくらいのカカりでしたよ。自分は余裕もあったし、感じも良かったです」


 前団をまくれなかった山形一気だったが、懸命に踏み続けて4着。辛くも二次予選に進出した。


 「中団を取れたまではいいけど、そこからが。ビジョンとしては、(松坂の)勢いがよかったら止めて、そこからまくりにいこうと。自分のパターンだし、まくれる感じはあったんですけどね。自分の頭と、実際の動きが違う。まだチャンスはあるし、時間もあるので修正します」


 

4R

 廣田敦士に逃げを射程圏に入れて、田中晴基は4番手を手に入れた。田中が最終ホームから仕掛けるが、廣田に合わされて車の出は一息。3コーナーで坂上忠克がブロックをすると、武田憲祐が坂上のインを突いてそのまま廣田まですくって抜け出した。


 「申し訳ないなと思いながらも、内が空いていたので…。スピードを殺さずに行けました。判断は良かったと思うし、内が空いた運もある。前回の落車でフレームがダメになって、昔のフレームにしたんですけど。これも悪くないですね」


 武田に内をすくわれた坂上忠克だったが、立て直して2着に入った。しかしながら、逃げた廣田の内からから追い込んだコース取りを反省する。


 「廣田君が頑張ってくれた。けど、俺がダメ。先行屋の内をしゃくってしまう、最低なレースをしてしまった」


 4番手を確保しながらも前団を乗り越えられず、田中晴基がまくり不発。


 「想定通りにレースは進めたけど、車の出が悪かったですね。前回が終わってからセッティングを煮詰めてきたけど、方向性が悪かったのかな。ちょっと考えないといけないですね」

5R

 笹倉慎也が打鐘で南関勢を受けて4番手。6番手になった河村雅章だったが、最終2コーナー手前からまくると中田健太を置き去りにして前団を仕留めた。


 「切って4番(齋藤宗徳)を待とうと思ったけど、あれって感じで7番(笹倉)が来ちゃって。あれで位置が悪くなってしまった。みんな欲しい位置ですから。最終ホームで少しパニックになりそうになったけど、なんとか仕掛けられました。脚を使ってまくれているので悪くはないですけど、短走路だから組み立てが難しいです」


 齋藤の逃げを利した加藤圭一は、河村のまくりを張りながら追い込んで2着。


 「シューズを換えて良くなりました。(齋藤は)いいタイミングで行ってくれたし落ち着いてましたね。掛かりも良かったと思うけど、河村君がどこにいるのかわからなくて…。それで焦って踏んでしまったから、(齋藤を)沈めちゃいました。もう少し自分に余裕があれば良かった」

6R

選手の写真です。
谷津田将吾選手

 木村弘が、先に前に出た巴直也を赤板で押さえる。すぐさま山本伸一が巻き返すも、木村はこれを突っ張ってモガき合いに発展。すると、最終ホームで番手をキメにいった加藤慎平と山本が接触して落車するアクシデントが発生する。そのまま木村が風を切ると、最後は番手の谷津田将吾(写真)が追い込んだ。


 「前回の向日町で山本君と一緒だったんですけど。その時に山本君は気持ちが焦っている感じで。落ち着いていけば何とかなるかなと。木村も最近いいので。残せなかったのは力不足です。小田原には中学校まで住んでいて、小さい時から親父に連れられて小田原バンクに遊びにきていました。思い出の場所です。緊張しました」


 最後方で落車を避けた小菅誠は、2コーナーから仕掛けた巴直也を追えず。しかし、直線で中のコースを伸びて3着に食い込んだ。


 「斬って、北勢を出させて。あとはモガき合ってくれればと思っていました。あれを中近が叩いて、一本棒になるときつかったですね。(落車があって)外に避けて、巴に付いていこうと思ったけど、遅いかなと思って。その後は、何とか(勝ち上がりの)権利を取らないといけないと思って踏みました」

7R

 人気を背負った山岸佳太が、赤板で伊藤勝太を叩き主導権を握った。そのまま絶妙なペースで駆けると、別線はお手上げ。飯嶋則之の追撃も振り切って、圧巻の逃走劇を完遂した。


 「(赤板からは)自分の距離だと思ったので迷わず行けました。久々の33だったので、外を気にしていたら膨らんでしまって。それが波を作った形になって、良い方向に出ましたね(笑)。前回と同様に調子は悪くないし、飯嶋さんを振り切れたのは自信になる。でも、ラインで決まったのが一番良かったです。関東勢が一人でも多く二次予選に上がってくれればと思っていたので」


 飯嶋則之は交わせず2着。しかしながら、ここ2場所は初日失格だけに安堵の表情を浮かべる。


 「自分に余裕がないのか、山岸君の踏み直しがすごいのか。どちらにせよ、抜ける気はしなかったです。でも、ようやく1レースを走り切れましたよ。ホッとしています。これで流れも変わってくれるといいね」


 赤板で関東勢を追った岸川哲也は、4番手を確保。バックから伊藤の仕掛けに合わせて踏んだが、前団をまくれず4着。


 「脚をあまり使わずに良い位置が取れたのだから、(最終)ホームでいっていればよかったですね。結果はわからないけど、いかないと布居さんにチャンスがないので。気持ちの弱さが出ました」

8R

選手の写真です。
城幸弘選手

 堀内俊介が、合わせて踏んだ城幸弘を赤板で押さえて先行策に出る。打鐘、最終ホームと隊列は一本棒。中団を確保した城幸弘(写真)は、最終2コーナーから踏み上げる。高木隆弘のブロックも凌いでまくり切った。


 「堀内君だったら、(佐川翔吾を)出させないと思いましたね。最終ホームでいきたかったけど、我慢しました。練習の感じはずっと良かったです。でも、たまたま中団が取れて、たまたままくれた感じですね。堀内君と佐川さん任せのレースだったので。もっとインパクトのあるレースがしたいけど脚がないので(苦笑)」


 兵藤一也が2着に続き、関東ワンツー決着。


 「(最終2センターで)丸山(啓一)さんが締めているように見えたけど、内に8番(堂村知哉)が入ってきて。それを見ちゃった。でも、まだ城君が伸びていたので付け直せました」


 逃げた堀内俊介が3着に粘る。反省を交えてレースを振り返った。


 「出切ってしまえば、全部止めてくれると思ったので。先行して主導権を取ろうと思っていました。佐川さんを見て、来たら合わせようと思っていたけど、なかなか来なくて。どこから踏むか迷っちゃいましたね。ここって決めて踏めていれば、もっとカカったと思う。ペースでは踏めたけど重かったですね」

9R

選手の写真です。
野原雅也選手

 前受けから後方に下げた野原雅也(写真)だったが、赤板の2コーナーから一気の巻き返し。ペースを上げた久木原洋を最終ホームで強引に叩いた。そのまま軽快に風を切り、ゴールを先頭で駆け抜けた。


  「予選スタートだし、脚は無いけど、点数があるので。潰しにくるっていう怖さがありました。すんなり出させてくれる展開にはならないと思っていましたね。33の7、8番手は怖さしかないです。1センターで詰まったんですけど、仕掛けるタイミングを逃してしまって。そこで駆けられなかったので、押し出されるように(2コーナーから踏んだ)。めちゃくちゃきつかったですね」


 前田拓也が続いて2着。レース後は野原を「強い」と絶賛した。


  「(野原は)さすがですね。タイミングというより、力ずくでいきましたね。野原君が先頭に出た時が一番きつかった。バックくらいで追いついた感じですね。オッズを見ていなかったら離れていたかも。あれを見てしまったら、何とか付いていくしかないので」


  近畿3番手の奥谷広巳は、踏み出しで離れてしまう。叩かれた久木原洋が、懸命に踏んで3着に入った。


 「どうにか、頑張りましたね。3番手(奥谷広巳)が離れるのも作戦会議では話していたんですけど。競走得点の差が15点もあるし、そこをあてにしても。突っ張ろうと思っていました。駆けるには駆けたんですけど、最後は自分の着を確保するので精一杯。後ろには迷惑をかけました」


 

10R

選手の写真です。
渡邉晴智選手

 取鳥雄吾と早坂秀悟で赤板過ぎからモガき合う。軍配が取鳥に上がると、早坂マークの和田圭が3番手の和田真久留に絡んでもつれる。すると、和田真マークの山賀雅仁が2コーナーから自力発進。軽快なスピードで前団をまくり切る。最後は、続いた渡邉晴智(写真)が差し切った。


 「ラインの結果ですね。頑張ってくれた前のおかげ。抜けるとは思わなかったし、1着が取れたので言うことはない。(前回落車したが)体もフレームも大丈夫そうです」


 優秀へ勝ち上がった山賀雅仁だが、険しい表情で検車場に引き揚げてきた。


 「和田(真久留)君は頑張ってくれたけど、番手を回してもらった責任感もあったので。申し訳ないが、踏ませてもらいました。色々やりようはあったかなって今は思います。前があっての競走だったし、調子どうこうは何とも言えない」


 岩津裕介はバックから番手まくりを放つも、山賀に上をいかれて3着。


 「格上が相手だったし、(取鳥)雄吾もそんなに余裕がなかった感じ。最終バック線がゴールみたいなペースだったので、いつ(番手から)出るかが難しかったけど、前に踏ませてもらった。感じは思ったほどではないが、少しずつやっていくしかない」


 

11R

選手の写真です。
北野武史選手

 山中秀将が、合わせて踏んだ竹内雄作を制し赤板で前に出る。しかし、態勢を立て直した竹内が、一気に踏み上げて赤板の2コーナーで強引に主導権を奪う。そのまま北野武史と、澤田義和を連れて別線を完封した。


 「(先行するか)最悪、中団でと思ったけど。下手なレースをしてしまった。後ろが付いてきてくれて感謝です。しっかりと踏み直せたし、悪くはないですけど。もう少し早めからトップスピードに乗せるような走りができていれば、このあとに繋がるレースになったと思います。体は大丈夫なので、優秀も頑張ります」


 北野武史(写真)は竹内に食い下がって2着。引き揚げて来ると、息を切らして倒れ込んだ。


 「気持ち悪いくらい強かった。自分なりにはちょっと余裕もあったけど、抜く抜かないのレベルじゃないですよ。竹内にとって、一周半は余裕な距離かもしれないけど。たぶん、もう半周長くても抜けないでしょ。自分でもよく頑張ったと思いますよ」


 山中秀将は中川誠一郎の仕掛けに合わせて中団からまくるも、力及ばず6着。


 「最終ホームは(車間を)空けたんじゃなくて空いてしまった。最後も詰める感じで踏んだというよりも、詰めるしかなくて、踏まされた感じですね。あそこからまくれる感じはしなかった」


 

12R

選手の写真です。
高橋陽介選手

 最終レースは驚愕の決着となった。後ろ攻めから吉澤純平が上昇して前に出る。その上を渡邉一成が強引に押さえ赤板前で主導権を握った。すぐさま稲毛健太が巻き返すも、渡邉を叩けず3番手に降りる。すると、吉澤が最終ホームから反撃を開始。合わせて踏んだ稲毛を力でねじ伏せると、逃げる渡邉を2センターで捕らえて1着。かに思われたが、青板のバックでのイエローライン踏み切りにより失格。結局、渡邉の番手から追い込んだ高橋陽介(写真)が、繰り上がって白星を手にした。


 「(吉澤を)張ろうと思ったけど、稲毛もいるし、転んでしまうと思って。何かしようと思ったけど、結果、吉澤君にいかれてしまいました。その後はよかったと思います。でも、(渡邉)一成が信じられないカカりだったし、とんでもない強さでしたね。みんな苦しかったと思う。次元の違う走りでした」


 稲毛が不発になった東口善朋だが、高橋を追う形で2着に入る。


 「一成は、GIを獲っているだけに勢いがありますね。流しているし、出させてくれると思ったんですけど。強気な攻めで出切れなかったです。(自分は)脚を使っていないし、(稲毛)健太だけを見て、流れで踏んだだけ。健太と一緒に勝ち上がりたかった」


 渡邉一成が、繰り上がりで優秀戦に進出。しかしながら、状態の不安を抱えながらも、積極的な組み立てを披露した。


 「(初手は)前でもよかったんですけど、稲毛が出たので。新人みたいなレースでしたね。周りが見えなかったです。長かったし、きつかった。コンディションは最悪だったし、二日目は考えて(ケアをする)」

6R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 廣田敦士が赤板前から主導権を握ると、続いた池田勇人、前受けから引いた稲毛健太(写真)で併走に。最終ホームまでもつれは続いたが、稲毛が1センターでさばいて踏み上げる。抵抗する中部コンビを力でねじ伏せて勝利した。


 「(初手は)33なので、後ろか中団がよかったですね。でも、変にけん制が入って誘導を追うよりはと思って(前受けした)。来るのも遅かったし、突っ張ろうかとも思ったんですけど、(廣田と)モガき合っても池田さんのまくりごろになってしまうし。一回斬らせてから考えようと。(併走になったが)前々にいこうと思っていたし、引いたら(ラインの)3番手が苦しくなると思って。廣田君が踏んだり起こしたりしているから、きつかったですね」


 目標の池田が外に浮いた朝倉佳弘は、1センターで前に踏む。コースを俊敏に突いて2着に突っ込んだ。


 「初日の教訓が生きましたね。バックを過ぎたら、ニュートラルよりも踏み込んで、空いたところを突っ込む。初日は、浮いた時にニュートラルにいれた分、届かなかったので。(4コーナーで)3番(愛敬博之)にあたったのは、よくなかった。すり抜けないと。瞬時に判断もできたし、飯嶋さんが(内に)入るのもわかっていた。でも、(勝ち上がれたのは)ラインのおかげです」


 1センターで朝倉と連結を外した飯嶋則之は、前田拓也をすくって稲毛にスイッチ。3コーナーでは稲毛を追えずも、朝倉に続いて3着に入った。


 「池田には悪いけど、ごちゃごちゃした展開になってくれたので、チャンスができました。本当は稲毛にスイッチして付いていけていれば、何のこともなかったんですけどね。体は大丈夫ですけど、脚が…」

7R

選手の写真です。
山中秀将選手

 大方の予想通り、山岸佳太が合わせて踏んだ桑原亮を赤板で押さえて先行策に出た。桑原はイン粘りを敢行するも、失敗に終わる。正攻法に構えた山中秀将(写真)は7番手に置かれたが、打鐘の4コーナーから反撃を開始。好回転のまくりで逃げる山岸を3コーナーで捕らえた。


 「桑原さんが粘った所は、山岸君が駆けてなかったので落ち着いていこうと。神山(雄一郎)さんのけん制だけを警戒して、コーナーの持ってこられない所で通過できようなタイミングで仕掛けた。ラインには悪かったけど、色々考えた上で最善だと思った。初日に大敗こそしたけど、悪い感じはしないです」


 松坂英司は山中に付け切れず。逃げた山岸佳太が2着に粘り込んだ。


 「昨日よりもカカっている感じはあったけど、山中さんのスピードが違った。桑原さんが粘ってくる動きが難しかったですね。最近は出切れず負けることが多かったので、久々にまくられて力の差を感じました」


 神山雄一郎は桑原から番手を守り切るも、山岸を交わせず3着。


 「山中君は見えたけど、止められるようなスピードではなかったし、切り替えるような力もないので。でも、1車で来たのは確認できたし、余裕が少しずつ出てきている」

8R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 取鳥雄吾(写真)は赤板の2コーナーから巻き返したが、逃げる阿部拓真を叩けず。しかし、中団で一呼吸を入れると、最終1センターから再度アタック。和田圭のブロックも乗り越えて、前団をまくり切った。


 「すかさず行こうと思ったけどちょっと長いかなって思って構えちゃいました。外で回す形になるかなって思ったけど、山形さんも内をキメてくれて。ラインで決められていないんで反省して。今回はシューズとセッティングを換えて調整しているけど、もう少しいじります」


 取鳥を止められなかった和田は、山形一気をブロックにいくと態勢を崩して落車。山形、谷津田将吾も巻き込まれてしまう。これを避けた渡部哲男が、直線で鋭く伸びて2着に入った。


 「落車を避けた割りに伸びたね。素直には喜べないけど何とか凌げた。山形君も頑張ってたし、道中もバック踏みながらできつかったけど良かったです」


 2コーナーからインを進出した真崎新太郎は、目の前で起きた落車のアクシデントを間一髪で回避。3着に追い込んだ。


 「前のレースで栃木の選手がいいレースをしていて、自分も気合が入りました。和田君の所まで入ろうかと思ったけど、待ったのが良かった。入っていたらあたられてきつかったと思う。でも、落車するとは思わなくて。(避けられたのは)ラッキーとしか言いようがないですね」

9R

選手の写真です。
宿口陽一選手

 前受けの野原雅也が、上昇してきた宿口陽一(写真)を突っ張って出させない。すると、赤板から早坂秀悟が一気に巻き返して強引に主導権を奪った。叩かれた野原は番手にハマると、最終2コーナーからまくり上げる。宿口陽一は、この仕掛けを追うと、ゴール寸前で差し切った。


 「ラインを考えたらホームでいかないといけないけど、無理でした。早坂君のダッシュがきつくて。でも、そのへんは冷静に対応できたと思います。最後は脚も残っていなかったし、差せると思わなかったです。(野原に突っ張られてから位置を取ってくれた)深井(高志)さんのおかげですよ。それがすべて」


 準決勝進出を決めた野原雅也だが、反省を交えてレースを振り返る。


 「すんなり下げて早坂さんに叩かれたら巻き返せないし、突っ張ろうと思っていました。でも、焦り過ぎたかも。自信がないから、前々にいないとって思ってしまって。最後も宿口さんに差されたのが…。ハマった以上は1着を取らないと。弱いですね」


 最終ホームを8番手で通過した小川勇介は、1コーナーから仕掛けて前団に迫る。その惰性をもらった吉永和生が、直線で伸びて3着に食い込んだ。


 「(二次予選は)小川君に任せていました。仕掛けてくれるのはわかっていたので、踏み出しに集中して。恵まれましたね。(状態は)悪くないと思う。ここまでレース間隔も空いて、練習もできました」

10R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 堀内俊介が、合わせて踏んだ河村雅章を赤板で押さえて先行策に出た。打鐘を一本棒で通過すると、前受けから引いた中川誠一郎(写真)は4コーナーからロングまくりを敢行。目の覚めるようなスピードで前団をひと飲みした。


 「河村君に巧く中団を取られてしまって、7番手に置かれて。堀内君のペースだったから、タイミングが取りづらかったですね。最近は全然(まくりが)決まっていなかったから、気持ちがダメだったけど行けたので。最近の中では一番良い感じでした」


 中川と大きく口が空いてしまった三宅伸だが、懸命に追いかけてワンツーを決めた。


 「ジャンで詰まった感じだったけど、(中川は)いかないで、一番キツい所でいかれた。最後は自力でいったようなものだったね。誰かに食われると思ったけどね(笑)」


 河村雅章は中団を確保するも、被って仕掛けられず。しかし、中川ラインの仕掛けを追いかけると、直線で外のコースを伸びて3着に食い込んだ。


 「中川さんの仕掛けに出遅れてしまった。先に行きたかったのに。そうじゃないとラインで決まらなかったので。自分だけになって申し訳ないが、堀内君も良いペースで踏んでいて仕掛けづらかった」

11R

選手の写真です。
伊藤裕貴選手

 城幸弘が後ろ攻めから上昇してインを斬る。伊藤裕貴(写真)が赤板で城を押さえ、抜かりなく主導権を握った。そのまま絶妙なペースで駆けて別線を完封。最後は、濱口高彰の追撃も振り切って堂々の逃げ切り勝ち。


 「一番いい展開になりましたね(笑)。城さんも自分が出るときに踏まなかったし、本当に自分のペースで。練習みたいな感じで踏めました。繰り上がりだったし、無欲なのがよかったのかも。初日は重かったけど、二次予選は朝練からいつもの感じが戻ってきていた」


 濱口高彰は4分の1輪差届かず2着も、勝ち上がりを決めて笑顔。


 「強かったですね。上手に駆けてくれたから和田(真久留君)も仕掛けづらかったと思いますよ。でもあれだけ駆けて最後までよく持ちましたよね(笑)」


 中近3番手を固めた堂村知哉が、今年の地元福井記念に続き、準決への切符を手にした。


 「本当に恵まれました(笑)。カカリも凄く良かったです。余裕はなかったけど、誰もこれないだろうと思ってました。最近は流れも良いですね」

12R

選手の写真です。
山賀雅仁選手

 優秀「銅門賞」は、山賀雅仁(写真)が制した。レースは山賀が青板の2コーナーから動いて前に出ると、竹内雄作が叩きに出る。しかし、渡邉一成は合わせて踏んで、これを出させない。叩けなかった竹内は一旦番手に降りるも、最終1センターで渡邉一をすくい先頭に躍り出た。すると、戦況を中団で見極めていた山賀が2コーナーからまくり上げる。ジワジワと前団に迫り、直線入り口で竹内を捕らえた。


 「(初日に竹内と対戦した)山中(秀将)がまくれなかったっていうのを考えて、粘るって作戦でした。でも、違う走りをしてしまって。渡邉(晴智)さんに申し訳ないです。結果がワンツーですけど、それでよしじゃないです。特別を勝ち上がる選手たちの走りを見て、まだまだだなと思いました。この走りじゃ次は勝てない」


 山賀に続いた渡邉晴智はゴール前で迫るも、わずかに交わせず2着。


 「最後は差し込みにいったけけど、踏み直された。差し加減を間違えましたね。(ここまで1着、2着だが)いい位置を回らせてもらっているから。体も大丈夫です。準決勝は本物の渡邉(一成)に付きますよ(笑)」


 単騎の岩津裕介は、終始後方に置かれてしまう。しかし、南関勢の仕掛けを追って3着に入った。


 「雰囲気と走り方がみんな違って、難しかったですね。結局、後ろになってしまって。でも、ある程度余裕があったら、3着までにいけるかなと思っていました」


 竹内雄作はゴール前で岩津に交わされて4着。


 「渡邉(一成)さんは自転車にモーターが入っているんじゃないですか。(状態は)あれで残れていないので、まだまだですね。悔しいです」


 渡邉一成は8着に沈むも、竹内とのバトルはファンを大いに沸かせた。


 「長い距離を踏んでも、バックを取れていないからダメですね。人の後ろばかりで、久しぶりに自力を出して。しゃくられたり、ミスがあった。(準決勝は)修正というより、リカバリーをします」

10R

選手の写真です。
高橋陽介選手
選手の写真です。
神山雄一郎選手

 後ろ攻めから野原雅也が上昇。合わせて踏んだ高橋陽介(写真)を押さえて赤板で主導権を握った。高橋が思惑通り中団を確保し、正攻法に構えた中川誠一郎は7番手。打鐘、最終ホームと隊列は一本棒で通過する。最終ホームから中川が仕掛けるが、車の進みは今ひとつ。すると、仕掛けるタイミングを見計らっていた高橋が1センターからアタック。逃げる野原を3コーナーで捕らえた。


 「野原君はカマシ、まくりのイメージがあったので脚を使わせたらどうかなと。自分は練習してきて、脚に自信はあったので。自分の脚を使ってでも、野原君に脚を使わせたかったです。中川さんが早めに仕掛けてきたら危なかったけど、構えてくれて展開が向きましたね。(小田原は)冬期移動で世話になっているし、決勝に上がれて良かった」


 神山雄一郎(写真)が続き、2着を確保した。


 「高橋君が強かったね。自分の状態は2日目も話したけど、徐々に良くなっています。2日目よりも楽に回せている」


 渡部哲男は目標の中川が不発とみるや東勢にスイッチ。直線で外のコースを伸びて3着に入る。


 「最後は伸びたので、よしですかね。初日が重くてどうなるかと思ったけど、結果が出ているので悪いとは言えない。久々に記念の決勝。これがいいきっかけになってくれれば」


 風を切った野原雅也だが、抵抗及ばず。


 「悪い展開じゃなかったんですけど。踏み上げたいところで、踏み上がらなかったです。先行一車で、バックでまくられているし、力不足ですね」


 

11R

選手の写真です。
山岸佳太選手
選手の写真です。
山中秀将選手

 後ろ攻めの取鳥雄吾に合わせて踏んだ山岸佳太(写真)は、イン斬って4番手をキープ。6番手となった山中秀将は、最終ホームの手前からロングまくりで反撃に出る。番手から前に踏んだ岩津裕介を力ずくで飲み込んだ。すると、山岸が口の空いた山賀雅仁を張って大外を踏み上げる。両者の力勝負は、山岸に軍配が上がった。


 「(作戦は)先行とまくりの五分五分でした。でも、取鳥君と踏み合っても仕方ないと思っていたので。冷静に走れました。とりあえず、あの位置が取れたら前に踏みながら、しっかり(位置を)取ってと思ってました。飯嶋(則之)さんと決められなかったのが残念ですけど、決勝に勝ち上がれたし。上出来というか出来過ぎですね」


 山中秀将(写真)は山岸に屈するも、抜群のスピードで2着に入った。


 「竹内君を後ろに置いて、あの位置が最低取れれば、どうにかなると。取鳥君も山岸君も前に出れば、竹内君を出させないと思ったので。でも山賀さんにも任されていたし、(竹内の仕掛けに)被る前に仕掛けようと思ってました。前検日から今回は調子が良いだろうなって感じていました」


 番手からまくった岩津裕介が、3着で決勝行きを決めた。


 「最終ホームまで取鳥君の先行は隙が無かったですね。でも、山中君が来たのが分かって2回くらい振ったけど止まる感じがしなかったし、前に踏まないと共倒れに終わると思って(前に踏んだ)。山中君が強かったです」


 

12R

選手の写真です。
渡邉一成選手
選手の写真です。
渡邉晴智選手

 青板の2コーナーからレースが動き、隊列が激しく入れ替わる。宿口陽一が赤板の1コーナーから果敢に駆けていくも、これを稲毛健太が最終ホームで強引に叩き主導権を奪取。すると、渡邉一成(写真)が、稲毛を追うように踏み上げて前団をあっさりとまくり切る。最後は渡邉晴智の追撃も振り切って白星。


 「先行してもいいという気持ちでいました。レースが早く始まったけど、前団が短くなって楽になりましたね。まくり切った時点で、あの展開なら(別線が)後ろからくることはそうそうないので。初日、優秀は長い距離を踏んできつかったですけど、準決勝はだいぶ楽でした。でも、まくり切ってからバタバタしていたので、そこを何とかしたい」


 2着に続いた渡邉晴智(写真)は、渡邉一の強さを絶賛する。


 「強かったです。出切った時には決まったなと。すごいカカリだったし、(渡邉)一成君は外国人ですね。記念の決勝は久しぶり。いつも(弟子の渡邉)雄太ばかり乗っているから」


 目標の余力を見極めた河村雅章は、自力に転じて3着に食い込んだ。


 「(青板で)斬りに行って、まさかしゃくられるとは。連日、へんなレースをしています。とりあえず、勝ち上がれてよかった。(状態は)だいぶ戻ってきましたね」


 積極的に仕掛けた稲毛健太だが、最後は失速して5着に終わった。


 「一成さんが強いし、自分のレースができないので前々に攻めようと。(出切って)後ろを確認したら、緑(堂村知哉)じゃなくて、赤(渡邉一成)がいましたね。あれで残れないようでは…」


 


 


 


 最終日の第9レースでは、7車立てで争う、S級ブロックセブンが行われる。


 中心となるのは渡邉雄太だ。前回、豊橋記念の初日特選では、まくりで浅井康太らを撃破。今やグレードレースでも上位と肩を並べるだけに成長した。ここも、持ち前の機動力を生かして白星を手にするか。


 「ここまでは普通にやりました。暑いのも大丈夫です。本番は先行を基本に。一発勝負はヤンググランプリ以来です。(小田原は)負けまくった記憶しかない。(作戦は)本番までに考えておきます」


 池田良は6月福井をVや、同月の富山記念を優出などキメ脚軽快。本番は、単騎で白星を狙う。


 「(佐藤は)まくりっぽいし、33なので位置を決めても。7番手の可能性もあるし、それなら自分で前にいたいので。(渡邉雄太、岡崎智哉の)どちらが先行か見極めてですね。オールスターの前はよかったんですけど、平が苦手で、オールスターは手ごたえがなかったです。でも、小田原は(相性が)良いし、好きですよ。体調も大丈夫」


 上位陣が不在ながら、8月京王閣で922着と好走した岡崎智哉。不調に喘いでいたが、徐々に復調してきた。


 「先月くらいから、練習方法とかレースに対する心構えのアドバイスを受けて。今変えているところです。前回(豊橋記念7813着)は、フレームを換えたらあわなくて。それで、3日目から前のフレームに戻したら1、3着でした。状態も上向いていますね。でも、良かった時に戻ってきているといっても、その時にGIに出れていないので。もっと、いろいろ試していかないと。今回は7車だし、8、9着がないから思い切りやるだけですね」


 佐藤幸治は8月名古屋を優出すると、続く向日町では無傷で決勝に進出。「感じは結構良い」と好調をアピールする。


 「いい流れできていますね。少しずつ上がってきたかなと。(7車立ては)A級のミッドナイトで走ったことがあります。仕掛け所も変わりますね。早め、早めを心がけて、どこからでも仕掛けたい」